JP6225795B2 - 耐硫化物応力腐食割れ性に優れたラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
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また、特許文献1〜3に記載された技術では、直接焼入れ処理を施すため、熱間圧延に際して生じる管各位置での温度ばらつきに起因した、鋼管各部の特性ばらつきが大きくなり、高強度と高靭性を兼備しつつ、優れた耐SSC性を安定して確保することが難しいという問題がある。また、特許文献3に記載された技術では、直接焼入れ処理に代えて、再加熱焼入れ処理でもよいとしている。しかし、再加熱焼入れ処理では、工程が複雑になるという問題がある。
なお、ここでいう「厚肉」とは、肉厚12.5mm以上である場合をいうものとする。また、「耐硫化物応力腐食割れ性に優れた」とは、NACE TM0177 Method Aの規定に準拠した、H2Sが飽和した0.5%酢酸+5.0%食塩水溶液(液温:24℃)中での定荷重試験を実施し、降伏強さの85%の負荷応力で負荷時間:720時間で、割れが生じない場合をいうものとする。
(1)中実丸鋳片を、加熱し、穿孔圧延を施して中空素管としたのち、該中空素管に延伸圧延を施して、継目無鋼管とするに当たり、前記中実丸鋳片を、質量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.7〜2.5%、P:0.020%以下、S:0.003%以下、Al:0.01〜0.08%、N:0.005%以下、Ti:0.005〜0.05%を含み、かつNとTiが次(1)式
N ≦ Ti×14/48 ≦ N+10 ‥‥(1)
(ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量ppm))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する中実丸鋳片とし、前記加熱を、加熱温度:1300℃未満とする加熱とし、前記延伸圧延を、950℃以下の温度域での次(2)式
圧下率(%)=(圧延前の管断面積−圧延後の管断面積)/(圧延前の管断面積)×100‥‥(2)で定義される圧下率が40%以上で、かつAr3変態点以上(Ar3変態点+70℃)以下の温度範囲で圧延を終了する圧延とし、前記延伸圧延終了後、800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度が20℃/s以上である冷却を300℃以下まで施し、しかるのちに、Ac1変態点以下の温度で焼戻処理を行い、耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、450MPa以上の降伏強さを有し、かつ靭性に優れる継目無鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
N ≦ Ti×14/48 ≦ N+10 ‥‥(1)
(ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量ppm))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する中実丸鋳片とし、前記加熱を、加熱温度:1300℃未満とする加熱とし、前記延伸圧延を、950℃以下の温度域での下記(2)式
圧下率(%)=(圧延前の管断面積−圧延後の管断面積)/(圧延前の管断面積)×100‥‥(2)で定義される圧下率が40%以上とする圧延とし、前記定径圧延を、Ar3変態点以上(Ar3変態点+70℃)以下の温度範囲で圧延を終了する圧延とし、前記定径圧延終了後、800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度が20℃/s以上である冷却を300℃以下まで施し、しかるのちに、Ac1変態点以下の温度で焼戻処理を行い、耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、450MPa以上の降伏強さを有し、かつ靭性に優れる継目無鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.002%以下を含有することを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
まず、出発素材である中実丸鋳片の組成限定理由について、説明する。以下、とくに断わらないかぎり質量%は単に%で記す。
C:0.03〜0.15%
Cは、固溶強化や、焼入れ性向上を介して、鋼管強度の増加に寄与する元素である。このような効果を得て、所望の高強度を確保するためには0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超えて多量に含有すると、溶接熱影響部(HAZ)の硬さが高くなりすぎて、溶接部の耐SSC性が低下する。このため、Cは0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.06〜0.12%である。リールパージ等のように円周溶接部に繰り返し巻き、巻き戻しが複数回繰り返し負荷されるような使途向けには、より好ましくは、0.06〜0.11%である。
なお、好ましい範囲は、体積膨張が大きくなり製造製が低下する亜包晶域を外した組成範囲であり、この範囲は成分が明確でない場合には正確には表示できないが、概ねC:0.10〜0.12%前後の領域となる。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶強化により、鋼管強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、不純物レベルを超える0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超える多量の含有は、溶接部および母材部の靭性が低下する。このため、Siは0.02〜0.5%の範囲に限定した。
Mnは、焼入れ性の向上を介して、鋼管強度を増加させる作用を有する元素である。また、Mnは、Sと結合しMnSとしてSを固定して、Sによる粒界脆化を防止する作用を有する。このような効果を得て、所望の高強度を確保するためには0.7%以上の含有を必要とする。一方、2.5%を超える多量の含有は、円周溶接部の硬さが250HVを超えて高くなりすぎ、耐サワー性(耐SSC性)が低下する。このため、Mnは0.7〜2.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.7〜1.5%である。
Pは、結晶粒界等に偏析し、靭性の低下、粒界脆化割れ等を引き起こす傾向を示し、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.020%までは許容できる。このようなことから、Pは0.020%以下に限定した。なお、過剰な低減は、製鋼コストの高騰を招くため工業的には0.003%以上とすることが望ましい。
Sは、鋼中ではほとんどが硫化物系介在物として存在し、延性、靭性や耐食性、さらには耐水素脆化割れ性(耐HIC性)、耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)を低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。しかし、継目無鋼管では、穿孔圧延で円周方向および長手方向に伸ばされる圧延が施されるため、MnSが圧延方向に極端に長く伸ばされることはなく、耐HIC性、耐SSC性の極端な低下は少なく、Sの極端な低減を行う必要はない。0.003%以下程度であれば許容できる。このため、Sは0.003%以下に限定した。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.01%以上含有する必要がある。一方、0.08%を超える含有は、酸化物系介在物がクラスター状に残留しやすくなり、靭性が低下する。また、酸化物系介在物は表面疵の原因ともなる。このため、Alは0.01〜0.08%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
Nは、Tiと結合しTiNを生成し、その量が増加すると、靭性を低下させる傾向を有する。このため、本発明では、Nはできるだけ低減することにした。しかし、極端な低減は精錬コストの高騰を招く。このため、Nは0.005%以下に限定した。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは、Nを固定するためだけに含有する。Nを固定しTiNを形成した以外のTiは、残留しないように、N量に応じて調整して含有することした。通常の、最も少ない場合のN量に対応して、Tiは0.005%以上含有する必要がある。一方、0.05%を超えて含有するとTiN量が増加し、大きさが大きくなるとともに、Tiの炭化物、硫化物、炭硫化物等を形成し、靭性を低下させる。このため、Tiは0.005〜0.05%に限定した。なお、好ましくは0.0175%以下である。
N ≦ Ti×14/48 ≦ N+10 ‥‥(1)
(ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量ppm))
を満足するように調整して含有する。(1)式の中央値は、TiNを形成する際のTi量に相当する。本発明ではTi量を、含有するN量に対応して、N〜(N+10)質量ppmの範囲となるように調整して含有する。(Ti×14/48)がN量未満では、固溶N量が存在することになり、Al等の窒化物形成元素と結合し、あるいは焼戻時に炭窒化物を形成して、鋼管靭性の低下を招く要因となる。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では、基本の組成に加えてさらに、選択元素として、Cu:0.3%以下、Ni:0.3%以下、Mo:0.3%以下、Cr:0.5%以下、V:0.05%以下、Nb:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca:0.002%以下を含有することができる。
Cu:0.3%以下、Ni:0.3%以下、Mo:0.3%以下、Cr:0.5%以下、V:0.05%以下、Nb:0.05%以下
Cuは、固溶強化、さらには焼入れ性向上を介して、鋼管強度を増加させる元素であり、必要に応じて、含有できる。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましいが、0.3%を超えて含有すると、靭性が低下するうえ、表面疵が多発する。このため、含有する場合には、Cuは0.3%以下に限定することが好ましい。
Crは、焼入れ性向上を介して、鋼管強度を増加させる元素であり、必要に応じて、含有できる。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましいが、0.5%を超えて含有すると、強度が高くなりすぎ、サワー環境下における耐SSC性(耐サワー性)、とくに溶接部における耐サワー性が低下する。このため、含有する場合には、Crは0.5%以下に限定することが好ましい。
Caは、硫化物系介在物、酸化物系介在物の形態を粒状の介在物とする、いわゆる介在物の形態を制御する作用を有し、この介在物の形態制御を介して、延性、靭性や耐硫化物応力腐食割れ性、耐水素誘起割れ性を向上させる効果を有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果は、0.001%以上の含有で顕著となるが、0.002%を超えて含有すると、非金属介在物が増加し、かえって延性、靭性や耐硫化物応力腐食割れ性、耐水素誘起割れ性が低下する。このため、含有する場合には、Caは0.002%以下の範囲に限定することが好ましい。なお、Caを溶鋼中に含有させることにより、連続鋳造時のノズル詰まりを抑制することができる。なお、丸鋳片を使用しない場合には、Caは無添加としてもよい。
また、本発明継目無鋼管は、上記した組成を有しさらに、ベイナイト相を主体とする組織を有する。ここでいう「ベイナイト相」は、ベイナイト相に加えて、ベイニティックフェライト相、アシキュラーフェライト相を含むものとする。なお、ナイタール液腐食で現出させた組織の光学顕微鏡観察では、ベイナイト相とマルテンサイト相との区別がつけにくいため、本発明ではベイナイト相にマルテンサイト相を含めるものとする。また、ここでいう「主体とする」とは、当該相が面積率で50%以上である場合をいうものとする。ベイナイト相以外の第二相としては、面積率で10%以下のフェライト相が例示できる。
ついで、出発素材である中実丸鋳片を、加熱し、穿孔圧延を施して中空素管とする。
得られた中空素管には、追加の加熱を行うことなくそのまま、あるいは1100℃未満好ましくは1000℃以上に加熱し、延伸圧延、あるいはさらに定径圧延を施して、所定寸法の継目無鋼管とする。なお、延伸圧延は、常用のマンネスマン−エロンゲータ・プラグミル、あるいはマンネスマン−マンドレルミル、さらにはアッセルミルを利用した圧延とすることが好ましい。
圧下率(%)=(圧延前の管断面積−圧延後の管断面積)/(圧延前の管断面積)×100‥‥(1)
で定義される圧下率(断面減少率)が40%以上で、かつAr3変態点以上(Ar3変態点+70℃)以下の温度範囲で圧延を終了する圧延とする。
延伸圧延における950℃以下の温度域での圧下率(断面減少率)が40%未満では、未再結晶温度域での圧下量が不足し、組織の微細化を達成できず、所望の高強度、高靭性を確保できない。このため、延伸圧延における950℃以下の温度域での圧下率を40%以上に限定した。なお、延伸圧延における950℃以下の温度域での圧下率は、圧延荷重、圧延中の管形状の観点から75%以下とすることが好ましい。なお、好ましくは65%以下である。
800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度を20℃/s以上とすることにより、得られる組織が微細なベイナイト相を主体とする組織となり、所望の高強度、高靭性を兼備させることができる。平均冷却速度が20℃/s未満では、得られる組織が、粗大なフェライト相やパーライトを含む組織となり、強度、靭性がともに低下する。一方、平均冷却速度の上限はとくに限定する必要はないが、鋼管形状の観点から、100℃/s程度以下とすることが好ましい。なお、得られる冷却速度は、使用する冷却装置の冷却能に依存して、鋼管の肉厚により決定されるが、100℃/s以上の冷却速度範囲では、得られる組織に大きな変化は認められない。このようなことから、延伸圧延終了後の冷却では800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度を20℃/s以上に限定した。なお、好ましくは40℃/s以上である。
制御冷却後、さらに焼戻処理を施す。
焼戻処理は、Ac1変態点未満の温度に加熱し、冷却、好ましくは空冷以上の冷却速度で冷却、する処理とする。本発明では焼戻処理は、過剰な転位を減少させ組織の安定化を図り、所望の高強度と更なる優れた耐硫化物応力腐食割れ性とを兼備させるために行う。焼戻処理の加熱温度がAc1変態点以上では、一部で、α→γ変態が生じ、その後の冷却でさらに変態するため、強度、靭性が低下する。このようなことから、焼戻処理の加熱温度を、Ac1変態点以下の温度に限定した。なお、好ましくは600〜680℃である。また、焼戻処理は、上記した温度範囲内で10min以上保持したのち、好ましくは空冷以上の冷却速度で、好ましくは室温まで冷却する処理とすることが好ましい。なお、焼戻温度での保持時間が、5min未満では、所望の組織の均一化が達成できない。なお、好ましくは、30min以下である。
(1)組織観察試験
得られた鋼管から、組織観察用試験片を採取し、管長手方向に直交する断面(C断面)を研磨、腐食(腐食液:ナイタール液)して、光学顕微鏡(倍率:100倍)および走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)で組織を観察し、撮像して、画像解析装置を用い、組織の種類およびその分率を測定した。
得られた鋼管から、管軸方向が引張方向となるように、JIS Z 2241の規格に準拠して、引張試験片(平行部6mmφ×G.L.25mm)を採取し、引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTSを求めた。
(3)シャルピー衝撃試験
得られた鋼管から、管軸方向に直交する方向が試験片長手方向となるように、シャルピー衝撃試験片(2mmVノッチ試験片)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs(℃)を求めた。
得られた鋼管から、腐食試験片を10本採取し、NACE TM0177 Method Aの規定に準拠した、H2Sが飽和した0.5%酢酸+5.0%食塩水溶液(液温:24℃)中での定荷重試験を実施し、降伏強さYSの90%の負荷応力で、720時間、負荷したのち、試験片の割れの有無を観察し、耐硫化物応力腐食割れ性を評価した。なお、割れ観察は、倍率:10倍の投影機を使用した。耐硫化物応力腐食割れ性の評価は、割れ発生率(=(割れが発生した試験片本数)/(全試験片数)×100(%))で行った。
Claims (4)
- 中実丸鋳片を、加熱し、穿孔圧延を施して中空素管としたのち、該中空素管に延伸圧延を施して、継目無鋼管とするに当たり、
前記中実丸鋳片を、質量%で、
C :0.03〜0.15%、 Si:0.02〜0.5%、
Mn:0.7〜2.5%、 P :0.020%以下、
S :0.003%以下、 Al:0.01〜0.08%、
N :0.005%以下、 Ti:0.005〜0.05%
を含み、かつNとTiが下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する中実丸鋳片とし、
前記加熱を、加熱温度:1300℃未満とする加熱とし、
前記延伸圧延を、950℃以下の温度域での下記(2)式で定義される圧下率が40%以上で、かつAr3変態点以上(Ar3変態点+70℃)以下の温度範囲で圧延を終了する圧延とし、前記延伸圧延終了後、800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度が20℃/s以上である冷却を300℃以下まで施し、しかるのちに、
Ac1変態点以下の温度で焼戻処理を行い、
耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、450MPa以上の降伏強さを有し、かつ靭性に優れる継目無鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
記
N ≦ Ti×14/48 ≦ N+10 ‥‥(1)
ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量ppm)
圧下率(%)=(圧延前の管断面積−圧延後の管断面積)/(圧延前の管断面積)×100……(2) - 中実丸鋳片を、加熱し、穿孔圧延を施して中空素管としたのち、該中空素管に延伸圧延とそれに続く定径圧延とを施して、継目無鋼管とするに当たり、
前記中実丸鋳片を、質量%で、
C :0.03〜0.15%、 Si:0.02〜0.5%、
Mn:0.7〜2.5%、 P :0.020%以下、
S :0.003%以下、 Al:0.01〜0.08%、
N :0.005%以下、 Ti:0.005〜0.05%
を含み、かつNとTiが下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する中実丸鋳片とし、
前記加熱を、加熱温度:1300℃未満とする加熱とし、
前記延伸圧延を、950℃以下の温度域での下記(2)式で定義される圧下率が40%以上とする圧延とし、
前記定径圧延を、Ar3変態点以上(Ar3変態点+70℃)以下の温度範囲で圧延を終了する圧延とし、
前記定径圧延終了後、800〜300℃の温度範囲での平均冷却速度が20℃/s以上である冷却を300℃以下まで施し、しかるのちに、
Ac1変態点以下の温度で焼戻処理を行い、
耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、450MPa以上の降伏強さを有し、かつ靭性に優れる継目無鋼管とすることを特徴とするラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
記
N ≦ Ti×14/48 ≦ N+10 ‥‥(1)
(ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量ppm))
圧下率(%)=(圧延前の管断面積−圧延後の管断面積)/(圧延前の管断面積)×100‥‥(2) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.3%以下、Ni:0.3%以下、Mo:0.3%以下、Cr:0.5%以下、V:0.05%以下、Nb:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.002%以下を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。
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