JP2003183733A - 線材の製造方法 - Google Patents
線材の製造方法Info
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Abstract
脱炭層がなく、デスケーリング性の優れた線材の製造方
法の提供。 【解決手段】C、Si、Mn、S、AlおよびNを含有する鋼
片を用いて、その鋼片を900〜1200℃に加熱し、連
続圧延中での被圧延材の650〜750℃での滞在時間を60秒
未満、総減面率を30%以上とし、仕上圧延機列入側で
の被圧延材を700〜880℃とし、仕上圧延機列出側での
被圧延材を850〜950℃とし、仕上圧延後の被圧延材を
Ms点を超え850℃未満、巻き取る直前の被圧延材を600〜
650℃とし、巻き取った非同心円状コイルの復熱後の
温度を700℃以上とし、非同心円状コイルを650〜750
℃にした後、0.15〜1℃/秒の冷却速度で500℃まで冷却
する工程を経る線材の製造方法。
Description
る線材の製造方法に関する。より詳しくは、連続熱間圧
延後にリング状に展開した線材を、熱処理を施すことな
く軟化させる方法であって、線材の連続熱間圧延におい
て加熱温度条件、圧延中の被圧延材の表面温度条件、仕
上圧延での圧延温度、加工条件、仕上圧延後のレーイン
グ式巻取機でリング状に展開する(以下、「リング状に
展開する」ことを単に「巻き取る」ともいう)前の条件
およびコンベア上に展開されたリングの冷却条件を調整
することにより、最終製品のスケール厚が薄く、圧延材
の表層部にフェライト脱炭層を有しない冷間加工性に優
れる線材の製造方法に関する。
れるピアノ線材、JIS G 3507に規定される冷間圧造用炭
素鋼線材、JIS G 4051、JIS G 4104およびJIS G 4105等
に規定される機械構造用炭素鋼・合金鋼、JIS G 4805に
規定される軸受鋼、JIS G 4801に規定されるばね鋼、な
らびにJIS G 4401やJIS G 4401に規定される工具鋼等を
母材とする線材は、二次加工、三次加工と称される伸
線、引抜き、切断、鍛造、切削等の冷間での加工工程を
経て所要の製品に仕上げられる。
は、その組織にパーライト、べイナイトまたはマルテン
サイトといった硬質相を有するものである。従って、一
般に熱間圧延した線材に焼鈍や球状化等の軟化熱処理を
施し、強度を下げて延性を高めた後、上記の二次加工や
三次加工が行なわれてきたが、軟化熱処理には10〜20時
間という長時間を必要とすることが多い。
ギーの観点から、熱間圧延ままの状態で軟化熱処理を施
した場合と同等の軟化組織を得ることができる、いわゆ
る「直接軟化」の技術が要望されている。
却条件を調整する方法等により線材の冷却速度を調整
し、軟化組織を得る技術が種々検討されてきた。
2−180023号公報、特開昭63−293122号公報および特開
平4−268028号公報には、コイル状に巻き取った後に徐
冷する技術が提案されている。しかし、線材がコイル状
に巻かれ、線材どうしが極めて密に接触する(つまり、
線材密度の高い)状態で徐冷すれば、コイル内部の冷却
速度は極めて遅くなり、軟質組織は得られるが、材料表
層部の脱炭層のような異常組織が発生するおそれがあ
る。また、スケール性状の不均一を避け難く、脱スケー
ル工程が複雑になるという問題がある。
後、パーライト変態終了までの温度範囲を15℃/分以
下の冷却速度で徐冷するか、又は、直ちに680〜730℃
の範囲の温度にパーライト変態が終了するまで保定した
後放冷する」ことにより軟質組織を得る技術が提案され
ている。この方法によれば、熱間圧延鋼材を軟化させる
ことが可能であるが、650〜750℃の温度範囲に長時間保
持された場合、材料表層部に脱炭層が生じ、表層異常組
織が回避できない。
「軟化線材の製造方法及び製造装置」によれば、「レー
イングヘッドから吐出された線材をステルモアコンベア
タイプのコンベアで搬送しつつ冷却するに当たり、線材
が650±10℃の温度に少なくとも3分間保持される条件下
に冷却を行って、実質上ベイナイトを含まないフェライ
ト+パーライトの組織」にして線材を軟化させることが
できる。しかし、Cr、Mo、NiやMn等の元素を多く含む焼
入性の高い合金鋼において、650±10℃の温度域に3分
以上保持しただけでは、炭素が濃縮したオーステナイト
が未変態で残り、これがその後の冷却でベイナイトに変
態するため、線材の全長で均一な軟質組織が得られず、
機械特性が大きくばらつき、その後の二次加工、三次加
工の際に断線や割れなどの不具合が生じることがある。
〜1250℃において、880℃以上の温度範囲で総減面率50
%以上の圧延を行い、その後880℃未満の温度範囲で減
面率10%以上の圧延後、直ちに鋼材表面温度が一旦Ms点
〜700℃となるように冷却し、引き続き減面率10%以上
の圧延を行う工程を1回以上有する工程で圧延を行い、
最終圧延出側での鋼材表面温度を750〜880℃とし、仕上
圧延後、該線材の表面温度が750〜800℃となるように急
冷した後巻き取り、700〜500℃の温度範囲を0.05〜0.7
℃/秒で冷却する」ことによって、軟質組織を得ること
ができ且つ表層異常組織のない線材を製造することがで
きるとされている。しかし、700〜500℃の温度範囲を0.
05〜0.15℃/秒で緩速に冷却した場合、脱炭層が発生す
るため、表層部の異常組織の発生を抑制できない場合が
ある。
を解決すべくなされたものであって、その目的は、熱間
圧延ままの状態で冷間加工性に優れる軟質組織を有する
とともに、表層部にフェライト脱炭層がなく、更にデス
ケーリング性の優れた線材の製造方法を提供することに
ある。
熱間圧延によって製造する場合に、鋼片の加熱温度、比
較的低速圧延となる粗圧延から中間圧延段階における被
圧延材の表面温度条件、仕上圧延条件および冷却条件を
コントロールすることにより上記の目的を達成した。本
発明は下記の線材の製造方法を要旨とする。
および載荷型のレーイング式巻取機を用いる線材の製造
方法であって、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.1〜
0.5%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.01〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%およびN:0.03%以下を含有し、残部はFeおよ
び不純物からなり、不純物中のPが0.05%以下である鋼
片から線材を製造するに際して、下記〜の工程を順
に経ることを特徴とする線材の製造方法。
の被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間を60秒
未満とする工程 仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を700〜880℃
とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%以上とする
工程 仕上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃
とする工程 仕上圧延後の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え85
0℃未満の温度とし、且つレーイング式巻取機で巻き取
る直前の被圧延材の温度を600〜650℃とする工程 レーイング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの
復熱後の温度を700℃以上とする工程 前記非同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、
0.15〜1℃/秒の冷却速度で500℃まで冷却する工程。
質量%で、Cr:0.1〜1.8%、Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1
〜1.5%およびB:0.001〜0.005%の1種以上、または
/およびTi:0.005〜0.10%、V:0.005〜0.40%および
Nb:0.005〜0.15%の1種以上を含有してもよい。
供する鋼片の化学組成およびその限定理由について説明
する。なお、以下の説明において、各元素の含有量の
「%」は「質量%」を意味する。
保するのに有効な元素である。この効果を得るために
は、Cの含有量を0.1%以上とする必要がある。しか
し、Cの含有量が0.5%を超えると、焼入性が高くなり
過ぎて切削性を悪化させ、また靭性の劣化も招く。従っ
て、Cの含有量を0.1〜0.5%とした。
定して得るためには、Siの含有量を0.1%以上とする必
要がある。一方、Siはフェライト相強化元素であるた
め、その含有量が0.5%を超えると靱性の低下を招くよ
うになる。さらに、SiはA3変態点を上昇させるフェラ
イト相安定化元素でもあり、0.5%を超えると、熱間圧
延過程でフェライト脱炭層の生成を助長する場合があ
る。従って、Siの含有量を0.1〜0.5%とした。
効な元素である。この効果を得るためには、Mnの含有量
を0.2%以上とする必要がある。しかし、その含有量が
2.0%を超えると、内部の硬度が高くなり、延性や靱性
の劣化を招き、線材の冷間加工性を悪化させる。従っ
て、Mnの含有量を0.2〜2.0%とした。
せるとともに、フェライト析出核としても有効な元素で
ある。しかし、その含有量が0.01%未満の場合、その効
果が乏しい。一方、その含有量が0.15%を超えると、効
果が飽和するとともに、靱性を著しく劣化させる。従っ
て、Sの含有量を0.01〜0.15%とした。
形成する。Alの窒化物は、熱間圧延中のオーステナイト
結晶粒の微細化に効果があるが、Alの含有量が0.01%未
満の場合にはその効果が乏しい。一方、含有量が0.10%
を超えると、その効果が飽和し、逆に靭性を劣化させ
る。従って、Alの含有量を0.01〜0.10%とした。
のオーステナイト結晶粒の微細化に有効な元素である。
しかし、Nの含有量が0.03%を超えると、その効果が飽
和し、逆に靭性を劣化させる。従って、Nの含有量を0.
03%以下とした。N含有量の下限は、不純物相当量でも
よい。ただし、上記の効果は0.002%以上で顕在化する
ので、0.002%以上の含有が望ましい。
加工性を著しく劣化させ、また低温での耐遅れ破壊特性
の劣化を招く。従って、Pの含有量を0.05%以下に制限
する。この許容上限値以下でできるだけ少ない方がよ
い。
片は、上記の化学成分を含有し、残部はFeおよび不純物
からなるものであるが、Feの一部に代えて、Cr:0.1〜
1.8%、Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.5%およびB:0.0
01〜0.005%の1種以上を含有させてもよい。
めて最終製品強度を上げるが、それぞれの元素の含有量
がそれぞれの下限値未満の場合には、この効果が乏し
い。一方、これらの元素を多量に含有させると、焼入性
が高くなりすぎて圧延ままの状態で硬質組織を生じると
ともに、添加コストの上昇を招く。従って、これらの元
素の1種以上を含有させる場合のそれぞれの含有量を、
Cr:0.1〜1.8%、Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.5%、
B:0.001〜0.005%とした。
粒の粗大化を抑制する目的で、Ti:0.005〜0.10%、
V:0.005〜0.40%およびNb:0.005〜0.15%の1種以上
を含有させてもよい。しかし、これらの元素の含有量が
それぞれの下限値未満の場合には、粗大粒の発生を抑制
する効果が乏しい。一方、これらの元素の含有量がそれ
ぞれの上限値を超えると、その効果が飽和し、むしろ靭
性を劣化させる。
て述べる。なお、以下の説明において、温度とは、特に
指定のない場合は鋼片、被圧延材またはコイルの表面温
度を意味し、Ms点とは、鋼の成分含有量を下記の(1)
式に代入して算出される値を意味する。 Ms点(℃)=550−350×%C−40×%Mn−35×%V−20%Cr−17×%Ni −10×%Cu−10×%Mo+30×%Al …(1)
が大きくなるとともに、鋼片断面内で均一な温度分布に
するためには、非常に長時間の加熱が必要となり、生産
性を阻害し、更には、圧延時に割れが発生することがあ
る。一方、鋼片の温度が1200℃を超えると、加熱中の脱
炭層の発生量が急激に増加し、最終製品の脱炭層の発生
を防止することが困難になる。従って、鋼片の加熱温度
は900〜1200℃が適正である。
被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間が60sec
以上の場合、鋼材表層部のみにおいてフェライト変態が
開始し、このときに生成したフェライト組織は、その後
の復熱によりオーステナイト組織に変態するが、再びオ
ーステナイト組織からフェライト組織に変態する際に、
フェライト変態を促進する。このため、鋼材表層部での
フェライト生成量が非常に多くなり、表層部の異常組織
の発生を抑制できない。従って、粗圧延機列および中間
圧延機列における連続圧延中での被圧延材の650〜750℃
の温度範囲での滞在時間を60秒未満とした。
延機列との間に被圧延材の材料表面温度を測定できる温
度計を複数個設置するとともに、圧延中、各温度計から
の温度データを常時測定して、この測定結果に基づいて
圧延速度を変化させるなどして制御することができる。
で、容易に軟質組織を得ることができることが、加工フ
ォーマスタ試験機を用いた熱間圧延試験により判明し
た。即ち、仕上圧延機列の入側での温度が700℃未満の
被圧延材に総減面率が30%以上の圧延加工を施すと、圧
延機に対する負荷が大きくなるとともに、圧延時に割れ
が発生することがある。これに加えて、被圧延材の表層
部にマルテンサイトやベイナイトなどの硬質の低温変態
生成物(過冷組織)が形成されることがある。一方、仕
上圧延機列の入側での温度が880℃を超える被圧延材に
総減面率が30%以上の圧延加工を施しても、仕上圧延中
もしくは仕上圧延後の結晶粒が粗大化して焼入性が高く
なるため、冷却後にベイナイトなどの硬質相が形成され
ることがある。
700〜880℃であっても、仕上圧延機列での総減面率が30
%未満の場合、オーステナイト結晶粒を微細化して、焼
入性を低下させるのが困難となり、軟質組織が得られな
い。従って、仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を
700〜880℃とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%
以上とした。なお、好ましい総減面率は、50%以上であ
る。また、仕上圧延機での総減面率が90%を超える場合
には、オーステナイト結晶粒の微細化効果が飽和するこ
とに加えて、設備能力を増大させる必要が生じる。従っ
て、仕上圧延機列での総減面率の上限は90%とするのが
好ましい。
前に水冷設備および被圧延材の表面温度を測定できる温
度計を設置し、測定した温度に応じて水冷設備の冷却水
量や圧延速度等を変化させることによって制御すること
ができる。
するためには、仕上圧延中に生じる加工発熱を強制冷却
により抑制する必要があり、この冷却により表層部にフ
ェライトが生成してフェライト脱炭層の発生を助長する
可能性がある。一方、仕上圧延機列の出側での被圧延材
の温度が950℃を超えると、オーステナイト結晶粒が粗
大化し、粗大化に伴い焼入性が増加し、冷却後にベイナ
イトなどの硬質相が形成されることがある。従って、仕
上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃とし
た。
ンサイトやベイナイトなどの硬質組織が生じ、最終製品
の強度が上昇し過ぎる。一方、仕上圧延後の被圧延材の
温度が850℃以上となると、その後の冷却途中において
フェライト脱炭層が生じ易くなる。従って、仕上圧延後
の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え850℃未満の温
度とした。
延材の温度が600℃未満の場合には、マルテンサイトや
ベイナイトなどの硬質組織が生じ、最終製品の強度の上
昇が著しくなる。一方、レーイング式巻取機で巻き取る
直前の被圧延材の温度が650℃を超えると、巻き取り後
の復熱で温度が上昇し、被圧延材の表層部にフェライト
脱炭層が生じる。従って、仕上圧延後の被圧延材の温度
を素材鋼のMs点を超え850℃未満の温度とし、かつ、レ
ーイング式巻取機で巻き取る直前の被圧延材の温度を60
0〜650℃とした。
ーイング式巻取機までの間に水冷設備および被圧延材の
表面温度を測定できる温度計を設置し、測定した被圧延
材の温度に応じて水冷設備の冷却水量および圧延速度を
調整することによって制御できる。
熱後の温度が700℃未満の場合、硬質組織が偶発的に生
成することがあり、これがそのまま最終製品まで残存し
て最終製品の強度が著しく上昇させる。従って、レーイ
ング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの復熱後の
温度を700℃以上とした。上限は、900℃程度が好まし
い。
ア上での冷却過程で発生し、その原因が高温域からの緩
速冷却であることが判明した。即ち、レーイング式巻取
機で巻き取った非同心円状コイルの温度が750℃を超え
ると、冷却速度によらずフェライト脱炭層の発生を回避
できないばかりか、非常に厚く酸洗性の悪いスケールが
生成する。一方、非同心円状コイルの温度650℃未満で
あれば、フェライト脱炭層の発生を回避できるが、軟質
組織を形成させるためには極端な緩速冷却が必要とな
り、熱処理設備を増設するなど既存の設備を大幅に改造
する必要がある。
組織は得られるが、徐冷時間が長くなるので、脱炭層が
発生する恐れがある。一方、冷却速度が1℃/秒を超え
ると、焼入性の高い合金鋼などでは十分に軟化せず、ベ
イナイトなどの硬質組織が発生する。従って、上記の非
同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、0.15℃/
秒から1℃/秒までの冷却速度で500℃まで冷却すること
とした。上記の冷却速度で500℃まで冷却することによ
り変態が完了するので、500℃より低い温度域での冷却
速度は特に規定しない。
織を有し、スケール厚が8μm以下で、フェライト脱炭
層の無い熱間圧延線材を製造することができる。なお、
スケール厚とは、圧延材の横断面において、最もスケー
ル厚さが厚い位置を基準位置として、その位置から45゜
ピッチに外周方向に8点のスケール厚さを測定し、それ
らの測定値の平均値を意味する。
を連続鋳造にて溶製し、分塊圧延にて2トンビレットを
作製し、供試材とした。このビレットを表2または表3
に示す条件で熱間圧延して、直径10mmの線材を作製し
た。
ロ観察を実施し、引張強さ、フェライト脱炭層生成の有
無およびスケール厚さの調査を行った。この結果を表2
および表3に示した。
明の製造方法によれば、軟質組織を有し、フェライト脱
炭層が発生することなく、さらにスケール厚が8μm以
下の熱間圧延線材を製造することができる。
表層部に異常組織がなく、かつ軟質組織の線材が得られ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】粗圧延機列、中間圧延機列、仕上圧延機列
および載荷型のレーイング式巻取機を用いる線材の製造
方法であって、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.1〜
0.5%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.01〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%およびN:0.03%以下を含有し、残部はFeおよ
び不純物からなり、不純物中のPが0.05%以下である鋼
片から線材を製造するに際して、下記〜の工程を順
に経ることを特徴とする線材の製造方法。 鋼片を900〜1200℃に加熱する工程 粗圧延機列および中間圧延機列における連続圧延中で
の被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間を60秒
未満とする工程 仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を700〜880℃
とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%以上とする
工程 仕上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃
とする工程 仕上圧延後の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え85
0℃未満の温度とし、且つレーイング式巻取機で巻き取
る直前の被圧延材の温度を600〜650℃とする工程 レーイング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの
復熱後の温度を700℃以上とする工程 前記非同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、
0.15℃/秒から1℃/秒までの冷却速度で500℃まで冷却
する工程。 - 【請求項2】粗圧延機列、中間圧延機列、仕上圧延機列
および載荷型のレーイング式巻取機を用いる線材の製造
方法であって、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.1〜
0.5%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.01〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%、N:0.03%以下、ならびにCr:0.1〜1.8%、
Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.5%およびB:0.001〜0.0
05%の1種以上を含有し、残部はFeおよび不純物からな
り、不純物中のPが0.05%以下である鋼片から線材を製
造するに際して、下記〜の工程を順に経ることを特
徴とする線材の製造方法。 鋼片を900〜1200℃に加熱する工程 粗圧延機列および中間圧延機列における連続圧延中で
の被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間を60秒
未満とする工程 仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を700〜880℃
とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%以上とする
工程 仕上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃
とする工程 仕上圧延後の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え85
0℃未満の温度とし、且つレーイング式巻取機で巻き取
る直前の被圧延材の温度を600〜650℃とする工程 レーイング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの
復熱後の温度を700℃以上とする工程 前記非同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、
0.15℃/秒から1℃/秒までの冷却速度で500℃まで冷却
する工程。 - 【請求項3】粗圧延機列、中間圧延機列、仕上圧延機列
および載荷型のレーイング式巻取機を用いる線材の製造
方法であって、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.1〜
0.5%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.01〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%、N:0.03%以下、ならびにTi:0.005〜0.10
%、V:0.005〜0.40%およびNb:0.005〜0.15%の1種
以上を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物
中のPが0.05%以下である鋼片から線材を製造するに際
して、下記〜の工程を順に経ることを特徴とする線
材の製造方法。 鋼片を900〜1200℃に加熱する工程 粗圧延機列および中間圧延機列における連続圧延中で
の被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間を60秒
未満とする工程 仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を700〜880℃
とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%以上とする
工程 仕上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃
とする工程 仕上圧延後の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え85
0℃未満の温度とし、且つレーイング式巻取機で巻き取
る直前の被圧延材の温度を600〜650℃とする工程 レーイング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの
復熱後の温度を700℃以上とする工程 前記非同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、
0.15℃/秒から1℃/秒までの冷却速度で500℃まで冷
却する工程。 - 【請求項4】粗圧延機列、中間圧延機列、仕上圧延機列
および載荷型のレーイング式巻取機を用いる線材の製造
方法であって、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.1〜
0.5%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.01〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%およびN:0.03%以下、ならびにCr:0.1〜1.8
%、Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.5%およびB:0.001
〜0.005%の1種以上、さらにTi:0.005〜0.10%、V:
0.005〜0.40%およびNb:0.005〜0.15%の1種以上を含
有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のPが
0.05%以下である鋼片から線材を製造するに際して、下
記〜の工程を順に経ることを特徴とする線材の製造
方法。 鋼片を900〜1200℃に加熱する工程 粗圧延機列および中間圧延機列における連続圧延中で
の被圧延材の650〜750℃の温度範囲での滞在時間を60秒
未満とする工程 仕上圧延機列の入側での被圧延材の温度を700〜880℃
とし、且つ仕上圧延機列での総減面率を30%以上とする
工程 仕上圧延機列の出側での被圧延材の温度を850〜950℃
とする工程 仕上圧延後の被圧延材の温度を素材鋼のMs点を超え85
0℃未満の温度とし、且つレーイング式巻取機で巻き取
る直前の被圧延材の温度を600〜650℃とする工程 レーイング式巻取機で巻き取った非同心円状コイルの
復熱後の温度を700℃以上とする工程 前記非同心円状コイルの温度を650〜750℃にした後、
0.15℃/秒から1℃/秒までの冷却速度で500℃まで冷却
する工程。
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