JP2767801B2 - 物体の表面形状データ作成方法 - Google Patents

物体の表面形状データ作成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A産業上の利用分野 B発明の概要 C従来の技術 D発明が解決しようとする問題点(第7図) E問題点を解決するための手段(第1図〜第4図) F作用(第1図〜第4図) G実施例 (G1)四辺形パツチ接続の原理(第8図及び第9図) (G2)離間している2つの四辺形パツチ間の接続(第
1図〜第6図) (G3)他の実施例 H発明の効果 A産業上の利用分野 本発明は物体の表面形状データ作成方法に関し、例え
ばCAD(computer aided design)、又はCAM(computer
aided manufacturing)などにおいて、自由曲面をもつ
た形状を生成する場合に適用して好適なものである。
B発明の概要 本発明は、共有境界の両端にある節点周りの制御辺ベ
クトルを含む平面に垂線を下ろして予備ベクトルを求
め、当該共有境界を横切るベクトル成分の係数を等しい
値に置き換えて、第3細部表面形状の内部制御点を求め
ることにより、枠組み空間にすでに生成された細部表面
形状の一部を、簡易に、生成し直す。
C従来の技術 例えばCADの手法を用いて自由曲面をもつた物体の形
状をデザインする場合(geometric modeling)、一般に
デザイナは、曲面が通るべき3次元空間における複数の
点(これを節点と呼ぶ)を指定し、当該指定された複数
の節点を結ぶ境界曲線網を所定のベクトル関数を用いて
コンピユータによつて演算させることにより、いわゆる
ワイヤフレームで表現された曲面を作成する。かくして
境界曲面によつて囲まれた多数の枠組み空間を形成する
ことができる(このような処理を以下枠組み処理と呼
ぶ)。
かかる枠組み処理によつて形成された境界曲線網は、
それ自体デザイナがデザインしようとする物体表面の大
まかな形状を表しており、各枠組み空間を囲む境界曲線
を用いて所定のベクトル関数によつて表現できる曲面を
物体の細部の表面形状として補間演算することができれ
ば、全体としてデザイナが物体の表面形状としてデザイ
ンした自由曲面(2次関数で規定できないものをいう)
を生成することができる。ここで各枠組み空間に張られ
た曲面は全体の曲面を構成する基本要素として物体の細
部表面形状を形成し、これをパツチと呼ぶ。
従来この種のCADシステムにおいては、境界曲線網を
表現するベクトル関数として、計算が容易な例えばベジ
エ(Bezier)式、Bスプライン(B−spline)式でなる
3次のテンソル積が用いられており、例えば形状的に特
殊な特徴がないような自由曲面を数式表現するには最適
であると考えられている。
すなわち形状的に特殊な特徴がないような物体の表面
形状を表す自由曲面は、空間に与えられた点をXY平面上
に投影したとき、当該投影された点が規則的にマトリク
ス状に並んでいることが多く、この投影点の数がm×n
で表されるとき、当該枠組み空間を3次のベジエ式で表
される四辺形パツチを用いて容易に張ることができるこ
とが知られている。
しかしこの従来の数式表現は、形状的に特徴がある曲
面(例えば大きく歪んだ形状をもつ曲面)に適用する場
合には、物体の表面形状として用いることができるよう
な曲面を得るためには、パツチ相互間の接続方法に困難
があり、高度な数学的演算処理を実行する必要があるた
め、コンピユータによる演算処理が複雑かつ膨大になる
と共に、演算時間が長大になる問題があつた。
この問題を解決する方法として、隣合う枠組み空間の
共有境界について、接平面連続の条件を満足するような
内部の制御点を求め、当該内部の制御点によつて決まる
自由曲面を表すベクトル関数によつて、自由曲面でなる
パツチを張る方法が提案されている(特願昭60−277448
号、特願昭60−290849号、特願昭60−298638号、特願昭
61−15396号、特願昭61−33412号、特願昭61−59790
号、特願昭61−64560号、特願昭61−69368号、特願昭61
−69385号)。
D発明が解決しようとする問題点 このような接続方法によつて、例えば第7図に示すよ
うに、節点 によつて枠組みされた枠組み空間に四辺形パツチ を張ることにより、全体として自由曲面を形成した後
に、デザイナが例えば中央部のパツチ の形状が不満足であるとき、周囲のパツチの形状に影響
を与えずに中央部のパツチ だけを形成し直したい場合がある。
このような場合、上述の自由曲面形成方法の手法を用
いて中央部分のパツチ の形状を規定する4つの内部制御点のデータを一端消去
すると共に、新たに決め直すようにすれば良いと考えら
れる。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、このよ
うにして2つのパツチ間のパツチが消去されたために互
いに離間している2つのパツチ間に、できるだけ滑らか
な形状を有する挿入パツチを形成し得るようにした自由
曲面作成方法を提案しようとするものである。
E問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため本発明においては、コン
ピユータを用いて、枠組み処理によつて境界曲線で囲ま
れかつ物体の大まかな形状を表す多数の枠組み空間を形
成し、枠組み空間において、当該各枠組み空間内の位置
を所定間隔で順次指定されるパラメータ(u,v)によつ
て順次指定してベクトル関数 を演算することにより、各枠組み空間内の各位置におけ
る位置ベクトルデータを求め、これにより物体の細部表
面形状を表す表面形状データを作成する物体の表面形状
データ作成方法において、第1及び第2の細部表面形状 を表す第1及び第2の表面形状データがそれぞれ生成さ
れている第1及び第2の枠組み空間の間にある第3の枠
組み空間に、第1及び第2の細部表面形状 との間にそれぞれ第1及び第2の共有境界COMAC、COMBC
を有し、かつ第1及び第2の共有境界COMAC、COMBCにお
いて、それぞれ、接線ベクトルデータが互いに等しく、
かつ該接線ベクトルによつて形成される接平面が同一と
なるような第3の細部表面形状 の内部の制御点 の位置ベクトルデータを設定することにより、互いに接
平面連続の条件の下に第1及び第2の細部表面形状 でなる第3の表面形状データを生成する際に、第1の共
有境界COMACについて、第1の表面形状データの第1の
共有境界COMACを表す制御辺ベクトルのうち、第1の共
有境界の両端にある第1及び第2の節点 についての制御辺ベクトルを含む第1及び第2の平面に
対して、第2の細部表面形状のうち、第2の共有境界CO
MBCの両端にある第3及び第4の節点 からそれぞれ垂線を下ろして第1及び第2の脚 を求める第1のステツプSP1と、第1及び第2の平面に
おいて、第1及び第2の節点 から第1及び第2の脚 に向い、かつ所定の長さをもつ第1及び第2の予備ベク
トル を、それぞれ、求める第2のステツプSP2と、第1の共
有境界COMACにおいて、接平面連続の条件の下に、第1
及び第2の予備ベクトル のうち、それぞれ第1及び第2の共有境界COMAC、COMBC
を横切る方向のベクトル成分の第1及び第2の係数
κ、κを、互いに等しい新たな値κに置き換える第
3のステツプSP3と、新たな値をもつ第1及び第2の係
数κ、κを用いて、接平面連続の条件下に、第3の
細部表面形状 の内部制御点を求める第4のステツプSP4、SP5とを有す
る第1の演算処理を実行し、同様に、第2の共有境界CO
MBCについて、第1ないし第4のステツプSP1〜SP5を有
する第2の演算処理を実行する。
F作用 共有境界の両端にある節点周りの制御辺ベクトルを含
む平面に垂線を下ろして予備ベクトルを求め、当該共有
境界を横切るベクトル成分の係数を等しい値に置き換え
て、第3の細部表面形状の内部制御点を求めることによ
り、枠組み空間にすでに生成された細部表面形状の一部
を生成し直すにつき、隣接する周囲の細部表面形状の制
御点に変更を与えることなく、接平面連続の条件の下に
部分的に凹凸がない滑らかな形状をもつた物体の表面形
状データを容易に生成し直すことができる。
G実施例 以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
(G1) 四辺形パツチ接続の原理 この実施例において、枠組み処理された四辺形枠組み
空間の境界を表す境界曲線、及び各四辺形枠組み空間に
張られるパツチを次式 のように、3次のベジエ式でなるベクトル関数 を用いて表現する。(1)式において は、第8図に示すように、隣合う2つの枠組み空間に張
られた曲面、すなわち第1の四辺形パツチ が共に保有している境界(これを共有境界と呼ぶ)の一
端の位置を表す位置ベクトルでなり、他端の位置ベクト
の位置ベクトル と、第2のパツチ と共に、枠組み処理の際に指定される節点を構成する。
これらの境界曲線のうち節点 間の境界曲線は共有境界COMを構成し、2つの制御点 によつて3次のベジエ式を規定している。
この明細書においては、節点を含めて制御点と呼ぶ。
また、(1)式において、E及びFはu方向及びv方向
のシフト演算子で、パツチ 上の位置ベクトルで表される制御点 に対して次式、 の関係をもつ。
ここで、u及びvはu方向及びv方向のパラメータ
で、次式 u、v∈[0、1] ……(4) で表すように、0〜1の間を変化する。かくして第8図
に示すように、第1及び第2のパツチ に対してそれぞれ節点 から横方向にu軸を取り、かつ縦方向にv軸を取つた座
標(u、v)を用いてパツチ 内の自由曲面上の座標を表すことができる。
このように定義した場合、共有境界COM上の各点にお
いて第1のパツチ のu方向(すなわち共有境界COMを横断する方向)に取
つた接線ベクトルは、(1)式をパラメータuについて
1階偏微分することにより、 同様にして共有境界COM上において、第2のパツチ のu方向に向かう接線ベクトルは、(1)式をパラメー
タuについて1階偏微分することにより、 さらに共有境界COM上の各点における第1のパツチ 側のv方向の接線ベクトルは、(1)式をパラメータv
について1階偏微分することにより、 で表される。ここで へ向かう制御辺ベクトルを示し、シフト演算子Fと共に
共有境界COMについて、次式 ところで枠組み処理によつて形成された隣合う2つの
枠組み空間に四辺形パツチ を張つた場合、その共有境界COMにおける曲面は一般に
滑らかにはならない。そこで本発明においては、共有境
界COMを有する2つのパツチ を共有境界COMにおいて滑らかに接続するように、各パ
ツチ の内部の制御点 を設定し直して、これらの内部の制御点を用いてパツチ
に張るべき自由曲面を補間演算し直す。かくすることに
より、境界曲線網で枠組みされた曲面全体に亘つて全て
のパツチを滑らかに接続して行くことができることによ
り、多種類の外形形状を不自然にならないように表現で
きる。
この共有境界COMにおける滑らかな接続は接平面連続
の条件を満足するような制御辺ベクトル を求めることにより実現される。
共有境界COM上の全ての点において接平面連続の条件
が成り立つためには、第1のパツチ についてそのu方向の接線ベクトル((5)式によつて
表される)と、第2のパツチ におけるu方向の接線ベクトル((7)式によつて表さ
れる)と、第1のパツチ のv方向の接線ベクトル((9)式によつて表される)
とが、同一平面上にあることが必要であり、これを実現
するためには次式 の条件を満足させるようにパラメータを設定し直せば良
い。
ここでλ(v)、μ(v)、ν(v)は,スカラ関数
で、これを λ(v)=(1−v)+v ……(12) μ(v)=κ(1−v)+κ2v ……(13) ν(v)=η(1−v) +(η+η)(1−v)・v +η2v2 ……(14) に選定する。
そこで(12)式〜(14)式を(11)式に代入すると共
に、(5)式、(7)式、(9)式を(11)式に代入
し、その結果(11)式が成り立つように未知数κ、κ
及びη、ηを選定すれば、接平面連続の条件を満
足しながら、2つのパツチ を接続することができることになる。
実際上(5)式、(7)式、(9)式と、(12)式〜
(14)式とは、(1−v)の項及びvの項をもつている
ので、(11)式の左辺及び右辺は、(1−v)、v
(1−v)、v2(1−v)、v3(1−v)、v4の項
の和の形に展開整理できる。従つて展開式の各項ごとに
係数部が互いに等しいという条件を立てれば、 で表される連立方程式が得られ、かくして4つの未知数
κ、κ及びη、ηを解くことができる。
ここで接平面とは、共有境界COMの各点でのu方向及
びv方向の接線ベクトルによつて形成される平面を称
し、従つて共有境界COMの各点においてパツチ の接平面が同一のとき接平面連続の条件が成り立つ。
すなわち、共有境界COM上の任意の点 についての接平面連続の条件は、第9図に示すように決
められる。すなわちパツチ について、共有境界COMを横断する方向(すなわちu方
向)の接線ベクトル と共有境界COMに沿う方向(すなわちv方向)の接線ベ
クトル で表され、またパツチ について、共有境界COMを横断する方向の接線ベクトル 及び共有境界COMに沿う方向の接線ベクトル で表される。
このような条件の下に、接平面連続というためには、
接線ベクトル が同一平面に存在しなければならず、その結果法線ベク
トル は同一方向に向くことになる。
ここで、 である。
(G2) 離間している2つの四辺形パツチ間の接続 この場合の自由曲面作成装置の中央処理装置(CPU)
は、第3の四辺形パツチ (これを挿入パツチと呼ぶ)を第4図に示す挿入処理プ
ログラムRT0を実行することにより生成する。
次に節点 について次式 因にこの脚を表すベクトル は、例えばラグランジエの未定係数kを導入して次式 を立て、これをベクトル によつて偏微分して0と置くことにより次式 を求め、(30)式を について解いてこれを(28)式に代入することにより次
によつて未定係数kを求め、(31)式を(29)式に代入
して のように求めれば良い。
かくして制御辺ベクトル と同一平面上にありかつ当該同一平面に対して節点 から垂線を下ろした点までの長さを有するベクトル を求めることができ、従つてその長さを適切な値に選定
すれば、節点 と接平面連続の条件を満たすようなベクトル (これを予備ベクトルと呼ぶ)を得ることができる。
この実施例の場合、節点 までの間を等間隔に分割して制御点を設定すれば、一般
的に比較的バランスが良い曲線を描かせることができる
と考えられることからCPUは次のステツプSP2において、
予備ベクトル の長さを次式 のように和ベクトル の1/3の長さに選定する。
によつて同様の予備ベクトル を求める。
このようにして共有境界COMACの両端にある節点 においてそれぞれ3つの制御辺ベクトル が同一平面上にあることから、(15)式〜(19)式につ
いて上述した接平面連続の条件を満足する5つの式のう
ち共有境界COMACの両端の節点 における2つの接平面連続の条件式、すなわち(15)式
及び(19)式を満足する状態にあることを意味してい
る。
そこで次にCPUはステツプSP3において(15)式及び
(19)式に対応する条件式、すなわち によつて表される接平面連続の条件式から4つの未知数
κ、κ、η、ηを求める。
ここまでの処理を実行すれば、(15)式〜(19)式に
よつて上述した接平面連続の条件式のうち、(16)式、
(17)式、(18)式に含まれている制御辺ベクトル だけが未知数として残つており、結局(16)式、(17)
式、(18)式の3つの式によつて2つの未知数となる制
御辺ベクトル を求める必要があることが分かる。
次にCPUはステツプSP4において、このようにして3つ
の式から2つの未知数を求めるための条件として、(3
5)式及び(36)式によつて与えられる予備ベクトル を決めるベクトル成分のうち、共有境界COMACを横切る
ベクトル成分 を次式 κ≡κ≡κ ……(37) のように互いに等しい値κに置き換えるような演算を実
行することにより、次式 によつて制御辺ベクトル を求め直す。
この(37)式〜(39)式の演算は、挿入する四辺形パ
ツチ のうち、共有境界COMACの両端の形状的な特徴をバラン
ス良く制御辺ベクトル に含ませ得るような処理をすることを意味している。
因に(35)式及び(36)式と、(38)式及び(39)式
とを比較してみれば、共有境界COMACに沿う方向のベク
トル成分 とは異なり、ベクトル成分 は共有境界COMACを横切る方向の制御辺ベクトル によつて特定される形状の特徴をもつていることが分か
る。従つて係数κ及びκを互いに等しい係数κに選
定し直せば、共有境界COMACの両端位置において当該共
有境界COMACの両側にバランスが良い形状の自由曲面を
生成できることになると考えられる。
このような処理をした後(15)式〜(19)式に対応す
る接平面連続の条件式を書き直せば、 のように4つの条件式によつては接平面連続の条件を表
すことができることになる。
この実施例の場合、係数κは のように係数κ及びκの相乗平均値として求められ
る。
そこでCPUは次のステップSP5において当該接平面連続
の条件式のうち(41)式及び(42)式を用いて制御辺ベ
クトル を求めることができ、これにより共有境界COMAC側の内
部の制御点 を決めることができる。
次にCPUはステツプSP6において、挿入パツチ の接続を第1及び第2の隣接パツチ の両方の共有境界COMAC及びCOMBCについて終了したか否
かの判断をする。ここで否定結果が得られると、このこ
とは第2の隣接パツチ 側の共有境界COMBCについての接続が終了していないこ
とを意味し、このときCPUはステツプSP7に移つて第1の
隣接パツチ についての制御辺ベクトル のデータを、第2の隣接パツチ の制御辺ベクトルのデータに置き換えた後、上述のステ
ツプSP1に戻る。
この結果CPUは、第2図に示すように、第2の隣接パ
ツチ の共有境界COMBCについて挿入パツチ の制御辺ベクトル の演算を上述のステツプSP1−SP2−SP3−SP4−SP5−SP6
のループによつて繰返し演算することにより、4つの制
御点 を設定する。
その結果ステツプSP6においては肯定結果が得られる
ことにより、CPUはステツプSP8において当該挿入処理プ
ログラムを終了する。
上述の構成によれば、枠組み処理された枠組み空間に
張られたパツチのうちの1つを、周囲の枠組み空間に張
られたパツチの形状を変更させることなくしかもこれら
隣接するパツチに接平面連続の条件を満足するように滑
らかに張り直すことができる。かくするにつき、隣接す
るパツチの接続しようとする節点の近傍位置に向うよう
な予備ベクトル形成し、この予備ベクトルに基づいて挿
入パツチの制御点を決めるようにしたことにより、挿入
パツチとして部分的に凹凸がない滑らかな形状を有する
自由曲面を生成することができる。
実験によれば、第1図〜第4図の手法によつて挿入パ
ツチ (第2図)によつて規定された曲面は、第5図において
等高線表示するように、境界曲線COMAB及びCOMBCにおい
て等高線が急激に折れ曲がることがないことにより接平
面連続の条件を維持しながら接続されていると共に、第
6図において法線ベクトル表示で示すように、互いに段
差をもつように離間した2つの隣接パツチ 間に滑らかな自由曲面を有する挿入パツチ が張られていることを確認し得た。
(G3) 他の実施例 (1) 上述の実施例においては、枠組み空間に3次の
ベジエ式で表されるパツチを張る場合について述べた
が、数式の次数はこれに限らず4次以上にしても良い。
(2) 上述の実施例においては、ベジエ式によつて表
されるパツチを張るようにした場合について述べたが、
これに限らず、スプライン式、クーアンゼ(Coons)
式、フオーガソン(Furgason)式など他のベクトル関数
を用いるようにしても良い。
(3) 上述の実施例においては、予備ベクトル を求めるにつき、(33)式及び(34)式に示すように、
1/3の長さに選定するようにしたが、この長さを必要に
応じて変更しても、上述の場合と同様の効果を得ること
ができる。
H発明の効果 上述のように本発明によれば、第1及び第2の細部表
面形状との間に存在する共有境界の両端にある節点周り
の制御辺ベクトルを含む平面に垂線を下ろして予備ベク
トルを求め、当該共有境界を横切るベクトル成分の係数
を等しい値に置き換えて、第3の細部表面形状の内部制
御点を求めることにより、枠組み空間にすでに生成され
た細部表面形状の一部を生成し直すにつき、隣接する周
囲の細部表面形状の制御点に変更を与えることなく、接
平面連続の条件の下に部分的に凹凸がない滑らかな形状
をもつた物体の表面形状データを容易に生成し直すこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明による物体の表面形状データ
作成方法の一実施例を示す略線的斜視図、第3図は挿入
パツチを張り直した後の自由曲面を示す略線的斜視図、
第4図は挿入処理手順を示すフローチヤート、第5図及
び第6図は挿入パツチを張り直した後の曲面の状態を示
す略線的斜視図、第7図は枠組み空間に四辺形パツチを
張る際の手法を示す略線図、第8図は2つの四辺形パツ
チを接続する場合の制御辺ベクトルを示す略線図、第9
図は接平面連続の条件の説明に供する略線的斜視図であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンピユータを用いて、枠組み処理によつ
    て境界曲線で囲まれかつ物体の大まかな形状を表す多数
    の枠組み空間を形成し、上記枠組み空間において、当該
    各枠組み空間内の位置を所定間隔で順次指定されるパラ
    メータによつて順次指定してベクトル関数を演算するこ
    とにより、上記各枠組み空間内の上記各位置における位
    置ベクトルデータを求め、これにより上記物体の細部表
    面形状を表す表面形状データを作成する物体の表面形状
    データ作成方法において、 第1及び第2の細部表面形状を表す第1及び第2の表面
    形状データがそれぞれ生成されている第1及び第2の枠
    組み空間の間にある第3の枠組み空間に、上記第1及び
    第2の細部表面形状との間にそれぞれ第1及び第2の共
    有境界を有し、かつ上記第1及び第2の共有境界におい
    て、それぞれ、接線ベクトルデータが互いに等しく、か
    つ該接線ベクトルによつて形成される接平面が同一とな
    るような第3の細部表面形状の内部の制御点の位置ベク
    トルデータを設定することにより、互いに接平面連続の
    条件の下に上記第1及び第2の細部表面形状に接続され
    た上記第3の細部表面形状でなる第3の表面形状データ
    を生成する際に、 上記第1の共有境界について、 上記第1の表面形状データの上記第1の共有境界を表す
    制御辺ベクトルのうち、上記第1の共有境界の両端にあ
    る第1及び第2の節点についての制御辺ベクトルを含む
    第1及び第2の平面に対して、上記第2の細部表面形状
    のうち、上記第2の共有境界の両端にある第3及び第4
    の節点からそれぞれ垂線を下ろして第1及び第2の脚を
    求める第1のステツプと、 上記第1及び第2の平面において、上記第1及び第2の
    節点から上記第1及び第2の脚に向い、かつ所定の長さ
    をもつ第1及び第2の予備ベクトルを、それぞれ求める
    第2のステツプと、 上記第1の共有境界において、上記接平面連続の条件の
    下に、上記第1及び第2の予備ベクトルのうち、それぞ
    れ上記第1及び第2の共有境界を横切る方向のベクトル
    成分の第1及び第2の係数を、互いに等しい新たな値に
    置き換える第3のステツプと、 上記新たな値をもつ上記第1及び第2の係数を用いて、
    上記接平面連続の条件下に、上記第3の細部表面形状の
    内部制御点を求める第4のステツプと を有する第1の演算処理を実行し、 同様に、上記第2の共有境界について、上記第1ないし
    第4のステツプを有する第2の演算処理を実行する ことを特徴とする物体の表面形状データ作成方法。
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