JPH02104285A - シュードモナス・アエルギノーザからのエラスターゼをコードするdna - Google Patents

シュードモナス・アエルギノーザからのエラスターゼをコードするdna

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JPH02104285A
JPH02104285A JP21330888A JP21330888A JPH02104285A JP H02104285 A JPH02104285 A JP H02104285A JP 21330888 A JP21330888 A JP 21330888A JP 21330888 A JP21330888 A JP 21330888A JP H02104285 A JPH02104285 A JP H02104285A
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Japan
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coli
elastase
pseudomonas aeruginosa
dna
recombinant dna
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JP21330888A
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Kazuyuki Morihara
森原 和之
Kenji Okuda
研爾 奥田
Atsushi Fukushima
淳 福島
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はシュードモナス・アエルギノーザ(緑膿菌)が
産生ずるエラスターゼをコードする遺伝子を組込んだ組
換え体DNAに関する。また、該DNAの製造方法、そ
れを含む大腸菌およびこの大腸菌を用いたシュードモナ
ス・エラスターゼの製造方法にも関する。
[従来の技術と課題] シュードモナス・アエルギノーザは、脆弱な宿主におい
て致命的な感染を引き起こしうる日和見性病原体である
。例えば、シュードモナス・アエルギノーザにより引き
起こされる肺炎が、火傷、癌および嚢胞性繊維症に罹患
している患者ならびに呼吸器についての術後患者におい
て報告されている。シュードモナス・アエルギノーザ感
染において、該細菌は感染部位にて増殖して重篤な敗血
症を引き起こす。その有毒性に関係する数種の代謝物が
同定され、かつ、特性付けられている。それらのうちで
も最も研究の進んでいるものはエラスターゼであり、そ
れは、1965年にモリハラら(Morihara e
t al、)により結晶化され、かつ、特性付けられて
いる[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー(J 、 B iol、 Chem、)、21更、3
295〜3304(1965)]。
]ツユートモナスアエルギノーザ・エラスターゼはZn
金属プロテアーゼの1種であり、活性の必須成分として
Znを含有し、かつ、該分岐点のイミノ側にて嵩高いま
たは疎水性アミノ酸残基に対してその特異性を示す。該
群の代表例はサーモライシンである。
エラスターゼの致死率は、シュードモナス・アエルギノ
ーザ・エキソトキシンAのそれと比べてかなり低い。そ
れにもかかわらず、エラスターゼ産生株はエラスターゼ
非産生株のそれよりもかなりの毒性を示すことが明らか
にされている。これは、エラスターゼ非産生株の毒性が
微量のエラスターゼをシュードモナス感染の実験動物モ
デルに加えることにより増加するという「アグレッシン
活性」により説明しうる。このアグレッシン活性は、エ
ラスターゼ−産生および非産生株の間の血液中における
増殖の差異または補体成分、ヒトイムノグロブリンG1
ヒト血漿α1−ブロテイナーゼインヒビター、ヒト気管
支粘膜ブロテイナーゼインヒビター、ヒト気道リゾチー
ム、ヒト多形核血球、ヒト好中球ルミネッセンス、ヒト
ナチュラルキラー細胞活性等のような身体における種々
の生物学的に重要なタンパク質の不活性化のいずれかに
起因しうる。それゆえ、ホンマおよびタニモト(Hon
ma and Tanimoto)[アンチバイオチッ
ク・ケモセラピ−(Antibiot、 Chemot
her、)、39゜215〜221  (1987)]
は、エラスターゼ・トキソイドを含有するシュードモナ
ス感染に対する多成分ワクチンを開発した。
一方、イグレウスキー(I glewski)およびそ
の共同研究者[ジャーナル・オブ・バクテリオロジ−(
J 、 B acteriol、)、169.2691
〜2696(1987)]は、エシェリヒア・コリ(E
 5cherichia cot i)にてエラスター
ゼ産生を復元するシュードモナス・アエルギノーザPA
OIエラスターゼについての遺伝子を含有するクローン
の単離を報告している。しかし、シュードモナス・アエ
ルギノーザのエラスターゼをコードする遺伝子を組込ん
だ組換え体DNAに関する報告は見当たらない。
このような事情の下、本発明者らは、シュードモナス・
アエルギノーザの産生ずるエラスターゼをコードするD
NAの構造解明に成功した。
[課題を解決する手段] すなわち、本発明の1つの態様はシュードモナス・アエ
ルギノーザの染色体DNA中に存在するエラスターゼを
コードする構造遺伝子を、大腸菌用ベクターに組込んだ
、大腸菌にて複製できる組換え体DNAを提供するもの
である。
また、本発明は、シュードモナス・アエルギノーザの染
色体DNAを断片化し、得られたDNA断片を大腸菌用
ベクターに組み込んで組換え体DNAを作製し、数組換
え体DNAで大腸菌を形質転換し、形質転換された大腸
菌より、シュードモナス・エラスターゼを産生ずる菌株
を選択し、選択された大腸菌から前記組換え体D N 
Aを回収することからなる組換え体DNAの製造方法を
提供するものである。
本発明の組換え体DNAは、大腸菌用ベクターにシュー
ドモナス・アエルギノーザ由来のエラスターゼをコード
する構造遺伝子を組込んだ、大腸菌内で複製可能なもの
である。組込むべきシュードモナス・エラスターゼをコ
ードする構造遺伝子は、シュードモナス・アエルギノー
ザ由来のらのいずれでもよく、公知の方法によりそのD
NA配列の一部を変更したものであってもよい。すなわ
ち、第421〜423番目の塩基対(GAG)をGGC
に変更するとglu h<glyに変わり活性のないエ
ラスターゼが得られ、毒性が消失するのでワクチン等に
使用するのに好都合である。代表的には、シュードモナ
ス・アエルギノーザIFO3455株由来のものおよび
そのDNA配列を一部変更したものが用いられる。
大腸菌用ベクターとしては、大腸菌内で複製することが
できるものが用いられる。このような大腸菌用ベクター
は種々のものが知られており、市販されている。本発明
ではこのような公知のベクターのいずれをも用いること
ができる。適当な例として、pUClBを挙げることが
できる。
本発明の組換え体DNAは次の4つの工程からなる方法
によって製造することができる。
第1工程 第1工程では原料となる染色体DNAを細胞から抽出し
、これを断片化する。原料となる染色体DNAは、例え
ば、シュードモナス・アエルギノーザIFO3455株
の細胞より抽出されたものであり、後記実施例に示すご
とく、本発明者らにより構造解明されたエラスターゼを
コードする遺伝子を含むものである。
染色体DNAを細胞から抽出する操作は公知の方法によ
って行なうことができる。
抽出したDNAを断片化する操作は制限酵素または塩基
配列特異性のないエンドヌクレアーゼによって行なうこ
とができる。さらにまた、機械的処理によって染色体D
NAを断片化することも可能である。
第2工程 第2工程では、第1工程で得られた染色体DNA断片を
公知の方法により大腸菌用ベクターに組み込んで組換え
体DNAを作製する。
策l工艮 第3工程では、第2工程で得られた組換え体DNAで大
腸菌を形質転換する。一般に、形質転換は公知のコンピ
テントセル法によって行なうことができる。
第4工程 第4工程では、形質転換された細菌のうち、原料染色体
DNA中のエラスターゼ遺伝子を含むDNA断片を有す
る組換え体DNAで形質転換され、それにより、著量の
シュードモナス・アエルギノーザ由来のエラスターゼを
産生ずる菌を選択する。
前記の第4工程によって得られた組換え体DNAで大腸
菌を形質転換することにより、シュードモナス・アエル
ギノーザ由来のエラスターゼを産生ずる細菌を得ること
ができる。
この菌株を培養し、菌体内から酵素を回収することによ
ってシュードモナス・エラスターゼを製造することがで
きる。大腸菌の培養は公知の方法によって行なうことが
できる。例えば、適当な炭素源、窒素源及び微最の金属
元素を含む培地中で振盪培養することによって行なうこ
とができる。
このようにして、組換え体DNAで形質転換された大腸
菌を培養することによって、細胞内にシュードモナス・
アエルギノーザ由来のエラスターゼを蓄積させることが
できる。得られた培養液を低速遠心分離して、菌体を集
め、菌体を緩衝液に懸濁後、菌体を破砕または溶菌させ
ることにより得られる菌体抽出液から該エラスターゼを
得ることができる。菌体破砕または溶菌に際しては公知
の方法を用いることができる。例えば、超音波破砕や、
リゾチームによる溶菌、凍結融解法等が挙げられる。
かくして得られたシュードモナス・エラスターゼは緑膿
菌感染症用ワクチンの製造に有用でありうる。また、タ
ンパク質分解酵素を利用する分野、例えば、肉の軟化等
食品関連分野においても有用でありうる。
本発明のシュードモナス・エラスターゼを緑膿菌感染症
用ワクチンとして用いる場合、かかる薬剤は、常法によ
り、医薬上許容される種々の賦形薬、希釈液と共に製剤
化される。投与量は患者の年令、体重、性別、疾患の程
度などにより変わり、医師により適宜決定されうる。
[実施例コ つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
[材料および方法] 細菌株およびベクター シュードモナス・アエルギノーザIFO3455は、日
本国、大阪の醗酵研究所から人手した。
エシェリヒア・コリ(イー・コリ)HB 101および
JMIOIをDNAクローニングのために用いた。M1
3mp18ファージをDNAシーケンシングのために用
いた。本発明に用いたイー・コリ株は、エラスチン溶解
活性も抗エラスターゼ抗体により見出される抗原のいず
れをも産生じない。シュードもナス・アエルギノーザI
FO3455は、約150μ9/M(lエラスターゼ抗
原を産生じ、かつ、37℃にて48時間インキュベーシ
ョン後、エラスチン寒天プレート上に5u以上の鮮明な
ゾーンを生じた。
N−末端配列決定 サウアーら(Sauer et al、)の方法[バイ
オケミストリー(B iochemistry)、■、
1994〜2000(1967)]に従って手動エドマ
ン分解を行な・った。アミノ酸のフェニルチオヒダント
イン誘導体は、標品試料に対してHPLCにより同定し
た。
蛋白質分解検定 全蛋白質分解活性は、lOmMNaHPo、緩衝液(p
H7、0)中に懸濁したハイドパウダー・アズール(シ
グマ)の1時間消化を伴うレトリンド・ビーおよびティ
ー・ワドストローム(Wratlind、 B 。
and T、Wadstrom)により記載された方法
[ジャーナル・オブ・ジェネラル・マイクロバイオロジ
ー(J、Gen、Microbio!、)、103.3
19〜327(1977)]の修正により測定した。エ
ラスチン溶解活性は、ビョルンら(Bjovn et 
al、)により記載された方法[ジャーナル・オブ・バ
クテリオロジ−(J 、Bacteriol、)、±3
8S 193〜200(1979)]により測定した。
lomMNaHPO,緩衝液中に懸濁したエラスチンコ
ンゴーレッド(シグマ)の消化を16〜18時間行なっ
た。
蛋白質の検出 培養液または超音波処理細菌懸濁液の上清を10%ポリ
アクリルアミドゲル上に付した。アミドブラックあるい
はクマシーブルーで染色することにより蛋白質を明視化
した。エラスターゼ・タンパク質を確認するため、バー
ネット(B urnette)の方法[アナリティカル
・バイオケミストリー(A nal、 B ioche
m、)、上工主、680〜685 (+981)iに従
ってウェスタンプロット分析を行なった。
遺伝子ライブラリーの構築およびスクリーニング常法[
バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ
・コミュニケーションズ(B iochem、 B 1
ophys、Res、 Comm、)、上52.111
7〜1122(198B)コおよびEcoRlによる部
分的消化によりシュードモナス・アエルギノーザIFO
3455から染色体DNAを収集した。
5kb以上のDNAフラグメントをイー・コリ発現ベク
ター、pUclHに連結し、遺伝子ライブラリーを構築
した。この遺伝子ライブラリーから、パーオキシダーゼ
にて標識した通常のウサギ抗エラスターゼ抗体を用いて
いくつかのクローンを選択した。これらのクローンにて
、基質としてコンゴーレッドエラスチンを用いるプレー
ト検定によりエラスターゼ活性をテストした[モリハラ
1ケイおよびノエイ・ワイ・ホンマ、シュードモナス・
プロテアーゼ・イン・バクチリアル・エンザイムズ・ア
ンド・ビルレンス(Morihara、 K 、and
J 、 Y 、 Homma、 P seudomon
as P roteases 1nBacterial
 Enzymes and V 1rulence) 
p41−79、アイ・エイ・ホルダー(1、A 、 H
oluder)g、CRCブレス、ボウ力 レイトン(
Boca Raton)、フロリダ、1985]。
サブクローニング エラスターゼ陽性細菌のプラスミドを収集し、適当なり
NAフラグメントを種々の制限酵素(宝酒造株式会社、
日本)にて調製した。該開裂試料を電気泳動用のアガロ
ースゲルに付し、添付の第1図に示す制限酵素地図を作
成した。ヌクレオチド配列分析のために、それぞれ約3
00塩基対(bp)の粘着欠失をヘニコッフ(Heni
kofDの方法[ジーン(G ene)、28,351
〜359(1984)コに従ってエキソヌクレアーゼ■
を用いた一方向性消化により調製した。該エラスターゼ
構造遺伝子のスパンを測定するため、欠失DNAにて形
質転換した各細菌性クローンのエラスターゼ活性を測定
した。
DNAシーケンシング エラスターゼ遺伝子の種々の制限フラクションをM13
ip1B中にサブクローニングした[ジーン(Gene
)、33,103〜119(1985)]。
シーケンシング反応は、3Rp標識ヌクレオチドを用い
て該ジデオキシ鎖末端により行った[プロン−デインゲ
ス・オブ・ナショナル・アカデミ−・オブ・サイエンシ
ーズ(Proc、Natl、Acad、Sci、)tJ
sA、   7二」−15463〜5467(1977
)コ。
構造遺伝子の領域は、普遍または合成オリゴヌクレオチ
ドプライマーを用いて配列した。オリゴデオキシヌクレ
オチドは自動DNA合成機[381A  DNA合成機
、アプライド・バイオシステムズ、フォスター・シティ
−、カリフォルニア (ApPlied B iosy
stems、 F oster City、 CA)]
を用いて合成した。詳細なシーケンシング法を第1図に
示す。
[結果] シュードモナス・エラスターゼ遺伝子のクローニング 第一段階として、パーオキシダーゼ標識抗エラスターゼ
抗体にて該遺伝子ライブラリーをスクリーニングし、本
発明者らは10個の陽性クローンを得た。しかしながら
、該抗体にてテストを繰り返した場合、ただ1つのクロ
ーン(pE L 2 )のみが常に反応したので、本発
明者らはさらに詳細な観察のためにpEL2クローンを
選択した。該pEL2クローンは、シュードモナス・ア
エルギノーザの8 、3 kbフラグメントを有してい
た。イー・コリにおける該遺伝子のエラスターゼ活性も
プレート検定により試験した。該培養液または超音波処
理細菌懸濁液の上清を検定した。超音波処理pEL2細
菌の上清のみが透明なゾーンを示した。
該培養液の上清もクローニングベクターpUc18にて
形質転換した超音波処理対照イー・コリHBlotも透
明なゾーンを示さなかった。従って、pEL2クローン
にて産生じたエラスターゼは非分泌型からのものであっ
た。さらに該エラスターゼ遺伝子を確認するために、蛋
白質染色およびウェスタンプロティングテストを行った
。結果を第2図に示す。超音波処理イー・コリHBIO
I、pEL2の上清は、純粋なエラスターゼ蛋白質(第
2図Aびレーン3)と相関する3、7に分子サイズ部付
近に強いバンドを示した(第2図Aのレーン1)。これ
は、ウェスタンプロティングテストにて抗エラスターゼ
抗体と確認した(第2図B)。対照エラスターゼ(第2
図Bのレーン3)および超音波処理pEL2(第2図B
のレーンl)は、共に同じ分子サイズ部に強いバンドを
示した。これらの結果は、該pEL2クローンがエラス
ターゼコーディング遺伝子を含有していることを示唆し
た。
このpEL2クローンは、イー・コリHBIOI(pE
LK6)として昭和63年8月22日に微工研菌寄第1
0223号の下、工業技術院微生物工業研究所に寄託し
である。
DNAシーケンシング 長さが約500bpのいくつかのより小さなりNAフラ
グメントをDNAシーケンシングのためにpEL2クロ
ーンから調製した。該ニラスターゼ遺伝子のヌクレオチ
ド配列およびこの遺伝子によりコードされた蛋白質の推
定1次構造を第3図に示す。全シュードモナス・エラス
ターゼ・リーディングフレームを両鏡上に配列した。成
熟したコーディング配列の最初の7アミノ酸(Ala−
Glu−Ala−Gly−Gly−Pro−Glのは、
精製エラスターゼ蛋白質のアミノ酸配列分析により決定
したごときNH,−末端配列と完全に対応した。加えて
、本発明者らは、また、シュードモナス・エラスターゼ
フラグメントを化学的に配列し、それはThr−Gly
−Arg−5er−Valであった。同一のアミノ酸を
再度推定アミノ酸の配列(+ 106〜+1IO)中に
認めた。この成熟エラスターゼ遺伝子のG+C含量は、
シュードモナス・アエルギノーザ・ゲノムに典型的であ
る64.3%であった。本発明者らは、また、該成熟蛋
白質配列中にサーモライシン様構造を認めた。
開始コドンの1つであるGTGが該成熟蛋白質コーディ
ング配列の294bp上流に位置する。シャインーダル
ガーノ(Shine−Dalgarno)(SD)様配
列もこのGTGコドンから2bp上流に認められた。該
推定アミノ酸配列から、本発明者らは、それぞれ、−9
4および一91位に、共に塩基性アミノ酸であるArg
およびHisを認めた。−90〜−76位の該アミノ酸
配列において、1群の強味水性アミノ酸を認めた。加え
て、5er−Thr−Thr−Alaの配列後に典型的
な開裂部位も認めた。
この配列はシグナルペプチドの典型的な構造である[ミ
カエリス、ニスおよびジエイ・ベックウィズ、アニュア
ル・レビュー・イン・マイクロバイオロジー(Mich
aelis、S 、and J 、Beckwith、
Ann。
Rev9M 1crobio1.)、1東、435〜4
65(1982)]。また前駆体蛋白質様配列を−75
〜−1位に認めた。
アミノ酸組成の比較 以前に、モリハラらは、化学的に精製した蛋白質試料を
用いてシュードモナス・エラスターゼのアミノ酸組成を
報告した(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー、240,3295〜3304(1965)。ア
ミノ酸組成の比較を第1表に示す。
第  1  表 シュードモナス・アエルギノーザからのエラスターゼの
アミノ酸組成 アミノ酸  精製酵素から決定  DNA配列から予測
Asn                 20Thr
       19.6       28Set  
    25.5       29Gin     
             5Pro      11
.8       19Gly      38.7 
      39^1a      31.9    
   35Vat       f9.7      
 12Net       8 、6        
711e       9.6        7Le
u      14.9       16Tyr  
      24.0          20Phe
      18.9       16Lys   
    11.9        IfHis    
   7.4        6^rg       
  16.3          18Cys    
      4 、6           4Trp
          4 、9           
6本発明者らのDNA配列から推定したアミノ酸組成は
、化学的に精製したエラスターゼから決定したそれと類
似していた。Asp+Asn5Thr1G1u+Gln
、 ProおよびValを除いて、他の13アミノ酸の
組成はほとんど同一の性質であった。
かくして、本発明によりシェードモナス・アエルギノー
ザI FO3455からのエラスターゼ遺伝子を初めて
クローニングし、該DNAおよびアミノ酸の両方の全配
列を決定した。この遺伝子クローニングの詳細は以前に
報告した[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル
・リサーチ・コミュニケーションズ、−口I工、111
7〜1122(1988)]。該pEL2クローンの翻
訳した遺伝子産生物は、精製したエラスターゼと同様の
エラスチン溶解活性およびMrを示した。加えて、エラ
スターゼの推定アミノ酸配列の特性は、化学的に精製し
たシュードモナス・エラスターゼのそれとほぼ同一であ
った。これらの結果は、本発明者らがクローニングした
遺伝子がシュードモナス・エラスターゼ遺伝子であるこ
とを示した。
シュードモナス・エラスターゼはZn−金属プロテアー
ゼであり、その酵素特性はサーモライシンのそれと非常
に類似している。サーモライシンの1次構造のみでなく
3次構造も明らかになっている[ネイチャー・ニュー・
バイオロジー(Nature New Biol、)、
238.35〜37.37〜41.41〜43(197
2)]。それ故、本発明者らは、同一性の数が最大にな
るようにこれらの2つの酵素の配列を経験的に配列する
ことによりエラスターゼのアミノ酸配列とサーモライシ
ンのそれを比較した。同一性の頻度は、該分子の中心部
分において最も明らかであると考えられる。
同一性は123〜192残基(サーモライシンナンバー
)のセグメントにおいて51%であった。
しかしながら、該N−末端領域(サーモライシンナンバ
ー1−122)の配列および該C−末端領域(サーモラ
イシンナンバー193〜314)の配列においては、同
一性は、それぞれ、僅か5%と7%であった。
同−性のパターンは、バチルス・ズブチリス(B 、5
ubtilis)中性プロテアーゼA[プロシーデイン
ゲス・オブ・ナショナル・アカデミ−・オブ・サイエン
シーズ・ニー・ニス・ニー、72.4341〜4346
(1975)]との比較も行っている第2表に見られる
ごとく、サーモライシンの構造的および機能的に重要な
残基を含有する領域において特に明白である。サーモラ
イシン[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー、701701〜724(1972)]の活性部位に
関係する13残基のうちの8つは、シュードモナス・エ
ラスターゼの対応する部位に生じると考えられる。
両方の酵素に共通する特徴は、それらが安定化のために
カルシウムと結合し、かっ、触媒として亜鉛を必要とす
ることである。第2表は、サーモライシン中に存在する
3個の亜鉛リガンドが、エラスターゼ中にも存在すると
いうことを示している。
4つのカルシウム結合部位の比較は、マンューズおよび
その共同研究者により行なわれた(前記文献参照)。カ
ルシウム結合部位3および4においては同一性は見られ
ないが、カルシウム部位lおよび2においては、8アミ
ノ酸のうち5残基が同一である。従って、前者の酵素は
4個のシスティンを含有するが後者の酵素は含有しない
ので、シュードモナス・エラスターゼの2次または3次
構造はサーモライシンのそれとは異なっていると推定さ
れる。それにもかかわらず、本発明者らは、それらの活
性部位の構造が非常に類似しているということを強調し
なければならない。
シャットら(Schad et al、 )は、シュー
ドモナス・アエルギノーザのエラスターゼ欠失株を用い
てシュードモナス・アエルギノーザPAO1からのエラ
スターゼ遺伝子をクローニングしたことを報告している
[ツヤ−ナル・オブ・バクテリオロジー、−り旦」−1
2691〜2696(+987)]。
彼等は8 kbD N Aフラグメントを含有する遺伝
子をクローニングし、イー・コ1月(Blot(pUc
18)中へのこのフラグメントの組込みはエラスターゼ
産生を高水準にて誘発した。彼等はEcoRIおよびS
malフラグメントの間の遺伝子地図を作成し、それを
1.751、bフラグメントまで制限した。加えて、彼
等は、エラスターゼ発現に関連−するlasΔ逍伝子の
存在を提案した。しかしながら、彼等は、まだ、いずれ
の該エラスターゼ遺伝子のDNA配列も報告していない
。制限地図および構造遺伝子のスパンに関する我々のデ
ータは彼等の報告と一致している。該1asA遺伝子が
エラスターゼ活性を制御することが他の研究者により報
告されている[ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、
169.4532〜4539(1987)]。
該1asA遺伝子産生物の分子量は31000であり、
それは分泌されるプロテアーゼの基質特異性を拡大する
のに直接の影響を有すると考えられた。
本発明者らは、本発明腎らがノーケンンングした領域中
に1asA遺伝子を検出することかできなかった。
本発明者らは、該エラスターゼ遺伝子の開始コドンが成
熟蛋白質コーディング配列から294 bp上流にある
ということを決定した。該シグナルペプチドのアミノ酸
配列はまだ不明である。しかしながら、該GTGコドン
の後にングナルベブチドの典型的な配列を認めることは
できなかった。加えて、SD−様配列も該GTGから2
bp上流に認め・られた。本発明者らは500bpまた
はそれ以上を配列したが、この成熟蛋白質コーディング
配列から上流に別の典型的な開始領域を認めることがで
きなかった。
本発明者らは、また、シュードモナス・エラスターゼの
前駆体ペプチドの存在を示した。ゴールドバーブおよび
オーマン(Goldberg and Ohman)(
前記文献参照)は化学的方法を用いて、エラスターゼの
2つの分子形態(Mr、37000および47000)
がこの酵素産生の過程において存在ずろということを報
告し、かつ、ある種の前駆体ペプチドを有するプロ酵素
が存在することを示唆した。彼等の提出した前駆体ペプ
チドの大きさおよび本発明者らが検出したそれはほとん
ど同じであると考えられろ(Mrl OOO)。該前駆
体ペプチドの機能は、まだ不明である。しかし、本発明
者らは、該エラスターゼ自体は該細胞において強い細胞
毒であり、従ってこれらのペプチドをこの毒性に対して
保護する必要があると考える。
[発明の効果] 本発明によれば、シュードモナス・アエルギノーザの産
生ずるエラスターゼを高効率で製造することができ、緑
膿菌感染症用ワクチンの製造や、エラスターゼ自体の酵
素としての利用に大きく寄与できろ。
【図面の簡単な説明】
第1図は、エラスターゼ遺伝子の制限酵素地図および配
列法を示す図面である。太線は、エラスターゼ遺伝子を
含有するDNAインザートを示す。 制限酵素名は以下のごとく略記しているI(a 、 H
ae[I[;13g、l3g1 l ;Hi、1lin
e[l ;Sm、Smal、上部矢印は、エラスターゼ
構造遺伝子のスパンおよび転写の方向を示し、下部矢印
は、vt遍プライマーまたは特定のブライマーから始ま
る配列決定の方向および長さを示している(材料および
方法の項参照)。 第2図は、クマシーブルー染色およびウェスタンプロテ
ィングによるエラスターゼの検出結果を示す図面である
。プラスミド含有イー・コリHB101をLブロスにて
培養し、5DS−ポリ−アクリルアミドゲル電気泳動の
ための抽出を行い、試験した。A:クマシーブルー染色
、B:ウェスタンプロティング。レーンl:イー・コリ
H13101(pEL2)、レーン2;イー・コリHB
IOI(pUcI8)、レーン3:ソユードモナス・ア
エルギノーザの結晶エラスターゼ(ナガセ生化学株式会
社、日本)、M:ファルマンアからの分子量マーカー。 第3図は、エラスターゼのDNA配列および推定アミノ
酸配列を示す図面である。推定リポソーム結合部位およ
び転写ターミネータ−に下線を付した。該成熟産生物の
出発部位はアミノ酸98である。rProjはエラスタ
ーゼの前駆体ペプチドを表す。エラスターゼフラグメン
トの化学的に決定したアミノ酸のN−末端配列に対する
その完全な相同に基づいて該成熟蛋白質のN−末端を同
定した。点線は、化学的に同定したべ同定したペプチド
を示す。ラインの両側に記した数字は、ヌクレオチドお
よびアミノ酸の位置を示す。 特許出願人 森  原  和  之

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)添付の第1図に示す制限酵素地図を有するシュー
    ドモナス・アエルギノーザ(Pseudomonasa
    eruginosa)由来のエラスターゼをコードする
    DNA。 (2)シュードモナス・アエルギノーザの染色体DNA
    中に存在するエラスターゼをコードする遺伝子を大腸菌
    用ベクターに組込んだ大腸菌内で複製可能な組換え体D
    NA。 (3)シュードモナス・アエルギノーザがIFO345
    5株である前記第(2)項のDNA。 (4)(a)シュードモナス・アエルギノーザの染色体
    DNAを断片化し、 (b)得られたDNA断片を大腸菌用ベクターに組込ん
    で組換え体DNAを作製し、 (c)該組換え体DNAで大腸菌を形質転換し、 (d)形質転換された大腸菌よりエラスターゼを産生す
    る菌株を選択し、 (e)選択された大腸菌から前記組換え体DNAを回収
    することを特徴とする組換え体DNAの製造方法。 (5)シュードモナス・アエルギノーザがIFO345
    5株である前記第(4)項の方法。 (6)さらに、得られた組換え体DNAをサブクローニ
    ングする前記第(4)項の方法。(7)シュードモナス
    ・アエルギノーザ由来のエラスターゼをコードする遺伝
    子を大腸菌用ベクターに組込んだ大腸菌内で複製可能な
    組換え体DNAを含有する大腸菌。 (8)シュードモナス・アエルギノーザがIFO345
    5株である前記第(7)項の大腸菌。 (9)イー・コリ(E.coli)HB101(pEL
    K6)(微工研菌寄第10223号)である前記第(8
    )項の大腸菌。 (10)シュードモナス・アエルギノーザ由来のエラス
    ターゼをコードする遺伝子を大腸菌用ベクターに組込ん
    だ大腸菌内で複製可能な組換え体DNAを含有した大腸
    菌を培養し、その培養物から該エラスターゼを回収する
    ことを特徴とするエラスターゼの製造方法。(11)シ
    ュードモナス・アエルギノーザがIFO3455株であ
    る前記大腸菌(10)項の方法。 (12)(a)シュードモナス・アエルギノーザの染色
    体DNAを断片化し、 (b)得られたDNA断片を大腸菌用ベクターに組込ん
    で組換え体DNAを作製し、 (c)該組換え体DNAで大腸菌を形質転換し、 (d)形質転換された大腸菌よりエラスターゼを産生す
    る菌株を選択し、 (e)選択された大腸菌を培養してその培養物からシュ
    ードモナス・アエルギノーザ由来のエラスターゼを回収
    することを特徴とするシュードモナス・エラスターゼの
    製造方法。(13)シュードモナス・アエルギノーザが
    IFO3455株である前記第(12)項の方法。 (14)組換え体DNAを含有する大腸菌がイー・コリ
    HB101(pELK6)(微工研菌寄第10223号
    )である前記第(13)項記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6270777B1 (en) * 1996-12-20 2001-08-07 University Technologies International Inc. Conserved metalloprotease epitopes

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US6270777B1 (en) * 1996-12-20 2001-08-07 University Technologies International Inc. Conserved metalloprotease epitopes

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