JP2769083B2 - エラスターゼ阻害活性を有する新規ペプチドおよびその製造方法 - Google Patents

エラスターゼ阻害活性を有する新規ペプチドおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既知のプロテアーゼ阻
害活性を有するペプチドを構成するアミノ酸の一部を改
変することにより調製された薬理的に有用な活性を有す
る新規のペプチドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質分解酵素の一種であるエラス
ターゼは、生体内において生体組織の新陳代謝に重要な
役割を果たすとされている。 特に、白血球の一種であ
る好中球から分泌されるエラスターゼは、感染症や炎症
組織においてその分泌量が増加することや、感染防御や
傷害組織の分解再生に密接に関与することが知られてい
る。 一方、生体内には、エラスターゼの活性を阻害す
るタンパク質も生産されており、余分なエラスターゼの
活性を中和して過剰の生体組織の分解が行われないよう
に調節する機構も存在している〔Ann. Rev. Med. 36, p
p.207-216 (1985)〕。
【0003】このように、通常、生体内ではエラスター
ゼの活性とエラスターゼ阻害タンパク質の活性が厳密に
調節されて恒常性が保たれているが、何らかの原因によ
り一旦このバランスが崩れると種々の病的状況が惹起さ
れる。 例えば、エラスターゼの活性が亢進した場合、
肺においては、肺気腫、特発性肺繊維症、成人呼吸促迫
症候群(ARDS)等の病気が発症し〔代謝、29, pp.41-49
(1992) 〕、また関節等においては、慢性関節リュウマ
チ、変形性関節症等の病気の発症に好中球エラスターゼ
の活性の増加が密接に関係していると考えられている
〔Agents Actions. 8, pp.11-18 (1978): 日本薬理学会
誌、99, pp.93-107 (1992)〕。 その他、急性および慢
性炎症疾患の発症にもエラスターゼが関与していると考
えられている〔Ann.Rev. Med. 36, pp.207-216 (1985)
〕。
【0004】生体内においてエラスターゼの活性を調節
する役割を果たしているエラスターゼ阻害タンパク質の
ひとつとして、α1-アンチトリプシン(以下、「α1-A
T」と称する)がよく知られている。 α1-ATは血中に
多量に存在し、局部的に亢進したエラスターゼの活性を
阻害し、中和する役割を果たしている〔Nature, 298, p
p.329-334 (1982)〕。 しかし、α1-ATは酸化に極めて
弱く、喫煙、大気汚染等の影響を受けた過酸化物を多く
含む空気を吸入し続けた場合、肺局所においてα1-ATが
吸入された過酸化物による酸化を受け、そのエラスター
ゼ阻害活性を喪失してしまう〔Am. Rev. Respir. Dis.,
116, pp.65-72 (1977) 〕。
【0005】さらに、汚染空気に含まれている炎症惹起
性物質によって肺局所に炎症が生じ、その炎症箇所に集
積した白血球等から放出される活性酸素によってもα1-
ATは酸化され、エラスターゼ阻害活性が喪失される
〔J. Clin. Invest., 66, pp.987-995 (1980)〕。 こ
のようなα1-ATの失活により、肺局所においてエラスタ
ーゼの過剰状態が生じ、過剰エラスターゼが肺胞組織を
分解し、肺気腫等の肺疾患が生起すると考えられている
〔化学療法の領域、5, pp.1455-1459, (1989)〕。 ま
た、肺における細菌感染等により肺局所において炎症状
態が惹起された場合も、その箇所に好中球等の白血球が
集積してエラスターゼを分泌し、さらに活性酸素を多量
に発生してα1-ATを失活させ、その結果として肺組織の
崩壊が生起する〔代謝、29, pp.41-49 (1992)〕。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなエラスタ
ーゼ起因性の疾患の予防と治療には、α1-ATのようなエ
ラスターゼ阻害剤の病変部位局所への投与や血中への投
与が有効であるとされている〔Can. Med Assoc. J., 14
6, pp.841-844 (1992)〕。 しかしながら、投与時に副
作用的に発生する抗原抗体反応を回避するためにはヒト
由来のα1-ATを用いる必要があり、それ故、予防や治療
に充分な量のα1-ATを獲得することはこれまで困難であ
った。
【0007】また、ヒトの血液等からα1-ATのようなエ
ラスターゼ阻害剤を抽出精製した場合、ヒト由来の病原
ウイルス等が精製α1-AT標品に残存する可能性も否定で
きず、このことも、ヒト由来のα1-ATをエラスターゼ起
因性疾患の予防や治療に用いることを困難にしてきた要
因である。
【0008】さらに、肺疾患に対する治療薬の投与法と
してネブライザーによる噴霧−吸入法が汎用されている
が、α1-ATは上記したように酸化に極めて弱く、噴霧時
にエラスターゼ阻害活性が空気酸化により失活してしま
う現象が認められ、また他の投与方法で投与された場合
でも、生体内で種々の細胞から発生した活性酸素により
酸化失活するという欠点も有していた。
【0009】一方、化学合成法による低分子量のエラス
ターゼ阻害剤の上記疾患への適用も種々検討されてい
る。 しかし、これら方法において投与される物質は、
生体にとっては完全な異物であり、生体に投与された場
合、毒性等、好ましくない副作用が惹起されてくる可能
性が高い。 また、これらの化学合成低分子エラスター
ゼ阻害剤は、エラスターゼに加えて生体において極めて
重要な生理作用をもつ他のタンパク質分解酵素の活性も
阻害してしまう可能性が高く、この特異性の低さがエラ
スターゼ起因性疾患に対する治療薬としての、これら化
学合成低分子エラスターゼ阻害剤の用途を限定的なもの
にしてきた。
【0010】このように、エラスターゼ阻害剤は、肺気
腫等のエラスターゼ起因性疾患の予防ならびに治療に極
めて有用と考えられるが、α1-AT等のヒト由来のエラス
ターゼ阻害タンパク質や化学合成低分子エラスターゼ阻
害剤には上述のような種々の問題点があり、現在まで医
薬品として臨床応用されるには至っていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した当該
技術分野での課題に鑑みて発明されたものであり、その
目的とするところは、すでに医薬品として市販されてお
り、ヒトに対する安全性が確認されているヒト尿トリプ
シン阻害剤(ウリナスタチン; Ulinastatin、以下、
「 UTI」と称する)のC末端側ドメイン(以下、「 HI-
8 」と称する)のアミノ酸配列の一部を改変することに
より、ヒト好中球エラスターゼに対する強い阻害活性な
らびに抗酸化性を持ち、かつ抗原抗体反応を惹起する可
能性が低く、エラスターゼ起因性疾患の治療薬、予防薬
として薬理的に極めて有用な新規ペプチドと、これを組
換え微生物を用いて遺伝子工学的に生産する方法を提供
することにある。
【0012】具体的には、生体内におけるプロテオリシ
スまたは試験管内におけるトリプシン過剰下での UTIの
限定分解により生じるヒト尿トリプシン阻害剤のC末端
側に存在し、トリプシン阻害活性を有する、HI-8の約7.
3kDaの断片〔Hoppe-Seyler'sZ. Physiol. Chem. Bd. 36
2, S. pp.1351-1355 (1981) 〕中のアミノ酸の一部を遺
伝子工学的、タンパク工学的手法を用いて改変して得ら
れる薬理的に有用なエラスターゼ阻害活性を有する新規
のペプチド、該ペプチドをコードする遺伝子、該遺伝子
を保持する組換え微生物、および該組換え微生物を用い
た前記新規ペプチドの製造法に関する。
【0013】UTI は、ヒトの尿中に含有されているトリ
プシン阻害剤であり、尿中より精製された標品が急性循
環不全治療薬、膵炎治療薬として医薬用途で利用され、
血中投与での安全性がすでに確認されているタンパク質
である〔Digest. Dis. Sci.,29, pp.26-32 (1984): Jp
n. J. Pharmacol.,39, pp.137-144 (1985) 〕。 トリ
プシン阻害活性を示す UTIのC末端側の約7.3kDaのドメ
インは、ヒトの尿中にUTI と共に含まれており、生体中
のトリプシン様酵素の作用による UTIの限定加水分解に
より生成すると考えられている。
【0014】本発明者らは、ヒトに対する安全性が極め
て高いタンパク質と考えられるHI-8に着目し、その活性
中心付近のアミノ酸配列の一部を改変することにより、
HI-8が本来保持するトリプシン阻害活性を低減し、強力
なエラスターゼ阻害活性を新たに呈するような変換を試
みた。 すなわち、まず、HI-8がヒト好中球エラスター
ゼと結合した場合の立体構造を、タンパク質立体構造推
定用コンピュータープログラムを用いて推定し、その両
者の結合部位の空間座標に関する考察に基づいて、HI-8
が酸化を受けることなくヒト好中球エラスターゼに特異
的に結合するような改変部位と、その部位での改変アミ
ノ酸の種類を想定した。
【0015】一方、大量生産に適し、精製が容易で、ヒ
ト由来のウイルス等の混入が防げる遺伝子組換え法によ
る生産を行うために、組換え宿主として大腸菌を用い
て、同菌に適したコドンを用いて、HI-8および適当な分
泌シグナルペプチドのアミノ酸配列をコードする DNAを
化学的に合成し、これを適当な発現プラスミドにクロー
ニングした。 そして、この合成 DNAを含むプラスミド
に対し、上述したコンピューター解析から想定したアミ
ノ酸配列に符合するように部位特異的変異処理を行っ
た。 このようにして得られた変異 DNAにコードされる
ペプチドを宿主組換え菌に発現させ、精製した後に、個
々の改変ペプチドのヒト好中球エラスターゼに対する阻
害活性の評価を行い、強いエラスターゼ阻害活性を有す
る新規ペプチドの選択を行った。
【0016】その結果、ヒト好中球エラスターゼに対す
るKi値が、改変を行う前の組換えHI-8そのものでは 6.9
×10-7M 程度であるのに対し、このペプチドのN末端か
ら3番目、11番目、15番目、18番目、46番目のアミノ酸
残基を、実施例に示したようなアミノ酸残基にそれぞれ
変換することにより、そのKi値を6×10-10 M にまで低
減させることができた。
【0017】換言すれば、本発明者らは、HI-8を構成す
るアミノ酸配列の一部の計画的な改変によって、強力な
エラスターゼ阻害活性を得られることを知見するに至っ
たのである。 本発明において解明されたエラスターゼ
阻害活性を呈するHI-8の改変ペプチドのアミノ酸配列の
一般式を配列番号:1に示した。
【0018】なお、改変ペプチドのヒト好中球エラスタ
ーゼ阻害作用に関する下記実施例から明かなように、配
列番号:1に示した配列中の第15位のアミノ酸は、イソ
ロイシン、ロイシン、バリン等の疎水性アミノ酸残基が
好ましく、さらに、第11位のアミノ酸をグルタミン酸、
ならびに第46位のアミノ酸をグルタミンとした改変ペプ
チドが最も強力にヒト好中球エラスターゼを阻害するこ
とも明らかにした。
【0019】このHI-8の改変ペプチドは、配列番号:1
に示した66個のアミノ酸から構成されたアミノ酸配列を
有するが、N末端側またはC末端側のアミノ酸配列の一
部をさらに削除しても、ヒト好中球エラスターゼに対す
る阻害活性を示すと考えられる。 すなわち、本発明の
範疇には当然、HI-8のアミノ酸残基改変体におけるヒト
好中球エラスターゼ阻害作用を呈する核心の構造も包含
される。
【0020】さらに、本発明のアミノ酸残基改変体の活
性中心付近、たとえば第15位のアミノ酸を中心に、N末
端方向およびC末端方向に位置する、それぞれ4個のア
ミノ酸から構成されるペプチドを、他のセリンプロテア
ーゼ阻害剤における対応部分と置換することによって
も、本発明の目的が十分に達成されると考えられる。
【0021】本発明のHI-8改変ペプチドは、その配列を
コードする DNAを化学的に合成して適当なプロモーター
の下流に挿入し、大腸菌、枯草菌、動物細胞等の適当な
宿主へ導入し、この形質転換体を培養することによって
産生させることができる。
【0022】また、適当なヒトのcDNAライブラリーから
UTIをコードする DNAを分離し、このDNA に部位特異的
変異導入法によって、必要な変異を導入して目的の改変
ペプチドをコードする DNAを得ることも可能である。
【0023】本発明の改変ペプチドの組換え宿主による
培養液中への分泌は、改変ペプチドを効率良く精製する
上で有用である。 その際には、改変ペプチドをコード
するDNA の上流に分泌のための適当なシグナル配列を挿
入する。 たとえば、動物細胞を宿主とする場合は培養
液中へ、また宿主が大腸菌の場合はペリプラズムもしく
は培養液中へ、分泌させることが可能である。
【0024】また、本発明の改変ペプチドを適当な他の
タンパク質に接続し、安定な融合タンパク質の形で宿主
に産生させることも有効である。 発現した融合タンパ
ク質は、その接続したタンパク質部分の抗原性等の特性
を利用して精製し、得られた融合タンパク質を適当なタ
ンパク質分解酵素やペプチドの配列に応じた化学的な切
断法を用いて、部位特異的に切断することにより、目的
の改変ペプチドを遊離させて、分離、精製することも可
能である。
【0025】さらに、本発明の改変ペプチドは、この改
変ペプチドをコードする DNA配列の上流に lac、trc 、
tac 等の適当なプロモーターとSD配列を、さらに、その
下流に適当なターミネーションシグナルを付加し、宿主
に対応した複製可能なプラスミドに連結して微生物宿主
に導入し、生じた形質転換体を培養することによって産
生させることができる。 目的とするペプチドを直接菌
体内にて発現させるときは、その遺伝子の5'末端に翻訳
開始シグナルの ATGを付加する。 培養液もしくはペリ
プラズム中に、本発明の改変ペプチドを分泌させるとき
は、その遺伝子の上流にシグナルペプチドをコードする
DNAを隣接させる。 この接続部分のアミノ酸配列を部
位特異的変異導入法で改変することにより、改変ペプチ
ドの所望のN末端配列を得るようなシグナルペプチドの
切断も可能となる。 また、使用するプロモーターの機
能を高めるような誘導物質の培地への添加、ならびに単
位時間当たりの発現量を高めるための工夫をすることに
より、その付加するシグナルペプチドの有無に応じて、
菌体内部やペリプラズムに封入体の形で改変ペプチドを
産生させることも可能である。
【0026】本発明の改変ペプチドを微生物宿主を用い
て産生させた場合、システイン残基間での適切な S-S結
合の形成がなされず、活性型の立体構造をとらずに発現
する場合もある。 また上述したような封入体の形で発
現させた場合には、粗精製する際には有利だが、活性型
の改変ペプチドを望むことは同様の理由から困難であ
る。 このような場合、まず適当な還元剤でその S-S結
合を還元した状態で精製し、その後ペプチドの特性に応
じた再酸化法を用いことによって活性回復させること
もできる。
【0027】本発明で得られる改変ペプチドは、公知の
分離、精製法を組み合わせて反応液中、菌体中もしくは
培養液中から容易に分離、精製することができる。 こ
れらの分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの
溶解度を利用する方法、透析法、限外濾過法、ゲル濾過
法やSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法等の分子量
の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーな
どの荷電親和性を利用する方法、逆相クロマトグラフィ
ーなどの疎水性の差を利用する方法、あるいは等電点電
気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが採用で
きる。
【0028】
【実施例】実施例1:UTI のC末端側のペプチド(HI-8)をコードす
る遺伝子の構築 変異体作製のための出発遺伝子として、まず、UTI のC
末端側のペプチドをコードする遺伝子の構築に関して、
図2を参照しつつ、説明する。
【0029】Hoppe-Seyler's Z. Physiol. Chem., 362,
pp.1351-1355 (1981)の文献に開示された UTIのアミノ
酸配列を基にして、大腸菌における使用頻度の高いコド
ンを選択し、構造遺伝子の3'末端に翻訳停止シグナルコ
ドンのひとつである TGAを連続して配置し、その下流に
Trpターミネーターを付加し、さらに該出発遺伝子の構
築のために、両末端には制限酵素認識部位(5'末端には
KpnI 切断部位を、3'末端には EcoRI切断部位)を設け
て、UTI のトリプシン阻害活性部位を含むC末端側の領
域(Thr78-Leu143)をコードする、配列番号:2に示し
た構造を有する遺伝子を設計した。
【0030】次に、この遺伝子を図1に示す部位にて区
切って、〔図1の配列(1) から(10)に対応する〕配列番
号:3から配列番号:12に示した塩基配列の各オリゴヌ
クレオチド(計10種類)を化学合成した。 これらオリ
ゴヌクレオチドの合成は、全自動DNA 合成機(Model 38
1A、アプライド・バイオシステムズ社)を用い、ホスフ
ォアミダイト法によって行った。 合成オリゴヌクレオ
チドの精製は、アプライド・バイオシステムズ社の精製
マニュアルに準じて行った。 すなわち、合成オリゴヌ
クレオチドを含む濃アンモニア水を55℃で一昼夜加温す
ることによって、その塩基の保護基をはずし、OPC カー
トリッジ(アプライド・バイオシステムズ社)を用いて
粗精製を行った。 さらに必要に応じて、16ユニットの
ポリヌクレオチドキナーゼ(東洋紡社)を含んだ50mM T
ris-HCl (pH 7.6)、1 mM MgCl2、0.5 mMジチオスレイト
ール、1mM ATP水溶液での、37℃、1時間の反応で、合
成オリゴヌクレオチドの5'末端側の燐酸化を行った。
【0031】ついで、7M尿素を含むポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(ゲル濃度20%)を行って、ゲルをエチジ
ウムブロマイドで染色し、長波長(365nm)紫外線発生機
上で、目的のオリゴヌクレオチドに相当するバンド部分
を切り出し、これを細かく破砕した。 この破砕物に1
mlの DNA溶出溶液〔20mM Tris-HCl (pH 8.0)、1.5mMEDT
A〕を加え、37℃で、一晩振とう後、遠心分離によって
得られる上澄液を脱塩カラムにかけて精製し、合成オリ
ゴヌクレオチド溶液を得た。
【0032】図1に示した相補的な上下の鎖、例えば、
塩基配列(1) と塩基配列(6) の合成オリゴヌクレオチド
が、等量となるように、50mM Tris-HCl (pH 7.6)、10mM
MgCl2 中で混合し、その溶液を90℃で5分間処理し、
さらに、室温までゆっくり冷却することによってアニー
リングを行った。 アニーリングした合成 DNA断片は、
尿素を含まないポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度10%)で分離し、先に記述した合成オリゴヌクレオ
チドの精製の場合と同様の方法で精製した。
【0033】プラスミドpTV118N(宝酒造社)を制限酵素
EcoRIおよび KpnI で切断し、線状化した断片をアガロ
ースゲル電気泳動で分離後、目的のDNA バンドを含むゲ
ルを切り出した。 ゲルブロックを−80℃で、1時間凍
結させた後、37℃まで急激に加温したものを孔径 0.1μ
m の遠心分離型のフィルター(ミリポア社)で濾過し
た。 濾過物をフェノール抽出後、エタノール沈澱処理
を行い、線状化プラスミドを精製回収した。 回収した
線状プラスミドと、アニーリングさせた5組の合成 DNA
断片〔すなわち、図1の塩基配列(1) と(6) 、(2) と
(7) 、(3) と(8) 、(4) と(9) 、(5) と(10)〕を、50mM
Tris-HCl(pH 7.6) 、10mM MgCl2、10mMジチオスレイト
ール、1mM ATPの溶液中で混合し、10ユニットのT4 DNA
リガーゼ(宝酒造社)を用いて4℃で一晩、連結反応を
おこなった。
【0034】10μl の連結反応液を 100μl の大腸菌
(JM109)コンピテント細胞懸濁液(宝酒造社)に添加
し、宝酒造社のマニュアルに従って形質導入を行った。
アンピシリンを含む選択培地(LB-寒天プレート)に生
育した形質転換株の幾つかを培養し、保持するプラスミ
ドDNA をアルカリ法〔羊土社、遺伝子工学ハンドブッ
ク、pp.19-26 (1991) 〕に従って抽出した。 目的の遺
伝子とそれを含むプラスミドの構築が首尾良く行われて
いるかどうかの確認は、いくつかの制限酵素の切断後の
アガロース電気泳動のパターンで推定し、さらにジデオ
キシ法〔Proc. Nat.Acad. Sci. USA. 74, pp.5463-5467
(1977) 〕によるDNA の塩基配列解析によって直接的に
確認した。このようにして構築し選び出されたプラスミ
ドをpEK7と命名した。
【0035】また、配列番号:13と配列番号:14に示し
た合成一本鎖 DNAをアニールすることによって、大腸菌
外膜タンパク質A(OmpA)のシグナルペプチドのアミノ酸
配列をコードし、コーディング鎖の5'末端側に BspHI粘
着末端を、3'末端側に平滑末端を保持する二本鎖DNA 断
片を上述した方法を用いて構築した。
【0036】この二本鎖DNA 断片と、上記のプラスミド
pEK7を制限酵素 RsaI と EcoRIで切断して生じる合成遺
伝子を含む0.25kbの DNA断片を pTV118Nの制限酵素 Nco
I 部位と EcoRI部位の間に前述した方法で連結反応させ
た。
【0037】この反応溶液をさらに、前記した方法に従
って、大腸菌(JM109) に形質導入し、アンピシリンを含
む LB-寒天プレートにおいて生育してきたコロニーの幾
つかを培養し、その保持するプラスミド DNAを抽出し
た。
【0038】制限酵素切断後のアガロース電気泳動のパ
ターンとジデオキシ法による塩基配列の解析によって、
目的通りの遺伝子の構築が確認されたプラスミドを、pC
D17R15と命名した。
【0039】実施例2:UTI の部分合成ペプチド(Ser
124-Glu141) に対する抗血清の作製 発現ペプチドの検出、同定の一助とするため、発現ペプ
チドの部分ペプチド(UTI の Ser124-Glu141)に対する
抗血清を作製した。
【0040】まず、UTI の一次構造を基に、その Thr78
よりC末端側で、親水性の高い残基の存在する領域、す
なわち、配列番号:15に示した18残基から構成されるア
ミノ酸配列を含む Ser124-Glu141の領域を選択した。
このアミノ酸配列を持つペプチドの合成は、全自動ペプ
チド合成装置(Model 431A、アプライドバイオシステム
ズ社)を用い、固相法によって行った。 合成後のペプ
チドの支持体からの切断は、アプライドバイオシステム
ズ社のマニュアルに従って行い、切断された合成ペプチ
ドの精製は逆相クロマトグラフィーによって行った。
【0041】10mgの精製された合成ペプチドと3mgのオ
ボアルブミン(シグマ社、タイプIII)を1mlの蒸留水に
溶かし、30mgの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)-カルボジイミド塩酸塩(ナカライテスク社)を加
え、遮光状態で一晩室温にて反応させ、合成ペプチドと
オボアルブミンの結合体を作製した。
【0042】蒸留水で透析後、この合成ペプチド−オボ
アルブミン結合体溶液に等量のフロインドコンプリート
アジュバント(Difco社)を添加した乳化液を初回の投与
(1ml)に用い、またフロインドインコンプリートアジ
ュバント(Difco社)を添加した乳化液を第二回目以降の
投与(0.5ml)に用いた。 日本白色ウサギ(11週令、
雌)にこれらの乳化液を一週間おきに皮下投与し、特異
抗体の力価が高まったところで採血を行った。 採血し
た血液は室温で1時間、4℃で一晩静置した後、遠心分
離を行って血球を除去し、その上清を抗血清として以後
の実験に用いた。
【0043】この抗血清は、大腸菌由来のタンパク質と
はほとんど反応せず、上記の合成ペプチドやHI-8に対し
て強い反応性を有していた。
【0044】実施例3:組換えHI-8の発現 pCD17R15を保持する大腸菌(JM109) を 100μg/mlのアン
ピシリンを含む20mlのTB培地〔1.2% バクトトリプトン
(Difco社)、2.4%酵母エキス(Difco社)、2.31g/l のKH
2PO4、12.54g/lのK2HPO4、0.4%のグリセロール、(pH7.
0) 〕に接種し、37℃で、一晩、前培養した。 OD
600nm が 0.1になるように、この前培養液を本培養用の
TB培地 400mlに加え、37℃で振とう培養を行った。 OD
600nm が 0.5となったときに、最終濃度 100μM となる
よう、イソプロピルチオガラクトシド(IPTG;ナカライ
テスク社 )を培養液に添加し、さらに、対数増殖期の後
期まで培養を続けた。 培養後、遠心分離により菌体を
集め、50mM Tris-HCl (pH 8.0)、1mM EDTA, 50mM NaCl
からなる緩衝液で、菌体の洗浄を行った。
【0045】洗浄後の菌体を元の培養液の1/20容の同緩
衝液に再懸濁させ、超音波発生装置を用いて、氷冷下で
菌体を破砕した。 この菌体破砕物を遠心分離し、組換
えHI-8を沈澱物の形で得た。 そして、この沈澱物を8M
尿素を含む20mM Tris-HCl(pH 8.5)の水溶液に溶かし、
粗精製組換えHI-8溶液とした。
【0046】この溶液中に、目的とする組換えHI-8が含
まれていることを、実施例2で述べた抗血清を用いるウ
ェスタンブロット法によって確認した。 すなわち、粗
精製液のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃
度20%)を行い〔Nature, 227,p.680, (1970) 〕、泳動終
了後、タンパク質用エレクトロブロッティング装置(テ
フコ社)を用いて、ゲル内の分離タンパク質バンドをポ
リビニリデンジフルオリド膜(ミリポア社:以下、「PV
DF膜」と称する)上に転写した。 PVDF膜を水で洗浄
後、150mM NaClを含む 50mM Tris-HCl (pH7.6)緩衝液
(以下、「TBS 緩衝液」と称する)に1%になるように
スキムミルク(Difco社)を加えた溶液中にて1時間、イ
ンキュベートした。 次いで、1%のスキムミルクおよ
び前述の抗血清を含む TBS緩衝液中に膜を移し、4℃
で、2時間インキュベートし、0.05%Tween 20を含む T
BS緩衝液でPVDF膜を十分に洗浄した。 さらに、アルカ
リホスファターゼ標識ヤギ抗ウサギ IgG溶液(バイオラ
ッド社)と1%スキムミルクを含む TBS緩衝液中で4
℃、2時間、インキュベートした。 0.05% Tween 20を
含む TBS緩衝液で、再びPVDF膜を十分に洗浄した後、こ
れをアルカリホスファターゼの発色溶液〔5mlの 10mM
NaCl、0.5 mM MgCl2を含むTris-HCl (pH 9.5) 溶液に20
μl のニトロテトラゾリウムブルー溶液(70%ジメチル
ホルムアミド溶液中に、50mg/ml の濃度でニトロテトラ
ゾリウムブルー(同仁化学社)を溶解させた溶液)と20
μl の5-ブロモ-4- クロロ-3- インドリル- ホスフェー
ト溶液(ジメチルホルムアミド中に50 mg/mlの濃度で5-
ブロモ-4- クロロ-3- インドリル- ホスフェート(シグ
マ社)を溶解させた溶液)を加えた溶液〕に浸して発色
反応を行った。 その結果、約8kDa の位置に、上記抗
血清と反応するバンドが確認された。 この分子量の値
は、組換えHI-8のアミノ酸配列から計算される分子量の
値にほぼ一致するものであった。
【0047】このpCD17R15によって発現された組換えHI
-8を、R15 と命名した。
【0048】実施例4:発現ペプチドのN末端アミノ酸
の均一化 実施例3で述べた粗精製組換えHI-8溶液を試料とし、実
施例3と同様の方法でSDS-ポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行い、さらに、エレクトロブロッティングを行っ
て、PVDF膜上に発現ペプチドを転写した。 この発現ペ
プチドを保持するPVDF膜切片をプロテインシーケンサー
(Model 477A、アプライド・バイオシステムズ社)にか
け、N末端アミノ酸配列分析を行った。 その結果、初
期収量の割合から、この試料の約80%は設計通りに、配
列番号:1に示したアミノ酸配列のN末端アミノ酸配列
を示し、シグナルペプチドの切断も意図した通りに行わ
れていたが、残る約20%は、設計したペプチドのN末端
から4個目のアミノ酸からそのN末端が始まるものであ
った。 このことは宿主の保持するシグナルペプチダー
ゼの切断認識部位に似通ったアミノ酸配列が、目的のペ
プチドのN末端付近に存在するが故に生じたものと思わ
れた。
【0049】そこで、シグナルペプチドの切断部位を均
一化するために、シグナルペプチダーゼの誤認識の原因
となると考えられるペプチドのN末端から3番目のアラ
ニン残基をグリシン残基になるように、合成オリゴヌク
レオチドを用いた部位特異的変異法で変換した。 この
変換には Mutan K(登録商標)のキット (宝酒造社)を
用いた。
【0050】すなわち、宝酒造社のマニュアルに従っ
て、まず、pCD17R15を保持する大腸菌(CJ236) にヘルパ
ーファージM13KO7を感染させ、一本鎖型のpCD17R15を得
た。
【0051】これに配列番号:16の配列を有する合成オ
リゴヌクレオチドの5'末端を燐酸化したものをアニーリ
ングし、キット中の DNAポリメラーゼと DNAリガーゼで
相補鎖を合成した。 この合成 DNAを大腸菌 (BMH71-18
mutS) に導入し、37℃で、1時間培養した後、M13KO7を
感染させて、さらに、16〜20時間、同温度で培養を続け
た。 培養後、培養液を遠心分離して得られた培養上清
を適宣希釈して大腸菌 (MV1184) の培養液に添加し、10
分後、適当量をプレーティングして、37℃にてコロニー
を形成させた。 生育したコロニーの中から幾つかを選
び、それらの菌が保有するプラスミドの変異導入部位の
塩基配列をジデオキシ法によって確認した。 そして、
目的通りの変異が導入されたプラスミドをpCD17R15G3と
命名した。
【0052】このpCD17R15G3を保持する大腸菌(JM109)
を用いて、その発現ペプチドのN末端アミノ酸配列を上
記と同様な方法で分析したところ、第3番目のアミノ酸
残基がアラニンからグリシンに変換されており、またN
末端アミノ酸配列は、配列番号:1に示した配列のみを
示したことから意図通りのシグナル切断が行われている
ことが明かとなった。 なお、このプラスミドから発現
したR15 の改変体を、R15G3 と命名した。
【0053】実施例5:アミノ酸残基改変体の作製 合成オリゴヌクレオチドを一本鎖のpCD17R15G3に適用し
て、部位特異的変異処理を行い、アミノ酸残基改変体を
作製した。 なお、変異させるための合成オリゴヌクレ
オチドは、配列番号:17から配列番号:22に記載の配列
を有するものであり、下記表1に、誘導される変異アミ
ノ酸残基に対応するプライマー(合成オリゴヌクレオチ
ド)の名称とそれらの塩基配列を具体的に記した。
【0054】
【表1】
【0055】以後、改変体は変異アミノ酸残基(X) の一
文字記号のあとに変異残基部位をN末端からの残基数で
示した。 また、複数の残基を改変したものは、第15位
のアミノ酸改変を先頭に記した。 たとえば、N末端か
ら3番目と15番目を、それぞれグリシンとイソロイシン
に改変したものを I15G3、さらに11番目をグルタミン酸
に改変したものをI15G3E11と称することにした。
【0056】改変は実施例4と同様にMutan K のキット
を用いる方法で行い、必要なアミノ酸残基の改変を行っ
た。 二箇所以上のアミノ酸残基の改変は、一残基の改
変を完了した変異プラスミドを基にして、さらに残基変
換を繰り返した。 また、得られた変異プラスミドにお
けるそれぞれの変異導入部位の塩基配列を、ジデオキシ
法で確認した。 このようにして得られた変異プラスミ
ドを、その改変アミノ酸残基の種類(X) と改変部位
(N:N末端からの残基数)とから、pCD17XN と総称し
た。
【0057】本発明者らは、上記した改変手法を用い
て、 pCD17I15G3 、pCD17L15G3、pCD17V15G3 、pCD17V1
5G3E11 、pCD17V15G3Q46 、pCD17V15G3E11Q46、pCD17I1
5G3E11 、pCD17I15G3Q46 、pCD17I15G3E11Q46、および
pCD17I15G3F18と命名された10個の新規プラスミドを作
製した。
【0058】さらに、本発明にて新規調製されたプラス
ミドに関連して、平成5年2月17日に、工業技術院生命
工学工業技術研究所での寄託に付された対象は、以下の
通りである。
【0059】 プラスミド pCD17I15G3 を保持する大腸菌 (Escherichi
a coli) JM109-pCD17I15G3 (FERM BP-4556); プラスミド pCD17L15G3 を保持する大腸菌 (Escherichi
a coli) JM109-pCD17L15G3 (FERM P-13446); プラスミド pCD17V15G3 を保持する大腸菌 (Escherichi
a coli) JM109-pCD17V15G3 (FERM P-13437); プラスミド pCD17V15G3E11 を保持する大腸菌 (Escheri
chia coli) JM109-pCD17V15G3E11 (FERM P-13439); プラスミド pCD17V15G3Q46 を保持する大腸菌 (Escheri
chia coli) JM109-pCD17V15G3Q46 (FERM BP-4557); プラスミド pCD17V15G3E11Q46 を保持する大腸菌 (Esch
erichia coli) JM109-pCD17V15G3E11Q46 (FERM BP-456
0) ; プラスミド pCD17I15G3E11を保持する大腸菌 (Escheric
hia coli) JM109-pCD17I15G3E11 (FERM P-13441); プラスミド pCD17I15G3Q46を保持する大腸菌 (Escheric
hia coli) JM109-pCD17I15G3Q46 (FERM BP-4558); プラスミド pCD17I15G3E11Q46 を保持する大腸菌 (Esch
erichia coli) JM109-pCD17I15 G3E11Q46 (FERM BP-455
9) ;および プラスミド pCD17I15G3F18を保持する大腸菌 (Escheric
hia coli) JM109-pCD17I15G3F18 (FERM P-13444)。
【0060】実施例6:粗精製液からの組換え改変HI-8
の精製 本発明にて調製されたプラスミド pCD17XNを保持する大
腸菌JM109 を用い、実施例3で述べた方法と同様にし
て、各組換えプラスミドを保持した大腸菌JM109から粗
精製組換え改変HI-8溶液を調製した。
【0061】すなわち、この粗精製溶液を20mMの酢酸ア
ンモニウム(pH 5.5)溶液で透析した後、遠心分離を行
い、その上清に対しMono-Qカラム(ファルマシア社)を
用いたイオン交換クロマトグラフィー〔20mM酢酸アンモ
ニウム(pH 5.5)溶液から 0.5MNaClを含む酢酸アンモニ
ウム(pH 5.5)溶液へ、10分間の直線濃度勾配で溶出〕を
行った。 さらに、200mM のNaClを含む20mM酢酸アンモ
ニウム(pH 5.5)溶液で平衡化した Superose 12(ファル
マシア社)を用いたゲル濾過を行い、SDS-ポリアクリル
アミドゲル電気泳動において単一バンドを示す組換え改
変HI-8溶液を得たことを確認した。
【0062】実施例7:発現ペプチドの精製およびその
活性回復 実施例3で述べた方法で調製されたそれぞれの粗精製組
換え改変HI-8溶液に、最終濃度1%になるように2-メル
カプトエタノール(和光純薬社)を添加し、室温で1時
間放置後、7M尿素、0.1%メルカプトエタノール、200mM
NaClを含む20mMTris-HCl (pH 8.5) 緩衝液で平衡化した
セファアクリルS-100 HR (ファルマシア社)を充填した
カラム(16×1000mm)にこれを加え、同緩衝液を溶出液
としたゲル濾過を行った。 次に、SDS-ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で分子量約8kDa の単一バンドを示す
溶出画分の2ml(500μg の精製ペプチドを含む)を、14
mlの活性回復溶液〔50mM Tris-HCl (pH 8.5)、1M NaC
l、1mM EDTA、2mM還元型グルタチオン、0.2mM 酸化型
グルタチオンを含む溶液〕に添加し、さらに、50μg の
プロティンジスルフィドイソメラーゼ(宝酒造社)を加
えて、室温で15〜20時間反応させ、その後、限外濾過膜
を用いて濃縮、脱塩を行った。 必要に応じてイオン交
換クロマトグラフィーならびにゲル濾過を実施して組換
え改変HI-8を精製し、これらを活性回復試料とした。
【0063】実施例8:ヒト好中球エラスターゼとウシ
膵臓トリプシンに対する阻害活性の測定 ヒト好中球エラスターゼに対するKi値の測定は以下のよ
うにして行った。
【0064】まず、30μ1 の100mM Tris-HCl(pH 7.5)、
500mM NaCl、0.01% BSAを含む緩衝液に同緩衝液で25μ
M になるよう調整したヒト好中球エラスターゼ液(アテ
ンズリサーチ社)の10μ1 と、適当な濃度の10μ1 の被
験試料液を加えて、30℃で20分間放置した。 その後、
同緩衝液で0.2mM と0.3mM 、0.4mM に調整した〔1%の
ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」と称する) を含
む〕MeOSuc-Ala-Ala-Pro-Val-7AMC 溶液(ケンブリッジ
・リサーチ・バイオケミカルズ社)をそれぞれ200 μl
加えて30℃で反応させ、0分から3分間、 365nmで励起
したときの 450nmの蛍光を分光蛍光光度計 (F-3000、日
立製作所製) により測定し、反応初速度を求めた。 基
質濃度ごとに、この反応初速度の逆数を縦軸に、試料濃
度を横軸にしたグラフを作成し、得られた3本の直線の
交点からKi値を求めた。
【0065】一方、トリプシンに対するKi値の測定は以
下のようにして行った。
【0066】まず、20μlの10mM CaCl2、50mM Tris-HC
l(pH 8.0) の緩衝液に、10μlの被験試料液(1.2〜6μ
M)と 4.2μM のウシ膵臓トリプシン溶液(1mMの塩酸にウ
シ膵臓トリプシンを溶解したもの: ワシントンバイオケ
ミカル社) を10μl混合し、30℃で、3分間インキュベ
ートした。 この溶液に 110μlの100mM CaCl2 を含む
1M Tris-HCl(pH 8.0) 緩衝液を添加し、次いで、0.6mM
と1.2mM 、2.3mM のBz-DL-Arg-pNA.HCl(ナカライテスク
社) 溶液(10 %のDMS0を含む)をそれぞれ350μl加
え、30℃で反応させた。 そして405nm での吸光度の経
時変化を記録し、これから酵素の反応初速度を求めた。
そして、上記のヒト好中球エラスターゼの場合と同様
にしてトリプシンに対するKi値を求めた。
【0067】以上の手法により求められた、α1-AT、UT
I 、組換えHl-8(Rl5) 、組換えHl-8(Rl5G3) 、および本
発明の改変Hl-8のヒト好中球エラスターゼに対するKi値
を下記表2に示した。
【0068】なお、表示しなかったが、UTI、組換えHI-
8(Rl5)、組換えHl-8(Rl5G3)のウシ膵臓トリプシンに対
するKi値は、それぞれ9.2×10 -8 M、3.6×10-7M、3.6×1
0-7Mを示したものの、本発明の改変HI-8のウシ膵臓トリ
プシン阻害作用は、認められなかった。
【0069】
【表2】
【0070】表2と上記したトリプシン阻害作用に関す
る結果から、組換えHI-8の第15位のアルギニンをイソロ
イシンやロイシン、バリンに改変した組換え改変体は改
変前の組換えHI-8と比較して、ウシ膵臓トリプシンに対
する阻害活性がほとんど検出されず、その阻害活性の極
端な低下が認められた。 さらに当該改変体のヒト好中
球エラスターゼに対するKi値は、組換えHI-8(R15) と比
較して、およそ 1/168から1/1150の値にな
っており、顕著にその阻害活性が向上している事が示さ
れた。 特に、第15位の改変に加えて、第11位をグルタ
ミン酸、第46位をグルタミンという組合せでの改変を付
加することによって、ヒト好中球エラスターゼに対する
Ki値を6〜8×10-10Mにまで低減できることが判明し
た。
【0071】実施例9:酸化剤に対する抵抗性 適当な濃度の試料5μlを、5mM クロロコハク酸イミド
溶液〔クロロコハク酸イミド(ナカライテスク社) を50
0mM NaClを含む100mM Tris-HCl(pH7.5) 緩衝液に溶解し
たもの〕5μlと混合し、室温で10分間放置して試料の
酸化剤処理を行った。 その後、前記緩衝液で0.5 μM
に調整したヒト好中球エラスターゼ液5μlと前記緩衝
液35μlをさらに添加して、30℃で15分間放置した。
この溶液に前記緩衝液で0.1mM に調整した(1%のDMSOを
含む) MeOSuc-Ala-Ala-Pro-Val-pNA ( ケンブリッジ・
リサーチ・バイオケミカルズ社) 溶液を450 μl添加
し、さらに30℃で30分間反応させた後、40μlの酢酸を
加え、405nm での吸光度を測定した。 上記の酸化剤処
理試料のヒト好中球エラスターゼの活性に対する阻害
は、下記式で算出される阻害率(%)として示した。
【0072】
【数1】
【0073】以上の手法によって得られたα1-AT、UTI
、及び本発明の改変HI-8の酸化剤処理後のヒト好中球
エラスターゼに対する阻害率(%)を下記表3に示し
た。
【0074】
【表3】
【0075】表3の結果から、酸化剤によって、α1-AT
やUTI がほとんど酸化失活するような条件下でも、本発
明の組換え改変体のヒト好中球エラスターゼに対する阻
害活性は十分残存していることが判明した。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明で得られた新規エ
ラスターゼ阻害ペプチドは、強力なヒト好中球エラスタ
ーゼ阻害活性を有する一方、天然由来のエラスターゼ阻
害剤や、化学合成低分子エラスターゼ阻害剤と比較し
て、酸化に対する抵抗性が強く、また免疫原性が低く、
さらにヒトに対する毒性が低いことが十分期待されるこ
とから、肺気腫等のエラスターゼ起因性疾患の治療薬、
予防薬として極めて有用と考えられる。
【0077】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:66 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 特徴を表す記号:mutation 存在位置:3 特徴を決定した方法:E 他の情報:Ala もしくは Gly 特徴を表す記号:mutation 存在位置:11 特徴を決定した方法:E 他の情報:Arg もしくは Glu 特徴を表す記号:mutation 存在位置:15 特徴を決定した方法:E 他の情報:Arg 、 Val、Ile もしくは Leu 特徴を表す記号:mutation 存在位置:18 特徴を決定した方法:E 他の情報:Ile もしくは Phe 特徴を表す記号:mutation 存在位置:46 特徴を決定した方法:E 他の情報:Tyr もしくは Gln 配列 Thr Val Xaa Ala Cys Asn Leu Pro Val Ile Xaa Gly Pro Cys Xaa Ala 1 5 10 15 Phe Xaa Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Xaa Ser Glu 35 40 45 Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Glu Asp Glu Glu 50 55 60 Leu Leu 65 配列番号:2 配列の長さ:259 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..201 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:1..198 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:terminator 存在位置:210..242 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:inhibitory-site 存在位置:43..45 特徴を決定した方法:S 配列 ACG GTT GCT GCT TGC AAC CTG CCG GTT
ATC CGT GGT CCG TGC CGT GCT 48 Thr Val Ala Ala Cys Asn Leu Pro Val
Ile Arg Gly Pro Cys Arg Ala 1 5
10 15 TTC ATC CAG CTG TGG GCT TTC GAC GCT
GTT AAA GGT AAA TGC GTT CTG 96 Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala
Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25
30 TTC CCG TAT GGT GGT TGC CAG GGT AAC
GGT AAC AAA TTC TAT TCT GAA 144 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn
Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu 35 40
45 AAA GAA TGC CGT GAA TAT TGC GGT GTT
CCG GGT GAC GAA GAC GAA GAA 192 Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val
Pro Gly Asp Glu Asp Glu Glu 50 55
60 CTG CTG TGATGATCTA GAGCCCAGCC CGCCTA
ATGA GCGGGCTTTT TTTTGAACAA 248 Leu Leu 65 AAGGCGGAATT
259 配列番号:3 配列の長さ:51 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGTTGCTGCT TGCAACCTGC CGGTTATCCG TGGTCCGTGC CGTGCTTTCA T 51 配列番号:4 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCAGCTGTGG GCTTTCGACG CTGTTAAAGG TAAATGCGTT CTGTTCCCGT 50 配列番号:5 配列の長さ:52 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATGGTGGTTG CCAGGGTAAC GGTAACAAAT TCTATTCTGA AAAAGAATGC CG 52 配列番号:6 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGAATATTGC GGTGTTCCGG GTGACGAAGA CGAAGAACTG CTGTGATGAT 50 配列番号:7 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTAGAGCCCA GCCCGCCTAA TGAGCGGGCT TTTTTTTGAA CAAAAGGCGG 50 配列番号:8 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACAGCTGGAT GAAAGCACGG CACGGACCAC GGATAACCGG CAGGTTGCAA GCAGCAACCG 60 TAC 63 配列番号:9 配列の長さ:51 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AACCACCATA CGGGAACAGA ACGCATTTAC CTTTAACAGC GTCGAAAGCC C 51 配列番号:10 配列の長さ:51 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AATATTCACG GCATTCTTTT TCAGAATAGA ATTTGTTACC GTTACCCTGG C 51 配列番号:11 配列の長さ:52 配列の型:酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGGGCTCTAG ATCATCACAG CAGTTCTTCG TCTTCGTCAC CCGGAACACC GC 52 配列番号:12 配列の長さ:44 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AATTCCGCCT TTTGTTCAAA AAAAAGCCCG CTCATTAGGC GGGC 44 配列番号:13 配列の長さ:64 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:2..64 特徴を決定した方法:S 他の情報: Omp Aシグナルペプチドをコードする合成DN
A のコーディング鎖。
【0078】配列番号:14の配列とアニールすることで
BspHI粘着末端と平滑末端を生じる。
【0079】 配列 C ATG AAA AAA ACC GCT ATC GCT ATC GCT GTT GCT CTG GCT GGT TTT 46 Met Lys Lys Thr Ala Ile Ala Ile Ala Val Ala Leu Ala Gly Phe 1 5 10 15 GCT ACC GTT GCT CAG GCC 64 Ala Thr Val Ala Gln Ala 20 配列番号:14 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:1..60 特徴を決定した方法:S 他の情報:配列番号:13に示した配列と相補鎖を形成す
る。
【0080】 配列 GGCCTGAGCA ACGGTAGCAA AACCAGCCAG AGCAACAGCG ATAGCGATAG CGGTTTTTTT 60 配列番号:15 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Glu Asp 1 5 10 15 Glu Glu 配列番号:16 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:7..9 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第3位のアミノ酸をグリシンに
変換する。
【0081】 配列 ACGGTTGGTG CTTGCAAC 18 配列番号:17 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:10..12 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第15位のアミノ酸をイソロイシ
ンに変換する。
【0082】 配列 GGTCCGTGCA TTGCTTTCAT C 21 配列番号:18 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:10..12 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第15位のアミノ酸をロイシンに
変換する。
【0083】 配列 GGTCCGTGCC TGGCTTTCAT C 21 配列番号:19 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:10..12 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第15位のアミノ酸をバリンに変
換する。
【0084】 配列 GGTCCGTGCG TTGCTTTCAT C 21 配列番号:20 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:10..12 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第11位のアミノ酸をグルタミン
酸に変換する。
【0085】 配列 CCGGTTATCG AAGGTCCGTG C 21 配列番号:21 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:17..19 特徴を決定した方法:S 他の情報:組換えHI-8の第46位のアミノ酸をグルタミン
に変換する。
【0086】 配列 TAACGGTAAC AAATTCCAGT CTGAAAAAGA ATGCCG 36 配列番号:22 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:mutation 存在位置:13..15 特徴を決定した方法:S 他の情報:第15位のアミノ酸をイソロイシンに改変した
組換えHI-8の第18位のアミノ酸をさらにフェニルアラニ
ンに変換する。
【0087】 配列 TGCATTGCTT TCTTCCAGCT GTGG 24
【図面の簡単な説明】
【図1】 配列番号2に示した構造を有するように設計
した遺伝子における10個のオリゴヌクレオチド分割部位
を示す図である。
【図2】 本発明の発現プラスミドの構築の過程を示し
た図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/55 ACD A61K 37/64 ACD AED AED (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 太尾田 康生 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 杉野 男 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 河野 吉男 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 西村 薫 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 奥島 実 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/15,1/21 C07K 14/81 C12P 21/02 A61K 38/57 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (36)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; から構成されるアミノ酸を含むエラスターゼ阻害活性を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Leu-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  6. 【請求項6】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  7. 【請求項7】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  9. 【請求項9】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  10. 【請求項10】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  11. 【請求項11】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Phe-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項1に記載のペプチド。
  12. 【請求項12】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; をコードする遺伝子。
  13. 【請求項13】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; をコードする遺伝子を含むプラスミド。
  14. 【請求項14】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; をコードする遺伝子を含むプラスミドを保持する宿主微生物。
  15. 【請求項15】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  16. 【請求項16】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17I15G3 (FERM BP-4556)である請
    求項15に記載の宿主微生物。
  17. 【請求項17】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Leu-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  18. 【請求項18】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17L15G3 (FERM P-13446)である請
    求項17に記載の宿主微生物。
  19. 【請求項19】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  20. 【請求項20】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17V15G3 (FERM P-13437)である請
    求項19に記載の宿主微生物。
  21. 【請求項21】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  22. 【請求項22】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17V15G3E11 (FERM P-13439)である
    請求項21に記載の宿主微生物。
  23. 【請求項23】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  24. 【請求項24】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17V15G3Q46 (FERM BP-4557)である
    請求項23に記載の宿主微生物。
  25. 【請求項25】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Val-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  26. 【請求項26】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17V15G3E11Q46 (FERM BP-4560) で
    ある請求項25に記載の宿主微生物。
  27. 【請求項27】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  28. 【請求項28】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17I15G3E11 (FERM P-13441)である
    請求項27に記載の宿主微生物。
  29. 【請求項29】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  30. 【請求項30】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17I15G3Q46 (FERM BP-4558)である
    請求項29に記載の宿主微生物。
  31. 【請求項31】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Glu-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Ile-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Gln-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  32. 【請求項32】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17I15G3E11Q46 (FERM BP-4559) で
    ある請求項31に記載の宿主微生物。
  33. 【請求項33】 前記アミノ酸配列が、 Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-Arg-Gly-Pro-Cys-Ile-Ala- Phe-Phe-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-Tyr-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、である請求項14に記載の宿主微生物。
  34. 【請求項34】 前記宿主微生物が、大腸菌 (Escheric
    hia coli) JM109-pCD17I15G3F18 (FERM P-13444)である
    請求項33に記載の宿主微生物。
  35. 【請求項35】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; をコードする遺伝子を含むプラスミドを保持する宿主微生物から産生された エラスターゼ阻害活性を有するペプチド生成物。
  36. 【請求項36】 下記アミノ酸配列; Thr-Val-Gly-Ala-Cys-Asn-Leu-Pro-Val-Ile-X11-Gly-Pro-Cys-X15-Ala- Phe-X18-Gln-Leu-Trp-Ala-Phe-Asp-Ala-Val-Lys-Gly-Lys-Cys-Val-Leu- Phe-Pro-Tyr-Gly-Gly-Cys-Gln-Gly-Asn-Gly-Asn-Lys-Phe-X46-Ser-Glu- Lys-Glu-Cys-Arg-Glu-Tyr-Cys-Gly-Val-Pro-Gly-Asp-Glu-Asp-Glu-Glu- Leu-Leu 、 上記配列において、X11 は、Arg または Gluであり、 X15 は、Ile 、Leu または Valであり、 X18 は、Ile または Pheであり、および X46 は、Tyr または Glnである; をコードする遺伝子を含むプラスミドを保持する宿主微
    生物から産生されたエラスターゼ阻害活性を有するペプ
    チド生成物の製造方法であって; (a) 前記宿主微生物を、増殖培地にて培養し、 (b) 前記工程(a) にて培養された前記宿主微生物の菌体
    を遠心分離により沈澱物として回収し、および (c) 前記工程(b) にて回収された菌体からエラスターゼ
    阻害活性を有するペプチド生成物を抽出・回収する、工
    程を含むことを特徴とする。
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