JP3297765B2 - 溶鋼の脱硫方法 - Google Patents

溶鋼の脱硫方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、RH脱ガス処理中にお
ける溶鋼に対する微粉状脱硫剤の吹込みを効果的に行う
ことができる溶鋼の脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年鋼の品質に対する要求の高度化と共
に、低硫鋼および極低硫鋼の要求もますます増加する傾
向にある。このため、特に硫黄(以下Sという)含有量が
0.001%以下の極低硫鋼溶製には、さらなる高効率の溶鋼
脱硫法の開発が望まれている。一般に溶鉄の脱硫方法と
しては、溶銑段階で行う溶銑脱硫と溶鋼段階で行う溶鋼
脱硫とに大別されるが、S含有量が0.001%以下の極低硫
鋼を溶製するには、溶銑脱硫処理のみでは不十分であ
り、溶銑脱硫処理と溶鋼脱硫処理を組み合せることが重
要である。
【0003】従来の溶鋼の脱硫方法としては、取鍋内に
脱硫剤粉末を気体と共に吹込むインジェクション法や脱
硫剤を添加したのち溶鋼中にガスを吹込んで撹拌するガ
ス吹込強制撹拌方法等が一般的に採用されてきたが、い
ずれも溶鋼と脱硫剤との反応界面積を増大させ、反応を
効果的に促進させることを意図するものであるが、溶鋼
の温度降下や大気からの窒素(以下Nという)のピックア
ップが大きい等の問題を有していた。これらの問題を解
決する方法としては、RH設備による真空脱ガス処理中に
脱硫剤を添加する方法が開発された。このRH設備による
真空脱ガス処理中に脱硫剤を添加する一番簡単な方法
は、真空槽中間に設けられた合金鉄添加口から脱硫剤を
投入する方法であるが、排気系へ脱硫剤が吸引されるの
を防止するため、脱硫剤の粒径を大きくする必要があ
り、反応効率の点で不利である。
【0004】また、これらの改良法としては、真空槽内
下部の溶鋼浴面下に設けた脱硫剤吹込み羽口を通して粉
体脱硫剤をキャリアガスにより溶鋼中に直接吹込む方法
(特開昭61-130413号公報)、RH設備の溶鋼の上昇流を導
く浸漬管の下方中央に開口させた脱硫剤の吹込みランス
から微粉状脱硫剤をキャリアガスト共に溶鋼の上昇流中
に吹込む方法(特開昭58-37112号公報、特開昭62-196317
号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭61
-130413号公報、特開昭58-37112号公報および特開昭62-
196317号公報に開示の方法は、いずれも脱硫剤を吹込み
しない間も粉体吹込み口から溶鋼が侵入しないようにガ
スを流しておく必要があり、コストおよび真空度維持の
点から不利である。
【0006】この発明の目的は、脱硫剤を吹込みしない
間はキャリアガスを流す必要がなく、しかも高脱硫率を
得ることができる溶鋼の脱硫方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、真空槽
上部からランスを用いてキャリアガスと共に脱硫剤を上
吹きすれば、脱硫剤を吹込みしない間はキャリアガスを
流す必要がないこと、また、脱硫剤の吹込みに先立ち、
溶鋼中にSol.Alを0.100%以上となるよう添加して酸素濃
度を低減することによって、吹込んだ脱硫剤の脱硫能を
極めて高く保持できることを究明し、この発明に到達し
た。
【0008】すなわちこの発明は、脱酸の終了した溶鋼
をRH設備において真空脱ガス処理を行うに際し、溶鋼中
にSol.Alを0.100%以上となるように添加したのち、真空
槽上部からランスを用いてキャリアガスと共に脱硫剤を
上吹きして脱硫し、ついで溶鋼中のAlを燃焼除去するこ
とを特徴とする溶鋼の脱硫方法である。
【0009】
【作用】脱硫反応においてAlキルド鋼の場合は、一般に
下記の関係が成り立つ。 log{(%S)/[%S]}=5.53+logCs−1/3logAAl2O3+2/3log[%A
l] ただし、(%S):スラグ中S濃度 [%S]:鋼中S濃度 Cs:脱硫剤の脱硫能 AAl2O3:Al2O3活量 [%Al]:鋼中Al濃度 したがって、脱硫効率を向上するには、脱硫能Csの向上
および鋼中Al濃度[%Al]の増加が重要である。脱硫剤の
脱硫能Csを増大するには、CaO-CaF2-Al2O3系脱硫剤にお
いては、Al2O3濃度を減少し、CaF2濃度を増加させれば
よい。また、スラグ中(FeO+MnO)などの低級酸化物を減
少させる必要がある。しかし一般にこのような高脱硫能
の脱硫剤は、融点が高く溶鋼との反応速度が遅くなる。
【0010】の発明においては、脱酸の終了した溶鋼
をRH設備において真空脱ガス処理を行うに際し、溶鋼中
にSol.Alを0.100%以上となるように添加したのち、真空
槽上部からランスを用いてキャリアガスと共に脱硫剤を
上吹きして脱硫処理し、ついで溶鋼中のAlを燃焼除去す
るから、脱硫処理前のSol.Alの添加によって溶鋼中のO
濃度が低減するため、キャリアガスと共に吹込まれた脱
硫剤の脱硫能の極めて高い状況を容易に生成することが
できる。
【0011】この発明において脱硫剤の上吹きに使用す
るランスは、冷却水等を用いて冷却できることが望まし
い。非冷却型のランスを用いた場合は、ランスの溶損、
地金付着によるランスの昇降不能等のトラブルが発生
し、ランスと溶鋼湯面との距離を正確に保持することが
不可能になることが予想される。また、非冷却型のラン
ス使用時は、ランス本体が健全であっても先端のノズル
部が溶損すれば、キャリアガスの流速が変化すると共
に、粉体の吹込み方向も変化し、所定の吹込み条件を維
持できない可能性がある。
【0012】
【実施例】 図1に示す160Ton規模のRH設備を使用し、転
炉で吹錬を終了した所定のMnレベルに応じた量のフェロ
マンガン(ハイカーボンフェロマンガンまたはローカー
ボンフェロマンガン)を添加した後、脱酸状態で出鋼し
た取鍋1の溶鋼に適当なスラグ改質処理を行った。そし
て、取鍋1の温度1600〜1640℃の溶鋼2に、浸漬管3、4を
浸漬させ、真空槽5内を排気筒6から吸引して2Torr以下
に減圧して溶鋼2を真空槽5内へ吸い上げた。その後浸漬
管3(上昇管)内部に設けた環流ガス吹込み羽口7からArガ
スを1000l/minで吹込み、ガスリフト原理に基づき浸漬
管3内の溶鋼2を上昇させ、浸漬管4(下降管)から下降さ
せて溶鋼2を環流させた。
【0013】溶鋼2の環流が安定したのち、Sol.Alを所
定の値に調整し、ついで真空槽5上部から垂直に水冷ラ
ンス8を下降させ、水冷ランス8先端に設けた直径25mmの
ノズルからキャリアガスのArガス5Nl/minと共に、粒径
約0.15mmの脱硫剤を5kg/cm2の噴射圧で10分間上吹きし
た。そし後溶鋼2を3分間環流させたのち脱硫処理を完了
した。その場合における脱硫前の溶鋼中のSol.Al濃度と
スラグ中S濃度(%S)に対する鋼中S濃度[%S]で示すS分配
比(S)/[S]との関係を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すとおり、脱硫前の溶鋼中のSol.Al濃度が0.100
%以上の場合、S分配比が急激に上昇して500以上を示し
ており、高脱硫効率が得られている。
【0014】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、溶鋼中にSol.Alを0.100%以上となるように添加した
のち、真空槽上部からランスを用いてキャリアガスと共
に脱硫剤を上吹きして脱硫処理し、ついで溶鋼中のAlを
燃焼除去するから、脱硫剤の脱硫能の極めて高い状況を
具現でき、極低硫鋼を効率的に溶製することができ、し
かも脱硫剤を吹込みしない間はキャリアガスを流す必要
がなく、コストを低減できると共に真空度の維持が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたRH設備の全体説明図である。
【図2】脱硫前の溶鋼中のSol.Al濃度とスラグ中S濃度
(%S)に対する鋼中S濃度[%S]で示すS分配比(S)/[S]との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 取鍋 2 溶鋼 3、4 浸漬管 5 真空槽 6 排気筒 7 環流ガス吹込み羽口 8 水冷ランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10 C21C 7/064 C21C 7/072

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱酸の終了した溶鋼をRH設備において真
    空脱ガス処理を行うに際し、溶鋼中にSol.Alを0.100%以
    上となるように添加したのち、真空槽上部からランスを
    用いてキャリアガスと共に脱硫剤を上吹きして脱硫し、
    ついで溶鋼中のAlを燃焼除去することを特徴とする溶鋼
    の脱硫方法。
JP10771993A 1993-04-09 1993-04-09 溶鋼の脱硫方法 Expired - Lifetime JP3297765B2 (ja)

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