JPH0625289A - 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法 - Google Patents

新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法

Info

Publication number
JPH0625289A
JPH0625289A JP4297344A JP29734492A JPH0625289A JP H0625289 A JPH0625289 A JP H0625289A JP 4297344 A JP4297344 A JP 4297344A JP 29734492 A JP29734492 A JP 29734492A JP H0625289 A JPH0625289 A JP H0625289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
polypeptide
gly
glu
counted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4297344A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Morishita
下 英 昭 森
Toshiyuki Kanamori
森 利 至 金
Masahiro Nobuhara
▲原▼ 正 弘 延
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mochida Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP4297344A priority Critical patent/JPH0625289A/ja
Publication of JPH0625289A publication Critical patent/JPH0625289A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】プロテアーゼインヒビターとして、新規な阻害
活性を有する新規なポリペプチドの提供。 【構成】下記のアミノ酸配列中の(i)ないし(iii)よ
り選ばれる1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換さ
れてなるアミノ酸配列を、少なくともその一部として有
する、プロテアーゼ阻害活性、特に、FXaに対する阻
害活性の高い新規ポリペプチドとその製造方法、それを
コードする新規DNAおよびそれを用いた医薬組成物。 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys (i)N末端側より数えて15番目のGlnをGln以
外のアミノ酸に置換。 (ii)N末端側より数えて42番目のTyrをTyr以
外のアミノ酸に置換。 (iii) N末端側より数えて7番目のArgをArg以外
のアミノ酸に置換。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ポリペプチド、新
規DNA、当該新規DNAを含むベクター、当該新規ポ
リペプチドを産生する形質転換体、当該新規ポリペプチ
ドの製造方法、当該新規ポリペプチドを有効成分とする
医薬組成物および当該新規ポリペプチドを用いたプロテ
アーゼ阻害方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、生体内にはトリプシンや
キモトリプシンをはじめとして種々のプロテアーゼが存
在している。これらのプロテアーゼは、生体内において
消化、生体防御、血液の凝固線溶等重要な役割りを担っ
ている一方、これまでの研究で、疾患の直接的あるいは
間接的原因となることが明らかにされている。プロテア
ーゼの異常な活性化が原因であると考えられている代表
的な疾患としては、ショック、膵炎、播種性血管内凝固
症候群(DIC)等がある。現在、このようなプロテア
ーゼが関与する疾患の治療を目的として各種プロテアー
ゼインヒビターが使用されている。こうした疾患の治療
のための医薬品として使用されているプロテアーゼイン
ヒビターは化学合成物と天然物に大別できるが、一般的
に、化学合成物は経口投与可能な物質で、かつ、幅広い
酵素阻害スペクトラムを有する場合が多く、天然物は特
定のプロテアーゼに対する阻害活性を有し、かつ、細胞
の増殖促進活性等酵素阻害作用以外の作用をも併せ持つ
場合が多い。天然物のプロテアーゼインヒビターの阻害
スペクトラムには、その活性中心のアミノ酸の種類や配
列が深く関係する。例えば、一般に、プロテアーゼイン
ヒビターの活性中心の主要な部位である位置P1 のアミ
ノ酸がLysまたはArgである場合にはトリプシン様
の酵素が、PheまたはTyrである場合にはキモトリ
プシン様の酵素が、また、Ala、SerもしくはVa
lである場合にはエラスターゼ様の酵素が阻害される
(Laskowski M., Jr., Biochem. Pharmacol. 29巻、
2089−2094頁、1980年) 。従って、天然の
プロテアーゼインヒビターの阻害スペクトラムは、その
活性中心を構成しているアミノ酸を置換することによっ
てその阻害スペクトラムを変化させることができると推
定され、既に、いくつかの天然のプロテアーゼインイビ
ターにそのような方法が応用されている。例えば、Brin
kmann 等はアプロチニンの活性中心の位置P1 および
P'2をPhe、TyrあるいはLeuのような疎水性ア
ミノ酸に置換することによりアプロチニンのキモトリプ
シンに対する阻害活性が増強されることを報告している
(Thomas Brinkmann等、Eur J. Biochem.、202巻、9
5−99頁、1991年)。また、Fritz 等はビクニン
(HI−30)の活性中心のアミノ酸を他のアミノ酸に
置換した物質を作成し、そのエラスターゼ阻害活性およ
びトリプシン阻害活性を測定している(特開平3−25
5099号公報、1991年、ヨーロッパ公開公報、E
P401508号、1990年)。このようなアミノ酸
の置換によって生じるプロテアーゼインヒビターの性状
の変化は、酵素阻害スペクトラムばかりでなく、投与経
路、薬理作用等にも影響するもので、こうした新しい特
徴を持った各種のプロテアーゼインヒビターを治療用に
開発し、治療対象となる疾患の病態に応じてそれらを使
い分けていくことが重要と考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような新しい特徴を持ったプロテアーゼインヒビター
として新規ポリペプチドを提供することにある。本発明
の他の目的は、当該新規ポリペプチドをコードする塩基
配列を有するDNA、当該DNAを含むベクター、当該
DNAで形質転換された形質転換体および当該DNAを
含むベクターで形質転換された形質転換体および当該新
規ポリペプチドを製造する方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、当該ポリペプチドを有効成分
とする医薬組成物および当該ポリペプチドを用いたプロ
テアーゼ阻害方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、下記式1のアミノ酸配列で示され
るポリペプチドに変異を生じさせて特徴あるプロテアー
ゼインヒビターを作製すべく、鋭意、研究を重ねてき
た。式1のアミノ酸配列で示されるポリペプチドは、活
性型血液凝固第X因子(以下FXaと略す)に対する阻
害活性を有するポリペプチドとして本発明者らによって
初めて見いだされたものである(特願平03−3252
20号公報)。このポリペプチドのアミノ酸配列は、尿
中トリプシンインヒビター(UTI)もしくはビクニン
(HI−30)のアミノ酸配列の一部と一致する。しか
しながら、UTIもしくはHI−30はFXa阻害活性
をほとんど示さないのに対し、式1で示されるアミノ酸
配列のポリペプチドは顕著なFXa阻害活性を示し、こ
の点において、式1で示されるポリペプチドは、明らか
に、UTIやHI−30とは異なるものである。本発明
者らは、式1のアミノ酸配列で示されるポリペプチドを
より付加価値の高いものにすべく、鋭意、研究を重ね
た。その結果、驚くべきことに、これまでの知見からは
予想し得なかった部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換
することによって新たな特徴を持った新たなポリペプチ
ドを得ることに成功したのである。すなわち、本発明者
らは、Wachter 等やSailerが示した活性中心(Wachter
E. at al.、 Hoppe-Seyler's z. Physiol. Chem.、 36
0巻、1297−1303頁、1979年、およびJean
-Philippe Sailer, TIBS、 15巻、435−439頁、
1990年)とは異なる位置であって、これまでに置換
の効果が確かめられていない位置のアミノ酸を他のアミ
ノ酸に置換することによって新たな特徴を有する新規ポ
リペプチドを得ることに成功し、本発明を完成した。
【0005】 式1 5 10 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys 15 20 Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp 25 30 Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 35 40 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys 45 50 Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys
【0006】本発明第1の態様は、前記式1で示される
アミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に
置換されてなるアミノ酸配列を、少なくともその一部と
して有することを特徴とする新規ポリペプチドを提供す
る。
【0007】本発明第2の態様は、本発明第1の態様の
新規ポリペプチドをコードする塩基配列を有することを
特徴とする新規DNAを提供する。
【0008】本発明第3の態様は、本発明第2の態様の
新規DNAを含んでなることを特徴とするベクターを提
供する。
【0009】本発明第4の態様は、本発明第2の態様の
新規DNAによって形質転換されたことを特徴とする形
質転換体を提供する。
【0010】本発明第5の態様は、本発明第3の態様の
ベクターによって形質転換されたことを特徴とする形質
転換体を提供する。
【0011】本発明第6の態様は、下記a)〜c)の工
程を行なうことを特徴とする本発明第1の態様の新規ポ
リペプチドの製造方法を提供する。 a)本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAで宿主細胞を形質転換させて形質
転換体を得る。 c)b)で得た形質転換体を培養して本発明第1の態様
の新規ポリペプチドを産生させ、当該ポリペプチドを培
養混合物から回収する。
【0012】本発明第7の態様は、下記a)〜d)の工
程を行なうことを特徴とする本発明第1の態様の新規ポ
リペプチドの製造方法を提供する。 a)本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAを含むベクターを得る。 c)b)で得たベクターで宿主細胞を形質転換させて形
質転換体を得る。 d)c)で得た形質転換体を培養して本発明第1の態様
の新規ポリペプチドを産生させ、当該ポリペプチドを培
養混合物から回収する。
【0013】本発明第8の態様は、本発明第1の態様の
新規ポリペプチドを有効成分として含有することを特徴
とする医薬組成物を提供する。
【0014】本発明第9の態様は、本発明第1の態様の
新規ポリペプチドを用いることを特徴とするプロテアー
ゼ酵素方法を提供する。
【0015】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
第1の態様の新規ポリペプチドは、前記式1に示された
アミノ酸配列中の任意の1つ以上のアミノ酸を他のアミ
ノ酸に置換させてなるアミノ酸配列を、少なくともその
一部として有することを特徴とする。
【0016】本明細書中で「アミノ酸配列をその一部と
して有する」とは、ポリペプチドを一次配列で規定した
場合に、ポリペプチドが、当該アミノ酸配列そのもので
規定されるものであっても、当該アミノ酸配列のN末
端、C末端、もしくはその両方に任意の1つ以上のアミ
ノ酸が追加されてなるアミノ酸配列で規定されるもので
あってもよいことを意味する。ポリペプチドを規定する
一次配列以外の要素、例えば糖鎖の有無等は特に限定さ
れない。
【0017】アミノ酸の置換は、少なくとも、前記式1
のN末端側より数えて7番目の位置、15番目の位置、
もしくは42番目の位置のいずれかにおいて生じている
事がよい。すなわち、本発明第1の態様の新規ポリペプ
チドが少なくともその一部として有するアミノ酸配列
は、前記式1において、N末端側より数えて7番目のA
rgのみが他のアミノ酸に置換されているものであって
も、15番目のGlnのみが他のアミノ酸に置換されて
いるものであっても、42番目のTyrのみが他のアミ
ノ酸に置換されているのであってもよい。また、7番目
のArg、15番目のGln、42番目のTyrの2つ
以上が、同時に、それぞれ他のアミノ酸に置換されてい
るものであってもよく、これらの置換に加えて、他の1
つ以上のアミノ酸が任意のアミノ酸に置換されたもので
あってもよい。
【0018】アミノ酸の置換は、当該ポリペプチドのプ
ロテアーゼ阻害活性を変化させる、および/または、遺
伝子工学的に生産する際に生産量を上げる効果を少なく
とももたらすものがよい。より好ましくはアミノ酸の置
換は、少なくとも下記より選ばれるいずれか1つ以上の
効果をもたらすものであることがよい。 (i)当該ポリペプチドのFXaに対する阻害活性を増
強させる。 (ii)当該ポリペプチドを遺伝子工学的に産生させる際
に形質転換体からの当該ポリペプチドの分泌量を高め
る。 (iii) 当該ポリペプチドのエラスターゼに対する阻害活
性を増強させる。
【0019】前記式1において15番目の位置のGl
n、42番目の位置Tyrを他のアミノ酸に置換するこ
とは、前記式1のアミノ酸配列を有するポリペプチドの
プロテアーゼ阻害活性の内、少なくともFXa阻害活性
を変化させるために有効であり、7番目の位置のArg
を他のアミノ酸に置換することは、プロテアーゼ阻害活
性のうちでも少なくともエラスターゼ阻害活性を変化さ
せるために有効である。
【0020】また、7番目の位置のArgを他のアミノ
酸に置換することは、当該ポリペプチドを、遺伝子工学
的に産生させる際に、宿主細胞から分泌され易くするた
めに有効である。7番目の位置と15番目の位置と42
番目の位置の2つ以上を同時に置換した場合には、それ
ぞれを個別に置換した場合に生じる効果が組み合わさっ
た相加的な効果を得ることも可能である。
【0021】本発明にポリペプチドは好ましくは、前記
式1において、少なくとも下記(1)ないし(11)よ
り選ばれるいずれか1つ以上の置換が生じてなるアミノ
酸配列を少なくともその一部として有する事が好まし
い。 (1)N末端側より数えて15番目のGlnをLysに
置換。 (2)N末端側より数えて15番目のGlnをArgに
置換。 (3)N末端側より数えて42番目のTyrをGluに
置換。 (4)N末端側より数えて42番目のTyrを、Asp
に置換 (5)N末端側より数えて7番目のArgを、Gluに
置換 (6)N末端側より数えて7番目のArgを、Glnに
置換 (7)N末端側より数えて7番目のArgを、Aspに
置換 (8)N末端側より数えて7番目のArgを、Leuに
置換 (9)N末端側より数えて7番目のArgを、Asnに
置換 (10)N末端側より数えて7番目のArgを、Serに
置換 (11)N末端側より数えて7番目のArgを、Alaに
置換
【0022】以上、述べたような前記式1中の1つ以上
のアミノ酸の置換がポリペプチドの特性に与える効果
は、ポリペプチドが、前記式1のアミノ酸配列に加え、
そのN末端側、C末端側もしくはその両方に任意の1つ
以上のアミノ酸が追加されたアミノ酸配列をを有してい
る場合にも認められる。従って、本発明の新規ポリペプ
チドは、前記式1のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ
酸を他のアミノ酸に置換させてなるアミノ酸配列のN末
端、C末端もしくはその両方に任意の1つ以上のアミノ
酸がそれぞれ付加されたアミノ酸配列を、少なくともそ
の一部として有するポリペプチドであってもよい。付加
されるアミノ酸の種類およびその数は、本発明の新規ポ
リペプチドの特徴が完全には失われない範囲であれば、
特に限定されない。
【0023】N末端側に追加されるアミノ酸配列として
好ましいものは、下記(1)ないし(5)より選ばれる
アミノ酸配列である。N末端に追加されるアミノ酸配列
は、また、下記(1)ないし(5)のアミノ酸配列中の
任意の1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されて
なる配列、下記(1)ないし(5)のアミノ酸配列中の
任意の1つ以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、も
しくは、これら1つ以上のアミノ酸の置換と欠失が同時
に生じてなるアミノ酸配列であってもよい。これらの配
列は、当該新規ポリペプチドを大腸菌を使用して産生さ
せる場合に有用である。特に、下記(1)の配列は、当
該新規ポリペプチドを大腸菌を使用して分泌発現させる
際に有効である。 (1) Asp Asp Ala Ala (2) Thr Val Ala Ala (3) Val Ala Ala (4) Ala Ala (5) Ala
【0024】C末端に追加されるアミノ酸配列として好
ましいものは、下記(1)ないし(15)から選ばれるア
ミノ酸配列である。C末端に追加されるアミノ酸配列
は、また、下記式(1)ないし(15)のアミノ酸配列中
の任意の1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換した
アミノ酸配列、下記式(1)ないし(15)のアミノ酸配列
中の任意の1つ以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、もしくはこれら1つ以上のアミノ酸の置換と欠失が
同時に生じてなるアミノ酸配列であってもよい。これら
の配列は、当該新規ポリペプチドを大腸菌で産生させる
際に有用である。 (1)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
Arg Phe Ser Asn (2)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
Arg Phe Ser (3)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
Arg Phe (4)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
Arg (5)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu (6)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu (7)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu (8)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu (9)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp (10)Gly Val Pro Gly Asp Gly (11)Gly Val Pro Gly Asp (12)Gly Val Pro Gly (13)Gly Val Pro (14)Gly Val (15)Gly
【0025】もちろん、これらの好ましい配列は、それ
ぞれN末端のみに追加されてもC末端のみに追加されて
も、N末端、C末端の両方に追加されてもよい。配列表
の配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、
18、20、22、24、26、28、29、30、3
1に本発明第1の態様の新規ポリペプチドのより好まし
いアミノ酸配列を示した。
【0026】本発明の新規ポリペプチドには糖鎖を有し
ているものおよび糖鎖を有していないもの、いずれもが
含まれる。また、近年の技術は、ポリペプチドにアルキ
ル化、酸化、還元、加水分解等種々の化学修飾を施すこ
とを可能にした。また、薬理学上許容される酸や塩基と
の塩を形成させたり、DDS(Drug Deliverly System)
の点からポリペプチドにポリエチレングリコール等を結
合させることも一般的に行われる技術である。従って、
本発明の新規ポリペプチドにはこれらの修飾が施された
ポリペプチドも包含される。
【0027】本発明第1の態様の新規ポリペプチドは、
好ましくは、その特徴の1つとして、少なくともプロテ
アーゼ阻害活性を有するのがよい。プロテアーゼ阻害活
性は、好ましくは、少なくともFXa、エラスターゼ、
トリプシンのいずれか1つ以上に対する阻害活性がよ
い。
【0028】本発明の新規ポリペプチドは、いかなる方
法で得られたものであってもよい。例えば、本発明の新
規ポリペプチドは、ペプチド合成機(例えば、アプライ
ドバイオシステムズ社製、431型)を用いて化学合成
されたものであってもよい。また、本発明の新規ポリペ
プチドをコードするDNAを用い、公知の組み換えDN
A技術(例えば、T. Maniatis 等編、Molecular Clonin
g, a laboratory manual, 1982年, Cold Spring Harbor
Laboratory 参照)によって製造されたものであっても
よい。なお、組み換えDNA技術による本発明の新規ポ
リペプチドの製造方法の好ましい例は、本発明第6、7
の態様で説明する。
【0029】次に、本発明第2の態様の新規DNAを説
明する。本発明の新規DNAは、本発明第1の態様の新
規ポリペプチドをコードする塩基配列を、少なくともそ
の一部として有するDNAである。すなわち、本発明の
DNAは、前記式1のアミノ酸配列中の1つ以上のアミ
ノ酸を他のアミノ酸に置換させてなるアミノ酸配列を、
少なくとも、その一部として有するポリペプチドをコー
ドする塩基配列を有することを特徴とする新規DNAで
ある。本明細書中「塩基配列を少なくともその一部とし
て有するDNA」とは、DNAが、当該塩基配列そのも
ので規定されるものであっても、当該塩基配列の5’末
端、3’末端、もしくはその両方に、任意の1つ以上の
塩基が追加されてなる塩基配列で規定されるものであっ
てもよいことを意味する。本発明の新規DNAは、適当
な方法により適当な宿主細胞に当該DNAを導入して、
宿主細胞を形質転換させた時、その形質転換された宿主
細胞において本発明第1の態様の新規ポリペプチドが産
生され得るようなDNAであれば、いかなる塩基配列を
有するDNAであってもよい。周知のように、1アミノ
酸に対応するコドンが複数個存在することを考慮する
と、本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする
塩基配列は一種類のみに限定されず、従って、本発明の
新規DNAの塩基配列も一種類のみに限定されない。し
かしながら、前記式1に記載のアミノ酸配列をコードす
る塩基配列は、好ましくは、下記式2に記載の塩基配列
であることがよい。従って、本発明のDNAは、本発明
第1の態様の新規ポリペプチドをコードする塩基配列で
あって、下記式2に記載の塩基配列のうちの1以上の塩
基がアデニン(A)、グアニン(G)、チミジン
(T)、シトシン(C)より選ばれる他の塩基に置換さ
れてなる塩基配列を、少なくともその一部として有して
いるものであることが好ましい。
【0030】 式2 1 10 20 30 TGC AAT CTC CCC ATA GTC CGG GGC CCC TGC 40 50 60 CGA GCC TTC ATC CAG CTC TGG GCA TTT GAT 70 80 90 GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 100 110 120 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG 130 140 150 TTC TAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA GAG TAC TGC 前記式2における塩基の置換は、本発明第1の態様のポ
リペプチドが有するアミノ酸配列を考慮すると、少なく
とも、前記式2の5’末端側より数えて19番目から2
1番目の塩基配列、43番目から45番目の塩基配列、
124番目から126番目の塩基配列のうち、いずれか
に対して生じている事がよい。すなわち、本発明第2の
態様の新規DNAが少なくともその一部として有する塩
基配列は、前記式2において、5’末端側より数えて1
9番目から21番目の塩基配列CGGのみが他の塩基配
列に置換されているものであっても、43番目から45
番目の塩基配列CAGのみが他の塩基配列に置換されて
いるものであっても、124番目から126番目の塩基
配列TACのみが他の塩基配列に置換されているもので
あってもよい。また、これら塩基配列のうち2つ以上が
同時に他の塩基配列に置換されているものであってもよ
い。さらに、これらの塩基配列の置換に加え、他の1つ
以上の塩基が任意の塩基に置換されているものであって
もよい。
【0031】上記19番目から21番目の塩基配列CG
GはArgをコードする塩基配列であるが、この塩基配
列は、好ましくは、Glu、Gln、Asp、Leu、
Asn、Ser、Alaのいずれかをコードするような
任意の塩基配列に置換されていることがよい。上記43
番目から45番目の塩基配列CAGはGlnをコードす
る塩基配列であるが、この塩基配列は、好ましくはLy
sもしくはArgをコードするような任意の塩基配列に
置換される事がよい。また、上記124番目から126
番目の塩基配列TACはTyrをコードする塩基配列で
あるが、この塩基配列は、GluもしくはAspをコー
ドするような任意の塩基配列に置換される事が好まし
い。
【0032】本発明の第2の態様の新規DNAは、より
好ましくは、前記式2において、少なくとも下記(1)
ないし(11)より選ばれるいずれか1つ以上の置換が
生じてなる塩基配列を少なくともその一部として有する
事が好ましい。 (1)5’末端側より数えて43から45番目の塩基配
列CAGを、AAGをコードする塩基配列に置換。 (2)5’末端側より数えて43から45番目の塩基配
列CAGを、CGTをコードする塩基配列に置換。 (3)5’末端側より数えて124から126番目の塩
基配列TACを、GAAをコードする塩基配列に置換。 (4)5’末端側より数えて124から126番目の塩
基配列TACを、GACをコードする塩基配列に置換。 (5)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、GAAをコードする塩基配列に置換。 (6)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、CAGをコードする塩基配列に置換。 (7)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、GATをコードする塩基配列に置換。 (8)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、CTGをコードする塩基配列に置換。 (9)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、AACをコードする塩基配列に置換。 (10)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、AGCをコードする塩基配列に置換。 (11)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
列CGGを、GCGをコードする塩基配列に置換。
【0033】本発明のDNAは、前記式2の塩基配列中
の任意の1つ以上の塩基に置換が生じてなる塩基配列に
加え、その5’末端、3’末端もしくはその両方に任意
の1つ以上の塩基が追加された塩基配列を、少なくとも
その一部として有するDNAであってもよい。最終的に
得られたDNAが、本発明第1の態様のポリペプチドを
コードする塩基配列を有する限りにおいて、追加される
塩基の種類および数は、いかなるものであってもよい。
例えば、開始コドン、プロモーター、リボゾーム結合部
位、シグナルペプチドをコードする配列が5’末端に追
加されていてもよく、また、終止コドンが3’末端に追
加されていてもよい。さらに、適当な制限酵素により認
識される配列が5’末端および/または3’末端に追加
されていてもよく、また、本発明第1の態様の新規ポリ
ペプチドを他のポリペプチドとの融合蛋白質として産生
させること等を目的として5’末端および/または3’
末端に他のポリペプチドをコードする塩基配列が追加さ
れていてもよい。5’末端に追加される塩基配列として
好ましい配列は、下記(1)ないし(5)に記載の塩基
配列である。5’末端に追加される塩基配列の好ましい
例は、本発明第1の態様のポリペプチドの説明の欄で、
「N末端に追加される好ましいアミノ酸配列」として示
したアミノ酸配列もしくは該アミノ酸配列に置いて1つ
以上のアミノ酸の欠矢や置換が生じたアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列である。当該塩基配列はこれらのアミ
ノ酸配列をコードするものであればいかなる塩基配列で
もよいが、具体的には下記(1)ないし(5)より選ば
れるいずれかの塩基配列が好ましい。
【0034】(1) GAC GAC GCC GCC (2) ACC GTC GCC GCC (3) GTC GCC GCC (4) GCC GCC (5) GCC
【0035】また、3’末端に追加される塩基配列とし
て好ましい例は、本発明第1の態様のポリペプチドの説
明の欄で、「C末端に追加される好ましいアミノ酸配
列」として示したアミノ酸配列、もしくは該アミノ酸配
列において1つ以上のアミノ酸の欠失や置換が生じたア
ミノ酸配列をコードする塩基配列である。当該塩基配列
は、これらのアミノ酸配列をコードするものであればい
かなる塩基配列であってもよいが、具体的には下記
(1)ないし(15)より選ばれるいずれかの塩基配列
が好ましい。
【0036】(1) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GA
G GAG CTG CTG CGC TTC TCC AAC (2) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
G CGC TTC TCC (3) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
G CGC TTC (4) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
G CGC (5) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
G (6) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG (7) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG (8) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG (9) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT (10) GGT GTC CCT GGT GAT GGT (11) GGT GTC CCT GGT GAT (12) GGT GTC CCT GGT (13) GGT GTC CCT (14) GGT GTC (15) GGT
【0037】もちろん、これらの好ましい配列は、5’
未満のみに追加されても3’未満のみに追加されても、
5’末端と3’末端の両方に塚されてもよい。なお、配
列表の配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19、21、23、24、25および27、
32、33、34に本発明第2の態様の新規DNAのよ
り好ましい塩基配列を示した。
【0038】本発明の新規DNAは、いかなる方法で得
られたものであってもよい。例えば、化学的に合成され
たものであってもよく、また、組換えDNAの技術によ
って調製されたものであってもよい。本発明の新規DN
Aを化学合成するには、例えば、次のように行なう。す
なわち、所望の塩基配列を適当な断片に分割して設計
し、それらに相当するオリゴマーを全自動DNA化学合
成機(例えば、394型、アプライドバイオシステムズ
社製)を用いて化学合成する。必要があれば、T4ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて得られたDNAオリゴマ
ーの5’末端をリン酸化処理した後、アニーリングさせ
る。ついで、必要があれば、アニーリングさせた各断片
をT4DNAリガーゼを用いて結合させた後、適当なベ
クターにクローン化する。一方、本発明の新規DNAを
組換えDNA技術を用いて作製するには、例えば、適当
なcDNAライブラリー、染色体DNAライブラリーま
たは前記式1のアミノ酸配列をコードするDNAを材料
に、部位特異的突然変異誘発(Site-directed mutagenes
is) 法(例えばKramer. W 等、Nucleic Acid Res. 、1
2巻、9441ー9456頁、1984年あるいはKunk
el, T.A.等、Methods in Enzymology 、154巻、36
7ー382頁、1987年参照)やポリメラーゼチェイ
ンリアクション(Polymerase Chain Reaction、PCR)
法(例えばPCR Protocols, aguide to methods and app
lications, Michakl A.I 等編、1990年、Academic
Press)等の公知の方法で、塩基配列の改変とDNAの
増幅を行えばよい。ここで用いるDNAライブラリー
は、市販のcDNAライブラリー、染色体DNAライブ
ラリー等から適当なものを選択すればよい。また、公知
の方法(例えばMolecular Cloning 、a laboratory man
ual 、T.Maniatis等編、Cold SpringHarbor Laboratory
、1982年)に準じて、適当な組織あるいは細胞から、
cDNAライブラリーまたは染色体ライブラリーを作成
して、使用してもよい。また、前記式1のアミノ酸配列
をコードするDNAは、化学合成されたものであって
も、ハイブリダーゼーション法(例えば、Wallace R.
B. 等、Nucleic Acid Res.、9巻、879−894頁、
1981年参照)等の公知の組換えDNAの技術を適宜
使用して、適当なDNAライブラリーから得られたもの
であってもよい。
【0039】本発明の新規DNAの開示により、それに
相補的配列を有するDNAやRNAを得ることもでき
る。本発明の新規DNAには、これら相補的配列を有す
るDNAやRNAと結合していてもよい。
【0040】本発明第3の態様は、本発明第2の態様の
新規DNAを含むことを特徴とするベクターである。本
発明のベクターは、本発明の第2の態様のDNAととも
に、必要ならば、適当なプロモーター、リボゾーム結合
部位、シグナルペプチドをコードする配列、選択マーカ
ーとなる配列、遺伝子のコピー数の増幅を目的として使
用される配列等の塩基配列を含むものであってもよい。
また、本発明のベクターは、いかなる目的に使用される
ベクターであってもよい。例えば発現ベクターとして使
用されるものであっても、クローニングベクターとして
使用されるものであってもよい。発現に使用されるベク
ターは、通常、プロモーターや任意のリボソーム結合部
位等発現に必要な配列を有しており、これら発現に必要
な配列は、当該ベクターで形質転換させる宿主細胞で機
能し得る配列が使用される。また、ポリペプチドを発現
させ、形質転換体外に分泌させる事を目的とする場合に
は通常、発現に必要な塩基配列の他に、シグナルペプチ
ドをコードする塩基配列を有するベクターが使用され
る。従って、本発明第3の態様のベクターを発現様ベク
ターとして使用する場合には、本発明第2の態様のDN
Aに加えて、これら発現に必要な塩基配列、また、必要
があれば、シグナルペプチドをコードする塩基配列をも
併せ持つベクターがよい。
【0041】本発明第3の態様のベクターを得るには、
市販もしくは公知の適当なベクターに公知方法(例えば
Molecular Cloning, a laboratory manual, T. Maniati
s 等編、Cold Spring Harbor Laboratory, 1982)に準じ
て本発明第2の態様のDNAを組み込めばよい。本発明
第2の態様のDNAを組み込むためのベクターの由来
は、特に限定されず、ウイルスベクター、プラスミドベ
クター、ファージベクター等より適宜選んで使用すれば
よい。このようなベクターの例としては、pUC11
8、pBR322、pEFN−BOS、λgt10、p
KK223−3、YAC、バキュロウィルスベクター等
がある。必要があれば、リボゾーム結合部位や選択マー
カーとなる配列等、所望の塩基配列を、化学合成し、本
発明第2の態様のDNAとともに組み込んでもよい。も
しくは、これら所望のベクターを予め含有する市販のベ
クターを選択し、これに本発明第2の態様のDNAを組
み込んでもよい。本発明のベクターであってより好まし
いものは、プラスミドベクターであって、少なくともト
リプトファンプロモーター、カナマイシン耐性遺伝子も
しくはアンピシリン耐性遺伝子、本発明第2の態様のD
NAを有するベクターである。
【0042】本発明第4の態様は、本発明第2の態様の
新規DNAによって形質転換された形質転換体である。
本発明第4の態様の形質転換体は、本発明第1の態様の
新規ポリペプチドを産生するものが好ましい。当該形質
転換体は、産生された新規ポリペプチドを体内に蓄積す
るものであっても、体外に分泌する形質転換体であって
もよい。
【0043】本発明第4の態様の形質転換体は、塩化カ
ルシウム法、リン酸カルシウム−DNA複合体を用いる
方法、マイクロインジェクション法、電気パルスによる
穿孔法等の公知の方法によって、適当な宿主細胞に本発
明第2の態様の新規DNAを導入することにより、作成
することができる。なお、ここで用いる本発明第2の態
様の新規DNAは、本発明第1の態様の新規ポリペプチ
ドをコードする塩基配列に加え、プロモーターやリボゾ
ーム結合部位等、本発明第1の態様の新規ポリペプチド
の発現に必要な塩基配列を有するものが好ましい。必要
があれば、これら発現に必要な塩基配列に加えシグナル
ペプチドをコードする塩基配列をも有していてもよい。
上記プロモーター、リボゾーム結合部位、シグナルペプ
チドをコードする塩基配列等は、使用する宿主内で機能
する配列であればいかなるものであってもよい。
【0044】本発明第2の態様の新規DNAを導入する
宿主細胞は、本発明第1の態様の新規ポリペプチドの発
現に適した細胞であれば、HeLa細胞、Namalw
a細胞、COS細胞、CHO細胞、酵母、SF細胞等に
代表される真核生物細胞であっても、また、大腸菌、枯
草菌等に代表される原核生物細胞であってもよい。これ
らの細胞から適当な細胞を選択し、宿主細胞として使用
すればよい。
【0045】本発明第5の態様は、本発明第3の態様の
ベクターによって形質転換された形質転換体である。本
発明の形質転換体は、本発明の新規ポリペプチドを産生
するものが好ましい。当該形質転換体は、産生された新
規ポリペプチドを、体内に蓄積するものであっても、体
外に分泌するものであってもよい。本発明第5の態様の
形質転換体は、塩化カルシウム法、塩化ルビジウム法、
ハナハン(Hanahan) の方法(Hanahan, D著、Techniques
for Transformation of E, coli. In: DNA cloning, v
ol 1, Glover, D. M. (ed.),109−136頁、IRL Pr
ess 、1985年)等の公知方法に従い、本発明第3の
態様のベクターで適当な宿主を形質転換することにより
得られる。本発明第3の態様のベクターを導入する宿主
細胞は、本発明第1の態様の新規ポリペプチドの発現に
適した細胞であれば、HeLa細胞、Namalwa細
胞、COS細胞、CHO細胞、酵母、SF細胞等に代表
される真核生物細胞であっても、また、大腸菌、枯草菌
等に代表される原核生物細胞であってもよい。
【0046】周知のように、宿主細胞とベクターとは、
互いに機能し合うので、それを考慮し、ベクターの由
来、ベクター中の発現に必要な配列、宿主細胞を本発明
第1の態様の新規ポリペプチドを発現しうるように組合
わせて用い、本発明の形質転換体を得ることが好まし
い。
【0047】発現用ベクタ−と宿主細胞の組み合わせの
具体的例を挙げると、シミアンウイルス40(SV4
0)の初期プロモーターを含有する発現用ベクターとC
OS−7細胞の組み合わせ、プラスミドpBR322由
来であってトリプトファンプロモーターとトリプトファ
ンSD配列をコ−ドする塩基配列を含有する発現用ベク
ターと大腸菌HB101株との組み合わせ等がある。
【0048】なお、本発明者等は、後に実施例で詳述す
る本発明第3の態様のベクターにて形質転換された、大
腸菌JE5505株を、茨城県筑波郡谷田部町東1丁目
1番3号にある通産省工業技術院微生物工業技術研究
所、特許微生物寄託センターに寄託している。以下に微
生物を識別するための名称と寄託番号を示す。 寄託日 寄託番号 微生物の表示 平成02年09月11日 微工研菌寄第11726 号 大腸菌JE5505(pM552) (FERM P-11726) 平成03年09月10日 微工研条寄第3561号 (原寄託より移管) (FERM BP-3561) 平成03年07月16日 微工研菌寄第12357 号 大腸菌JE5505(pM575B) (FERM P-12357) 平成03年10月17日 微工研条寄第3613号 (原寄託より移管) (FERM BP-3613) 平成03年07月16日 微工研菌寄第12358 号 大腸菌JE5505(pM576) (FERM P-12358) 平成03年10月17日 微工研条寄第3614号 (原寄託より移管) (FERM BP-3614) 平成04年05月01日 微工研菌寄第12945 号 大腸菌JE5505(pM735) (FERM P-12945) 平成04年05月01日 微工研菌寄第12946 号 大腸菌JE5505(pM736) (FERM P-12946) 平成04年10月21日 微工研条寄第4041号 大腸菌JE5505(pM741) (FERM BP-4041)
【0049】本発明第6の態様および第7の態様は、い
ずれも、組換えDNA技術を使用した、本発明第1の態
様の新規ポリペプチドの製造方法である。まず、本発明
第6の態様について説明する。本発明第6の態様の製造
方法は、下記a)〜c)の工程を行なうことを特徴とす
る、本発明第1の態様の新規ポリペプチドの製造方法で
ある。 a)本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAで宿主細胞を形質転換させて形質
転換体を得る。 c)b)で得た形質転換体を培養して本発明第1の態様
のポリペプチドを産生させ、当該ポリペプチドを培養混
合物から回収する。
【0050】上記a)の、本発明第1の態様の新規ポリ
ペプチドをコードする塩基配列を有するDNAとは、好
ましくは本発明第2の態様のDNAである。なかでも、
本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする塩基
配列に加えて、発現に必要な塩基配列を、また、必要が
あれば、それらに加え、シグナルペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAが好ましい。上記b)の形質転
換体は、好ましくは、本発明第4の態様の形質転換体で
ある。当該形質転換体の作製方法は、公知の方法に従え
ば良く、その詳細は本発明第4の態様で述べたとおりで
ある。上記c)の工程では、b)で得られた形質転換体
を使用する。当該形質転換体の培養は、微生物あるいは
動物細胞を培養するのに用いられる一般的な方法、すな
わち、「生物化学工学」(合葉修一等著、1976年、
東京大学出版会)あるいは「組織培養」(中井準之助等
編、1976年、朝倉書店)等に記載された方法に準じ
て行なえばよい。続いて、当該形質転換体の培養混合物
から、形質転換体によって産生された本発明第1の態様
のポリペプチドを回収する。なお、産生されたポリペプ
チドが形質転換体の体外に分泌されない場合は当該形質
転換体から、また、分泌される場合はその培養上清中か
ら単離することが好ましい。本発明第1の態様の新規ポ
リペプチドを含む培養混合物からの当該新規ポリペプチ
ドの精製、回収は、通常、ポリペプチドの精製のために
用いられている手段、例えば、「生化学実験講座1タン
パク質の化学」(日本生化学会編、1976年、東京化
学同人)等の多くの文献や成書に記載された方法を参考
にして実施すればよい。本発明のポリペプチドが、形質
転換体内でインクルージョンボディ(inclusion body
)となっている場合には、精製の際に、可溶化、デネ
イチャーおよびリフォールディングを行うのが好ましい
(例えば、Thomas E. Creighton, J. Mol. Biol.、87
巻、563−577頁、1974年)。ポリペプチドの
精製法の一例を挙げると、塩析法、限外濾過法、等電点
沈澱法、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー、
疎水性クロマトグラフィーや抗体クロマトグラフィー等
の各種アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフ
ォ−カシング法、吸着クロマトグラフィーおよび逆相ク
ロマトグラフィー等があるので、これらの中から、本発
明第1の態様の新規ポリペプチドを得ることが好適な方
法を適宜選択し、必要により、HPLCシステム等を使
用して適当な順序で行なえばよい。
【0051】次に、本発明第7の態様の製造方法を説明
する。本発明第7の態様の製造方法は、下記a)〜d)
の工程を行なうことを特徴とする本発明第1の態様の新
規ポリペプチドの製造方法である。 a)本発明第1の態様の新規ポリペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAを含むベクターを得る。 c)b)で得たベクターで宿主細胞を形質転換させて形
質転換体を得る。 d)c)で得た形質転換体を培養して本発明第1の態様
のポリペプチドを産生させ、当該ポリペプチドを培養混
合物から回収する。
【0052】上記a)の、本発明第1の態様の新規ポリ
ペプチドをコードする塩基配列を有するDNAとは、好
ましくは、本発明第2の態様のDNAである。上記b)
のベクターとは、好ましくは、本発明第3の態様のベク
ターである。なかでも、本発明第1の態様のポリペプチ
ドをコードする塩基配列に加えて、発現に必要な塩基配
列、また、必要があれば、それらに加え、シグナルペプ
チドをコードする塩基配列を有するベクターが好まし
い。当該ベクターの作製は、公知方法に従って行えば良
く、その詳細は、本発明第3の態様で説明した通りであ
る。上記c)の形質転換体は、好ましくは、本発明第5
の態様の形質転換体である当該形質転換体の作成は、公
知の方法に従って行えば良く、その詳細は、本発明第五
の態様で説明した通りである。上記d)の工程では、
c)で得られた形質転換体を使用する。当該形質転換体
の培養、および培養混合物からの本発明の新規ポリペプ
チドの回収、精製方法は、本発明第6の態様で説明した
通りである。
【0053】以上が、本発明第6の態様および第7の態
様のポリペプチドの製造方法であるが、これらの方法を
実施するに際し、本発明第1の態様の新規ポリペプチド
をコードする塩基配列を有するDNAとして、本発明第
1の態様のポリペプチドをコードする塩基配列と、他の
ポリペプチド(例えば大腸菌βガラクトシダーゼ)もし
くは、その一部をコードする塩基配列とが融合した塩基
配列を有するDNAを使用しても良い。このような場
合、当該DNAもしくはそれを含むベクターで形質転換
された形質転換体によって産生されるポリペプチドは、
本発明の新規ポリペプチドと他のポリペプチド(例えば
大腸菌βガラクトシダーゼ)との融合ポリペプチドとな
る。その場合は、当該融合ポリペプチドを回収した後、
適当な化学物質や酵素等で処理して他のポリペプチド部
分を切断、除去し、必要があれば、さらに精製を行って
本発明第1の態様の新規ポリペプチドを得ることも可能
である。
【0054】次に、本発明第8の態様の医薬組成物につ
いて説明する。本発明が提供する医薬組成物は、本発明
第1の態様の新規ポリペプチドを有効成分として含有す
る。含有されるポリペプチドは、本発明第1の態様の新
規ポリペチドであれば、一種類であっても、複数種類で
あってもよい。本発明第8の態様の医薬組成物は、本発
明第1の態様の新規ポリペプチド(例えば、凍結乾燥や
除菌濾過等の製剤学的に必要な工程で処理されたもの)
のみで構成されていても、充分医薬品としての効果を医
療の分野に提供することができるが、上記のポリペプチ
ドに加えて、製剤学的に許容され得る量で製剤学的に許
容されうる補助成分を含んでいてもよい。本発明の医薬
組成物中に含有され得る補助成分とは、基剤、安定化
剤、防腐剤、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、溶解剤、溶解
補助剤、滑沢剤、矯味剤、着色剤、芳香剤、無痛化剤、
賦形剤、結合剤、粘稠剤、緩衝剤等のことであり、具体
的には、炭酸カルシウム、乳糖、庶糖、ソルビット、マ
ンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロース誘
導体、ゼラチン、カカオ脂、注射用蒸留水、塩化ナトリ
ウム水溶液、リンゲル溶液、グルコース溶液、ヒト血清
アルブミン(HSA)等である。なかでもゼラチン、ア
ルブミンは、蛋白質の安定化剤として有用である。本発
明の医薬組成物に使用する補助成分の選択に際しては、
医薬品添加物一覧表(財団法人東京医薬品工業協会薬事
法規委員会および大阪医薬品協会薬事法規研究委員会発
行)を参考にすることができ、医薬組成物の薬剤形態等
に応じて、適宜決定すればよい。
【0055】本発明の医薬組成物の剤型は、使用方法に
応じた形態であれば特に限定されない。一般には、医薬
組成物の剤型は、注射剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆
粒剤、坐剤、溶液、懸濁液、乳濁液、散剤、軟膏、クリ
ーム、ゲル、パップ剤、ローション等があり、本発明の
医薬組成物はその何れの形態を取ることも可能である。
本発明の医薬組成物の投与量は、有効成分含有量、治療
を受ける患者の状態、年齢、性別、体重等に応じ、適宜
選択される。その投与量の好ましい一例は、有効成分量
で、0.1mg〜1000mg/kgであり、より好ま
しくは、0.2mg〜50mg/kgである。さらに好
ましくは0.2mg〜20mg/kg がよい。また、本発明の
医薬組成物は、患者の状態に応じて、経口投与、筋肉内
投与、腹腔内投与、皮内投与、皮下投与、静脈内投与、
動脈内投与、直腸内投与、膣内投与、さらにはエアゾー
ルとして気道吸入する、口腔内で溶解させる、経皮的に
吸収させる、経粘膜的に吸収させる等、様々な投与方法
にて使用され得るが、静脈内に投与する方法にて使用さ
れることが好ましい。
【0056】本発明の医薬組成物は、好ましくは侵襲、
多臓器不全、ショック、膵炎、播種性血管内凝固症候
群、虚血性心疾患、腎炎、肝硬変、血行再建術時の再閉
塞、血管透過性の昂進による浮腫、成人呼吸困難症候
群、慢性関節リウマチ、関節炎、アレルギー等の疾患の
予防および/または治療に使用されるのがよい。また、
本発明の医薬組成物は、特定の疾患に限らず、血液凝固
阻害剤として使用されることも好ましく、人体に直接投
与される他にも、人口血管、人口臓器、カテーテル等の
医療用器材の表面に、架橋剤等を用いて、結合、吸着さ
せ、血液凝固を防ぐ目的で使用してもよい。
【0057】次に、本発明第9の態様を説明する。本発
明第9の態様のプロテアーゼ阻害方法は、本発明第1の
態様の新規ポリペプチドを用いることを特徴とするプロ
テアーゼ阻害方法である。本発明のプロテアーゼ阻害方
法は、具体的には本発明第1の態様の新規ポリペプチド
を酵素と反応させることにより、プロテアーゼの活性を
阻害する方法である。
【0058】本発明の酵素阻害方法で、阻害の対象とな
るプロテアーゼは1種のみであっても、複数種類であっ
てもよい。当該阻害の対象となるプロテアーゼは本発明
第1の態様の新規ポリペプチドが阻害し得るプロテアー
ゼであれば、いかなるプロテアーゼであってもよい。し
かしながら当該阻害の対象となるプロテアーゼは、好ま
しくは、少なくともトリプシンFXaエラスターゼのい
ずれか1つ以上であるのがよい。
【0059】当該方法は、プロテアーゼと本発明第1の
態様の新規ポリペプチドを適当な条件下、例えば、適当
な温度、適当なpH、適当な時間にて反応させることに
より、プロテアーゼの活性を阻害する方法であって、反
応は、試験管内等のin vitroで行なっても、動物体内
(in vivo 、ex vivo)で行なってもよい。また、必要に
応じて本発明第1の態様のポリペプチドの他に、他の物
質や薬剤を加えて反応を行ってもよい。当該プロテアー
ゼ阻害方法で用いる新規ポリペプチドは、補助成分等を
含む組成物の形態でもよい。
【0060】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を一層具体的に
説明するが、これらは一例として示すものであり、本発
明はこれらによって、何等、限定されるものではない。
なお、以下の記載において用いる略号は、当該分野にお
ける慣用略号に基づくものである。また、実施例中の諸
操作は、下記の雑誌、成書を参考として実施した。
【0061】1.ラボマニュアル遺伝子工学、村松正實
著、1989年、丸善株式会社 2.遺伝子操作実験法、高木康敬編著、1980年、講
談社 3.遺伝子操作マニュアル、高木康敬編著、1982
年、講談社 4.Molecular Cloning, a laboratory manual、T. Man
iatis 等編、1982年、Cold Spring Harbor Laborat
ory 5.Methods in Enzymology 、65巻、L. Grossman 等
編、1980年、Academic Press 6.Methods in Enzymology 、68巻、R. Wu 編、19
79年、Academic Press 7.PCR Protocols 、a guide to methods and applica
tions 、Michadel A. I 等編、1990年、Academic P
ress 8.Molecular Cloning, a laboratory manual、Second
editionT. Maniatis 等編、1989年、Cold Spring
Harbor Laboratory
【0062】実施例1.プラスミドpM469の調製 プラスミドpM463を用いて、実施例2で発現用ベク
ターとして用いるプラスミドpM469を以下の方法で
調製した。なお、プラスミドpM463は、プラスミド
pBR322の誘導体であり、大腸菌内にて複製するた
めの配列、アンピシリン耐性遺伝子、トリプトファンプ
ロモーター、アルカリフォスファターゼのシグナルペプ
チドをコードする塩基配列およびヒト膵分泌性トリプシ
ンインヒビター(以下、PSTIと略す)をコードする
塩基配列を有するプラスミドである(Kanamori T. 等、
Gene 、66巻、295−300頁、1988年)。プラ
スミドpM463を制限酵素HindIII およびNru
Iを用いて二重消化し、得られたDNA断片の混合物を
0.7%アガロースゲル電気泳動に供した。電気泳動に
て分離されたサイズ約3.4kbのDNA断片をジエチ
ルアミノエチルセルロ−ス紙(以後、DEAEセルロー
ス紙と略す)に吸着させた後、高濃度塩溶液(2MNa
Cl/10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)/1m
MEDTA)を用いて抽出し、サイズ約3.4kbのD
NA断片を回収した。
【0063】一方、SD配列、大腸菌アルカリフォスフ
ァターゼシグナルペプチドをコードする塩基配列および
PSTIのN末端側のアミノ酸配列の一部をコードする
塩基配列からなるリンカーを6つの断片に分割して設計
し、各断片を化学合成機(381A、アプライドバイオ
システムズ社製)を用いて合成した(図1)。ATPの
存在下に、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造株式
会社)を用いて、これら6つのオリゴヌクレオチドのう
ちS34、S35、S18およびS19の5’末端をリ
ン酸化した。S33とリン酸化S34、リン酸化S35
とリン酸化S18、およびリン酸化S19とS20を、
おのおのアニーリングさせた後、T4DNAリガーゼ
(宝酒造株式会社製)を用いてライゲーションした。こ
れを8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、サイ
ズ約100bpのDNA断片(リンカー1)を分離、抽
出し、フェノール処理/エタノール沈澱にて精製した。
得られたサイズ約100bpのDNA断片と前述のサイ
ズ約3.4kbのDNA断片とをライゲーションした。
これで大腸菌HB101株を形質転換させ、所望の形質
転換体としてアンピシリン耐性コロニーを分離した。得
られた形質転換体からプラスミドDNAを分離し、プラ
スミドpM468と命名した(図2参照)。
【0064】プラスミドpM468を、制限酵素Eco
RIおよびDraIで二重消化し、前述の方法と同様
に、DEAEセルロース紙を用いてサイズ約2.4kb
のDNA断片を分離、回収した。一方、カナマイシン耐
性遺伝子(Kmr )を有するプラスミドpKC7(Ngar
ajarao R. 等、Gene、 7巻、79−82頁、1979
年)を制限酵素EcoRIおよびSmaIで二重消化
し、カナマイシン耐性遺伝子を含むサイズ約1.4kb
のDNA断片を調製した。これと前述のサイズ約2.4
kbのDNA断片とをライゲーションした。これで大腸
菌HB101株を形質転換させ、所望の形質転換体とし
て、カナマイシン耐性コロニーを分離した。得られた形
質転換体からプラスミドDNAを分離し、プラスミドp
M469と命名した(図3参照)。
【0065】実施例2.ポリペプチドY46Eの製造 前記式1のN末端側より数えて42番目のTyrがGl
uに置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、Y
46Eを以下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニング プラスミドpM552(特願平3−325220号公報
参照)を用いて、部位特異的突然変異誘発法(Site-dire
cted mutagenesis) (Kunkel T. A.等、Methods in Enz
ymology 、154巻、367頁、1987年参照)によ
り、Y46EをコードするDNAを以下の方法で調製し
た。なお、プラスミドpM552は、下記式3のアミノ
酸配列で示されるポリペプチドTN70をコードする塩
基配列、すなわち、下記式4の塩基配列で示されるDN
A(TN70 DNA)を、プラスミドpM469に組
み込んで構築したプラスミドであり、トリプトファンプ
ロモーター、アルカリフォスファターゼシグナルペプチ
ドをコードする塩基配列およびカナマイシン耐性遺伝子
を有するプラスミドである(図4参照)。
【0066】 式3 Thr Val Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn
【0067】 式4 ACC GTC GCC GCC TGC AAT CTC CCC ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CAG CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC TAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC TTC TCC AAC
【0068】プラスミドpM552を制限酵素Hind
III およびBamHIで二重消化した後、1%アガロー
スゲル電気泳動に供した。前記式4に示した塩基配列を
含むサイズ約310bpのDNA断片をアガロースゲル
より抽出し、フェノール処理/エタノール沈澱にて精製
した。一方、ファージベクターM13mp18をHin
dIII およびBamHIで二重消化した後、T4DNA
リガーゼ(既出)を用いて、前述のサイズ約310bp
のDNA断片とライゲーションした。これを大腸菌株J
M109にトランスフェクションして、M13ファージ
を得た。次に、ミュータン(Mutan TM )-Kキット(宝酒
造株式会社)を用いて、その使用説明書に従って、部位
特異的突然変異の導入を行なった。すなわち、大腸菌株
BW313(HfrKL16PO/45[lysA(6
1−62)],dut1,ung1, thi−1,re
lA1)を指示菌として、得られたM13ファージを感
染させ、ファージプラークを形成させた。シングルプラ
ークを、BW313を指示菌として感染させ、2×YT
培地で37℃で6時間培養後、ssDNA(Single Str
anded DNA )をフェノール処理/エタノール沈澱にて精
製した。一方、変異導入用に、オリゴマーY46E(図
5)を、化学合成機(既出)を用いて合成し、OPCカ
ラム(アプライドバイオシステムズ社)を用いて精製し
た。T4ポリヌクレオチドキナーゼとATPを用いて、
オリゴマーY46Eの5’末端をリン酸化した後、上述
のssDNAを加えて、65℃で、15分間、37℃
で、15分間反応させてアニーリングした。更に、キッ
ト付属のT4DNAポリメラーゼおよびcoli
NAリガーゼを加えて25℃で2時間反応させ、相補鎖
を合成した。EDTAを加えて反応を停止させた後、大
腸菌株BMH71−18 mutS(△( lac−pr
oAB),thi, supE, mutS215::Tn
tetr )/F’(traD36,proAB
acIq lacZ△M15))にトランスフェクショ
ンし、JM109を指示菌として、ファージプラークを
形成させた。シングルプラークよりファージを回収し、
JM109を指示菌としてファージを培養した。ファー
ジ液よりssDNAをフェノール処理/エタノール沈澱
により精製した。DNAシークエンサー(370A、ア
プライドバイオシステムズ社)を用いて塩基配列を決定
し、所望の変異が導入されたssDNAを選択した。得
られたssDNAを鋳型とし、以下のようにして、PC
Rを行なった。すなわち、センスプライマーとしてSc
aIセンスプライマー(図6)を、アンチセンスプライ
マーとして、BamHIプライマー(図7)を、おのお
の化学合成機(既出)を用いて合成し、OPCカラム
(既出)を用いて精製した。前述のssDNAを含む溶
液100μlにScaIセンスプライマーおよびBam
HIプライマーを加えた後、ジーンアンプキットR (Ge
ne AmpR PCR Reagent Kit )(宝酒造株式会社)を用い
て、94℃、1分間、55℃、2分間および72℃、3
分間を1サイクルとする反応を30サイクル繰り返し、
フェノール処理/エタノール沈澱にて本発明のDNAを
精製した。
【0069】(2)発現ベクターの構築 実施例1で得たプラスミドpM469を制限酵素Sca
IおよびBamHIで二重消化した後、得られたDNA
断片を0.7%低融点アガロースゲル電気泳動に供し、
サイズ約3.5kbのDNA断片を含んだアガロースゲ
ルを切り出し、65℃でゲルを融解後、フェノール処理
/エタノール沈澱により目的のDNA断片を精製した。
次に、(1)で得た本発明のDNAを制限酵素BamH
Iで消化した後、サイズ約3.5kbのDNA断片とラ
イゲーションして発現プラスミドpM575Bを作成し
た(図8)。プラスミドpM575Bを制限酵素Hin
dIII およびBamHIで二重消化して、目的とするサ
イズ約310bpのDNA断片を分離、抽出し、フェノ
ール処理/エタノール沈澱により精製した。HindII
I およびBamHIで二重消化したファージベクターM
13mp18およびファージベクターM13mp19
(宝酒造株式会社)と前述のDNA断片とをライゲーシ
ョンし、大腸菌JM109にトランスフェクションし
た。得られたそれぞれのプラークよりssDNAを調製
し、DNAシークエンサー(DNAシークエンサー37
0A、アプライドバイオシステムズ社)を用いておのお
のシークエンシングを行なった。プラスミドpM575
Bの、目的とするDNAを含むHindIII 消化部位か
らBamHI消化部位までの確認された塩基配列および
それに対応するアミノ酸配列を図9(配列表の配列番号
1参照)に示した。
【0070】(3)形質転換体の作成および培養 ハナハンの方法(Hanahan, D著、Techniques for Trans
formation of E, coli. In: DNA cloning, vol 1, Glov
er, D. M. (ed.),109-136 頁、IRL Press 、1985年)に
より、(2)で得たプラスミドpM575Bを用いて大
腸菌JE5505株を形質転換させ、大腸菌株JE55
05(pM575B)を調製した。得られた形質転換
体、大腸菌株JE5505(pM575B)をカナマイ
シン50μg/ml含有L−ブロースにて37℃、約8
時間、前々培養した後、約100倍量の同培地に植菌
し、37℃で終夜培養(前培養)した。その後、主培養
としてカナマイシン50μg/mlを含む50倍量のM
9CA培地に植菌し、37℃、約1時間培養した。培地
に3β−インドールアクリル酸(和光純薬工業株式会社
製)を終濃度10μg/mlとなるように添加し、さら
に16時間培養した。得られた培養混合物を遠心分離
し、上清を回収した。0.1%BSA(ウシ血清アルブ
ミン)/0.2Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液
(pH7.8)を用いて培養上清を各濃度に希釈し、実
施例17(1)の方法に準じて、トリプシン阻害活性を
測定した。なお、プラスミドpM552から上記式4の
塩基配列を削除したプラスミドpM553を作成し、こ
れで形質転換させた大腸菌株JE5505(pM55
3)を上述の方法と同様に培養し、得られた培養上清を
活性測定の際のコントロールとして用いた。大腸菌株J
E5505(pM575B)の培養上清には、コントロ
ールと比較して、顕著なトリプシン阻害活性が認められ
た。なお、本発明者等は大腸菌株JE5505(pM5
75B)を平成03年7月16日付けで通産省工業技術
院微生物工業技術研究所に寄託し〔寄託番号:微工研菌
寄第12357号(FERMP−12357)〕、さら
に平成03年10月17日付けで原寄託を国際寄託に移
管した〔寄託番号:微工研条寄第3613号(FERM
BP−3613)〕。
【0071】(4)大腸菌株JE5505(pM575
B)の培養上清からの本発明のポリペプチドの精製 (3)で得た形質転換体大腸菌株JE5505(pM5
75B)の培養上清から、以下の方法で本発明の新規ポ
リペプチドを回収、精製した。 塩析 培養上清1lに硫酸アンモニウムを80%飽和になるよ
うに加え、完全に溶解するまで撹拌した後、4℃、一
晩、静置した。4℃、12000×g、30分間遠心分
離し、得られた沈澱を蒸留水25mlに溶解した。不溶
物を遠心除去した後、上清を分画分子量1000の限外
ろ過膜(ダイアフローメンブレンYM−1、グレース
社)を用いて濃縮し、液量1mlの濃縮液とした。つい
で、4℃、5860×g、10分間遠心分離し、上清を
回収した。
【0072】ゲル濾過 セファデックス(Sephadex)G−50(ファルマシア社
製)を充填したカラム(1cmφ×115cm)をPB
- (Phosphate Buffered Saline )にて平衡化した
後、で得た濃縮液を添加した。PBS- を用いて、流
速0.2ml/分にて展開し、2mlずつ分画した。各
画分の一部を採取して実施例17(1)の方法に準じて
トリプシン阻害活性を測定し、活性画分をプールした。
分画分子量1000の透析膜(スペクトラム社製)を用
いて、この活性画分を、20mMトリス塩酸緩衝液(p
H8.5)に対して、4℃、一晩透析した。透析後、
の陰イオン交換クロマトグラフィーに供した。
【0073】陰イオン交換クロマトグラフィー 20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)で予め平衡化
したMonoQカラム(5mmφ×50mm、ファルマ
シア社製)による陰イオン交換クロマトグラフィーを、
FPLCシステム(ファルマシア社製)を用い、以下の
ように行った。すなわち、で得た透析後の活性画分
を、MonoQカラムに添加し、0−0.4MNaCl
/20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)/48分間
の直線濃度勾配法にて、流速1ml/分で、溶出を行な
った。溶出液の波長280nmにおける吸光度を指標と
して、溶出液中の蛋白質含量をモニターしながら溶出を
行ない、ピーク毎に分取した。各画分の一部を採取し
て、実施例17(1)の方法に準じて、トリプシン阻害
活性を測定し、活性の認められた画分をの逆相クロマ
トグラフィーに供した。
【0074】逆相クロマトグラフィー 0.04%トリフルオロ酢酸溶液にて予め平衡化したバ
イダックC18カラム(4.6mmφ×25.0cm、
ザセパレーショングループ社)による逆相クロマトグラ
フィーを、ウォーターズ625LCシステム(ウォータ
ーズ社)を用いて以下のように行った。すなわち、で
得た活性画分を、バイダックC18カラムに添加し、0
〜100%アセトニトリル/0.04%トリフルオロ酢
酸/30分間の直線濃度勾配法にて流速1ml/分で溶
出を行なった。溶出液の波長280nmにおける吸光度
を指標として、溶出液中の蛋白質含量をモニターしなが
ら溶出を行ない、ピーク毎に分取した。分取した各画分
の一部を採取し、トリプシン阻害活性を実施例17
(1)に記載の方法に準じて測定し、活性画分を遠心濃
縮器(株式会社トミー精工製)にて減圧乾固し、精製ポ
リペプチドとした。得られた精製ポリペプチドを、
(5)のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、
(6)のアミノ酸配列分析および実施例17の活性測定
に供した。
【0075】(5)SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動 レムリ(Laemmli) の方法(Laemmli U. K., Nature, 227
巻, 680-685 頁, 1970年)を参考にして、(4)で得ら
れた精製ポリペプチドをSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(以後SDS−PAGEと略す)に供した。
すなわち、精製ポリペプチドを100μlの蒸留水に溶
解した後、その一部に等容量のセプラソル(Seprasol)
II(第一化学薬品株式会社製)を添加し、100℃、5
分間加熱処理した後、15%ゲル(8cm×9cm、厚
さ1mm)に供し、15mAにて50分間、ついで、3
0mAにて35分間電気泳動した。なお、分子量マーカ
ーとして、市販のキット(Electrophoresis Calibration
Kit、ファルマシア社製)を使用した。電気泳動終了
後、市販の銀染色キット(2D- 銀染色試薬・II,第一化
学株式会社製)にて染色を行ない、電気泳動像を観察し
た。その結果、単一のバンドが認められた。
【0076】(6)アミノ酸配列の分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し、
モデル477Aプロテインシークエンシングシステム−120A
PTHアナライザー(アプライドバイオシステムズ社)を
用いてアミノ酸配列の分析を行なった。PTHアミノ酸
を270nm の紫外部吸収にて検出して、その保持時間を測
定し、予め同一の方法で分離した標準PTHアミノ酸
(アプライドバイオシステムズ社)の保持時間を基準に
してアミノ酸の同定を行なった。その結果、(4)で得
た精製ポリペプチドが、目的とするポリペプチド、Y4
6Eであることが確認された(配列表の配列番号2参
照)。
【0077】実施例3.ポリペプチドQ19Kの製造 (1)DNAのクローニング 前記式1のN末端側より数えて15番目のGln がLys に
置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、Q19
Kを以下の方法により製造した。はじめに、プラスミド
pM552(既出)を用い、以下の方法でプラスミドp
M558を調製した。まず、化学合成にて、変異導入用
に、オリゴマーTV12DD(図10)を得た。次に、
実施例2(1)で大腸菌JM109より得たM13ファ
ージを用い、実施例2(1)と同様に、ミュータンTM
K キット(既出)を使用してssDNAを得、オリゴ
マーTV12DDを使用して所望の変異を導入した。次
いで、所望の変異が導入されたssDNAを鋳型にし
て、実施例2(1)と同様にPCRを行なった。なお、
センスプライマーとしては、実施例2(1)で作成した
ScaIセンスプライマーを、アンチセンスプライマー
としては、M13プライマーRV(宝酒造株式会社)を
使用した。PCR産物をBamHIで消化し、実施例2
(2)と同様の方法でプラスミドpM469に組み込
み、プラスミドpM558を調製した。
【0078】プラスミドpM558をPCR用鋳型とし
て、ランド(Landt) 等の方法(Landt, O.等、Gene, 96,
125-128, 1990 年) を参考にして、部位特異的突然変異
誘発法を2度のPCRにより以下のようにして行った。
すなわち、第一次PCR用のセンスプライマーとしてH
indIII プライマー(図11)を、アンチセンスプラ
イマーとして、Q19Kプライマー(図12)を、おの
おの化学合成にて得た。これらを用い、プラスミドpM
558を鋳型とする第一次PCRを、ジーンアンプキッ
R (既出)を用いて行った。反応は94℃で1分間、
55℃で2分間、72℃で3分間を1サイクルとし、3
0サイクル繰り返した。第一次PCR後の増幅産物の一
部を1.5%アガロースゲル電気泳動に供したところ、
目的とする、サイズ約160bpのDNA断片が確認さ
れた。増幅産物をフェノール処理/エタノール沈殿で精
製した後、TEバッファーに溶解した。これをセンスプ
ライマーとして、プラスミドpM558を鋳型とする第
二次PCRを第一次PCRと同様に行なった。なお、ア
ンチセンスプライマーとしては、化学合成にて得たpB
R BamHIプライマー(図13)を使用した。第二
次PCR後の増幅産物の一部を1.5%アガロースゲル
電気泳動に供したところ、目的とするサイズ約350b
pのDNA断片が確認された。増幅産物をフェノール処
理/エタノール沈殿にて精製し、本発明のDNAを得
た。
【0079】(2)発現ベクターの構築 プラスミドpM463(Kanamori T. 等、既出)を制限
酵素HindIII およびBamHIにて二重消化した
後、得られたDNA断片を0.7%低融点アガロースゲ
ル電気泳動に供し、サイズ約3.3kbのDNA断片を
得た。次に、(1)で得たサイズ約350bpの本発明
のDNAを、制限酵素HindIII およびBamHIで
二重消化し、得られたDNA断片と、前述のサイズ約
3.3kbのDNA断片とT4DNAリガーゼ(既出)
を用いてライゲーションし、発現用プラスミドpM57
6を作成した(図14および図15参照)。プラスミド
pM576をHindIII およびBamHIで二重消化
した後、目的とするサイズ約310bpの断片を抽出、
精製した。これを、HindIII およびBamHIで二
重消化したファージベクターM13mp18およびファ
ージベクターM13mp19(既出)とライゲーション
させ、大腸菌JM109にトラスフェクションした。得
られたそれぞれのプラークよりssDNAを調製し、D
NAシークエンサ−(既出)にてシークエンシングを行
なった。プラスミドpM576の、本発明の新規ポリペ
プチドをコードするDNAを含むHindIII 消化部位
からBamHI消化部位までの確認された塩基配列、お
よび対応するアミノ酸配列を図16に示した(配列表の
配列番号3参照)。
【0080】(3)形質転換体の作成および培養 (2)で得たプラスミドpM576を用いて、ハナハン
の方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、大腸
菌株JE5505(pM576)を作成した。大腸菌株
JE5505(pM576)を、実施例2(3)と同様
に培養し、培養上清を回収した。ただし、培地には、カ
ナマイシンの代わりに、アンピシリンを終濃度50μg
/mlとなるように添加した。0.1%BSA/0.2
Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)を
用いて、培養上清を各種濃度に希釈し、実施例17
(1)の方法に準じて、トリプシン阻害活性を測定し
た。なお、プラスミドpM576よりポリペプチドQ1
9Kをコードする塩基配列を除去したプラスミドpM4
63Cを作成し、、これで形質転換させた大腸菌株JE
5505(pM463C)を上述の方法と同様に培養
し、得られた大腸菌株JE5505(pM463C)の
培養上清を、活性測定の際のコントロールとして使用し
た。大腸菌JE5505(pM576)の培養上清に
は、コントロールと比較して顕著なトリプシン阻害活性
が認められた。なお、本発明者等は、大腸菌株JE55
05(pM576)を通産省工業技術院微生物工業技術
研究所に、平成03年7月16日付けで寄託し〔寄託番
号:微工研菌寄第12358号(FERM P−123
58)〕、さらに平成03年10月17日付けで原寄託
より国際寄託に移管した〔(寄託番号:微工研条寄第3
614号(FERM BP−3614)〕。
【0081】(4)大腸菌JE5505(pM576)
の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(3)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。得られた精製ポリペプチドを、以下の(5)
のSDS−PAGE、(6)のアミノ酸配列分析および
実施例17の活性測定に供した。
【0082】(5)SDS−PAGE (4)で得た、精製ポリペプチドを、実施例2(5)の
方法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販
の銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結
果、単一のバンドが認められた。
【0083】(6)アミノ酸配列分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し、
実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行った。
その結果、(4)で得た精製ポリペプチドが、目的とす
る本発明のポリペプチド、Q19Kであることが確認さ
れた(配列表の配列番号4参照)。
【0084】実施例4.本発明の新規ポリペプチドQ1
9Rの製造 前記式1のN末端側より数えて15番目のGln がArg に
置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、Q19
Rを以下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニング はじめに、プラスミドpM552を用いて、以下のよう
にプラスミドpM594を作成した。まず、AN68プ
ライマー(図17)を化学合成にて得た。これと実施例
3(1)で作製したHindIII センスプライマーを、
それぞれアンチセンスプライマー、センスプライマーと
して用い、上述のpM552を鋳型とする第一次PCR
をジーンアンプキットR (既出)を用いて実施例3
(1)と同様に行った。第一次PCR後の増幅産物の一
部を、1.5%アガロースゲル電気泳動に供したとこ
ろ、目的とするサイズ約130bpのサイズの単一バン
ドが確認された。この増幅産物をフェノール処理/エタ
ノール沈澱で精製した後、TEバッファーに溶解した。
次にこれをセンスプライマーとし、プラスミドpM55
2を鋳型とする第二次PCRを、第一次PCRと同様に
行った。なお、アンチセンスプライマーとしては、実施
例3(1)で作成したpBR BamHIプライマーを
使用した。PCR終了後の増幅産物の一部を、1.5%
アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサ
イズ約350bpのバンドが確認された。得られた増幅
産物をフェノール処理/エタノール沈澱で精製した後、
制限酵素HindIII およびBamHIで消化し、サイ
ズ約300bpのDNA断片を得、実施例3(2)と同
様の方法で、プラスミドpM463に組み込み、プラス
ミドpM594を作成した。
【0085】次に、プラスミドpM594を用いて、ラ
ンドの方法を参考にして、以下の方法で部位特異的突然
変異法を行った。すなわち、SacIIプライマー(図1
8)およびQ19Rプライマー(図19)を化学合成に
て得た。これらをそれぞれ、センスプライマー、アンチ
センスプライマーとして使用し、前述のプラスミドpM
594を鋳型とする第一次PCRを、(1)と同様に行
なった。第一次PCR後の増幅産物の一部を4%アガロ
ースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサイズ約
70bpのDNA断片が確認された。増幅産物をフェノ
ール処理/エタノール沈殿で抽出、精製した後、TEバ
ッファーに溶解した。これをセンスプライマーとして、
プラスミドpM594を鋳型とする第二次PCRを、第
一次PCRと同様に行なった。なお、アンチセンスプラ
イマーとしては、実施例3(1)で作成したpBR B
amHIプライマーを使用した。第二次PCR後の増幅
産物の一部を、1.5%アガロースゲル電気泳動に供し
たところ、目的とするサイズ約260bpのDNA断片
が確認された。増幅産物をフェノール処理/エタノール
沈殿にて抽出、精製し本発明のDNAを得た。
【0086】(2)発現ベクターの構築 プラスミドpM594を制限酵素SacII、BamHI
で二重消化した後、目的とするサイズ約3.4kbのD
NA断片を、抽出、精製した。得られたDNA断片と
(1)で得たサイズ約260bpのDNA断片とを、T
4DNAリガーゼ(既出)を使用してライゲーションさ
せた。これで大腸菌発現用プラスミドpM735を作成
した(図20および21参照)。プラスミドpM735
を制限酵素HindIII およびBamHIで二重消化し
たのち、目的とするサイズ約300bpの断片を、抽
出、精製した。DNAシークエンサー(既出)を使用し
て実施例2(2)の方法でシークエンシングを行った。
プラスミドpM735の、本発明の新規ポリペプチドを
コードするDNAを含むHindIII 消化部位からBa
mHI消化部位までの確認された塩基配列および対応す
るアミノ酸配列を図22に示した(配列表の配列番号5
参照)。
【0087】(3)形質転換体の作成および培養 (1)で得られたプラスミドpM735を用い、ハナハ
ンの方法で大腸菌株JE5505を形質転換し、大腸菌
株JE5505(pM735)を作成した。大腸菌株J
E5505(pM735)を、実施例3(3)と同様に
培養し、培養上清を回収した。0.1%BSA/0.2
Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)で
培養上清を各濃度に希釈してサンプルとし、実施例17
(1)の方法に準じて、トリプシン阻害活性を測定し
た。なお、実施例3(3)で作成した大腸菌株JE55
05(pM463C)の培養上清を、コントロールとし
て使用した。大腸菌株JE5505(pM735)の培
養上清には、コントロールと比較して顕著なトリプシン
阻害活性が認められた。なお、本発明者等は、大腸菌株
JE5505(pM735)を平成04年5月1日付け
で、通産省工業技術院微生物工業技術研究所に、寄託し
ている〔寄託番号:微工研菌寄第12945号(FER
M P−12945)〕。
【0088】(4)大腸菌JE5505(pM735)
の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(3)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。最終的に得られた精製ポリペプチドを、以下
の(5)のSDS−PAGE、(6)のアミノ酸配列分
析および実施例17の活性測定に供した。
【0089】(5)SDS−PAGE (4)で得た、精製ポリペプチドを、実施例2(5)の
方法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販
の銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結
果、単一のバンドが認められた。
【0090】(6)アミノ酸配列分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(4)で得た精製ポリペプチドが、目的
とする本発明のポリペプチドQ19Rであることが確認
された(配列表の配列番号6参照)。
【0091】実施例5.本発明のポリペプチドQ19K
/Y46Eの作成 前記式1のN末端側より数えて15番目のGln がLys に
置換され、かつ42番目のTyr がGlu に置換されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド、Q19K/Y46Eを
以下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニング 実施例3(1)で作成したHindIII センスプライマ
ーとQ19Kプライマーを用い、実施例4(1)で作成
したpM594を鋳型とする第一次PCRをジーンアン
プキットR (既出)を使用して、実施例3(1)と同様
に行った。第一次PCR後の増幅産物の一部を、1.5
%アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的とする
サイズ約170bpのバンドが確認された。増幅産物を
フェノール処理/エタノール沈澱で精製した後、TEバ
ッファーに溶解した。次に、これをセンスプライマーと
し、プラスミドpM575Bを鋳型とする第二次PCR
を、第一次PCRと同様に行った。なお、アンチセンス
プライマーとしては、実施例3(1)で作成したpBR
BamHIプライマーを使用した。第二次PCR後の
増幅産物を、1.5%アガロースゲル電気泳動に供した
ところ、目的とするサイズ約350bpのバンドが確認
された。増幅産物をフェノール処理/エタノール沈澱で
精製し、本発明のDNAを得た。 (2)発現ベクターの構築 (1)で得られた本発明のDNAを実施例3(2)の方
法で、プラスミドpM463に組み込み、発現用プラス
ミドpM736を作成した(図23参照)。プラスミド
pM736を制限酵素HindIII およびBamHIで
二重消化したのち、目的とするサイズ約300bpの断
片を、抽出、精製した。DNAシークエンサー(既出)
を使用し、実施例2(2)の方法でシークエンシングを
行った。プラスミドpM736の、本発明の新規ポリペ
プチドをコードするDNAを含むHindIII 消化部位
からBamHI消化部位までの確認された塩基配列およ
び対応するアミノ酸配列を図24に示した(配列表の配
列番号7参照)。
【0092】(3)形質転換体の作成および培養 (2)で得たプラスミドpM736を用いて大腸菌株J
E5505株を形質転換し、大腸菌株JE5505(p
M736)を作成した。この大腸菌株JE5505(p
M736)を、実施例3(3)と同様に培養し、培養上
清を回収した。0.1%BSA/0.2Mトリエタノー
ルアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)で培養上清を各濃
度に希釈し、実施例17(1)の方法に準じて、トリプ
シン阻害活性を測定した。なお、実施例3(3)で作成
した大腸菌株JE5505(pM463C)の培養上清
を、コントロールとして使用した。大腸菌株JE550
5(pM736)の培養上清には、コントロールと比較
して顕著なトリプシン阻害活性が認められた。なお、本
発明者等は大腸菌JE5505(pM736)を平成0
4年5月1日付けで、通産省工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託している〔寄託番号:微工研菌寄第129
46号(FERM P−12946)〕。
【0093】(4)大腸菌JE5505(pM736)
の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(3)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。得られた精製ポリペプチドを、以下の(5)
のSDS−PAGE、(6)のアミノ酸配列分析および
実施例17の活性測定に供した。
【0094】(5)SDS−PAGE (4)で得た精製ポリペプチドを、実施例2(5)の方
法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販の
銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結果、
単一のバンドが認められた。
【0095】(6)アミノ酸配列分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(4)で得た精製ポリペプチドが、目的
とする本発明のポリペプチド、Q19K/Y46Eであ
ることが確認された(配列表の配列番号8参照)。
【0096】実施例6.本発明のポリペプチドR11E
/Y46E 前記式1のN末端側より数えて7番目のArg がGlu に置
換され、かつ42番目のTyr がGlu に置換されたアミノ
酸配列を有するポリペプチド、R11E/Y46Eを以
下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニング アンチセンスプライマーとしてR11Eプライマー(図
25)を化学合成にて得、実施例3(1)で作成したH
indIII センスプライマーとを用い、(実施例4
(1)で作成した)プラスミドpM594を鋳型とする
第一次PCRをジーンアンプキットR (既出)を用い、
実施例3(1)と同様に行った。第一次PCR後の増幅
産物を、1.5%アガロースゲル電気泳動に供したとこ
ろ、目的とするサイズ約150bpのサイズのバンドが
確認された。この増幅産物をフェノール処理/エタノー
ル沈澱で精製した後、TEバッファーに溶解した。これ
をセンスプライマーとし、プラスミドpM575Bを鋳
型とする第二次PCRを第一次PCRと同様に行った。
なお、アンチセンスプライマーとしては、実施例3
(1)で作成したpBR BamHIプライマーを使用
した。第二次PCR後の増幅産物を、1.5%アガロー
スゲル電気泳動に供したところ、目的とするサイズ約3
50bpのバンドが確認された。この増幅産物をフェノ
ール処理/エタノール沈澱で精製し、本発明のDNAを
得た。
【0097】(2)発現ベクターの構築 (1)で得たサイズ約350bpの本発明のDNAを、
実施例3(2)と同様にして、プラスミドpM463に
組み込み、発現用プラスミドpM726Bを作成した
(図26参照)。プラスミドpM726Bを制限酵素H
indIII およびBamHIで二重消化したのち、目的
とするサイズ約300bpの断片を、抽出、精製した。
DNAシークエンサー(既出)を使用し、実施例2
(2)の方法でシークエンシングを行った。プラスミド
pM726Bの、本発明の新規ポリペプチドをコードす
るDNAを含むHindIII 消化部位からBamHI消
化部位までの確認された塩基配列および対応するアミノ
酸配列を図27に示した(配列表の配列番号9参照)。
【0098】(3)形質転換体の作成および培養 (2)で得たプラスミドpM726Bを用い、ハナハン
の方法により大腸菌JE5505株を形質転換し、大腸
菌JE5505(pM726B)を作成した。この大腸
菌JE5505(pM726B)を、実施例3(3)と
同様に培養し、培養上清を回収した。0.1%BSA/
0.2Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH7.
8)で培養上清を各種濃度に希釈し、実施例17(1)
の方法に準じて、トリプシン阻害活性を測定した。な
お、コントロールとしては、実施例3(3)で作成し
た、大腸菌株JE5505(pM463C)の培養上清
を使用した。大腸菌JE5505(pM726B)の培
養上清には、コントロールと比較して顕著なトリプシン
阻害活性が認められた。
【0099】(4)大腸菌JE5505(pM726
B)の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(3)で得た培養上清から、本発明のポリペ
プチドを精製した。得られた精製ポリペプチドを、以下
の(5)のSDS−PAGE、(6)のアミノ酸配列分
析および実施例17の活性測定に供した。
【0100】(5)SDS−PAGE (4)で得た精製ポリペプチドを、実施例2(5)の方
法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販の
銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結果、
単一のバンドが認められた。
【0101】(6)アミノ酸配列分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(4)で得た精製ポリペプチドは、目的
とする本発明のポリペプチド、R11E/Y46Eであ
ることが確認された(配列表の配列番号10参照)。
【0102】実施例7.ポリペプチドY46E−ANの
作成 前記式1のN末端側より数えて42番目のTyr がGlu に
置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、Y46
E−ANを以下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニングおよび発現ベクターの構築 実施例4(1)で作成したSacIIプライマーと実施例
3(1)で得られたpBR BamHIプライマーとを
用い、プラスミドpM575Bを鋳型とするPCRを、
ジーンアンプキットR (既出)を用いて実施例3(1)
と同様に行った。PCR後の増幅産物の一部を1.5%
アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサ
イズ約250bpのサイズの単一バンドが確認された。
この増幅産物をフェノール処理/エタノール沈澱で精製
後、制限酵素SacIIおよびBamHIで消化し、サイ
ズ約220bpのDNA断片を得た。制限酵素SacII
およびBamHIで二重消化したプラスミドpM594
から得られたサイズ約3.4kbの断片と、前述のサイ
ズ約220bpのDNA断片とをライゲーションし、発
現用プラスミドpM575Cを作成した(図28参
照)。プラスミドpM575Cを制限酵素HindIII
およびBamHIで二重消化したのち、目的とするサイ
ズ約300bpの断片を、抽出、精製した。DNAシー
クエンサー(既出)を使用し、実施例2(2)の方法で
シークエンシングを行った。プラスミドpM575C
の、本発明の新規ポリペプチドをコードするDNAを含
むHindIII 消化部位からBamHI消化部位までの
確認された塩基配列および対応するアミノ酸配列を図2
9に示した(配列表の配列番号11参照)。
【0103】(2)形質転換体の作成および培養 (1)で得たプラスミドpM575Cを用い、ハナハン
の方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、大腸
菌株JE5505(pM575C)を作成した。この大
腸菌JE5505(pM575C)を、実施例3(3)
と同様に培養し、培養上清を回収した。0.1%BSA
/0.2Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH
7.8)で培養上清を各種濃度に希釈してサンプルと
し、実施例17(1)の方法に準じて、トリプシン阻害
活性を測定した。なお、コントロールとしては、実施例
3(3)で作成した大腸菌株JE5505(pM463
C)の培養上清を、使用した。大腸菌株JE5505
(pM575C)の培養上清には、コントロールと比較
して顕著なトリプシン阻害活性が認められた。
【0104】(3)大腸菌JE5505(pM575
C)の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(2)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。得られた精製ポリペプチドを、以下の(4)
のSDS−PAGE、(5)のアミノ酸配列分析および
実施例17の活性測定に供した。
【0105】(4)SDS−PAGE (3)で得た精製ポリペプチドを、実施例2(5)の方
法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販の
銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結果、
単一のバンドが認められた。
【0106】(5)アミノ酸配列分析 (3)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(3)で得た精製ポリペプチドは、目的
とする本発明のポリペプチドY46E−ANであること
が確認された(配列表の配列番号12参照)。
【0107】実施例8.ポリペプチドQ19K−ANの
作成 前記式1のN末端側より数えて15番目のGln がLys に
置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、Q19
K−ANを以下の方法で製造した。(1)DNAのクロ
ーニングおよび発現ベクターの構築 実施例4(1)で作成したSacIIプライマーと実施例
3(1)で作成したpBR BamHIプライマーを用
い、プラスミドpM576を鋳型とする第一次PCR
を、ジーンアンプキットR (既出)を用い、実施例3
(1)と同様に行った。第一次PCR後の増幅産物を、
1.5%アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的
とするサイズ約250bpのサイズの単一バンドが確認
された。この増幅産物をフェノール処理/エタノール沈
澱で精製後、制限酵素SacIIおよびBamHIで二重
消化し、サイズ約220bpのDNA断片を得た。プラ
スミドpM594を制限酵素SacIIおよびBamHI
で二重消化し、サイズ約3.4kbのDNA断片を得
た。これと、前述のサイズ約220bpのDNA断片と
をライゲーションし、発現用プラスミドpM576Bを
作成した(図30参照)。プラスミドpM576Bを制
限酵素HindIII およびBamHIで二重消化したの
ち、目的のサイズ約300bpの断片を、抽出、精製し
た。DNAシークエンサー(既出)を使用し、実施例2
(2)の方法で、シークエンシングを行った。プラスミ
ドpM576Bの、本発明の新規ポリペプチドをコード
するDNAを含むHindIII 消化部位からBamHI
消化部位までの確認された塩基配列、および対応するア
ミノ酸配列を図31に示した(配列表の配列番号13参
照)。
【0108】(2)形質転換体の作成および培養 (1)で得られたプラスミドpM576Bを用いて、ハ
ナハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換
し、大腸菌株JE5505(pM576B)を作成し
た。この大腸菌JE5505(pM576B)を、実施
例3(3)と同様に培養し、培養上清を回収した。0.
1%BSA/0.2Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝
液(pH7.8)で培養上清を各種濃度に希釈し実施例
17(1)の方法に準じて、トリプシン阻害活性を測定
した。なお、コントロールとして、実施例3(3)で作
成した大腸菌株JE5505(pM463C)の培養上
清を、使用した。大腸菌株JE5505(pM576
B)の培養上清には、コントロールと比較して顕著なト
リプシン阻害活性が認められた。
【0109】(3)大腸菌株JE5505(pM576
B)の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(2)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。得られた精製ポリペプチドを、以下の(4)
のSDS−PAGE、(5)のアミノ酸配列分析および
実施例17の活性測定に供した。
【0110】(4)SDS−PAGE (3)で得た精製ポリペプチドを、実施例2(5)の方
法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販の
銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結果、
単一のバンドが認められた。
【0111】(5)アミノ酸配列分析 (3)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(3)で得た精製ポリペプチドが、目的
とする本発明のポリペプチドQ19K−ANであること
が確認された(配列表の配列番号14参照)。
【0112】実施例9.ポリペプチドQ19R/Y46
Eの調製 前記式1のN末端側より数えて15番目のGln がArg に
置換され、かつ42番目のTyr がGlu に置換されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド、Q19R/Y46Eを
以下の方法で製造した。 (1)DNAのクローニング 実施例3(1)で作成したHindIII センスプライマ
ーと実施例4(1)で作成したQ19Rプライマーを用
い、実施例4(1)で作成したpM594を鋳型とする
第一次PCRを、ジーンアンプキットR (既出)を用
い、実施例3(1)と同様に行った。第一次PCR後の
増幅産物の一部を、1.5%アガロースゲル電気泳動に
供したところ、目的とするサイズ約170bpのバンド
が確認された。この増幅産物をフェノール処理/エタノ
ール沈澱で精製した後、TEバッファーに溶解した。次
に、これをセンスプライマーとし、プラスミドpM57
5Bを鋳型とする第二次PCRを第一次PCRと同様に
行った。なお、アンチセンスプライマーとしては、実施
例3(1)で作成したpBR BamHIプライマーを
使用した。第二次PCR後の増幅産物を、1.5%アガ
ロースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサイズ
約350bpのバンドが確認された。この増幅産物をフ
ェノール処理/エタノール沈澱で精製し、本発明DNA
を得た。
【0113】(2)発現ベクターの構築 (1)で得たサイズ約350bpの本発明のDNAを実
施例3(2)の方法で、プラスミドpM463に組み込
み、発現用プラスミドpM737Bを作成した(図32
参照)。プラスミドpM737Bを制限酵素HindII
I およびBamHIで二重消化したのち、目的とするサ
イズ約300bpの断片を抽出、精製した。DNAシー
クエンサー(既出)を使用して実施例2(2)の方法で
シークエンシングを行った。プラスミドpM737B
の、本発明の新規ポリペプチドをコードするDNAを含
むHindIII 消化部位からBamHI消化部位までの
確認された塩基配列、および対応するアミノ酸配列を図
33に示した(配列表の配列番号15参照)。
【0114】(3)形質転換体の作成および培養 (1)で得たプラスミドpM737Bを用いて、ハナハ
ンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、大
腸菌株JE5505(pM737B)を作成した。大腸
菌株JE5505(pM737B)を、実施例3(3)
と同様に培養し、培養上清を回収した。0.1%BSA
/0.2Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH
7.8)で培養上清を各種濃度に希釈し、実施例17
(1)の方法に準じて、トリプシン阻害活性を測定し
た。なお、コントロールとして実施例3(3)で作成し
た大腸菌JE5505(pM463C)の培養上清を、
コントロールとして使用した。大腸菌株JE5505
(pM737B)の培養上清には、コントロールと比較
して顕著なトリプシン阻害活性が認められた。
【0115】(4)大腸菌株JE5505(pM737
B)の培養上清からの本発明の新規ポリペプチドの精製 実施例2(4)の方法に準じて、塩析、ゲル濾過、陰イ
オン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
を行ない、(3)で得た培養上清から、精製ポリペプチ
ドを得た。最終的に得られた精製ポリペプチドを、以下
の(5)のSDS−PAGE、(6)のアミノ酸配列分
析および実施例17の活性測定に供した。
【0116】(5)SDS−PAGE (4)で得た精製ポリペプチドを、実施例2(5)の方
法で、SDS−PAGEに供した。泳動終了後、市販の
銀染色キット(既出)にて染色を行なった。その結果、
単一のバンドが認められた。
【0117】(6)アミノ酸配列分析 (4)で得た精製ポリペプチドを50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)の方法で、アミノ酸配列分析を行っ
た。その結果、(4)で得た精製ポリペプチドは、目的
とする本発明のポリペプチド、Q19R/Y46Eであ
ることが確認された(配列表の配列番号16参照)。
【0118】実施例10.ポリペプチドQ19K/Y4
6Dの作製 前記式1のN末端側より数えて15番目のGlnがLy
sに、42番目のTyrがAspに置換されたアミノ酸
配列を有するポリペプチド、Q19K/Y46Dを以下
の方法で製造した。 (1)プラスミドpM748の構築 はじめに、PCRの鋳型として用いるプラスミドpM7
10を以下のように作製した。すなわち、まず、図34
の塩基配列で示されるリンカー710を、5つの断片に
分割して設計し、化学合成機(既出)を使用し、実施例
1と同様の方法で化学合成した。一方、実施例7(1)
で作製したプラスミドpM594を制限酵素HindII
I /ApaIで消化し、約3.2kbpのDNA断片を
得た。これと、化学合成にて得たDNA断片とをT4D
NAリガーゼ(既出)を用いてライゲーションし、プラ
スミドpM710を作製した。次に、プラスミドpM7
10を鋳型とし、2度のPCRを行った。PCRの諸条
件は実施例3(1)に従った。第一次PCR用のセンス
プライマーとしては、化学合成して得たY46Dプライ
マー(図35)を、アンチセンスプライマーとしては実
施例3(1)で作製したpBRBamHIプライマーを
使用した。得られた増幅産物を1.5%アガロースゲル
電気泳動に供したところ、目的とするサイズ約120b
pのバンドが認められた。この増幅産物をフェノール処
理/エタノール沈澱により精製した後、TEバッファー
に溶解した。これをアンチセンスプライマーとし、実施
例3(1)で作製したHindIII プライマーをセンス
プライマーとし、プラスミドpM710を鋳型とする第
二次PCRを行った。得られた増幅産物を1.5%アガ
ロースゲル電気泳動に供したところ目的とするサイズ約
380bpのバンドが認められた。この増幅産物をフェ
ノール処理/エタノール沈澱で精製した後、実施例3
(2)の方法で、プラスミドpM463に組み込み、発
現用プラスミドpM748を作製した。
【0119】(2)プラスミドpM727の構築 (1)で得られたプラスミドpM748を鋳型として、
2度のPCRを行った。PCRの諸条件は実施例3
(1)に従った。第一次PCR用のセンスプライマーと
しては実施例3(1)で作製したHindIII プライマ
ーを、アンチセンスプライマーとしては実施例3(1)
で作製したQ19Kプライマーを使用した。得られた増
幅産物を1.5%アガロースゲル電気泳動に供したとこ
ろ、目的とするサイズ約210bpのバンドが認められ
た。この増幅産物をフェノール処理/エタノール沈澱に
より精製した後、TEバッファーに溶解した。これをセ
ンスプライマーとし、実施例3(1)で作製したpBR
BamHIプライマーをアンチセンスプライマーとし、
プラスミドpM748を鋳型とする第二次PCRを行っ
た。得られた増幅産物を1.5%アガロースゲル電気泳
動に供したところ目的とするサイズ約380bpのバン
ドが認められた。この増幅産物をフェノール処理/エタ
ノール沈澱で精製した後、実施例3(2)の方法で、プ
ラスミドpM463に組み込み、発現用プラスミドpM
727を作製した。プラスミドpM727を制限酵素H
indIII およびBamHIで二重消化した後、目的と
するサイズ約340bpの断片を抽出、精製した。DN
Aシークエンサー(既出)を使用して実施例2(2)の
方法でシークエンシングを行った。プラスミドpM72
7における、本発明の新規ポリペプチドをコードするD
NAを含むHindIII 消化部位からBamHI消化部
位までの確認された塩基配列、および対応するアミノ酸
配列を図36に示した(配列表の配列番号17参照)。
【0120】(3)形質転換体の作製および培養 (2)で得られたプラスミドpM727を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM727)を作製した。この
大腸菌株JE5505(pM727)を、実施例3
(3)と同様に培養した。この培養混合物を、Benc
hmark GX(メンブレックス(Membrex)
社、孔径0.2μm)を使用して濃縮後、4℃にて、約
10000×g、20分間遠心分離を行い菌体を回収し
た。
【0121】(4)可溶化、還元処理 (3)で得られた菌体を破砕用溶液(0.5% Tri
tonX−100,10mM EDTA)に懸濁し、ミ
ニラボ(RANNIE社)を使用し、800barで加
圧破砕した。その後、4℃、20分間、約10000×
gで遠心分離し、ペレットを回収した。回収したペレッ
トに破砕用溶液を添加し、再び、4℃、20分間、約1
0000×gで遠心分離した。この操作を更に2回行
い、ペレットを回収した。回収したペレットに可溶化バ
ッファー(5Mグアニジン塩酸,0.005% Twe
en80,50mM Tris塩酸pH8.0,5mM
EDTA,2mM 還元型グルタチオン,0.02m
M 酸化型グルタチオン)を加え、更に、終濃度50m
Mとなるように2−メルカプトエタノールを添加し、4
℃にて終夜撹拌した。この溶液を限外濾過膜(YM−
5、グレースジャパン社)を使用して濃縮した後、孔径
0.44μmのフィルターを使用して濾過した。Sep
hacryl S−100 HR(ファルマシア社製)
を充填したカラム(5cmφ×95cm)を、前述の可溶化
バッファーで平衡化し、これに濃縮濾液を添加した。前
述の可溶化バッファーを展開液とし、波長280nmに
おける吸光度を指標として蛋白質含量をモニターしなが
ら、流速3.5ml/分でゲル濾過を行った。30ml
ずつ分取し、各画分の一部を採取し、SDS−PAGE
に供した。SDS−PAGEは、PAGELR (SPU
−15S、アトー社)を使用し、その使用説明書に従っ
て行った。クマシーブリリアントブルーで染色し、目的
の分子量のポリペプチドを多く含む画分を選択した。こ
の画分の蛋白質含量がほぼ0.5mg/mlとなるよう
に、可溶化バッファーを使用して調整し、リフォールデ
ィング処理用サンプルとした。
【0122】(5)リフォールディング (4)で得たリフォールディング処理用サンプルを、
(4)で使用した可溶化バッファーからグアニジン塩酸
を除いた溶液、10〜15倍量に対し、2回透析した。
次いで、10〜15倍量の蒸留水に対して3回透析を行
った。透析終了後、塩酸を使用してサンプルをpH2に
調整した。このサンプルについて以下のように精製を行
った。
【0123】(6)精製 逆相クロマトグラフィー 予め0.1%TFA溶液で平衡化したPLRP−Sカラ
ム(25mmφ×150mm、ポリマーラボラトリーズ
社製)に、(6)で得たリフォールディング処理後のサ
ンプルを添加し、0.1%TFA溶液を用いて吸着させ
た。溶出は、0.1%TFA/アセトニトリル溶液を用
い、アセトニトリルの直線濃度勾配(0−70%アセト
ニトリル/0.1%TFA溶液/30分、70−100
%アセトニトリル/0.1%TFA溶液/3分)によ
り、流速5ml/分で、波長280nmにおける吸光度
をモニターしながら溶出を行い、5mlずつ分取した。
各画分のトリプシン阻害活性を、実施例17(1)の方
法に準じて測定し、活性の認められた画分を凍結乾燥
後、70%蟻酸におよそ100μMとなるように溶解し
た。次いで、モル濃度比で2000倍量となるように臭
化シアンを加え、25℃、24時間暗所に静置した。こ
れに蒸留水を加えて2倍希釈し、のイオン交換クロマ
トグラフィー用のサンプルとした。 陽イオン交換クロマトグラフィー SP−トヨパール(30mmφ×150mm、東ソー株
式会社)を10%蟻酸溶液で平衡化した後、FPLCシ
ステム(既出)を用いて以下の方法で陽イオン交換クロ
マトグラフィーを行った。すなわち、で得られたサン
プルをSP−トヨパールに添加し、10%蟻酸溶液を用
いて吸着させた。NaCl/10%蟻酸を使用し、Na
Clの直線濃度勾配(0−1.2M NaCl/10%
蟻酸溶液/100分間)により、流速8ml/分で、
波長280nmの吸光度をモニターしながら溶出した。
32mlずつ分取し、各画分のトリプシン阻害活性を実
施例17(1)の方法で測定した。得られた活性画分を
の逆相クロマトグラフィー用サンプルとした。 逆相クロマトグラフィー PLRP−Sカラム(25mmφ×150mm、既出)
を0.1%TFA溶液で平衡化した後、で得られた活
性画分を添加し、0.1%TFA溶液を用いて吸着させ
た。溶出は0.1%TFA/アセトニトリル溶液を用
い、アセトアニリルの直線濃度勾配(0−70%アセト
ニトリル/0.1%TFA/15分、70−100%ア
セトニトリル/0.1%TFA溶液/3分)により流速
10ml/分で行った。波長280nmの吸光度をモニ
ターしながら溶出を行い、ピークごとに分取し、各画分
のトリプシン阻害活性を実施例17(1)の方法で測定
した。得られた活性画分を凍結乾燥して、精製標品を得
た。
【0124】(7)SDS−PAGE (6)で得られた精製標品をPAGELR (既出)を使
用したSDS−PAGEに供した。銀染色の結果、単一
のバンドが認められた。
【0125】(8)アミノ酸配列の分析 (6)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、Q19K/Y46Dであることが確認された
(配列表の配列番号18参照)。
【0126】実施例11.ポリペプチドQ19R/Y4
6Dの作製 前記式1のN末端側より数えて15番目のGlnがAr
gに、42番目のTyrがAspに置換されたアミノ酸
配列を有するポリペプチド、Q19R/Y46Dを以下
の方法で製造した。
【0127】(1)プラスミドpM744の構築 実施例10(1)で得られたプラスミドpM748を鋳
型とする2度のPCRを実施例3(1)と同様に行っ
た。ただし、第一次PCR用のアンチセンスプライマー
としては、実施例4(1)で作製したQ19Rプライマ
ーを使用した。第二次PCR後の増幅産物を、1.5%
アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサ
イズ約380bpのバンドが認めれらた。この増幅産物
をフェノール処理/エタノール沈澱で精製し、本発明の
DNAを得た。これを実施例3(2)の方法で、プラス
ミドpM463に組み込み、発現用プラスミドpM74
4を作製した。制限酵素HindIII およびBamHI
で二重消化したのち、目的とするサイズ約340bpの
断片を抽出、精製した。DNAシークエンサー(既出)
を使用してシークエンシングを行った。プラスミドpM
744における、本発明の新規ポリペプチドをコードす
るDNAを含むHindIII 消化部位からBamHI消
化部位までの確認された塩基配列、および対応するアミ
ノ酸配列を図37に示した(配列表の配列番号19参
照)。
【0128】(2)形質転換体の作製および培養 (1)で得られたプラスミドpM744を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM744)を作製した。この
大腸菌株JE5505(pM744)を、実施例3
(3)と同様に培養した。この培養混合物をBench
mark GX(既出)を使用して濃縮後、遠心分離し
て菌体を回収した。
【0129】(3)本発明のポリペプチドの精製 (2)で得られた菌体より、実施例10(4)の方法で
インクルージョンボディを回収し、可溶化および還元処
理を行い、実施例10(5)の方法でリフォールディン
グを行った。実施例10(6)の方法で精製を行い、精
製標品を得た。
【0130】(4)SDS−PAGE (3)で得られた精製標品を実施例10(7)の方法で
SDS−PAGEに供した。その結果、単一のバンドが
認められた。
【0131】(5)アミノ酸配列の分析 (4)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、Q19R/Y46Dであることが確認された
(配列表の配列番号20参照)。
【0132】実施例12.ポリペプチドR11Q/Q1
9K/Y46Dの作製 前記式1のN末端側より数えて7番目のArgがGln
に、15番目のGlnがLysに、42番目のTyrが
Aspに置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、R11Q/Q19K/Y46Dを以下の方法で製造
した。
【0133】(1)プラスミドpM741の構築 実施例10(2)で得られたプラスミドpM727を鋳
型として2度のPCRを実施例3(1)と同様の方法で
行った。ただし、第一次PCR用のアンチセンスプライ
マーとしては、化学合成して得たR11Qプライマー
(図38)を使用した。第二次PCR後の増幅産物を、
1.5%アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的
とするサイズ約380bpのバンドが確認された。この
増幅産物をフェノール処理/エタノール沈澱で精製し、
本発明のDNAを得た。得られた本発明のDNAを実施
例3(2)の方法で、プラスミドpM463に組み込
み、発現用プラスミドpM741を作製した。プラスミ
ドpM741を制限酵素HindIII およびBamHI
で二重消化し、目的とするサイズ約340bpの断片を
抽出、精製した。DNAシークエンサー(既出)を使用
して実施例2(2)の方法でシークエンシングを行っ
た。プラスミドpM741における、本発明の新規ポリ
ペプチドをコードするDNAを含むHindIII 消化部
位からBamHI消化部位までの確認された塩基配列、
および対応するアミノ酸配列を図39に示した(配列表
の配列番号21参照)。
【0134】(2)形質転換体の作製および培養 (1)で得られたプラスミドpM741を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM741)を作製した。培養
混合物の一部をサンプリングして遠心分離し、上清を回
収した。上清中のトリプシン阻害活性を実施例17
(1)の方法で測定したところ、実施例10で得られた
大腸菌株JE5505(pM727)の培養上清中のト
リプシン阻害活性よりも、約5倍高かった。この結果
と、ポリペプチドQ19K/Y46DとR11Q/Q1
9K/Y46Dのウシトリプシン阻害の比活性を算出し
た結果とから、前記式1のN末端側より数えて7番目の
アミノ酸をArgからGlnへ置換することにより、ポ
リペプチドの形質転換体外への分泌発現量が高くなるこ
とが確認された。大腸菌株JE5505(pM741)
を培養して得られた残りの培養混合物をBenchma
rk GX(既出)を使用して濃縮し、遠心分離して菌
体を回収した。
【0135】(3)本発明のポリペプチドの精製 (2)で得られた菌体より、実施例10(4)の方法で
インクルージョンボディを回収して可溶化および還元処
理を行い、実施例10(5)の方法でリフォールディン
グを行った。実施例10(6)の方法で精製を行い、精
製標品を得た。
【0136】(4)SDS−PAGE (3)で得られた精製標品を実施例10(7)の方法で
SDS−PAGEに供した。その結果、単一のバンドが
認められた。
【0137】(5)アミノ酸配列の分析 (4)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、R11Q/Q19K/Y46Dであることが確
認された(配列表の配列番号22参照)。
【0138】実施例13.ポリペプチドR11D/Q1
9K/Y46Dの作製 前記式1のN末端側より数えて7番目のArgがAsp
に、15番目のGlnがLysに、42番目のTyrが
Aspに置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、R11D/Q19K/Y46Dを以下の方法で製造
した。
【0139】(1)プラスミドpM742の構築 実施例10(2)で得られたプラスミドpM727を鋳
型とする2度のPCRを、実施例3(1)と同様に行っ
た。ただし、第一次PCR用のアンチセンスプライマー
としては、化学合成して得たR11Dプライマー(図4
0)を使用した。得られた第二次PCR後の増幅産物を
1.5%アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的
とするサイズ約380bpのバンドが確認された。この
増幅産物をフェノール処理/エタノール沈澱で精製し、
本発明のDNAを得た。得られた本発明のDNAを実施
例3(2)の方法で、プラスミドpM463に組み込
み、発現用プラスミドpM742を作製した。プラスミ
ドpM742を制限酵素HindIII およびBamHI
で二重消化し、目的とするサイズ約340bpの断片を
抽出、精製した。DNAシークエンサー(既出)を使用
して実施例2(2)の方法でシークエンシングを行っ
た。プラスミドpM742における、本発明の新規ポリ
ペプチドをコードするDNAを含むHindIII 消化部
位からBamHI消化部位までの確認された塩基配列、
および対応するアミノ酸配列を図41に示した(配列表
の配列番号23参照)
【0140】(2)形質転換体の作製および培養 (1)で得られたプラスミドpM742を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM742)を作製した。この
大腸菌株JE5505(pM742)を、実施例3
(3)と同様に培養した。培養混合物より一部をサンプ
リングして、遠心分離し、上清を回収した。上清中のト
リプシン阻害活性を、実施例17(1)の方法で測定し
たところ、実施例10で得られた大腸菌株JE5505
(pM727)の培養上清中のトリプシン阻害活性より
も、約2倍高かった。この結果と、ポリペプチドQ19
K/Y46DとR11D/Q19K/Y46Dのトリプ
シン阻害の比活性を算出した結果とから、前記式1のN
末端側より数えて7番目のアミノ酸をArgからAsp
へ置換することにより、形質転換体外へポリペプチドの
分泌発現量が高くなることが確認された。大腸菌株JE
5505(pM742)を培養して得た残りの培養混合
物を、Benchmark GX(既出)を使用して濃
縮した後、遠心分離して菌体を回収した。
【0141】(3)本発明のポリペプチドの精製 (2)で得られた菌体より、実施例10(4)の方法
で、インクルージョンボディを回収して可溶化および還
元処理を行い、実施例10(5)の方法でリフォールデ
ィングを行った。実施例10(6)の方法で精製を行
い、精製標品を得た。
【0142】(4)SDS−PAGE (3)で得られた精製標品を実施例10(7)の方法で
SDS−PAGEに供した。その結果、単一のバンドが
認められた。
【0143】(5)アミノ酸配列の分析 (3)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、R11D/Q19K/Y46Dであることが確
認された(配列表の配列番号24参照)。
【0144】実施例14.ポリペプチドR11L/Q1
9K/Y46Dの作製 前記式1のN末端側より数えて7番目のArgがLeu
に、15番目のGlnがLysに、42番目のTyrが
Aspに置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、R11L/Q19K/Y46Dを以下の方法で製造
した。
【0145】(1)プラスミドpM743の構築 実施例10(2)で得られたプラスミドpM727を鋳
型とする2度のPCRを、実施例3(1)と同様に行っ
た。ただし、第一次PCR用のアンチセンスプライマー
としては、化学合成にて得たR11Lプライマー(図4
2)を使用した。第二次PCR後の増幅産物を1.5%
アガロースゲル電気泳動に供したところ、目的とするサ
イズ約380bpのバンドが確認された。この増幅産物
をフェノール処理/エタノール沈澱で精製し、本発明の
DNAを得た。得られた本発明のDNAを実施例3
(2)の方法で、プラスミドpM463に組み込み、発
現用プラスミドpM743を作成した。プラスミドpM
743を制限酵素HindIII およびBamHIで二重
消化し、目的とするサイズ約340bpの断片を抽出、
精製した。DNAシークエンサー(既出)を使用して実
施例2(2)の方法でシークエンシングを行った。プラ
スミドpM743における、本発明の新規ポリペプチド
をコードするDNAを含むHindIII 消化部位からB
amHI消化部位までの確認された塩基配列、および対
応するアミノ酸配列を図43に示した(配列表の配列番
号25参照)
【0146】(2)形質転換体の作製および培養 (1)で得られたプラスミドpM743を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM743)を作製した。この
大腸菌株JE5505(pM743)を、実施例3
(3)と同様に培養し、得られた培養混合物をBenc
hmark GX(既出)を使用して濃縮した後、遠心
分離して菌体を回収した。
【0147】(3)本発明のポリペプチドの精製 (2)で得られた菌体より、実施例10(4)の方法で
インクルージョンボディを回収して可溶化および還元処
理を行い、実施例10(5)の方法でリフォールディン
グを行った。実施例10(6)の方法で精製を行い、精
製標品を得た。
【0148】(4)SDS−PAGE (3)で得られた精製ポリペプチドを、実施例10
(7)の方法で、SDS−PAGEに供した。その結
果、単一のバンドが認められた。
【0149】(5)アミノ酸配列の分析 (3)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、R11L/Q19K/Y46Dであることが確
認された(配列表の配列番号26参照)。
【0150】実施例15.ポリペプチドR11E/Q1
9K/Y46Eの作製 前記式1のN末端側より数えて7番目のArgがGl
u、15番目のGlnがLysに、42番目のTyrが
Gluに置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、R11E/Q19K/Y46Eを以下の方法で製造
した。 (1)プラスミドpM721の構築 実施例10(2)で得られたプラスミドpM727を鋳
型とし、2度のPCRを行った。PCRの諸条件は実施
例3(1)に従った。第一次PCR用のセンスプライマ
ーとしては、実施例2(1)で作製したオリゴマーY4
6E、アンチセンスプライマーとしては実施例3(1)
で作製したpBRBamHIプライマーを使用した。得
られた増幅産物を1.5%アガロースゲル電気泳動に供
したところ、目的とするサイズ約120bpのバンドが
認められた。この増幅産物をフェノール処理/エタノー
ル沈澱で精製した後、TEバッファーに溶解した。これ
をアンチセンスプライマーとし、実施例3(1)で作製
したHindIII プライマーをセンスプライマーとし、
プラスミドpM727を鋳型とする第二次PCRを行っ
た。得られた増幅産物を1.5%アガロースゲル電気泳
動法に供したところ目的とするサイズ約380bpのバ
ンドが認められた。この増幅産物をフェノール処理/エ
タノール沈澱で精製した後、実施例3(2)の方法で、
プラスミドpM463に組み込み、発現用プラスミドp
M721を作製した。
【0151】(2)プラスミドpM738の作製 (1)で得られたプラスミドpM721を鋳型として、
2度のPCRを実施例3(1)と同様に行った。ただ
し、第一次PCR用のアンチセンスプライマーとしては
実施例6(1)でR11Eプライマーを使用した。第二
次PCR後の増幅産物を1.5%アガロースゲル電気泳
動に供したところ目的とするサイズ約380bpのバン
ドが認められた。この増幅産物をフェノール処理/エタ
ノール沈澱で精製した後、実施例3(2)の方法で、プ
ラスミドpM463に組み込み、プラスミドpM738
を作製した。プラスミドpM738における、制限酵素
HindIII およびBamHIで二重消化したのち、目
的とするサイズ約340bpの断片を抽出、精製した。
DNAシークエンサー(既出)を使用して実施例2
(2)の方法でシークエンシングを行った。プラスミド
pM738における、本発明の新規ポリペプチドをコー
ドするDNAを含むHindIII 消化部位からBamH
I消化部位までの確認された塩基配列、および対応する
アミノ酸配列を図44に示した(配列表の配列番号27
参照)。
【0152】(3)形質転換体の作製および培養 (1)で得られたプラスミドpM738を用いて、ハナ
ハンの方法により大腸菌株JE5505を形質転換し、
大腸菌株JE5505(pM738)を作製した。この
大腸菌株JE5505(pM738)を、実施例3
(3)と同様に培養した後、培養混合物の一部をサンプ
リングして遠心分離し、上清を回収した。上清中のトリ
プシン阻害活性を実施例17(1)の方法で測定したと
ころ、(1)で得られたプラスミドpM721で形質転
換させた大腸菌株JE5505(pM721)の培養上
清中のトリプシン阻害活性よりも、約5倍高かった。こ
の結果と、ポリペプチドQ19K/Y46EとR11E
/Q19K/Y46Eのウシトリプシン阻害の比活性を
算出した結果とから、前記式1のN末端側より数えて7
番目のアミノ酸をArgからGluへ置換することによ
り、形質転換体外への、ポリペプチドの分泌量発現量が
高くなることが確認された。残りの培養混合物をBen
chmark GX(既出)を使用して濃縮後、遠心分
離して菌体を回収した。
【0153】(4)本発明のポリペプチドの精製 (3)で得られた菌体より、実施例10(4)の方法で
インクルージョンボディを回収して可溶化および還元処
理を行い、実施例10(5)の方法でリフォールディン
グを行った。実施例10(6)の方法で精製を行い、精
製標品を得た。 (5)SDS−PAGE (3)で得られた精製ポリペプチドを、実施例10
(7)の方法で、SDS−PAGEに供した。その結
果、単一のバンドが認められた。
【0154】(6)アミノ酸配列の分析 (3)で得られた精製標品の一部を50%酢酸に溶解し
て、実施例2(6)と同様の方法でアミノ酸配列の分析
を行った。その結果、この精製標品は目的とするポリペ
プチド、R11E/Q19K/Y46Eであることが確
認された(配列表の配列番号28参照)。
【0155】実施例16.ポリペプチドR11N/Q1
9K/Y46D、R11S/Q19K/Y46Dおよび
R11A/Q19K/Y46Dの作製 前記式1のN末端から数えて7番目のアミノ酸がAsn
に変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドR11N
/Q19K/Y46D(配列番号29参照)、7番目の
アミノ酸がSerに変化したアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドR11S/Q19K/Y46D(配列番号30
参照)、7番目のアミノ酸がAlaに変化したアミノ酸
配列を有するポリペプチドR11A/Q19K/Y46
E(配列番号31参照)を以下の方法で作製した。ま
ず、それぞれ配列表の配列番号32、33、34に示さ
れる塩基配列を有するDNAを作製し、大腸菌JE55
05を形質転換し、形質転換体JE5505(pM76
4)、JE5505(pM765)、JE5505(p
M767)を得た。大腸菌の培養上清の一部をサンプリ
ングして、トリプシン阻害活性を測定したところ、いず
れも、形質転換体JE5505(pM727)の培養上
清中のトリプシン阻害活性に比べて約4倍高かった。こ
れらの結果と、各ポリペプチドのウシトリプシン阻害の
比活性を算出した結果とから、前記式1のN末端から数
えて7番目のアミノ酸をAsn、SerもしくはAla
に置換することにより、当該ポリペプチドが形質転換体
からの分泌発現量が高くなることが確認された。得られ
た形質転換体、JE5505(pM764)、JE55
05(pM765)、JE5505(pM767)を、
実施例3(3)の方法で培養し、実施例10(6)の方
法で、ポリペプチドの精製を行った。得られた精製標品
を各々実施例2(5)の方法でSDS−PAGEに供し
たところ、単一のバンドが確認された。
【0156】実施例17.酵素阻害活性の測定 実施例2(4)、実施例3(4)、実施例4(4)、実
施例5(4)、実施例6(4)実施例7(3)、実施例
8(3)、実施例9(4)、実施例10(6)、実施例
11(3)、実施例12(3)、実施例13(3)、実
施例14(3)、実施例15(4)および実施例16で
得た本発明のポリペプチドの精製標品Y46E、Q19
K、Q19R、Q19K/Y46E、R11E/Y46
E、Y46E−AN、Q19K−AN、Q19R/Y4
6E、Q19K/Y46D、Q19R/Y46D、R1
1Q/Q19K/Y46D、R11D/Q19K/Y4
6D、R11L/Q19K/Y46D、R11E/Q1
9K/Y46E、R11N/Q19K/Y46D、R1
1S/Q19K/Y46DおよびR11A/Q19K/
Y46Dのトリプシン、FXa、エラスターゼ阻害活性
をそれぞれ以下の方法で測定した。
【0157】(1)ウシトリプシン阻害活性 本発明の新規ポリペプチドの精製標品を蒸留水100μ
lに溶解した後、0.1%BSA/0.2Mトリエタノ
ールアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)を用いて段階希
釈し、活性測定用溶液とした。合成基質S−2444
(第一化学薬品株式会社製)を用い、カッセル(Kassel
l) の方法(Kassell B.等、Methods in Enzymol.,19
巻、844−852頁、1970年)に準じて活性測定
用溶液のトリプシン阻害活性を測定した。すなわち、ウ
シトリプシン(Type XIII 、シグマ社製)を、その濃度
が13600BAEEU/mlとなるように0.001
MHClに溶解した後、さらに0.1%BSA/0.2
Mトリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)に
て希釈し、濃度1.2BAEEU/mlのトリプシン溶
液を調製した。別に合成基質S−2444をその濃度が
2mMとなるように蒸留水に溶解し、S−2444溶液
とした。前述の活性測定用溶液100μlおよびウシト
リプシン溶液100μlを混合し、37℃、10分間静
置した。これに上記S−2444溶液50μlを加え、
37℃、15分間反応させた後、50%酢酸50μlを
加えて反応を停止させ、分光光度計を用いて、波長40
5nmにおける吸光度を測定した。なお、ここで用いた
各種溶液の吸光度への影響を差し引くため、50%酢酸
50μlを予め加えた上述のウシトリプシン溶液100
μlに、活性測定用溶液100μlおよびS−2444
溶液50μlを加えたものをブランクとして使用した。
本発明のポリペプチド、Y46E、Q19K、Q19
R、Q19K/Y46E、R11E/Y46E、Y46
E−AN、Q19K−AN、Q19R/Y46E、Q1
9K/Y46D、Q19R/Y46D、R11Q/Q1
9K/Y46D、R11D/Q19K/Y46D、R1
1L/Q19K/Y46D、R11E/Q19K/Y4
6E、R11N/Q19K/Y46D、R11S/Q1
9K/Y46D、R11A/Q19K/Y46Dは、い
ずれも濃度依存的にウシトリプシンを阻害した。
【0158】(2)ヒトトリプシン阻害活性 本発明の新規ポリペプチドの精製標品を蒸留水100μ
lに溶解した。UTI(持田製薬株式会社製、大西治夫
等、日本薬理学雑誌、85巻、1−6頁、1985年参
照)をスタンダードとして(1)の方法により測定した
ウシトリプシン阻害活性から、この溶液のポリペプチド
の濃度を算出した。ついで0.03%BSA/0.2M
トリエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)を用
いて、ポリペプチド溶液を各種濃度に希釈し、活性測定
用溶液とした。別に濃度が1000SU/mlとなるよ
うに1mMHClに溶解したヒトトリプシン(カルビオ
ケム社製)を0.03%BSA/0.2Mトリエタノー
ルアミン−塩酸緩衝液(pH7.8)を用いて希釈し、
1.25SU/mlのヒトトリプシン溶液を調製し、合
成基質S−2444(既出)を基質として、(1)と同
様の方法で、ヒトトリプシン阻害活性を測定した。本発
明のポリペプチド、Y46E、Q19K、Q19R、Q
19K/Y46E、R11E/Y46E、Y46E−A
N、Q19K−AN、Q19R/Y46E、Q19K/
Y46D、Q19R/Y46D、R11Q/Q19K/
Y46D、R11D/Q19K/Y46D、R11L/
Q19K/Y46D、R11E/Q19K/Y46E、
R11N/Q19K/Y46D、R11S/Q19K/
Y46D、R11A/Q19K/Y46Dは、いずれも
濃度依存的にヒトトリプシンを阻害した。
【0159】(3)FXaに対する阻害活性 本発明の新規ポリペプチドの精製標品を蒸留水100μ
lに溶解した。UTIをスタンダードとして、(1)の
方法により測定したウシトリプシン阻害活性から、この
溶液のポリペプチドの濃度を算出した。この溶液を0.
1%BSA/150mMNaCl/5mMCaCl2
50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)を用いて、各
種濃度に希釈し、活性測定用溶液とした。一方、ポリペ
プチドTN70もしくはAN68を各種濃度に希釈し
て、コントロール溶液とした。なお、ポリペプチドTN
70はプラスミドpM552で大腸菌株JE5505を
形質転換して得た大腸菌株JE5505(pM552)
〔寄託番号:微工研条寄第3561号(FERM BP
−3561)〕の培養上清より、実施例2(4)の方法
に準じて精製したものであり(特願平3−325220
号公報参照)、ポリペプチドAN68は、実施例4
(1)で作製したプラスミドpM594で大腸菌JE5
505を形質転換させて得られた、大腸菌JE5505
(pM594)の培養上清から、実施例2(4)の方法
に準じて精製したポリペプチドである。それぞれのアミ
ノ酸配列を下記に示した。 ポリペプチドTN70 Thr Val Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn ポリペプチドAN68 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 活性測定用溶液およびコントロール溶液のFXa阻害活
性を、合成基質S−2222(第一化学株式会社製)を
用いて、オーノ(Ohno)等の方法(OhnoH. 等、 T
hromb. Res., 19 , 579-588, 1980 )に準じて測定し
た。まず、ヒトFXa(アメリカンダイアグノスティカ
社製)を、その濃度が10PEU/mlになるように蒸
留水に溶解した後、さらに、0.1%BSA/150m
MNaCl/5mMCaCl2 /50mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.3)を用いて希釈し、0.1PEU/m
lのFXa溶液を調製した。別にS−2222を、その
濃度が4mMになるように蒸留水に溶解した後、さらに
0.1%BSA/150mMNaCl/5mMCaCl
2 /50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)を用いて
希釈し、濃度2mMのS−2222溶液を調製した。前
述の活性測定用溶液もしくはコントロール溶液25μ
l、0.1%BSA/150mMNaCl/5mMCa
Cl2 /50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)10
0μlおよびFXa溶液25μlを混合し、37℃、1
0分間静置した。ついで、S−2222溶液100μl
を加え、37℃、30分間反応させた。50%酢酸50
μlを加えて反応を停止させた後、分光光度計を用い
て、波長405nmにおける吸光度を測定した。なお、
ここで用いた各種溶液の吸光度への影響を差し引くため
に、50%酢酸50μlを予め加えた上述のFXa溶液
25μlに、活性測定用溶液もしくはコントロール溶液
25μl、0.1%BSA/150mMNaCl/5m
MCaCl2 /50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
3)100μlおよびS−2222溶液100μlを加
えたものをブランクとして使用した。
【0160】結果を図45から図53に示した。図中、
横軸に、反応液中のポリペプチドの濃度をウシトリプシ
ン阻害活性(U/ml)で表示した。また、図中、残存
ヒトFXa活性は、上記測定系において、活性測定用溶
液の代わりに0.1%BSA/150mMNaCl/5
mMCaCl2 /50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
3)25μlを加えて反応させた時の吸光度を100%
として、百分率で表示したものである。
【0161】実施例2(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチド、Y46Eは、コントロールと比べ、有意に高い
FXa阻害活性を有しており、図45から判断されるポ
リペプチドY46EのFXa阻害活性は、コントロール
であるポリペプチドTN70の約7倍であった。
【0162】実施例3(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチド、Q19Kは、コントロールと比べ、有意に高い
FXa阻害活性を有しており、図46から判断されるポ
リペプチド、Q19KのFXa阻害活性は、コントロー
ルであるポリペプチドTN70の約5倍であった。
【0163】実施例4(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチド、Q19Rは、コントロールと比べて、有意に高
いFXa阻害活性を有しており、図47から判断される
ポリペプチドQ19RのFXa阻害活性は、コントロー
ルであるポリペプチドAN68の約6倍であった。
【0164】実施例5(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチドQ19K/Y46Eは、コントロールと比べて、
有意に高いFXa阻害活性を有しており、図48から判
断される本発明の新規ポリペプチドQ19K/Y46E
のFXa阻害活性は、コントロールであるポリペプチド
AN68の約10倍であった。
【0165】実施例6(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチドR11E/Y46Eは、コントロールと比べて、
有意に高いFXa阻害活性を有しており、図49から判
断される、ポリペプチドR11E/Y46EのFXa阻
害活性は、コントロールであるポリペプチドAN68の
約3倍であった。
【0166】実施例9(4)で得た本発明の新規ポリペ
プチド、Q19R/Y46Eは、コントロールと比べ
て、有意に高いFXa阻害活性を有しており、図50か
ら判断されるポリペプチドQ19R/Y46EのFXa
阻害活性は、コントロールであるポリペプチドAN68
の約10倍であった。
【0167】実施例10(6)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、Q19K/Y46Dは、コントロールと比べ
て、有意に高いFXa阻害活性を有しており、図51か
ら判断されるポリペプチドQ19K/Y46DのFXa
阻害活性は、コントロールであるポリペプチドAN68
の約20倍であった。
【0168】実施例11(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、Q19R/Y46Dは、コントロールと比べ
て、有意に高いFXa阻害活性を有しており、図51か
らに判断されるポリペプチドQ19R/Y46DのFX
a阻害活性は、コントロールであるポリペプチドAN6
8の約18倍であった。
【0169】実施例12(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、R11Q/Q19K/Y46Dは、コントロ
ールと比べて、有意に高いFXa阻害活性を有してい
た。図52から判断されるポリペプチドR11Q/Q1
9K/Y46DのFXa阻害活性は、コントロールであ
るポリペプチドAN68の約20倍であった。
【0170】実施例13(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、R11D/Q19K/Y46Dは、コントロ
ールと比べて、有意に高いFXa阻害活性を有してい
た。図52から判断されるポリペプチドR11D/Q1
9K/Y46DのFXa阻害活性は、コントロールであ
るポリペプチドAN68の約5倍であった。
【0171】実施例14(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、R11L/Q19K/Y46Dは、コントロ
ールと比べて、有意に高いFXa阻害活性を有してい
た。図52から判断されるポリペプチドR11L/Q1
9K/Y46DのFXa阻害活性は、コントロールであ
るポリペプチドAN68の約16倍であった。
【0172】実施例15(4)で得た本発明の新規ポリ
ペプチド、R11E/Q19K/Y46Eは、コントロ
ールと比べて、有意に高いFXa阻害活性を有してい
た。図53から判断されるポリペプチドR11E/Q1
9K/Y46EのFXa阻害活性は、コントロールであ
るポリペプチドAN68の約13倍であった。
【0173】(3)ヒトエラスターゼ阻害活性 本発明の新規ポリペプチドの精製標品を、100μlの
蒸留水に溶解した。この溶液のポリペプチド濃度を、U
TI(既出)をスタンダードとして、ウシトリプシン阻
害活性より求めた後、0.1%BSA/27mM Ca
Cl2 /133mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)
で各種濃度に希釈し、ヒトエラスターゼ阻害活性測定用
のサンプルとした。同様に、ポリペプチドAN68およ
び実施例10で得た新規ポリペプチドQ19K/Y46
Dをそれぞれ各種濃度に希釈してコントロールとした。
活性測定用サンプルおよびコントロールのヒトエラスタ
ーゼ阻害活性を、合成基質、STANA(ペプチド研究
所製)を基質とし、オガワ(Ogawa) 等の方法(Ogawa M.
等、Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol., 55巻、2
71-274 頁、1987年)に準じて測定した。
【0174】まず、ヒト好中球エラスターゼ(カルビオ
ケム社製)を27mM CaCl2/133mM トリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)にて、6U/mlに調製
し、さらに、0.1%BSA/27mM CaCl2
133mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて希釈
し、0.24U/mlのエラスターゼ溶液を調製した。
一方、合成基質STANAをN−メチル−2−ピロリド
ン(N-methyl-2-pyrrolidone)で100mMに溶解し、さ
らに、0.1%BSA/27mM CaCl2 /133
mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて希釈し、20
mMのSTANA溶液を調製した。
【0175】上記ヒトエラスターゼ阻害活性測定用サン
プルもしくはコントロール50μl、エラスターゼ溶液
50μl、および0.1%BSA/27mM CaCl
2 /133mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)50μ
lを混合し、37℃にて10分間静置した。次いでST
ANA溶液50μlを加え、反応を開始させた。37℃
にて20分間反応後、50%酢酸50μlを加えて反応
を停止させ、分光光度計にて、波長405nmにおける
吸光度を測定した。
【0176】なお、データ処理の際に、ここで用いた各
種溶液の吸光度への影響を差し引くための対照として
は、上述のエラスターゼ溶液50μlに、予め、50%
酢酸50μlを加え、活性測定用サンプルもしくはコン
トロール50μl、0.1%BSA/27mMCaCl
2 /133mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)50μ
l、STANA溶液50μlを加えたものを使用した。
【0177】結果を図54から図55に示した。図中、
残存ヒトエラスターゼ活性は、上記測定系において、活
性測定用サンプルもしくはコントロールの代わりに0.
1%BSA/27mM CaCl2 /133mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)を50μl加えて反応させた
時の吸光度を100%として、百分率にて示したもので
ある。
【0178】実施例12(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチドR11Q/Q19K/Y46Dは、コントロー
ルと比べて、有意に高いエラスターゼ阻害活性を有して
いた。図54から判断されるエラスタ−ゼ阻害活性はコ
ントロールであるポリペプチドAN68の約3倍であ
り、ポリペプチドQ19K/Y46Dの約3倍であっ
た。
【0179】実施例13(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチドR11D/Q19K/Y46Dは、コントロー
ルと比べて、有意に高いエラスターゼ阻害活性を有して
いた。図54から判断されるエラスタ−ゼ阻害活性はコ
ントロールであるポリペプチドAN68の約3倍であ
り、ポリペプチドQ19K/Y46Dの約3倍であっ
た。
【0180】実施例14(3)で得た本発明の新規ポリ
ペプチドR11L/Q19K/Y46Dは、コントロー
ルと比べて、有意に高いエラスターゼ阻害活性を有して
いた。図54から判断されるエラスタ−ゼ阻害活性はコ
ントロールであるポリペプチドAN68の約2倍であ
り、ポリペプチドQ19K/Y46Dの約2倍であっ
た。
【0181】実施例15(4)で得た本発明の新規ポリ
ペプチドR11E/Q19K/Y46Eは、コントロー
ルと比べて、有意に高いエラスターゼ阻害活性を有して
いた。図55から判断されるエラスタ−ゼ阻害活性はコ
ントロールであるポリペプチドAN68の約5倍であ
り、実施例15(1)で得られたプラスミドpM721
で形質転換させた形質転換体JE5505(pM72
1)の培養上清から精製したポリペプチドQ19K/Y
46Eの約6倍であった。
【0182】実施例18.安全性 本発明の新規ポリペプチドの安全性を以下の(1)、
(2)の方法で確認した。
【0183】(1) 形質転換体JE5505(pM5
75B)、JE5505(pM576)、JE5505
(pM735)、JE5505(pM736)、JE5
505(pM726B)、JE5505(pM575
C)、JE5505(pM576B)、JE5505
(pM737B)をそれぞれ培養し、培養上清から実施
例2(4)の方法を参考にして、本発明のポリペプチ
ド、Y46E、Q19K、Q19R、Q19K/Y46
E、R11E/Y46E、Y46E−AN、Q19K−
AN、Q19R/Y46Eの精製標品を得た。おのおの
生理食塩水に溶解し、分画分子量20000のパイロザ
ルトユニット(ザルトリウス社)を用いて、リポポリサ
ッカライド(以後LPSと略す)を除去し、以下の動物
実験に使用した。1週間予備飼育した雄性および雌性の
Wistar系ラットを、1群10匹として群分けし
た。ポリペプチドの投与量が100mg/kg/日とな
るように上記ポリペプチド溶液をそれぞれ、ラットに静
脈内投与した。これをポリペプチド投与群とし、1週間
にわたって症状と体重変化を観察した。また、生理食塩
水を投与した同数の動物を対照群とした。その結果、い
ずれのポリペプチド投与群においても、顕著な副作用は
認められず、その生存率および体重変化は対照群のそれ
と同様であった。
【0184】(2) 形質転換体JE5505(pM7
27)、JE5505(pM744)、JE5505
(pM741)、JE5505(pM742)、JE5
505(pM743)、JE5505(pM738)、
JE5505(pM764)、JE5505(pM76
5)、JE5505(pM767)をそれぞれ培養し、
培養混合物から実施例10(4)、(5)、(6)の方
法を参考にして、本発明のポリペプチドQ19K/Y4
6D、Q19R/Y46D、R11Q/Q19K/Y4
6D、R11D/Q19K/Y46D、R11L/Q1
9K/Y46D、R11E/Q19K/Y46E、R1
1N/Q19K/Y46D、R11S/Q19K/Y4
6D、R11A/Q19K/Y46Aの精製標品を得
た。おのおの生理食塩水に溶解し、オメガセル(100
K)(フィルトロン社)を用いた限外濾過によりLPS
を除去し、以下の動物実験に供した。1週間予備飼育し
た雄性および雌性のWistar系ラットを、1群10
匹として群分けした。ポリペプチドの投与量が10mg
/kg/日となるように上記ポリペプチド溶液をそれぞ
れ、ラットに静脈内投与した。これをポリペプチド投与
群とし、1週間にわたって症状と体重変化を観察した。
また、生理食塩水を投与した同数の動物を対照群とし
た。その結果、いずれのポリペプチド投与群において
も、顕著な副作用は認められず、その生存率および体重
変化は対照群のそれと同様であった。
【0185】実施例19.製剤の作成 形質転換体JE5505(pM575B)、JE550
5(pM576)、JE5505(pM735)、JE
5505(pM736)、JE5505(pM726
B)、JE5505(pM575C)、JE5505
(pM576B)、JE5505(pM737B)をそ
れぞれ培養し、培養上清から実施例2(4)の方法を参
考にして、本発明のポリペプチド、Y46E、Q19
K、Q19R、Q19K/Y46E、R11E/Y46
E、Y46E−AN、Q19K−AN、Q19R/Y4
6Eの精製標品を得た。形質転換体JE5505(pM
727)、JE5505(pM744)、JE5505
(pM741)、JE5505(pM742)、JE5
505(pM743)、JE5505(pM738)、
JE5505(pM764)、JE5505(pM76
5)、JE5505(pM767)をそれぞれ培養し、
培養混合物から実施例10(4)、(5)、(6)の方
法を参考にして、本発明のポリペプチドQ19K/Y4
6D、Q19R/Y46D、R11Q/Q19K/Y4
6D、R11D/Q19K/Y46D、R11L/Q1
9K/Y46D、R11E/Q19K/Y46E、R1
1N/Q19K/Y46D、R11S/Q19K/Y4
6D、R11A/Q19K/Y46Dの精製標品を得
た。得られた精製標品をおのおの蒸留水に溶解し、オメ
ガセル(既出)を用いてLPSを除去した後、減圧乾固
した。
【0186】(1)注射用蒸留水を用いて調製した発熱
性物質不含ゼラチン0.1%(w/v)を含む1/15
Mリン酸緩衝液(pH7.4)に精製ポリペプチドを溶
解し、最終濃度2mg/mlのポリペプチド溶液とし
た。塩化ナトリウムをその最終濃度が75mMとなるよ
うに、また、マンニトールをその最終濃度が2%(w/
v)となるように、おのおの、ポリペプチド溶液に加
え、減菌した孔径0.22μmのメンブランフィルター
(ディスポーザブル・ステライル・フィルタ・システ
ム、コーニング社製)を用いて濾過減菌した後、ガラス
容器に5mlずつ分注した。
【0187】(2)注射用蒸留水を用いて調製した0.
14M塩化ナトリウム含有0.01Mリン酸緩衝液(p
H7.4)に精製ポリペプチドを溶解し、最終濃度2m
g/mlのポリペプチド溶液とした。ヒト血清アルブミ
ンを最終濃度が1%(w/v)となるように、おのお
の、ポリペプチド溶液に加え、減菌した孔径0.22μ
mのメンブランフィルター(ディスポーザブル・ステラ
イル・フィルターシステム、既出)を用いて濾過減菌し
た後、ガラス溶液に5mlずつ分注し、無菌状態で凍結
乾燥して、密封した。
【0188】
【発明の効果】本発明により、新規ポリペプチドおよび
その製造方法が提供される。また、本発明により、上記
ポリペプチドをコードするDNA、該DNAの配列を含
むことを特徴とするベクターおよび該DNAまたは該ベ
クターによって形質転換された形質転換体が提供され
る。さらに、本発明により、上記ポリペプチドを有効成
分として含有する医薬組成物および上記ポリペプチドを
用いることを特徴とする酵素阻害方法が提供される。本
発明のポリペプチドは、医薬組成物として、侵襲、多臓
器不全、ショック、膵炎、播種性血管内凝固症候群、虚
血性心疾患、腎炎、肝硬変、血行再建術時の再閉塞、血
管透過性の昂進による浮腫、成人呼吸困難症候群、慢性
関節リウマチ、関節炎およびアレルギー等の疾患の予防
および/または治療を目的とした医薬品の開発に新しい
道を開くものである。本発明のポリペプチドはまた、血
液凝固阻害活性を有することから、人工血管、人工臓
器、カテーテル等の医用器材の表面に架橋剤などを用い
て結合あるいは吸着させて用いることもできる。
【0189】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:313 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM575B) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC ACC GTC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Thr Val -10 - 5 1 GCC GCC TGC AAT CTC CCC ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC 140 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 5 10 15 ATC CAG CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC 185 Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 TTC CCC TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA 230 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 GAG AAG GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT 275 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 GAG GAG CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 313 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 70
【0190】配列番号:2 配列の長さ:70 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Val Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg 1 5 10 15 Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys 20 25 30 Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe 35 40 45 Glu Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp 50 55 60 Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 70
【0191】配列番号:3 配列の長さ:313 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM576) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GAC GAC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Asp Asp -10 - 5 1 GCC GCC TGC AAT CTC CCC ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC 140 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 5 10 15 ATC AAG CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC 185 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 TTC CCC TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC TAC TCA 230 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser 35 40 45 GAG AAG GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT 275 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 GAG GAG CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 313 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 70
【0192】配列番号:4 配列の長さ:70 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Asp Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg 1 5 10 15 Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys 20 25 30 Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe 35 40 45 Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp 50 55 60 Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 70
【0193】配列番号:5 配列の長さ:313 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM735) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CGT 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Arg 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC TAC TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0194】配列番号:6 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Arg Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0195】配列番号:7 配列の長さ:307 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM736) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0196】配列番号:8 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0197】配列番号:9 配列の長さ:307 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM726B) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC GAA GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CAG 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Glu Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0198】配列番号:10 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Glu Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0199】配列番号:11 配列の長さ:307 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM575C) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CAG 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Gln 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0200】配列番号:12 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0201】配列番号:13 配列の長さ:307 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM576B) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC TAC TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0202】配列番号:14 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Tyr Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0203】配列番号:15 配列の長さ:307 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM737B) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCG GCC 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Ala -10 - 5 1 TGT AAT CTA CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CGT 140 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Arg 5 10 15 CTC TGG GCA TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 185 Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 20 25 30 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA GAG AAG 230 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser Glu Lys 35 40 45 GAG TGC AGA GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG 275 Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu 50 55 60 CTG CTG CGC TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 307 Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0204】配列番号:16 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Arg Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0205】配列番号:17 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM727) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0206】配列番号:18 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0207】配列番号:19 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM744) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC CGG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC CGT CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Arg Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0208】配列番号: 20 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Arg Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0209】配列番号:21 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM741) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC CAG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Gln Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0210】配列番号:22 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Gln Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0211】配列番号:23 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM742) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC GAT GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Asp Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0212】配列番号:24 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Asp Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0213】配列番号:25 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM743) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC CTG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Leu Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0214】配列番号:26 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Leu Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0215】配列番号:27 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM738) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC GAA GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Glu Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAA TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0216】配列番号:28 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Glu Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Glu Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0217】配列番号:29 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Asn Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0218】配列番号:30 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Ser Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0219】配列番号:31 配列の長さ:68 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Cys Asn Leu Pro Ile Val Ala Gly Pro Cys Arg Ala Phe 1 5 10 15 Ile Lys Leu Trp Ala Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu 20 25 30 Phe Pro Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser 35 40 45 Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp 50 55 60 Glu Glu Leu Leu Arg Phe Ser Asn 65 68
【0220】配列番号:32 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM764) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC AAC GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Asn Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0221】配列番号:33 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM765) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC AGC GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Ser Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【0222】配列番号:34 配列の長さ:343 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 起源 生物名:大腸菌 株 名:JE5505(pM767) 配列 AAGCTTAAAA AAGGGTATAA AATAAA ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG 50 Met Lys Gln Ser Thr Ile Ala Leu -20 -15 GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT ACC CCT GTG ACA AAG GCC GCT GTG 95 Ala Leu Leu Pro Leu Leu Phe Thr Pro Val Thr Lys Ala Ala Val -10 -1 1 CTA CCG CAA GAA GAA GAA GGC TCG GGT ATG GCC GCC TGT AAT CTA 140 Leu Pro Gln Glu Glu Glu Gly Ser Gly Met Ala Ala Cys Asn Leu 5 10 15 CCA ATA GTC GCG GGC CCC TGC CGA GCC TTC ATC AAG CTC TGG GCA 185 Pro Ile Val Ala Gly Pro Cys Arg Ala Phe Ile Lys Leu Trp Ala 20 25 30 TTT GAT GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC TAC GGG GGC 230 Phe Asp Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro Tyr Gly Gly 35 40 45 TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG TTC GAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA 275 Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys Phe Asp Ser Glu Lys Glu Cys Arg 50 55 60 GAG TAC TGC GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CTG CGC 320 Glu Tyr Cys Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu Arg 65 70 75 TTC TCC AAC TGACAACTGG ATCC 343 Phe Ser Asn 80
【図面の簡単な説明】
【図1】 オリゴヌクレオチドS33、S34、S3
5、S18、S19、S20の塩基配列を示す図。
【図2】 プラスミドpM468の構築方法を示す図。
【図3】 プラスミドpM469の構築方法を示す図。
【図4】 プラスミドpM552を示す図。
【図5】 オリゴマーY46Eの塩基配列を示す図。
【図6】 ScaIセンスプライマーの塩基配列を示す
図。
【図7】 BamHIプライマーの塩基配列を示す図。
【図8】 プラスミドpM575Bの構築方法を示す
図。
【図9】 プラスミドpM575BのHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図10】 オリゴマーTV12DDの塩基配列を示す
図。
【図11】 HindIII プライマーの塩基配列を示す
図。
【図12】 Q19Kプライマーの塩基配列を示す図。
【図13】 pBR BamHIプライマーの塩基配列
を示す図。
【図14】 プラスミドpM576の構築方法を示す
図。
【図15】 プラスミドpM576の構築方法を示す
図。
【図16】 プラスミドpM576のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図17】 AN68プライマーの塩基配列を示す図。
【図18】 SacIIプライマーの塩基配列を示す図。
【図19】 Q19Rプライマーの塩基配列を示す図。
【図20】 プラスミドpM735の構築方法を示す
図。
【図21】 プラスミドpM735の構築方法を示す
図。
【図22】 プラスミドpM735のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図23】 プラスミドpM736の構築方法を示す
図。
【図24】 プラスミドpM736のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図25】 R11Eプライマーの塩基配列を示す図。
【図26】 プラスミドpM726Bの構築方法を示す
図。
【図27】 プラスミドpM726BのHindIII 消
化部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対
応するアミノ酸配列を示す図。
【図28】 プラスミドpM575Cの構築方法を示す
図。
【図29】 プラスミドpM575CのHindIII 消
化部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対
応するアミノ酸配列を示す図。
【図30】 プラスミドpM576Bの構築方法を示す
図。
【図31】 プラスミドpM576BのHindIII 消
化部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対
応するアミノ酸配列を示す図。
【図32】 プラスミドpM737Bの構築方法を示す
図。
【図33】 プラスミドpM737BのHindIII 消
化部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対
応するアミノ酸配列を示す図。
【図34】 リンカー710の塩基配列を示す図。
【図35】 Y46Dプライマーの塩基配列を示す図。
【図36】 プラスミドpM727のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図37】 プラスミドpM744のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図38】 R11Qプライマーの塩基配列を示す図。
【図39】 プラスミドpM741のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図40】 R11Dプライマーの塩基配列を示す図。
【図41】 プラスミドpM742のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図42】 R11Lプライマーの塩基配列を示す図。
【図43】 プラスミドpM743のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図44】 プラスミドpM738のHindIII 消化
部位からBamHI消化部位までの塩基配列および対応
するアミノ酸配列を示す図。
【図45】 本発明のポリペプチドY46EのFXa阻
害活性を示すグラフ。
【図46】 本発明のポリペプチドQ19KのFXa阻
害活性を示すグラフ。
【図47】 本発明のポリペプチドQ19RのFXa阻
害活性を示すグラフ。
【図48】 本発明のポリペプチドQ19K/Y46E
のFXa阻害活性を示すグラフ。
【図49】 本発明のポリペプチドR11E/Y46E
のFXa阻害活性を示すグラフ。
【図50】 本発明のポリペウチドQ19R/Y46E
のFXa阻害活性を示すグラフ。
【図51】 本発明のポリペプチドQ19K/Y46D
およびQ19R/Y46DのFXa阻害活性を示すグラ
フ。
【図52】 本発明のポリペプチドR11Q/Q19K
/Y46D、R11D/Q19K/Y46DおよびR1
1L/Q19K/Y46DのFXa阻害活性を示すグラ
フ。
【図53】 本発明のポリペプチドR11E/Q19K
/Y46EのFXa阻害活性を示すグラフ。
【図54】 本発明のポリペプチドR11Q/Q19K
/Y46D、R11D/Q19K/Y46D、R11L
/Q19K/Y46Dのエラスターゼ阻害活性を示すグ
ラフ。
【図55】 本発明のポリペウチドR11E/Q19K
/Y46Eのエラスターゼ阻害活性を示すグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】もちろん、これらの好ましい配列は、それ
ぞれN末端のみに追加されてもC末端のみに追加されて
も、N末端、C末端の両方に追加されてもよい。配列表
の配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、
18、20、22、24、26、28、29、30およ
び31に本発明第1の態様の新規ポリペプチドのより好
ましいアミノ酸配列を示した。これらは、FXa阻害活
性が上昇している以外にも、実施例に示した各種効果の
点で好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】もちろん、これらの好ましい配列は、5’
未満のみに追加されても3’未満のみに追加されても、
5’末端と3’末端の両方に追加されてもよい。なお、
配列表の配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19、21、23、25、27、32、33
および34に本発明第2の態様の新規DNAのより好ま
しい塩基配列を示した。これらは、FXa阻害活性が上
昇している以外にも実施例に示した各種効果の点で好ま
しい、本発明第1の態様のより好ましいポリペプチドを
コードするDNAとして好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0155
【補正方法】変更
【補正内容】
【0155】実施例16.ポリペプチドR11N/Q1
9K/Y46D、R11S/Q19K/Y46Dおよび
R11A/Q19K/Y46Dの作製 前記式1のN末端から数えて7番目のアミノ酸がAsn
に変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドR11N
/Q19K/Y46D(配列番号29参照)、7番目の
アミノ酸がSerに変化したアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドR11S/Q19K/Y46D(配列番号30
参照)、7番目のアミノ酸がAlaに変化したアミノ酸
配列を有するポリペプチドR11A/Q19K/Y46
E(配列番号31参照)を以下の方法で作製した。ま
ず、実施例12と同様に、それぞれ配列表の配列番号3
2、33、34に示される塩基配列を有するDNAを、
R11Nプライマー、R11SプライマーおよびR11
Aプライマーを第一次PCR用アンチセンスプライマー
としてPCRにより作製し、大腸菌JE5505を形質
転換し、形質転換体JE5505(pM764)、JE
5505(pM765)、JE5505(pM767)
を得た。大腸菌の培養上清の一部をサンプリングして、
トリプシン阻害活性を測定したところ、いずれも、形質
転換体JE5505(pM727)の培養上清中のトリ
プシン阻害活性に比べて約4倍高かった。これらの結果
と、各ポリペプチドのウシトリプシン阻害の比活性を算
出した結果とから、前記式1のN末端から数えて7番目
のアミノ酸をAsn、SerもしくはAlaに置換する
ことにより、当該ポリペプチドが形質転換体からの分泌
発現量が高くなることが確認された。得られた形質転換
体、JE5505(pM764)、JE5505(pM
765)、JE5505(pM767)を、実施例3
(3)の方法で培養し、実施例10(4)、(5)、
(6)の方法で、ポリペプチドの精製を行った。得られ
た精製標品を各々実施例2(5)の方法でSDS−PA
GEに供したところ、単一のバンドが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/15 15/70 C12P 21/02 C 8214−4B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) C07K 99:00

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式1のアミノ酸配列中の1つ以上のア
    ミノ酸を他のアミノ酸に置換させてなるアミノ酸配列
    を、少なくともその一部として有することを特徴とする
    新規ポリペプチド。 式1 5 10 Cys Asn Leu Pro Ile Val Arg Gly Pro Cys 15 20 Arg Ala Phe Ile Gln Leu Trp Ala Phe Asp 25 30 Ala Val Lys Gly Lys Cys Val Leu Phe Pro 35 40 Tyr Gly Gly Cys Gln Gly Asn Gly Asn Lys 45 50 Phe Tyr Ser Glu Lys Glu Cys Arg Glu Tyr Cys
  2. 【請求項2】前記式1におけるアミノ酸の置換が、下記
    (i)ないし(iii)より選ばれる1つ以上の置換である
    請求項1に記載の新規ポリペプチド。 (i)N末端側より数えて15番目のGlnをGln以
    外のアミノ酸に置換。 (ii)N末端側より数えて42番目のTyrをTyr以
    外のアミノ酸に置換。 (iii) N末端側より数えて7番目のArgをArg以外
    のアミノ酸に置換。
  3. 【請求項3】前記式1におけるアミノ酸の置換が、下記
    (i)ないし(iii)より選ばれる、いずれかの効果をも
    たらすものである請求項1または2に記載の新規ポリペ
    プチド。 (i)当該ポリペプチドの活性型血液凝固第X因子(F
    Xa)に対する阻害活性を増強させる。 (ii)当該ポリペプチドを遺伝子工学的に産生させる際
    に形質転換体からの当該ポリペプチド分泌量を高める。 (iii) 当該ポリペプチドのエラスターゼに対する阻害活
    性を増強させる。
  4. 【請求項4】前記式1におけるアミノ酸の置換が、少な
    くとも下記(1)ないし(11)から選ばれる、いずれ
    か1つ以上の置換である、請求項1ないし3のいずれか
    に記載の新規ポリペプチド。 (1)N末端側より数えて15番目のGlnを、Lys
    に置換 (2)N末端側より数えて15番目のGlnを、Arg
    に置換 (3)N末端側より数えて42番目のTyrを、Glu
    に置換 (4)N末端側より数えて42番目のTyrを、Asp
    に置換 (5)N末端側より数えて7番目のArgを、Gluに
    置換 (6)N末端側より数えて7番目のArgを、Glnに
    置換 (7)N末端側より数えて7番目のArgを、Aspに
    置換 (8)N末端側より数えて7番目のArgを、Leuに
    置換 (9)N末端側より数えて7番目のArgを、Asnに
    置換 (10)N末端側より数えて7番目のArgを、Serに
    置換 (11)N末端側より数えて7番目のArgを、Alaに
    置換
  5. 【請求項5】前記式1のアミノ酸配列中の1つ以上のア
    ミノ酸を他のアミノ酸に置換させてなるアミノ酸配列の
    N末端にさらに下記(1)ないし(5)より選ばれるい
    ずれかのアミノ酸配列が追加されたアミノ酸配列を、少
    なくともその一部として有することを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の新規ポリペプチド。 (1) Asp Asp Ala Ala (2) Thr Val Ala Ala (3) Val Ala Ala (4) Ala Ala (5) Ala
  6. 【請求項6】前記式1のアミノ酸配列中の1つ以上のア
    ミノ酸を他のアミノ酸に置換させてなるアミノ酸配列の
    C末端にさらに下記(1)ないし(15)より選ばれるい
    ずれかのアミノ酸配列が追加されたアミノ酸配列を、少
    なくともその一部として有する請求項1ないし5のいず
    れかに記載の新規ポリペプチド。 (1)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
    Arg Phe Ser Asn (2)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
    Arg Phe Ser (3)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
    Arg Phe (4)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu
    Arg (5)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu Leu (6)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu Leu (7)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu Glu (8)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp Glu (9)Gly Val Pro Gly Asp Gly Asp (10)Gly Val Pro Gly Asp Gly (11)Gly Val Pro Gly Asp (12)Gly Val Pro Gly (13)Gly Val Pro (14)Gly Val (15)Gly
  7. 【請求項7】前記新規ポリペプチドが、少なくともプロ
    テアーゼに対する阻害活性を有する請求項1ないし6の
    いずれかに記載の新規ポリペプチド。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の新規
    ポリペプチドをコードする塩基配列を有することを特徴
    とする新規DNA。
  9. 【請求項9】下記式2の塩基配列中の1つ以上の塩基を
    他の塩基に置換させてなる塩基配列を、少なくともその
    一部として有する請求項8に記載の新規DNA。 式2 1 10 20 30 TGC AAT CTC CCC ATA GTC CGG GGC CCC TGC 40 50 60 CGA GCC TTC ATC CAG CTC TGG GCA TTT GAT 70 80 90 GCT GTC AAG GGG AAG TGC GTC CTC TTC CCC 100 110 120 TAC GGG GGC TGC CAG GGC AAC GGG AAC AAG 130 140 150 TTC TAC TCA GAG AAG GAG TGC AGA GAG TAC TGC
  10. 【請求項10】前記式2における塩基の置換が、少なく
    とも、下記(i)ないし(iii) より選ばれる1つ以上の
    置換である請求項8または9に記載の新規DNA。 (i)5’末端側より数えて請求項43から45番目の
    塩基配列CAG中の塩基を他の塩基に置換。 (ii)5’末端側より数えて請求項124から126番
    目の塩基配列TAC中の塩基を他の塩基に置換。 (iii)5’末端側より数えて19番目から21番目の塩
    基配列CGG中の塩基を他の塩基に置換。
  11. 【請求項11】前記式2における塩基の置換が、少なく
    とも、下記(1)ないし(11)より選ばれる1つ以上
    の置換である請求項8ないし10のいずれかに記載のD
    NA。 (1)5’末端側より数えて43から45番目の塩基配
    列CAGを、Lysをコードする塩基配列に置換。 (2)5’末端側より数えて43から45番目の塩基配
    列CAGを、Argをコードする塩基配列に置換。 (3)5’末端側より数えて124から126番目の塩
    基配列TACを、Gluをコードする塩基配列に置換。 (4)5’末端側より数えて124から126番目の塩
    基配列TACを、Aspをコードする塩基配列に置換。 (5)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Gluをコードする塩基配列に置換。 (6)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Glnをコードする塩基配列に置換。 (7)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Aspをコードする塩基配列に置換。 (8)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Leuをコードする塩基配列に置換。 (9)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Asnをコードする塩基配列に置換。 (10)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Serをコードする塩基配列に置換。 (11)5’末端側より数えて19から21番目の塩基配
    列CGGを、Alaをコードする塩基配列に置換。
  12. 【請求項12】前記式2における塩基の置換が、少なく
    とも、下記(1)ないし(11)から選ばれるいずれか
    1つ以上の置換である請求項8ないし11のいずれかに
    記載の新規DNA。 (1)5’末端側より数えて、43から45番目の塩基
    配列CAGを、AAGに置換。 (2)5’末端側より数えて、43から45番目の塩基
    配列CAGを、CGTに置換。 (3)5’末端側より数えて、124から126番目の
    塩基配列TACを、GAAに置換。 (4)5’末端側より数えて、124から126番目の
    塩基配列TACを、GACに置換。 (5)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをGAAに置換。 (6)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをCAGに置換。 (7)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをGATに置換。 (8)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをCTGに置換。 (9)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをAACに置換。 (10)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをAGCに置換。 (11)5’末端側より数えて、19から21番目の塩基
    配列CGGをGCGに置換。
  13. 【請求項13】前記式2の塩基配列中の1つ以上の塩基
    を他の塩基に置換させてなる塩基配列の5’末端にさら
    に下記(1)ないし(5)より選ばれるいずれかの塩基
    配列が追加された塩基配列を、少なくともその一部とし
    て有することを特徴とする請求項8ないし12のいずれ
    かに記載の新規DNA。 (1) GAC GAC GCC GCC (2) ACC GTC GCC GCC (3) GTC GCC GCC (4) GCC GCC (5) GCC
  14. 【請求項14】前記式2の塩基配列中の1つ以上の塩基
    を他の塩基に置換させてなる塩基配列の3’末端にさら
    に下記(1)ないし(15)より選ばれるいずれかの塩基
    配列が追加された塩基配列を、少なくともその一部とし
    て有することを特徴とする請求項8ないし13のいずれ
    かに記載の新規DNA。 (1) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
    G CGC TTC TCC AAC (2) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
    G CGC TTC TCC (3) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
    G CGC TTC (4) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
    G CGC (5) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG CT
    G (6) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG CTG (7) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG GAG (8) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT GAG (9) GGT GTC CCT GGT GAT GGT GAT (10) GGT GTC CCT GGT GAT GGT (11) GGT GTC CCT GGT GAT (12) GGT GTC CCT GGT (13) GGT GTC CCT (14) GGT GTC (15) GGT
  15. 【請求項15】請求項8ないし14のいずれかに記載の
    DNAを含むことを特徴とするベクター。
  16. 【請求項16】請求項8ないし14のいずれかに記載の
    DNAによって形質転換された形質転換体。
  17. 【請求項17】請求項15に記載のベクターによって形
    質転換された形質転換体。
  18. 【請求項18】下記a)〜c)の工程を行うことを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれかに記載の新規ポリペ
    プチドの製造方法。 a)請求項1ないし7のいずれかに記載の新規ポリペプ
    チドをコードする塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAで宿主細胞を形質転換させて形質
    転換体を得る。 c)b)で得た形質転換体を培養して請求項1ないし7
    のいずれかに記載の新規ポリペプチドを産生させ、当該
    ポリペプチドを培養混合物から回収する。
  19. 【請求項19】下記a)〜d)の工程を行なうことを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の新規ポリ
    ペプチドの製造方法。 a)請求項1ないし7のいずれかに記載の新規ポリペプ
    チドをコードする塩基配列を有するDNAを得る。 b)a)で得たDNAを含むベクターを得る。 c)b)で得たベクターで宿主細胞を形質転換させて形
    質転換体を得る。 d)c)で得た形質転換体を培養して請求項1ないし7
    のいずれかに記載の新規ポリペプチドを産生させ、当該
    ポリペプチドを培養混合物から回収する。
  20. 【請求項20】請求項1ないし7のいずれかに記載の新
    規ポリペプチドを有効成分として含有することを特徴と
    する医薬組成物。
  21. 【請求項21】前記医薬組成物が侵襲、多臓器不全、シ
    ョック、膵炎、播種性血管内凝固症候群、虚血性心疾
    患、腎炎、肝硬変、血行再建術時の再閉塞、血管透過性
    の昂進による浮腫、成人呼吸困難症候群、慢性関節リウ
    マチ、関節炎およびアレルギーのうち、少なくとも、1
    つ以上の疾患の予防および/または治療に使用される請
    求項20に記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】請求項1ないし7のいずれかに記載の新
    規ポリペプチドを用いることを特徴とするプロテアーゼ
    阻害方法。
JP4297344A 1991-11-08 1992-11-06 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法 Withdrawn JPH0625289A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4297344A JPH0625289A (ja) 1991-11-08 1992-11-06 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29347291 1991-11-08
JP3-293472 1991-11-08
JP4-119289 1992-05-12
JP11928992 1992-05-12
JP4297344A JPH0625289A (ja) 1991-11-08 1992-11-06 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0625289A true JPH0625289A (ja) 1994-02-01

Family

ID=27313780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4297344A Withdrawn JPH0625289A (ja) 1991-11-08 1992-11-06 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0625289A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129849A1 (ja) * 2005-06-03 2006-12-07 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. 抗cd14抗体融合蛋白質

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129849A1 (ja) * 2005-06-03 2006-12-07 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. 抗cd14抗体融合蛋白質
US8252905B2 (en) 2005-06-03 2012-08-28 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. Anti-CD14 antibody fusion protein
US8541565B2 (en) 2005-06-03 2013-09-24 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. Polynucleotide encoding anti-CD14 antibody fusion protein

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2894354B2 (ja) 組換えdna技術によつて産生されたウシ膵臓トリプシン阻害剤の変異型、それらの方法、発現ベクターおよび組換え宿主、およびそれらの製薬学的使用
JPH0584083A (ja) 新規ポリペプチド、それをコードする新規dna、新規ポリペプチドの製造方法、新規医薬組成物、および新規酵素阻害方法
JPH03255099A (ja) プロテイナーゼ阻害因子、それらの調製方法およびそれらを含有する薬物
EP0687731B1 (en) Secretion vector, transformed microorganisms containing said vector and manufacture of products from said microorganism
GB2199582A (en) Analogues of pancreatic secretory trypsin inhibitor
JPH07506334A (ja) ヒトKunitz型プロテアーゼ阻害剤変異体
SI9520043A (en) Methods of producing effective recombinant serine protease inhibitors and uses of these inhibitors.
WO1992007935A1 (en) Glycosaminoglycan-targeted fusion proteins, their design, construction and compositions
JPH08504568A (ja) ウシ膵トリプシン阻害因子から誘導される因子VIIa−組織因子複合体の阻害因子
US5278285A (en) Variant of Kunitz-type inhibitor derived from the α3-chain of human type VI collagen produced by recombinant DNA technology
JP2916228B2 (ja) 遺伝子操作した組み換えアプロチニン変異型、均質に処理されたアプロチニン変異型の微生物調製の方法およびその治療学的使用
JPH04503761A (ja) Pai―2の変異体
US5589360A (en) Polypeptide, DNA fragment encoding the same, drug composition containing the same and process for producing the same
EP0297362A2 (de) Human-Aprotinin, dessen Lys-Rest in Position 15 gegen einen anderen protogenen Aminosäurerest ausgetauscht ist
JP2769083B2 (ja) エラスターゼ阻害活性を有する新規ペプチドおよびその製造方法
PT1616007E (pt) Proteínas inibidoras de uma protease e uso das mesmas
JPH0625289A (ja) 新規ポリペプチド、新規dna、医薬組成物およびポリペプチドの製造方法
JPH05308988A (ja) 新規ポリペプチド、新規dna、新規ベクター、新規形質転換体、新規医薬組成物、および新規ポリペプチドの製造方法
Masuda et al. Efficient production of the C-terminal domain of secretory leukoprotease inhibitor as a thrombin-cleavable fusion protein in Escherichia coli
US5679770A (en) Polypeptide, DNA fragment encoding the same, drug composition containing the same and process for producing the same
JPH06321989A (ja) 新規ポリペプチド、新規dnaおよび医薬組成物
JP2798573B2 (ja) ヒト好中球エラスターゼ阻害活性を有する天然型ポリペプチドおよびそれを含有する医薬製剤
Wirsching et al. Directed evolution towards protease-resistant hirudin variants
JP2002503958A (ja) 改良された特性をもつアプロチニン変異体およびアプロチニン変異体のビクニン
JPH07500964A (ja) 半翅目サシガメ科の動物からの新規トロンビン阻害性蛋白質

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000201