JPH0810804A - 厚板の圧延方法 - Google Patents
厚板の圧延方法Info
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- JPH0810804A JPH0810804A JP14143494A JP14143494A JPH0810804A JP H0810804 A JPH0810804 A JP H0810804A JP 14143494 A JP14143494 A JP 14143494A JP 14143494 A JP14143494 A JP 14143494A JP H0810804 A JPH0810804 A JP H0810804A
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- Japan
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- rolling
- rolled
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- biting
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は金属の厚板の圧延において、スラブ
の予加工を必要としない噛込み端の二枚割れ防止方法を
提供することを目的としている。 【構成】 圧延中にロール間隔を変化させることのでき
る装置を有する圧延機を用いた厚板の圧延において、最
終の圧延パスを除く圧延パスにおいて、圧延材1の噛込
み端3から少なくとも圧延材1の板厚と同じ長さまでの
先端部を圧下率5%以下で圧延し、その後圧延材1の後
端までを目標圧下率で圧延することを特徴とする厚板の
圧延方法。本発明により、スラブの予加工による工程の
増加を必要とせず、通常の圧延と同じ工程で圧延するこ
とができ、また先端部の切捨てによるロスがなく、製造
コストを低減させることができる。
の予加工を必要としない噛込み端の二枚割れ防止方法を
提供することを目的としている。 【構成】 圧延中にロール間隔を変化させることのでき
る装置を有する圧延機を用いた厚板の圧延において、最
終の圧延パスを除く圧延パスにおいて、圧延材1の噛込
み端3から少なくとも圧延材1の板厚と同じ長さまでの
先端部を圧下率5%以下で圧延し、その後圧延材1の後
端までを目標圧下率で圧延することを特徴とする厚板の
圧延方法。本発明により、スラブの予加工による工程の
増加を必要とせず、通常の圧延と同じ工程で圧延するこ
とができ、また先端部の切捨てによるロスがなく、製造
コストを低減させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の厚板を圧延する
際に発生する、噛込み端の二枚割れを防止する圧延方法
に関する。
際に発生する、噛込み端の二枚割れを防止する圧延方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属の厚板(厚鋼板等)の圧延時
に、噛込み端が二枚に割れる問題が発生している。図3
はこのような厚板の圧延時に発生する噛込み端の二枚割
れを示した図である。図3において、1は圧延材、6は
噛込み端の二枚割れ部である。このような問題点に対
し、従来の厚板の噛込み端に発生する二枚割れを防止す
る方法としては、スラブの先端の板厚を先端にむけて減
少させるように、くさび状に予加工して圧延する方法が
採られている。図4はこのような従来の圧延材の先端に
くさび形状を予加工したスラブを示した図である。図4
において、4はスラブ、5はくさび状予加工部である。
この方法では、二枚割れの起点となる圧延材の噛込み端
に未圧延部を残しながら圧延することにより、この未圧
延部で割れの起点を拘束し、二枚割れ発生を防止してい
る。
に、噛込み端が二枚に割れる問題が発生している。図3
はこのような厚板の圧延時に発生する噛込み端の二枚割
れを示した図である。図3において、1は圧延材、6は
噛込み端の二枚割れ部である。このような問題点に対
し、従来の厚板の噛込み端に発生する二枚割れを防止す
る方法としては、スラブの先端の板厚を先端にむけて減
少させるように、くさび状に予加工して圧延する方法が
採られている。図4はこのような従来の圧延材の先端に
くさび形状を予加工したスラブを示した図である。図4
において、4はスラブ、5はくさび状予加工部である。
この方法では、二枚割れの起点となる圧延材の噛込み端
に未圧延部を残しながら圧延することにより、この未圧
延部で割れの起点を拘束し、二枚割れ発生を防止してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術における、スラブの先端をくさび状に予加工する
方法は製造工程を増やすばかりか、くさび状に加工した
部分は圧延しても所定の圧下比がとれないため材質が保
証できず、この部分を切り落として製品とするため製造
コストを上げてしまうという問題点がある。
来技術における、スラブの先端をくさび状に予加工する
方法は製造工程を増やすばかりか、くさび状に加工した
部分は圧延しても所定の圧下比がとれないため材質が保
証できず、この部分を切り落として製品とするため製造
コストを上げてしまうという問題点がある。
【0004】本発明は上記課題を解決するために、スラ
ブの予加工を必要としない噛込み端の二枚割れ防止方法
を提供することを目的としている。
ブの予加工を必要としない噛込み端の二枚割れ防止方法
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。圧延中にロール間隔を変化させること
のできる装置を有する圧延機を用いた厚板の圧延におい
て、最終の圧延パスを除く圧延パスで、圧延材の噛込み
端から少なくとも圧延材の板厚と同じ長さまでの先端部
を圧下率5%以下で圧延し、その後圧延材後端までを目
標圧下率で圧延することを特徴とする厚板の圧延方法。
より解決される。圧延中にロール間隔を変化させること
のできる装置を有する圧延機を用いた厚板の圧延におい
て、最終の圧延パスを除く圧延パスで、圧延材の噛込み
端から少なくとも圧延材の板厚と同じ長さまでの先端部
を圧下率5%以下で圧延し、その後圧延材後端までを目
標圧下率で圧延することを特徴とする厚板の圧延方法。
【0006】
【作用】以下に本発明の詳細について説明する。図5は
圧延前のスラブの板厚方向温度分布を示した図であり、
図6は材料の変形抵抗と温度の関係を示した図である。
図5において図4と同一部分には同一符号を付し、説明
を省略する。図5において、7は板厚である。所定の温
度に加熱されたスラブは加熱炉から圧延機までの搬送中
の放冷、または圧延中のロール冷却水による冷却等でし
だいに温度が低下するが、板厚方向では図5に示すよう
にスラブ表面部では温度が低く、板厚中心部で温度が高
い分布となる。また、材料の変形抵抗は図6のように温
度の低下とともに上昇するため、板厚方向では中心部で
変形抵抗が低く、表面部で変形抵抗が高い状態となる。
特に、変形抵抗の温度依存性の高い材料ではこの傾向が
顕著である。
圧延前のスラブの板厚方向温度分布を示した図であり、
図6は材料の変形抵抗と温度の関係を示した図である。
図5において図4と同一部分には同一符号を付し、説明
を省略する。図5において、7は板厚である。所定の温
度に加熱されたスラブは加熱炉から圧延機までの搬送中
の放冷、または圧延中のロール冷却水による冷却等でし
だいに温度が低下するが、板厚方向では図5に示すよう
にスラブ表面部では温度が低く、板厚中心部で温度が高
い分布となる。また、材料の変形抵抗は図6のように温
度の低下とともに上昇するため、板厚方向では中心部で
変形抵抗が低く、表面部で変形抵抗が高い状態となる。
特に、変形抵抗の温度依存性の高い材料ではこの傾向が
顕著である。
【0007】この状態にある圧延材を圧延する時の変形
を圧延噛込み部についてみると次のようになる。ここ
で、図7は板厚方向の拘束がない場合の圧延方向歪分布
を示した図であり、図8は圧延材の噛込み端の残留応力
を示す図である。図7及び図8において、図3と同一部
分には同一符号を付し、説明を省略する。図7及び図8
において、2は圧延ロール、3は噛込み端である。
を圧延噛込み部についてみると次のようになる。ここ
で、図7は板厚方向の拘束がない場合の圧延方向歪分布
を示した図であり、図8は圧延材の噛込み端の残留応力
を示す図である。図7及び図8において、図3と同一部
分には同一符号を付し、説明を省略する。図7及び図8
において、2は圧延ロール、3は噛込み端である。
【0008】圧延ロールにより圧延材の先端部が圧下さ
れた時の圧延方向の伸びは、変形が変形抵抗の低い板厚
中心部に集中するため、図7に示すように板厚中心部で
大きく、表面部で小さいという分布をとろうとするが、
表面部と中心部は互いに変形を拘束しているため、図8
に示すように表面部には圧延方向に引張の残留応力が発
生し、これに釣り合うように中心部には圧延方向に圧縮
の残留応力が発生する。従って、圧延材の先端部には、
二枚に割れる様な外側に向けて反りを発生させるモーメ
ントが潜在することになる。実際、板厚中央部に割れが
発生すると、中心部の圧縮の残留応力、表面部の引張の
残留応力が開放されるため、二枚に割れた板は外側に反
る形となる。
れた時の圧延方向の伸びは、変形が変形抵抗の低い板厚
中心部に集中するため、図7に示すように板厚中心部で
大きく、表面部で小さいという分布をとろうとするが、
表面部と中心部は互いに変形を拘束しているため、図8
に示すように表面部には圧延方向に引張の残留応力が発
生し、これに釣り合うように中心部には圧延方向に圧縮
の残留応力が発生する。従って、圧延材の先端部には、
二枚に割れる様な外側に向けて反りを発生させるモーメ
ントが潜在することになる。実際、板厚中央部に割れが
発生すると、中心部の圧縮の残留応力、表面部の引張の
残留応力が開放されるため、二枚に割れた板は外側に反
る形となる。
【0009】次に、圧延ロールが噛込み端を通過した
後、噛込み端に作用する歪についてモデル実験により調
査した結果について述べる。
後、噛込み端に作用する歪についてモデル実験により調
査した結果について述べる。
【0010】図9は圧延噛込み端から板厚の1/2 の長さ
ほど圧延した状態の試験片の形状を示し、図10は圧延
噛込み端から板厚と同じ長さほど圧延した状態の試験片
の形状を示している。図9及び図10において、図5及
び図7と同一部分には同一符号を付し、説明を省略す
る。図9及び図10において、8は純鉛板、9は歪ゲー
ジである。図9、図10のいずれも、試験片は圧下率20
% の圧延を行っている途中の形状に加工した純鉛板を用
いている。これらの試験板の側面に歪ゲージを貼り、図
9に示す試験材については噛込み端から板厚の1/2 長さ
ほど離れた位置を圧下する実験を、図10に示す試験材
については噛込み端から板厚の長さほど離れた位置を圧
下する実験を行い、圧延ロールが噛込み端を経過した後
の噛込み端に作用する歪を測定した。
ほど圧延した状態の試験片の形状を示し、図10は圧延
噛込み端から板厚と同じ長さほど圧延した状態の試験片
の形状を示している。図9及び図10において、図5及
び図7と同一部分には同一符号を付し、説明を省略す
る。図9及び図10において、8は純鉛板、9は歪ゲー
ジである。図9、図10のいずれも、試験片は圧下率20
% の圧延を行っている途中の形状に加工した純鉛板を用
いている。これらの試験板の側面に歪ゲージを貼り、図
9に示す試験材については噛込み端から板厚の1/2 長さ
ほど離れた位置を圧下する実験を、図10に示す試験材
については噛込み端から板厚の長さほど離れた位置を圧
下する実験を行い、圧延ロールが噛込み端を経過した後
の噛込み端に作用する歪を測定した。
【0011】図11は噛込み端から板厚の1/2 長さほど
離れた位置を圧下した時の板厚方向の歪分布を示してお
り、図12は噛込み端から板厚の長さほど離れた位置を
圧下した時の板厚方向の歪分布を示している。図11に
示すように、噛込み端から板厚の1/2 長さほど離れた位
置を圧下した時の板厚方向の歪分布では、圧下位置付近
では圧縮歪が作用しているが、圧下位置から噛込み端に
向けて歪は直線的に増加し、噛込み端では0.2%の引張歪
が作用している。また図12に示すように、噛込み端か
ら板厚の長さほど離れた位置を圧下した時の板厚方向の
歪分布では、噛込み端から板厚の1/2 長さほど離れた位
置を圧下した場合と同じように圧下位置付近では圧縮歪
が作用しているが、最大の引張歪が作用している位置は
噛込み端ではなく、噛込み端から板厚の1/2 長さほど内
側となり、噛込み端に作用する歪は0.03% と小さい。
離れた位置を圧下した時の板厚方向の歪分布を示してお
り、図12は噛込み端から板厚の長さほど離れた位置を
圧下した時の板厚方向の歪分布を示している。図11に
示すように、噛込み端から板厚の1/2 長さほど離れた位
置を圧下した時の板厚方向の歪分布では、圧下位置付近
では圧縮歪が作用しているが、圧下位置から噛込み端に
向けて歪は直線的に増加し、噛込み端では0.2%の引張歪
が作用している。また図12に示すように、噛込み端か
ら板厚の長さほど離れた位置を圧下した時の板厚方向の
歪分布では、噛込み端から板厚の1/2 長さほど離れた位
置を圧下した場合と同じように圧下位置付近では圧縮歪
が作用しているが、最大の引張歪が作用している位置は
噛込み端ではなく、噛込み端から板厚の1/2 長さほど内
側となり、噛込み端に作用する歪は0.03% と小さい。
【0012】以上の実験により、圧延ロールが噛込み端
を通過した直後には噛込み端に大きな引張応力が作用す
るが、圧延ロールが圧延材の板厚と同じ長さ以上噛込み
端から離れた位置まで進むと噛込み端に作用する引張応
力は小さくなっていくことがわかる。従って、圧延材の
噛込み端の二枚割れは、板厚方向に分布する、板を二枚
に分離しようとするモーメントと、圧延ロールが噛込み
端を通過した直後に噛込み端に作用する大きな引張応力
が重なることにより発生することがわかる。さらに、圧
延ロールが噛込み端から圧延材の板厚と同じ長さ以上離
れた位置を圧延している時点では、二枚割れを引き起こ
す噛込み端に作用する板厚方向の引張応力が小さく、二
枚割れは発生しないことがわかる。
を通過した直後には噛込み端に大きな引張応力が作用す
るが、圧延ロールが圧延材の板厚と同じ長さ以上噛込み
端から離れた位置まで進むと噛込み端に作用する引張応
力は小さくなっていくことがわかる。従って、圧延材の
噛込み端の二枚割れは、板厚方向に分布する、板を二枚
に分離しようとするモーメントと、圧延ロールが噛込み
端を通過した直後に噛込み端に作用する大きな引張応力
が重なることにより発生することがわかる。さらに、圧
延ロールが噛込み端から圧延材の板厚と同じ長さ以上離
れた位置を圧延している時点では、二枚割れを引き起こ
す噛込み端に作用する板厚方向の引張応力が小さく、二
枚割れは発生しないことがわかる。
【0013】以上の噛込み端二枚割れの発生原因より、
圧延材の噛込み端から圧延材の板厚と同じ長さほど離れ
た位置から圧延を開始すれば二枚割れの発生を防止する
ことができるが、圧延作業において噛込み端の検知は圧
延荷重の立ち上がりによるため、噛込み端から圧延板は
圧延されていないと圧延長を把握することができない。
種々の材料について、圧延圧下率と二枚割れ発生の関係
について調査したところ、圧下率が5%以下であれば、二
枚割れは発生しないことがわかった。この結果より、圧
延材の噛込み端から少なくとも圧延材の板厚と同じ長さ
までの先端部を圧下率5%以下で圧延し、その位置から圧
延材の後端までは圧延機の能力とパス回数から決定され
る適正な圧下率で圧延すれば、生産性を損なうことな
く、噛込み端の二枚割れを防止することができる。
圧延材の噛込み端から圧延材の板厚と同じ長さほど離れ
た位置から圧延を開始すれば二枚割れの発生を防止する
ことができるが、圧延作業において噛込み端の検知は圧
延荷重の立ち上がりによるため、噛込み端から圧延板は
圧延されていないと圧延長を把握することができない。
種々の材料について、圧延圧下率と二枚割れ発生の関係
について調査したところ、圧下率が5%以下であれば、二
枚割れは発生しないことがわかった。この結果より、圧
延材の噛込み端から少なくとも圧延材の板厚と同じ長さ
までの先端部を圧下率5%以下で圧延し、その位置から圧
延材の後端までは圧延機の能力とパス回数から決定され
る適正な圧下率で圧延すれば、生産性を損なうことな
く、噛込み端の二枚割れを防止することができる。
【0014】また、この圧下率5%以下で圧延する圧延材
の噛込み端からの長さは、油圧圧下装置等の応答性の許
す限り、極力圧延材の板厚と同じ長さに近づく様、短く
することが好ましい。
の噛込み端からの長さは、油圧圧下装置等の応答性の許
す限り、極力圧延材の板厚と同じ長さに近づく様、短く
することが好ましい。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。図1は本発明における実施例の噛込み後の圧延状況
を模式的に示した図である。図1において、図3及び図
7と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。図
2は本発明における実施例の圧下パターンを示した図で
ある。噛込み後、板厚と同じ長さほどの部分を圧下率5%
で圧延し、その後目標圧下率となる様にロール間隔を調
整し、後は目標圧下率で最後まで圧延をおこなってい
る。また図13は、本発明を適用しないで、始めから目
標圧下率で圧延する場合の圧下パターンである。
る。図1は本発明における実施例の噛込み後の圧延状況
を模式的に示した図である。図1において、図3及び図
7と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。図
2は本発明における実施例の圧下パターンを示した図で
ある。噛込み後、板厚と同じ長さほどの部分を圧下率5%
で圧延し、その後目標圧下率となる様にロール間隔を調
整し、後は目標圧下率で最後まで圧延をおこなってい
る。また図13は、本発明を適用しないで、始めから目
標圧下率で圧延する場合の圧下パターンである。
【0016】圧延中に高速でロールギャップを調整する
ことのできる油圧圧下装置を有する圧延機を用いて、図
2に示す本発明による圧下パターンと、図13に示す本
発明を適用しない圧下パターンでの圧延を行い比較し
た。材料は、変形抵抗の温度依存性の高い高合金鋼で、
スラブサイズは厚102 ×幅1290×長2750mmである。加熱
温度を1150℃とし、仕上げ温度を900 ℃とした。本発明
を適用しない図13の圧下パターンによる圧延では、第
1パス目で噛込み端に二枚割れが発生したのに対し、本
発明を第1パス目に適用した図2の圧下パターンによる
圧延では、圧延パスを繰り返しても噛込み端の二枚割れ
は発生せず、この圧延方法により噛込み端の二枚割れを
防止できることを確認できた。
ことのできる油圧圧下装置を有する圧延機を用いて、図
2に示す本発明による圧下パターンと、図13に示す本
発明を適用しない圧下パターンでの圧延を行い比較し
た。材料は、変形抵抗の温度依存性の高い高合金鋼で、
スラブサイズは厚102 ×幅1290×長2750mmである。加熱
温度を1150℃とし、仕上げ温度を900 ℃とした。本発明
を適用しない図13の圧下パターンによる圧延では、第
1パス目で噛込み端に二枚割れが発生したのに対し、本
発明を第1パス目に適用した図2の圧下パターンによる
圧延では、圧延パスを繰り返しても噛込み端の二枚割れ
は発生せず、この圧延方法により噛込み端の二枚割れを
防止できることを確認できた。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、噛込み
端に二枚割れが発生しやすい材料に対し、スラブの予加
工による工程の増加を必要とせず、通常の圧延と同じ工
程で圧延することができ、また先端部の切捨てによるロ
スがなく、製造コストを低減させることができる。
端に二枚割れが発生しやすい材料に対し、スラブの予加
工による工程の増加を必要とせず、通常の圧延と同じ工
程で圧延することができ、また先端部の切捨てによるロ
スがなく、製造コストを低減させることができる。
【図1】本発明における実施例の噛込み後の圧延状況を
模式的に示した図
模式的に示した図
【図2】本発明における実施例の圧下パターンを示した
図
図
【図3】厚板の圧延時に発生する噛込み端の二枚割れを
示した図
示した図
【図4】従来技術の、圧延材の先端にくさび形状を予加
工したスラブを示した図
工したスラブを示した図
【図5】圧延前のスラブの板厚方向温度分布を示した図
【図6】材料の変形抵抗と温度の関係を示した図
【図7】板厚方向に拘束がない場合の圧延方向歪分布を
示した図
示した図
【図8】圧延材の噛込み端の残留応力を示す図
【図9】圧延噛込み端から板厚の1/2 の長さほど圧延し
た状態の試験片の形状を示す図
た状態の試験片の形状を示す図
【図10】圧延噛込み端から板厚と同じ長さほど圧延し
た状態の試験片の形状を示す図
た状態の試験片の形状を示す図
【図11】噛込み端から板厚の1/2 長さほど離れた位置
を圧下した時の板厚方向の歪分布を示す図
を圧下した時の板厚方向の歪分布を示す図
【図12】噛込み端から板厚の長さほど離れた位置を圧
下した時の板厚方向の歪分布を示す図
下した時の板厚方向の歪分布を示す図
【図13】本発明を適用しないで、始めから目標圧下率
で圧延する場合の圧下パターンを示した図
で圧延する場合の圧下パターンを示した図
1 圧延材 2 圧延ロール 3 噛込み端 7 板厚
Claims (1)
- 【請求項1】 圧延中にロール間隔を変化させることの
できる装置を有する圧延機を用いた厚板の圧延におい
て、最終の圧延パスを除く圧延パスで、圧延材の噛込み
端から少なくとも圧延材の板厚と同じ長さまでの先端部
を圧下率5%以下で圧延し、その後圧延材後端までを目
標圧下率で圧延することを特徴とする厚板の圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14143494A JPH0810804A (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 厚板の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14143494A JPH0810804A (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 厚板の圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0810804A true JPH0810804A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15291879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14143494A Withdrawn JPH0810804A (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 厚板の圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0810804A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103934283A (zh) * | 2013-12-04 | 2014-07-23 | 广西柳州银海铝业股份有限公司 | 防止轧制扁锭的两端形成开裂口的轧制方法 |
US11250328B2 (en) | 2016-10-26 | 2022-02-15 | Cognizant Technology Solutions U.S. Corporation | Cooperative evolution of deep neural network structures |
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-
1994
- 1994-06-23 JP JP14143494A patent/JPH0810804A/ja not_active Withdrawn
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