JP2773710B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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康弘 岩崎
健志郎 福里
務 座間
浩一 野口
寿郎 岡村
博義 横山
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内層回路と外層回路と
を非貫通導通穴によって接続する多層プリント配線板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサブトラクティブ工法に基く多層
プリント配線板の製造方法を図3を用いて説明する。
図(a)において、21は銅張り積層板であって、両側
に銅箔22が接着されている。次に、同図(b)に示す
ように、銅張り積層板21の両側の銅箔22をエッチン
グ処理して内層回路23を形成し、次いで、同図(c)
に示すように、内層回路23を形成した銅張り積層板2
1の両側にガラスクロスを含むエポキシ樹脂からなる絶
縁層24を形成する。
【0003】次に、同図(d)に示すように、ガラスク
ロスを含むエポキシ樹脂からなる絶縁層24上にエポキ
シ樹脂よりなる接着剤層25を形成し、同図(e)に示
すように、COレーザー又はYAGレーザーで非貫通
穴26を形成する。 次いで非貫通穴26の内壁に附着
したスミアを除去するデスミア処理として、30〜40
℃のCrO液の中に非貫通穴26の形成を終った銅張
り積層板21を10〜30分浸漬後、CrO液より銅
張り積層板21を取り出し、水洗いを行う操作を3回行
う。
【0004】次にデスミア処理が終了した銅張り積層板
21の両側に形成された接着剤層25の上に外層回路を
形成する以外の部分に銅めっきが附着しないように、同
図(f)に示すように、エポキシ樹脂からなるめっきレ
ジスト27を形成し、次に無電解めっきにて外層回路2
8を形成すると同時に非貫通穴にめっきを行い非貫通導
通穴29を形成する。そして、同図(g)に示すよう
に、めっきレジスト27を除去し、多層プリント配線板
を製作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の多層プ
リント配線板の製造方法においては、非貫通穴26をあ
けるのにパルス幅が10 −1 〜10 秒と長いCO
ーザー又はYAGレーザーを使用していた。その理由
は、ガラスクロスを含むエポキシ樹脂からなる絶縁層2
4に含まれるガラスクロスの分解温度が635℃と高い
ためであり、10−1〜10秒とパルス幅の長いCO
レーザーを用いるとガラスクロスを含むエポキシ樹脂
からなる絶縁層24の温度が上昇して非貫通穴26の加
工が容易になる。その反面、図5に示すように、ガラス
クロスを含むエポキシ樹脂によって形成した絶縁層24
が炭化し非貫通穴26の上面42および内壁41にス
ミアが発生しやすい。
【0006】このデスミア処理を行うため、30〜40
℃のCrO液の中に非貫通穴26を形成した銅張り積
層板21を10〜30分後、CrO液より銅張り積層
板21を取り出す作業を3回行っているため、デスミア
処理工程の時間短縮に限界があった。また、CO レー
ザーによる有効最小穴径は100μmが限界で100μ
mより有効最小穴径が小さく出来ないため従来品以上の
配線板の高密度化がむずかしい。
【0007】また、YAGレーザーを用いて非貫通穴2
6を開ける場合においては、COレーザーに比較して
スミアは少いが、図4に示すように、非貫通穴26の上
面42および内壁41にスミアが発生する。このため、
このスミアを除去するためCOレーザーと同様のデス
ミア処理を行わなければならず、また有効最小穴径も1
00μumと大きく、有効最小穴径が100μm以下に
出来ない。本発明は上記した従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、工程の短縮や配
線の高密度化を図った多層プリント配線板の製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る多層プリント配線板の製造方法は、銅
張り積層板の両側の銅箔をエッチングして内層回路を形
成した後、前記銅張り積層板の両側にガラスクロスを含
まないエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂によって絶縁
層を形成し、この絶縁層の前記内層回路に対応した部位
にこの内層回路の表面に達する非貫通穴を短バルスCO
レーザーであけ、この絶縁層上にめっき処理によって
外層回路を形成するとともに、前記非貫通穴にめっき処
理によって前記外層回路と内層回路とを接続する非貫通
導通穴を形成したものである。
【0009】したがって、従来、分解温度が635℃と
高いガラスクロスを含んだエポキシ樹脂からなる絶縁
代りに、分解温度が327℃と低いガラスクロスを含
まないエポキシ樹脂からなる絶縁層を用いることにより
エネルギーの小さいパルス幅10−4〜10−8秒の短
パルスCOレーザーの使用が可能となり短時間で非貫
通穴を明けられるためガラスクロスを含まないエポキシ
樹脂からなる絶縁層の温度上昇が少ないため非貫通穴
形成時におけるスミアが皆無となり、デスミア処理工程
がいらなくなった。
【0010】また、従来のパルス幅10−1〜10
のCOレーザーでの有効最小穴径が100μmであっ
たものが、パルス幅10−4〜10−8秒の短パルスC
レーザーを用いることにより有効最小穴径が40μ
mにすることが出来、配線の高密度化が可能になった。
【0011】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は本発明に係る多層プリント配
線板の製造方法を説明するための断面図である。同図
(a)において、21は銅張り積層板であって、 両側に
銅箔22が接着されている。同図(b)に示すように、
銅張り積層板21の両側に内層回路23を形成する部分
にエポキシ樹脂からなるパターンレジストを塗布し、次
パターンレジストを塗布した銅張り積層板21を40
〜60℃の塩化第2銅エッチングで60〜120秒間、
浸漬した後、取出し水洗を行い内層回路23を形成す
る。
【0012】次いで内層回路23を形成した銅張り積層
板21の両側に、同図(c)に示すように、ガラスクロ
スを含まないエポキシ樹脂からなる絶縁層51を形成す
次にガラスクロスを含まないエポキシ樹脂からなる
絶縁層51上に、同図(d)に示すように、外層回路2
8とガラスクロスを含まないエポキシ樹脂からなる絶縁
層51の接着強度を高めるためエポキシ樹脂からなる接
着剤層25を形成する。
【0013】なお、ガラスクロスを含まないエポキシ樹
脂からなる絶縁層51は、エポキシ樹脂と有機物(0.
1〜3μmのゴム粒)または無機物(マイカ、クレー)
の混合物の充填剤からなる。次いで、パルス幅10−4
〜10−8秒の短パルスCOレーザーを使用し、同図
(e)に示すように、エポキシ樹脂からなる接着剤層2
5とガラスクロスを含まないエポキシ樹脂からなる絶縁
層51を貫通し、内層回路23の表面に達する非貫通穴
26をける。
【0014】次に、非貫通穴26をけた後、接着剤層
25上に外層回路28を形成する以外の部分に、同図
(f)に示すように、エポキシ樹脂からなるめっきレジ
スト27塗布した後、無電解めっきにて外層回路28
を形成すると同時に非貫通穴にもめっきを行い非貫通導
通穴29を形成する。次いで、同図(g)に示すよう
に、エポキシ樹脂からなるめっきレジスト27を30〜
40℃の温度で1〜3%のNaOH溶液に2〜3分浸漬
しめっきレジスト27を除去して多層プリント配線板を
製造する。
【0015】なお、本実施の形態においては、絶縁層5
1をガラスクロスを含まないエポキシ樹脂としたが、ガ
ラスクロスを含まないポリイミド樹脂としてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
貫通穴をあけるためにエネルギーの小さなパルス幅10
−4〜10−8秒の短パルスCOレーザーを使用する
め、非貫通穴の壁や上端縁に発生していたスミア残
りが低減され、デスミア処理が不要になり、工数が従来
の1/3となる。
【0017】また、従来100μm以下の有効最小穴径
を製作するのが不可能であったが、本発明の短パルスC
レーザーを使用することにより有効最小穴径を40
μmとすることが出来、多層プリント配線板の高密度化
が図られる。表1に本発明と従来例との比較を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る各層プリント配線板の製造方法
を説明するための断面図で、(a)は銅張り積層板の断
図、(b)は内層回路を形成した断面図、(c)は内
層回路上に絶縁層を形成した断面図、(d)は絶縁層上
に接着剤層を形成した断面図、(e)は非貫通穴をあけ
た断面図、(f)はレジストおよび外層回路を形成した
断面図、(g)は本発明の多層プリント配線板の断面図
である
【図2】 本発明に係る多層プリント配線板の製造方法
によって形成した非貫通穴の形状を示す断面図である
【図3】 従来の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための断面で、(a)は銅張り積層板の断面図、
(b)は内層回路を形成した断面図、(c )は内層回路
上に絶縁層を形成した断面図、(d)は絶縁層上に接着
剤層を形成した断面図、(e)は非貫通穴を開けた断面
図、(f)はめっきレジストおよび外層回路を形成した
断面図、(g)は従来品の多層プリント配線板の断面図
である
【図4】 従来の多層プリント配線板の製造方法におい
てYAGレーザーによって形成した非貫通穴の形状を示
す断面図である
【図5】 従来の多層プリント配線板の製造方法におい
てパルス幅10 −1 〜10゜秒のCO レーザーで形成
した非貫通穴の形状を示す断面図である
【符号の説明】
21……銅張り積層板、22……銅箔、23……内層回
路、24……ガラスクロスを含むエポキシ樹脂からなる
絶縁層、25……接着剤層、26……非貫通穴、27…
…めっきレジスト、28……外層回路、29……非貫通
導通穴、41……内壁、42……非貫通穴上面、43…
…スミア、51……ガラスクロスを含まないエポキシ樹
脂からなる絶縁層
フロントページの続き (72)発明者 岡村 寿郎 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田1065 (72)発明者 横山 博義 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田1065 (56)参考文献 特開 平8−243771(JP,A) 特開 平8−323488(JP,A) 特開 平6−13488(JP,A) 特表 平2−500891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/46 H05K 3/00 B23K 26/00 - 26/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅張り積層板の両側の銅箔をエッチング
    して内層回路を形成した後、前記銅張り積層板の両側に
    ガラスクロスを含まないエポキシ樹脂またはポリイミド
    樹脂によって絶縁層を形成し、この絶縁層の前記内層回
    路に対応した部位にこの内層回路の表面に達する非貫通
    穴を短バルスCO レーザーであけ、この絶縁層上にめ
    っき処理によって外層回路を形成するとともに、前記非
    貫通穴にめっき処理によって前記外層回路と内層回路と
    を接続する非貫通導通穴を形成したことを特徴とする多
    層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層プリント配線板の製
    造方法において、短パルスCOレーザーが10−4
    10−8秒のパルス幅であることを特徴とする多層プリ
    ント配線板の製造方法。
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