JP2774160B2 - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オレフィン重合用触媒および特にオレフィ
ンCH2=CHR(但しRは1〜6個の炭素原子を有するアル
キル基またはアリール基である)の重合におけるこの触
媒の使用に関する。
活性型のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン
化合物を含む触媒は、当該技術分野において公知であ
る。
この型の触媒は、ベルギー国特許第742,112号明細書
および対応する米国特許第4,278,718号明細書に初めて
記載されたものである。
前記のベルギー国特許明細書に記載されている触媒
は、エチレン或いはプロピレンのようなα−オレフィン
の重合に高い活性を示すが、立体特異性は余り高くな
い。
立体特異性は、電子供与体化合物をチタン化合物を含
む担持された成分に加えることによって改良された(例
えば、米国特許第4,544,717号明細書を参照)。
固形成分中の電子供与体と、Al−アルキル化合物共触
媒と共に用いる電子供与体とを用いることによって、更
に改良が行われた(例えば、米国特許第4,107,414号明
細書)。
活性および立体特異性の高水準の性能は、欧州特許第
0045977号明細書に記載の触媒を用いることによって得
られた。この触媒は、活性型の二ハロゲン化マグネシウ
ムとその上に担持されたハロゲン化チタン(TiCl4)お
よび特定の群のカルボン酸エステルから選択され、フタ
レートが好ましい代表例である電子供与体を含む固体触
媒成分を含んで成っている。共触媒成分として、Al−ト
リアルキル化合物と少なくとも1個のSi−OR結合(但
し、Rは炭化水素基である)を有するケイ素化合物とか
ら形成される系が用いられる。
米国特許第4,522,930号明細書には、標準的な抽出条
件下でAl−トリエチルで70モル%より多くを抽出可能な
電子供与体化合物を含む固体触媒成分であって、抽出後
の固体成分の表面積が少なくとも20m2/gであるものを有
する触媒が記載されている。これらの触媒は、上記固体
成分とAl−トリアルキル化合物の外に、電位差滴定によ
って検出可能なAl−トリエチルとの錯体形成を行わない
電子供与体を含む。この電子供与体には、Si−OR結合を
有するケイ素化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、2,2,5,5−テトラメチルピロリドン、Al−ジエチル
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびAl−ジクロ
ロモノフェノキシがある。
従来用いられていた電子供与体とは構造が異なる電子
供与体の新規な群であって、高い活性と立体特異性とを
付与された触媒を形成するものを見出だした。
本発明の触媒に用いられる電子供与体は、2個以上の
エーテル基を有し且つMgCl2 100g当たり60ミリモル未満
の量で特定の活性化度を有する無水の二塩化マグネシウ
ムと錯体形成することが可能なエーテルから選択され
る。
前記の特徴を有するエーテルは、式 (式中、R、RI、RII、RIII、RIVおよびRVは同じかまた
は異なり、Hであるかまたは1〜18個の炭素原子を有す
る線状または分岐したアルキル、シクロアルキル、アリ
ール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であ
り、但しRおよびRIは共に水素とはならず、RVIおよびR
VIIは水素を除きRおよびRIと同じ意味を有し、またRI
〜RVが水素であり、RVIおよびRVIIがメチルであるとき
には、Rはメチルではなく、且つR〜RVIIの1個以上が
結合して環状構造を形成することができる)を有する1,
3−ジエーテルである。
基RI〜RVが水素であり、RVIおよびRVIIがメチルであ
るときには、Rはメチル以外のものである。
前記のエーテルの適当な例は、2−(2−エチルヘキ
シル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル
−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−1,3−ジメト
キシプロパン、2−ブチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−第二級ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2
−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フ
ェニル−1,3−ジエトキシプロパン、2−t−ブチル−
1,3−ジメトキシプロパン、2−クミル−1,3−ジエトキ
シプロパン、2−(2−フェニルエチル)−1,3−ジメ
トキシプロパン、2−(2−シクロヘキシルエチル)−
1,3−ジメトキシプロパン、2−(p−クロロフェニ
ル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(ジフェニルメ
チル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−ナフチ
ル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(2−フルオロ
フェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−デ
カヒドロナフチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−
(p−t−ブチルフェニル)−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−
ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジブチル
−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジ
エトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジエトキシ
プロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジエトキシプロパン、
2−メチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−プロピル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−メチル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプロ
パン、2−メチル−2−フェニル−1,3−ジメトキシプ
ロパン、2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメ
トキシプロパン、2−メチル−2−メチルシクロヘキシ
ル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(p−クロロ
フェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2
−フェニルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−
ビス(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシ
プロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメト
キシプロパン、2−メチル−2−(2−エチルヘキシ
ル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−(2−エチ
ルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス
(p−メチルフェニル)−1,3−ジメトキシプロパン、
2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロ
パン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ
ベンジル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(メチ
ルシクロヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−
ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソ
ブチル−1,3−ジブトキシプロパン、2−イソブチル−
2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ
−第二級−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ
−第三級ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−
ネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプ
ロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−フェニル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシプ
ロパン、2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチ
ル−1,3−ジメトキシプロパン、1−イソプロピル−2,2
−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、1,1,3−トリメ
チル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−
2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメチルプロパン、
2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−
イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメ
トキシプロパン、2,2−ジイソペンチル−1,3−ジメトキ
シプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジ
メトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメ
トキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−
ジメトキシプロパン、2−ブチル−2−エチル−1,3−
ジメトキシプロパン、2−第三級ブチル−2−イソペン
チル−1,3−ジメトキシプロパン、2−(1,5−ジメチル
ヘキシル)−2−(3,7ジメチルオクチル)−1,3−ジメ
トキシプロパン、1,7−ジイソプロピル−1,1,7,7−テト
ラメトキシヘプタン、1,1−ジメトキシメチル−シクロ
ヘキサンである。
他の好適なエーテルの例は、2,3−ジフェニル−1,4−
ジエトキシブタン、2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエ
トキシブタン、2,3−ジベンジル−1,4−ジエトキシブタ
ン、2,3−ジベンジル−1,4−ジメトキシブタン、2,3−
ジシクロヘキシル−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ジイ
ソプロピル−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ジイソプロ
ピル−1,4−ジエトキシブタン、2,2−ビス(p−メチル
フェニル)−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ビス(p−
クロロフェニル)−1,4−ジメトキシブタン、2,3−ビス
(p−フルオロフェニル)−1,4−ジメトキシブタン、
2,4−ジフェニル−1,5−ジメトキシペンタン、2,3−ジ
フェニル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソプロ
ピル−1,5−ジメトキシペンタン、3−メトキシメチル
テトラヒドロフラン、3−メトキシメチルジオキサン、
1,1−ジメトキシメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ
レン、1,1−ジメトキシメチル−デカヒドロナフタレ
ン、1,1−ジメトキシメチルインダン、2,2−ジメトキシ
メチルインダン、1,1−ジメトキシメチル−2−イソプ
ロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,3−ジブトキシ
プロパン、1,2−ジイソブトキシエタン、1,3−ジアミロ
キシプロパン、1,2−ジイソアミルオキシエタン、1,3−
ジネオペントキシプロパン、1,2−ジネオペントキシエ
タン、2,2−テトラメチレン−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2,2−ペンタメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、
2,2−ヘキサメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、1,2
−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、2,8−ジオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,7−ジオキサビシクロ
[3,3,1]ノナン、3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オ
クタン、3,3−ジイソブチル−1,5−ジオキサナン、6,6
−ジイソブチルジオキセパン、1,1−ジメトキシメチル
シクロプロパン、1,1−ビス(メトキシメチル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、1,1−ジメトキシメチルシクロペンタ
ン、2−メチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキ
シプロパンオルトメトキシベンジルメチルエーテル、1,
1,1−トリメトキシメチルエタン、テトラメトキシメチ
ルメタン、1,2−ビス(メトキシメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジメチル−1,2−ジメトキシエタン、
2,2,3,3−テトラメチル−1,4−ジメトキシブタン、2,2,
3,3−テトラエチル−1,4−ジメトキシブタン、2,2,3,3
−テトラメチル−1,4−ジエトキシブタンおよび2,2,3,3
−テトラエチル−1,4−ジエトキシブタンである。
好ましいエーテルは前記の一般式を有するものであ
り、特にRVIおよびRVIIがメチルであり、RおよびRI
同じかまたは異なり、イソプロピル、イソブチル、t−
ブチル、シクロヘキシル、イソペンチル、エチルシクロ
ヘキシル、ペンチル、シクロペンチル、ヘプチル、1,5
−ジメチルヘキシル、3,7−ジメチルオクチル、フェニ
ル、シクロヘキシルメチルおよびプロピルであるもので
ある。特に好ましいエーテルは、2,2−ジイソブチル−
1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イ
ソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シ
クロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパンであ
る。前記のエーテルはイタリア国特許出願第22152 A/88
号明細書に開示された方法によって製造することができ
る。
MgCl2とのエーテル錯体形成試験は、次のようにして
行なう。固定翼ガラス機械撹拌装置を備えた100mlのガ
ラス製フラスコに、窒素雰囲気中で、乾燥n−ヘプタン
70mlと、下記のようにして活性化した無水MgCl2 12ミリ
モルと、エーテル2ミリモルを導入し、撹拌速度400rpm
で60℃で4時間加熱した。反応混合物を濾過し、室温で
n−ヘプタン100mlずつで洗浄した後、機械ポンプで乾
燥した。
エタノール100mlで固形物を処理した後、固形物をガ
スクロマトグラフィによって分析して、錯体形成したエ
ーテルの量を測定した。錯体形成試験に関するデーター
を、表−1に示す。錯体形成試験にエーテルと共に用い
た二塩化マグネシウムは次のようにして製造した。容量
が1リットルであって、直径が16mmの鋼球1.8kgを含む
振動ミル(Siebtechnik Vibratrom)に、窒素雰囲気下
で無水MgCl2 50gと1,2−ジクロロエタン(DCE)6.8mlを
導入した。
混合物を室温で96時間磨砕した後、固形物を回収し
て、真空下で50℃で16時間乾燥する。
固形物の特性決定 D110反射のピーク半値幅=1.15cm、 表面積(BET)=125m2/g、 残存DCE=2.5重量%。
本発明の電子供与体と共に使用可能な触媒成分は米国
特許第4,522,930号明細書に記載されているが、その記
載内容は参考として本明細書に包含するものである。前
記のように、米国特許第4,522,930号明細書に記載され
た固体触媒成分は、少なくとも1個のTi−ハロゲン結合
を有するチタン成分と、この固体から少なくとも70モル
%を標準的抽出条件でAl−トリエチルにより抽出可能な
電子供与体化合物とを含んで成る。抽出した後、この固
形物の表面積(B.E.T.)は少なくとも20m2/gであり、通
常は100〜300m2/gである。
前記の米国特許明細書に記載された触媒成分を製造す
るのに好適な電子供与体化合物には、エーテル、ケト
ン、ラクトン、N、Pおよび/またはS原子を有する電
子供与体化合物、および特定の群のエステルが挙げられ
る。米国特許第4,522,930号明細書に記載のエステルの
外に、欧州特許第45,977号明細書に記載されたエステル
も好適である。
特に好適なものは、フタル酸のエステル、例えばジイ
ソブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンジル−ブ
チルフタレート;マロン酸のエステル、例えばジイソブ
チルおよびジエチルマロネート;アルキルおよびアリー
ルピバレート;アルキル、シクロアルキルおよびアリー
ルマレエート;アルキルおよびアリールカーボネート、
例えばジイソブチル、エチル−フェニルおよびジフェニ
ルカーボネート;コハク酸エステル、例えばモノおよび
ジエチルスクシネートである。フタル酸のエステルが好
ましい供与体である。
本発明のエーテルを含む固体触媒成分は、様々な方法
によって製造される。
例えば、水含量が1%未満の無水状態の二ハロゲン化
マグネシウム、チタン化合物および電子供与体化合物
を、二ハロゲン化マグネシウムの活性化が起こる条件で
磨砕する。次に、磨砕した生成物を、80〜135℃の温度
で過剰量のTiCl4で1回以上処理した後、水中に塩素イ
オンなくなるまでヘキサンのような炭化水素で繰返し洗
浄する。
もう一つの方法によれば、無水の二塩化マグネシウム
を公知の方法によって予備活性化した後、溶液中の電子
供与体化合物を含むTiCl4の過剰量で80〜135℃の温度で
処理する。TiCl4による処理を繰返した後、固形物をヘ
キサンで洗浄して、総ての未反応TiCl4を除去する。
もう一つの方法によれば、(特に、球状粒子の形態を
した)MgCl2・nROH付加物(但し、nは1〜3の数であ
り、ROHはエタノール、ブタノールまたはイソブタノー
ルである)を、80〜120℃の温度で溶液中の電子供与体
化合物を含む過剰量のTiCl4で処理する。反応の後、固
結物を再度TiCl4で処理した後、分離して、塩素イオン
が除去されるまで炭化水素で洗浄する。
もう一つの方法によれば、マグネシウムカルボキシレ
ートまたはクロロカルボキシレート(特に、米国特許第
4,220,554号明細書にしたがって製造したクロロアルコ
レート)を、前記の反応条件下で溶液中の電子供与体化
合物を含む過剰量のTiCl4と反応させる。
もう一つの方法によれば、ハロゲン化マグネシウムと
チタンアルコレートとの錯体、例えば錯体MgCl2・2Ti
(OC4H9を、炭化水素溶液中で溶液中の電子供与体
化合物を含む過剰量のTiCl4と反応させ、固形生成物を
分離して、更に過剰量のTiCl4と80〜120℃で反応させ
る。次に、固形物を分離して、ヘキサンで洗浄する。
前記の方法の変法によれば、MgCl2とチタンアルコレ
ートとの錯体を炭化水素溶液中でヒドロポリキシロキサ
ンと反応させる。固形生成物を分離して、溶液中の電子
供与体化合物を含む四塩化ケイ素と50℃で反応させる。
次に、固形物を80〜100℃の温度で過剰量のTiCl4と反応
させる。
上記方法の他に、球形粒状の多孔性スチレン−ジビニ
ルベンゼン樹脂または無機の多孔性担体、例えば有機溶
媒に可溶性のMg化合物または錯体の溶液で浸漬したシリ
カおよびアルミナと、溶液中の電子供与体化合物を含む
過剰量のTiCl4を反応させることが可能である。
本発明に用いることができる多孔性樹脂およびその浸
漬法は、米国特許出願第07/359,234号明細書に開示され
ている。
TiCl4との反応は、80〜100℃で行ない、過剰のTiCl4
を分離した後、反応を繰返し、次いで固形物を炭化水素
で洗浄する。
前記の反応に用いられるMgCl2/電子供与体化合物のモ
ル比は、通常は4:1〜12:1である。二ハロゲン化マグネ
シウム上に固定されたままの電子供与体化合物の量は、
通常は5〜20モル%である。樹脂および無機多孔性担体
上に担持された成分の場合には、電子供与体化合物とマ
グネシウムのモル比は一層高く、通常は0.3〜0.8であ
る。
固体触媒成分では、Mg/Tiの比率は通常は30:1〜4:1で
ある。この成分が樹脂上または無機多孔性担体上に担持
されるときには、この比率は低めであり、通常は3:1〜
2:1である。
固体触媒成分の製造に用いられる好適なチタン化合物
は、ハロゲン化物およびハロアルコレートである。四塩
化チタンが好ましい化合物である。Ti−三ハロゲン化
物、詳細にはTiCl3−HR、TiCl3−ARA、或いはTiCl3−CR
(但し、Rはフェニル基である)のようなハロアルコレ
ートでも満足な結果が得られる。
前記の反応から、活性型のハロゲン化マグネシウムが
形成される。これらの反応の外にも、ハロゲン化物以外
のマグネシウム化合物から出発して活性型のハロゲン化
マグネシウムを形成する他の反応も、文献公知である。
固体触媒成分の二ハロゲン化マグネシウムの活性型
は、触媒成分のX線スペクトルにおいて、表面積が3m2/
g未満の非活性型二ハロゲン化マグネシウムのスペクト
ルに表われる最も強い反射ラインが存在せず且つ最も強
度が高い反射ラインの位置に対してシフトした最大強度
ピークを有するハロで置換されることにより証明される
か、または最大強度の反射ラインのピーク半値幅が活性
化されていない二ハロゲン化マグネシウムのスペクトル
に表われる最強の反射ラインの半値幅より少なくとも30
%大きいという事実によって証明される。最も活性な型
は、固体触媒成分のX線スペクトルにおいて、ハロが表
われるものである。
極めて好ましいハロゲン化マグネシウムは、二塩化マ
グネシウムである。二塩化マグネシウムの最も活性な型
の場合には、触媒成分のX線スペクトルは、非活性塩化
マグネシウムのスペクトルにおける最終の回折ラインの
代わりに、2.56Åの距離において表われるハロを示す。
本発明の固体触媒成分は、Al−アルキル化合物との反
応によってオレフィンCH2=CHR(但し、Rは水素、1〜
6個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基で
ある)またはこのオレフィンを互いに混合したおよび/
またはブタジエンのようなジオレフィンとの混合物の重
合に好適な触媒を形成する。
オレフィンCH2=CHR(但し、Rは1〜個の炭素原子を
有するアルキル基またはアリール基である)の重合の場
合には、特にオレフィンがプロピレンであるときには、
Al−アルキル化合物は、Al−トリアルキル、例えばAl−
トリエチル、Al−トリイソブチルおよびAl−トリ−n−
ブチルおよび線状または環状のAl−アルキル化合物であ
って、酸素または窒素原子を介してまたは基SO4およびS
O3を介して互いに結合した2個以上のAl原子を有するも
のから選択される。
これらの化合物の例は、次の通りである。
(但し、nは1〜20の数である)。
化合物AlR2ORI(但し、RIはオルト位の一方または両
方が置換されたアリール基であり、Rは1〜6個の炭素
原子を有するアルキル基である)および化合物AlR2H
(但しRは前記と同じ意味を有する)も好適である。Al
−アルキル化合物は、Al/Tiの比率が1〜1,000となるよ
うな量である。
プロピレンの重合および他のα−オレフィンの場合に
は、トリアルキル化合物は、 AlEt2ClのようなAl−アルキルハロゲン化物との混合物
で用いてもよい。
本発明の触媒には、下記の成分の反応生成物が挙げら
れる。
(a) Al−アルキル化合物、特にAl−トリアルキル化
合物、 (b) 少なくとも2個のエーテル基を有するエーテル
であって、二塩化マグネシウム100g当たり60ミリモル未
満の量で無水の二塩化マグネシウムと標準的な反応条件
下で錯体を形成するもの、および (c) 固体であって、活性型の二ハロゲン化マグネシ
ウムを有し、その上に少なくとも1個のTi−ハロゲン結
合を含むチタン化合物と、標準的抽出条件下にてAl−ト
リエチルと反応させることによって該固体から70モル%
より多くを抽出可能な電子供与体化合物とを担持してお
り、抽出後の表面積が20m2/gを大きいもの。
オレフィンの重合は、液体モノマーまたは脂肪族また
は芳香族炭化水素溶媒に液体モノマーまたはモノマー混
合物を溶解した溶液を用いる液相中で、気相で、または
液相および気相法の組み合わせで既知の方法によって行
われる。
(共)重合温度は一般的には0゜〜150℃、特に、60
゜〜100℃である。重合は大気圧または高圧で行われ
る。
触媒を少量のオレフィンと予備接触させてもよい(予
備重合)。この予備重合によって、触媒の性能とポリマ
ーの形態が改良される。
予備重合は、触媒を炭化水素溶媒(ヘキサン、ヘプタ
ン等)に室温〜60℃の温度で触媒成分の重量の0.5〜3
倍の量のポリマーを生成させるのに十分な時間懸濁させ
ておくことによって行なう。予備重合は、前記と同じ温
度条件下で液状プロピレン中で行ない、触媒成分1g当た
り最大1,000gまでの量のポリマーを生成させることもで
きる。
オレフィンの立体規則性重合の場合には、Al−アルキ
ル化合物とエーテル電子供与体とのモル比は、通常は5:
1〜100:1である。
下記の実施例によって本発明を例示するが、発明を制
限するためのものではない。
実施例 固体触媒成分の製造 底部に濾過用ディスクを備えた500ml反応容器に、TiC
l4 225mlを0℃で導入し、撹拌を行ないながら、米国特
許第4,469,648号明細書の実施例1に記載の方法にした
がって得た微小球状のMgCl2・2C2H5OH 10.1g(54ミリモ
ル)を15分間を要して加えた。添加が終了した時点で、
温度を40℃にし、ジイソブチルフタレート9ミリモルを
加えた。温度を1時間を要して100℃に上げ、2時間反
応させた。過剰量のTiCl4を濾過によって除去した。次
に、TiCl4 200mlを加え、内容物を撹拌を行いながら120
℃で1時間反応させた。混合物を濾過して、濾液から塩
素イオンが検出されなくなるまで60℃でn−ヘプタンで
洗浄した。
重合 錨型撹拌装置を備えた2,000mlステンレス鋼製オート
クレーブに、25℃でプロピレン気流下にてn−ヘプタン
1,000ml、Al(C2H53 5ミリモル、触媒成分30mgおよび
表−2に記載のエーテル化合物1ミリモルを導入した。
オートクレーブを閉じた。圧を1気圧にして、0.2気
圧の水素を供給し、プロピレンを供給することによって
全圧を7気圧にしながら内容物を70℃に加熱した。
重合は2時間行った。この時間中に、モノマーを連続
して供給した。反応期間が終了したならば、ポリマーを
濾過によって単離して、真空乾燥した。濾液中に残って
いるポリマーをメタノール中で沈澱させ、真空乾燥し、
n−ヘプタンで抽出可能の総残渣を決定する際に考慮し
た。
用いたエーテル電子供与体、重合結果(収率および総
アイソタクチック指数I.I.)および生成したポリマーの
極限粘度を、表−2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルイサ、バリーノ イタリー国ノバラ、コルソ、リソルギメ ント、338 (72)発明者 エンリコ、アルビツァッティ イタリー国ノバラ、アロナ、ビア、ロー マ、64 (72)発明者 ウンベルト、ジアンニーニ イタリー国ミラノ、ビア、シスモンデ ィ、53 (72)発明者 ジアンピエロ、モリーニ イタリー国パビア、ボゲーラ、ビア、エ ミリア、215 (56)参考文献 特開 昭55−123603(JP,A) 特開 平3−706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) Al−アルキル化合物と、 (b) 少なくとも2個のエーテル基を有するエーテル
    であって、二塩化マグネシウム100g当たり60ミリモル未
    満の量で存在するとき標準的な反応条件下で無水の二塩
    化マグネシウムと錯体形成することが可能なものと、 (c) 固体触媒成分であって、活性型の二ハロゲン化
    マグネシウムと、その上に担持された少なくとも1個の
    Ti−ハロゲン結合を含むチタン化合物および該固体触媒
    成分からAl−トリエチルで70モル%より多くを抽出可能
    な電子供与体化合物とを含んで成り、抽出後の表面積が
    20m2/gより大きいものと反応生成物を含んで成る、オレ
    フィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】オレフィンが式CH2=CHR(式中、Rは1〜
    6個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基で
    ある)を有し、Al−アルキル化合物がAl−トリアルキル
    化合物またはAl−アルキル化合物であって、1個以上の
    Al原子が酸素若しくは窒素原子またはSO4若しくはSO3
    を介して互いに結合しているものである、請求項1に記
    載のオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】ハロゲン化マグネシウムが二塩化マグネシ
    ウムであり、チタン化合物がハロゲン化チタンであり、
    電子供与体がフタル酸エステルである、請求項1に記載
    の触媒。
  4. 【請求項4】フタル酸エステルがジイソブチルおよびジ
    −n−オクチルフタレートから選択される、請求項3に
    記載の触媒。
  5. 【請求項5】エーテルが、式 (式中、R、RI、RII、RIII、RIVおよびRVは同じかまた
    は異なり、Hであるかまたは1〜18個の炭素原子を有す
    る線状または分岐したアルキル、シクロアルキル、アリ
    ール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であ
    り、但しRおよびRIは共に水素とはならず、RVIおよびR
    VIIは水素を除きRおよびRIと同じ意味を有し、また、R
    I〜RVが水素であり、RVIおよびRVIIがメチルであるとき
    には、Rはメチルではなく、且つR〜RVIIの1個以上が
    結合して環状構造を形成することができる)を有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. 【請求項6】RVIおよびRVIIがメチルであり、RおよびR
    Iが同じかまたは異なり、イソプロピル、イソブチル、
    t−ブチル、シクロヘキシル、イソペンチル、シクロヘ
    キシルエチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘプチル、
    1,5−ジメチルヘキシル、3,7−ジメチルオクチル、フェ
    ニル、シクロヘキシルメチルおよびプロピルから成る群
    から選択される、請求項5に記載の触媒。
  7. 【請求項7】エーテルが、 2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、 2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキ
    シプロパン、 2,2−ビス(メチルシクロヘキシル)−1,3−ジメトキシ
    プロパン、 2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−
    ジメトキシプロパン、 2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、 2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−
    ジメトキシプロパン、 2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、 2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシ
    プロパン、 2,2−ジイソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、 2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン 2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメト
    キシプロパン、 2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメト
    キシプロパン、 2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、 2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパ
    ン、 2−ブチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、 2−t−ブチル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシ
    プロパン、 2−(1,5−ジメチルヘキシル)−2−(3,7−ジメチル
    オクチル)−1,3−ジメトキシプロパン、 1,7−ジイソプロピル−1,1,7,7−テトラメトキシヘプタ
    ン、 2−フェニル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパ
    ン、 1,1−ジメトキシメチル−シクロヘキサン、 2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパンから選択さ
    れる、請求項1に記載の触媒。
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