JP2775910B2 - リードフレーム材の残留歪み除去方法 - Google Patents
リードフレーム材の残留歪み除去方法Info
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- JP2775910B2 JP2775910B2 JP1275225A JP27522589A JP2775910B2 JP 2775910 B2 JP2775910 B2 JP 2775910B2 JP 1275225 A JP1275225 A JP 1275225A JP 27522589 A JP27522589 A JP 27522589A JP 2775910 B2 JP2775910 B2 JP 2775910B2
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Description
本発明は、ICリードフレームに使用する帯状の材料に
残留する歪みを、実質上除去し、または少くとも実用上
支障ない程度まで低減する方法に関する。
残留する歪みを、実質上除去し、または少くとも実用上
支障ない程度まで低減する方法に関する。
ICのリードフレーム材の代表的なものは、42Ni合金の
ような低熱膨張金属の帯材にアルミクラッドを施した製
品である。このクラッド帯を使用してICの製造する工程
は、ブランキング(打抜き)−コ字状に曲げ−洗浄−セ
ラミックベース封着−マウンティング−アルミ線ボンデ
ィング−封止−メッキの諸段階からなる。 ところが、上記の曲げ工程を経たブランクが、鞍形
に、つまり横方向からみて上部が凹に歪んだり、それと
は逆に凸に歪んだりすることがある。 これは、クラッド帯の製造に至る圧延、スリッティン
グおよびクラッディングなどの工程、主に圧延によっ
て、材料のエッジ部に与えられた残留応力に起因する現
象である。エッジ部の残留応力が圧縮であれば、曲げ段
階の後にもとに戻ろうとする力でエッジ部が伸長する結
果、上記のように上が凹の形となり、引張であればそれ
と逆に、上が凸の形となる。 このことは、いわゆる「除去法」により残留応力を計
算した結果と、X線を使用して実測したデータにもとづ
く結果とがよく一致したという報告〔藤原ら;塑性と加
工,41(1964),424〕により、一般に承認されている。 歪みが著しいと、アルミ線ボンディング操作に支障が
生じるから、そのリードフレームはIC製造に使用できな
い。従って、リードフレーム材は、残留歪みを極力小さ
くすべきである。 従来この目的に採用されてきた手段は、焼鈍である。
しかし、代表的なリードフレーム材であるAlクラッド−
42Ni合金帯材では、アルミの融点が660℃であるという
制約に加えて、AlとNiの接合面で拡散により合金が形成
されると脆くなるため、たとえば600℃内外の温度に1
〜2分間程度加熱するのが限度である。これでは、歪み
除去の効果を十分に得ることは望めない。
ような低熱膨張金属の帯材にアルミクラッドを施した製
品である。このクラッド帯を使用してICの製造する工程
は、ブランキング(打抜き)−コ字状に曲げ−洗浄−セ
ラミックベース封着−マウンティング−アルミ線ボンデ
ィング−封止−メッキの諸段階からなる。 ところが、上記の曲げ工程を経たブランクが、鞍形
に、つまり横方向からみて上部が凹に歪んだり、それと
は逆に凸に歪んだりすることがある。 これは、クラッド帯の製造に至る圧延、スリッティン
グおよびクラッディングなどの工程、主に圧延によっ
て、材料のエッジ部に与えられた残留応力に起因する現
象である。エッジ部の残留応力が圧縮であれば、曲げ段
階の後にもとに戻ろうとする力でエッジ部が伸長する結
果、上記のように上が凹の形となり、引張であればそれ
と逆に、上が凸の形となる。 このことは、いわゆる「除去法」により残留応力を計
算した結果と、X線を使用して実測したデータにもとづ
く結果とがよく一致したという報告〔藤原ら;塑性と加
工,41(1964),424〕により、一般に承認されている。 歪みが著しいと、アルミ線ボンディング操作に支障が
生じるから、そのリードフレームはIC製造に使用できな
い。従って、リードフレーム材は、残留歪みを極力小さ
くすべきである。 従来この目的に採用されてきた手段は、焼鈍である。
しかし、代表的なリードフレーム材であるAlクラッド−
42Ni合金帯材では、アルミの融点が660℃であるという
制約に加えて、AlとNiの接合面で拡散により合金が形成
されると脆くなるため、たとえば600℃内外の温度に1
〜2分間程度加熱するのが限度である。これでは、歪み
除去の効果を十分に得ることは望めない。
本発明の目的は、ICのリードフレームに使用する帯材
に残留する歪みを実質上除去し、または少なくとも実用
上支障ない限度まで低減する方法を提供することにあ
る。
に残留する歪みを実質上除去し、または少なくとも実用
上支障ない限度まで低減する方法を提供することにあ
る。
本発明のリードフレーム材の残留歪除去方法は、第1
図に示すように、アルミクラッド−42Ni合金からなるIC
のリードフレーム用の帯材(1)をコイル(1A)から繰
り出してテンションレベラー(2)にかけ、巻き取って
コイル(1B)とし、その間に長手方向に0.2〜0.5%の塑
性伸びを与えて、幅方向の残留応力を均一化することに
より残留歪みを低減することからなる。符号(3)およ
び(4)は、帯材にテンションを与えるための駆動ロー
ルの対であって、いうまでもなく、(4)は(3)より
わずかに速い送り速度で回転する。 塑性伸びの量をどの程度にすべきかは、帯材の材質、
圧延条件ないし加工履歴、板厚、幅などの諸条件で多少
は異なるが、それぞれの場合において適切な値は、上記
の範囲内で実験により容易に知ることができるであろ
う。
図に示すように、アルミクラッド−42Ni合金からなるIC
のリードフレーム用の帯材(1)をコイル(1A)から繰
り出してテンションレベラー(2)にかけ、巻き取って
コイル(1B)とし、その間に長手方向に0.2〜0.5%の塑
性伸びを与えて、幅方向の残留応力を均一化することに
より残留歪みを低減することからなる。符号(3)およ
び(4)は、帯材にテンションを与えるための駆動ロー
ルの対であって、いうまでもなく、(4)は(3)より
わずかに速い送り速度で回転する。 塑性伸びの量をどの程度にすべきかは、帯材の材質、
圧延条件ないし加工履歴、板厚、幅などの諸条件で多少
は異なるが、それぞれの場合において適切な値は、上記
の範囲内で実験により容易に知ることができるであろ
う。
テンションレベラーは薄板の反りを矯正する目的で常
用されている装置であって、板の進行方向に対してロー
ルの作用点が少しずつ食い違うように設けた少くとも2
段のロールの間に板を通し、反対方向に少くとも2回
(通常は9〜10回の多数回)の屈曲を与えて反りをなく
すという原理によるものである。反りは目に見える変形
であるのに対し、残留歪みは外観上判別できず後続の加
工手段に至って影響の出る問題であり、その解消にテン
ションレベラーが有用であることは、本発明者がはじめ
て得た知見である。 上記の原理からいって、本発明の残留歪み除去方法に
使用するテンションレベラーは、常用のもののように多
段ロールをもつ必要なく、第1図に示したように、少く
とも2段のロール(2Aおよび2B)で1回の押し込みを行
なえるものであればよい。ロール段数のいかんにかかわ
らず、この種の装置で与えられる塑性伸びの量を正確に
算出することは容易でないから、実用上は、駆動ロール
(3)および(4)の間で帯材にかける張力と押し込み
量(第1図のH+t/2)とをパラメータとして操業条件
をコントロールすることが有利である。
用されている装置であって、板の進行方向に対してロー
ルの作用点が少しずつ食い違うように設けた少くとも2
段のロールの間に板を通し、反対方向に少くとも2回
(通常は9〜10回の多数回)の屈曲を与えて反りをなく
すという原理によるものである。反りは目に見える変形
であるのに対し、残留歪みは外観上判別できず後続の加
工手段に至って影響の出る問題であり、その解消にテン
ションレベラーが有用であることは、本発明者がはじめ
て得た知見である。 上記の原理からいって、本発明の残留歪み除去方法に
使用するテンションレベラーは、常用のもののように多
段ロールをもつ必要なく、第1図に示したように、少く
とも2段のロール(2Aおよび2B)で1回の押し込みを行
なえるものであればよい。ロール段数のいかんにかかわ
らず、この種の装置で与えられる塑性伸びの量を正確に
算出することは容易でないから、実用上は、駆動ロール
(3)および(4)の間で帯材にかける張力と押し込み
量(第1図のH+t/2)とをパラメータとして操業条件
をコントロールすることが有利である。
【実施例1】 アルミクラッド−42Ni合金の厚さ0.25mm×幅23.1mmの
帯材に対して、引張試験機およびテンションレベラーを
使用して0.6%までの塑性伸びを与え、エッジ部の残留
歪みの低減される度合をしらべた。テンションレベラー
を使用した場合の塑性歪みは、是川ら;住友金属28−1
(1976)1に記載の方式に従って算出したものである。 残留歪みの量は、上記の帯材の長手方向に、長さ120m
mの幅1.0mmで間隔が0.35mmのサイズのパターンをフォト
エッチングでつくって櫛型の試片とし、最も外側(つま
り、エッジ部の残留応力の影響を最も受けやすい部分)
の櫛の歯のわん曲の度合を自由端で測定することによっ
て記録した。わん曲量の大小で、つぎのようにランクづ
けをし、ランクAが合格、他は不合格とする。 A:1〜2.5mm以下 B:2.5mm超過3.5mm以下 C:3.5mm超過5.5mm以下 結果は第2図のグラフに示すとおりであって、引張試
験機を用いた場合とテンションレベラーを用いた場合と
では若干の差異がみられるが、おおよそ0.2〜0.5%の範
囲の伸びを与えたときに残留歪みが小さくなることがわ
かる。
帯材に対して、引張試験機およびテンションレベラーを
使用して0.6%までの塑性伸びを与え、エッジ部の残留
歪みの低減される度合をしらべた。テンションレベラー
を使用した場合の塑性歪みは、是川ら;住友金属28−1
(1976)1に記載の方式に従って算出したものである。 残留歪みの量は、上記の帯材の長手方向に、長さ120m
mの幅1.0mmで間隔が0.35mmのサイズのパターンをフォト
エッチングでつくって櫛型の試片とし、最も外側(つま
り、エッジ部の残留応力の影響を最も受けやすい部分)
の櫛の歯のわん曲の度合を自由端で測定することによっ
て記録した。わん曲量の大小で、つぎのようにランクづ
けをし、ランクAが合格、他は不合格とする。 A:1〜2.5mm以下 B:2.5mm超過3.5mm以下 C:3.5mm超過5.5mm以下 結果は第2図のグラフに示すとおりであって、引張試
験機を用いた場合とテンションレベラーを用いた場合と
では若干の差異がみられるが、おおよそ0.2〜0.5%の範
囲の伸びを与えたときに残留歪みが小さくなることがわ
かる。
【実施例2】 実施例1と同じ帯材を対象に、テンションレベラーを
使用して、押込み量1.5mm、張力13.8kgf/mm2の条件で、
残留歪みの低減を行なった。この条件は、上記計算法に
よれば約0.5%の塑性伸びを与えるはずのものである。 測定は、コイル長さ100mにわたって10mごとに、圧延
時の圧延ロール駆動力に関してD側(ドライブすなわち
モーター側)およびW側(ワークすなわちモーターの反
対側)に分けて実施した。 結果は第3図に示すとおりであって、帯材のどちらの
側も残留歪みが十分に低減されたことが確認できた。
使用して、押込み量1.5mm、張力13.8kgf/mm2の条件で、
残留歪みの低減を行なった。この条件は、上記計算法に
よれば約0.5%の塑性伸びを与えるはずのものである。 測定は、コイル長さ100mにわたって10mごとに、圧延
時の圧延ロール駆動力に関してD側(ドライブすなわち
モーター側)およびW側(ワークすなわちモーターの反
対側)に分けて実施した。 結果は第3図に示すとおりであって、帯材のどちらの
側も残留歪みが十分に低減されたことが確認できた。
本発明の方法によるときは、ICのリードフレーム用材
として代表的なアルミクラッド−42Ni合金帯材に起こり
がちであったエッジ部の残留歪み低減の処理を、従来の
焼鈍法に伴っていた制約を受けることなく実施し、効果
的に残留歪みを低減することができる。 これにより、リードフレーム材の良品歩留りが向上す
るばかりでなく、IC製造にも便宜となる。
として代表的なアルミクラッド−42Ni合金帯材に起こり
がちであったエッジ部の残留歪み低減の処理を、従来の
焼鈍法に伴っていた制約を受けることなく実施し、効果
的に残留歪みを低減することができる。 これにより、リードフレーム材の良品歩留りが向上す
るばかりでなく、IC製造にも便宜となる。
第1図は、本発明のリードフレーム材の残留歪み除去方
法の原理を示す、概念的な説明図である。 第2図および第3図は、ともに本発明の実施例における
データを示すグラフである。 1……リードフレーム材 1A,1B……コイル 2……テンションレベラー 2A,2B……レベリングロール 3,4……張力駆動ロール
法の原理を示す、概念的な説明図である。 第2図および第3図は、ともに本発明の実施例における
データを示すグラフである。 1……リードフレーム材 1A,1B……コイル 2……テンションレベラー 2A,2B……レベリングロール 3,4……張力駆動ロール
Claims (1)
- 【請求項1】アルミクラッド−42Ni合金からなるICのリ
ードフレーム用の帯材をテンションレベラーにかけ、長
手方向に0.2〜0.5%の塑性伸びを与えて、幅方向の残留
応力を均一化することにより残留歪みを低減することか
らなるリードフレーム材の残留歪除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1275225A JP2775910B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | リードフレーム材の残留歪み除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1275225A JP2775910B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | リードフレーム材の残留歪み除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03138038A JPH03138038A (ja) | 1991-06-12 |
JP2775910B2 true JP2775910B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=17552449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1275225A Expired - Lifetime JP2775910B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | リードフレーム材の残留歪み除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775910B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102005269B (zh) * | 2010-10-25 | 2012-09-05 | 无锡锡洲电磁线有限公司 | 改进的导线半硬装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS596395A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-13 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | リ−ドフレ−ム条材の寸法縮少防止方法 |
JPS63288868A (ja) * | 1987-05-18 | 1988-11-25 | Watanabe Tekko Kk | リ−ドフレ−ム用トラバ−スワインダ− |
-
1989
- 1989-10-23 JP JP1275225A patent/JP2775910B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03138038A (ja) | 1991-06-12 |
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