JP2783999B2 - 漂白剤組成物 - Google Patents

漂白剤組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な漂白剤組成物に関し、更に詳しくは過
酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する過酸化物
と特定のグリセライドを含有することを特徴とする漂白
剤組成物に関する。 〔従来の技術〕 一般に、衣料用の漂白剤に使われる過酸化水素又は水
溶液中で過酸化水素を生成する過酸化物は、高温で高い
漂白効果を発揮することができるが、温度が低下して来
ると著しくその効果を低下させる。又、衣料用に使用す
る様に衣類全体を浸漬して比較的長時間浸漬しておける
場合は効果があるが、固体表面の漂白の様に漂白剤溶液
を表面に撒布するような場合には、溶液が垂れたり、表
面へしみこんだりして、効果がほとんど発揮できないと
いう欠点があった。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、これらの欠点を克服すべく鋭意研究を
行った結果、過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生
成する過酸化物に、従来このような用途には使用されて
いなかった特定のモノグリセライド、又はそのエステル
を組み合わせることによりこれらの欠点を解決できるこ
とを見いだし本発明を完成した。 即ち、本発明は過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素
を生成する過酸化物と、化学式 (式中のR1は炭素数7〜19のアルキル基、又はアルケニ
ル基、R2,R3はH、CO(CH2nCH3、SO3M又はCOCH2C(O
H)(COOH)CH2COOHであり、nは0又は1以上の整数、
Mはアルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム
を表す。)で表される化合物を含有することを特徴とす
る新規漂白剤組成物を提供するものである。 本発明で使用される水溶液中で過酸化水素を生成する
過酸化物としては、有機及び無機過酸化水素付加物であ
る炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物、トリポリリン酸
ナトリウム・過酸化水素付加物、ピロリン酸ナトリウム
・過酸化水素付加物、尿素・過酸化水素付加物、又は4N
a2SO4・2H2O2・NaCl複塩等が例示される。又、過ホウ酸
ナトリウム一水化物、過ホウ酸ナトリウム四水化物、過
酸化ナトリウム、過酸化カルシウム等の無機過酸化物が
ある。この中でも特に炭酸ナトリウム・過酸化水素付加
物、4Na2SO4・2H2O2・NaCl複塩、過ホウ酸ナトリウム一
水化物、過ホウ酸ナトリウム四水化物が好ましい。これ
らは1種又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。 過酸化水素或いは水溶液中で過酸化水素を発生する有
機又は無機過酸化物の漂白剤組成物中の配合量は0.5〜9
5%(%は重量%、以下同じ)が好ましく、更に好まし
くは5〜90%、特に好ましくは30〜90%である。 次に本発明の第二成分である化学式(I)で表される
化合物としては、天然油脂、例えば牛脂、ヤシ油、パー
ム油などから誘導される所定炭素数の脂肪酸、或いは合
成脂肪酸より合成されるモノグリセライド及びそのエス
テルならなんでも使用できるが、好ましくは、炭素数8
〜20の脂肪酸のモノグリセライド又はそのアセチル化物
である。 これら化学式(I)で表される化合物の組成物中の配
合量は0.5〜50%が好ましく、更に好ましくは1〜25%
である。使用時における溶液中の濃度は好ましくは0.1
〜10%、更に好ましくは0.2〜5%である。化学式
(I)で表される化合物は特に有効酸素濃度の高い使用
法において過酸化物の効果をかなり上げることが出来
る。 本発明の漂白剤組成物は更にpHを調整する緩衝剤を配
合すれば、効果をより高めることができる。 これらの緩衝剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムの如きアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモ
ニウム或いはモノ、ジ、トリエタノールアミンの如きア
ミン誘導体、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの如きアル
カリ金属の炭酸塩、炭酸アンモニウム等、オルソ燐酸ナ
トリウム、オルソ燐酸カリウムの如きアルカリ金属のオ
ルソ燐酸塩、オルソ燐酸アンモニウム等のオルソ燐酸
塩、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムの如きアルカリ金属
の珪酸塩、珪酸アンモニウム等の珪酸塩等を用いること
ができる。 pH緩衝剤は、使用する過酸化物の種類に合わせて最適
の効果をもたらすpHに調整する量使用すればよい。 又、本発明の組成物には従来の活性化剤と組み合わせ
て使用することもできる。使用できる活性化剤として
は、アセトニトリル、マロノニトリル、フタロニトリ
ル、ベンゾイルイミノジアセトニトリルの如きニトリ
ル、グルコースペンタアセテート、オクタアセチルシュ
ークロース、トリアセチン、ソルビトールヘキサアセテ
ート、アセトキシベンゼンスルホン酸塩、又は、トリア
セチルシアヌル酸、クロルギ酸メチルのようなO−アセ
チル化物、N,N,N′,N′−テトラアセチルエチレンジア
ミン又は、テトラアセチルグリコリルウリル、N−ベン
ゾイルイミダゾール、ジ−N−アセチルジメチルグリオ
キシム、1−フェニル−3−アセチルヒダントイン、N,
N−ジアセチルアニリン、N−アセチルジグリコリミ
ド、ジアセチルメチレンジホルムアミドのようなN−ア
シル化物、及び無水フタル酸、無水コハク酸、無水安息
香酸、無水グルタル酸、アルキル硫酸無水物、カルボン
酸と有機スルホン酸の無水物のような酸無水物、ジ−
(メタンスルホニル)ジメチルグリオキシムのようなス
ルホニルオキシム、ジ−エチルベンゾイル燐酸塩のよう
なアシル化燐酸塩、フェニルスルホネートエステル、ジ
フェニルホスフィニックアジドのような有機燐酸アジ
ド、ジフェニルジスルホンのようなジスルホン、その他
N−スルホニルイミダゾール、シアナミド、ハロゲン化
トリアジン等が例示される。これらの活性化剤は、1種
或いは2種以上組み合わせて用いる事が出来る。 活性化剤の使用量は、組成物に対して5%〜70%が良
く、好ましくは10%〜50%が良い。 更に、本発明の組成物には必要により塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、
臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化ア
ンモニウムの如きアルカリ金属、或いはアンモニウムの
ハロゲン化物、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リ
チウムの如きアルカリ金属硫酸塩、或いは硫酸アンモニ
ウム塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リ
チウムの如きアルカリ金属重炭酸塩、重炭酸アンモニウ
ム、ピロ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、ピロ燐酸
リチウムの如きピロ燐酸アルカリ金属塩、ピロ燐酸アン
モニウム、トリポリ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸カリ
ウム、トリポリ燐酸リチウムの如きトリポリ燐酸アルカ
リ金属塩、トリポリ燐酸アンモニウム等の如き縮合燐酸
アルカリ金属、或いはアンモニウム塩等が配合できる。 本発明の組成物には、必要によりアニオン活性剤、非
イオン活性剤、カチオン活性剤、両性イオン活性剤等の
活性剤を添加することができる。 アニオン活性剤の例としは炭素数10〜22の高級アルコ
ールの硫酸エステル塩、炭素数10〜22のカルボン酸塩、
炭素数10〜22のα−オレフィンスルホン化物、炭素数10
〜22のアルキル基を持つアルキルベンゼンスルホン酸
塩、炭素数10〜22のパラフィンスルホネート、炭素数8
〜22のアルキル基を持つアルキルスルフォサクシネー
ト、炭素数10〜22の高級アルコールのエチレンオキサイ
ド付加物(付加モル数:1〜100)の硫酸エステル、炭素
数8〜22のアルキル基を持つアルキルフェノール・ポリ
エチレングリコールエーテルの硫酸エステル等が例示出
来る。 非イオン活性剤の例としては、炭素数10〜22の直鎖、
或いは分岐鎖を持つ高級アルコール・ポリ(重合度:3〜
100)エチレングリコールエーテル、炭素数10〜22のカ
ルボン酸のポリ(重合度:3〜100)エチレングリコール
エステル、炭素数8〜22のアルキル基を持つアルキルフ
ェノール・ポリ(重合度:3〜100)エチレングリコール
エーテル等が例示出来る。 その他必要により、p−トルエンスルホン酸ナトリウ
ム、キシレンスルホン酸ナトリウム、尿素の如き可溶化
剤、モンモリロナイト属等の珪酸アルミニウム、セピオ
ライト、アタパルジャイト等の珪酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、二酸化珪素の様な研磨剤、非晶質シリカ、
顔料、染料、香料等を添加する事が出来る。 本発明の漂白剤を使用するに当たっては、濃度として
0.5〜50%、好ましくは1〜30%になるように希釈する
のが好ましい。特に固体表面に使用する場合には、組成
物を水に添加して溶液、スラリー、或いはペースト状に
して、直ちに対象面に撒布、或いは噴霧することが望ま
しい。より具体的に例示すると、使用に当たっては、有
効酸素濃度が0.1〜10%が好ましく、更に好ましくは0.2
〜6%になるようにするのが良く、pHは8〜13が好まし
く、更に好ましくは9〜12が良い。 〔発明の効果〕 本発明による漂白剤組成物は、固体表面に対しても十
分な漂白力を発揮し、特に低温でも効果がある為、衣類
用の漂白剤としてだけでなく、カビ取り剤、配水管洗浄
剤、トイレ用洗浄剤、換気扇クリーナー等に使用でき
る。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 第1表に示す配合を調整して得られた組成物に、紅茶
汚染布を浸漬し、30分後の漂白率を測定した。pHはいず
れもNaOHで10.0に調整した。 実施例2 第2表に示す配合を有する組成物を調整し、これにカ
ビプレートを浸漬し、15分後のカビ除去率を測定した。
pHはいずれもNaOHで12.0に調整した。 カビ除去率; カビ除去率は、アスペルギルス・ニガー(Aspergilus
Nigar)を接種して30℃,7日間培養した素焼の板をモデ
ルカビプレートとし、このカビプレートを漂白剤で浸漬
処理して、その処理前及び後の反射率を測定し、次式に
より計算して求めた。 (計算式) カビ除去率(%)=(RW−RS)/(RO−RS)×100 ROはカビ接種前の素焼の板の反射率 RSは処理前のカビプレートの反射率 RWは処理後のカビプレートの反射率 測定機種名: 日本電色工業株式会社製NDR−101DP色差計

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する過
    酸化物と、化学式 (式中のR1は炭素数7〜19のアルキル基、又はアルケニ
    ル基、 R2,R3はH、CO(CH2nCH3、SO3M又はCOCH2C(OH)(CO
    OH)CH2COOHであり、nは0又は1以上の整数、Mはア
    ルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムを表
    す。) で表される化合物を含有することを特徴とする漂白剤組
    成物。 2.水溶液中で過酸化水素を生成する過酸化物が、炭酸
    ナトリウム・過酸化水素付加物、4Na2SO4・2H2O2・NaCl
    複塩、過ホウ酸ナトリウム一水化物及び過ホウ酸ナトリ
    ウム四水化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上
    である特許請求の範囲第1項記載の漂白剤組成物。 3.化学式(I)で表される化合物が炭素数8〜20の脂
    肪酸のモノグリセライド又はそのアセチル化物である特
    許請求の範囲第1項記載の漂白剤組成物。 4.化学式(I)で表される化合物の組成物中の配合量
    が0.5〜50重量%である特許請求の範囲第1項乃至第3
    項の何れか1項に記載の漂白剤組成物。
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