JP2761046B2 - 伸線性に優れたSi―Cr系ばね用線材の製造方法 - Google Patents

伸線性に優れたSi―Cr系ばね用線材の製造方法

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JP2761046B2 JP1213740A JP21374089A JP2761046B2 JP 2761046 B2 JP2761046 B2 JP 2761046B2 JP 1213740 A JP1213740 A JP 1213740A JP 21374089 A JP21374089 A JP 21374089A JP 2761046 B2 JP2761046 B2 JP 2761046B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関の弁ばね等に使用されるSi−Cr系ば
ね用線材の製造方法に関し、詳細には再加熱処理をしな
くとも断線なしに高減面率まで伸線を行なうことのでき
るSi−Cr系ばね用線材の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 一般にばね用線材を製造するにあたっては、まず1000
℃を超える温度に加熱した上で圧延を開始し、1000℃を
超える温度を維持したまま仕上圧延を行ない、次に750
℃を超える温度でリング状に形成しつつコンベア上に展
開して冷却を行った後伸線を施すという方法が採用され
ている。ただし高炭素合金線材の場合は、焼入性が高
く、熱間圧延後の冷却過程でベイナイトやマルテンサイ
トなどの過冷組織を形成して、延性が著しく劣化するの
で、伸線前に軟化焼鈍等の熱処理工程を設けることによ
り伸線性の回復を図っている。
そこで高炭素合金線材についても前記過冷組織を生成
しない様な製造方法の検討が行なわれており、特に特開
昭57−116727においては圧延巻取後の冷却速度を1℃/s
ec以下に制御することによって過冷組織の発生を防ぐと
共に、熱処理を施さない場合に発生する表面疵の問題に
ついては、圧延温度及び巻取温度を調整することによっ
て解決している。しかしながらこの方法で製造した場
合、伸線中に断線するケースがあり、また断線に至らな
いまでもシェブロンクラックを内在し、コイリング中に
折損するという不具合が発生することがあった。この
為、高炭素合金線材であっても再加熱処理をすることな
く伸線でき、しかも表面疵の問題に加え上記の断線及び
折損の不具合をも解決することのできる製造方法の開発
が要望されていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこのような事情に着目してなされたものであ
って、ばね用線材の製造方法において過冷組織の発生を
防ぐと共に、微細なパーライト組織を線材全長に亘って
形成することにより伸線時に断線及びクラックが発生す
ることのないSi−Cr系ばね用線材の製造方法を提示しよ
うというものである。
[課題を解決する為の手段] 本発明は鋼材を1000℃以下の加熱温度に調整した後圧
延を開始すると共に1000℃以下で仕上圧延を行い、650
〜750℃に強制冷却してコイル状に巻取り、次いで1〜1
0℃/secの速度で600℃まで冷却することにより全長に亘
り絞り値を40%以上とすることを要旨とするものであ
り、このことにより熱処理を施さなくても高減面率まで
伸線可能なSi−Cr系ばね用線材を製造することに成功し
たものである。
[作用] 一般にばね用線材の製造工程においては、熱間圧延後
リング状に形成された線材(以下線材リングという)を
冷却目的でコンベア上に展開している。その際第1図に
示す様に進行方向に向かってリングが一定間隔を置いて
ずれた状態で搬送される為に、線材リングの重なり方が
密である部分(以下密部という)と、そうでない部分
(以下粗部という)が存在することとなる。この粗密に
よる冷却速度の違いに基づく物理的性質の違いを調べる
目的で、第2図に示すように線材リングの同一円周上を
16等分した各位置について引張り試験を行ない絞りを測
定したところ、第3図で明らかなように絞り値は密部で
低く粗部で高いという結果を得た。さらに顕微鏡で観察
したところ、この密部の組織は層間隔の大きい粗パーラ
イトであり、従って前記の断線及び線材の折損は密部で
発生するものであることがわかった。すなわち線材リン
グの同一円周上では粗部において冷却速度が最も速く、
密部に近づくに従って冷却速度は遅くなるが、過冷組織
の発生を防ぐという目的で徐冷していくと高温で変態が
起こりやすくなり、冷却速度が最も遅い密部では粗いパ
ーライトが生成され、逆に延性が低下したものと考えら
れる。
このようにして本発明者らは、伸線時の断線やコイリ
ング時の折損が絞り40%未満の密部で発生しているとの
知見を得た。そこで全線に亘り絞り40%以上の均一な微
細パーライト組織を形成する為、以下に詳述する様に最
適な圧延温度条件と冷却速度条件の組合せを見い出すこ
とにより、減面率95%でも断線のないSi−Cr系ばね用線
材の製造方法を開発するに至ったのである。
まず本発明が対象とするSi−Cr系ばね用線材は弁ばね
用として従来から汎用されている合金組成のものであ
り、代表的にはJIS−G−3566に示される成分組成のも
のが知られているが、これに限定されるものではなくC:
0.5〜0.8%,Si:1.0〜2.0%,Mn:0.3〜1.0%,Cr:0.3〜1.0
%を含有し残部Fe及び不可避不純物からなるSi−Cr鋼に
ついて適用できる。
次に各条件の限定理由について述べると鋼材の加熱温
度が1000℃を超えた場合、Cr等を含む炭化物のオーステ
ナイト中への固溶量が多くなり過冷組織が発生しやすく
なるので、鋼材加熱温度は1000℃以下とする。
仕上圧延温度は、オーステナイト結晶粒を微細化し延
性の向上及び焼入性の低下を図る為に、1000℃以下であ
ることが必要である。
仕上圧延終了後、オーステナイト結晶粒の成長を抑制
する為に、650〜750℃に強制冷却する。この際冷却温度
を限定する理由は、650℃未満まで冷却すると線材表層
に過冷組織が出現し伸線時に表面割れを生じる原因とな
るからであり、650℃以上とすることで過冷組織の発生
を防ぐことができる。また冷却温度が750℃に至らない
と、コンベア載置後の冷却過程でスケール層内に多数の
クラックが発生することが知られており、これは伸線前
の酸洗い工程え、スケールクラック疵と称する表面疵に
成長しコイリング中等の断線の原因となるために750℃
以下まで冷却することが望まれる。
次に冷却速度について言及する。650〜750℃の温度範
囲にある線材をパーライト変態が完了する600℃まで冷
却するにあたり、10℃/secを超える速度で冷却すると過
冷組織を形成し、一方1℃/sec未満の冷却速度では、高
温域で変態をはじめる為層間隔の広い粗パーライトを形
成することとなる。そこで全長に亘って微細なパーライ
ト組織を有し、絞り値が40%以上である線材を得る為に
は、線材リングのピッチ調整等を行ない、最も冷却速度
の速い粗部で10℃/sec以下の速度に制御し、最も冷却の
遅れる密部で1℃/sec以上の速度に維持することが必要
である。
[実施例] 第1表に示す成分割分の元素を含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなる鋼を転炉により溶製し分塊して鋼
片とした後、第2表に示す条件により熱間圧延及び調整
冷却を行なった。各種の性質についても第2表に示し
た。
第2表からも明らかな様に本発明に係る方法による線
材は過冷組織を含まず均一な微細パーライトからなり、
且つ全線に亘り延性のばらつきが少ないという特性の為
に、限界減面率は95%以上を示し、高い伸線性を有して
いる。
一方比較例1は加熱温度及び仕上圧延温度が高い為に
過冷組織が発生し、さらに圧延後の冷却温度が高い為
に、スケールクラック疵が多発しており、伸線限界減面
率は70%と低い。比較例2は圧延後の冷却温度が低い為
に、表層に過冷組織が出現し、伸線限界減面率は73%と
低い。比較例3は密部の冷却速度が遅過ぎる為に絞り値
が低く伸線限界減面率は45%と著しく低い。比較例4は
粗部の冷却速度が速過ぎる為に過冷組織が発生し伸線限
界減面率は60%と低い。
以上の様に伸線性に優れた線材を製造するには、全線
に亘り絞り値40%とし且つ本発明の条件を同時に満足す
る必要があることがわかる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されているので、全線に亘っ
て絞り値を40%以上とすると共に均一で微細なパーライ
ト組織を形成でき、もって軟化焼鈍等の再加熱処理をす
ることなく、高減面率まで伸線可能なSi−Cr系ばね用線
材の製造方法が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は線材リングのコンベア上での搬送状態図、第2
図は線材リングの絞り測定位置を示した図、第3図は同
一リングの粗密部の違いによる絞りの変化を表わしたグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/06 C21D 9/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−Cr系ばね用線材の製造方法において、 鋼材を1000℃以下の加熱温度に調整した後圧延を開始す
    ると共に1000℃以下で仕上圧延を行い、650〜750℃に強
    制冷却してコイル状に巻取り、次いで1〜10℃/secの速
    度で600℃まで冷却することにより全長に亘り絞り値を4
    0%以上とすることを特徴とする伸線性に優れたSi−Cr
    系ばね用線材の製造方法。
JP1213740A 1989-08-19 1989-08-19 伸線性に優れたSi―Cr系ばね用線材の製造方法 Expired - Lifetime JP2761046B2 (ja)

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