JPH05170449A - θ−アルミナ粉末、その製造方法およびこれを用いてなる磁気記録媒体 - Google Patents

θ−アルミナ粉末、その製造方法およびこれを用いてなる磁気記録媒体

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JPH05170449A
JPH05170449A JP4138155A JP13815592A JPH05170449A JP H05170449 A JPH05170449 A JP H05170449A JP 4138155 A JP4138155 A JP 4138155A JP 13815592 A JP13815592 A JP 13815592A JP H05170449 A JPH05170449 A JP H05170449A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非磁性支持体上に磁性体と結合剤と研磨材と
を含む磁性層が形成されてなる磁気記録媒体に於いて、
研磨材として少なくともθ−アルミナ含有率が70%以
上、平均一次粒子径が0.1μm〜0.5μmのθ−ア
ルミナ粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒体。 【効果】 研磨材としてα−アルミナ粉末を用いたもの
に比較し、磁性層の耐久性、磁気特性、表面平滑性に優
れ、磁気ヘッドの磨耗抑制効果に優れた磁気記録媒体の
供給を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は実質的にその結晶相がθ
−アルミナよりなり、かつその平均一次粒子径が0.1
μm以上の粒子径を有するθ−アルミナ粉末、その製造
方法およびこのθ−アルミナ粉末を研磨材として用いて
なる磁気記録媒体に関するものである。
【0002】さらに詳細には塗布型磁気記録媒体の研磨
材として用いた場合に、テープの表面平滑性、走行耐久
性、磁気特性に優れ、かつ磁気ヘッドの損傷が少ない磁
気記録媒体を提供し得るアルミナ粉末及びその製造方法
およびこれを用いてなる磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】一般にオーディオ、ビデオ、コンピュー
ター用途の磁気記録媒体は強磁性の金属酸化物や金属粉
等の磁性体を、結合剤中に分散してなる磁性塗料を非磁
性支持体上に塗布して磁性層を形成したものである。こ
のような磁気記録媒体は磁気ヘッドと摺接しながら使用
されるため、磁性層は十分な走行性、耐久性を確保する
ことが必要である。
【0004】磁性層の耐久性が不良の場合、該磁性層か
ら脱落した粒子が磁気ヘッドの近傍に付着し磁性層と磁
気ヘッドの円滑な接触を妨げ電磁変換特性の低下やドロ
ップアウトを誘発したり、スチル再生時のテープの汚損
が著しい。また走行性が不良の場合、テープの摩擦に変
化を生じ、走行特性が低下する。
【0005】上記のような磁性層の走行性、耐久性改善
のために、従来磁性層にアルミナ、炭化珪素、酸化クロ
ム、酸化チタン、酸化珪素、α−酸化鉄等の無機粉末を
研磨材として添加することが行われてきた。
【0006】上記研磨材として多用されてきたアルミナ
は主としてαアルミナである。アルミナは、一般にギブ
サイト、バイヤライト、ベーマイト等の水酸化アルミニ
ウムの加熱によりχ→κ→α、γ→δ→θ→α、η→θ
→α、ρ→η→θ→α、擬γ→θ→αアルミナ等のよう
に中間アルミナを経てαアルミナに遷移することが知ら
れている(例えば電気化学、第28巻,第302頁、船
木・清水;アルミナ水和物およびアルミナについて、第
1表 アルミナ水和物の熱変化例 参照)。
【0007】また塩化アルミニウムや硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩の熱分解によ
っても無定形アルミナからγ、δ、θ等の中間アルミナ
を経てαアルミナに遷移することがわかっている(例え
ば鉱物学雑誌19巻1号第21頁第41頁 参照)。
【0008】しかしながら、何れにおいても、中間アル
ミナの粒成長に較べ、上記中間アルミナからαアルミナ
への遷移は発熱反応で、急激な粒成長を伴うことが知ら
れている。磁気記録媒体用研磨材としてαアルミナはモ
ース硬度9で硬度が高く磁性層の走行性、耐久性改善に
大きく寄与するものの、上記α粒子への相転移の際に起
こる粒成長により粗大粒子の混入が避けられず、この粗
大粒子がテープ表面平滑性を下げたり、走行中にヘッド
を傷つけたり、磁気ヘッドの円滑な接触を妨げ電磁変換
特性を下げたりする原因となっている。他方、磁気記録
媒体用研磨材として粒径0.5μm〜7μmの中間アル
ミナを用いる方法も知られているが(例えば特開昭54
−103308号公報)、該中間アルミナの粒径は通常
0.1μm未満の一次粒子径が凝集したもので、磁性層
の補強効果が弱く、走行耐久性に劣る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、テー
プの表面平滑性、走行耐久性、電磁変換特性に優れ、か
つ磁気ヘッドの損傷が少ない磁気記録媒体を提供し得る
研磨材としてのアルミナ粉末およびその製造方法を開発
するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、θ−アルミナ
含有量が70%以上、平均一次粒子径が0.1μm以上
で、タングステン化合物をアルミナに対し酸化タングス
テンとして0.1重量%〜5重量%含有してなるθ−ア
ルミナ粉末を提供するにある。
【0011】さらには、本発明は、タングステンまたは
タングステン化合物を焼成後のアルミナに対するタング
ステン化合物の存在量が酸化タングステンとして0.1
〜5重量%になる範囲で含有するアルミニウム化合物
を、1100℃〜1300℃の温度で焼成し、θ−アル
ミナ含有量が70%以上、平均一次粒子径が0.1μm
以上で、タングステン化合物をアルミナに対し酸化タン
グステンとして0.1重量%〜5重量%含有するアルミ
ナ粉末を得ることを特徴とするθ−アルミナ粉末の製造
方法を提供するものである。
【0012】また、本発明は、非磁性支持体上に磁性体
と結合剤と研磨材とを含む磁性層が形成されてなる磁気
記録媒体において、研磨材として少なくともθ−アルミ
ナ含有量が70%以上、平均一次粒子径が0.1μm〜
0.5μmのθ−アルミナ粉末を用いることを特徴とす
る磁気記録媒体を提供するにある。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明におけるアルミナ粉末は、その粉末中のアルミナの
結晶相の少なくとも70%以上、好ましくは80%以上
がθ相を有し、かつ平均一次粒子径が0.1μm以上の
アルミナ粉末である。
【0014】従来より結晶相としてθ相を有するアルミ
ナ粉末は公知であるが、工業的生産が知られているθア
ルミナ粉末は平均一次粒子径が高々0.03μm程度で
あり、加熱粒成長によりこれより大きい粒子のものを得
ようとすれば、急激にαアルミナに転移するため、平均
一次粒子径が0.1μm以上で実質的にθ相よりなる加
熱粒成長によるアルミナ粉末は知られていない。
【0015】θ−アルミナを磁気記録媒体用の研磨材と
して用いる場合には、θ−アルミナの硬度は約8で、従
来アルミナと同様研磨材として使用されていた酸化ケイ
素、酸化チタン、αー酸化鉄に比較し硬度は高いため、
十分なヘッドのクリーニング効果を有すると供に、α−
アルミナよりは硬度が低いためにヘッドの傷つきが少な
いという効果を有する。
【0016】研磨材として適用するθ−アルミナは平均
一次粒子径が0.1μm以上、通常0.1μm〜0.5
μm、好ましくは0.12μm〜0.3μmを有するθ
−アルミナ粉末であればよく、その製造方法は特に制限
されるものではないが、以下の方法により得ることがで
きる。
【0017】タングステンまたはタングステン化合物を
焼成後のアルミナに対するタングステン化合物の存在量
が酸化タングステンとして0.1〜5重量%、好ましく
は1〜3重量%になる範囲で含有する原料アルミニウム
化合物を、1100℃〜1300℃の温度で10分〜4
8時間、好ましくは1150℃〜1250℃の温度で3
0分〜24時間焼成することにより得ることができる。
得られるアルミナ粉末の結晶形態は単に焼成温度、時間
のみならず、原料として使用するアルミニウム化合物や
タングステンの種類さらにはアルミナに対する存在量に
より急激に変化するので、使用原料条件を選定した後、
焼成条件は上記範囲内で簡単な予備実験により決定して
おくことが推奨される。焼成雰囲気を水蒸気存在下、例
えばガス焼成炉により実施する場合には、大粒子径、例
えば約0.2μmを越えるθアルミナ粉末を容易に得る
ことができる。
【0018】原料であるアルミニウム化合物中へのタン
グステンまたはタングステン化合物の含有方法は、原料
アルミニウム化合物にタングステンまたはタングステン
化合物ができるかぎり均一に分散しておればよく、特に
その方法は限定されないが、例えば、塩化アルミニウム
等のアルミニウムハロゲン化物、硫酸アルミニウム、硝
酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム及びアンモニウ
ム明礬等のアルミニウム塩を含む溶液にタングステンま
たはタングステン化合物を焼成後のアルミナに対するタ
ングステン化合物の存在量が酸化タングステンとして
0.1〜5重量%になる範囲で添加し均一に混合した
後、中和法や再結晶法や炭酸水素アンモニウム等により
炭酸塩として析出させる方法によりアルミニウム化合物
を得、これを焼成する方法が挙げられる。
【0019】またアルミニウムメトキサイド、アルミニ
ウムエトキサイド、アルミニウムイソプロポキサイド等
のアルミニウムアルコキサイド、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウ
ム、アルミニウムカルボン酸塩及びアルミニウムジカル
ボン酸塩等の有機アルミニウム化合物を含む溶液にタン
グステンまたはタングステン化合物を焼成後のアルミナ
に対するタングステン化合物の存在量が酸化タングステ
ンとして0.1〜5重量%になる範囲で添加し均一に混
合した後、加水分解によりアルミニウム化合物を得た
後、これを焼成する方法が挙げられる。
【0020】更には、上記アルミニウム塩のみを中和法
や再結晶法や炭酸水素アンモニウム等により炭酸塩とし
て析出させる方法により得たアルミニウム化合物や、有
機アルミニウム化合物のみを加水分解法や熱分解法によ
り得たアルミニウム化合物にタングステンまたはタング
ステン化合物を焼成後のアルミナに対するタングステン
化合物の存在量が酸化タングステンとして0.1〜5重
量%になる範囲で湿式或いは乾式にて混合し、これを焼
成する方法が挙げられる。就中、有機アルミニウム化合
物の加水分解法による、平均一次粒子径0.05μm以
下の水酸化アルミニウムが好適であった。
【0021】原料アルミニウム化合物へのタングステン
またはタングステン化合物の添加量が上記範囲を外れる
場合には所望とする平均一次粒子径の大きなθ−アルミ
ナ粉末は得られない。
【0022】原料として使用されるタングステン化合物
は原料アルミニウム化合物と均一に分散、或いは混合し
得るものであれば特に制限されないが、例えばメタタン
グステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニ
ウム等のタングステン酸アンモニウム塩、塩化タングス
テン等のハロゲン化タングステン、オキシ塩化タングス
テン等のオキシハロゲン化タングステン化合物等が挙げ
られる。
【0023】本発明の磁気記録媒体はこのようにして得
られたθ−アルミナ粉末を研磨材として用いることを特
徴とするものである。すなわち、非磁性支持体上に磁性
体と結合剤と研磨材とを含む磁性層が形成されてなる磁
気記録媒体において、研磨材として少なくともθ−アル
ミナ含有量が70%以上、平均一次粒子径が0.1μm
〜0.5μmのθ−アルミナ粉末を用いることを特徴と
する磁気記録媒体である。
【0024】研磨材としてTEM観察による平均一次粒
子径が0.1μmより小さい場合には補強効果が弱く、
走行耐久性が低下し、他方0.5μmを越える場合には
磁気特性が落ち、ヘッドを傷つけ電磁変換特性が悪くな
るとの欠点を有する。またθ−アルミナ含有量が70%
未満であり、α−アルミナの含有量が30%を越える場
合にはテープの表面平滑性が低下したり、走行中にヘッ
ドを傷つける原因となる可能性を有する。
【0025】本発明の磁気記録媒体に於いて、磁性層に
対する該アルミナの添加量は、一般に磁性体100重量
部に対し1〜20重量部好ましくは1〜15重量部であ
る。添加量が、20重量部より多いと、テープ表面平滑
性、磁気特性が落ち、ヘッドを傷つけるようになり、添
加量が1重量部より少ないと、補強効果不十分で走行耐
久性が下がり好ましくない。
【0026】磁性体としては、公知の磁性材料、例えば
γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe 2 3 、Co被着γ
−Fe2 3 、Fe3 4 、Co含有γ−Fe3 4
Co被着γ−Fe3 4 、CrO2 等の酸化物磁性体、
例えばFe、Ni、Co、Fe−Ni合金、Fe−Co
合金、Fe−Ni−P合金、Fe−Ni−Co合金、F
e−Mn−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−C
o−Ni−Cr合金、Fe−Co−Ni−P合金、Co
−Ni合金、Co−P合金、Co−Cr合金等、Fe、
Ni、Coを主体とするメタル磁性粉等各種の磁性粉末
が使用される。
【0027】磁性体の粒子径(平均一次粒子径)は特に
限定されないが、一般に約0.05〜約5μmの範囲の
ものが用いられる。
【0028】これらの金属磁性体に対する添加物として
は、当該分野に使用されている範囲においてSi、C
u、Zn、Al、P、Mn、Cr等の元素または、これ
らの化合物が含まれてもよい。
【0029】またバリウムフェライト等の六方晶系フェ
ライト、窒化鉄及び炭化鉄を含有することも可能であ
る。
【0030】本発明の磁性相に用いられる結合剤として
は、磁気記録媒体用として使用されている公知の結合剤
であればよく、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂、或いはこれらの混合
物が使用される。
【0031】より具体的にはウレタン樹脂、塩化ビニル
樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アミド樹脂、シリコン
樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹
脂、セルロース誘導体樹脂、ゴム系樹脂等の単位、或い
はこれら樹脂の共重合体またはこれらの混合物が挙げら
れる。
【0032】非磁性支持体の素材としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セ
ルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等
のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリスルホン等のプラスチック
の他にアルミニウム、銅等の金属、ガラス等のセラミッ
クス等も使用できる。
【0033】磁気記録媒体の作製は、公知の方法に準ず
ればよく、特に制限されるものではないが、前記の磁性
粉末、結合材及び研磨材として実質的にθ相を主結晶相
とするアルミナを、種々の添加材とともに有機溶媒を用
いて混合、分散して磁性塗料を作製し、非磁性支持体上
に塗布、乾燥及び必要に応じて熱処理、表面処理等を施
すことにより作製すればよい。
【0034】本発明により得られたθアルミナ粉末は上
記した磁気記録媒体用研磨剤の他、磁気記録媒体のバッ
クコート用添加剤、更には塗料用やPETフイルム用や
各種繊維用の充填材としても使用可能である。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説
明するが、本発明はこの実施例により限定されるもので
はない。尚、本発明に於て分析は以下の方法によった。
【0036】角型比;振動試料型磁力計(理研電子 B
HV−50)にて掃引磁場15Kガウスにて測定した。
【0037】表面光沢;試料テープの長手方向に対して
入射角60°反射角60°を標準光沢度計により測定
し、JISZ8741に準じ、屈折率1.56ガラスの
入射角60°での鏡面光沢度を100としその相対値を
求めた。
【0038】スチル特性;スチル測定用に改造したビデ
オデッキを用い、測定対象の試料テープに4MHz信号
を記録し25℃、60%RH、バックテンション40g
の条件下で静止状態で再生したとき、再生出力が1/2
に低下するまでの時間を測定した。
【0039】ヘッド付着、ヘッド摩耗量;松下製ビデオ
デッキNV−G21を用い、40℃80%RH雰囲気下
で、試料テープを100時間走行させた場合の磁気ヘッ
ドへの付着状況の観察、ヘッド摩耗量の測定を行った。
【0040】平均一次粒子径;TEM(透過型電子顕微
鏡)から粒径を読み、重量換算して累積度数分布図を作
成し平均一次粒子径を求める。
【0041】BET比表面積:カンタクローム社製直読
式比表面積測定装置を用い、N2 −Heキャリアーガス
中でN2 を吸脱着させ、N2 脱着量を熱伝導検出器で測
定し表面積を測定する。
【0042】θアルミナ含有率;試料のX線強度を測定
しθアルミナの面指数における回折強度を、同時に測定
した標準試料の回折強度(θアルミナとαアルミナを
1:1に混合した試料のX線強度を50)と比較し、強
度比により%で表示する。
【0043】実施例1 アルミニウムイソプロポキサイドを加水分解することに
より得た平均一次粒子径0.01μmのアルミナ水和物
にメタタングステン酸アンモニウム溶液を焼成後のアル
ミナに対して酸化タングステンとして2重量%になる如
くスプレーにて噴霧し、均一に分散混合した後、これを
アルミナ製の耐熱性の鞘に入れ、ガス焼成炉で1230
℃で3時間焼成した。冷却後、得られたアルミナ粉末の
平均一次粒子径は0.2μmで、X線回折による粒子の
結晶相は89%がθ−アルミナで、他はα−アルミナで
あった。
【0044】このようにして得られたアルミナ粉末5重
量部を用いて下記の重量配合比で磁性塗料を作成した。 Co被着γ−酸化鉄 100重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 塩酢ビ共重合体 10重量部 カ−ボン 2重量部 潤滑剤(ステアリン酸ブチル) 1重量部 硬化剤(ポリイソシアネート) 2重量部 溶剤 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0045】上記の組成物をサンドグラインダーで5時
間分散後、平均径5μmのフィルターで濾過し、次に1
4μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、
磁性層厚が乾燥後3μmになるように塗布乾燥しカレン
ダー処理後、70℃で24時間硬化し1/2インチ幅に
裁断し磁気テープを作成した。得られた磁気テープの表
面光沢、スチル特性、ヘッド付着量、ヘッド摩耗量を測
定しその結果を表2に示す。
【0046】実施例2、比較例1〜6 実施例1の方法に於て、酸化タングステン含有量及び焼
成条件を変えることによりアルミナ粉末の物性を表1に
示すアルミナ粉末を得(比較例3は市販のデグッサ社
(ドイツ)製、商品名Al2 3 −Cを使用した)、こ
れらアルミナ粉末を用いた他は実施例1と同様にして磁
気テープを作成した。得られた磁気テープの表面光沢、
スチル特性、ヘッド付着量、ヘッド摩耗量を測定しその
結果を表2に示す。
【0047】実施例3 アンモニウム明礬の水溶液中に、焼成後のアルミナに対
して酸化タングステンとして4重量%となるように、メ
タタングステン酸アンモニウムを添加し、均一混合の
後、再結晶法によりタングステン含有アンモニウム明礬
を析出させ、これをガス焼成炉で1230℃×3時間焼
成し、表1に示す物性を有するθ−アルミナ粉末を得
た。このθ−アルミナ粉末を用い実施例1と同様に磁気
テープを作成した。得られたテープの表面光沢、スチル
特性、ヘッド付着量、ヘッド磨耗量を測定し、その結果
を表2に示す。
【0048】実施例4 アルミニウムイソプロポキサイドのイソプロピルアルコ
ール溶液中に焼成後のアルミナに対して酸化タングステ
ンとして1重量%となるようにタングステンメトキサイ
ドを添加し、均一混合の後、加水分解しタングステン含
有アルミナ水和物を得、これをガス焼成炉で1170℃
×3時間焼成し、表1に示す物性を有するθ−アルミナ
粉末を得た。このθ−アルミナ粉末を用い実施例1と同
様に磁気テープを作成した。得られたテープの表面光
沢、スチル特性、ヘッド付着量、ヘッド磨耗量を測定
し、その結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、特定の方
法で、実質的にθ相よりなる平均一次粒子径の大きいア
ルミナ粉末を得るとともに、これを磁気記録媒体の研磨
材として従来使用されていたα−アルミナ粉末に代え使
用することにより、磁性層の耐久性、磁気特性、表面平
滑性に優れ、かつ磁気ヘッドのクリーニング効果、磁気
ヘッドの磨耗抑制効果に優れた磁気記録媒体の供給を可
能ならしめたものであり、その工業的価値は頗る大なる
ものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 θ−アルミナ含有量が70%以上、平均
    一次粒子径が0.1μm以上で、タングステン化合物を
    アルミナに対し酸化タングステンとして0.1重量%〜
    5重量%含有してなるθ−アルミナ粉末。
  2. 【請求項2】 タングステンまたはタングステン化合物
    を焼成後のアルミナに対するタングステン化合物の存在
    量が酸化タングステンとして0.1重量%〜5重量%に
    なる範囲で含有するアルミニウム化合物を、1100℃
    〜1300℃の温度で焼成し、θ−アルミナ含有量が7
    0%以上、平均一次粒子径が0.1μm以上で、タング
    ステン化合物をアルミナに対し酸化タングステンとして
    0.1重量%〜5重量%含有するアルミナ粉末を得るこ
    とを特徴とするθ−アルミナ粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に磁性体と結合剤と研磨
    材とを含む磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、研磨材として少なくともθ−アルミナ含有量が70
    %以上、平均一次粒子径が0.1μm〜0.5μmのθ
    −アルミナ粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014157337A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 堺化学工業株式会社 応力発光材料とその応用、応力発光材料用原料組成物、及び、応力発光材料の製造方法
WO2017047452A1 (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 大日精化工業株式会社 アルミナ系熱伝導性酸化物及びその製造方法

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