JP2775919B2 - モノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法 - Google Patents

モノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法

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JP2775919B2 JP1292555A JP29255589A JP2775919B2 JP 2775919 B2 JP2775919 B2 JP 2775919B2 JP 1292555 A JP1292555 A JP 1292555A JP 29255589 A JP29255589 A JP 29255589A JP 2775919 B2 JP2775919 B2 JP 2775919B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、モノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料
を染色又は捺染する方法に関する。
従来の技術 特公昭39−18184号公報には例えば下式 で表される反応染料が示されている。又、特開昭59−11
5362号公報には例えば下式 で表される反応染料が示されている。
発明が解決しようとする問題点 従来、種々の反応染料は繊維材料の染色及び捺染の分
野に広く使用されている。しかし現在の技術水準は特定
の染色法に対する適性に関する高い要求水準ならびに染
色物の堅牢性に関する要求の高度化の点からしてまだま
だ十分に満足すべきものではない。
前記した公知の赤色反応染料は、溶解性、染色性能
(例えばビルドアップ性等)及び堅牢性(例えば酸加水
分解堅牢度や塩素堅牢度等)の面で不十分であり、更に
改良された染料の提供が強く望まれている。
溶解性に優れることの重要性は、例えばア ディクシ
ョナリー オブ ダイズ アンド ダイング(A dictio
nary of dyes and dyeing),KG Ponting,159頁(1980)
にも明らかなように、染色上の問題をなくすことが先づ
挙げられる。更に近年、省エネルギー化、自動計測など
の理由から、染料の水性液状組成物が脚光をあびている
がその適用性からも重要な要素である。
ビルドアップ性に優れることの重要性は、染色方法の
経済性に対する要求レベルがますます高くなってきてい
る今日、極めて重要な要素である。
染色物の堅牢性に関する高度の要求を満足させるため
には、染色、後処理工程及び染色物の各種用途での使用
条件下に於て、染料分子の構造自体及び繊維−染料間結
合の安定なることが要求される。
本発明者らは、上述の公知染料の欠点を改良し、さら
に染料に対して要求される要件を広く満足できる新規な
化合物を見い出す目的で鋭意検討した結果、本発明を完
成した。
問題点を解決するための手段 本発明は遊離酸の形で下式(I) 〔式中、Xは置換もしくは無置換のピリジニオ基、Zは
−SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Yを表わし、Yはアルカリ
の作用で脱離する基である。R1は、1〜4個の炭素原子
を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコ
キシ、スルホ、カルボキシ、クロロ及びブロモの群から
選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニル、
置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよい
ベンジル、水素、アリル或いは置換されていてもよい低
級アルキルを表し、R2は、1〜4個の炭素原子を有する
アルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、ス
ルホ、カルボキシ、クロロ及びブロモの群から選ばれる
置換基により置換されていてもよいフェニル、置換され
ていてもよいナフチル、置換されていてもよいベンジ
ル、水素或いは置換されていてもよい低級アルキルを表
す。〕 で示されるモノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料を
染色又は捺染する方法を提供する。
Zが−SO2CH2CH2Yである場合のYとしては、アルカリ
の作用で脱離能を有するものがこれに該当し、例えば、
OSO3H、OPO3H2、OCOCH3、SSO3H、Cl等が挙げられる。
Zとして好ましくは、−SO2CH2CH2OSO3H及び−SO2CH
=CH2である。
R1及びR2で表わされる置換されていてもよい低級アル
キルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するア
ルコキシ、スルホ、カルボキシ、ヒドロキシ、クロロ、
フェニル及びスルファートの群から選ばれる、1又は2
個の置換基により置換されていてもよい炭素原子1〜4
個を有するアルキルが好ましい。
中でも特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−
ブチル、β−ヒドロキシエチル、β−スルファートエチ
ル、β−スルホエチル、β−メトキシエチル及びβ−カ
ルボキシエチル等が挙げられる。
又、R1及びR2で表わされる置換されていてもよいフェ
ニルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スル
ホ、カルボキシ、クロロ及びブロモの群から選ばれる、
1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニ
ルが好ましい。
中でも特に好ましくは、フェニル、2−、3−又は4
−スルホフェニル、2−,3−又は4−ブロモフェニル、
2−、3−又は4−クロロフェニル、2−、3−又は4
−メチルフェニル及び2−、3−又は4−メトキシフェ
ニル等が挙げられる。
又、R1及びR2で表わされる置換されていてもよいナフ
チルとしては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、スル
ホ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の
炭素原子を有するアルコキシ及びクロロの群から選ばれ
る、1,2又は3個の置換基により置換されていてもよい
ナフチルが好ましい。
中でも特に好ましくは、2−、3−、4−、5−、6
−、7−又は8−スルホ−1−ナフチル、1−、5−、
6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、5,7−、6,8
−、4,8−、4,7−、3,8−、4,6−、3,7−又は3,6−ジス
ルホ−2−ナフチル、4,6,8−、2,4,7−又は3,6,8−ト
リスルホ−1−ナフチル、1,5,7−、4,6,8−又は3,6,8
−トリスルホ−2−ナフチル等が挙げられる。
又、R1及びR2で表わされる置換されていてもよいベン
ジルとしては、例えば、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スル
ホ及びクロロの群から選ばれる、1又は2個の置換基に
より置換されていてもよいベンジルが好ましい。
中でも特に好ましくは、ベンジル、2−、3−又は4
−スルホベンジル等があげられる。
本発明においては、R1及びR2のいずれか一方が水素、
メチル又はエチルであり、他方がC1〜4アルキル、C
1〜4アルコキシ、カルボキシ又はハロゲノで置換され
ていてもよいフェニルである場合が染料特性上特に好ま
しい。
Xが置換基を有するピリジニオ基である場合の置換基
としては、カルボキシ、カルバモイル、スルホ、ハロゲ
ノおよび置換もしくは無置換の1〜4個の炭素原子を有
するアルキルが挙げられる。置換アルキル基としてはβ
−ヒドロキシエチル、β−スルホエチルなどが例示され
る。Xで表わされるピリジニオ基としては、無置換ピリ
ジニオ基及びカルボキシまたはカルバモイル置換ピリジ
ニオ基が好ましく、中でもカルボキシピリジニオ基が染
料特性上好適である。
本発明化合物は、遊離酸の形で存在してもよいが、好
ましくはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であ
り、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられ
る。
本発明の一般式(I)で示されるモノアゾ化合物は、
例えば次の様にして製造することができる。
遊離酸の形で下記一般式(III) 〔式中、Zは前記の意味を有する。〕 で示される化合物と、下記一般式(IV) 〔式中、R1及びR2は前記の意味を有する。〕 で示される化合物を、任意の順序で、水性媒体中、一次
的には−10〜50℃で、好ましくは0〜30℃で、pH1〜10
に、好ましくは2〜7に調整しながら、二次的には0〜
70℃で、好ましくは10〜50℃で、pH2〜9に、好ましく
はpH3〜6に調整しながら、塩化シアヌルや弗化シアヌ
ルのようなハロゲン化シアヌルと縮合させる。
続いて、置換基を有していてもよいピリジンと、水性
媒体中、50〜100℃で、好ましくは70〜100℃で、pH2〜
9に、好ましくはpH3〜7に調整しながら縮合させるこ
とにより一般式(I)のモノアゾ化合物を得ることがで
きる。
或いは別法として、置換基を有していてもよいピリジ
ンとハロゲン化シアヌルとを水性媒体中、−10〜50℃
で、好ましくは0〜30℃で、pH1〜10に、好ましくは2
〜7に調整しながら一次的に縮合させた後、一般式(II
I)及び(IV)の化合物を、任意の順序で二次的には0
〜70℃で、好ましくは10〜50℃で、pH2〜9に、好まし
くはpH3〜6に調整しながら、三次的には50〜100℃で、
好ましくは70〜80℃で、pH2〜9に、好ましくはpH3〜7
に調整しながら縮合させることによっても、一般式
(I)で示されるモノアゾ化合物を得ることができる。
更に別法として、H酸又はK酸、式(IV)で示される
化合物及び置換基を有していてもよいピリジンを、任意
の順序でハロゲン化シアヌルと縮合させた後、下記一般
式(V) (式中、Zは前記の意味を有する。) を常法によってジアゾ化したものとカップリングせしめ
て一般式(I)で示されるモノアゾ化合物を得ることが
できる。
この方法に於て、縮合順序は特に限定されるものでは
ないが、一般式(I)の反応収率と品質を考慮すると、
ハロゲン化シアヌルに対して、反応性の低い化合物から
先に縮合させることが好ましい。
一般式(IV)で示される化合物としては、例えば、ア
ンモニアあるいは1−アミノベンゼン、1−アミノ−2
−,−3−又は−4−メチル−ベンゼン、1−アミノ−
3,4−又は−3,5−ジメチルベンゼン、1−アミノ−2
−,−3−又は−4−エチルベンゼン、1−アミノ−2
−,−3−又は−4−メトキシベンゼン、1−アミノ−
2−、−3−又は−4−エトキシベンゼン、1−アミノ
−2−、−3−又は−4−クロルベンゼン、1−アミノ
−2−、−3−又は−4−ブロモベンゼン、3−又は4
−アミノ−フェニルメタンスルホン酸、3−アミノベン
ゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−
メチルアミノベンゼンスルホン酸、3−エチルアミノベ
ンゼンスルホン酸、4−メチルアミノベンゼンスルホン
酸、4−エチルアミノベンゼンスルホン酸、5−アミノ
ベンゼン−1,3−ジスルホン酸、6−アミノベンゼン−
1,4−ジスルホン酸、4−アミノベンゼン−1,2−ジスル
ホン酸、4−アミノ−5−メチルベンゼン−1,2−ジス
ルホン酸、3−又は4−アミノ安息香酸、5−アミノベ
ンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−アミノ−2−ヒドロ
キシベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−エトキシベンゼ
ンスルホン酸、N−メチルアミノベンゼン、N−エチル
アミノベンゼン、1−メチルアミノ−3−又は−4−メ
チルベンゼン、1−エチルアミノ−4−クロルベンゼ
ン、1−エチルアミノ−3−又は−4−メチルベンゼ
ン、1−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−3−メチ
ルベンゼン、3−又は4−メチルアミノ安息香酸、3−
又は4−メチルアミノベンゼンスルホン酸、2−アミノ
ナフタレン−1−スルホン酸、4−アミノナフタレン−
1−スルホン酸、5−アミノナフタレン−1−スルホン
酸、6−アミノナフタレン−1−スルホン酸、7−アミ
ノナフタレン−1−スルホン酸、8−アミノナフタレン
−1−スルホン酸、1−アミノナフタレン−2−スルホ
ン酸、4−アミノナフタレン−2−スルホン酸、5−ア
ミノナフタレン−2−スルホン酸、6−アミノナフタレ
ン−2−スルホン酸、7−アミノナフタレン−2−スル
ホン酸、7−メチルアミノナフタレン−2−スルホン
酸、7−エチルアミノナフタレン−2−スルホン酸、7
−ブチルアミノナフタレン−2−スルホン酸、7−イソ
ブチルアミノナフタレン−2−スルホン酸、8−アミノ
ナフタレン−2−スルホン酸、4−アミノナフタレン−
1,3−ジスルホン酸、5−アミノナフタレン−1,3−ジス
ルホン酸、6−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン
酸、7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、8−
アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、2−アミノナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸、3−アミノナフタレン
−1,5−ジスルホン酸、4−アミノナフタレン−1,5−ジ
スルホン酸、4−アミノナフタレン−1,6−ジスルホン
酸、8−アミノナフタレン−1,6−ジスルホン酸、4−
アミノナフタレン−1,7−ジスルホン酸、3−アミノナ
フタレン−2,6−ジスルホン酸、4−アミノナフタレン
−2,6−ジスルホン酸、3−アミノナフタレン−2,7−ジ
スルホン酸、4−アミノナフタレン−2,7−ジスルホン
酸、6−アミノナフタレン−1,3,5−トリスルホン酸、
7−アミノナフタレン−1,3,5−トリスルホン酸、4−
アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、7−アミ
ノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、8−アミノナ
フタレン−1,3,6−トリスルホン酸及び4−アミノナフ
タレン−1,3,7−トリスルホン酸の様な芳香族アミン、
或いはメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、セカンダリーブチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、アリルアミ
ン、2−クロロエチルアミン、2−メトキシエチルアミ
ン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノー
ル、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、2−ア
セチルアミノエチルアミン、1−アミノ−2−プロパノ
ール、3−メトキシプロピルアミン、1−アミノ−3−
ジメチルアミノプロパン、2−アミノエタンスルホン
酸、アミノメタンスルホン酸、2−メチルアミノエタン
スルホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、2
−スルファトエチルアミン、アミノ酢酸、メチルアミノ
酢酸、ε−アミノカプロン酸、ベンジルアミン、2−、
3−もしくは4−クロロベンジルアミン、4−メチルベ
ンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、2−、3−
もしくは4−スルホベンジルアミン、2−フェニルエチ
ルアミン、1−フェニルエチルアミン、1−フェニル−
2−プロピルアミンの様な脂肪族アミンをあげることが
できる。
中でも特に好ましい、式(IV)で示される化合物とし
ては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N−エ
チルアニリン、2−、3−または4−クロロアニリン、
2−、3−または4−ブロモアニリン、N−メチル−2
−、−3−または−4−クロロアニリン、N−エチル−
2−、−3−または−4−クロロアニリン、2−、3−
又は4−メチルアニリン等を挙げることができる。
置換基を有していてもよいピリジンとして好ましく
は、ピリジン、2−,3−又は4−カルボキシピリジン、
2−,3−又は4−カルバモイルピリジン、3−スルホピ
リジン、4−β−スルホエチルピリジン、3−β−ヒド
ロキシエチルピリジン、4−クロロピリジン、3−メチ
ルピリジン、3,5−ジカルボキシピリジン等が挙げられ
る。中でも特に好ましくは3−,又は4−カルボキシピ
リジン(ニコチン酸,イソニコチン酸)である。
本発明化合物は、繊維反応性を有し、ヒドロキシ基含
有またはカルボンアミド基含有材料の染色又は捺染に使
用できる。材料は繊維材料の形で、あるいはその混紡材
料の形で使用されるのが好ましい。
ヒドロキシ基含有材料は天然又は合成ヒドロキシ基含
有材料、たとえばセルロース繊維材料又はその再生生成
物及びポリビニルアルコールである。セルロース繊維材
料は木綿、しかもその他の植物繊維、たとえばリネン、
麻、ジュート及びラミー繊維が好ましい。再生セルロー
ス繊維はたとえばビスコース・ステープル及びフィラメ
ントビスコースである。
カルボンアミド基含有材料はたとえば合成及び天然の
ポリアミド及びポリウレタン、特に繊維の形で、たとえ
ば羊毛及びその他の動物毛、絹、皮革、ポリアミド−6,
6、ポリアミド−6、ポリアミド−11及びポリアミド−
4である。
本発明化合物は、上述の材料上に、特に上述の繊維材
料上に、物理的化学的性状に応じた方法で、染色又は捺
染できる。
例えば、セルロース繊維上に吸尽染色する場合、炭酸
ソーダ、第三リン酸ソーダ、苛性ソーダ等の酸結合剤の
存在下、場合により中性塩、例えば芒硝又は食塩を加
え、所望によっては、溶解助剤、浸透剤又は均染剤を併
用し、比較的低い温度で行われる。染料の吸尽を促進す
る中性塩は、本来の染色温度に達した後に初めて又はそ
れ以前に、場合によっては分割して添加できる。
パジング法に従ってセルロース繊維を染色する場合、
室温または高められた温度でパッドし乾燥後、スチーミ
ングまたは乾熱によって固着できる。セルロース繊維に
対して捺染を行う場合、一相で、例えば重曹又はその他
の酸結合剤を含有する捺染ペーストで捺染し、次いで10
0〜160℃でスチーミングすることによって、あるいは二
相で、例えば中性又は弱酸性捺染ペーストで捺染し、こ
れを熱い電解質含有アルカリ性浴に通過させ、又はアル
カリ性電解質含有パジング液でオーバーパジングし、ス
チーミング又は乾熱処理して実施できる。
捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソーダ又は澱粉
エーテルのような糊剤又は乳化剤が、所望によっては、
例えば尿素のような通常の捺染助剤かつ(又は)分散剤
と併用して用いられる。
セルロース繊維上に本発明化合物を固着させるに適し
た酸結合剤は、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金
属と無機又は有機酸あるいは加熱状態でアルカリ遊離す
る化合物との水溶性塩基性塩である。特にアルカリ金属
の水酸化物及び弱ないし中程度の強さの無機又は有機酸
のアルカリ金属塩が挙げられ、その内、特に、ソーダ塩
及びカリ塩が好ましい。このような酸結合剤として、例
えば苛性ソーダ、苛性カリ、重曹、炭酸ソーダ、蟻酸ソ
ーダ、炭酸カリ、第一,第二又は第三燐酸ソーダ、ケイ
酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダ等が挙げられる。
合成及び天然のポリアミド及びポリウレタン繊維の染
色は、まず酸性ないし弱酸性の染浴からpH値の制御下に
吸尽させ、次に固着させるために中性、場合によりアル
カリ性のpH値に変化させることによって行える。染色は
通常60〜120℃の温度で行えるが、均染性を達成するた
めに通常の均染剤、例えば塩化シアヌルと3倍モルのア
ミノベンゼンスルホン酸又はアミノナフタレンスルホン
酸との縮合生成物あるいは例えばステアリルアミンとエ
チレンオキサイドとの付加生成物を用いることもでき
る。
本発明化合物は繊維材料に対する染色及び捺染におい
て優れた性能を発揮する点に特徴がある。特にセルロー
ス繊維材料の染色に好適であり、優れた日光堅牢度、汗
日光堅牢度、及び耐ホルマリン、優れた湿潤堅牢度、た
とえば洗濯堅牢度、過酸化洗濯堅牢度、塩素堅牢度、塩
素漂白堅牢度、汗堅牢度、酸加水分解堅牢度及び耐アル
カリ性、さらに良好な摩擦堅牢度とアイロン堅牢度を有
する。また極めて優れたビルドアップ性、均染性及びウ
オッシュオフ性、さらに良好な溶解性と高い吸尽、固着
性を有する点及び染色温度、アルカリ剤、無機塩添加
量、染浴比の変動による影響を受けにくく安定した品質
の染色物が得られる点において特徴を有する。
また、本発明化合物はゴールドバッチアップ染色です
ぐれたビルドアップ性とすぐれたアルカリ安定性を示す
とともに、低温での固着と25℃での固着にほとんど濃度
差、色相差が認められず、しかもアルカリ剤により加水
分解を受けにくい性能を有している。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。例中、部
および%は夫々重量部および重量%を意味する。
実施例1 塩化シアヌル184.5部に、1−アミノ−8−ナフトー
ル−3,6−ジスルホン酸319.3部、アニリン93部を順次、
常法により縮合させ、遊離酸の形で下式で示される化合
物を得た。
一方、2−アミノナフタレン−6−β−スルファート
エチルスルホン−1−スルホン酸411部を常法にてジア
ゾ化し、前記の式で示される化合物とカップリングし、
次いで、ニコチン酸123部を縮合させた。この様にして
得られた化合物を塩化ナトリウムで塩析し、単離して、
遊離酸の形で下式で示されるモノアゾ化合物を得た。
実施例2 実施例1において使用した、2−アミノナフタレン−
6−β−スルファートエチルスルホン−1−スルホン
酸、1−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン
酸、アニリン及びニコチン酸の代わりに、順に、下表第
2欄の化合物(ジアゾ成分)、第3欄の化合物(カップ
ラー)、第4欄の化合物(アミン)及び第5欄の化合物
(ピリジン化合物)を用いて実施例1と同様の方法で合
成し、各々対応するモノアゾ化合物を得、染色して下表
第6欄に示す色調の染色物を得た。
染色例1 実施例1で得られたモノアゾ化合物0.3部を200部の水
に溶解し芒硝20部を加え、木綿10部を加えて50℃に昇温
する。ついで30分経過後、炭酸ソーダ4部を加え同温度
で1時間染色する。染色終了後、水洗、ソーピングを行
って、諸堅牢度、特に塩素堅牢度、日光堅牢度及び汗日
光堅牢度のすぐれたビルドアップ性のよい青味赤色の濃
度の高い染色物が得られた。
染色例2 実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物の各々0.3部
を300部の水に溶解し芒硝30部を加え、木綿10部を加え
て60℃に昇温する。ついで20分経過後、炭酸ソーダ5部
を加え同温度で1時間染色する。染色終了後、水洗、ソ
ーピングを行ってそれぞれ、諸堅牢度、特に塩素堅牢
度、日光堅牢度及び汗日光堅牢度のすぐれたビルドアッ
プ性のよい赤色の濃度の高い染色物が得られた。
染色例3 色糊組成 実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物の各々 5部 尿素 5部 アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部 熱湯 25部 重曹 2部 バランス 13部 上記組成を持った色糊をシルケット加工綿ブロード上
に印捺し、中間乾燥後、100℃で5分間スチーミングを
行ない、湯洗い、ソーピング、湯洗い、乾燥して仕上げ
る。
この様にして固着率の高い、諸堅牢度、特に塩素堅牢
度、日光堅牢度及び汗日光堅牢度のすぐれたビルドアッ
プ性のよい赤色の捺染物が得られた。
染色例4 実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物の各々25部を
熱水に溶解し、25℃に冷却する。これに32.5%カセイソ
ーダ水溶液5.5部および50度ボーメの水ガラス150部を添
加し、さらに水を加えて全量を25℃で1,000部とした直
後に、この液をパディング液として用いて木綿織物を巻
き上げ、ポリエチレンフィルムで密閉して20℃の室内に
貯蔵する。
同様の方法にてパディングし巻き上げポリエチレンフ
ィルムで密閉した木綿織物は5℃の室内に貯蔵する。各
々パディング布を20時間放置後、染色物を冷水次に熱湯
で洗浄し、沸騰している洗剤中でソーピングし、さらに
冷水で洗浄後乾燥して仕上げる。
20℃で20時間放置した染色物と5℃で20時間放置した
染色物の濃度色相差及び濃度差を調べたところ、殆んど
認められなかった。又、コールドバッチアップ染色でビ
ルドアップ性のよい染色物が得られた。
染色例5 実施例1〜2で得られたモノアゾ化合物の各々25部を
熱水で溶解し、25℃に冷却する。これに32.5%カセイソ
ーダ水溶液10部および無水硫酸ナトリウム30部を添加
し、さらに水を加えて全量を25℃で1,000部とした直後
に、この液をパディング液として用いて、ビスコースレ
ーヨン織物をパディングする。パディングしたビスコー
スレーヨン織物を巻き上げ、ポリエチレンフィルムで密
閉して20℃の室内に貯蔵する。
同様の方法にて、パディング巻き上げポリエチレンフ
ィルムで密閉したビスコースレーヨン織物は、5℃の室
内に貯蔵する。
各々パディング布を20時間放置後、染色物を冷水、次
に熱湯で洗浄し、沸騰している洗剤中でソーピングし、
更に冷水で洗浄後乾燥して仕上げる。
20℃で20時間放置した染色物と、5℃で20時間放置し
た染色物の濃度色相差及び濃度差を調べたところ、殆ん
ど認められなかった。
染色例6 染色例2において、炭酸ソーダの使用量を5部から3
部に変更した以外は全く同じ方法で染色を行い、使用し
たモノアゾ化合物各々について、染色例2で得られた染
色物と同等の品質を有する染色物を得た。
染色例7 染色例2において、温度を60℃から50℃に変更した以
外は全く同じ方法で染色を行い、使用したモノアゾ化合
物各々について染色例2で得られた染色物と同等の品質
を有する染色物を得た。温度を70℃とした場合も同様で
あった。
染色例8 染色例2において、芒硝の使用量を30部から15部に変
更した以外は全く同じ方法で染色を行い、使用したモノ
アゾ化合物各々について、染色例2で得られた染色物と
同等の品質を有する染色物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 尚樹 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 鷲見 武志 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−43466(JP,A) 特開 昭60−173060(JP,A) 特開 昭61−47885(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 62/51 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下式(I) 〔式中、Xは置換もしくは無置換のピリジニオ基、Zは
    −SO2CH=CH2又は−SO2CH2CH2Yを表し、Yはアルカリの
    作用で脱離する基である。 R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個
    の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ、カルボキシ、
    クロロ及びブロモの群から選ばれる置換基により置換さ
    れていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチ
    ル、置換されていてもよいベンジル、水素、アリル或い
    は置換されていてもよい低級アルキルを表し、R2は、1
    〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原
    子を有するアルコキシ、スルホ、カルボキシ、クロロ及
    びブロモの群から選ばれる置換基により置換されていて
    もよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換
    されていてもよいベンジル、水素或いは置換されていて
    もよい低級アルキルを表す。〕で示されるモノアゾ化合
    物。
  2. 【請求項2】Xが無置換の又はカルボキシもしくはカル
    バモイルで置換されたピリジニオ基である請求項1に記
    載のモノアゾ化合物。
  3. 【請求項3】R1及びR2の一方が、水素、メチル又はエチ
    ルであり、他方が1〜4個の炭素原子を有するアルキ
    ル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、スルホ、
    カルボキシ、クロロ及びブロモの群から選ばれる1又は
    2個の基で置換されていてもよいフェニルである請求項
    1又は2に記載のモノアゾ化合物。
  4. 【請求項4】Zが、−SO2CH=CH2または−SO2CH2CH2OSO
    3Hである請求項1〜3のいずれかに記載のモノアゾ化合
    物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のモノアゾ
    化合物を用いることを特徴とする繊維材料の染色または
    捺染方法。
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JPH0611946B2 (ja) * 1984-08-08 1994-02-16 住友化学工業株式会社 セルロ−ス系繊維材料の染色方法
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