JP2776118B2 - 無方向性電磁鋼板材の溶製方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板材の溶製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度清浄鋼の溶製方
法、特に極低炭素化、極低硫化、極低窒素化を図った無
方向性電磁鋼板材の溶製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁鋼板に対する鉄損低減や磁気
特性向上の要求はますます強くなってきている。現在、
電磁鋼板の主流となっている無方向性電磁鋼板に関して
前述の要求を満たすには、溶鋼段階での高純度化 (極低
炭素化、極低硫化、極低窒素化) が強く求められてい
る。通常、無方向性電磁鋼板の製鋼段階における溶製プ
ロセスは、次の通りである。なお、LT処理は取鍋処理
(Ladle Treatment)の意味である。
【0003】
【数1】
【0004】脱炭処理は、転炉出鋼後の酸素を多く含む
溶鋼をRH真空槽にて真空処理 (真空脱炭) し、COガス
として排除することにより行われる。しかしながら、こ
のような通常の処理では[C] ≦50 ppmの低炭素領域で脱
炭反応が停滞し、これ以上の極低炭素化は望めない。
[C] ≦50 ppmというこの低炭素領域では脱炭反応は反応
界面への炭素の移動が律速であるため、反応を促進させ
るには反応界面を増大させることが重要である。
【0005】従来、反応界面を増大させる方法として
は、RH真空槽の浸漬管からの還流ガスの量を増加する
方法や、RH真空槽内にて溶鋼中にArガスを吹き込む方
法などが採用されてきたが、ガス流量の増加に伴い真空
度の悪化やガス吹込み羽口の溶損などの問題があった。
【0006】また他の方法として溶鋼に酸素を付加する
ことにより脱炭反応を促進させる方法もいくつか実用化
されている。しかし、このRH真空槽内にて溶鋼中に直
接酸素を吹き込む方法は、脱炭処理をしない間もノズル
内に溶鋼が侵入しないようにArガスを流す必要があり、
コスト的にもまた真空度維持の点からも不利である。
【0007】この点、その対策として溶鋼に浸漬しない
ランスを用いて酸素ガスを上吹きする方法も実用化され
ているが、溶鋼への酸素供給方法として酸素ガスを用い
るこれらの方法は溶鋼全体の酸素濃度を増大させる。従
って脱炭処理後に脱酸するとき多量の介在物が生成し清
浄度が低下する恐れがある。さらに酸素ガスを溶鋼に吹
込みまたは吹き付けることで脱Cを促進させる方法を、
酸化しやすいMnなどを多く含む溶鋼に適用した場合、脱
Cと共にMnの酸化が進行しMn歩留りが低下するといった
問題も生じる。
【0008】一方、溶鋼の脱硫法としては従来、取鍋内
で脱硫剤をインジェクションする方法や、脱硫剤を添加
した後溶鋼を攪拌する方法などが採用されてきたが、溶
鋼の温度降下や大気からの窒素ピックアップが大きい等
の問題があった。これらの問題を解決すべくRH真空槽
での溶鋼処理中に脱硫剤を添加する方法が開発された。
【0009】すなわち、このための一番簡単な方法とし
ては、RH真空槽中間に設けられた合金鉄添加口から脱
硫剤を投入する方法があるが、投入した脱硫剤が排気系
へ吸引されるのを防ぐために脱硫剤の粒径を大きくする
必要があり、反応界面を増大させるという点からは、不
利であった。
【0010】さらにこれを改良した方法としては、RH
真空槽内で溶鋼中に浸漬したノズルからキャリアガスと
共に脱硫剤をインジェクションする方法や、取鍋内に粉
体吹込みランスを浸漬させキャリアガスと共に脱硫剤を
浸漬管 (上昇管) に向けてインジェクションする方法等
がある。しかし、両者とも脱硫剤をインジェクションし
ない間も粉体吹込み口から溶鋼が侵入しないようにガス
を流しておく必要がありコストおよび真空度維持の点か
ら不利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、無方向性
電磁鋼板製造用の溶鋼にとっては極低硫化かつ極低炭化
が必要であるため、各処理に時間を要するだけでなく溶
製プロセスとしても複雑なものであった。すなわち、R
H真空槽にて脱炭処理後、取鍋を移動し独立したプロセ
スとして脱硫処理を行うため温度的にも時間的にも不利
である。また脱硫処理を大気雰囲気下で行う場合には大
気からの窒素ピックアップの問題もある。
【0012】脱Cに関しては、通常の真空脱炭処理だけ
では低炭素領域で反応が停滞し溶鋼の極低炭素化は不可
能である。反応界面を増大させるためには浸漬管からの
還流ガスを増やす方法や真空槽内にて溶鋼中にArガスを
吹き込む方法などが採用されてきたが、ガス流量の増加
に伴い真空度の悪化やガス吹込み羽口の溶損などの問題
があった。
【0013】また、脱炭反応を促進させるためにRH真
空槽槽内にて酸素ガスを溶鋼表面に吹き付けるかあるい
は溶鋼中に吹き込む方法は、真空度の維持の点から不利
であり、また溶鋼中の酸素濃度を上昇させることから清
浄度の面から不利である。
【0014】脱硫に関しては、効率的な脱硫を行うため
に反応界面を増大させる目的で微細な脱硫剤粉を溶鋼中
にインジェクションする方法が採用されてきたが、大気
雰囲気で処理したり、RH真空槽にて脱炭処理後の脱硫
のために一つの独立したプロセスを設けることは大気か
らの窒素ピックアップや溶鋼の温度降下の点で不利であ
る。
【0015】そこでRH真空槽において真空脱ガス処理
を行う際、それと平行して脱硫剤をインジェクションす
る方法が開発されてきた。しかしながら、従来開発され
た方法は溶鋼中に浸漬したノズルまたはランスから脱硫
剤を吹込むものであり脱硫剤をインジェクションしない
間も粉体吹込み口から溶鋼が侵入しないようにガスを流
しておく必要がある。したがってコストおよび真空度維
持の点から不利である。
【0016】ここに、本発明の目的は、[C] ≦50ppm の
低炭素領域にあっても十分な反応速度を維持しながら、
RH真空槽における脱炭処理、脱酸処理、および脱硫処
理を組み合わせて行い、[C] ≦30ppm 、[S] ≦20ppm を
実現する無方向性電磁鋼板製造用に適する高純度清浄鋼
の溶製方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の要旨と
するところは、転炉およびRH真空槽を用いてC含有量
≦30ppm、S含有量≦20ppmの無方向性電磁鋼
板材を溶製するにあたり、転炉出鋼後の溶鋼をRH真空
槽で脱炭を行う際にRH真空槽内で、真空脱炭処理によ
り脱炭を行い、その後、金属酸化物粉を酸素を含まない
キャリアガスと共に溶鋼表面に向けて上吹きすることに
よりさらなる脱炭処理を行い、その後Al等の脱酸剤を
添加し溶鋼を脱酸するとともに所定のAl含有量に調整
した後、さらにRH真空槽にて脱硫剤を上吹きすること
により脱硫処理を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼
板材の溶製方法である。
【0018】本発明の好適実施態様によれば、RH真空
槽にて脱硫処理する際に、Mn酸化物粉またはMn酸化物を
含む粉体を上吹きし、Mn含有量≧0.2 %の無方向性電磁
鋼板材を溶製することもできる。さらに、RH真空槽に
て脱炭処理後、鍋中スラグを取り除き、合成フラックス
を添加して脱硫処理してもよい。
【0019】このように、本発明によれば、RH真空槽
にて酸化剤粉を上吹きし脱炭処理を終了したのち溶鋼を
脱酸し、引き続きRH真空槽にて脱硫剤を上吹きし脱硫
処理を行うため、処理時間が短縮できかつ溶鋼の温度降
下も低減できる。また脱硫処理を真空下で行うため大気
からの窒素ピックアップも防止でき低窒素鋼溶製には有
利である。
【0020】さらに本発明では脱炭時に微細な酸化剤粉
を上吹きすることにより脱炭に必要な酸素を供給すると
ともに酸化剤粉がCOガスの生成核となるため脱炭反応を
著しく促進することができる。また脱硫の際も脱硫剤粉
を上吹きすることにより溶鋼との反応界面が著しく増大
し脱硫反応を促進することができる。無方向性電磁鋼板
の特性を向上させるには、溶鋼段階での高純度化 (極低
炭素化、極低硫化、極低窒素化) が必要であることか
ら、本発明は無方向性電磁鋼板製造用の溶鋼の溶製に特
に有利である。
【0021】
【作用】ここで、添付図面を参照しながら本発明をさら
に具体的に説明する。図1は、本発明の方法を実施する
ための取鍋とRH真空槽の断面図である。図中、RH真
空槽1は取鍋3の上方に設置されている。転炉からの溶
鋼2は取鍋3に収容されている。RH真空槽1の下部に
は二本の浸漬管、つまり上昇管2aと下降管2bが設置
されており、RH真空槽1を真空に引きながら二本の浸
漬管を取鍋3内の溶鋼に浸漬すると、溶鋼はRH真空槽
内に引上げられる。RH真空槽1の内部には上吹きラン
ス5が設けられており、必要な脱炭剤、そして脱硫剤が
Arなどのキャリアガスとともに溶鋼表面に吹き付けら
れる。上昇管2aには循環用ガスあるいは脱硫剤の吹き
込み用孔4が設けられている。
【0022】本発明によれば、脱炭処理は、転炉出鋼後
の酸素を多く含む溶鋼をRH真空槽にて真空処理 (真空
脱炭) しCOガスとして排除することにより行われる。し
かしながら、このような通常の処理では[C] ≦50 ppmの
低酸素領域で脱炭反応が停滞し極低炭素化は望めない。
[C] ≦50 ppmというこの低炭素領域では反応は反応界面
への炭素の移動が律速であるため反応を促進させるには
反応界面を増大させることが重要である。
【0023】溶鋼の極低炭素化技術としては、VOD 炉に
て酸化剤を上吹きすることで脱炭反応を促進する技術
(特開昭58−113314号等) がある。この技術は、酸化剤
粉をキャリアガスとともに溶鋼表面に吹き付け酸化剤粉
を溶鋼中に十分に侵入させることを特徴としている。溶
鋼中に侵入した酸化剤粉は溶鋼の酸素濃度を増大させる
ことなく脱炭反応時の酸素供給原となる。さらにCOガス
生成の核となり反応界面積の増大に大きく寄与する。こ
の技術のRH真空槽への適用は可能であり極低炭素鋼溶
製には有効な手段である。
【0024】酸化剤としては鉄鉱石粉が一般的である
が、Mn鉱石粉やCr鉱石粉なども用いられる。[Mn]≧0.2
%の鋼種を脱炭処理する場合、酸化しやすいMnは酸化ロ
スが大きく、処理後高価な金属Mnを添加し成分調整する
必要がある。このような場合、酸化剤としてMn鉱石粉を
用いることにより溶鋼中の[Mn]を低下させることなく脱
炭を促進させることができる。
【0025】脱硫反応はスラグ−メタル反応であり、こ
れを促進させる有効な手段としては反応界面を増大させ
る方法がある。反応界面を増大させるには、溶鋼の攪拌
を大きくするかまたは脱硫剤を微細な粉体にして吹込む
方法などが効果的である。しかし、RH真空槽処理法
は、一種の取鍋精錬であり大きな攪拌はなく溶鋼とその
上に浮いているスラグとの間の反応は期待できない。し
たがって、上述した脱炭反応促進と同様な微細な脱硫剤
を溶鋼中に吹込むことが有効である。
【0026】溶鋼中に吹込まれた微細な脱硫剤は、還流
する溶鋼と共に浸漬管 (下降管) を通り抜け取鍋内に出
る。その後浮力により溶鋼中をその表面まで上昇する。
溶鋼と共に移動する間、脱硫剤はスラグ−メタル反応を
続ける。一般にスラグ−メタル反応はスラグの滓化性が
良好なほど反応効率が向上する。すなわち、ここで用い
る脱硫剤も融点が低く滓化性が良好なものがより効果的
であると考えられる。したがって、通常脱硫に用いられ
るCaO(生石灰) のほかに、CaO にCaF2などを混入し低融
点化したものも有効である。
【0027】ここで脱硫反応を効果的に行うには、溶鋼
中および鍋中スラグの酸素濃度を低減させることが効果
的である。溶鋼中の酸素濃度が高い場合には脱硫反応は
進行しない。また鍋中スラグの酸素濃度が高い場合は、
スラグの脱硫能が低下しているため脱硫を完了し浮上し
てきた脱硫剤中のSを溶鋼中に戻す反応が生じる。した
がって、見かけの脱硫効果が低下してしまう。溶鋼中お
よび鍋中スラグの酸素濃度を低減するには、脱炭処理終
了後、Alなどの脱酸剤を添加し、溶鋼を十分に還流し攪
拌することにより脱酸することが好ましい。さらに脱硫
効果を向上させるには、脱炭処理後の鍋中スラグを取り
除きCaO 等脱硫能のあるフラックスを主成分とする合成
フラックスを添加し、脱酸処理を行うことが望ましい。
【0028】本発明にあって酸化剤および脱硫剤の上吹
きに使用するランスは冷却水等を用いて冷却できること
が望ましい。非冷却型のランスを用いた場合、ランスの
溶損、地金付着によるランスの昇降不能等のトラブルが
発生し、ランスと溶鋼湯面との距離を正確に保持するこ
とが不可能になることも予想できる。またランス本体が
健全であってもランス先端のノズル部が溶損すればガス
流速が変化するとともに粉体の吹込み方向も変化し所定
の吹込み条件を維持できない可能性がある。本発明によ
り上述のようにして高純度化された清浄鋼は、処理後た
だちに例えば連続鋳造ラインに送られ、鋳造を開始す
る。
【0029】
【実施例】本発明を図1に示す170t規模のRH真空槽を
用いた実施例に基づき説明する。本例ではいずれの場合
も、転炉で吹錬を終了し所定の[Mn]レベルに応じた量の
フェロマンガン(HcFeMn:ハイカーボンフェロマンガンま
たは LcFeMn:ローカーボンフェロマンガン) を添加した
後、未脱酸状態で出鋼した取鍋内の溶鋼を用いた。
【0030】取鍋3内の溶鋼2 (温度1640〜1680℃)
に、浸漬管2a、2bを浸漬させ、真空槽1内を減圧し溶鋼
を真空槽内へ吸い上げた。その後浸漬管 (上昇管) にに
2a内部に設けられた還流ガス吹込み羽口からArガスを吹
込みガスリフト原理に基づき浸漬管2a内の溶鋼を上昇さ
せることにより、溶鋼を還流させた。
【0031】溶鋼の還流が安定したのち、真空槽上部か
ら垂直に降ろした水冷ランスの先端に設けた直径25mmノ
ズルからキャリアArガス5Nl/minとともに粒径約0.15mm
の鉄鉱石粉および脱硫剤粉 (CaO(70%)−CaF2(30%) の脱
硫剤を用いた) を上吹きした。真空度は1〜2Torr、ラ
ンス−溶鋼湯面間距離は1.5 mとした。各粉体の吹き込
みパターンを以下に示す。 鉄鉱石粉: 真空脱炭処理を開始し、溶鋼[C] = 0.02w
t %から鉄鉱石粉の供給を始めた。供給速度はその時の
脱炭速度に応じて変化させた。 脱硫剤粉: 供給速度約100 kg/minで吹込み量は原単位
で5kg/Tonとした。
【0032】(実施例1)下記処理プロセスによる[Mn]=
0.3%レベルの電磁鋼板材用の溶鋼の溶製結果を表1、
表2に示す。
【0033】
【数2】
【0034】結 果 表1にRH真空処理による成分挙動を示す。脱炭処理
後、鉄鉱石粉上吹きにより脱C反応が促進され [C]=6p
pmの極低炭素鋼が得られた。脱炭処理によるMnの酸化ロ
スがわずかに認められるが大きな影響のないレベルであ
る。真空脱炭に伴い脱N反応も生じている。脱硫処理
後、脱硫剤中のCの影響により2 ppmのCピックアップ
があったが、[C]≦10 ppmを維持している。脱S率は67
%を達成し、到達 [S]=9ppmの極低硫化を実現できた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(実施例2)下記処理プロセスによる[Mn]=
1.0%レベルの電磁鋼板材用の溶鋼を鉄鉱石粉を用いて
脱炭処理を行った場合の実施例を表3、表4に示す。
【0038】
【数3】
【0039】結 果 鉄鉱石粉上吹きにより約0.7 %のMnが酸化により損失し
ている。従ってRH真空処理後、フェロマンガンに比べ
高価な金属Mn添加により成分調整をする必要がある。そ
の他の成分挙動は、実施例1と同様である。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】(実施例3)下記処理プロセスによる[Mn]=
1.0%レベルの電磁鋼板材用の溶鋼をMn鉱石粉を用いて
脱炭処理を行った場合の実施例を表5、表6に示す。
【0043】
【数4】
【0044】結 果 Mn鉱石粉上吹きにより溶鋼中Mnの酸化ロスは実施例2に
比べ著しく低減されており、RH処理後に金属Mnを添加
する必要はない。その他の成分挙動は、実施例1、実施
例2と同様である。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】(実施例4)下記処理プロセスによる[Mn]=
0.3%レベルの電磁鋼板材用の溶鋼の溶製を行った。脱
炭処理後に除滓し合成フラックス(90%CaO-10%CaF2)を添
加した場合の成分挙動を表7、表8に示す。
【0048】
【数5】
【0049】結 果 脱S能の大きいフラックスを鍋中に投入したことによ
り、実施例1〜3に比べ脱硫効果が増大している。その
他の成分挙動は、実施例1〜3と同様である。
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】(比較例)[Mn] 0.3%レベルの電磁鋼板材を
通常のプロセスにて溶製した結果を表9、表10に示す。 脱C処理: RH−OB (真空槽内O2ガス吹込み) によ
り実施 脱S処理: 鍋中でのインジェクション脱Sにより実施
【0053】
【数6】
【0054】結 果 通常のRH−OBでは低炭素領域で脱C反応が停滞する
ため到達 [C]は13 ppmであり、10 ppm以下は得られなか
った。またO2ガスを吹き込むためMnの酸化ロスが大きく
0.32%から0.15%まで[Mn]が低下している。従って処理
後に金属Mnを添加し成分調整をする必要がある。脱S効
果は本発明の方法とほぼ同レベルであるが、大気雰囲気
下での脱S処理であるため大気からのNピックアップが
大きく、到達 [N] は38 ppmと高い値になっている。
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、RH処理時に真空槽内
にて金属酸化物粉や脱硫剤粉などを上吹きすることによ
り極低炭化、極低硫化、極低窒素化が要求される無方向
性電磁鋼板材を効率的に溶製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのRH真空槽の概略説明
図である。
【符号の説明】
1 : 真空槽 2a : 浸漬管 (上昇管) 2b : 浸漬管 (下降管) 3 : 取鍋 4 : 還流ガス吹込み羽口 5 : 上吹きランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 屋鋪 裕義 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 深川 信 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式 会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 岡田 泰和 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式 会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 中山 大成 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式 会社和歌山製鉄所内 (56)参考文献 特開 平1−92312(JP,A) 特公 昭62−41290(JP,B2) 特公 平3−274219(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 7/10 C21C 7/06 C21C 7/064 C21C 7/068

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉およびRH真空槽を用いてC含有量
    ≦30ppm、S含有量≦20ppmの無方向性電磁鋼
    板材を溶製するにあたり、転炉出鋼後の溶鋼をRH真空
    槽内で、真空脱炭処理により脱炭を行い、その後、金属
    酸化物粉を酸素を含まないキャリアガスと共に溶鋼表面
    に向けて上吹きすることによりさらなる脱炭処理を行
    い、次いで、脱酸剤を添加し溶鋼を脱酸するとともに所
    定のAl含有量に調整した後、さらにRH真空槽にて脱
    硫剤を上吹きすることにより脱硫処理を行うことを特徴
    とする無方向性電磁鋼板材の溶製方法。
  2. 【請求項2】 RH真空槽にて脱炭処理する際に、Mn酸
    化物粉またはMn酸化物を含む粉体を上吹きし、Mn含有量
    ≧0.2 %の鋼を溶製することを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 RH真空槽にて脱炭処理後、鍋中スラグ
    を取り除いてから、合成フラックスを添加して、脱酸処
    理そして脱硫処理することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
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