JP2525961B2 - 細粒化組織の高靭性シ―ムレス鋼管の製造方法 - Google Patents
細粒化組織の高靭性シ―ムレス鋼管の製造方法Info
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- JP2525961B2 JP2525961B2 JP3016697A JP1669791A JP2525961B2 JP 2525961 B2 JP2525961 B2 JP 2525961B2 JP 3016697 A JP3016697 A JP 3016697A JP 1669791 A JP1669791 A JP 1669791A JP 2525961 B2 JP2525961 B2 JP 2525961B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細粒化組織の高靭性シ
ームレス鋼管の製造法に関するものである。
ームレス鋼管の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱延シームレス鋼管で細粒化組織の高靭
性シームレス鋼管を得るには、例えば特開昭52−77
813号公報などでは、熱間粗圧延した中空素管を強制
的に一旦鋼の温度をAr1 点以下に下げて再度オーステ
ナイト化し、引続き行う仕上圧延後に焼入−焼戻する必
要があった。
性シームレス鋼管を得るには、例えば特開昭52−77
813号公報などでは、熱間粗圧延した中空素管を強制
的に一旦鋼の温度をAr1 点以下に下げて再度オーステ
ナイト化し、引続き行う仕上圧延後に焼入−焼戻する必
要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱間粗
圧延した中空素管を強制的に一旦鋼の温度をAr1 点以
下に下げて再度オーステナイト化し、引続き行う仕上圧
延後の焼入−焼戻、或いは通常の仕上圧延後の再加熱焼
入−焼戻を行う工程は、いずれにおいても熱効率上の問
題のほかに製造工程が煩雑となる欠点があった。一方、
これまでの熱延シームレス圧延後の空冷処理ではオース
テナイト結晶粒度がASTMNo.1〜6と粗粒であり、
且つバラツキが大きいため細粒化組織の高靭性シームレ
ス鋼管の製造上問題があった。
圧延した中空素管を強制的に一旦鋼の温度をAr1 点以
下に下げて再度オーステナイト化し、引続き行う仕上圧
延後の焼入−焼戻、或いは通常の仕上圧延後の再加熱焼
入−焼戻を行う工程は、いずれにおいても熱効率上の問
題のほかに製造工程が煩雑となる欠点があった。一方、
これまでの熱延シームレス圧延後の空冷処理ではオース
テナイト結晶粒度がASTMNo.1〜6と粗粒であり、
且つバラツキが大きいため細粒化組織の高靭性シームレ
ス鋼管の製造上問題があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
って、鋼成分、熱間圧延条件を制御することによって細
粒化組織の靭性の優れたシームレス鋼管を製造すること
を目的とする。
って、鋼成分、熱間圧延条件を制御することによって細
粒化組織の靭性の優れたシームレス鋼管を製造すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために構成したもので、その要旨は、 C:0.05〜0.20%、Si:0.01〜2.5
%、 Mn:0.15〜1.5%、S:0.01%以下、 P:0.02%以下、Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.
1% を含有し、あるいはさらに、 Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、V:0.01〜0.1%の1
種または2種以上と、 必要に応じさらに、 希土類元素:0.001〜0.05%、Ca:0.00
1〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.5%の
1種または2種以上 を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
℃以上の温度に加熱し、熱間穿孔連続圧延で中空素管を
製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管を該
温度より高い900〜1000℃に加熱して仕上温度が
Ar3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、このように
して得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を施す細粒
化組織の高靭性シームレス鋼管の製造法である。
成するために構成したもので、その要旨は、 C:0.05〜0.20%、Si:0.01〜2.5
%、 Mn:0.15〜1.5%、S:0.01%以下、 P:0.02%以下、Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、Nb:0.005〜0.
1% を含有し、あるいはさらに、 Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、V:0.01〜0.1%の1
種または2種以上と、 必要に応じさらに、 希土類元素:0.001〜0.05%、Ca:0.00
1〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.5%の
1種または2種以上 を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
℃以上の温度に加熱し、熱間穿孔連続圧延で中空素管を
製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管を該
温度より高い900〜1000℃に加熱して仕上温度が
Ar3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、このように
して得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を施す細粒
化組織の高靭性シームレス鋼管の製造法である。
【0006】
【作用】以下本発明の製造法について詳細に説明する。
まず、本発明において上記のような鋼成分に限定した理
由について説明する。C,Mnは、強度の確保のためお
よび細粒化を図るため重要である。少な過ぎるとその効
果がなく、多過ぎると溶接性の低下の原因となるためそ
れぞれ0.05〜0.20%、0.15〜1.5%とし
た。Siは、脱酸剤が残存したもので強度を高める有効
な成分である。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎる
と介在物を増加して鋼の性質を脆化するため0.01〜
2.5%とした。Pは、粒界偏析を起こして加工の際き
裂を生じ易く有害な成分としその含有量を0.02%以
下とした。SはMnS系介在物を形成して熱間圧延で延
伸し低温靭性に有害な成分としてその含有量を0.02
%以下とした。Alは、Siと同様脱酸剤が残存したも
ので、鋼中の不純物成分として含まれるNと結合して結
晶粒の成長を抑えて鋼の遷移温度を低下させて低温靭性
を改善する。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると
介在物を増加して鋼の性質を脆化するため0.005〜
0.1%とした。Ti,Nbは、本発明の成分の中で最
も重要な元素である。熱間穿孔連続圧延により中空素管
を製管した後Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管
を該温度より高い900〜1000℃に加熱した場合の
γ粒は、再結晶によるγ粒粗大化温度が著しく低下する
ため通常の再加熱温度(最終仕上圧延を行うために必要
とされる再加熱温度)では粗大化する。Nbは、このよ
うな圧延履歴を持ったγ粒の成長粗大化を抑制する重要
な元素であるが、このNbによる細粒化の効果はTi添
加でさらに顕著となる。少な過ぎるとその効果がなく、
多過ぎてもその効果が飽和し、しかも非常に高価である
ためTiは、0.005〜0.1%、Nbは0.005
〜0.1%とした。
まず、本発明において上記のような鋼成分に限定した理
由について説明する。C,Mnは、強度の確保のためお
よび細粒化を図るため重要である。少な過ぎるとその効
果がなく、多過ぎると溶接性の低下の原因となるためそ
れぞれ0.05〜0.20%、0.15〜1.5%とし
た。Siは、脱酸剤が残存したもので強度を高める有効
な成分である。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎる
と介在物を増加して鋼の性質を脆化するため0.01〜
2.5%とした。Pは、粒界偏析を起こして加工の際き
裂を生じ易く有害な成分としその含有量を0.02%以
下とした。SはMnS系介在物を形成して熱間圧延で延
伸し低温靭性に有害な成分としてその含有量を0.02
%以下とした。Alは、Siと同様脱酸剤が残存したも
ので、鋼中の不純物成分として含まれるNと結合して結
晶粒の成長を抑えて鋼の遷移温度を低下させて低温靭性
を改善する。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると
介在物を増加して鋼の性質を脆化するため0.005〜
0.1%とした。Ti,Nbは、本発明の成分の中で最
も重要な元素である。熱間穿孔連続圧延により中空素管
を製管した後Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管
を該温度より高い900〜1000℃に加熱した場合の
γ粒は、再結晶によるγ粒粗大化温度が著しく低下する
ため通常の再加熱温度(最終仕上圧延を行うために必要
とされる再加熱温度)では粗大化する。Nbは、このよ
うな圧延履歴を持ったγ粒の成長粗大化を抑制する重要
な元素であるが、このNbによる細粒化の効果はTi添
加でさらに顕著となる。少な過ぎるとその効果がなく、
多過ぎてもその効果が飽和し、しかも非常に高価である
ためTiは、0.005〜0.1%、Nbは0.005
〜0.1%とした。
【0007】上記の成分組成の鋼でさらに鋼の強度を高
める場合Cr,Mo,Ni,V等の成分を必要に応じて
選択的に添加する。Cr,Mo,Ni,Vは、少な過ぎ
るとその効果がなく、多過ぎてもその効果が飽和し、し
かも非常に高価であるためそれぞれ0.1〜1.5%、
0.05〜0.40%、0.1〜2.0%、0.01〜
0.1%とした。
める場合Cr,Mo,Ni,V等の成分を必要に応じて
選択的に添加する。Cr,Mo,Ni,Vは、少な過ぎ
るとその効果がなく、多過ぎてもその効果が飽和し、し
かも非常に高価であるためそれぞれ0.1〜1.5%、
0.05〜0.40%、0.1〜2.0%、0.01〜
0.1%とした。
【0008】さらに本発明は、近年のシームレス鋼管の
使用環境を鑑み上記の成分組成で構成される鋼のSSC
を改善するために希土類元素,Ca,Co,Cu等の成
分を必要に応じて選択的に添加する。希土類元素,Ca
は、介在物の形態を球状化させて無害化する有効な成分
である。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると介在
物を増加して耐SSC性を低下させるのでそれぞれ0.
001〜0.05%、0.001〜0.02%とした。
Co,Cuは、鋼中への水素侵入抑制効果があり耐SS
C性に有効に働く。少な過ぎるとその効果がなく、多過
ぎるとその効果が飽和するためそれぞれ0.05〜0.
5%、0.1〜0.5%とした。
使用環境を鑑み上記の成分組成で構成される鋼のSSC
を改善するために希土類元素,Ca,Co,Cu等の成
分を必要に応じて選択的に添加する。希土類元素,Ca
は、介在物の形態を球状化させて無害化する有効な成分
である。少な過ぎるとその効果がなく、多過ぎると介在
物を増加して耐SSC性を低下させるのでそれぞれ0.
001〜0.05%、0.001〜0.02%とした。
Co,Cuは、鋼中への水素侵入抑制効果があり耐SS
C性に有効に働く。少な過ぎるとその効果がなく、多過
ぎるとその効果が飽和するためそれぞれ0.05〜0.
5%、0.1〜0.5%とした。
【0009】次に熱間押込連続圧延の最終過程の圧延条
件を上記したように限定した理由について説明する。上
記のような成分組成の鋼は転炉、電気炉等の溶解炉であ
るいはさらに真空脱ガス処理を経て溶製され、連続鋳造
法または造塊分塊法で鋼片を製造する。鋼片は、直ちに
あるいは一旦冷却された後1200℃以上の温度に加熱
する。加熱温度は、熱間押込連続圧延の前にほとんどの
C,Cr,V,Ti等を固溶させておくために十分高く
しておかねばならない。この温度は本発明の成分範囲内
であれば1200℃以上の温度で全て固溶し、また熱間
成形加工能率上なんら支障を生じないのでその加熱温度
は1200℃以上とした。高温度に加熱された鋼片は熱
間穿孔連続圧延機に搬送され、目標の外径,肉厚に圧延
されて中空素管に粗成形する。その後Ar3 〜Ar1 点
の温度に降下した該素管は、該温度より高い900〜1
000℃に加熱して仕上温度がAr3 +50℃以上の熱
間仕上圧延を施し、このような圧延で得られた仕上鋼管
を、Ar3 以上の温度から空冷処理を施す。
件を上記したように限定した理由について説明する。上
記のような成分組成の鋼は転炉、電気炉等の溶解炉であ
るいはさらに真空脱ガス処理を経て溶製され、連続鋳造
法または造塊分塊法で鋼片を製造する。鋼片は、直ちに
あるいは一旦冷却された後1200℃以上の温度に加熱
する。加熱温度は、熱間押込連続圧延の前にほとんどの
C,Cr,V,Ti等を固溶させておくために十分高く
しておかねばならない。この温度は本発明の成分範囲内
であれば1200℃以上の温度で全て固溶し、また熱間
成形加工能率上なんら支障を生じないのでその加熱温度
は1200℃以上とした。高温度に加熱された鋼片は熱
間穿孔連続圧延機に搬送され、目標の外径,肉厚に圧延
されて中空素管に粗成形する。その後Ar3 〜Ar1 点
の温度に降下した該素管は、該温度より高い900〜1
000℃に加熱して仕上温度がAr3 +50℃以上の熱
間仕上圧延を施し、このような圧延で得られた仕上鋼管
を、Ar3 以上の温度から空冷処理を施す。
【0010】図1は、この圧延で製造された鋼管のフェ
ライト粒度に及ぼすTi,Nbの影響を示したものであ
る。フェライト粒度は、Ti,Nbが添加されない場合
著しく粗大化しASTM No.5程度となる。従ってフ
ェライト粒度の微細化には、TiおよびNbの複合添加
が必要である。このようなTi,Nbの影響について
は、本発明者らの推測によると、Nbが添加されない場
合、現状の熱間穿孔連続圧延工程でやむをえず該素管の
温度がAr3 〜Ar1 に降温しα+γの二相状態とな
り、その後Ar3 以上の温度に加熱されると、熱間穿孔
連続圧延工程での最終過程が比較的低い温度で弱圧下の
条件の下では、α→γ変態した逆変態γ粒がγのままの
状態から加熱された未変態γ粒へ粒界移動粒成長して周
辺の粒より2〜3倍の大きさとなり、その後の加熱で二
次再結晶を起こし粗大γ粒となる。このようなγからの
空冷で得られるフェライト粒度は粗粒となる。Nbの添
加は、このような圧延履歴を持ったγ粒の成長粗大化を
抑制する重要な働きをする。また、このときNbに加え
てTi添加を行うことによりフェライト粒度はさらに細
粒となる。Tiの効果は熱間穿孔連続圧延機で粗成形し
たときのγ粒度の細粒化に寄与したと考えられる。すな
わち、Tiは鋼の凝固時TiN,TiCとして析出し粗
成形時の粒度を制御する効果があり、Nbは熱間押込連
続圧延後の冷却時およびその後の再加熱時にNb(C
N)として析出し、再加熱炉でのγ粒の粗大化を抑制す
る効果を発揮することを知見した。
ライト粒度に及ぼすTi,Nbの影響を示したものであ
る。フェライト粒度は、Ti,Nbが添加されない場合
著しく粗大化しASTM No.5程度となる。従ってフ
ェライト粒度の微細化には、TiおよびNbの複合添加
が必要である。このようなTi,Nbの影響について
は、本発明者らの推測によると、Nbが添加されない場
合、現状の熱間穿孔連続圧延工程でやむをえず該素管の
温度がAr3 〜Ar1 に降温しα+γの二相状態とな
り、その後Ar3 以上の温度に加熱されると、熱間穿孔
連続圧延工程での最終過程が比較的低い温度で弱圧下の
条件の下では、α→γ変態した逆変態γ粒がγのままの
状態から加熱された未変態γ粒へ粒界移動粒成長して周
辺の粒より2〜3倍の大きさとなり、その後の加熱で二
次再結晶を起こし粗大γ粒となる。このようなγからの
空冷で得られるフェライト粒度は粗粒となる。Nbの添
加は、このような圧延履歴を持ったγ粒の成長粗大化を
抑制する重要な働きをする。また、このときNbに加え
てTi添加を行うことによりフェライト粒度はさらに細
粒となる。Tiの効果は熱間穿孔連続圧延機で粗成形し
たときのγ粒度の細粒化に寄与したと考えられる。すな
わち、Tiは鋼の凝固時TiN,TiCとして析出し粗
成形時の粒度を制御する効果があり、Nbは熱間押込連
続圧延後の冷却時およびその後の再加熱時にNb(C
N)として析出し、再加熱炉でのγ粒の粗大化を抑制す
る効果を発揮することを知見した。
【0011】このような成分元素および圧下条件で圧延
されAr3 〜Ar1 の温度に降下した中空素管を900
〜1000℃に加熱する。この温度は、熱間最終仕上温
度を確保するためのものである。900℃以下では仕上
圧延後のパイプ形状が不十分となるが、1000℃以上
では酸化スケールが多く発生し表面性状が低下する。よ
って、Ar3 〜Ar1 の温度に降下した中空素管の再加
熱温度は900〜1000℃とした。
されAr3 〜Ar1 の温度に降下した中空素管を900
〜1000℃に加熱する。この温度は、熱間最終仕上温
度を確保するためのものである。900℃以下では仕上
圧延後のパイプ形状が不十分となるが、1000℃以上
では酸化スケールが多く発生し表面性状が低下する。よ
って、Ar3 〜Ar1 の温度に降下した中空素管の再加
熱温度は900〜1000℃とした。
【0012】以上の製造条件で得られるフェライト粒は
粗大粒を含むことなく細粒化組織の高靭性シームレス鋼
管の製造に有効である。
粗大粒を含むことなく細粒化組織の高靭性シームレス鋼
管の製造に有効である。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。表1
に示す本発明法および比較法の成分範囲よりなる鋼を、
転炉で溶製し連続鋳造を経て鋼片とし、この鋼片を表2
に示すように熱間押込連続圧延後、再加熱し、その後熱
間最終仕上圧延を行って、空冷し鋼管を製造した。得ら
れた鋼管の靭性、フェライト粒度を表1に併記した。
に示す本発明法および比較法の成分範囲よりなる鋼を、
転炉で溶製し連続鋳造を経て鋼片とし、この鋼片を表2
に示すように熱間押込連続圧延後、再加熱し、その後熱
間最終仕上圧延を行って、空冷し鋼管を製造した。得ら
れた鋼管の靭性、フェライト粒度を表1に併記した。
【0014】本発明によって製造された鋼管は、比較法
に比しフェライト粒は微細であり高靭性が得られること
がわかる。
に比しフェライト粒は微細であり高靭性が得られること
がわかる。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明法によっ
て製造された鋼管は、細粒組織をもち、優れた靭性を有
し、極北の寒冷環境等における使用に極めて適してい
る。
て製造された鋼管は、細粒組織をもち、優れた靭性を有
し、極北の寒冷環境等における使用に極めて適してい
る。
【図1】空冷処理後のフェライト粒度に及ぼす熱間穿孔
連続圧延のTi,Nb量の影響を示す。
連続圧延のTi,Nb量の影響を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 久美 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−149814(JP,A) 特開 昭58−19432(JP,A) 特開 昭59−182920(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%として、 C :0.05〜0.20%、 Si:0.01〜2.5%、 Mn:0.15〜1.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1% を含有して残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
℃以上の温度に加熱してから熱間穿孔連続圧延で中空素
管を製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管
を、該温度より高い900〜1000℃に加熱して仕上
温度がAr3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、この
ようにして得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を施
すことを特徴とする細粒化組織の高靭性シームレス鋼管
の製造法。 - 【請求項2】 重量%として、 C :0.05〜0.20%、 Si:0.01〜2.5%、 Mn:0.15〜1.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1% を含有してさらに、 Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1%の1種または2種以上 を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
℃以上の温度に加熱してから、熱間穿孔連続圧延で中空
素管を製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素
管を、該温度より高い900〜1000℃に加熱して仕
上温度がAr3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、こ
のようにして得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を
施すことを特徴とする細粒化組織の高靭性シームレス鋼
管の製造法。 - 【請求項3】 重量%として、 C :0.05〜0.20%、 Si:0.01〜2.5%、 Mn:0.15〜1.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1% を含有してさらに、 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上 を含有して残部が実質的にFeからなる鋼片を1200
℃以上の温度に加熱してから熱間穿孔連続圧延で中空素
管を製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管
を、該温度より高い900〜1000℃に加熱して仕上
温度がAr3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、この
ようにして得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を施
すことを特徴とする細粒化組織の高靭性シームレス鋼管
の製造法。 - 【請求項4】 重量%として、 C :0.05〜0.20%、 Si:0.01〜2.5%、 Mn:0.15〜1.5%、 S :0.01%以下、 P :0.02%以下、 Al:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.1%、 Nb:0.005〜0.1% を含有しさらに、 Cr:0.1〜1.5%、 Mo:0.05〜0.4%、 Ni:0.1〜2.0%、 V :0.01〜0.1%の1種または2種以上と、 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.001〜0.02%、 Co:0.05〜0.5%、 Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上 を含有し残部が実質的にFeからなる鋼片を1200℃
以上の温度に加熱してから熱間穿孔連続圧延で中空素管
を製管し、Ar3 〜Ar1 点の温度に降下した該素管
を、該温度より高い900〜1000℃に加熱して仕上
温度がAr3 +50℃以上の熱間仕上圧延を施し、この
ようにして得られた仕上鋼管を該温度から空冷処理を施
すことを特徴とする細粒化組織の高靭性シームレス鋼管
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3016697A JP2525961B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 細粒化組織の高靭性シ―ムレス鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3016697A JP2525961B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 細粒化組織の高靭性シ―ムレス鋼管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04358025A JPH04358025A (ja) | 1992-12-11 |
JP2525961B2 true JP2525961B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=11923491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3016697A Expired - Lifetime JP2525961B2 (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | 細粒化組織の高靭性シ―ムレス鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2525961B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103290324A (zh) * | 2013-06-20 | 2013-09-11 | 衡阳华菱钢管有限公司 | 细晶粒铁素体+珠光体型n80-1非调质无缝油套管及生产方法 |
CN103320711B (zh) * | 2013-06-26 | 2016-01-20 | 衡阳华菱钢管有限公司 | 无缝钢管及其制造方法 |
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