JP2838608B2 - 大梁と鉄骨小梁の接合構造 - Google Patents

大梁と鉄骨小梁の接合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は現場打ち鉄筋コンクリー
ト造、鉄骨鉄筋コンクリート造、及びプレキヤストコン
クリート造大梁と鉄骨小梁の接合構造に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、大梁が現場打ちコンクリート工法
によって施工される場合、小梁も同じく現場打ちコンク
リート小梁で構成されるか、または、鉄骨小梁を使用し
た場合、端部をピン接合構造とするのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鉄筋コンクリート小梁
はコンクリートの特性によってクリープ、乾燥収縮及び
曲げひび割れ等による長期たわみが増大する。また鉄骨
小梁を使用して端部にピン支持方式を採用した場合、鉄
骨小梁は仕上、積載荷重等の後荷重によって、端部仕口
部がピン接合による強制回転が生じ、床スラブにひび割
れが生じ易くなる。
【0004】このようにいずれの場合においても性能が
低下する。本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑み
て提案されたもので、その目的とする処は、床組の性能
が向上し、施工性が向上し、床スラブ工法の選択に自由
性を有する大梁と鉄骨小梁の接合構造を提供する点にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る大梁と鉄骨小梁の接合構造は、対向端
面に夫々剪断抵抗部材を具えた端部支圧板が取付けられ
た相対する一双の鉄骨小梁と、同両鉄骨小梁の中間に配
設された大梁とよりなり、前記両鉄骨小梁の上部フラン
ジ間を接合板で接合するとともに、前記各鉄骨小梁の端
部支圧板と前記大梁のコンクリート部を一体に結合して
構成されている。
【0006】
【作用】本発明によれば前記したように、相対する一双
の鉄骨小梁と同両小梁に挟まれた大梁との接合部におい
て、同両鉄骨小梁の上部フランジが接合板で接合されて
いることによって、前記接合部における上部引張応力が
負担され、下部圧縮応力は鉄骨梁における端部支圧板に
よって負担され、剪断力の伝達は同支圧板に取付けられ
た剪断抵抗部材によって行なわれる、この結果、鉄骨小
梁の端部剛節機構が構成されることとなり、鉄骨小梁の
後荷重による回転に基因する床スラブの曲げひび割れが
防止される。
【0007】
【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。図1乃至図3は本発明を鉄骨鉄筋コンクリート大梁
Aと鉄骨小梁Bとの接合に適用した実施例を示し、同鉄
骨小梁Bの端部には剪断抵抗部材としてのスタツドボル
ト1が水平に植立された端部支圧板2が取付けられてい
る。図中3は鉄骨小梁Bの上部フランジ4に植立された
スタツドボルトである。
【0008】相対する前記鉄骨小梁Bの中間に大梁型枠
を構成する底枠5及び小梁受補強側枠6を取付ける。図
中7は仮ボルトである。次いで前記側枠6上に鉄骨小梁
Bを支持する。この際同小梁Bの端部に単独支保工を設
けてもよい。次いで大梁鉄筋8を配筋するとともに、相
対する前記鉄骨小梁Bの上部フランジ4間に接合板9を
高力ボルト10を介して接合し、大梁A、床スラブCの
コンクリート11を打設する。
【0009】図中12は一般型枠である。図示の実施例
は前記したように構成されているので、鉄骨小梁Bは大
梁A、床Cのコンクリート打設時に、打設コンクリート
及び梁自重を鉄骨小梁Bの端部に設置した前記側枠6ま
たは支保工で支持する。このとき荷重に対して端部がピ
ン支持とされた単純梁機構となる。
【0010】而して打設コンクリートの硬化後は、コン
クリート打設前にセツトされた相対する鉄骨小梁B、B
の上部フランジ4を接合する接合板9、端部支圧板2及
びスタツドボルト1によって剛接合部Rが構成され、仕
上、積載荷重等の後荷重に対応する。図4乃至図6は本
発明をプレキヤストコンクリート大梁Aと鉄骨小梁Bと
の接合構造に適用した実施例を示し、前記大梁Aの両側
に設けた欠截段部13に相対する鉄骨小梁Bを架乗し、
同各鉄骨小梁Bの上部フランジ4,4を接合板9で接合
するとともに、前記欠截段部13に打設した後打ちコン
クリート14と前記各鉄骨小梁Bとをスタツドボルト1
を介して一体化するものである。
【0011】図中、前記実施例と均等部分には同一符号
が附されている。図7は前記大梁A、鉄骨小梁B、床ス
ラブCの関係を示す平面図で図中Dは柱である。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば前記したように、相対す
る一双の鉄骨小梁の上部フランジを接合板で接合すると
ともに、同各小梁の対向端面に剪断抵抗部材を具えた端
部支圧板を取付けて同各小梁の中間に配設された大梁の
コンクリート部と一体化することによって、鉄骨小梁端
部に剛節機構を構成し、同端部剛節機構によって鉄骨小
梁の端部仕口部の回転に伴う床スラブの曲げひび割れを
防止するものである。
【0013】また鉄骨端部剛節小梁によって長期たわみ
の防止、及びたわみの低減が図られる。更にまた床スラ
ブ工法として、一般型枠、デツキプレート、合成鋼板、
複合プレキヤストコンクリート床等を使用した床スラブ
工法を自由に選択しうるものである。
【0014】更にまた本発明によれば構成が簡単で施工
が簡素化され、省力化が図られ、工期が短縮されるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大梁と鉄骨小梁の接合構造の一実
施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の矢視イ−イ図である。
【図3】図1の矢視ロ−ロ図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図5】図4の矢視ハ−ハ図である。
【図6】図4の矢視ニ−ニ図である。
【図7】本発明に係る大梁と鉄骨小梁の接合構造を具え
た床伏図である。
【符号の説明】
A 大梁 B 鉄骨小梁 R 剛接合部 1 スタツドボルト 2 端部支圧板 4 上部フランジ 8 大梁鉄筋 9 接合板 10 高力ボルト 11 コンクリート 13 欠截部 14 後打ちコンクリート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向端面に夫々剪断抵抗部材を具えた端
    部支圧板が取付けられた相対する一双の鉄骨小梁と、同
    両鉄骨小梁の中間に配設された大梁とよりなり、前記両
    鉄骨小梁の上部フランジ間を接合板で接合するととも
    に、前記各鉄骨小梁の端部支圧板と前記大梁のコンクリ
    ート部を一体に結合してなることを特徴とする大梁と鉄
    骨小梁の接合構造。
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JP6347930B2 (ja) * 2013-09-27 2018-06-27 川田工業株式会社 鉄骨梁の仕口構造
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