JP2770044B2 - 針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高い保磁力と大きな飽和磁化を有し、且
つ、分散性と酸化安定性に優れた針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の製造法に関するものである。
本発明の製造法で得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末
は、高密度記録用、高出力用磁性粒子粉末として好適で
ある。
[従来の技術] 近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化が進むにつれ
て磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する
高性能力の必要性が益々生じてきている。即ち、高密度
記録、高出力特性、殊に、周波数特性の向上が要求され
る。磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させ
る為に適した磁性粒子粉末の特性は、高い保磁力と大き
な飽和磁化を有し、且つ、分散性に優れていることであ
る。
近年、高出力並びに高密度記録に適する磁性粒子粉
末、即ち、高い保磁力と大きな飽和磁化とを有する磁性
粒子粉末の開発が盛んであり、そのような特性を有する
磁性粒子粉末として第一鉄塩と、水酸化アルカリ、炭酸
アルカリ等のアルカリ性水溶性との中和沈殿物を酸化す
ることにより得られた針状晶含水酸化第二鉄粒子又は該
針状晶含水酸化第二鉄粒子を加熱焼成して得られた針状
晶ヘマタイト粒子を出発原料粒子とし、該出発原料粒子
を還元性ガス中で加熱還元して針状晶鉄合金磁性粒子粉
末とした後、該粒子表面に酸化被膜を生成させることに
より得られる針状晶鉄合金磁性粒子粉末が知られてお
り、実用化がなされている。針状晶鉄合金磁性粒子粉末
の保磁力は、主として粒子の形状、特に軸比(長軸:短
軸)に依存しており、軸比(長軸:短軸)が大きくなる
程保磁力が高くなる傾向にあり、また、飽和磁化は、例
えば、還元温度を高くして還元を進める程大きくなる傾
向にある。還元の進行にともなって飽和磁化は向上する
が、一方加熱還元工程は苛酷な条件である為粒子及び粒
子相互間で粒子成長及び焼結が生じ、粒子の形状がくず
れて保磁力が低下するというように両者は逆の相関関係
にある為、高い保磁力と大きな飽和磁化をともに備えた
針状晶鉄合金磁性粒子粉末が強く要求されている。ま
た、針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、分散性に優れている
ことが要求されているが、その為には、加熱還元工程及
び加熱還元後の酸化被膜生成工程において粒子及び粒子
相互間の焼結が防止されることによって出発原料粒子の
粒子形状を保持継承するとともに粒子が1個1個バラバ
ラであることが必要である。
上述した通り、針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、高い保
磁力と大きな飽和磁化とを有するものであるが、磁気記
録媒体用に使用される針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、1
μm以下の非常に微細な粒子である為、粒子の表面活性
が非常に大きく、還元後に空気中に取り出すと、空気中
の酸素と急激に反応し、発熱発火するという極めて不安
定なものである。また、同時に上記酸化反応により酸化
物になってしまう為、大幅な磁気特性、殊に飽和磁化の
減少をきたし、目的とする大きな飽和磁化を有する針状
晶鉄合金磁性粒子粉末を得ることができない為、酸化安
定性に優れていることが強く要求されている。
従来、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の諸特性を改良する
ことを目的として各種方法が試みられており、加熱還元
工程における粒子及び粒子相互間の焼結を防止するもの
としては、出発原料粒子の粒子表面を焼結防止作用を有
する各種の有機化合物又は無機化合物であらかじめ被覆
しておく方法がある。焼結防止作用を有する化合物とし
て珪素化合物を用いているものとして、例えば、特公昭
60−17802号公報、特公昭53−11512号公報、特開昭51−
106669号公報、特開昭52−9900号公報、特開昭52−3075
8号公報、特開昭55−85605号公報、特開昭55−85606号
公報、特開昭57−60001号公報、特開昭58−113305号公
報、特開昭59−207843号公報及び特開昭59−213626号公
報に記載の発明がある。
[発明が解決しようとする課題] 高い保磁力と大きな飽和磁化を有し、且つ、分散性と
酸化安定性に優れた針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、現在
最も要求されているところであるが、公知方法によって
得られる針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、未だこれら諸特
性を十分満足するものとは言い難いものであった。即
ち、公知方法による場合には、出発原料粒子の粒子表面
の被覆が十分ではない為、加熱還元工程及び加熱還元後
の酸化被膜生成工程における粒子及び粒子相互間の焼結
を完全に防止することができず、また、酸化安定性の改
良も十分とは言えない。
そこで、高い保磁力と大きな飽和磁化を有し、且つ、
分散性と酸化安定性に優れた針状晶鉄合金磁性粒子粉末
を得る方法の確立が強く要求されている。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、高い保磁力と大きな飽和磁化を有し、且
つ、分散性と酸化安定性に優れた針状晶鉄合金磁性粒子
粉末を得るべく種々検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。
すなわち、本発明は、針状晶含水酸化第二鉄粒子又
は、該針状晶含水酸化第二鉄粒子を加熱焼成して得られ
た針状晶ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して
針状晶鉄合金磁性粒子とした後、該針状晶鉄合金磁性粒
子を酸素含有不活性雰囲気下で処理した粒子表面に酸化
被膜を生成させる針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法に
おいて、前記針状晶含水酸化第二鉄粒子、前記針状晶ヘ
マタイト粒子及び酸化被膜を生成させる前に前記針状晶
鉄合金磁性粒子のいずれかの粒子と、下記一般式(I) (R1HSiO)a(R2R3SiO)b(R4R5R6SiO1/2c (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
とする) で表されるシリコーン化合物の少なくとも1種の被処理
粒子中のFeに対しSi換算で0.1〜15.0重量%とを、気相
中で接触させることにより、粒子表面をあらかじめ前記
シリコーン化合物のポリマーで実質的に被覆しておくこ
とを特徴とする針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法であ
る。
従来よく用いられているシリコーンまたはシランカッ
プリング剤は粉末表面以外の場所でお互に反応し、均一
に表面を被覆することが困難であった。その結果、加熱
焼成後にむらができ、被覆されていないところとシリカ
の固まりが存在する。しかも、この不均一に生じたシリ
コーンまたはシランカップリング剤が連結剤として作用
し、粒子同志をつなぎ、焼成してもその形を維持する場
合があった。本発明においては、表面上でのシリコーン
化合物同志の重合反応であるため膜が均一であり、加熱
焼成後も均一なSi酸化物で被覆できる。
以下、本発明の構成について述べる。
本発明においては、長軸径0.1〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μm及び軸比(長軸径/短軸径)3:1以上、好
ましくは5:1以上の針状晶含水酸化第二鉄粒子を用いる
ことができ、該含水酸化第二鉄粒子の形状は針状はもち
ろん紡錘状、米粒状、楕円状の粒子のいずれでもよい。
また、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の諸特性を向上させる
為に通常使用されるAl、Ni、Co、B、Zn等のFe以外の異
種金属を粒子内部や粒子表面に存在させた粒子をも含
む。
本発明において、針状晶含水酸化第二鉄粒子を加熱焼
成して針状晶ヘマタイト粒子を得る場合の加熱焼成温度
は、250〜850℃である。出発原料粒子の形状の保持継承
の為には350〜700℃の高温で加熱焼成して針状晶ヘマタ
イト粒子を高密度化しておくことが好ましい。
本発明において、針状晶含水酸化第二鉄粒子又は針状
晶メマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元するが、還
元温度は、300℃〜600℃が好ましい。300℃以下の場合
には、還元反応の進行が遅く、長時間を要する。また、
600℃以上である場合には、還元反応が急激に進行して
粒子形態の変形と粒子及び粒子相互間の焼結を引き起こ
してしまう。
本発明においては、針状晶含水酸化第二鉄粒子、該針
状晶含水酸化第二鉄粒子を加熱焼成して得られる針状晶
ヘマタイト粒子または、それらを還元性ガス中で加熱還
元して得られる針状晶鉄合金磁性粒子のいずれかの粒子
と、シリコーン化合物とを気相中で接触させて粒子表面
をあらかじめ、シリコーンポリマーで実質的に被覆させ
ておくことが必要である。
本発明において使用されているシリコーン化合物は、
下記一般式(I) (R1HSiO)a(R2R3SiO)b(R4R5R6SiO1/2c (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
とする) の少なくとも1種である。
上記式(I)のシリコーン化合物は2種の群からな
る。第1の群は、前記式(I)においてc=0場合に相
当し、下記一般式(II) (R1HSiO)a(R2R3SiO)b (II) (式中、R1、R2、R3、aおよびbは前記と同じ意味であ
るが、好ましくはR1、R2およびR3が相互に独立にハロゲ
ン原子少なくとも1個で置換されていることのある炭素
数1〜10の炭化水素基であり、aとbとの和が3以上で
ある) で表される環状シリコーン化合物である。この化合物の
代表例を挙げれば以下のとおりである。
上記の化合物(A)および(B)は、それぞれ単独で
またはそれらの混合物の形で使用することができる。
上記(A)および(B)の各式において、n(または
a+b)は好ましくは3〜7である。nの値が小さくな
るのに従ってその沸点が低下するので、蒸発して粉体上
に吸着する量が多くなる。特に3量体および4量体は、
その立体的性質上、重合し易いので特に適している。
前記式(II)の環状シリコーン化合物の具体的として
は、ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン、トリハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシ
ロキサン、テトラハイドロジェンテトラメチルシクロテ
トラシロキサン、ジハイドロジェンオクタメチルシクロ
ペンタシロキサン、トリハイドロジェンヘプタメチルシ
クロペンタシクロキサン、テトラハイドロジェンヘキサ
メチルシウロペンタシロキサン、およびペンタハイドロ
ジェンペンタメチルシクロペンタシロキサン等を挙げる
ことができる。
前記式(I)のシリコーン化合物の第2の群は、前記
式(I)においてc=2の場合に相当し、下記一般式
(III) (R1HSiO)a(R2R3SiO)b(R4R5R6SiO1/2c (III) [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、aおよびbは前記と
同じ意味であり、cは2であるが、好ましくはR1〜R6
相互に独立にハロゲン原子の少なくとも1個で置換され
ていることのある炭素数1〜10の炭化水素基である。] で表される直鎖状シリコーン化合物である。この化合物
の代表例としては、下記一般式(D) で表される化合物を挙げることができる 上記式(III)の直鎖状シリコーン化合物の具体例と
しては、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロシ
サン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサ
ン、および1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサ
シロキサン等を挙げることができる。
本発明における粒子と特定組成のシリコーン化合物と
の気相中での接触は、例えば、密閉容器を用い、120℃
以下好ましい100℃以下の温度下で、好ましくは200mmHg
以下更に好ましくは100mmHg以下の圧力下において、特
定組成のシリコーン化合物の蒸気を分子状態で粒子表面
上に接触させる方法、120℃以下好ましくは100℃以下の
温度下で、特定組成のシリコーン化合物とキャリアーガ
ースとの混合ガスを粒子に供給する方法等により行うこ
とができる。
本発明における特定組成のシリコーン化合物の量は、
被処理粒子中のFeに対しSi換算で0.1〜15重量%、好ま
しくは、0.2〜12重量%である。0.1重量%未満の場合に
は、粒子及び粒子相互間の焼結を十分防止することがで
きず、また、酸化安定性の改善効果が十分でない。15重
量%を越える場合にも粒子及び粒子相互間の焼結を防止
することができるが、得られる針状晶鉄合金磁性粒子粉
末の飽和磁化が低下してしまう。
本発明においては、粒子と特定組成のシリコーン化合
物とを気相中で接触させることにより、粒子表面でシリ
コーン化合物同志の重合反応を生起させるものである。
一方、熱重合を起させた場合には、均一且つ徽密な被膜
を形成する重合は不可能である。更に、接触存在下で重
合させた場合には、重合が主に接触の周囲で起るので、
粉体の表面だけを均一に被覆することは不可能である。
本発明におけるシリコーンポリマー被膜の構造には2
種類のものがある。すなわち、重合がシロキサン結合
(−Si−O−Si−)の開裂および再結合によって起きる
シリコーンポリマーでは−Si−O−Si−単位の鎖状構造
のみをもち、一方、重合がH2OまたはO2の存在下におけ
るヒドロシリル結合(Si−H)どうしの架橋反応によっ
て起きる場合には: 単位をもつ網状構造を、シリコーンポリマーが含むこと
になる。
好ましい網状ポリマーは、全Si原子の20%以上がポリ
マー皮膜中で前記の 単位に変換したものである。この単位の含量は、ポリマ
ー皮膜中のメチル基のIR吸収から求めることができる。
また、この単位の含量が大きく網状構造が発達すると
加熱によってシリコーンが解重合することなくメタンの
みを放出してSi酸化物を形成する。この状態は熱分解ガ
スクロマトグラフィーで求めることができる。
このように網状構造の発達したポリマーは加熱焼成に
よって、均一なSi酸化物膜に変化するため、従来処理法
により優れている。
本発明における酸化被膜の生成は、還元後の雰囲気を
不活性ガスに置換した後、不活性ガス中の酸素含有量を
徐々に増加させながら最終的に空気によって徐酸化する
方法により行うことができる。必要により、周知の他の
方法、例えば、トルエン等の有機溶剤中に浸漬する方法
等を組み合わせてもよい。
[実施例] 次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の長
軸、軸比(長軸径/短軸径)は、電子顕微鏡写真から測
定した数値の平均値で示した。
針状晶鉄合金磁性粒子粉末及び磁気テープの磁気特性
は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)
製)を使用し、外部磁場10KOeの下で測定した値で示し
た。
分散性の評価は、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の角型、
テープ化した場合の飽和磁束密度Bm、角型及び配向度の
それぞれの値を示すことにより行い、上記いずれの値も
大きくなる程分散性が改良されたことを意味する。
酸化安定性は、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気で、
7日間放置した後の飽和磁化の減少率(%)で示した。
(実施例1〜5、比較例1〜6:針状晶鉄合金磁性粒子粉
末の製造) 実施例1 長軸0.25μmであって、軸比(長軸径/短軸径)15で
ある粒子表面がニッケルの水酸化物(Feに対しNi換算で
4.2atm%)で被覆されている針状晶ゲータイム粒子粉末
を空気中350℃で加熱焼成することにより得られた長軸
0.25μmであって、軸比(長軸径/短軸径)15である針
状晶ヘマタイト粒子1Kgと別の容器に入れたテトラメチ
ルシクロテトラシロキサン(一般式(A)でn=4)10
0gとを密閉型恒温槽に設置し、次いで、200mmHgの圧
力、70℃において5時間処理を行った後100℃で2時間
乾燥を行った。乾燥粉末を赤外吸収スペクトルにより分
析した結果、1260cm-1のSi−CH3の吸収が1270cm-1にシ
フトしており、Si−H基同志の架橋が進行していること
がわかった。また、590℃での熱分解ガスクロマトグラ
フィーの結果、メタンのみが生成していることからテト
ラメチルシクロテトラシロキサンが重合した網状ポリマ
ーが生成されており、その量は、元素分析により分析し
た結果Feに対しSi換算で4.6%であった。このことから
針状晶ヘマタイト粒子の粒子表面が網状構造のポリマー
で被覆されていることが認められた。粒子表面が上記ポ
リマーで被覆されている針状晶ヘマタイト粒子粉末300g
を3lのレトルト還元容器中に投入し、駆動回転させなが
らH2ガスを毎分35lの割合で通気し、還元温度410℃で還
元した後、窒素ガスを通気しながら室温まで冷却した。
次いで、窒素ガスを通気しながら空気を0.5l/minの割合
で90分間通気した。空気通気後、針状晶鉄合金磁性粒子
粉末を空気中に取り出した。得れた針状晶鉄合金磁性粒
子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、長軸0.18μm、軸比
(長軸径/短軸径)10であって、粒子1個1個がバラバ
ラであり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承したもの
であった。また、BET比表面積は55.4m2/gであり、磁気
特性は、保磁力Hc1620Oe、飽和磁化σs127.3emu/g、角
型0.525、酸化安定性11.3%であった。
実施例2 長軸0.23μmであって、軸比(長軸径/短軸径)10で
ある粒子表面がCoの水酸化物(Feに対しCo換算で3.7atm
%)で被覆されている紡錘状ゲータイト粒子粉末10Kgを
容積100lの回転式ダブルコーン型反応槽(ステンレスス
チール製、保温ジャケット付)に入れ、反応槽にステン
レスチール管で直結した原液供給タンクにテトラメチル
シクロテトラシロキサン500gを入れ、窒素を原液供給タ
ンクの下側からバブリングさせて反応槽に供給した。系
の温度は加熱した熱媒体を熱媒体加熱槽から循環ポンプ
で反応槽と原液供給タンクの保温ジャケットに供給し、
70℃に保った。反応槽の回転はタイマーにより10分間静
置後3回転させる回転とし、この回転を7時間繰り返し
た。その後、原液供給タンクのシリコーン化合物を除去
し、窒素気流を続けながら100℃まで系全体を昇温し、
反応槽内のシリコーンモノマーを系から取り除くために
さらに2時間回転を続けた。その後室温にもどして処理
ゲータイトを得た。この処理ゲータイトを赤外吸収スペ
クトルで測定した結果1260cm-のSi−CH3基の吸収が1270
cm-にシフトしており、また590℃での熱分解ガスクロマ
トグラフィーによる測定の結果、メタンのみが生成する
ことから、ゲータイト表面には網目状のポリシロキサン
が生成していることが判明した。この重合物の量は元素
分析した結果Feに対しSi換算で3.8%であった。この処
理ゲータイト1Kgを空気中600℃で加熱焼成することによ
り、長軸0.23μmであって軸比(長軸径/短軸径)9.5
である針状晶ヘマタイトを得た。ヘマタイト粒子粉末30
0gを3lのレトルト還元容器中に投入し、駆動回転させな
がらH2ガスを毎分35lの割合で通気し、還元温度390℃で
還元した後、窒素ガスを通気しながら室温まで冷却し
た。次いで、窒素ガスを通気しながら空気を0.5l/minの
割合で90分間通気した。通気通気後、針状晶鉄合金磁性
粒子粉末を空気中に取り出した。得られた針状晶鉄合金
磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、長軸0.16μ
m、軸比(長軸径/短軸径)8であって、粒子1個1個
がバラバラであり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承
したものであった。また、BET比表面積は52.6m2/gであ
り、磁気特性は、保磁力Hc1540Oe、飽和磁化σs131.3em
u/g、角型0.510、酸化安定性10.8%であった。
(実施例3〜5、比較例1〜6) 針状晶含水酸化第二鉄粒子の種類、加熱焼成工程にお
ける温度、加熱還元工程における温度及び時間、珪素化
合物による処理工程における種類、量、処理期間及び処
理条件を種々変化させた以外は実施例2と同様にして針
状晶鉄合金磁性粒子粉末を得た。この時の主要製造条件
及び諸特性を表1及び表2に示す。
実施例3〜5で得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末は
電子顕微鏡観察の結果、いずれも1個1個がバラバラで
あり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承したものであ
った。比較例3で得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末
は、電子顕微鏡観察の結果、粒子及び粒子相互間で焼結
が生起しており、形状がくずれたものであった。
(実施例6〜10、比較例7〜10:磁気テープの製造) 実施例6 実施例1で得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末を用い
て、適量の極性官能基を持つポリウレタン樹脂及びトル
エン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンからなる
混合溶剤を一定の組成に配合した後、PC分散機で8時間
混合分散して磁気塗料とした。
得られた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適正な塗料粘
度になるように調整し、ポリエステル樹脂フィルム上に
通常の方法で塗布、配向、乾燥させて、磁気テープを製
造した。
この磁気テープの残留磁束密度Brは3200Gauss、角型
(Br/Bm)は0.860、配向度は3.7であった。
(実施例7〜10、比較例7〜10) 針状晶鉄合金磁性粒子粉末の種類を種々変化させた以
外は、実施例6と同様にして磁気テープを製造した。磁
気テープの諸特性を表3に示す。
表3から明らかな通り、本発明により得られた針状晶
鉄合金磁性粒子粉末は、粒子及び粒子相互間の焼結が十
分防止されたことによって、出発原料粒子の粒子形状を
保持継承し、また、粒子1個1個がバラバラであるた
め、分散性が極めて優れたものであり、その結果、飽和
磁束密度、角型(Br/Bm)配向度のいずれも優れた値を
示している。
[発明の効果] 本発明に係る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法によ
れば、高い保磁力と大きな飽和磁化を有し、且つ分散性
と酸化安定性に優れた針状晶鉄合金磁性粒子粉末が得ら
れるので、現在、最も要求されている高密度記録用、高
出力用磁性粒子粉末として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/706 G11B 5/706 5/842 5/842 A (72)発明者 谷原 守 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 太田 泰孝 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 平塚 義三 (56)参考文献 特開 昭58−161705(JP,A) 特開 昭63−113082(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針状晶含水酸化第二鉄粒子又は、該針状晶
    含水酸化第二鉄粒子を加熱焼成して得られた針状晶ヘマ
    タイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して針状晶鉄合金
    磁性粒子とした後、該針状晶鉄合金磁性粒子を酸素含有
    不活性雰囲気下で処理して粒子表面に酸化被膜を生成さ
    せる針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法において、前記
    針状晶含水酸化第二鉄粒子、前記針状晶ヘマタイト粒子
    及び酸化被膜を生成させる前の前記針状晶鉄合金磁性粒
    子のいずれかの粒子と下記一般式(I) (R1HSiO)a(R2R3SiO)b(R4R5R6SiO1/2c (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
    かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
    ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但し
    R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないものと
    し、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子であ
    るかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されて
    いることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、aは
    0または1以上の整数であり、bは0または1以上の整
    数であり、cは0または2であるが、但し、cが0であ
    る場合にはaとbとの和は3以上の整数であるものとす
    る) で表されるシリコーン化合物の少なくとも1種の被処理
    粒子中のFeに対しSi換算で0.1〜15.0重量%とを、気相
    中で接触させることにより、粒子表面をあらかじめ前記
    シリコーン化合物のポリマーで実質的に被覆しておくこ
    とを特徴とする針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法。
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