JP2762184B2 - パッキン材料およびそれを用いたシール部材 - Google Patents

パッキン材料およびそれを用いたシール部材

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JP2762184B2
JP2762184B2 JP3279799A JP27979991A JP2762184B2 JP 2762184 B2 JP2762184 B2 JP 2762184B2 JP 3279799 A JP3279799 A JP 3279799A JP 27979991 A JP27979991 A JP 27979991A JP 2762184 B2 JP2762184 B2 JP 2762184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車のエン
ジンや排気管のガスケット、あるいは高温バルブのグラ
ンドパッキン、さらには、溶接やガス切断時に使用する
シートなどに用いられるパッキン材料およびそれを用い
たシール部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、たとえば自動車の排気管などに
おいては、排気管の接続部での排気ガスの漏洩を防止す
るため、筒状の金網内にアスベストを充填してガスケッ
トとして使用していたが、このアスベトは、環境的に
好ましくなく、また、軋みなどの影響を受けやすい。
【0003】このため、従来では、たとえば膨脹黒鉛ま
たはマイカの広幅シートを金網内に挿入して巻き重ねた
リング状のパッキン材料や、膨脹黒鉛や膨脹バーキュラ
イトからなる細幅テープの周囲を繊維で補強して糸状と
したパッキン材料およびそれを使用したシール部材など
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成の従来の
もののうち膨脹黒鉛を用いたパッキン材料およびシール
部材では、膨脹黒鉛の耐熱性に問題がある。すなわち、
この黒鉛は500℃を超える高温の条件において、酸化
・消滅する傾向にある。また、膨脹バーミキュライトを
使用したパッキン材料およびシール部材は、その膨脹バ
ーミキュライト自身が機械的強度の低いものであるた
め、僅かな加圧によってもすべりを発生し易く、繊維で
補強したとしても、十分な耐クリープ性が得られず、高
温・加熱時のすべり変形量が大きくなるという問題があ
り、高温下で使用される高温用シール部材としては耐久
性の面で実用に供し得ないという難点があった。また、
上記した構成の従来のもののうち広幅のマイカシートを
使用したパッキン材料およびシール部材では、マイカ自
体がガラスの薄片にも似た脆性質な材料であって、膨脹
黒鉛よりも一層脆いため、編組、加撚、製織等のように
大きな折り曲げを必要とし、そのために複雑な応力が作
用する状況下でシール部材を加工する際、ほんの少しで
も傷が入ると、そこから急速に破壊が進行したり、粉砕
したりして実用に供し得ないと共に、マイカ自身の層間
すべりや圧縮変形に対する許容度も小さいため、加圧成
形してもマイカにより網状体の網目を埋めることができ
ず、表面がでこぼこ状となり、シール部材として使用す
るときのシール性能の面でも劣るものであった。
【0005】本発明は上記の実情に鑑みてなされたもの
で、1000℃近くの高温下での使用においても酸化・
消滅することがない優れた耐熱性を有するとともに、複
雑な応力が作用する状況下でも破壊や粉砕されることを
防止して、編組、加撚、製織によるシール部材の加工作
業に十分に耐応させることができ、かつ、可撓性の向上
も図ることができるパッキン材料およびそのパッキン材
料を活用したシール性能の高いシール部材を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1に記載の発明に係るパッキン
材料は、繊維から形成された筒状体内に短冊状のマイカ
材を充填してなるパッキン材料であって、上記短冊状マ
イカ材は、マイカ材からなるシート層の肉厚中間部に該
シート層の長手方向に沿わせて互いに平行に配置した複
数本の補強用繊維と一体化して補強されていることを特
徴とするものである。
【0007】上記請求項1に記載の発明に係るパッキン
材料において、請求項2のように、上記繊維から形成さ
れた筒状体内に、上記補強用繊維により補強された短冊
状のマイカ材のほかに、短繊維、無機粉体、および補強
線材のうちの少なくとも1種が複合して充填することが
好ましく、また、請求項3のように、上記繊維から形成
された筒状体内に充填する上記短冊状のマイカ材とし
て、5mm幅以下の細幅のものを使用することが好まし
い。
【0008】また、請求項4に記載の発明に係るシール
部材は、上記請求項1ないし請求項3に記載の発明に係
るパッキン材料を集合して加撚、編組または製織の二次
加工を施して形成されているものである。
【0009】
【作用】本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、
マイカ材を主材とするものであることから、耐熱性に優
れており、1000℃近くの高温においても酸化・消滅
することがない。また、そのマイカ材を短冊状にして繊
維から形成された筒状体内に充填するのであるが、この
とき、マイカ材がガラス薄片にも似て膨脹黒鉛よりもよ
脆性質な材料であることに注目して、該マイカ材から
なるシート層の肉厚中間部に該シート層の長手方向に沿
わせて配置した複数本の補強用繊維を一体化して補強し
短冊状マイカ材を使用することによって、大きな折り
曲げを必要とし、そのために複雑な応力が作用する状況
下で行なわれる加撚、編組、製織によるシール部材の加
工時にもマイカ材が破壊されたり、粉砕されることを防
止することが可能となるとともに、マイカ自身の層間す
べりや圧縮変形といった機械的な変形に対する許容度も
大きくなり、したがって、パッキン材料としての加工
性、汎用性の向上を図れる。さらに、マイカ材が短冊状
にチップ化されているために、原材料と完成品としての
シール部材との中間のパッキン材料の可撓性を向上させ
て、この種のパッキン材料において望まれる加工性をよ
り向上することが可能である。
【0010】特に、上記請求項1に記載の発明に係るパ
ッキン材料において、請求項2のように、繊維から形成
された筒状体内に、上記補強用繊維により補強された
冊状のマイカ材の他に短繊維、無機粉体、および補強線
材のうちの少なくとも1種と複合して充填すれば、脆性
なマイカ材自身がもつ耐熱性、可撓性を十分に保ちつ
つ、脆性を十分に補って機械的強度の一層の向上も図
れ、汎用性の拡大を達成することが可能となり、また、
請求項3のように、5mm幅以下の細幅のマイカ材を使
用することにより、マイカ材自身の変形性を増して、ひ
ねり加工時などに変形したマイカ材部分を上記繊維から
形成される筒状体の網目に埋めて、シール部材に加工し
た時のシール性能の向上を図れる。
【0011】また、請求項4に記載の発明によれば、上
記請求項1ないし請求項3に記載の発明に係るパッキン
材料を集合して使用することにより、そのパッキン材料
に複雑な応力が作用する加撚、編組あるいは製織の二次
加工にも十分に耐えさせて、パッキン材料の主材である
マイカ材が結晶面で剥離したり、部分的な割れを生じ
て、筒状体を形成する繊維の網目あるいは肉厚の中間部
に介在の補強用繊維との一体化が促進され、紐状、編組
あるいは製織など各種形態のシール部材を加工すること
が可能であり、かつ、いずれの形態の場合も、耐熱性、
耐破壊・粉砕性およびシール性能に優れたシール部材と
することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例によるパッキン材料を示
す拡大斜視図であり、同図において、1は繊維から形成
された筒状体であり、たとえば線径が0.1mmの8本
のステンレス線を編組したものであり、その内部には、
主材として、短冊状に形成された多数のマイカ薄片2が
充填されている。このマイカ薄片2は、鉱石として産出
されたマイカ原石をウォータジェットなどの高圧水によ
り薄片状に剥離させたもので、好ましくは、アスペクト
比100以上の粒径大な薄片を使用するのがよい。マイ
カ薄片2が数10mmのものは、直接、0.5〜1mm
の細幅の短冊状に切断して使用し、小さなマイカ薄片2
は、ゴムなどの少量のバインダ、たとえば0〜10重量
%のシリコン系接着剤などを使用してシート状に前加工
した後、これを細幅に切断して使用する。この例では、
マイカ薄片2として、厚み0.4mm、幅60mmのマ
イカシートを1mm幅に切断したものの多数本が用いら
れている。
【0013】上記マイカ薄片2は、次に述べるようにし
て製造されている。その一つは、図13に示すように、
抄造器20の中に予め補強用繊維21をわたしておき、
この補強用繊維21と一緒にマイカ材を抄く。この場
合、マイカ混濁液32の中に接着剤を混入しておいて
も、また、抄き上ったシートに対して接着剤を含浸させ
ても、さらに前記補強用繊維21に予め塗布しておいて
もよい。なお、ここで補強用繊維21としては、金属
線、セラミック、ガラス、カーボン繊維等の無機繊維が
主体であるが、マイカシートとの接着強度を高めるため
に、コットン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維を加
えてもよい。例えば、図14のように、10本の金属線
23に対して、2〜4本の有機繊維24をシートの長手
方向に沿って互いに平行に並べる、もしくは、図15の
ように、各金属線23に有機繊維24を巻き付け被覆さ
せてもよい。さらに、前記マイカ混濁液32の中にコッ
トン、アラミドなどの短繊維やパルプなどを混入させて
シートを補強してもよい。
【0014】また、図16に示すように、1回目にマイ
カシート30を抄いた後、その表面に補強用繊維21を
配置し、その後、2回目のマイカシート31の抄造を行
ない、両シート30,31の中間部に複数本の補強用繊
維21を互いに平行に配置して介在させてもよい。接着
剤、補強繊維、マイカ混濁液等は図13の場合と同様で
ある。
【0015】さらに、図17に示すように、予め接着剤
を塗布した補強用繊維21にマイカフレーク40をまぶ
し、圧縮してシート状に成形してもよい。
【0016】以上のようにして成形されたシートを補強
用繊維21に沿って切断することにより、短冊状のマイ
カ薄片2を得るものであり、このようにして得た短冊状
のマイカ薄片2を上記した筒状体1内に充填することに
より所定のパッキン材料101を構成する。
【0017】このように構成されたパッキン材料101
は、主材としてとしてのマイカ薄片2が1000℃程度
においても酸化することがなく、膨脹黒鉛などを用いた
ものに比して著しく耐熱性を向上させることができ、ま
た、短冊状のマイカ薄片2自体がマイカからなるシート
層の肉厚中間部にその長手方向に沿わせて配置し一体化
た複数本の補強用繊維21により補強され脆性が改善
されているために、加撚、編組、製織のように大きな折
り曲げを伴い、そのために複雑な応力が作用する状況下
での加工時にもマイカ薄片2の破壊や粉砕が防止される
ことになり、さらに繊維からなる筒状体1による補強に
よってマイカ自身の層間すべりや圧縮変形といった機械
的な変形に対する許容度大きくなり、バーミキュライ
トなどに比較して耐クリープ特性も大きく向上すること
が可能である。ところで、広幅のマイカシートでは、層
間すべりが生じても筒状体1の網目に入り込みにくい。
したがって、筒状体1と一体化しにくく、加撚加工など
の二次加工を行ないにくいが、上記のようにマイカ薄片
2を細幅の短冊状にすることにより、マイカ薄片2自体
の変形性が増大し、筒状体1の編目に入り込んで加撚加
工などが容易となる。
【0018】図2は本発明の第2の実施例としてのパッ
キン材料102を示す斜視図で、この実施例では、繊維
として線径0.1mmのインコネル600金属線を使用
し、この金属線をニット編してなる筒状体3内に、厚さ
0.4mm、幅60mmのマイカシートを1mm幅に切
断してなり、補強用繊維21によって補強が施された多
数の短冊状マイカ薄片2を充填したものであり、前記第
1の実施例と同様の効果が現出されることになる。
【0019】図3は本発明の第3の実施例として、図2
のパッキン材料102を使用し、これを二次加工してな
るシール部材の一例としてのグランドパッキン103を
示す斜視図である。すなわち、直径1.6mm程度のパ
ッキン材料102の8本を角編して、断面の一辺が6.
5mm角の紐状に成形したものである。これは、高温に
耐えられるものとして、高温バルブなどのシール用とし
て適しており、また、紐状であることからマンホール蓋
用パッキンにも適し、在庫管理もやり易い。
【0020】図4は本発明の第4の実施例として、図2
のパッキン材料102を使用し、これを二次加工してな
るシール部材の他の例としてのグランドパッキン104
を示すものであり、直径1.6mm程度のパッキン材料
102の6本を集合させるとともに、加撚して紐状に成
形したものである。この場合も、高温バルブなとに使用
でき、特に小サイズのものに適している。
【0021】ところで、上記パッキン材料101,10
2などにおいて、仮に図22のように、広幅のマイカシ
ート170を網状体171と一緒にして、たとえばコニ
カル形ガスケット172などを構成した場合、マイカシ
ート170の結晶が図23のように、網目と平行状態で
配置されるため、両者170,171が一体化しにくい
傾向にある。しかるに、上記した第1および第2の実施
例の構成においては、マイカ薄片2が短冊状で、しか
も、編組や加撚などの二次加工を施すことにより、図2
1のように、マイカ薄片2の折り曲げ部2aや切断端面
2bがランダムに表面に露出することに加えて、撚り加
工や後の編組などの加工で結晶面の剥離などが生じて筒
状体1の編目に入り込んで一体化しやすい。上記マイカ
薄片2の許容ひねり回数は、図18に示すように、マイ
カ薄片2の切断幅寸法との関係に基づいて決定されるも
ので、切断幅が5mm以下のマイカ薄片2を使用するこ
とが好ましい。
【0022】図5は本発明の第5の実施例として、図2
のパッキン材料102を用いてシート状に形成したもの
である。すなわち、上記パッキン材料102を平織りす
ることにより、厚さ2mmの製織シート105を形成し
たものであり、これを成形用パッキン素材として提供す
ることができ、また、スパッタシートなどにも使用でき
る。
【0023】図6は本発明の第6の実施例を示し、図2
の紐状のパッキン材料102を用いて、平打ち編組した
幅12.5mmのリボンからなる平打ち編物テープ10
6を製作したものであり、これも、成形用パッキン素材
として用意される。
【0024】図7は本発明の第7の実施例を示し、図3
に示した紐状のグランドパッキン103を金型(図示せ
ず)内で加圧成形して、20mm×33mm×6.5m
mのシール部材としてのリング状パッキン107を製作
したものである。これは、高温バルブ用のシール部材と
して、図7のままで使用される。
【0025】図8は本発明の第8の実施例を示し、図5
に示す製織シート105を幅16mmに切断したテープ
105Aを複数回、巻き重ねてリング状のパッキン中間
材料108を形成したもので、断熱特性が良いことか
ら、自動車の排気管用ガスケットとして使用される。
【0026】図9は本発明の第9の実施例を示し、図5
の製織シート105を幅16mmに切断したテープ10
5Aを複数回、巻き重ねてリング状パッキン中間材料1
08を構成したのち、これを金型成形して密度1.8g
/cm3 のリング状パッキン109を製造したものであ
り、自動車の排気管用ガスケットとして使用される。
【0027】図10は本発明の第10の実施例であり、
図6に示す平打ち編物テープ106を多数回、巻き重ね
てから金型成形して密度2.0g/cm2 のコニカル形
パッキン110を製作したものであり、自動車の排気管
用ガスケットとして使用される。
【0028】図11は本発明の第11の実施例を示し、
図5の製織シート105をプレス成形して、その密度を
上げたあと後、これを図示のような形状に打ち抜き、中
央孔11の内壁にステンレス304製の0.1mm厚さ
の薄板12でグロメット加工してガスケット111を形
成したものであり、自動車の排気管用ガスケットとして
使用される。
【0029】図12は本発明の第12の実施例を示し、
図2の紐状のパッキン材料102をリング状にし、これ
を芯材としてその周囲を0.2mm厚さのステンレス3
10製で厚み0.2mmの板材13で被覆してメタルガ
スケット112を製作したものであり、自動車の排気管
用ガスケットとして使用される。
【0030】以上の各実施例は、繊維として線径が0.
1mmの8本のステンレス線を編組してなる筒状体1ま
たは線径0.1mmのインコネル600金属線をニット
編みして形成された筒状体3内に短冊状のマイカ薄片2
単体を充填してなるパッキン材料およびそれを用いたパ
ッキン、ガスケットなどについて説明したが、そのマイ
カ薄片2のほかに、黒鉛、膨脹黒鉛、タルクなどの無機
粉体やセラミック、ガラス等の無機短繊維、金属線や金
属箔などの補強線材の少なくとも一種を複合して充填し
てもよい。
【0031】図19はマイカ薄片2用いた場合の加熱
減量特性を、他材料として比較して示すものであり、同
図に示す特性からも明らかなように、マイカ薄片2を用
いたものでは、1000℃の温度を保持したエア雰囲気
中でも、重量保持率は高レベルのままに保たれており、
従来の膨脹黒鉛などを用いたものに比して信頼性の高い
ものを得ることができる。
【0032】また、図20は、前記第7の実施例に示す
リング状パッキン(図7)107および第10の実施例
に示すコニカル形パッキン(図10)110のガスシー
ル性能のテスト結果を比較品(図22)と対比して示す
ものであり、これら各実施例のものでは、締付面圧を強
くすれば、漏洩量が著しく低減されることが判る。
【0033】なお、上記筒状体1,3の構成材としての
繊維は、前述したステンレスやインコネルの他に、モネ
ル、アルミニウムなどの他の金属線であってもよく、ま
た、セラミック、ガラスおよびカーボンなどの無機繊
維、コットン、アラミドおよびレーヨンなどの有機繊維
であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、マイカ材を主材とするものであって、1000
℃近くの高温においても酸化・消滅することがなく、耐
熱性に優れているのはもとより、繊維から形成された筒
状体内に充填するマイカ材として、マイカ材からなるシ
ート層の肉厚中間部に該シート層の長手方向に沿わせて
配置した複数本の補強用繊維が一体化されて補強された
短冊状マイカ材を使用することによって、マイカ材自身
が本来有するガラス薄片にも似た脆性質を大きく改善し
て、加撚、編組、製織のように大きな折り曲げを必要と
し、そのために複雑な応力が作用する状況下での加工時
マイ材が破壊されたり粉砕されることを防止するこ
とができるとともに、マイカ自身の層間すべりや圧縮変
形といった機械的な変形に対する許容度も大きくするこ
とができる。したがって、パッキン材料としての加工
性、汎用性を著しく向上することができる。その上、マ
イカ材が短冊状にチップ化されているために、原材料と
完成品としてのシール部材との中間であるパッキン材料
の可撓性が向上され、この種のパッキン材料において望
まれる加工性の顕著な向上を図ることができるという効
果を奏する。
【0035】特に、上記請求項1に記載の発明に係るパ
ッキン材料において、繊維から形成された筒状体内に、
上記補強用繊維により補強された短冊状のマイカ材の他
に短繊維、無機粉体、および補強線材のうちの少なくと
も1種と複合して充填する請求項2に記載の発明によれ
ば、請求項1に記載の発明の効果、つまり、マイカ材自
身がもつ耐熱性、可撓性を十分に保ちつつ、脆性を一層
十分に補って機械的強度をより向上させてパッキン材料
としての汎用性の拡大を達成することができ、また、5
mm幅以下の細幅のマイカ材を使用する請求項3の発明
によれば、マイカ材自身の変形性を増して、ひねり加工
時などに変形したマイカ材部分を繊維から形成される筒
状体の網目に埋めて、シール部材に加工した時のシール
性能の向上を図ることができる。
【0036】また、請求項4に記載の発明によれば、上
記請求項1ないし請求項3に記載の発明に係るパッキン
材料を集合して使用することにより、そのパッキン材料
に複雑な応力が作用する加撚、編組あるいは製織という
二次加工にも十分に耐えさせて、パッキン材料の主材で
あるマイカ材が結晶面で剥離したり、部分的な割れを生
じて、筒状体を形成する繊維の網目あるいは肉厚の中間
部に介在の補強用繊維との一体化が促進され、紐状、編
組あるいは製織など各種形態のシール部材を確実、容易
に加工することができ、かつ、いずれの形態に加工した
場合も、耐熱性、耐クリープ性およびシール性能に優れ
たシール部材を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのパッキン材料を
示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例としてのパッキン材料を
示す斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施例としてのグランドパッキ
ンを示す斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施例としてのグランドパッキ
ンを示す斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施例としての製織シートを示
す斜視図である。
【図6】本発明の第6の実施例としての平打ち編物テー
プを示す斜視図である。
【図7】本発明の第7の実施例としてのリング状パッキ
ンを示す斜視図である。
【図8】本発明の第8の実施例としてのリングパッキン
中間材料を示す斜視図である。
【図9】本発明の第9の実施例としてのリング状パッキ
ンを示す斜視図である。
【図10】本発明の第10の実施例としてのコニカル形
状パッキンを示す斜視図である。
【図11】本発明の第11の実施例としてのガスケット
を示す斜視図である。
【図12】本発明の第12の実施例としてのメタルガス
ケットを示す斜視図である。
【図13】本発明の各実施例に用いるパッキン材料の製
造方法の概略説明図である。
【図14】図13の製造方法による場合の補強繊維の配
置を示す概略説明図である。
【図15】図13の製造方法による場合の補強繊維の説
明図である。
【図16】本発明の各実施例に用いるパッキン材料の他
の製造方法の概略説明図である。
【図17】本発明の各実施例に用いるパッキン材料のも
う1つの製造方法の概略説明図である。
【図18】マイカ材の切断幅と撚り回数との関係を示す
説明図である。
【図19】本発明によるパッキン材料の加熱時の減量特
性を従来のものと比較して示す図である。
【図20】本発明によるパッキン材料のガスシールテス
トの結果を比較品のテスト結果と対比して示す図であ
る。
【図21】本発明におけるマイカ片の配置状態の拡大説
明図である。
【図22】広幅のマイカシートを使用した比較品のガス
ケットを示す斜視図である。
【図23】比較品の広幅マイカシートの配置状態の拡大
説明図である。
【符号の説明】
1,3 筒状体 2 短冊状マイカ材 21 補強用繊維
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−135653(JP,A) 特開 昭52−92216(JP,A) 実開 昭57−104056(JP,U) 実開 昭55−161165(JP,U) 実開 昭58−45491(JP,U) 特公 平1−44926(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/00 - 15/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維から形成された筒状体内に短冊状の
    マイカ材を充填してなるパッキン材料であって、上記短
    冊状マイカ材は、マイカ材からなるシート層の肉厚中間
    に該シート層の長手方向に沿わせて互いに平行に配置
    た複数本の補強用繊維と一体化して補強されている
    とを特徴とするパッキン材料。
  2. 【請求項2】 上記の繊維から形成された筒状体内に、
    上記補強用繊維により補強された短冊状のマイカ材のほ
    かに、短繊維、無機粉体、および補強線材のうちの少な
    くとも1種が複合して充填されていることを特徴とする
    請求項1に記載のパッキン材料。
  3. 【請求項3】 上記短冊状のマイカ材が、5mm幅以下
    の細幅のものである請求項1または2のいずれかに記載
    のパッキン材料。
  4. 【請求項4】 上記請求項1または請求項3に記載のパ
    ッキン材料を集合して加撚、編組または製織の二次加工
    を施して形成されていることを特徴とするシール部材。
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