JP2527512B2 - 耐ssc性の優れた低硬度高靭性シ―ムレス鋼管の製造法 - Google Patents

耐ssc性の優れた低硬度高靭性シ―ムレス鋼管の製造法

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JP2527512B2
JP2527512B2 JP4005877A JP587792A JP2527512B2 JP 2527512 B2 JP2527512 B2 JP 2527512B2 JP 4005877 A JP4005877 A JP 4005877A JP 587792 A JP587792 A JP 587792A JP 2527512 B2 JP2527512 B2 JP 2527512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐SSC性の優れた低
硬度高靭性シームレス鋼管の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー資源としてのガス井、
油井開発はH2 S濃度の高い環境で且つ極北、高深度化
する傾向にあり、開発機材として使用されるシームレス
鋼管に対しては、耐水素割れ性、高靭性(−60℃保
証)、高強度(X65以上、C95グレード以上)を兼
ね備えた性質が要求される。従来より、このような諸特
性を同時に満足するにはASTM No.6以下の結晶粒
度では困難であることが本発明者等によって確かめられ
ている。
【0003】一方、熱間シームレスの圧延工程は、鋳造
鋼片の穿孔、延伸、サイジング工程に大きく分けられる
が、成形性および表面品位の確保のため通常1100℃
以上の高温域で大部分の加工を行なわれる。よって、再
結晶後の粒成長は著しく、結晶粒度はASTM No.6
以下の粗粒となり、又ばらつきも大きくなる。すなわ
ち、近年の油井開発用機材として要求される特性を満足
するには、ASTM No.6以上の微細化組織を安定し
て得る必要があるが、ASTM No.6以上の耐SSC
性の優れた低硬度高靭性鋼管を得るには熱間圧延ままの
状態では不十分であるため、例えば特開昭52−778
13号公報では熱間粗圧延した中空素管を強制的に一旦
鋼の温度をAr1 点以下に下げて再度オーステナイト化
し引続き行う仕上圧延後に焼入−焼戻するか、或いは通
常の仕上圧延後に再加熱焼入−焼戻処理する必要があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法はいずれにおいても熱効率上の問題のほかに
製造工程が煩雑となる欠点があった。一方、従来の熱間
シームレスでは、圧延ままで近年の油井開発に要求され
る特性を満足できる性質を付与できる必要条件である結
晶粒度ASTM No.6以上が得られないため低硬度で
且つ高靭性シームレス鋼管が得られない問題があった。
【0005】本発明はこのような問題を解消し、耐SS
C性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微細化組
織の低硬度高靭性シームレス鋼管さらには硫化物応力割
れ(以下、SSCと記す。)性の優れたシームレス鋼管
を製造することを目的に多くの実験を行い検討した結
果、鋼成分、熱間圧延条件を制御することによって微細
化組織の低硬度シームレス鋼管が製造されることを知見
した。
【0007】本発明は、この知見に基づいて構成したも
ので、その要旨は、重量%として C :0.03〜0.20%、 Si:0.01
〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.01
%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.00
5〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.00
5〜0.1%、 N :0.01%以下を含有して、 さらに必要によっては Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05
〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01
〜0.1%、 B :0.0003〜0.0033%の1種または2種
以上と、 希土類元素:0.001〜0.05%、Ca:0.00
1〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜
0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
らなる鋼片を1200℃以上に加熱した後、熱間穿孔連
続圧延途中に1100℃〜900℃まで強制冷却し、そ
の後肉厚断面減少率で15%以上の熱間連続圧延を行な
い、850℃〜Ar1 点の温度まで降下した中空素管を
該温度より高い900〜1000℃に加熱後、仕上温度
がAr3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施して得られ
た仕上鋼管を、Ar3 点以上の温度からパイプ表面下2
mmの位置が鋼のAr1 点の直下の温度まで150℃/s
以下の速度で冷却し、引続きAr1 点直下の温度から1
50℃/s超の速度で常温まで冷却する処理を施す耐S
SC性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製造法で
ある。
【0008】
【作用】以下本発明の製造法について詳細に説明する。
先ず、本発明において上記のような鋼成分に限定した理
由について説明する。C,Mnは、焼入効果を増して強
度を高め、降伏点27〜50kgf/mm2 の高張力鋼を安定
して得るためおよび細粒化を図るため重要である。少な
過ぎるとその効果がなく、多過ぎるとパイプ表面下2mm
の位置がAr1 点直下まで150℃/s以下の速度で冷
却しても硬さの低減(ビッカース硬さ<248)が図れ
ず耐SSC性の劣化をきたし、また靭性劣化の原因とな
るためそれぞれ0.03〜0.35%,0.15〜2.
5%とした。Siは、脱酸剤が残存したもので強度を高
める有効な成分である。少な過ぎるとその効果がなく、
多過ぎると介在物を増加して鋼の性質を脆化するため
0.01〜0.5%とした。
【0009】Pは、粒界偏析を起こして加工の際き裂を
生じ易く有害な成分としてその含有量を0.02%以下
とした。SはMnS系介在物を形成して熱間圧延で延伸
し低温靭性に有害な成分としてその含有量を0.02%
以下とした。Alは、Siと同様脱酸剤が残存したもの
で、鋼中の不純物成分として含まれるNと結合して結晶
粒の成長を抑えて鋼の遷移温度を低下させて低温靭性を
改善する。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると介
在物を増加して鋼の性質を脆化するため0.005〜
0.1%とした。
【0010】Ti,Nbは、何れもシームレス圧延中の
結晶粒径の制御元素として本発明の成分の中で最も重要
な元素である。Tiは、鋼中の不純物成分として含まれ
るNと結合して、熱間穿孔圧延中の結晶粒抑制および熱
間連続圧延途中に1100℃〜900℃まで強制冷却し
その後に行う熱間連続圧延中の結晶粒の成長を抑える重
要な元素である。結晶粒の成長抑制が不十分であるとパ
イプ表面下2mmの位置がAr1 点直下まで150℃/s
以下の速度で冷却しても硬化組織が出現し硬さの低減
(ビッカース硬さ<248)が図れず、さらに引続き行
う150℃/s以上の冷却時にパイプ表面から2mm以内
の部分の硬さが著しく上昇し耐SSC性の劣化をきた
す。また、熱間穿孔連続圧延終了後850℃〜Ar1
の温度まで降下した該素管を該温度より高い900〜1
000℃に加熱した場合のγ粒は、再結晶によりγ粒粗
大化温度が著しく低下し通常の再加熱温度(最終仕上圧
延後に焼入処理を行うために必要とされる再加熱温度)
では異常粗大化する。Nbは、このような圧延履歴を持
ったγ粒の異常粗大化を抑制する重要な元素である。添
加量が少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎてもその効
果が飽和し、しかも非常に高価であるため0.005〜
0.1%とした。
【0011】上記の成分組成の鋼でさらに鋼の強度を高
める場合Cr,Mo,Ni,V,B等の成分を必要に応
じて選択的に添加する。Cr,Mo,Vは、鋼の焼入性
を増して、強度を高めるために添加するものである。少
な過ぎるとその効果がなく、多過ぎてもその効果が飽和
し、Cr,Moについては、C,Mnと同様パイプ表面
下2mmの位置がAr1 点直下まで150℃/s以下の速
度で冷却しても硬さの低減(ビッカース硬さ<248)
が図れず耐SSC性の劣化をきたし、また靭性劣化の原
因となるためそれぞれ0.01〜1.5%,0.01〜
0.1%,0.01〜0.1%とした。Niは、強度の
上昇、靭性の改善に有効である。少な過ぎるとその効果
がなく、多過ぎてもその効果が飽和し、しかも高価であ
るため0.1〜2.0%とした。Bは、焼入性を著しく
向上せしめて強度を高める。少な過ぎるとその効果がな
く、多過ぎても効果は変わらず、靭性や熱間加工性を劣
化させるので0.0003〜0.003%とした。
【0012】さらに本発明は、近年のシームレス鋼管の
使用環境を鑑み上記の成分組成で構成される鋼のSSC
を改善するために希土類元素,Ca,Co,Cu等の成
分を必要に応じて選択的に添加する。希土類元素,Ca
は、介在物の形態を球状化させて無害化する有効な成分
である。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると介在
物を増加して耐SSC性を低下させるのでそれぞれ0.
001〜0.05%,0.001〜0.02%とした。
Co,Cuは、鋼中への水素侵入抑制効果があり耐SS
C性に有効に働く。少な過ぎるとその効果がなく、多過
ぎるとその効果が飽和するためそれぞれ0.05〜0.
5%,0.1〜0.5%とした。
【0013】次に熱間押込連続圧延の最終過程の圧延条
件を上記のように限定した理由について説明する。上記
のような成分組成の鋼は転炉、電気炉等の溶解炉である
いはさらに真空脱ガス処理を経て溶製され、連続鋳造法
または造塊分塊法で鋼片を製造する。鋼片は、直ちにあ
るいは一旦冷却された後1200℃以上の温度に加熱す
る。加熱温度は、熱間穿孔連続圧延の前にほとんどの
C,Cr,V,Ti等を固溶させておくために十分高く
しておかねばならない。この温度は本発明の成分範囲内
であれば1200℃以上の温度で全て固溶し、また熱間
成形加工能率上なんら支障を生じないのでその加熱温度
は1200℃以上とした。
【0014】高温度に加熱された鋼片は熱間穿孔圧延機
に搬送される。穿孔圧延が行なわれた素管は、その後熱
間連続圧延機により目標の外径、肉厚に圧延されて中空
素管に粗成形するがこの間の圧延温度が1100℃以上
では再結晶粒の著しい成長が起こり目的とする微細粒は
得られない。図1は熱間連続圧延後の再結晶γ粒度に及
ぼす強制冷却後の圧延温度の影響を示したものである。
この図より熱間連続圧延後の再結晶γ粒度は、圧延温度
が1100℃以上では再結晶粒の著しい成長が起こりA
STM No.1〜2程度となることがわかる。したがっ
て、強制冷却温度は1100℃以下とする必要がある。
また圧延温度が900℃以下では圧延負荷の増大により
鋼管の成形性が著しく低下し目標の外径、肉厚が得られ
にくくなる。よって、熱間連続圧延途中1100〜90
0℃間に強制冷却する必要がある。強制冷却後の圧下量
は小さいと細粒化効果がなくなるため15%以上とし
た。
【0015】熱間穿孔連続圧延終了後850℃〜Ar1
点の温度まで降下した該素管は、該温度より高い900
〜1000℃に再加熱して仕上温度がAr3 点+50℃
以上の熱間仕上圧延を施して得られた仕上鋼管を、Ar
3 点以上の温度から急冷する焼入処理を施す。
【0016】このような処理においてNbは重要な役割
を果たす。図2はこの圧延で製造された鋼管のオーステ
ナイト(以下、γと記す。)粒度に及ぼすNbの影響を
示したものであり、Nbの添加量によりγ粒がより微細
化されることがわかる。すなわち結晶粒制御元素として
Tiを添加し1100℃〜900℃間での圧延で微細γ
粒を得ても、γ粒度は、Nbが添加されないか添加量
0.005%以下では著しく粗粒化しγ粒度はASTM
No.1程度となる。Nbを0.005〜0.1%添加
すると粒成長は抑制される。このようなNbの影響につ
いては、本発明者らの推測によると、Nbが添加されな
いか添加量0.005%以下では現状の熱間穿孔連続圧
延工程では該素管の温度が850℃〜Ar1 点に降温し
該温度より高い1000〜900℃に加熱されると、熱
間穿孔連続圧延工程での最終過程が比較的低い温度で小
圧下の条件の下では特定のγ粒が周辺のγ粒へ粒界移動
を起こし更に優先成長し粗大化組織となることが考えら
れる。Nb0.005%以上の添加は、このような圧延
履歴を持ったγ粒の成長粗大化を抑制する重要な働きを
する。すなわち、Nbは熱間穿孔連続圧延後の冷却時お
よびその後の再加熱時にNbCとして析出しγ粒の粗大
化を抑制し細粒γが得るための重要な効果を発揮するこ
とを知見した。
【0017】このような成分元素量および圧下条件で圧
延され、850℃〜Ar1 点の温度に降下した中空素管
を900〜1000℃に加熱するのはこの加熱温度が、
900℃以下では熱間最終仕上圧延後の焼入温度が確保
できず、また1000℃以上では鋼表面に多量の酸化ス
ケールが生じ鋼管の形状精度の確保に悪影響を及ぼすた
めである。熱間最終仕上温度についてもあまり低くなる
と高強度を得るために必要とされる焼入時の完全γの状
態が確保できないためAr3 点+50℃とした。焼入処
理開始温度は、細粒フェライト+ベーナイト+マルテン
サイト混合組織を確保し、必要とする強度を得るためA
3 点以上とした。
【0018】冷却速度は、強度、靭性の確保および耐S
SC性の向上を図るため特に重要である。冷却速度は、
冷媒すなわち冷却水の温度を一定とした場合、水量密度
の大小により決まり、その水量密度はパイプ表面から2
mm点の冷却速度に最も大きく影響を及ぼす。強度確保に
必要な水量密度で冷却するとパイプ表面から2mm点の冷
却速度が大きくなり、焼戻後の硬さが上昇し、耐SSC
性が低下する。耐SSC性の確保には、ビッカース硬さ
250以下にする必要があり、本発明範囲の鋼成分では
冷却速度を150℃/s以下とする必要がある。しかし
ながら、パイプ表面から2mm点の冷却速度を150℃/
s以下とすると必要な強度が確保できない。よって、冷
却速度(ここでは、パイプ表面から2mm点の冷却速度)
はパイプ表面から2mm点が鋼のAr1 点を切るまで15
0℃/s以下で行い、引続き150℃/s超となるよう
な大きな水量密度でパイプ内面側の冷却速度を確保する
必要がある。冷却方法は特に限定しないが、緩冷却後、
パイプ表面から1〜2mm間が鋼のAc1 点以上に復熱す
る前に急冷却する必要がある。このような熱サイクルを
安定して行うためには、パイプ外表面からのスプレー冷
却が望ましい。冷媒は、必要とする強度、靭性および表
面硬さのレベルに応じて水単独あるいは水+空気を選択
できる。
【0019】焼戻温度は、強度および靭性の安定化を確
保する必要からAc1 点以下とした。その加熱方法につ
いては特に限定しない。以上の製造条件で得られる鋼は
粗大粒を含むことなく低硬度高靭性シームレス鋼管の製
造に有効である。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。転炉
で溶製し連続鋳造を経て製造された鋼片を熱間穿孔圧延
し、その後の熱間連続圧延途中において強制冷却し、圧
延後再加熱して熱間最終仕上圧延を行い、パイプ表面下
2mmの位置がAr1 点直下になるまで150℃/s以下
の速度で冷却し、引続きAr1 点以下の温度から150
℃/s以上の速度で常温まで冷却し、あるいは冷却後焼
戻処理して鋼管を製造した。表1にこの鋼管の強度、靭
性、γ粒度、最高硬さを示す。尚、耐SSC性はNAC
E TM01−77に従って定荷重方式によりσth
(Threshold Stress)を求めて評価した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1より本発明によって製造された鋼管
は、従来法による鋼管に比しγ粒度は微細であり高靭性
を有し且つ最高硬さが低いことがわかる。
【0024】
【発明の効果】上記のような本発明法によって製造され
た鋼管は、高強度、高靭性を有しさらに最高硬さが低い
ため極北の寒冷地および硫化物応力腐食環境において使
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間穿孔連続圧延後のγ粒度に及ぼす強制冷却
後の圧延温度の影響を示す。
【図2】圧延終了後のγ粒度に及ぼすNb量の影響を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 久美 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 平3−236420(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
    ℃以上に加熱してから、熱間穿孔連続圧延し、その途中
    で1100℃〜900℃まで強制冷却し、その後肉厚断
    面減少率で15%以上の熱間連続圧延を行ない、850
    ℃〜Ar1 点の温度まで降下した中空素管を該温度より
    高い900〜1000℃に加熱後、仕上温度がAr3
    +50℃以上の熱間仕上圧延を施して得られた仕上鋼管
    を、Ar3点以上の温度からパイプ表面下2mmの位置が
    鋼のAr1 点の直下の温度まで150℃/s以下の速度
    で冷却し、引続きAr1 点直下の温度から150℃/s
    超の速度で常温まで冷却する処理を施すことを特徴とす
    る耐SSC性の優れた低硬度高靭性シームレス鋼管の製
    造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の処理に引続き、さらにA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻処理を施すこ
    とを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シーム
    レス鋼管の製造法。
  3. 【請求項3】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、さらに Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1%、 B :0.0003〜0.0033% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1200℃以上に加熱した後、熱間穿孔連
    続圧延途中に1100℃〜900℃まで強制冷却し、そ
    の後肉厚断面減少率で15%以上の熱間連続圧延を行な
    い、850℃〜Ar1 点の温度まで降下した中空素管を
    該温度より高い900〜1000℃に加熱後、仕上温度
    がAr3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施して得られ
    た仕上鋼管を、Ar3 点以上の温度からパイプ表面下2
    mmの位置が鋼のAr1 点の直下の温度まで150℃/s
    以下の速度で冷却し、引続きAr1 点直下の温度から1
    50℃/s超の速度で常温まで冷却する処理を施すこと
    を特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シームレ
    ス鋼管の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の処理に引続き、さらにA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻し処理を施す
    ことを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シー
    ムレス鋼管の製造法。
  5. 【請求項5】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、さらに 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1200℃以上に加熱した後、熱間穿孔連
    続圧延途中に1100℃〜900℃まで強制冷却し、そ
    の後肉厚断面減少率で15%以上の熱間連続圧延を行な
    い、850℃〜Ar1 点の温度まで降下した中空素管を
    該温度より高い900〜1000℃に加熱後、仕上温度
    がAr3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施して得られ
    た仕上鋼管を、Ar3 点以上の温度からパイプ表面下2
    mmの位置が鋼のAr1 点の直下の温度まで150℃/s
    以下の速度で冷却し、引続きAr1 点直下の温度から1
    50℃/s超の速度で常温まで冷却する処理を施すこと
    を特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シームレ
    ス鋼管の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の処理に引続き、さらにA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻処理を施すこ
    とを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シーム
    レス鋼管の製造法。
  7. 【請求項7】 重量%として、 C :0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.15〜2.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1%、 N :0.01%以下 を含有して、さらに Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1%、 B :0.0003〜0.0033% の1種または2種以上と 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5% の1種または2種以上を含有して残部が実質的にFeか
    らなる鋼片を1200℃以上に加熱した後、熱間穿孔連
    続圧延途中に1100℃〜900℃まで強制冷却し、そ
    の後肉厚断面減少率で15%以上の熱間連続圧延を行な
    い、850℃〜Ar1 点の温度まで降下した中空素管を
    該温度より高い900〜1000℃に加熱後、仕上温度
    がAr3 点+50℃以上の熱間仕上圧延を施して得られ
    た仕上鋼管を、Ar3 点以上の温度からパイプ表面下2
    mmの位置が鋼のAr1 点の直下の温度まで150℃/s
    以下の速度で冷却し、引続きAr1 点直下の温度から1
    50℃/s超の速度で常温まで冷却する処理を施すこと
    を特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シームレ
    ス鋼管の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の処理に引続き、さらにA
    1 点以下の温度に加熱して冷却する焼戻処理を施すこ
    とを特徴とする耐SSC性の優れた低硬度高靭性シーム
    レス鋼管の製造法。
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