JP2670895B2 - 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法 - Google Patents

磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法

Info

Publication number
JP2670895B2
JP2670895B2 JP2265321A JP26532190A JP2670895B2 JP 2670895 B2 JP2670895 B2 JP 2670895B2 JP 2265321 A JP2265321 A JP 2265321A JP 26532190 A JP26532190 A JP 26532190A JP 2670895 B2 JP2670895 B2 JP 2670895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
particles
ferrite fine
composite ferrite
starting material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2265321A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04142004A (ja
Inventor
典生 杉田
正敏 仁志
寛 福井
隆 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd, Toda Kogyo Corp filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2265321A priority Critical patent/JP2670895B2/ja
Publication of JPH04142004A publication Critical patent/JPH04142004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2670895B2 publication Critical patent/JP2670895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、大きな磁化値と適当な保磁力を有し、且
つ、分散性に優れた磁気記録用のBaを含む板状複合フェ
ライト微粒子粉末の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、例えば、特開昭55−86103号公報にも述べられ
ている通り、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且
つ、分散性に優れた強磁性の非針状粒子が記録用磁性材
料、特に垂直磁気記録用磁性材料として要望されつつあ
る。
一般に、強磁性の非針状粒子としてはBaを含む板状フ
ェライト粒子がよく知られている。
従来からBaを含む板状フェライト粒子の製造法の一つ
として、BaイオンとFe(III)とが含まれたアルカリ性
懸濁液を反応装置としてオートクレーブを用いて水熱処
理する方法(以下、これを単に水熱合成法という。)が
知られている。
先ず、磁気特性について言えば、磁気記録用のBaを含
む板状フェライト粒子粉末の磁化値は、出来るだけ大き
いことが必要であり、この事実は、例えば特開昭56−14
9328号公報の「‥‥磁気記録媒体材料に使われるマグネ
トプランバイトフェライトについては可能な限り大きな
飽和磁化‥‥が要求される。」と記載されている通りで
ある。
また、保磁力は、一般に300〜2000Oe程度のものが要
求されており、Baを含む板状フェライト微粒子粉末の保
磁力を低減させ適当な保磁力とする為に、上記水熱合成
法においてフェライト中のFe(III)の一部をTi(IV)
及びCo(II)又はCo(II)並びにMn、Zn、Ni等の2価の
金属イオンM(II)で置換して板状複合フェライト微粒
子を得ることが提案されている。
次に、磁気記録用のBaを含む板状フェライト微粒子粉
末の粒度について言えば、出来るだけ微細な粒子、殊
に、0.3μm以下であることが要求されている。
この事実は、例えば、特開昭56−125219号公報の「‥
‥垂直磁化記録が面内記録に対して、その有為性が明ら
かとなるのは、記録波長が1μm以下の領域である。し
かしてこの波長領域で十分な記録・再生を行うために
は、上記フェライトの結晶粒径は、略0.3μm以下が望
ましい。しかし、0.01μm程度となると、所望の強磁性
を呈しないため、適切な結晶粒径としては0.01〜0.3μ
m程度が要求される。」なる記載等の通りである。
ところで、上述した通りの水熱合成法においては、反
応条件を選ぶことによって各種のBaを含む板状フェライ
ト粒子が沈澱してくる。この沈澱粒子は通常六角板状を
呈しており、生成条件によってその粒度分布や平均径が
相違することによって磁気的性質が異なる。
本発明者は、永年に亘り、水熱合成法によるBaを含む
板状フェライト粒子の研究及び開発に携わっているもの
であるが、その過程において反応条件によって平均径0.
05〜0.3μmを有するBaを含む板状フェライト微粒子が
得られるという知見を得ている。
しかしながら、上記平均径0.05〜0.3μmを有するBa
を含む板状フェライト粒子は、保磁力を2000Oe以下に制
御しようとする場合には、磁化値を50emu/g以上に維持
することが困難なものである。
また、従来、水熱合成法により水溶液中から生成した
Baを含む板状フェライト微粒子を800℃以上の温度で加
熱焼成して磁化値を向上させる方法が知られている(特
公昭60−12973号公報)。
しかしながら、この方法による場合、磁化値は、加熱
焼成温度が高くなる程大きくなる傾向にあるが、一方、
粒子及び粒子相互間における焼結が顕著となって塊状粒
子となる為、バインダー中における分散性が低下し、磁
気記録用磁性粒子粉末として好ましくない。
また、加熱焼成して得られたBaを含む板状フェライト
微粒子の保磁力を2000Oe以下に制御する為には、前述し
た保磁力低減剤を多量に添加しなければならず、このこ
とは磁化値を低下させる原因となり、大きな磁化値を維
持しながら保磁力を300〜2000Oeの範囲に制御すること
は困難であった。
従来、Baを含む板状フェライト微粒子の製造にあた
り、熱処理工程における粒子及び粒子相互間の焼結を防
止するものとして、水熱合成法により水溶液中から生成
されたBaを含む板状フェライト微粒子を出発原料粒子と
し、該出発原料粒子の粒子表面を焼結防止作用を有する
各種有機化合物又は無機化合物であらかじめ被覆してお
く方法が知られている。
焼結防止作用を有する化合物として珪素化合物を用い
るものとして、例えば、特開昭60−81804号公報、特開
昭62−275027号公報、特開昭62−282419号公報及び特開
昭63−12107号公報に記載の発明がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
大きな磁化値と適当な保磁力とを有し、且つ、分散性
に優れたBaを含む板状フェライト微粒子粉末は、現在最
も要求されているところであるが、後出比較例に示す通
り、前出公知方法による場合には、今だこれら諸特性を
十分満足するものとは言い難いものであった。即ち、公
知方法による場合には、出発原料粒子の粒子表面の被覆
が十分ではない為、熱処理工程における焼結を完全には
防止することができなかったのである。
そこで、大きな磁化値と適当な保磁力とを有し、且
つ、分散性に優れたBaを含む板状フェライト微粒子粉末
を得る方法の確立が強く要求されている。
〔課題を解決する為の手段〕
本発明者は、大きな磁化値と適当な保磁力とを有し、
且つ、分散性に優れたBaを含む板状フェライト微粒子粉
末を得るべく種々検討を重ねた結果、本発明に到達した
ものである。
即ち、本発明は、粒子表面が水酸化亜鉛によって被覆
されている水熱合成法により水溶液中から生成されたBa
を含む板状複合フェライト微粒子を出発原料粒子とし、
該出発原料粒子と、該出発原料粒子に対しSiO2換算で0.
15〜5.0重量%の (R1HSiO)(R2R3SiO)(R4R5R6SiO1/2 (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
とする)で表されるシリコーン化合物の少なくとも1種
とを気相中で接触させることにより、前記出発原料粒子
の粒子表面をあらかじめ前記シリコーン化合物のポリマ
ーで被覆した後、700〜900℃の温度範囲で熱処理するこ
とからなる磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の
製造法である。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明における出発原料粒子としては、水熱合成法に
より水溶液中から生成されたBaを含む板状複合フェライ
ト粒子はもちろん、該Baを含む板状複合フェライト粒子
に特性向上の為に一般に使用される金属化合物等による
被覆処理等各種処理を施したもののいずれをも使用する
ことができる。
本発明において使用されるシリコーン化合物は、 (R1HSiO)(R2R3SiO)(R4R5R6SiO1/2 (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
とする)の少なくとも1種である。
上記式(I)のシリコーン化合物は2種の群からな
る。第1の群は、前記式(I)においてc=0の場合に
相当し、一般式 (R1HSiO)(R2R3SiO) (II) (式中、R1、R2、R3、aおよびbは前記と同じ意味であ
るが、好ましくはR1、R2およびR3が相互に独立にハロゲ
ン原子の少なくとも一個で置換されていることのある炭
素数1〜4の低級アルキル基またはアリール基(例えば
フェニル基)であり、aとbとの和が3〜7である)で
表される環状シリコーン化合物である。この化合物の代
表例を挙げれば以下のとおりである。
上記化合物(A)、(B)および(C)は、それぞれ
単独でまたはそれらの混合物の形で使用することができ
る。
上記(A)、(B)及び(C)の各式において、n
(またはa+b)は好ましくは3〜7である。nの値が
小さくなるのに従ってその沸点が低下するので、蒸発し
て粉体上に吸着する量が多くなる。特に3量体および4
量体は、その立体的性質上、重合し易いので特に適して
いる。また、水素原子を含むシリコーン化合物は反応性
が高いので、表面処理に適している。
前記式(II)の環状シリコーン化合物の具体例として
は、ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン、トリハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシ
ロキサン、テトラハイドロジェンテトラメチルシクロテ
トラシロキサン、ジハイドロジェンオクタメチルシクロ
ペンタシロキサン、トリハイドロジェンヘプタメチルシ
クロペンタシロキサン、テトラハイドロジェンヘキサメ
チルシクロペンタシロキサンおよびペンタハイドロジェ
ンペンタメチルシクロペンタシロキサンを挙げることが
できる。
前記式(I)のシリコーン化合物の第2の群は、前記
式(I)においてc=2の場合に相当し、一般式 (R1HSiO)(R2R3SiO)(R4R5R6SiO1/2(III) (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、aおよびbは前記と
同じ意味であり、cは2であるが、好ましくはR1〜R6
相互に独立にハロゲン原子の少なくとも1個で置換され
ていることのある炭素数1〜4の低級アルキル基または
アリール基(例えばフェニル基)であり、aとbとの和
が2〜5である)で表される直鎖状シリコーン化合物で
ある。この化合物の代表例としては、式 (式中、aは2〜5である) で表される化合物を挙げることができる。
上記式(III)の直鎖状シリコーン化合物の具体例と
しては、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキ
サン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサ
ン、および1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサ
シロキサンを挙げることができる。
本件発明における粒子と特定組成のシリコーン化合物
との気相中での接触は、例えば、密閉容器を用い、120
℃以下好ましくは100℃以下の温度下で好ましくは200mm
Hg以下更に好ましくは100mmHg以下の圧力下において、
特定組成のシリコーン化合物の蒸気を分子状態で粉体表
面上に接触させる方法、120℃以下好ましくは100℃以下
の温度下で、特定組成のシリコーン化合物とキャリアー
ガスとの混合ガスを粉体に供給する方法等により行うこ
とができる。
本発明における特定組成のシリコーン化合物の量は、
出発原料粒子に対しSiO2換算で0.15〜5.0重量%であ
る。
0.15重量%未満の場合には、粒子及び粒子相互間の焼
結を十分防止することが出来ず、本発明の目的を達成す
ることができない。
5.0重量%を越える場合にも粒子及び粒子相互間の焼
結を防止することができるが、得られるBaを含む板状複
合フェライト微粒子粉末の飽和磁化が低下してしまう。
一方、熱重合を起させた場合には、薄層を形成する重
合は不可能である。更に、触媒存在下で重合させた場合
には、重合が主に触媒の周囲で起るので、粉体の表面だ
けを均一に被覆することは不可能である。
本発明におけるシリコーンポリマー被膜の構造には2
種類のものがある。すなわち、重合がシロキサン結合
(−Si−O−Si)によって起きると、得られるシリコー
ンポリマーはSi−O−Si−単位を含む直鎖構造をもち、
好ましくは重量平均分子量20万以上をもつ。
一方、重合が小量または痕跡量のH2OまたはO2の存在
下におけるヒドロシリル結合(Si−H)の脱水素反応に
よって起きる場合には、Si−H部分の以下の重合: から誘導される 単位をもつ網状構造を、シリコーンポリマーが含むこと
になる。
好ましい網状ポリマーは、全Si原子の20%以上がポリ
マー被膜中で前記の 単位に変換したものである。この単位の含量は、ポリマ
ー被膜中のメチル基のIR吸収から求めることができる。
本発明における熱処理温度は、700〜900℃である。
700℃未満の場合には、大きな磁化値を有するBaを含
む板状複合フェライト微粒子粉末を得ることができな
い。
900℃を越える場合には、粒子及び粒子相互間の焼結
を引き起こす為、出発原料粒子の形状を保持継承し、且
つ、粒子1個1個がバラバラであるBaを含む板状複合フ
ェライト微粒子粉末を得ることができない。
〔作用〕
本発明において最も重要な点は、Baを含む板状複合フ
ェライト微粒子粉末の製造法において、水熱合成法によ
り水溶液中から生成されたBaを含む板状複合フェライト
微粒子と (R1HSiO)(R2R3SiO)(R4R5R6SiO1/2 (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
とする)で表されるシリコーン化合物の少なくとも1種
とを気相中で接触させることにより、粒子表面をシリコ
ーンポリマーで被覆した場合には、粒子及び粒子相互間
の焼結が十分防止される為、大きな磁化値と適当な保磁
力を有し、且つ、分散性に優れたBaを含む板状複合フェ
ライト微粒子粉末が得られるという事実である。
本発明において、粒子及び粒子相互間における焼結が
十分防止される理由について、本発明者は、本発明に係
る特定組成のシリコーン化合物と出発原料粒子とを気相
中で接触させると粒子表面において上記特定組成のシリ
コーン化合物の重合反応が生起し、その結果、均一且つ
緻密なシリコーンポリマーの被膜が生成されること並び
に出発原料粒子は板面に対し垂直方向に磁化容易軸を有
する為、磁性による相互作用により粒子相互が強固に凝
集して存在している為、凝集状態のままで表面被覆され
やすいが、本発明による場合は、気相中における被覆で
ある為、出発原料粒子の1個1個を被覆することができ
ることによるものであろうと考えている。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示し
た。比表面積は、BET法により測定した値である。
Baを含む板状複合フェライト微粒子粉末及び磁気テー
プの磁気特性は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東
英工業(株)製)を使用し、外部磁場10KOeの下で測定
した値で示した。
分散性の評価は、テープ化した場合の飽和磁束密度B
m、角型(Br/Bm)及び光沢度のそれぞれの値を示すこと
により行い、上記いずれの値も大きくなる程分散性が改
良されたことを意味する。
また、角型(Br/Bm)の値は、テープ面に対し、垂直
方向に磁場配向させた磁気テープの場合は垂直方向の角
型(Br/Bm)を測定し、反磁場補正を行った値で示し
た。
塗布膜の表面光沢は、日本電色工業(株)社製の入射
角60゜のグロスメーターで測定した値であり、標準板光
沢を89.0%とした時の値を%表示で示したものである。
<Baを含む板状複合フェライト微粒子粉末の製造> 実施例1〜3、比較例1〜2; 実施例1 水熱合成法により得られたFeに対し7.8モル%のBa、
5.0モル%のNi及び5.0モル%のTiを含有するBaを含む板
状複合フェライト微粒子粉末(平均径0.1μm、BET比表
面積65m2/g)の粒子表面にFeに対してZn換算で4.2モル
%の水酸化亜鉛を沈着させた。
上記水酸化亜鉛によって被覆されているBaを含む板状
複合フェライト微粒子粉末1Kgと別の容器に入れたテト
ラメチルシクロテトラシロキサン(一般式(A)でn=
4)100gとを密閉型恒温槽に設置し、次いで、200mmHg
の圧力、70℃において2時間処理を行った後100℃で2
時間乾燥を行った。
乾燥粉末を、赤外吸収スペクトルにより分析した結
果、テトラメチルシクロテトラシロキサンが重合したポ
リマーが生成されており、その量は出発原料粒子に対し
SiO2換算で1.30重量%であり、Baを含む板状複合フェラ
イト微粒子の粒子表面がテトラメチルシクロテトラシロ
キサンが重合したポリマーで被覆されていることが認め
られた。
粒子表面が上記ポリマーで被覆されているBaを含む板
状複合フェライト微粒子粉末を850℃において2時間加
熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.1μmであって、粒子1個1個がバラバラ
であり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承したもので
あった。また、BET比表面積は54.7m2/gであり、磁気特
性は、保磁力Hcが1430Oe、磁化値σsが52.5emu/gであ
った。
実施例2 テトラメチルシクロテトラシロキサン処理時間を変化
させた以外は実施例1と同様にして、出発原料粒子に対
しSiO2換算で3.5重量%のテトラメチルシクロテトラシ
ロキサンが重合したポリマーによって被覆されているBa
を含む板状複合フェライト微粒子粉末を得た。
粒子表面が上記ポリマーで被覆されているBaを含む板
状複合フェライト微粒子粉末を850℃において2時間加
熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.1μmであって、粒子1個1個がバラバラ
であり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承したもので
あった。また、BET比表面積は59.9m2/gであり、磁気特
性は、保磁力Hcが1390Oe、磁化値σsが51.5emu/gであ
った。
実施例3 水熱合成法により得られたFeに対し5.4モル%のBa、
6.8モル%のCo、2.9モル%のNi及び2.9モル%のTiを含
有するBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末(平均径
0.05μm、BET比表面積101m2/g)の粒子表面に、Feに対
してZn換算で4.5モル%の水酸化亜鉛を沈着させた。
上記水酸化亜鉛によって被覆されているBaを含む板状
複合フェライト微粒子粉末20Kgを容積100の回転式ダ
ブルコーン型反応槽(ステンレススチール製、保温ジャ
ケット付)に入れ、反応槽にステンレススチール管で直
結した原液供給タンクにテトラメチルシクロテトラシロ
キサン1Kgを入れ、窒素を原液供給タンクの下側からバ
ブリングさせて反応槽に供給した。系の温度は加熱した
熱媒体を熱媒体加熱槽から循環ポンプで反応槽と原液供
給タンクの保温ジャケットに供給し、70℃に保った。反
応槽の回転はタイマーにより10分間静置後3回転させる
回転とし、この回転を7時間繰り返した。その後、原液
供給タンクのシリコーン化合物を除去し、窒素気流を続
けながら100℃まで系全体を昇温し、反応槽内のシリコ
ーンモノマーを系から取り除くためにさらに2時間回転
を続けた。その後室温にもどして処理済のBaを含む板状
複合フェライト粒子を得た。この処理済のBaを含む板状
複合フェライト粒子を赤外吸収スペクトルで測定した結
果、テトラメチルシクロテトラシロキサンが重合したポ
リマーが生成されており、その量は出発原料粒子に対し
SiO2換算で3.22重量%であり、Baを含む板状複合フェラ
イト微粒子の粒子表面がテトラメチルシクロテトラシロ
キサンが重合したポリマーで被覆されていることが認め
られた。
粒子表面が上記ポリマーで被覆されているBaを含む板
状複合フェライト微粒子粉末を800℃において2時間加
熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.05μmであって、粒子1個1個がバラバラ
であり、出発原料粒子の粒子形状を保持継承したもので
あった。また、BET比表面積は85.7m2/gであり、磁気特
性は、保磁力Hcが690Oe、磁化値σsが56.8emu/gであっ
た。
比較例1 テトラメチルシクロテトラシロキサンが重合したポリ
マーによって被覆する代りに、3号水ガラスを用いて水
溶液中で被覆処理を行った以外は、実施例1と同様にし
てSiO2換算で1.30重量%の水ガラスで被覆されたBaを含
む板状複合フェライト微粒子粉末を得た。
粒子表面が水ガラスで被覆されている上記Baを含む板
状複合フェライト微粒子粉末を850℃において2時間加
熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.1μmであって、BET比表面積は50.2m2/gで
あり、磁気特性は保磁力Hcが1510Oe、磁化値σsが52.3
emu/gであった。
比較例2 テトラメチルシクロテトラシロキサンが重合したポリ
マーによる被覆を行わなかった以外は、実施例3と同様
にしてBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末を得た。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.07μmであって、粒子及び粒子相互間で焼
結が生起したものであった。BET比表面積は63.5m2/gで
あり、磁気特性は、保磁力Hcが750Oe、磁化値σsが57.
4emu/gであった。
<磁気テープの製造> 実施例4〜6、比較例3〜4; 実施例4 実施例1で得られたBaを含む板状複合フェライト微粒
子粉末を用いて、適量の分散剤、塩ビ酢ビ共重合体、熱
可塑性ポリウレタン樹脂及びトルエン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンからなる混合溶剤を一定
の組成に配合した後、ボールミルで8時間混合分散して
磁気塗料とした。
得られた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適正な塗料粘
度になるように調整し、ポリエステル樹脂フィルム上に
通常の方法で塗布し、塗布方向に磁場配向させた後、乾
燥させて、磁気テープを製造した。
この磁気テープの飽和磁束密度Bmは1100Gauss、角型B
r/Bmは0.84、光沢度は98%であった。
実施例5〜6、比較例3〜4 Baを含む板状複合フェライト微粒子粉末の種類及び配
向方向を種々変化させた以外は、実施例4と同様にして
磁気テープを製造した。尚、実施例5及び比較例3にお
ける配向は塗布方向に、また、実施例6及び比較例4に
おける配向は、塗布面に対し垂直方向に行った。
磁気テープの諸特性を表1に示す。
各実施例で得られたBaを含む板状複合フェライト微粒
子粉末を用いて製造した磁気テープは、各比較例で得ら
れたBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末を用いて製
造した磁気テープに比べ、飽和磁束密度、角型及び光沢
度のすべてにおいて優れており、本発明に係るBaを含む
板状複合フェライト微粒子粉末の分散性がより優れてい
ることが認められた。
〔発明の効果〕 本発明に係るBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末
の製造法によれば、前出実施例に示した通り、大きな磁
化値と適当な保磁力を有し、且つ、分散性に優れたBaを
含む板状複合フェライト微粒子粉末が得られるので、磁
気記録用磁性材料、特に、垂直磁気記録用磁性材料とし
て好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 隆 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂研究所内 審査官 平塚 義三 (56)参考文献 特開 昭62−275027(JP,A) 特開 昭63−113082(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子表面が水酸化亜鉛によって被覆されて
    いる水熱合成法により水溶液中から生成されたBaを含む
    板状複合フェライト微粒子を出発原料粒子とし、該出発
    原料粒子と、該出発原料粒子に対しSiO2換算で0.15〜5.
    0重量%の (R1HSiO)(R2R3SiO)(R4R5R6SiO1/2 (I) (式中、R1、R2およびR3は相互に独立に水素原子である
    かまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
    ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、但
    し、R1とR2とR3とが同時に水素原子であることはないも
    のとし、そしてR4、R5およびR6は相互に独立に水素原子
    であるかまたはハロゲン原子の少なくとも1個で置換さ
    れていることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、
    aは0または1以上の整数であり、bは0または1以上
    の整数であり、cは0または2であるが、但し、cが0
    である場合にはaとbとの和が3以上の整数であるもの
    とする。)で表されるシリコーン化合物の少なくとも1
    種とを気相中で接触させることにより、前記出発原料粒
    子の粒子表面をあらかじめ前記シリコーン化合物のポリ
    マーで被覆した後、700〜900℃の温度範囲で熱処理する
    ことを特徴とする磁気記録用板状複合フェライト微粒子
    粉末の製造法。
JP2265321A 1990-10-01 1990-10-01 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法 Expired - Fee Related JP2670895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2265321A JP2670895B2 (ja) 1990-10-01 1990-10-01 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2265321A JP2670895B2 (ja) 1990-10-01 1990-10-01 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04142004A JPH04142004A (ja) 1992-05-15
JP2670895B2 true JP2670895B2 (ja) 1997-10-29

Family

ID=17415571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2265321A Expired - Fee Related JP2670895B2 (ja) 1990-10-01 1990-10-01 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2670895B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08702B2 (ja) * 1985-04-04 1996-01-10 石原産業株式会社 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法
JPS63113081A (ja) * 1985-07-29 1988-05-18 Shiseido Co Ltd 改質粉体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04142004A (ja) 1992-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0192485B1 (en) Titanium dioxide particles, and process for preparing the same
US5137783A (en) Acicular magnetic metal particles containing iron as main ingredient and process for producing the same
EP0615231B1 (en) Process for producing magnetic metal particles
JP2670895B2 (ja) 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法
JPS62241827A (ja) 磁気記録用強磁性微粉末の製造方法
JP2594838B2 (ja) 鉄を主成分とする針状晶金属磁性微粒子粉末及びその製造法
US5143542A (en) Process for producing magnetic metal powder for magnetic recording
JP2594837B2 (ja) 鉄を主成分とする針状晶金属磁性微粒子粉末及びその製造法
JP5293946B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法、及び磁気記録媒体
JP2691782B2 (ja) 針状晶磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3169105B2 (ja) 鉄を主成分とする針状合金磁性微粒子粉末及びその製造法
JP3194577B2 (ja) 鉄を主成分とする針状晶金属磁性粒子粉末の製造法
JPH04157615A (ja) 磁性粉末の処理方法
JP2770044B2 (ja) 針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法
JPS6132259B2 (ja)
EP0299332B1 (en) Process for preparing ferromagnetic fine particles for magnetic recording
JPS6283318A (ja) 強磁性二酸化クロムの改良法
JPH03171601A (ja) 強磁性金属粉末及び磁気記録媒体
JPH05170449A (ja) θ−アルミナ粉末、その製造方法およびこれを用いてなる磁気記録媒体
JPS62107438A (ja) 磁気記録媒体
JPH06333711A (ja) 金属磁性粉末の製造方法
JPS63265823A (ja) 針状のオキシ水酸化鉄等の微粒子に金属化合物を被着させる方法
JPH01298106A (ja) 強磁性鉄紛の製造法
JPH05144623A (ja) 複合型板状六方晶フエライト磁性粉末およびその製造方法ならびにこの複合型板状六方晶フエライト磁性粉末を用いた磁気記録媒体
JPS63139018A (ja) 板状Baフエライト微粒子粉末の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees