JPH1156365A - 変異体ケクスタチン - Google Patents

変異体ケクスタチン

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JPH1156365A
JPH1156365A JP9225006A JP22500697A JPH1156365A JP H1156365 A JPH1156365 A JP H1156365A JP 9225006 A JP9225006 A JP 9225006A JP 22500697 A JP22500697 A JP 22500697A JP H1156365 A JPH1156365 A JP H1156365A
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JP
Japan
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kexstatin
amino acid
mutant
acid sequence
thr
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JP9225006A
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English (en)
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Yuji Shibano
裕次 柴野
Norihisa Kikuchi
典久 菊池
Kohei Oda
耕平 小田
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SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUS
SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUS
SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUSHO KK
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 阻害反応部位のアミノ酸を置換すること
によって、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対する
阻害活性だけを強めたプロテアーゼインヒビター、及び
メタノール酵母を用いた前記インヒビターの製造方法。 【効果】 本発明は、医薬、農薬等として有用な、強い
阻害活性をもった新規プロテアーゼインヒビターおよび
その製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Kex2プロテアーゼ
・ファミリー酵素に対する阻害活性を有するタンパク質
であるケクスタチンのアミノ酸配列の一部を改変して、
当該酵素に対する阻害活性を変化させた変異体ケクスタ
チンに関する。
【0002】
【従来の技術】生理活性ペプチドや酵素タンパク質は不
活性な前駆体として生産され、特異的なプロテアーゼに
よって切断されることによって、活性を有する成熟型ペ
プチド又はタンパク質にプロセッシングされる場合が多
い。この切断箇所はアルギニンあるいはリジンといった
塩基性アミノ酸が2個連なっている。この塩基性アミノ
酸対を認識して、そのカルボキシル末端側で切断する特
異的プロテアーゼとして初めて見いだされたのが、サッ
カロミセス(Saccharomyces)酵母由来のKex2プロテア
ーゼである。Kex2プロテアーゼは酵母の接合因子である
α―ファクターのプロセッシングに関与するセリンプロ
テアーゼで、カルボキシル末端がゴルジ膜に貫入してお
り、ゴルジ体に来たα―ファクター前駆体やキラートキ
シン前駆体をプロセッシングして、活性型のα―ファク
ターやキラートキシンにして分泌させる。
【0003】哺乳動物においてもKex2プロテアーゼと同
様の構造と特異性を有するセリンプロテアーゼが多数発
見され、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素として、前
駆体タンパク質のプロセッシングに重要な働きを果たし
ていることが明らかにされている(Seidah, N.G., et a
l. (1991) Enzyme 45, 271-284)。フリン(Furin)、
PACE4、PC5/6はほとんど全ての組織に認められるKex2プ
ロテアーゼ・ファミリー酵素で、成長因子、血清プロテ
アーゼ、レセプター、ウィルス外殻糖タンパク質、緑膿
菌エキソトキシンなどの前駆体タンパク質のプロセッシ
ングに関与している。PC1/3、PC2、PC4、などのプロテ
アーゼは、細胞ないし組織特異的に発現しており、主と
して神経ペプチドやペプチドホルモンのプロセッシング
に関与している(Hook, V. Y. H., et al. (1994) FASE
B J., 8, 1269-1278)。
【0004】近年、安全性の高い効力の強い医薬・農薬
の要求が高まり、微生物由来の生理活性を有するペプチ
ドやタンパク質、あるいはその構造の一部を医薬・農薬
に利用しようとする研究が盛んに行われている。中で
も、生体機能の様々な局面で働く酵素の活性を阻害する
化合物、即ち酵素阻害剤は、医薬・農薬として広く使わ
れており、医薬・農薬の大半は酵素阻害剤であるといっ
ても過言ではない。プロテアーゼ阻害剤についても、微
生物や動・植物を対象に、各種プロテアーゼ活性を阻害
する物質の探索が行われた結果、数多くの新規ペプチド
やタンパク質がプロテアーゼインヒビターとして見いだ
された。さらに、これらのプロテアーゼインヒビターそ
のもの、ないしはそれらの構造の一部を合成した化合物
が医薬・農薬として開発されている。
【0005】このような、生体制御機構におけるKex2プ
ロテアーゼ・ファミリー酵素の重要な働きに注目し、酵
母Kex2プロテアーゼ活性を阻害する物質の探索を目的と
して広く微生物の培養物が探索された。ストレプトミセ
ス(Streptomyces)属やストレプトバーチシリウム(Strep
toverticillium) 属に属する菌株の培養液中にKex2プロ
テアーゼを阻害するタンパク質性のインヒビターが発見
された。これらのインヒビターのうち、ストレプトミセ
ス属の菌株から単離されたものはケクスタチンI(Kexs
tatin I )と命名され(Oda,K., Takahashi,S., Kikuch
i,N., Shibano,Y.,(1996) Biosci. Biotechnol. Bioche
m.,60,1388-1389 )、ストレプトバーチシリウム属に属
する菌株から単離されたものはケクスタチンIIと命名さ
れた(日本農芸化学会、1997年度大会、3Mal、講演要旨
集:日本農芸化学会誌(1997)、71巻、臨時増刊、15
7 頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Kex2プロテアーゼ・フ
ァミリー酵素を阻害するタンパク質性のインヒビター、
ケクスタチンIのKex2プロテアーゼに対する阻害定数
(Ki)は10の-8乗モーラーであり、ケクスタチンIと
類似のSSI(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)のズ
ブチリシン(Subtilisin)に対する阻害定数が10の-11
乗であるのに比較して、それほど阻害活性が高いとは言
えない。また、生体内で各種生理活性ペプチドや酵素の
プロセッシング/活性化に働く何種ものKex2プロテアー
ゼファミリー酵素が存在するが、医薬・農薬としてこの
インヒビターを用いる場合には、それらの内の特定の酵
素だけを阻害する必要がある。
【0007】本発明は、ケクスタチンIのアミノ酸配列
の一部を改変することによってKex2プロテアーゼに対す
る阻害活性のみが顕著に増大したインヒビター及びその
製造方法を提供することをその目的とするものである。
また、特定のKex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対す
る阻害活性だけを強化したあるいは低下させたインヒビ
ターを設計する手段を提供することもまた本発明の目的
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケクスタ
チンIの特定の部位がKex2プロテアーゼによって切断さ
れることを見いだし、その切断部位周辺のアミノ酸配列
をKex2プロテアーゼによって認識されやすい配列に改変
することにより、当該プロテアーゼインヒビターのKex2
プロテアーゼに対する阻害活性を顕著に増大できること
を見いだし、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、以下の(a) 又は(b) のア
ミノ酸配列により表され、Kex2プロテアーゼ・ファミリ
ー酵素に対する阻害活性を有する変異体ケクスタチンI
である。 (a) 配列番号1に記載のアミノ酸配列において69番目の
Thr 及び/又は70番目のLys が他のアミノ酸に置換され
ているアミノ酸配列 (b) (a) のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミ
ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
【0010】また、本発明は、以下の(a) 又は(b) のア
ミノ酸配列により表され、Kex2プロテアーゼ・ファミリ
ー酵素に対する阻害活性を有するポリペプチドをコード
する変異体ケクスタチンI遺伝子である。 (a) 配列番号1に記載のアミノ酸配列において69番目の
Thr 及び/又は70番目のLys が他のアミノ酸に置換され
ているアミノ酸配列 (b) (a) のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミ
ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
【0011】さらに、本発明は、上記記載の遺伝子で形
質転換した細胞を培養し、培養物から変異体ケクスタチ
ンIを採取することを特徴とする変異体ケクスタチンI
の製造方法である。さらに、本発明は、ケクスタチンを
構成するアミノ酸のうち、Kex2プロテアーゼ・ファミリ
ー酵素により切断される部位の周囲のアミノ酸を他のア
ミノ酸で置換することを特徴とする変異体ケクスタチン
の設計方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)変異体ケクスタチンI ケクスタチンIのようなタンパク質性のインヒビターの
阻害機構は拮抗的で、標的酵素との結合が強いほど、す
なわち標的酵素から解離し難いほど阻害活性が強いとい
うことになる。従って、インヒビターの標的酵素に対す
る結合の強さを示す阻害定数(Ki)を小さくすれば、標
的酵素から解離し難くなり、阻害活性は強くなる。逆に
Kiが大きくなれば標的酵素から解離し易くなり、阻害活
性は弱くなる。
【0013】Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素の場
合、塩基性のアミノ酸対を認識してそのカルボキシル末
端側を切断する。Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素が
インヒビターを切断する部位がわかれば、そのアミノ末
端側のアミノ酸配列を該酵素によって認識されやすい塩
基性のアミノ酸に置換すると、該インヒビターは該酵素
から解離し難くなり、より強い阻害活性を持ったインヒ
ビターになると考えられた。また、逆に該切断点周辺の
アミノ酸配列を該酵素によって認識されにくい配列、即
ち該酵素から解離しやすい配列に改変すると、該改変イ
ンヒビターの阻害定数は大きくなり、阻害活性は弱くな
ると考えられた。
【0014】そこで、本発明者らはケクスタチンIのKe
x2プロテアーゼ・ファミリー酵素による切断点を明らか
にし、該切断点からアミノ末端側のアミノ酸配列を改変
した各種変異体ケクスタチンI遺伝子を作製した。さら
にこれらの遺伝子を適当な宿主細胞、望ましくは微生物
細胞に導入し、形質転換細胞を培養してその培養物から
変異体ケクスタチンIを得ることができた。精製した変
異体ケクスタチンIのKex2プロテアーゼ・ファミリー酵
素に対する阻害定数を測定し、該変異体ケクスタチンI
の阻害活性が、非変異体ケクスタチンIに比べて顕著に
増強されていることを確認して、本発明を完成した。
【0015】本発明の変異体ケクスタチンIは、天然型
ケクスタチンIと同様にKex2プロテアーゼ・ファミリー
酵素に対する阻害活性を持つ。ここで、「Kex2プロテア
ーゼ・ファミリー酵素」とは、Kex2プロテアーゼと同様
に-Lys-Arg- 又は-Arg-Arg-を認識し、そのカルボキシ
ル末端基側で切断する一群の特異的プロテアーゼをい
う。
【0016】本発明の変異体ケクスタチンIは、配列番
号1に記載の天然型ケクスタチンIのアミノ酸配列にお
いて69番目のThr 及び/又は70番目のLys が他のアミノ
酸に置換されているアミノ酸配列により表される。69番
目のThr を置換するアミノ酸としては、変異体ケクスタ
チンIの阻害活性を強める場合には、Kex2プロテアーゼ
・ファミリー酵素に対する親和性の大きいアミノ酸、例
えば、Lys 、Arg などが好ましく、阻害活性を弱める場
合には、該酵素に対する親和性の小さいアミノ酸、例え
ば、Thr 、Pro 、Asn などが好ましい。70番目のLys を
置換するアミノ酸としては、阻害活性を強める場合に
は、該酵素に対する親和性の大きいアミノ酸、例えば、
Lys 、Arg などが好ましく、阻害活性を弱めるのであれ
ば、該酵素に対する親和性の小さいアミノ酸、例えば、
Met などが好ましい。
【0017】本発明の変異体ケクスタチンIは、上記の
アミノ酸配列により表されるポリペプチドのほか、該ア
ミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、
置換若しくは付加されたアミノ酸配列によって表される
ポリペプチドをも含む。ここで、欠失、置換若しくは付
加は、本出願時において常用される技術、例えば、部位
特異的変異誘発法(Nucleic Acid Reserch, vol.10, N
o.20, p6487-6500 )により行い得る程度のものをい
う。本発明の変異体ケクスタチンIは、天然型ケクスタ
チンIをコードする遺伝子を単離し、これから変異体ケ
クスタチンIをコードする遺伝子を作製し、この遺伝子
で形質転換した細胞を培養し、培養物から変異体ケクス
タチンIを採取することにより製造することができる。
【0018】天然型ケクスタチンIをコードする遺伝子
は、以下のようにして単離することができる。まず、配
列番号1に記載の天然型ケクスタチンIのアミノ酸配列
をもとにPCR プライマーを設計し、ストレプトミセス・
プラテンシス(Streptomycesplantensis )Q268株(こ
の菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERMBP
-5960という受託番号で寄託されている。)のゲノムDNA
を鋳型にしてPCR を行う。得られたPCR 生成物の塩基
配列から推定されるアミノ酸配列が、PCR プライマーを
設計した部分アミノ酸配列と一致することを確認する。
次に、Q268株のゲノムDNA を各種制限酵素で完全分解
し、アガロース電気泳動により分画する。上記記載のPC
R 産物をプローブにしてサザーンハイブリダイゼーショ
ンを行い、ケクスタチンI遺伝子の全領域を含み、最小
のDNA 断片を生じる制限酵素を知る。その制限酵素で完
全分解したQ268株のゲノムDNA を用いてゲノムライブラ
リーを作製し、上記記載のPCR 産物をプローブにしたコ
ロニーハイブリダイゼーションによってケクスタチンI
遺伝子を持ったクローンを選択する。選択したクローン
からプラスミドを抽出し、サザーンハイブリダイゼーシ
ョン解析によって上記記載のPCR 産物の配列を含んでい
ることを確認する。また、挿入断片の塩基配列を決定
し、それから推定されるアミノ酸配列が上記記載のケク
スタチンIの部分アミノ酸配列と一致することを確認す
る。なお、天然型ケクスタチンI遺伝子の塩基配列は、
配列番号1に示すように、既に決定されているので、配
列番号1で表されるDNA の5'末端及び3'末端のそれぞれ
の対応するセンスプライマー及びアンチセンスプライマ
ーを合成し、Q268株のゲノムDNA を鋳型にしてPCR を行
うことによっても天然型ケクスタチンI遺伝子を得るこ
とができる。
【0019】天然型ケクスタチンI遺伝子から変異体ケ
クスタチンI遺伝子の作製は、実施例に示すように二段
階PCR を利用して行うことができる。変異体ケクスタチ
ンI遺伝子で形質転換し、これを培養液中に分泌させる
場合、メタノール酵母ピキア・パストリス(Pichia pas
toris )を宿主として、分泌発現ベクター用いることが
望ましい。メタノール酵母以外にも大腸菌や放線菌など
の原核細胞、酵母などの真核細胞などを宿主細胞として
用いることができる。大腸菌や酵母においてはケクスタ
チンI遺伝子を導入するためのベクターが知られてお
り、ケクスタチンI遺伝子を発現させるのに必要なプロ
モーターについても数多くのものが知られている。ま
た、放線菌における形質転換/発現系については、スト
レプトミセス・リビダンス(Streptomyces libidans)
を宿主とした系( Katoh, K. et al (1995), J. Fermen
t. Bioeng., 80, 440-445)が知られている。
【0020】形質転換細胞を培養して得られる培養物か
ら変異体ケクスタチンIを採取する手段は、培養物より
タンパク質を採取する際に常用される方法に従って行う
ことができる。例えば、遠心分離等により細胞を除去し
て培養上清を得、この培養上清を、硫安塩析、ゲル濾過
等により単離、精製することにより変異体ケクスタチン
Iを得ることができる。上記のように、酵素阻害剤は医
薬及び農薬に広く使われており、Kex2プロテアーゼ・フ
ァミリー酵素に対する阻害活性が著しく増大した該変異
体ケクスタチンIも、医薬及び農薬として利用すること
ができる。具体的には該変異体ケクスタチンIは、ペプ
チドホルモンやウイルス外殻糖タンパク質の生成を阻害
するので、ホルモン分泌異常やウイルス感染の治療等に
利用することができる。
【0021】(2)変異体ケクスタチン 本明細書中で「ケクスタチン」とは、Kex2プロテアーゼ
・ファミリー酵素に対して阻害活性を有する一群のイン
ヒビターをいう。「ケクスタチン」に包含されるインヒ
ビターとしては、「ケクスタチンI」や「ケクスタチン
II」などを例示することができる。
【0022】変異体ケクスタチンは、ケクスタチンを構
成するアミノ酸のうち、kex2プロテアーゼ・ファミリー
酵素により切断される部位の周囲のアミノ酸を他のアミ
ノ酸で置換することにより設計できる。置換するアミノ
酸としては、切断部位よりアミノ末端側の1番目及び/
又は2番目のアミノ酸が好ましい。切断部位よりアミノ
末端側1番目のアミノ酸としては、変異体ケクスタチン
の阻害活性を強める場合には、該酵素に対する親和性の
大きいアミノ酸、例えば、Lys 、Arg などが好ましく、
阻害活性を弱めるのであれば、該酵素に対する親和性の
小さいアミノ酸、例えば、Met などが好ましい。切断部
位よりアミノ末端側2番目のアミノ酸としては、変異体
ケクスタチンの阻害活性を強める場合には、該酵素に対
する親和性の大きいアミノ酸、例えば、Lys 、Arg など
が好ましく、阻害活性を弱める場合には、該酵素に対す
る親和性の小さいアミノ酸、例えば、Thr 、Pro 、Asn
などが好ましい。以上のような変異体ケクスタチンは、
天然型ケクスタチン遺伝子から変異体ケクスタチン遺伝
子を作製し、これを適当な細胞で発現させることにより
製造することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって更に詳細に
説明する。 〔実施例1〕 Kex2 プロテアーゼの製造 Kex2プロテアーゼは膜結合酵素であるが、カルボキシル
末端にある膜貫通部分を欠失させたKEX2遺伝子(sKEX2)
を作製し、サッカロミセス(Saccharomyces)酵母で発
現させることにより培地中に分泌させることができる
(Gluschankof, P. & Fuller, R.S. (1994) EMBO J., 1
3, 2280-2288)。sKEX2遺伝子で形質転換したサッカロ
ミセス酵母を培養し、培養液中のKex2プロテアーゼを硫
安分画後、Q Sepharose、 Phenyl Superose、 Superdex
75によるクロマトグラフィーで電気泳動的に均一にま
で精製した。
【0024】〔実施例2〕 天然型ケクスタチンIの製
造 Q268株をワクスマン培地で30℃、48時間通気培養を行
い、菌体を遠心で除去した後、100℃で5分間熱処理し
て615mlの培養上清を得た。この615mlの培養上清に硫安
を80%(W/V)飽和になるように加え、4℃で一晩静置し
た。沈殿を遠心で集め緩衝液A〔20mM Tris-HCl, pH7.
5〕に溶解した。この溶液によく冷やしたアセトンを加
え、50〜60%(w/v)アセトンで沈殿する画分を遠心で集
め、緩衝液Aに溶解した。アセトン分画した画分をセフ
ァデックス G75カラム(2.5 x 90cm、Pharmacia 社製)
でゲル濾過を行い、Kex2プロテアーゼ阻害活性を示す画
分を集めた。12mlの活性画分に0.1mlの2%デオキシコ
ール酸を加え、室温で15分間静置した。7.92mlの24%ト
リクロロ酢酸を加え30分間静置した後、遠心で沈殿画分
を集めた。沈殿をアセトンで洗浄後、乾燥して6ml の緩
衝液Aに溶解した。10%酢酸でpH5.0に調整した後、FPLC
システムの逆相カラム(Pro-RPC)クロマトグラフィー
(Pharmacia社製)を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むア
セトニトリルの濃度勾配で行った。活性画分を集め、凍
結乾燥後、緩衝液Aに溶解して-20℃で保存した。615ml
の培養液から1.4mgの最終精製天然型ケクスタチンIが
得られた。
【0025】〔実施例3〕 ケクスタチンIのアミノ末
端アミノ酸配列及びトリプシン消化ペプチドのアミノ酸
配列の決定 精製した天然型ケクスタチンIをSDS-ポリアクリルアミ
ドゲル(15%)で電気泳動を行った後、PVDF(polyviny
lidene difluoride)膜に電気泳動でトランスファーし
た。PVDF膜をクマジーブリリアントブルーR250で染色
後、天然型ケクスタチンIに相当する部分を切り取り、
直接自動ペプチドシーケンサー(Perkin Elmer/Applied
Biosystems 476A)を用いてアミノ末端配列を決定し
た。アミノ末端から19残基のアミノ酸配列が以下のよう
に決定された。Gly-Leu-Tyr-Ala-Pro-Thr-Glu-Leu-Val-
Leu-Thr-Val-Gly-Gln-Gly-Glu-Ser-Arg-Ala-
【0026】天然型ケクスタチンI100mgを1mgのトリプ
シンと0.1mlの0.1Mトリス-塩酸緩衝液(pH8.0)中で37
℃、3時間反応させた後、高速液体クロマトグラフィー
(ギルソン社製)で分画した。用いたカラムはBrownlee
社製Aquapore Butyl(2.1mmx 220mm)で、溶出は0.1 %
トリフルオロ酢酸中アセトニトリル直線濃度勾配で行
い、220nm及び280 nmの吸収を測定した。220nmの各ピー
ク(TP1〜TP5)を分取し、濃縮乾固した後、自動ペプチ
ドシーケンサー(Perkin Elmer/Applied Biosystems 4
92)を用いてアミノ酸配列を決定した。TP2は還元ピリジ
ルエチル化後再クロマトグラフィーによりTP2a、TP2bに
分画した。TP5は2種類のペプチドであり、アミノ酸配
列の同定はできなかった。
【0027】このようにして得られた各ペプチド断片の
アミノ酸配列を以下に示す。 TP1 ; Ala-Thr-Ala-Thr-Val-Gln-Arg TP2a ; Gly-Ser-His-Pro-Asn-Pro-Leu-Gly-Ala-Cys-Th
r-Gln-Leu-Arg TP2b ; Ala−Val−Thr−Leu−Ser−
Cys−Met−Pro−Gly−Ala−Arg TP3 ; Gly−Leu−Tyr−Ala−
Pro−Thr−Glu−Leu−Val−Leu−T
hr−Val−Gly−Gln−Gly−Glu−Se
r−Arg TP4 ; Glu−Trp−Asn−Pro−
Leu−Val−Val−Thr−Ala−Asp−G
ly−Val−Trp−Gln−Gly−Lys−Ar
【0028】〔実施例4〕 天然型ケクスタチンI遺伝
子のクローニング 1)PCR によるDNA 断片の増幅 実施例3に記載のペプチドTP3のアミノ酸配列をもと
に、センスプライマーとして、 5'- ATTACGC(C/G)CC(C/G)AC(C/G)GA(A/G)CT -3' ペプチドTP4のアミノ酸配列をもとにアンチセンスプラ
イマーとして、 5'- ATGCCCTGCCA(C/G)AC(C/G)CC(C/G)T -3' を合成し、Q268株のゲノムDNA を鋳型にして、PCR を行
った。反応条件は、94℃、2分加熱の後、 変性; 94℃、1分、 アニーリング; 50℃、1.5分、 伸長反応; 72℃、1.5分 で30サイクルPCR させ、最後に72℃,7分反応させた。約
250bpのPCR 産物を直接DNA シーケンス解析したとこ
ろ、上記実施例3に記載のペプチドTP3及びTP4のアミノ
酸配列に対応する塩基配列を含んでいたため、このPCR
産物が天然型ケクスタチンI遺伝子の一部を含むDNA 断
片であることを確認した。
【0029】2)ゲノムDNA のサザーンハイブリダイゼ
ーション解析 Q268株の菌体よりゲノムDNA を単離した。DNA の単離
は、クリエールらの方法に従った(Cryer, D.R. et a
l., (1975) Meth. Cell. Biol., 12, 39〜44)。Q268株
のゲノムDNA を各種制限酵素で切断し、1%アガロース
ゲル電気泳動で分離した。分離したDNA をゲルからナイ
ロンメンブレン(アマシャム社製)に転移、固定した。
【0030】上記PCR 産物をニックトランスレーション
・キット(アマシャム社製)を用いて、32Pで標識し
た。標識したPCR 産物を、5xSSC-1%SDS-1xDenhardt溶液
に加えハイブリダイゼーション溶液を作製した。DNA を
固定したナイロンメンブレンにこのハイブリダイゼーシ
ョン溶液を加え、プラスチックバッグに封入した。封入
したナイロンメンブレンを65℃、16時間インキュベート
した後、ナイロンメンブレンをプラスチックバッグから
取り出して、2xSSC-0.1%SDS 溶液にて室温で洗った。
【0031】次に、ナイロンメンブレンを0.2xSSC-0.1%
SDS 溶液中で65℃、30分間インキュベートした後、溶液
を新しいものに変え、65℃、30分間のインキュベーショ
ンを繰り返した。メンブレンを2xSSC で洗った後、風乾
してオートラディオグラフィーを行った。上記記載の25
0 bpのプローブとハイブリダイズする最小のDNA 断片と
して、約2kbのBamHI-SalI断片が見いだされた。
【0032】3)コロニーハイブリダイゼーションによ
る天然型ケクスタチンI遺伝子のクローニング Q268株のゲノムDNA を制限酵素BamHI-SalIで完全消化
し、1%アガロースゲル電気泳動で分画した。2kb付近
のアガロースゲルを切り出し、DNA セル(第一化学社
製)を用いてDNA 断片を回収した。BamHI-SalIで消化し
たpUC119にこの回収したDNA を挿入し、大腸菌JM109株
を形質転換してQ268株のゲノムDNA ライブラリーを作製
した。このライブラリーを、上記記載の250bp DNA 断片
をプローブとしたコロニーハイブリダイゼーション法に
よってスクリーニングし、陽性のクローンを得た。ハイ
ブリダイゼーションの条件は、上記のサザーンハイブリ
ダイゼーションの条件と全く同一である。
【0033】陽性クローンからプラスミドを回収し、約
2kbの挿入DNA 断片の塩基配列、2186塩基対を決定し
た。当該塩基配列中には9個のオープン・リーディング
フレーム(ORF)が認められたが、塩基番号1477-1479 番
目のATGを開始コドンとし、塩基番号1911で終わるORFに
コードされたアミノ酸配列中に、前記したケクスタチン
Iの部分アミノ酸配列に一致する配列が認められた。こ
のORF にコードされるアミノ酸のうち、アミノ末端側35
残基はシグナルペプチドとして機能し、残りの110 アミ
ノ酸から構成されるタンパク質が天然型ケクスタチンI
として分泌される。
【0034】〔実施例5〕 ケクスタチンI遺伝子発現
ベクターの構築 メタノール酵母(ピキア・パストリス)の発現ベクター
としてインビトロジェン社(Invitrogen Corporation、
米国、サンディエゴ市)よりキットとして販売されてい
るpHIL-S1 をもとにケクスタチンI遺伝子発現ベクター
を構築した。pHIL-S1は、酸性フォスファターゼ(PHO
1)のシグナル配列の下流に目的遺伝子を挿入すること
により、該遺伝子産物をPHO1シグナル配列との融合タン
パク質として発現させ、該シグナル配列の働きにより、
目的遺伝子産物を分泌生産させることができる。また融
合タンパク質遺伝子は、アルコールオキシダーゼ遺伝子
のプロモーターとターミネーターの間に挿入されるの
で、培地にメタノールを添加することにより該遺伝子産
物を誘導発現させることが出来る。pHIL-S1は、ピキア
・パストリスの染色体DNA への組み込みおよび形質転換
酵母の選択に必要なHIS4遺伝子や、大腸菌での選択マー
カーや大腸菌での複製起点をもっている。
【0035】まず、天然型ケクスタチンI遺伝子のアミ
ノ末端側にXhoIサイトを、カルボキシル末端型にBamHI
サイトを作製するため、5'-CTCGAGGCCTCTACGCCCCGAC-3'
をセンスプライマー、5'-GGATCCTCAGAAGTTGAAGACCG-3'
をアンチセンスプライマーとし、天然型ケクスタチンI
遺伝子を含むDNA 断片を鋳型にしてPCR を行った。増幅
されたDNA 断片をXhoI-BamHI処理後、pHIL-S1 に挿入
し、その塩基配列が天然型ケクスタチンI遺伝子の塩基
配列と異ならないことを確認した。この組換えベクター
を「pHIL-S1/kxtnI 」と命名した。pHIL-S1/kxtnI の構
成を図3に示す。なお、天然型ケクスタチンI遺伝子に
XhoIサイトを作製したため、pHIL-S1/kxtnI は天然型ケ
クスタチンIのアミノ末端にArg が付加されたタンパク
質を発現する。以下、この天然型ケクスタチンIにArg
が付加されたタンパク質を「野性型ケクスタチンI」と
いう。
【0036】〔実施例6〕 天然型ケクスタチンIのKe
x2プロテアーゼによる切断部位の解析 0.01M CaCl2 と 0.01% Tween 20を含む0.2M Tris-HCl
(pH7.0) 緩衝液中で、0.43 nmoleのKex2プロテアーゼと
4.42 nmoleの天然型ケクスタチンIを25℃で5日間反応
させた。なお、この条件はKex2プロテアーゼによる天然
型ケクスタチンI切断の最適条件を検討した結果、決定
したものである。反応産物のSDS-15%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動の結果を図1に示した。図1中、67kDa
のKex2プロテアーゼと11kDaの天然型ケクスタチンIの
バンドよりも低分子側に、分解産物1と分解産物2で示
した2つの新たなバンドが認められたので、これらをゲ
ルから回収してそのアミノ末端およびカルボキシル末端
のアミノ酸配列を解析した。SDS-ポリアクリルアミドゲ
ル(15%)で電気泳動を行った後、PVDF膜に電気泳動で
トランスファーした。PVDF膜をクマジーブリリアントブ
ルーR250で染色後、分解産物1と分解産物2に相当する
部分を切り取り、直接自動ペプチドシーケンサー(Perk
in Elmer/Applied Biosystems 476A)を用いてアミノ末
端配列を決定した。また、電気泳動後のゲルからテフロ
ンテープにトランスファーした後、C末端プロテインシ
ーケンサー(Hewlett Packard / G1009A)によってカル
ボキシル末端のアミノ酸配列を決定した。
【0037】分解産物1のアミノ末端配列およびカルボ
キシル末端のアミノ酸配列は、それぞれ、Gly-Leu-Tyr-
Ala-Pro-Thr-および-Cys-Thr-Lysと決定された。また、
分解産物2のアミノ末端配列およびカルボキシル末端の
アミノ酸配列は、それぞれ、Glu-Trp-Asn-Pro-および-P
he-Asn-Pheと決定された。これらの配列を図2に示した
ケクスタチンIのアミノ酸配列と比較したところ、図2
中下向きの矢印で示した部位で切断が起こっていること
がわかった。即ち、切断は天然型ケクスタチンIの70番
目の残基であるLysと、71番目の残基であるGluの間で起
こっており、分解産物1はケクスタチンIのアミノ末端
から切断点までのペプチドに、分解産物2は切断点から
カルボキシル末端までのペプチドに相当する。以上の結
果から、ケクスタチンIのKex2プロテアーゼによる切断
点、すなわち阻害反応部位は70、71残基目のLys-Glu で
あり、-P2-P1は-Thr-Lysとなるから、Kex2プロテアーゼ
が認識して切断しやすい塩基性アミノ酸対にはなってい
ないことがわかった。
【0038】〔実施例7〕 変異体ケクスタチンI遺伝
子の作製 (1)変異体ケクスタチンI遺伝子の設計 上記実施例6に記載の切断点の解析の結果から、天然型
ケクスタチンIの阻害反応部位周辺の配列は-Thr-Lysと
なり、Kex2プロテアーゼよって認識されやすい配列とは
異なっていた。そこでこの部位を、Kex2プロテアーゼに
よって認識されやすい塩基性アミノ酸に置換した、表1
に示すような計3種類の変異体ケクスタチンI遺伝子を
作製した。
【0039】
【表1】
【0040】(2)二段階PCRによる変異の導入 変異体ケクスタチンI遺伝子の作製は、野性型ケクスタ
チンI発現ベクターであるpHIL-S1/kxtnIを鋳型にし
た、二段階PCRによって行った。変異の導入には、以下
に示す8種類のオリゴマーをプライマーとして用い、PC
Rを行った。 5'AOX1; 5'-GACTGGTTCCAATTGACAAGC-3' 3'AOX1; 5'-GCAAATGGCATTCTGACATCC-3' TR-L; 5'-TCCACTCCCTGGTGCACAGCCGGTCC-3' TR-U; 5'-GTGCACCAGGGAGTGGAACCCCCTCG-3' KK-L; 5'-TCCACTCCTTCTTGCACAGCCGGTCCGAGG-3' KK-U; 5'-GTGCAAGAAGGAGTGGAACCCCCTC-3' KR-L; 5'-CCCTCTTGCACAGCCGGTCCGAGG-3' KR-U; 5'-CGGACCGGCTGTGCAAGAGGGAGTGGAACCCCCTCG-3'
【0041】5'AOX1は上記ケクスタチンI発現ベクター
pHIL-S1/kxtnIのアルコールオキシダーゼ遺伝子のプロ
モーターのセンスプライマーであり、3'AOX1は同じくア
ルコールオキシダーゼ遺伝子のターミネーターのアンチ
センスプライマーで、上記インビトロジェン社(Invitr
ogen Corporation、米国、サンディエゴ市)より市販さ
れているキットの中に含まれている。TR-LおよびTR-Uは
TR変異体遺伝子を作製する際に用いたプライマーで、変
異を導入する部位を中心にお互いにオーバーラップして
いるため、2段階目のPCRの際に互いの端同士が付着す
るようになっている。TR-Lはアンチセンスプライマー、
TR-Uはセンスプライマーである。同様に、KK-LおよびKK
-U、KR-LおよびKR-Uは、各々、 KK変異体遺伝子、KR変
異体遺伝子を作製する際に用いたPCRプライマーで、-U
はセンスプイマー、-Lはアンチセンスプライマーを表
す。
【0042】TR変異体遺伝子を作製する場合を例に記載
する。KK変異体遺伝子や KR変異体遺伝子を作製する場
合には、PCR用プライマーを各々対応したものに変える
だけで、他は全く同様でよい。但し、KR変異体遺伝子を
作製する場合にはKK変異体遺伝子を鋳型としてPCR を行
った。
【0043】上記ケクスタチンI発現ベクターpHIL-S1/
kxtnIを鋳型に、2つの1段階目のPCRを別の反応チュー
ブで行った。一方のチューブにはプライマーとして5'AO
X1とTR-Lを、他方のチューブには3'AOX1とTR-Uを加え
た。PCRの条件は、94℃、1分加熱の後、 変性; 94℃、1分、 アニーリング; 55℃、1分、 伸長反応; 72℃、2分 で25サイクルPCRを行い、最後に72℃,10分間反応させ
た。反応生成物をアガロースゲル電気泳動で分画し、予
想される分子量のDNAを含むゲルからPCR産物を抽出し
た。2つのPCR産物を1本のチューブに合わせ、プライ
マーとして5'AOX1と3'AOX1を加えて、2段階目のPCRを
行った。PCRの条件は上記の1段階目のPCRと全く同じで
あった。同様に、アガロースゲル電気泳動で分画し、目
的のPCR産物をアガロースゲルから抽出した。
【0044】2段階目のPCR産物を制限酵素XhoI+BamHI
で処理して、メタノール酵母(ピキア・パストリス)の
分泌発現ベクターpHIL-S1のXhoI-BamHIサイトに挿入し
て、TR変異体遺伝子をクローニングした。該発現ベクタ
ーのTR変異体遺伝子部分を、5'AOX1あるいは3'AOX1をプ
ライマーとして両側から塩基配列を決定し、Lys70Argの
アミノ酸置換を起こす変異があることと、これ以外のア
ミノ酸置換を起こすような変異は起こっていないことを
確認した。KK変異体遺伝子や KR変異体遺伝子を作製す
る場合には、1段階目のPCRにプライマーとして、各
々、KK-UとKK-L、KR-LとKR-Uを用いる以外は、全く同様
であった。また、目的のアミノ酸置換を起こす変異があ
ることと、これ以外のアミノ酸置換を起こすような変異
は起こっていないことを、 TR変異体遺伝子の場合と全
く同様にして確認した。
【0045】〔実施例8〕変異体ケクスタチンIの解析 (1)変異体ケクスタチンIの発現と精製 上記実施例7に記載の、各種変異体ケクスタチンI発現
ベクターを制限酵素SalIで処理して直鎖にした後、ピキ
ア・パストリスGS115株(his4)を形質転換した。His+
で選択した形質転換酵母を0.5%メタノールを含むBMMY
培地で、30℃、5日間培養し、培養上清をSDS-ポリアク
リルアミド電気泳動法で解析して、変異体ケクスタチン
Iの発現を確認した。また、該培養上清をKex2プロテア
ーゼ反応液に加え、Kex2プロテアーゼ阻害活性も確認し
た。
【0046】上記の培養上清を80%飽和の硫安で沈殿
後、5mM Bis-Tris緩衝液(pH6.0) で透析し、20mM Bis-
Tris緩衝液(pH6.0) で平衡化したファルマシア社製のHi
load SPカラム(1.6 x 10 cm)にかけ、0.5M NaClを含む2
0mM Bis-Tris緩衝液(pH6.0) で溶出した。活性画分をセ
ントリコン-10で濃縮後、トーソーのTSK-GEL G3000SWXL
(0.8 x 30 cm)を用い、50mM酢酸アンモニウム(pH6.7)
緩衝液でゲル濾過を行い、最終精製物を得た。図4に、
ケクスタチンI/TKのTSK-GEL G3000SWXLでのクロマトグ
ラフィーの結果を示したが、ケクスタチンI/TKはほぼ
均一にまで精製されている。
【0047】(2)変異体ケクスタチンIの阻害活性 上記変異体ケクスタチンI(TR、KK、KR)および野生型
ケクスタチンI(TK)について、各種濃度でのKex2プロ
テアーゼに対する阻害活性を調べた。反応液(200μl)
は以下の組成からなる。 0.2M Tris-HCl (pH7.0) 、0.01M CaCl2、 0.01% Tween
20 2.5nM 精製Kex2プロテアーゼ 0.125mM合成蛍光基質〔Boc-Gln-Arg-Arg-MCA(Boc:t-
ブトキシカルボニル、MCA:メチルクマリンアミド)〕 各種濃度の精製した変異体ケクスタチンI
【0048】反応液をマイクロプレート中、25℃で反応
させ、蛍光マイクロプレートリーダー(BIO-TEK社製、
モデルFL500)で、励起波長360nm、蛍光波長460nmで蛍
光強度を測定した。ケクスタチンI非添加時の蛍光強度
からケクスタチンI添加時の蛍光強度を引いた値を、ケ
クスタチンI非添加時の蛍光強度で割った百分率を阻害
率(%)とした。
【0049】図5-Aに示すように、野生型ケクスタチン
I(TK)に比べて、TR、KK、KR、の順に阻害活性が強く
なることがわかった。一方、Kex2プロテアーゼと同じセ
リンプロテアーゼに属するズブチリシンBPN'(Subtilis
in BPN')に対する、変異体ケクスタチンIの阻害活性
を調べた。上記のKex2プロテアーゼに対する阻害活性を
測定した時の反応液中、基質がSuc-Ala-Ala-Pro-Phe-MC
Aになることと、酵素が5 nMズブチリシンBPN'なること
以外は全く同じ方法で阻害活性を測定した。図5-B
に、その結果を示したが、上記変異体ケクスタチンI
(TR、KK、KR)および野生型ケクスタチンI(TK)は、
ズブチリシンBPN'に対する阻害活性の差は認められなか
った。すなわち、ケクスタチンIの阻害反応部位のアミ
ノ酸を塩基性アミノ酸対、とりわけ-Lys-ArgというKex2
プロテアーゼに対して最も親和性の高い配列に変えるこ
とにより阻害活性は著しく増大したが、ズブチリシンBP
N'に対しては阻害活性の変化は認められなかったので、
この効果はKex2プロテアーゼに特異的であるといえる。
【0050】各種変異体ケクスタチンIの阻害活性を定
量的に評価するために、阻害定数 Kiを算出した。上記
反応液中、Kex2プロテアーゼ濃度を0.5nMと小さくし
て、各種濃度の変異体ケクスタチンIを加えて、5、1
0、15、20、25分に蛍光強度を測定し、その傾き、即ち
1分間の蛍光強度の変化を反応速度とした。反応速度論
の解析は、ラインーウェバー-バーク・プロット(Linew
eaver-Burk plot)を用い、阻害定数Kiはインヒビター
濃度[ I ]に対するKmの2次プロットで算出した。
【0051】
【表2】
【0052】図6に各種変異体ケクスタチンI(TR、K
K、KR)、野生型ケクスタチンI(TK)、及び放線菌の
培養液から精製した天然型ケクスタチンIについてのラ
インーウェバー-バーク・プロットを示した。各種ケク
スタチンIにおいて、各直線はY軸上の一点で交わるこ
とから、ケクスタチンIの阻害様式は拮抗阻害であるこ
とがわかった。算出された各種ケクスタチンIのKiを表
2に示した。天然型ケクスタチンI、野生型ケクスタチ
ンI/TK、および変異体ケクスタチンI/TRはいずれも阻
害定数Kiが10の-8乗モーラー(M)のオーダーであった
が、変異体ケクスタチンI/KKは1オーダー小さい10の-
9乗モーラー、変異体ケクスタチンI/KRはさらに1オー
ダー小さい10の-10乗モーラーとなった。野生型ケクス
タチンI/TKの阻害反応部位のアミノ酸配列を-Lys-Arg-
に置換した変異体ケクスタチンIでは、阻害活性が野生
型ケクスタチンI/TKに比べて100倍増大したことにな
る。なお、野生型ケクスタチンI/TKのアミノ末端に
は、天然型ケクスタチンIにはないArgが付加している
が、両者の阻害定数Kiには本質的な差異は無かった。
【0053】
【発明の効果】本発明は、医薬、農薬等として有用な、
強い阻害活性をもった新規プロテアーゼインヒビターお
よびその製造方法を提供する。
【0054】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:110 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 生物名:Streptomyces platensis 株名:Q268 配列 Gly Leu Tyr Ala Pro Thr Glu Leu Val Leu Thr Val Gly Gln Gly Glu Ser Arg Ala Thr Ala Thr Val Gln Arg Ala Val Thr Leu Ser Cys Met Pro Gly Ala Arg Gly Ser His Pro Asn Pro Leu Gly Ala Cys Thr Gln Leu Arg Ala Val Ala Gly Asp Phe Asn Ala Ile Thr Ala Ala Thr Ser Asp Arg Leu Cys Thr Lys Glu Trp Asn Pro Leu Val Val Thr Ala Asp Gly Val Trp Gln Gly Lys Arg Val Ser Tyr Ser Tyr Thr Phe Ala Asn Arg Cys Glu Met Asn Ile Asp Ser Asp Thr Val Phe Asn Phe
【0055】配列番号:2 配列の長さ:111 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 生物名:Streptomyces platensis 株名:Q268 配列 Arg Gly Leu Tyr Ala Pro Thr Glu Leu Val Leu Thr Val Gly Gln Gly Glu Ser Arg Ala Thr Ala Thr Val Gln Arg Ala Val Thr Leu Ser Cys Met Pro Gly Ala Arg Gly Ser His Pro Asn Pro Leu Gly Ala Cys Thr Gln Leu Arg Ala Val Ala Gly Asp Phe Asn Ala Ile Thr Ala Ala Thr Ser Asp Arg Leu Cys Thr Arg Glu Trp Asn Pro Leu Val Val Thr Ala Asp Gly Val Trp Gln Gly Lys Arg Val Ser Tyr Ser Tyr Thr Phe Ala Asn Arg Cys Glu Met Asn Ile Asp Ser Asp Thr Val Phe Asn Phe
【0056】配列番号:3 配列の長さ:111 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 生物名:Streptomyces platensis 株名:Q268 配列 Arg Gly Leu Tyr Ala Pro Thr Glu Leu Val Leu Thr Val Gly Gln Gly Glu Ser Arg Ala Thr Ala Thr Val Gln Arg Ala Val Thr Leu Ser Cys Met Pro Gly Ala Arg Gly Ser His Pro Asn Pro Leu Gly Ala Cys Thr Gln Leu Arg Ala Val Ala Gly Asp Phe Asn Ala Ile Thr Ala Ala Thr Ser Asp Arg Leu Cys Lys Lys Glu Trp Asn Pro Leu Val Val Thr Ala Asp Gly Val Trp Gln Gly Lys Arg Val Ser Tyr Ser Tyr Thr Phe Ala Asn Arg Cys Glu Met Asn Ile Asp Ser Asp Thr Val Phe Asn Phe
【0057】配列番号:4 配列の長さ:111 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 生物名:Streptomyces platensis 株名:Q268 配列 Arg Gly Leu Tyr Ala Pro Thr Glu Leu Val Leu Thr Val Gly Gln Gly Glu Ser Arg Ala Thr Ala Thr Val Gln Arg Ala Val Thr Leu Ser Cys Met Pro Gly Ala Arg Gly Ser His Pro Asn Pro Leu Gly Ala Cys Thr Gln Leu Arg Ala Val Ala Gly Asp Phe Asn Ala Ile Thr Ala Ala Thr Ser Asp Arg Leu Cys Lys Arg Glu Trp Asn Pro Leu Val Val Thr Ala Asp Gly Val Trp Gln Gly Lys Arg Val Ser Tyr Ser Tyr Thr Phe Ala Asn Arg Cys Glu Met Asn Ile Asp Ser Asp Thr Val Phe Asn Phe
【図面の簡単な説明】
【図1】ケクスタチンIとKex2プロテアーゼの反応生成
物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって解析
した写真を示す。
【図2】発現ベクターpHIL-S1/kxtnI中のケクスタチン
I遺伝子を含むDNA断片の塩基配列およびケクスタチン
Iのアミノ酸配列を示す図である。
【図3】発現ベクターpHIL-S1/kxtnIの構成を示す図で
ある。
【図4】ケクスタチンI精製の最終段階であるTSK-GEL
G3000SWXLによるゲル濾過の図である。
【図5】変異体ケクスタチンIのKex2プロテアーゼおよ
びズブチリシンBPN'に対する阻害曲線を示す図である。
【図6】変異体ケクスタチンIのKex2プロテアーゼに対
するラインーウェバー-バーク・プロットを示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 38/55 A61K 37/64 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:585) (C12N 1/19 C12R 1:84) (C12P 21/02 C12R 1:84)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a) 又は(b) のアミノ酸配列によ
    り表され、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対する
    阻害活性を有する変異体ケクスタチンI。(a) 配列番号
    1に記載のアミノ酸配列において69番目のThr 及び/又
    は70番目のLys が他のアミノ酸に置換されているアミノ
    酸配列(b) (a) のアミノ酸配列において1若しくは数個
    のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配
  2. 【請求項2】 69番目のThr を置換する他のアミノ酸が
    Lys 、70番目のLysを置換する他のアミノ酸がArg であ
    ることを特徴とする請求項1記載の変異体ケクスタチン
    I。
  3. 【請求項3】 アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号
    3、又は配列番号4で表されることを特徴とする請求項
    1記載の変異体ケクスタチンI。
  4. 【請求項4】 以下の(a) 又は(b) のアミノ酸配列によ
    り表され、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素に対する
    阻害活性を有するポリペプチドをコードする変異体ケク
    スタチンI遺伝子。 (a) 配列番号1に記載のアミノ酸配列において69番目の
    Thr 及び/又は70番目のLys が他のアミノ酸に置換され
    ているアミノ酸配列 (b) (a) のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミ
    ノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
  5. 【請求項5】 69番目のThr を置換する他のアミノ酸が
    Lys 、70番目のLysを置換する他のアミノ酸がArg であ
    ることを特徴とする請求項4記載の変異体ケクスタチン
    I遺伝子。
  6. 【請求項6】 アミノ酸配列が、配列番号2、配列番号
    3、又は配列番号4で表されることを特徴とする請求項
    4記載の変異体ケクスタチンI遺伝子。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれか一項に記載の
    遺伝子で形質転換した細胞を培養し、培養物から変異体
    ケクスタチンIを採取することを特徴とする変異体ケク
    スタチンIの製造方法。
  8. 【請求項8】 ケクスタチンを構成するアミノ酸のう
    ち、Kex2プロテアーゼ・ファミリー酵素により切断され
    る部位の周囲のアミノ酸を他のアミノ酸で置換すること
    を特徴とする変異体ケクスタチンの設計方法。
  9. 【請求項9】 置換されるアミノ酸が、切断部位からア
    ミノ末端側の1番目及び/又は2番目のアミノ酸である
    ことを特徴とする請求項8記載の変異体ケクスタチンの
    設計方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008099451A1 (ja) * 2007-02-09 2008-08-21 Central Institute For Experimental Animals 網羅的アミノ酸置換による高機能蛋白の設計方法

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WO2008099451A1 (ja) * 2007-02-09 2008-08-21 Central Institute For Experimental Animals 網羅的アミノ酸置換による高機能蛋白の設計方法

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