JP2759403B2 - 表面処理用ブラシロールの制御方法及びその装置 - Google Patents

表面処理用ブラシロールの制御方法及びその装置

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JP2759403B2
JP2759403B2 JP5062924A JP6292493A JP2759403B2 JP 2759403 B2 JP2759403 B2 JP 2759403B2 JP 5062924 A JP5062924 A JP 5062924A JP 6292493 A JP6292493 A JP 6292493A JP 2759403 B2 JP2759403 B2 JP 2759403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面処理用ロール、
例えばワーク表面の研磨仕上げを行うブラシロール、あ
るいはワークの表面加工を行う研磨研削ロールを制御す
る方法及びその装置に関する。以下では、ブラシロール
を例にとって説明する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋼板の製造工程において、圧延
されたままの鋼板表面にはスケール、錆、塵等が強く付
着し、あるいはバリが残っており、そのままでは製品と
して出荷できない。その為、洗浄ラインを設け、酸洗等
を行い、ブラシロールで鋼板表面を研磨し、スケールや
バリ等を除去して表面仕上げ処理を行った後、冷却と洗
浄とを兼ねた水又は洗浄液(冷却洗浄水という)を鋼板
表面に噴射することが行われる。
【0003】図6は従来の表面処理用ロール装置を示
す。図において、Wは圧延されて連続的に搬送される鋼
板、100は鋼板Wの搬送ライン上に設けられたブラシ
ロール、101はブラシロール100を駆動する駆動モ
ータ、102はブラシロール100を鋼板Wに対して圧
下する油圧シリンダ、103は多数の噴射孔が形成され
鋼板W及びローラ100に冷却洗浄水を噴射する噴射パ
イプである。
【0004】圧延された鋼板表面を研磨仕上げる場合、
まずブラシロール100に試験用素材を通し、油圧シリ
ンダ102の制御弁102aを開閉してブラシロール1
00の圧下力を調整しつつ、駆動モータ101の電流を
段階的に変化させながら、鋼板Wの仕上がり具合を検査
し、最適な電流に設定した後、圧延された鋼板Wをブラ
シロール100に送り込んでその表面を研磨し仕上げて
いる。また、研磨によって大量の熱を発生するので、噴
射パイプ103から冷却洗浄水を噴射し、ブラシロール
100を耐熱温度以下に維持し、かつ飛び散る粉塵を抑
え、鋼板Wの表面の洗浄を行っているが、水量の調整は
作業者の経験と感とによって制御弁103aを開閉して
いる。
【0005】ところで、上述の鋼板表面の研磨仕上げに
際し、研磨量を常に一定に制御することが技術的に極め
て重要である。研磨量を制御する場合、油圧シリンダの
油圧をコントールしてロールの圧下力を一定に制御する
方法が考えられるが、ブラシロールでは使用を重ねるに
つれてブラシが摩耗し、その圧下に対する剛性が次第に
変化するので、圧下力を一定に制御しても単位時間当り
の研磨量が変動する。また、温度等の変化によっても研
磨量が変動するので、研磨量を一定に制御することがよ
り一層困難である。
【0006】一般に、研磨とはロールと鋼板との相対運
動が鋼板及びブラシに対してなす仕事であり、単位時間
当りの研磨量とはその時間微分であって、仕事率又は動
力と呼ばれるものになる。これはブラシロールの回転運
動側から見ると、回転速度とトルクの積に比例する。
【0007】通常、ロールは誘導電動機で駆動される
が、誘導電動機では発生動力(電動機の機械的出力)P
out に各種損失(電気及び機械的損失)Plossを加算し
たものが入力電力(電動機の電気的入力)Pinになる。
損失Plossは出力Pout に対して2〜4%を示すが、ほ
ぼ一義的に定まり、かつ再現性の高い数値であるから、
誘導電動機の発生動力Pout と入力電力Pinとの間には
一義的にかつほぼ直線的な関係が成立する。
【0008】また、誘導電動機の入力電力Pinは、電圧
をV、電流をI、力率をcosφとすると、Pin=√3
VIcosφ、で示される。力率cosφは電圧Vと電
流Iの関数であるから、印加電圧Vが一定であれば発生
動力Pout と電流Iとの関係はほぼ一義的に定まる。そ
して電動機の電流Iは比較的簡単な設備で容易に検出で
きることから、従来は上述の関係を利用し、電動機の電
流を目安にして研磨量を推定し、作業者が手で制御弁を
開閉して油圧シリンダへの供給油圧を調整し、ロールの
圧下力を制御していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電流に基づいて研磨量
を制御すると、検出系の回路構成が比較的簡単にできる
ものの、下記の問題が生じた。即ち、誘導電動機の発
生動力Pout と電流Iとの関係は一義的に定まるといっ
ても、図7に示すように非線形な特性aである。特に、
軽負荷時には電流Iのわずかな変化に対して発生動力P
out (即ち、回転数がほぼ一定であるのでトルク)が大
幅に変動し、制御が極めて難しい。たとえ、電流Iを手
で制御しても実際のトルクはかなり大きくばらつくこと
が多い。
【0010】3相交流の場合、電力Pinと電流Iとの
間には、Pin=√3VIcosφ、の関係があり、工場
内の電圧Vが変動すれば、それに反比例して電流Iが変
動する。厳密に言えば、電圧Vが変動すれば力率cos
φも少し変動するので、正確な反比例ではない。工場内
の電圧Vは常に5%程度変動しているのが普通である
が、の理由により、軽負荷時には圧下力の変動に換算
すると数十%にも相当する。
【0011】本発明は、かかる問題点に鑑み、簡単な方
法で正確に一定の研磨・研削量に制御できるようにした
表面処理用ロールの制御方法及びその装置を提供するこ
とを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは上述の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、従来は回路が複雑で
コスト的にも信頼性の点でも問題のあった電力検出器、
例えば3相交流検出器も最近の半導体技術及びLSI技
術の飛躍的な進歩によって信頼性の高いものが安価に入
手できるようになり、又電動機の電流Iではなく、入力
電力Pinを用いることによって研磨・研削動力、即ち単
位時間当りの研磨・研削量を検知でき、これに応じてロ
ールの圧下力を制御すればよいことに着目し本発明を完
成した。
【0013】即ち、本発明に係る表面処理用ロールの制
御方法は、圧下力によってワークに対するブラシの接触
状態が変動しかつその接触状態が経時変化しうるブラシ
ロールを誘導電動機によって駆動する一方、圧下機構に
よってロールを圧下し、ワークを搬送しつつ、圧下され
回転されるロール外周面と接触させてワークを表面処理
するにあたり、誘導電動機の入力電流及び入力電圧を取
り出して入力電力を求め、該求めた入力電力値と設定さ
れたワーク研磨・研削量に対応する電力値とを比較し、
その比較結果に応じて圧下機構の作動量を調整してロー
ルを一定の最適なワーク研磨・研削量となる最適圧下力
に制御するようにしたことを要旨とする。
【0014】圧下機構は下記実施例に示すように油圧シ
リンダで構成できるが、エアーシリンダで構成してもよ
く、又モータ等を使用した機械的機構を採用してもよ
い。また、上述の制御を行う場合、研磨・研削による大
量の熱に起因するロール性能の悪化を防止するのが望ま
しい。即ち、上述の入力電力に応じたロール圧下力の制
御に加え、ロールの温度を検出し、該検出ロール温度と
許容ロール温度範囲内における高洗浄効率となる設定最
適ロール温度とを比較し、その比較結果に応じた量の冷
却洗浄水をロールに噴射してロールを設定最適温度に制
御するのがよい。
【0015】また、本発明に係る表面処理用ロールの制
御装置は、誘導電動機に通電し該誘導電動機により、
下力によってワークに対するブラシの接触状態が変動し
かつその接触状態が経時変化しうるブラシロールを駆動
する一方、油圧シリンダに油圧を供給して該油圧シリン
ダによってロールを圧下し、ワークを搬送しつつ、圧下
され回転されるロール外周面と接触させてワークを表面
処理するロール装置において、油圧シリンダの油圧供給
回路に設けられた制御弁と、制御弁を駆動する油圧調整
機構と、電動機の通電回路に接続され電動機の印加電圧
と電流とから入力電力を演算する入力電力演算回路と、
入力電力演算回路の出力信号を設定されたワーク研磨・
研削量に対応する電力値と比較しその比較結果に応じて
油圧調整機構に制御信号を発生してロールを一定の最適
なワーク研磨・研削量となる最適圧下力に制御する圧下
力制御回路とを備えたことを要旨とする。
【0016】本発明に係る表面処理用ロールの制御装置
においても、ロール温度の制御を行えるようにするのが
望ましい。即ち、ロールに冷却洗浄水を噴射する噴射ノ
ズルと、途中に制御弁が設けられて供給量を制御された
冷却洗浄水を噴射ノズルに供給する冷却洗浄水供給回路
と、制御弁を駆動する水量調整機構と、ロールの温度を
検出する温度センサと、温度センサの出力信号を最適ロ
ール温度設定値と比較してその比較結果に応じて水量調
整機構に制御信号を発生してロールを最適温度に制御す
る温度制御回路とを備えるのがよい。
【0017】
【作用】本発明によれば、単位時間当りの研磨・研削量
に直接関連する誘導電動機の出力電力に対し、線形的な
比例関係を有する入力電圧を検知し、それに基づいて圧
下機構の作動量を制御し、ロールの圧下力を一定の最適
なワーク研磨・研削量に対応する圧下力にコントロール
したことから、研磨・研削量が電圧変動等の外乱の影響
を受けず、温度補正等の各種補正を行うことなく正確に
所定の一定量に制御される。しかも、単位時間当りの研
磨・研削量と電動機の入力電力が線形的な比例関係を有
することから、複雑な制御を必要とせず、制御が簡単で
ある。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。図1ないし図3は本発明の一実施例に
よる表面処理用ロールの制御装置を示し、これは鋼板表
面の研磨仕上げ用のブラシロール装置に適用した例であ
る。図において、Wは圧延されて搬送ライン上を連続的
に搬送される鋼板(ワーク)で、該鋼板Wの搬送ライン
にはブラシロール1が設けられ、該ブラシロール1は鋼
鉄製ロール胴部の外周面に合成繊維等を主材とするブラ
シを貼付けて構成されている。
【0019】上記ブラシロール1の回転軸1aには駆動
モータ(誘導電動機)2の回転軸2aが連結され、該駆
動モータ2の端子には通電回路3が接続され、該通電回
路3には電流計A及び電圧計Vが接続されている。
【0020】また、ブラシロール1の回転軸1aにはブ
ラシロール1を圧下する油圧シリンダ(圧下機構)4の
ロッド4aが連結され、該油圧シリンダ4には油圧源か
ら延びる油圧供給回路5が接続され、該油圧供給回路5
の途中には制御弁6が設けられ、該制御弁6はギアード
モータ14によって開閉されて供給油圧が制御されるよ
うになっている。
【0021】鋼板Wの搬送ライン上にはブラシロール1
の前方に多数の噴射孔を有する冷却洗浄水の噴射パイプ
(噴射ノズル)7が設けられ、該噴射パイプ7には冷却
洗浄水供給通路8が接続され、該冷却洗浄水供給通路8
の途中には制御弁9が設けられ、該制御弁9はギアード
モータ15によって開閉されて冷却洗浄水の供給量が制
御されるようになっている。
【0022】そして、上記駆動モータ2の通電回路3に
は電力変換器(入力電力演算回路)10の入力端の一方
が接続され、電力変換器10の入力端の他方は通電回路
3の大電流を計測しやすい小電流に変換する変流器CT
に接続され、該電力変換器10はPin=√3VIcos
φの式を用いて駆動モータ2の印加電圧Vと電流Iとか
ら駆動モータ2の入力電力Pinを演算し、入力電力信号
は制御システム11に入力されている。
【0023】また、ブラシロール1には温度センサ12
が設けられ、該温度センサ12の温度信号は温度変換器
13を経て制御システム11に入力されている。
【0024】上記制御システム11は入力電力信号から
ロール圧下力のアップ又はダウンの制御信号を求め、こ
れをギアードモータ14に与えて油圧シリンダ4を調整
しブラシロール1を最適な圧下力に制御する一方、又温
度信号から冷却洗浄水の増量又は減量の制御信号を求
め、これをギアードモータ15に与えて冷却洗浄水の噴
射量を調整しブラシロール1を最適な温度に制御するよ
うになっている。
【0025】図2は制御システム11の機能ブロック図
を示す。図において、20は最適なロール圧下力に対応
した駆動モータ2の入力電力を設定する電力設定器、2
1は電力変換器11の出力信号(電圧信号)と電力設定
器20の信号とを2入力とする減算器、22は減算器2
1の信号を入力とし、現在の入力電力と設定電力値との
差(電圧差)が不感帯の上限を越えたか、不感帯の下限
未満かを検知する比較器、23は比較器22の出力を増
幅する増幅器、24は増幅器23の信号を入力とし、ギ
アードモータ14に対して圧下力アップ・ダウンの制御
信号を発生する論理スイッチである。
【0026】また、25はロールの最適温度を設定する
温度設定器、26は温度変換器13の出力信号(電圧信
号)と温度設定器25の信号とを2入力とする減算器、
27は減算器26の信号を入力とし、現在のローラ温度
と設定温度との差が不感帯の上限を越えたか、不感帯の
下限未満かを検知する比較器、28は比較器27の出力
を増幅する増幅器、29は増幅器28の信号を入力と
し、ギアードモータ15に対して水量の増量又は減量の
制御信号を発生する論理スイッチである。
【0027】また、図3は制御システム11におけるロ
ール圧下力の制御系の具体的な構成例を示す。ロール温
度の制御系も図示してないが、同様の回路構成である。
なお、他の回路構成の採用も可能であるので、その詳細
な説明は省略する。
【0028】次に、表面処理用ロールの制御方法につい
て説明する。圧延された鋼板Wの表面を研磨仕上げる場
合、まずブラシロール1に試験用素材を通し、電力設定
器20を段階的に調整する。すると、電力変換器10で
in=√3VIcosφを用いて駆動モータ2の電圧V
と電流Iとが駆動モータ2の入力電力Pinに変換され、
入力電力信号が制御システム11に入力されて電力設定
器20で設定した入力電力となるようにギアードモータ
14に制御信号が発生され、ギアードモータ14が制御
弁6を開閉して油圧シリンダ4への油圧供給量が調整さ
れ、ブラシロール1の圧下力が制御されるので、そのと
き試験用素材の研磨量を検査し、それが所定量となるよ
うに電力設定器20を設定する。
【0029】こうしてブラシロール1の圧下力が初期設
定されると、圧延された鋼板Wをブラシロール1に連続
的に搬送し、鋼板Wを研磨し仕上げればよい。
【0030】また、工場内の電圧変動、ロールブラシの
摩耗、温度変化等の外乱がある場合、ロール圧下力が変
化して鋼板Wの単位時間当りの研磨量の変動が懸念され
るが、その場合は駆動モータ2の発生動力、従って出力
電力Pout が変動し、その入力電力Pinが変化し、それ
が電力変換器20で検知され、制御システム11から制
御信号が発生されて制御弁6が開閉され、油圧シリンダ
4の油圧供給量が調整されてブラシロール1の圧下力が
所定の単位時間当りの研磨量となるように制御される結
果、鋼板Wの研磨量が設定量に保持される。
【0031】また、こうして鋼板Wの研磨仕上げを行っ
ていると、研磨によって大量の熱が発生するが、温度セ
ンサ12でロール温度が検出され、温度信号が制御シス
テム11に入力され、制御システム11からギアードモ
ータ15に対して制御信号が発生され、制御弁9が開閉
されて冷却洗浄水の供給量が調整され、噴射パイプ7か
ら最適な量の冷却洗浄水がブラシロール1及び鋼板W表
面に対して噴射され、ブラシロール1が最適な温度(耐
熱温度以下で、最高洗浄効率となる温度)に保持され、
又かかる冷却洗浄水によって研磨によって飛び散る粉塵
を抑制されつつ、鋼板Wの表面が洗浄される。
【0032】次に、図2を用いて制御システム11の動
作について説明する。電力変換器20で駆動モータ2の
入力電力Pinが検知されると、入力電力Pinに相当する
電圧信号が出力され、減算器21で電力設定器20から
の設定入力電力に相当する電圧との差が演算され、比較
器22に入力される。比較器22では予め不感帯が設定
され、電圧差ΔVが不感帯の上限を越えているか、下限
未満かが比較され、上限を越えている場合には論理スイ
ッチ24でロール圧下力アップの制御信号がギアードモ
ータ14に対して出力される。他方、電圧差ΔVが不感
帯の下限未満の場合には論理スイッチ24でロール圧下
力ダウンの制御信号がギアードモータ14に対して出力
される(図4に示す不感帯の特性参照)。
【0033】また、温度センサ12でロール温度が検知
されて検知信号が温度変換器13に出力されると、温度
変換器13からロール温度に相当する電圧信号が発生さ
れ、該電圧信号は減算器26で温度設定器25からの設
定ロール温度に相当する電圧との差が演算され、比較器
27に入力される。比較器27では予め不感帯が設定さ
れ、電圧差ΔVが不感帯の上限を越えているか、下限未
満かが比較され、上限を越えている場合には論理スイッ
チ29で冷却洗浄水増量の制御信号がギアードモータ1
5に対して出力される。他方、電圧差ΔVが不感帯の下
限未満の場合には論理スイッチ29で冷却洗浄水減量の
制御信号がギアードモータ15に対して出力される。
【0034】また、図5は本発明の第2の実施例を示
し、制御システム11をハード回路ではなく、マイクロ
コンピュータでディジタル的に構成した場合における処
理フローを示す。制御システム11においては、電力変
換器10及び電力設定器20の信号V、Vsが読み込ま
れ(ステップS1、S2)、両信号V、Vsの差ΔVが
減算され(ステップS3)、減算値ΔVが不感帯の上限
値(例では0.5V)以上であるか否かが判定され(ス
テップS4)、YESの場合には圧下力を減少する方向
の圧下力アップの制御信号が発生され(ステップS
5)、NOの場合には減算値ΔVが不感帯の下限値(こ
の場合はー0.5V)以下であるかが判定され(ステッ
プS6)、YESの場合には圧下力を減少させる方向の
圧下力ダウンの制御信号が発生され(ステップS7)、
NOの場合、即ち電圧差ΔVが不感帯の範囲内の場合に
はロール圧下力が最適な値であるので、ロール圧下力の
制御を行うことなく、温度制御の処理を行う(ステップ
S8)。なお、温度制御の処理はロール圧下力の制御と
同様であるので、その説明は省略する。
【0035】なお、上記例ではブラシロールを上下させ
る油圧シリンダの油圧の供給を調整して圧下力を制御し
たが、ブラシロールと対向する鋼板の支持ロール側に油
圧シリンダ等を設けて支持ロールを上下させてブラシロ
ールの圧下力を制御してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電動機
の入力電力を検知し、それに基づいて圧下機構の作動量
を調整してロールを最適圧下力に制御するようにしたの
で、簡単な方法で所望の研磨・研削量に正確に制御でき
る。また、ロールの温度を検出して冷却洗浄水の量を調
整すると、ロールを最適温度に制御して優れた耐久性と
洗浄効率とが得られ、全体として最適な表面処理用ロー
ルの制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による表面処理用ロールの
制御装置を示す構成図である。
【図2】 上記制御装置の制御システムを示す機能ブロ
ック図である。
【図3】 上記制御システムにおける回路構成の一例を
示す図である。
【図4】 上記制御システムの動作を説明するための図
である。
【図5】 本発明の他の実施例における制御処理フロー
を示す図である。
【図6】 従来の表面処理用ロールの制御装置を示す構
成図である。
【図7】 従来の技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ブラシロール 2 駆動モータ 3 通電回路 4 油圧シリンダ 5 油圧供給回路 6 制御弁 7 噴射パイプ(噴射ノズル) 8 冷却洗浄水供給回路 9 制御弁 10 電力変換器(入力電力演算回路) 11 制御システム 12 温度センサ 14 ギアードモータ(油圧調整機構) 15 ギアードモータ(水量調整機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−201759(JP,A) 特開 平1−289656(JP,A) 特開 昭60−199511(JP,A) 特開 昭62−63064(JP,A) 実開 平4−29358(JP,U) 実開 昭62−168251(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧下力によってワークに対するブラシの
    接触状態が変動しかつその接触状態が経時変化しうるブ
    ラシロールを誘導電動機によって駆動する一方、圧下機
    構によってロールを圧下し、ワークを搬送しつつ、圧下
    され回転されるロール外周面と接触させてワークを表面
    処理するにあたり、 上記誘導電動機の入力電流及び入力電圧を取り出して入
    力電力を求め、該求めた入力電力値と設定されたワーク
    研磨・研削量に対応する電力値とを比較し、その比較結
    果に応じて上記圧下機構の作動量を調整してロールを一
    定の最適なワーク研磨・研削量となる最適圧下力に制御
    するようにしたことを特徴とする表面処理用ブラシロー
    ルの制御方法
  2. 【請求項2】 圧下力によってワークに対するブラシの
    接触状態が変動しかつその接触状態が経時変化しうるブ
    ラシロールを誘導電動機によって駆動する一方、圧下機
    構によってロールを圧下し、ワークを搬送しつつ、圧下
    され回転されるロール外周面と接触させてワークを表面
    処理するにあたり、 上記誘導電動機の入力電流及び入力電圧を取り出して入
    力電力を求め、該求めた入力電力値と設定されたワーク
    研磨・研削量に対応する電力値とを比較し、その比較結
    果に応じて上記圧下機構の作動量を調整してロールを一
    定の最適なワーク研磨・研削量となる最適圧下力に制御
    する一方、 ロール温度を検出し、該検出したロール温度とロールの
    許容温度範囲内における高洗浄効率となる設定最適ロー
    ル温度とを比較し、その比較結果に応じた量の冷却洗浄
    水をロールに噴射してロールを設定最適温度に制御する
    ようにしたことを特徴とする表面処理用ブラシロールの
    制御方法
  3. 【請求項3】 誘導電動機に通電し該誘導電動機によ
    り、圧下力によってワークに対するブラシの接触状態が
    変動しかつその接触状態が経時変化しうるブラシロール
    を駆動する一方、油圧シリンダに油圧を供給して該油圧
    シリンダによってロールを圧下し、ワークを搬送しつ
    つ、圧下され回転されるロール外周面と接触させてワー
    クを表面処理するロール装置において、 上記油圧シリンダの油圧供給回路に設けられた制御弁
    と、 該制御弁を駆動する油圧調整機構と、 上記電動機の通電回路に接続され、上記電動機の印加電
    圧と電流とから入力電力を演算する入力電力演算回路
    と、 該入力電力演算回路の出力信号を設定されたワーク研磨
    ・研削量に対応する電力値と比較し、その比較結果に応
    じて上記油圧調整機構に制御信号を発生してロールを一
    定の最適なワーク研磨・研削量となる最適圧下力に制御
    する圧下力制御回路とを備えたことを特徴とする表面処
    理用ブラシロールの制御装置
  4. 【請求項4】 上記ロールに冷却洗浄水を噴射する噴射
    ノズルと、途中に制御弁が設けられ、供給量を制御され
    た冷却洗浄水を上記噴射ノズルに供給する冷却洗浄水供
    給回路と、 該制御弁を駆動する水量調整機構と、 上記ロールの温度を検出する温度センサと、 該温度センサの出力信号を最適ロール温度設定値と比較
    し、その比較結果に応じて上記水量調整機構に制御信号
    を発生してロールを最適温度に制御する温度制御回路と
    を備えた請求項3記載の表面処理用ブラシロールの制御
    装置
JP5062924A 1993-02-25 1993-02-25 表面処理用ブラシロールの制御方法及びその装置 Expired - Lifetime JP2759403B2 (ja)

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