JP2776216B2 - 建築架構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は施工の省力化及び工期
の大幅短縮化を可能にした建築架構に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ＲＣ構造の建物においては、大ばり及びこの大ばり間に
架け渡される小ばりは、共にＲＣ構造によって構築され
ている。

【０００３】このため、大ばりだけでなく小ばりの施工
にも型枠支保工を必要とし、施工の煩雑化、工期の長期
化が免れないという課題があった。

【０００４】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、施工の省力化、工期の大幅短縮化を可
能にした建築架構を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る建築架構
は、大ばりをＲＣ構造とし、小ばりをＳ構造とし、か
つ、前記大ばりに前記小ばりを接合する横長矩形板状の
接合プレートを取付けたものであって、接合プレートは
その両端部を大ばりより突設するようにして大ばりの材
軸に直角にコンクリート中に埋設され、さらに接合プレ
ートの両側面部には複数本のアンカー鉄筋を突設してコ
ンクリート中に固定されるようになし、接合プレートに
前記小ばりを接合してなることにより構築されている。

【０００６】

【実施例】図１〜図３は、この発明に係る建築架構の一
実施例を示し、図において、符号１はＲＣ構造の柱、２
はこの柱１，１間に架け渡されたＲＣ構造の大ばり、３
はこの大ばり２，２間に架け渡されたＳ構造の小ばり、
４は大ばり２に取り付けられ、小ばり３の端部が接合さ
れた接合プレート、５は大ばり２及び小ばり３の上に一
体的に構築されたＲＣ構造の床スラブ、そして、符号６
は床スラブ５を構築するために小ばり３，３間に敷設さ
れたデッキプレートである。

【０００７】柱１及び大ばり２は、従来と同様に型枠と
この型枠を支持する支保工を使用して構築されている。

【０００８】接合プレート４は横長の矩形板状に形成さ
れ、かつ、大ばり２のコンクリート中に、大ばり２の材
軸に対して直角に埋設されている。

【０００９】接合プレート４の両側面部には、接合プレ
ート４が大ばり２のコンクリート中に完全に固定される
ように複数本のアンカー鉄筋７，７が大ばり２の材軸に
沿って所定長さに突設されている。

【００１０】また、接合プレート４の両端部は大ばり２
の側面部より所定長さ突出され、小ばり３を接合するた
めの継ぎ手部4a，4aを形成している。

【００１１】継ぎ手部4a，4aには小ばり３を接合する接
合ボルト８を通すためのボルト孔９，９が上下方向に所
定間隔おきに複数個形成されている。

【００１２】尚、接合プレート４は大ばり２の構築後、
大ばり２の側面部にあらかじめ突設しておいたアンカー
ボルトによって取り付けてもよい。

【００１３】小ばり３にはＨ形鋼が使用され、また、小
ばり３のウェブ３ａの端部が継ぎ手部４ａに添え付けら
れ、かつ、この継ぎ手部４ａのボルト孔９，９とこのボ
ルト孔９，９に対応してウェブ３ａに形成された複数個
のボルト孔10,10 に複数本の接合ボルト８，８が挿着さ
れることにより小ばり３の端部が大ばり２に接合されて
いる。

【００１４】また、小ばり３の上側フランジ３ｂには、
小ばり３と床スラブ５とが一体になるように床スラブ５
のコンクリート中に突出する複数本のスタッドボルト1
1,11が所定間隔おきに突設されている。

【００１５】続いて、この発明に係る建築架構の施工方
法を簡単に説明すると、まず、柱１及び大ばり２を構築
するための柱用型枠（図省略）及び大ばり用型枠（図省
略）を組み立て、それぞれ専用の支保工（図省略）によ
って支持する。

【００１６】次に、大ばり用型枠間に小ばり３を架け渡
し、その両端を大ばり用型枠の支保工に支持させる。同
時に、大ばり用型枠の小ばり接合部に接合プレート４を
取り付け、この接合プレート４の継ぎ手部4a，4aに小ば
り３の端部を接合する。この場合、大ばり用型枠の両側
部に縦長の切欠部を設け、この切欠部より接合プレート
４の継ぎ手部4a，4aを突出させる。

【００１７】次に、小ばり３，３間にデッキプレート６
を敷設し、また、大ばり用型枠内及びデッキプレート６
の上に、必要に応じて大ばり２及び床スラブ５の補強鉄
筋（図省略）を配筋する。

【００１８】そして最後に、大ばり用型枠及びデッキプ
レート６の上にコンクリートを打設し充分に養生する。

【００１９】

【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、次の効果がある。

【００２０】(1) 小ばりに鉄骨材が使用され、かつ、大
ばりに接合される前の小ばりは大ばり用型枠の支保工に
支持させることができるので、小ばりを構築するための
型枠及びこれを支持する小ばり専用の支保工を一切省略
でき、施工の大幅な省力化及び工期の大幅な短縮化が図
れる。

【００２１】(2) 小ばりの両端は大ばりの側面部に突設
された接合プレートを介して大ばりに接合されているの
で、小ばりの接合も容易にできる。

【００２２】(3) 接合プレートの両側面部に複数本のア
ンカー鉄筋を突設してあるので、接合プレートは大ばり
のコンクリート中に埋設して完全に固定され、接合プレ
ートを介して接合された小ばりは確実に固定される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る建築架構の一部平面図である。

【図２】図１におけるａ−ａ線断面図である。

【図３】図１におけるｂ−ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１…ＲＣ構造の柱、２…ＲＣ構造の大ばり、３…Ｓ構造
の小ばり、４…接合プレート、５…ＲＣ構造の床スラ
ブ、６…デッキプレート、７…アンカー鉄筋、８…接合
ボルト、9,10…ボルト孔、１１…スタッドボルト。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 大ばりをＲＣ構造とし、小ばりをＳ構造
   とし、かつ、前記大ばりに前記小ばりを接合する横長矩
   形板状の接合プレートを取付けたものであって、接合プ
   レートはその両端部を大ばりより突設するようにして大
   ばりの材軸に直角にコンクリート中に埋設され、さらに
   接合プレートの両側面部には複数本のアンカー鉄筋を突
   設してコンクリート中に固定されるようになし、接合プ
   レートに前記小ばりを接合してなることを特徴とする建
   築架構。