JP3701078B2 - 道路床版工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高架道路等の床版を短期間で低コストに施工できる床版工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より行なわれている道路床版の施工法は、足場を設置した後、主桁に対する床版型枠の設置と配筋を行なってコンクリートを打設し、コンクリート養生後に型枠を脱型し、次に壁高欄部分の型枠の設置と配筋を行なってコンクリートを打設し、コンクリートの養生後に脱型と足場撤去を行なう工程を経るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の床版工法は、全てを現場で施工するため、支保工や足場、型枠の組立て及び解体に多くの労力と時間を必要とし、工期が長くかかり、その分施工コストが高くつくという問題がある。
【0004】
また、全て現場施工であるため、配筋寸法の施工管理や品質管理が行ないにくく、強度にバラツキが生じるという問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、工期の短縮と品質の向上が図れ、施工コストの低減を実現することができる道路床版の施工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、下部の一面側にビームと鉄筋を突出させ、下面に底版を設けたコンクリート壁高欄と、底版上にビームを設けた床版を予め製作し、上記コンクリート壁高欄と床版を主桁上に設置して両者の底版上に配筋を行なった後、底版上にコンクリートを打設する構成を採用したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0008】
図示のように、道路床版の構築には、コンクリート壁高欄1と、床版2が用いられ、これらは、予め工場又は現場ヤードで製作し、主桁3上に設置する。
【0009】
上記コンクリート壁高欄1は、下部の一面側にラチスビーム4と多数本の十分な定着長さを有する鉄筋5を長手方向に一定間隔の配置で突設し、更に下面にラチスビーム4及び鉄筋5と同方向に突出する金属パネルの底版6を設けた構造になっており、底版6はラチスビーム4と固定化されている。
【0010】
床版2は、金属パネルの底版7上にラチスビーム8とフラットバー9を交互に並べて固定した構造を有し、前記コンクリート壁高欄1の底版6と、床版2の底版7は平面的に見て略等しい長さを有し、両者のラチスビーム4と8は、等しい配置間隔になっている。
【0011】
図2(A)、(B)のように、コンクリート壁高欄1のラチスビーム4及び床版2のラチスビーム8は、各々の底版6、7の端部よりも少し突出し、両ラチスビーム4、8の端部を互に突き合せた状態でジョイント10によって結合するものであり、コンクリート壁高欄1と床版2を一体に吊上げ可能にすることもでき、両ラチスビーム4、8の結合部分の直下が主桁3によって支持される。
【0012】
次に、床版の施工方法を、図4を主体に用いて説明する。
図4(A)に示すように、主桁3に水平支持材11とサポート12を設置すると共に、コンクリート壁高欄1と床版2をクレーンで吊上げ、図4(B)に示す如く、ラチスビームの結合せんとする部分が主桁3上に位置するよう該主桁3上に載置し、ラチスビーム4、8をジョイント10で結合し、コンクリート壁高欄1の下部をサポート12で支持する。
【0013】
コンクリート壁高欄1と床版2の底版6、7は、図2(A)で示すようにその端部が主桁3の上面に載ると共に、主桁3の上面にはコンクリートとの結合強度を向上させるためのジベル筋13が予め立設されている。
【0014】
なお、道路の構築において、その両側にコンクリート壁高欄1が位置する配置となり、その間に必要数の床版2が配置されることになる。この場合、各ラチスビームを互に結合する。
【0015】
上記のように、主桁3上にコンクリート壁高欄1と床版2を設置した後、両者の底版6、7上に鉄筋14を配筋する。
【0016】
上記鉄筋14は、図3(A)乃至(C)に示すように、上下の配力筋14a、14aをラチスビーム4、8の上面及びフラットバー9の上面で支持し、この配力筋14a、14aの上下に主筋14bを配置することにより、鉄筋14の配置高さの精度が大幅に向上する。
【0017】
また、ラチスビーム4、8は、アングル材15とフラットバー16をラチス17で結合して形成され、配力筋14a、14aの支持が行なえるようになっている。
【0018】
前記鉄筋14における主筋14bの端部は、コンクリート壁高欄1の下部から十分な定着長さをもって突出する鉄筋5とラップ結合する。また、必要に応じ、配力筋14aの端部も隣接する配力筋相互及び在来床版の鉄筋18と接続する。
【0019】
鉄筋14の配筋後において、底版6、7上にコンクリートを打設する。底版6、7が下面の型枠となり、コンクリートの凝固後に水平支持材11やサポート12を撤去すれば、図4(D)のようにコンクリート壁高欄1を有する道路床版が完成する。
【0020】
図4(E)は、隣接するコンクリート壁高欄1の継手構造を示し、コンクリート壁高欄1の接続部分の内外面に部分型枠19、20を当てがい、両型枠19、20間に鉄筋21を組込んだ後コンクリートを打設すればよく、接続強度を向上させるため、コンクリート壁高欄1の端部に予めジベルアンカーを突設しておくこともできる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、主桁上にコンクリート壁高欄と床版を設置してコンクリートを打設するだけで道路床版を構築することができ、木製型枠及び桁間の支保工や足場が不要になり、大幅な省力化と工期短縮により施工コストの低減を実現することができ、木製型枠が不要になるので、自然にやさしい工法となる。
【0022】
また、コンクリート壁高欄と床版を工場や現場ヤードで製作するため、品質が一定化し、ラチスビームの利用により配筋寸法の施工管理が容易であり、優れた品質管理ができる。
【0023】
更に、従来の床版と同じタイプの施工が行なえると共に、床版を打込み型枠としているので、優れた割増し強度が得られ、新規床版はもちろん、拡幅工事や改造工事にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の施工法を示す斜視図
【図2】(A)は主桁上に設置した状態の縦断面図、(B)は同平面図
【図3】(A)は鉄筋の配筋状態を示す断面図、(B)は鉄筋とラチスビームの部分を示す拡大図、(C)は(B)の矢印c−cに沿う断面図
【図4】(A)乃至(E)は床版の構築工程を示す説明図
【符号の説明】
1 コンクリート壁高欄
2 床版
3 主桁
4、8 ラチスビーム
5、14 鉄筋
6、7 底版
10 ジョイント

Claims (1)

  1. 下部の一面側にビームと鉄筋を突出させ、下面に底版を設けたコンクリート壁高欄と、底版上にビームを設けた床版を予め製作し、上記コンクリート壁高欄と床版を主桁上に設置して両者の底版上に配筋を行なった後、底版上にコンクリートを打設することを特徴とする道路床版工法。
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