JPH0669565B2 - 金属帯板の残留応力低減方法 - Google Patents
金属帯板の残留応力低減方法Info
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- JPH0669565B2 JPH0669565B2 JP29704585A JP29704585A JPH0669565B2 JP H0669565 B2 JPH0669565 B2 JP H0669565B2 JP 29704585 A JP29704585 A JP 29704585A JP 29704585 A JP29704585 A JP 29704585A JP H0669565 B2 JPH0669565 B2 JP H0669565B2
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- Japan
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- deformation
- metal strip
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は金属帯板の残留応力低減方法に係り、特に所定
の幅寸法にスリット加工された金属帯板を、相対向する
一対の圧延ロールによってスキンパス圧延することによ
り、スリット加工によって切断面に生じた残留応力を低
減する方法に関するものである。
の幅寸法にスリット加工された金属帯板を、相対向する
一対の圧延ロールによってスキンパス圧延することによ
り、スリット加工によって切断面に生じた残留応力を低
減する方法に関するものである。
従来技術 金属薄板を所定の幅寸法にスリット加工して得られた金
属帯板には、一般に、その両側の側端面すなわちスリッ
ト加工によって剪断された切断面に、そのスリット加工
に起因する圧縮応力が残留している。このため、このよ
うな金属帯板をそのまま後工程で加工すると、上記残留
応力に起因して加工精度が損われ、特に高い精度が要求
される電子部品等においては重大な問題となることがあ
った。
属帯板には、一般に、その両側の側端面すなわちスリッ
ト加工によって剪断された切断面に、そのスリット加工
に起因する圧縮応力が残留している。このため、このよ
うな金属帯板をそのまま後工程で加工すると、上記残留
応力に起因して加工精度が損われ、特に高い精度が要求
される電子部品等においては重大な問題となることがあ
った。
例えば、第2図に示されている集積回路素子用のリード
フレーム10を製造する際には、一般に、先ず、第3図に
示されているように、42%Ni鋼またはコバール(29%Ni
−17%Co鋼)等から成るベース材12の片表面に、所定間
隔でアルミニウム条14を冷間圧延圧着法によってクラッ
ドすることにより、板厚t1のクラッド帯鋼16を製造す
る。そして、このクラッド帯鋼16を、第4図に示されて
いるように、所定の幅寸法W1にスリット加工して長手状
の金属帯板18を切り出し、この金属帯板18に打抜き加工
および曲げ加工を施して目的とするリードフレーム10を
製造するようにしているのが普通である。
フレーム10を製造する際には、一般に、先ず、第3図に
示されているように、42%Ni鋼またはコバール(29%Ni
−17%Co鋼)等から成るベース材12の片表面に、所定間
隔でアルミニウム条14を冷間圧延圧着法によってクラッ
ドすることにより、板厚t1のクラッド帯鋼16を製造す
る。そして、このクラッド帯鋼16を、第4図に示されて
いるように、所定の幅寸法W1にスリット加工して長手状
の金属帯板18を切り出し、この金属帯板18に打抜き加工
および曲げ加工を施して目的とするリードフレーム10を
製造するようにしているのが普通である。
しかしながら、スリット加工された金属帯板18の切断面
20には、剪断時の変形に伴って著しい圧縮応力が残留し
ているため、かかる金属帯板18をそのまま用いてリード
フレーム10を加工すると、上記残留応力に起因してリー
ドフレーム10の形状が著しく変形する。すなわち、切断
面20に存在する残留応力に起因してリードフレーム10の
周枠22が変形すると、リードフレーム10の中央部分に形
成されるリード端部24は大きく変位してしまうのであ
る。このため、そのリード端部24にリード線を接続する
ボンディング作業等において、リード端部24の自動位置
決めが困難になるなどの重大な影響を及ぼしていた。
20には、剪断時の変形に伴って著しい圧縮応力が残留し
ているため、かかる金属帯板18をそのまま用いてリード
フレーム10を加工すると、上記残留応力に起因してリー
ドフレーム10の形状が著しく変形する。すなわち、切断
面20に存在する残留応力に起因してリードフレーム10の
周枠22が変形すると、リードフレーム10の中央部分に形
成されるリード端部24は大きく変位してしまうのであ
る。このため、そのリード端部24にリード線を接続する
ボンディング作業等において、リード端部24の自動位置
決めが困難になるなどの重大な影響を及ぼしていた。
一方、このような金属帯板に存在する残留応力の低減方
法として低温焼鈍がある。しかし、かかる低温焼鈍は、
還元性または非酸化性の雰囲気中で熱処理を行わなけれ
ばならないため、例えば連続光輝焼鈍炉等の高価な装置
を必要としたのである。また、例えば上記42%Ni鋼に低
温焼鈍を施して残留応力を取り除くためには、通常、71
0〜800℃程度まで加熱する必要があるため、その42%Ni
鋼にクラッドされているアルミニウムが溶融して、それ
等の界面にアルミニウム−鉄の化合物を生じる等の問題
があった。
法として低温焼鈍がある。しかし、かかる低温焼鈍は、
還元性または非酸化性の雰囲気中で熱処理を行わなけれ
ばならないため、例えば連続光輝焼鈍炉等の高価な装置
を必要としたのである。また、例えば上記42%Ni鋼に低
温焼鈍を施して残留応力を取り除くためには、通常、71
0〜800℃程度まで加熱する必要があるため、その42%Ni
鋼にクラッドされているアルミニウムが溶融して、それ
等の界面にアルミニウム−鉄の化合物を生じる等の問題
があった。
これに対し、例えば特開昭59-189016号公報に開示され
ているように、上記スリット加工された金属帯板を、相
対向する一対の圧延ロールによってスキンパス圧延(軽
圧下圧延)することにより、スリット加工によって切断
面に生じた残留応力を低減することが考えられている。
すなわち、金属帯板の幅方向に均一な圧延歪を付与する
ことにより、切断面のみに存在する歪を打ち消してしま
うのである。
ているように、上記スリット加工された金属帯板を、相
対向する一対の圧延ロールによってスキンパス圧延(軽
圧下圧延)することにより、スリット加工によって切断
面に生じた残留応力を低減することが考えられている。
すなわち、金属帯板の幅方向に均一な圧延歪を付与する
ことにより、切断面のみに存在する歪を打ち消してしま
うのである。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このようなスキンパス圧延においても、
金属帯板の幅方向に均一な圧延歪分布を付与することは
困難であった。すなわち、例えば前記金属帯板18を一対
の圧延ロール26,28によってスキンパス圧延する場合に
ついて説明すると、その圧延時における金属帯板18の板
幅方向における変形は、第5図に示されているように必
ずしも均一ではないため、その不均一な変形によって金
属帯板18の両側端部には新たな残留応力が生じてしまう
のである。
金属帯板の幅方向に均一な圧延歪分布を付与することは
困難であった。すなわち、例えば前記金属帯板18を一対
の圧延ロール26,28によってスキンパス圧延する場合に
ついて説明すると、その圧延時における金属帯板18の板
幅方向における変形は、第5図に示されているように必
ずしも均一ではないため、その不均一な変形によって金
属帯板18の両側端部には新たな残留応力が生じてしまう
のである。
そこで、この新たな残留応力について更に検討を加える
ため、本願出願人は、先ず、スキンパス圧延に伴う金属
帯板18の変形のメカニズムについて解析した。
ため、本願出願人は、先ず、スキンパス圧延に伴う金属
帯板18の変形のメカニズムについて解析した。
上記第5図において破線で示す金属帯板18は圧延前の横
断面形状であり、略長方形状を成しているが、これを圧
延すると実線で示す金属帯板18のように、幅方向の両端
部We2においてエッジドロップと称する現象が生じる。
このため、圧延後の金属帯板18の側端縁における板厚t3
は、中央部W02における板厚t2よりも薄くなり、端部We2
における長さ方向の伸び変形はその薄くなった分だけ中
央部W02における変形よりも大きくなる。以後、この変
形をA変形という。
断面形状であり、略長方形状を成しているが、これを圧
延すると実線で示す金属帯板18のように、幅方向の両端
部We2においてエッジドロップと称する現象が生じる。
このため、圧延後の金属帯板18の側端縁における板厚t3
は、中央部W02における板厚t2よりも薄くなり、端部We2
における長さ方向の伸び変形はその薄くなった分だけ中
央部W02における変形よりも大きくなる。以後、この変
形をA変形という。
また、別の現象として、金属帯板18がその板幅方向へ寸
法ΔWだけ拡がる現象を生じ、このように板幅方向へ拡
がると、その変形に相当する量だけ長さ方向の伸び変形
は中央部W02における変形よりも小さくなる。以後、こ
の変形をB変形という。
法ΔWだけ拡がる現象を生じ、このように板幅方向へ拡
がると、その変形に相当する量だけ長さ方向の伸び変形
は中央部W02における変形よりも小さくなる。以後、こ
の変形をB変形という。
したがって、金属帯板18の端部We2においては、中央部W
02における変形に対して互いに相反するA変形およびB
変形が生じることとなり、端部We2の変形はそれ等A変
形およびB変形が複合して生じる三次元変形となる。な
お、第5図に示されている圧延ロール26,28の金属帯板1
8との接触部は凹んでいるが、これは圧延ロール26,28の
弾性変形によるものであり、これに起因して上記エッジ
ドロップ現象が生じるのである。
02における変形に対して互いに相反するA変形およびB
変形が生じることとなり、端部We2の変形はそれ等A変
形およびB変形が複合して生じる三次元変形となる。な
お、第5図に示されている圧延ロール26,28の金属帯板1
8との接触部は凹んでいるが、これは圧延ロール26,28の
弾性変形によるものであり、これに起因して上記エッジ
ドロップ現象が生じるのである。
次に、かかる端部We2における変形と残留応力との関係
について検討する。残留応力については、第6図に示さ
れているように、金属帯板18に一定の幅寸法dを有する
多数のピン30を長手方向に櫛歯形状に加工し、最も外側
のピン30が内側へ曲がる変位量(内曲り量)Cで判断す
ることとした。この場合に、加工による歪が生じること
を防止するため、フォトエッチングすなわち化学処理に
よって不要部を溶かして除去することにより、櫛歯形状
に加工する。
について検討する。残留応力については、第6図に示さ
れているように、金属帯板18に一定の幅寸法dを有する
多数のピン30を長手方向に櫛歯形状に加工し、最も外側
のピン30が内側へ曲がる変位量(内曲り量)Cで判断す
ることとした。この場合に、加工による歪が生じること
を防止するため、フォトエッチングすなわち化学処理に
よって不要部を溶かして除去することにより、櫛歯形状
に加工する。
前記スリット加工を行って得られた金属帯板18の切断面
20には前述したように圧縮応力が残留しているため、こ
れをそのまま櫛歯形状に加工するとその圧縮応力が解放
され、最も外側のピン30,30はそれぞれ第6図に示され
ているように内曲りとなる。これに対し、上述したスキ
ンパス圧延を施せば、スリット加工による残留応力は打
ち消されるものの、端部We2における三次元変形に応じ
て新たな残留応力が発生する。すなわち、前記A変形で
は圧縮の残留応力が発生するため、ピン30,30は内曲り
となるのに対し、変形Bでは引張りの残留応力が発生す
るため、ピン30,30は外曲り(内曲り量Cは負)となる
のである。したがって、スキンパス圧延された金属帯板
18の端部We2には、A変形およびB変形の何れが強調さ
れるかにより、異なる特性の残留応力が発生することと
なるのである。
20には前述したように圧縮応力が残留しているため、こ
れをそのまま櫛歯形状に加工するとその圧縮応力が解放
され、最も外側のピン30,30はそれぞれ第6図に示され
ているように内曲りとなる。これに対し、上述したスキ
ンパス圧延を施せば、スリット加工による残留応力は打
ち消されるものの、端部We2における三次元変形に応じ
て新たな残留応力が発生する。すなわち、前記A変形で
は圧縮の残留応力が発生するため、ピン30,30は内曲り
となるのに対し、変形Bでは引張りの残留応力が発生す
るため、ピン30,30は外曲り(内曲り量Cは負)となる
のである。したがって、スキンパス圧延された金属帯板
18の端部We2には、A変形およびB変形の何れが強調さ
れるかにより、異なる特性の残留応力が発生することと
なるのである。
そして、最後に上記A変形およびB変形と、スキンパス
圧延の圧延条件との関係について検討を加えると、上記
A変形は、圧延ロール26,28の弾性変形量が大きい程、
換言すれば弾性係数が小さい程強調されるのに対し、上
記B変形は、スキンパス圧延の圧下率が小さい程強調さ
れることが見出された。すなわち、圧延ロール26,28の
弾性係数を適宜設定すれば、所望の特性の残留応力が得
られることを発見したのである。
圧延の圧延条件との関係について検討を加えると、上記
A変形は、圧延ロール26,28の弾性変形量が大きい程、
換言すれば弾性係数が小さい程強調されるのに対し、上
記B変形は、スキンパス圧延の圧下率が小さい程強調さ
れることが見出された。すなわち、圧延ロール26,28の
弾性係数を適宜設定すれば、所望の特性の残留応力が得
られることを発見したのである。
しかしながら、従来から使用されている圧延ロールの材
質は、一般に、鋼製若しくは超硬合金製であり、それ等
の弾性係数はそれぞれ約21000kgf/mm2,60000kgf/mm2で
ある。このため、鋼製の圧延ロールを使用すれば前記A
変形が強調される一方、超硬合金製の圧延ロールを使用
すれば前記B変形が強調されることとなり、必ずしも所
望する特性の残留応力を得ることはできなかったのであ
る。
質は、一般に、鋼製若しくは超硬合金製であり、それ等
の弾性係数はそれぞれ約21000kgf/mm2,60000kgf/mm2で
ある。このため、鋼製の圧延ロールを使用すれば前記A
変形が強調される一方、超硬合金製の圧延ロールを使用
すれば前記B変形が強調されることとなり、必ずしも所
望する特性の残留応力を得ることはできなかったのであ
る。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために為されたものであ
り、その要旨とするところは、所定の幅寸法にスリット
加工された金属帯板を、相対向する一対の圧延ロールに
よってスキンパス圧延することにより、前記スリット加
工によって切断面に生じた残留応力を低減する方法であ
って、前記一対の圧延ロールとして互いに弾性係数が異
なるロールを用いて前記スキンパス圧延を行うようにし
たことにある。
り、その要旨とするところは、所定の幅寸法にスリット
加工された金属帯板を、相対向する一対の圧延ロールに
よってスキンパス圧延することにより、前記スリット加
工によって切断面に生じた残留応力を低減する方法であ
って、前記一対の圧延ロールとして互いに弾性係数が異
なるロールを用いて前記スキンパス圧延を行うようにし
たことにある。
作用および発明の効果 すなわち、本発明は、弾性係数が異なる圧延ロールを組
み合わせてスキンパス圧延を行うようにしたのであり、
このようにすれば、弾性係数が大きい圧延ロール側に位
置する部分では前記B変形が強調されるのに対し、弾性
係数が小さい圧延ロール側に位置する部分では前記A変
形が強調されるようになり、全体として中間的な性質を
有する変形を生じることとなる。したがって、そのスキ
ンパス圧延によって生じる新たな残留応力も、同じ弾性
係数の圧延ロールを使用する場合に比較して中間的な特
性を示すようになり、金属帯板に存在する残留応力を効
果的に低減させることができるとともに、後工程におけ
る加工条件等に応じた所望の特性の残留応力を付与する
ことが可能となるのである。
み合わせてスキンパス圧延を行うようにしたのであり、
このようにすれば、弾性係数が大きい圧延ロール側に位
置する部分では前記B変形が強調されるのに対し、弾性
係数が小さい圧延ロール側に位置する部分では前記A変
形が強調されるようになり、全体として中間的な性質を
有する変形を生じることとなる。したがって、そのスキ
ンパス圧延によって生じる新たな残留応力も、同じ弾性
係数の圧延ロールを使用する場合に比較して中間的な特
性を示すようになり、金属帯板に存在する残留応力を効
果的に低減させることができるとともに、後工程におけ
る加工条件等に応じた所望の特性の残留応力を付与する
ことが可能となるのである。
なお、このような弾性係数が異なる圧延ロールは、従来
から多用されている鋼製のロールと超硬合金製のロール
とを組み合わせることによって容易に構成され得るが、
その他の材質のロールを組み合わせて使用することも勿
論可能である。
から多用されている鋼製のロールと超硬合金製のロール
とを組み合わせることによって容易に構成され得るが、
その他の材質のロールを組み合わせて使用することも勿
論可能である。
実施例 次に、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明方法に従ってスキンパス圧延を行った場合と、従来の
ように同材質のロールを用いてスキンパス圧延を行った
場合について、本発明者が行った幾つかの試験結果を説
明する。
明方法に従ってスキンパス圧延を行った場合と、従来の
ように同材質のロールを用いてスキンパス圧延を行った
場合について、本発明者が行った幾つかの試験結果を説
明する。
先ず、試験材として、42%Ni鋼板をスリッタによってス
リット加工することにより、板厚0.39mm,幅寸法23.1mm
の金属帯板を用意する。そして、弾性係数がそれぞれ60
000kgf/mm2,21000kgf/mm2の超硬合金製ロールおよび高
速度鋼製ロールを適宜組み合わせ、以下に示す5種類の
圧延方法A〜Eにより、前記金属帯板の板厚が0.25mmと
なるようにスキンパス圧延を行った。
リット加工することにより、板厚0.39mm,幅寸法23.1mm
の金属帯板を用意する。そして、弾性係数がそれぞれ60
000kgf/mm2,21000kgf/mm2の超硬合金製ロールおよび高
速度鋼製ロールを適宜組み合わせ、以下に示す5種類の
圧延方法A〜Eにより、前記金属帯板の板厚が0.25mmと
なるようにスキンパス圧延を行った。
圧延方法A:超硬合金製ロール同士を組み合わせて二回の
スキンパス圧延を行う 圧延方法B:高速度鋼製ロール同士を組み合わせて二回の
スキンパス圧延を行う 圧延方法C:超硬合金製ロールと高速度鋼製ロールとを組
み合わせて第一回目のスキンパス圧延を行った後、高速
度鋼製ロール同士を組み合わせて第二回目のスキンパス
圧延を行う 圧延方法D:超硬合金製ロールを組み合わせて第一回目の
スキンパス圧延を行った後、超硬合金製ロールと高速度
鋼製ロールとを組み合わせて第二回目のスキンパス圧延
を行う 圧延方法E:超硬合金製ロール同士を組み合わせて第一回
目のスキンパス圧延を行った後、高速度鋼製ロール同士
を組み合わせて第二回目のスキンパス圧延を行う その後、このようにしてスキンパス圧延された金属帯板
を、前記第6図に示されているようにフォトエッチング
によって櫛歯形状に加工し、最も外側のピンの内曲り量
C(mm)を測定した。なお、ピンの幅寸法dは0.9mmで
ある。
スキンパス圧延を行う 圧延方法B:高速度鋼製ロール同士を組み合わせて二回の
スキンパス圧延を行う 圧延方法C:超硬合金製ロールと高速度鋼製ロールとを組
み合わせて第一回目のスキンパス圧延を行った後、高速
度鋼製ロール同士を組み合わせて第二回目のスキンパス
圧延を行う 圧延方法D:超硬合金製ロールを組み合わせて第一回目の
スキンパス圧延を行った後、超硬合金製ロールと高速度
鋼製ロールとを組み合わせて第二回目のスキンパス圧延
を行う 圧延方法E:超硬合金製ロール同士を組み合わせて第一回
目のスキンパス圧延を行った後、高速度鋼製ロール同士
を組み合わせて第二回目のスキンパス圧延を行う その後、このようにしてスキンパス圧延された金属帯板
を、前記第6図に示されているようにフォトエッチング
によって櫛歯形状に加工し、最も外側のピンの内曲り量
C(mm)を測定した。なお、ピンの幅寸法dは0.9mmで
ある。
第1図は、以上の試験結果並びに試験条件を示す図であ
る。以下、この試験結果について考察する。なお、第一
回目のスキンパス圧延によって生じた残留応力は第二回
目のスキンパス圧延によってほぼ打ち消されるため、内
曲り量Cは、殆ど第二回目のスキンパス圧延によって発
生したものである。
る。以下、この試験結果について考察する。なお、第一
回目のスキンパス圧延によって生じた残留応力は第二回
目のスキンパス圧延によってほぼ打ち消されるため、内
曲り量Cは、殆ど第二回目のスキンパス圧延によって発
生したものである。
先ず、圧延方法Aの場合には、二回のスキンパス圧延が
共に弾性係数の大きい超硬合金製ロール同士を組み合わ
せて行われたものであるため、第二回目のスキンパス圧
延においては前記B変形が強調され、外曲り傾向の強い
残留応力が生じている。
共に弾性係数の大きい超硬合金製ロール同士を組み合わ
せて行われたものであるため、第二回目のスキンパス圧
延においては前記B変形が強調され、外曲り傾向の強い
残留応力が生じている。
圧延方法Bの場合には、二回のスキンパス圧延が共に弾
性係数の小さい高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行
われたものであり、第一回目のスキンパス圧延によって
既にエッジドロップ現象を生じているため、第二回目の
スキンパス圧延においては略均一圧下圧延となり、前記
B変形が強調されて上記圧延方法Aと同様に外曲り傾向
の強い残留応力が生じている。
性係数の小さい高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行
われたものであり、第一回目のスキンパス圧延によって
既にエッジドロップ現象を生じているため、第二回目の
スキンパス圧延においては略均一圧下圧延となり、前記
B変形が強調されて上記圧延方法Aと同様に外曲り傾向
の強い残留応力が生じている。
圧延方法Cは本発明方法に従うものであり、超硬合金製
ロールと高速度鋼製ロールとを組み合わせて行った第一
回目のスキンパス圧延においては、上記圧延方法Aおよ
びBにおける第一回目のスキンパス圧延で生じる変形の
中間的な変形、すなわち超硬合金製ロール側では殆どエ
ッジドロップ現象を生じないが、高速度鋼製ロール側で
はエッジドロップ現象を生じた変形となる。このため、
高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行った第二回目の
スキンパス圧延においては、第一回目のスキンパス圧延
において超硬合金製ロール側に位置していた部分ではエ
ッジドロップ現象を生じ、前記A変形が強調されるのに
対し、第一回目のスキンパス圧延において高速度鋼製ロ
ール側に位置していた部分では略均一圧下圧延となり、
B変形が強調される。したがって、同じように第二回目
のスキンパス圧延を高速度鋼製ロール同士を組み合わせ
て行った上記圧延方法Bの場合よりもA変形が強調され
るようになり、それに伴って外曲り傾向の弱い残留応力
が生じる。
ロールと高速度鋼製ロールとを組み合わせて行った第一
回目のスキンパス圧延においては、上記圧延方法Aおよ
びBにおける第一回目のスキンパス圧延で生じる変形の
中間的な変形、すなわち超硬合金製ロール側では殆どエ
ッジドロップ現象を生じないが、高速度鋼製ロール側で
はエッジドロップ現象を生じた変形となる。このため、
高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行った第二回目の
スキンパス圧延においては、第一回目のスキンパス圧延
において超硬合金製ロール側に位置していた部分ではエ
ッジドロップ現象を生じ、前記A変形が強調されるのに
対し、第一回目のスキンパス圧延において高速度鋼製ロ
ール側に位置していた部分では略均一圧下圧延となり、
B変形が強調される。したがって、同じように第二回目
のスキンパス圧延を高速度鋼製ロール同士を組み合わせ
て行った上記圧延方法Bの場合よりもA変形が強調され
るようになり、それに伴って外曲り傾向の弱い残留応力
が生じる。
また、圧延方法Dも本発明方法に従うものであり、超硬
合金製ロール同士を組み合わせて行った第一回目のスキ
ンパス圧延においては殆どエッジドロップ現象を生じな
いが、超硬合金製ロールと高速度鋼製ロールとを組み合
わせて行った第二回目のスキンパス圧延においては、主
として高速度鋼製ロール側に位置する部分でエッジドロ
ップ現象を生じ、A変形が強調される。したがって、二
回共超硬合金製ロール同士を組み合わせてスキンパス圧
延を行った上記圧延方法Aの場合よりもA変形が強調さ
れるようになり、外曲り傾向の弱い残留応力が生じる。
合金製ロール同士を組み合わせて行った第一回目のスキ
ンパス圧延においては殆どエッジドロップ現象を生じな
いが、超硬合金製ロールと高速度鋼製ロールとを組み合
わせて行った第二回目のスキンパス圧延においては、主
として高速度鋼製ロール側に位置する部分でエッジドロ
ップ現象を生じ、A変形が強調される。したがって、二
回共超硬合金製ロール同士を組み合わせてスキンパス圧
延を行った上記圧延方法Aの場合よりもA変形が強調さ
れるようになり、外曲り傾向の弱い残留応力が生じる。
圧延方法Eの場合には、超硬合金製ロール同士を組み合
わせて行った第一回目のスキンパス圧延においては、上
記圧延方法AおよびDと同様に殆どエッジドロップ現象
を生じないが、高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行
った第二回目のスキンパス圧延においては、双方のロー
ル側でエッジドロップ現象を生じてA変形が強く強調さ
れる。したがって、上記圧延方法C,Dの場合よりも更に
外曲り傾向が弱くなり、内曲り傾向の残留応力を生じる
こととなる。
わせて行った第一回目のスキンパス圧延においては、上
記圧延方法AおよびDと同様に殆どエッジドロップ現象
を生じないが、高速度鋼製ロール同士を組み合わせて行
った第二回目のスキンパス圧延においては、双方のロー
ル側でエッジドロップ現象を生じてA変形が強く強調さ
れる。したがって、上記圧延方法C,Dの場合よりも更に
外曲り傾向が弱くなり、内曲り傾向の残留応力を生じる
こととなる。
以上の結果から明らかなように、本発明方法に従う圧延
方法C,Dによれば、同じ材質同士のロールを組み合わせ
て二回のスキンパス圧延を行った圧延方法A,Bと圧延方
法Eとの中間的な特性を有する残留応力が得られること
が判る。したがって、後工程における加工条件等に応じ
て所望する残留応力を付与することが可能となるのであ
る。
方法C,Dによれば、同じ材質同士のロールを組み合わせ
て二回のスキンパス圧延を行った圧延方法A,Bと圧延方
法Eとの中間的な特性を有する残留応力が得られること
が判る。したがって、後工程における加工条件等に応じ
て所望する残留応力を付与することが可能となるのであ
る。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一具体例であ
り、例えば一回のスキンパス圧延を行うだけであった
り、或いは超硬合金,高速度鋼以外の材質から成るロー
ルを組み合わせてスキンパス圧延を行ったりすることも
可能なのである。また、二回のスキンパス圧延を、共に
異なる材質から成るロールを組み合わせて行うこともで
きる。
り、例えば一回のスキンパス圧延を行うだけであった
り、或いは超硬合金,高速度鋼以外の材質から成るロー
ルを組み合わせてスキンパス圧延を行ったりすることも
可能なのである。また、二回のスキンパス圧延を、共に
異なる材質から成るロールを組み合わせて行うこともで
きる。
その他一々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱す
ることなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を
加えた態様で実施することができる。
ることなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を
加えた態様で実施することができる。
第1図は本発明方法および従来の方法でスキンパス圧延
を行った試験結果並びに試験条件を説明する図である。
第2図はスリット加工して得られた金属帯板から製造さ
れる製品の一例を示す図で、集積回路素子用リードフレ
ームの斜視図である。第3図は第2図のリードフレーム
の素材を成すクラッド帯鋼を示す斜視図である。第4図
は第3図のクラッド帯鋼にスリット加工を施して得られ
た金属帯板を示す正面図である。第5図は第4図の金属
帯板にスキンパス圧延が施される際の変形のメカニズム
を説明する図である。第6図は残留応力を調べるために
フォトエッチングにより櫛歯形状に加工された金属帯板
の平面図である。 18:金属帯板、20:切断面 26,28:圧延ロール
を行った試験結果並びに試験条件を説明する図である。
第2図はスリット加工して得られた金属帯板から製造さ
れる製品の一例を示す図で、集積回路素子用リードフレ
ームの斜視図である。第3図は第2図のリードフレーム
の素材を成すクラッド帯鋼を示す斜視図である。第4図
は第3図のクラッド帯鋼にスリット加工を施して得られ
た金属帯板を示す正面図である。第5図は第4図の金属
帯板にスキンパス圧延が施される際の変形のメカニズム
を説明する図である。第6図は残留応力を調べるために
フォトエッチングにより櫛歯形状に加工された金属帯板
の平面図である。 18:金属帯板、20:切断面 26,28:圧延ロール
Claims (2)
- 【請求項1】所定の幅寸法にスリット加工された金属帯
板を、相対向する一対の圧延ロールによってスキンパス
圧延することにより、前記スリット加工によって切断面
に生じた残留応力を低減する方法であって、 前記一対の圧延ロールとして互いに弾性係数が異なるロ
ールを用いて前記スキンパス圧延を行うようにしたこと
を特徴とする金属帯板の残留応力低減方法。 - 【請求項2】前記一対の圧延ロールの一方は超硬合金製
であり、他方は鋼製である特許請求の範囲第1項に記載
の金属帯板の残留応力低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29704585A JPH0669565B2 (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 金属帯板の残留応力低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29704585A JPH0669565B2 (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 金属帯板の残留応力低減方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62158502A JPS62158502A (ja) | 1987-07-14 |
JPH0669565B2 true JPH0669565B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=17841499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29704585A Expired - Lifetime JPH0669565B2 (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 金属帯板の残留応力低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0669565B2 (ja) |
-
1985
- 1985-12-28 JP JP29704585A patent/JPH0669565B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62158502A (ja) | 1987-07-14 |
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