JP2757359B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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- JP2757359B2 JP2757359B2 JP62191138A JP19113887A JP2757359B2 JP 2757359 B2 JP2757359 B2 JP 2757359B2 JP 62191138 A JP62191138 A JP 62191138A JP 19113887 A JP19113887 A JP 19113887A JP 2757359 B2 JP2757359 B2 JP 2757359B2
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- Japan
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- resin
- resin composition
- polyetherimide
- abrasion resistance
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は耐熱性・耐摩耗性に優れた樹脂組成物に関す
るものである。 (従来の技術) 通信機器・自動車・航空機等には数多くの樹脂成形品
が用いられている。これらの成形品に使用されている樹
脂の主なものは、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ
スチレン等の汎用樹脂や、汎用樹脂よりはやや耐熱性・
機械強度に優れたポリアミド・ポリアセタール・変性ポ
リフェニレンオキサイド等の汎用エンジニアリングプラ
スチックである。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、電子機器・自動車・航空機等の分野に
おいては、各種部品の軽量化・コンパクト化が要求され
るようになっており、これらに使用される樹脂成形品に
おいても軽量・小型化が求められるようになってきてい
る。これら、軽量・小型化に伴ない樹脂成形品の樹脂層
は以上に薄くする必要が出てきており、従来使用してい
た樹脂よりも破断抗張力や耐摩耗性に優れた樹脂を使用
することが必要となっている。特に耐摩耗性は樹脂層の
厚さに大きく影響されるため、高度の耐摩耗性を有する
樹脂が待ち望まれている。 (問題を解決する手段) 本発明は耐摩耗性に優れた樹脂組成物を提供するもの
であって、その要旨とするところは、ポリエーテルイミ
ドとエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下
ETFEと略す)を重量比で80:20に混合したことを特徴と
する樹脂組成物にある。 (作用) 本発明で用いたポリエーテルイミドはそれ自身非常に
耐摩耗性に優れた樹脂であり、楔型の金属エッジによる
擦り摩耗試験では市販されている樹脂の中でも最高に近
い耐摩耗性を示すものである。本発明では耐摩耗性を0.
2mmの厚さのシート状に成形した樹脂を0.8mmの直径を有
する金属棒上に乗せ、その上から図1に示したような1.
4kgの荷重をのせた楔型金属エッジを使用して、一定速
度一定幅で擦り、樹脂シートが破断するまでの擦り回数
を求める方法によって評価した。この方法では、ポリエ
ーテルイミド単独では破断までの金属エッジによる往復
擦り回数は100回未満であり、本発明でポリエーテルイ
ミドとのブレンドに使用した5種類の弗素樹脂単独では
ETFEの20〜30回が最高である。 ところが、ポリエーテルイミドにETFE,エチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体(以下ECTFEと略
す)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(以下FEPと略す)、ポリクロロトリフル
オロエチレン(以下CTFEと略す)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(以下PFAと略す)をそれぞれ混合し、耐摩耗性を調べ
たところ、全て100回以上の擦りに耐え、ポリエーテル
イミドや弗素樹脂単独の場合を上回る耐摩耗性を示し
た。特に、本発明のエーテルイミドにETFEを混合した場
合極めて優れた耐摩耗性を示した。金属エッジによる摩
耗試験では樹脂のブレンドによって単独使用の場合より
も耐摩耗性が向上する例は知られておらず、本発明にお
いて耐摩耗性の向上が見られた理由も明らかではない。 また、ポリエーテルイミド単独では多官能性モノマー
を添加して電離性放射線を照射して架橋させることはで
きないが、本発明の樹脂組成物はトリアリルイソシアネ
ートやトリアリルシアネートなどの多官能性モノマーを
配合して電離性放射線を照射することによって架橋させ
ることができる。これによって、ポリエーテルイミドの
ガラス転移点や弗素樹脂の融点以上での機械的強度は大
幅に上り、高温での耐溶剤性が改善されると共に耐摩耗
性も若干の向上が見られる。 (実施例) 表1の実施例1及び比較例1〜8の示した配合でポリ
エーテルイミド(エンジニアリングプラスチック社:商
品名ウルテム1000)と弗素樹脂を混合し0.2mmの厚さの
シートに成形した。これらのシートに表1の比較例9〜
14に示したポリエーテルイミドと弗素樹脂の単独で成形
したシートを加えて、金属エッジによる擦り摩耗試験に
よって耐摩耗性を調べた。その結果、本発明のポリエー
テルイミドにETFEを80:20の重量比で混合したシートは
極めて優れた耐摩耗性を示した。 表2の比較例15〜20に示した配合シートを作製し、こ
れに20Mradの電子線を照射した後に耐摩耗性とJIS3005
に基づいて330℃における熱変形率を調べた。同様にし
て、比較例21〜25の配合でシートを作製し、熱変形率と
耐摩耗性を調べた。その結果、比較例15〜19においては
全て熱変形率が70%以下と樹脂組成物の架橋が確認さ
れ、比較例20〜25においては、熱変形率はすべて100%
であった。耐摩耗性も架橋した比較例15〜19のものが未
架橋の比較例21〜25を上回ったが、実施例1の耐摩耗性
の値よりはるかに低い値にとどまった。 (発明の効果) 上述したように本発明の樹脂組成物によれば、耐摩耗
性に非常に優れた樹脂成形品を得ることができる。
るものである。 (従来の技術) 通信機器・自動車・航空機等には数多くの樹脂成形品
が用いられている。これらの成形品に使用されている樹
脂の主なものは、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ
スチレン等の汎用樹脂や、汎用樹脂よりはやや耐熱性・
機械強度に優れたポリアミド・ポリアセタール・変性ポ
リフェニレンオキサイド等の汎用エンジニアリングプラ
スチックである。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、電子機器・自動車・航空機等の分野に
おいては、各種部品の軽量化・コンパクト化が要求され
るようになっており、これらに使用される樹脂成形品に
おいても軽量・小型化が求められるようになってきてい
る。これら、軽量・小型化に伴ない樹脂成形品の樹脂層
は以上に薄くする必要が出てきており、従来使用してい
た樹脂よりも破断抗張力や耐摩耗性に優れた樹脂を使用
することが必要となっている。特に耐摩耗性は樹脂層の
厚さに大きく影響されるため、高度の耐摩耗性を有する
樹脂が待ち望まれている。 (問題を解決する手段) 本発明は耐摩耗性に優れた樹脂組成物を提供するもの
であって、その要旨とするところは、ポリエーテルイミ
ドとエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下
ETFEと略す)を重量比で80:20に混合したことを特徴と
する樹脂組成物にある。 (作用) 本発明で用いたポリエーテルイミドはそれ自身非常に
耐摩耗性に優れた樹脂であり、楔型の金属エッジによる
擦り摩耗試験では市販されている樹脂の中でも最高に近
い耐摩耗性を示すものである。本発明では耐摩耗性を0.
2mmの厚さのシート状に成形した樹脂を0.8mmの直径を有
する金属棒上に乗せ、その上から図1に示したような1.
4kgの荷重をのせた楔型金属エッジを使用して、一定速
度一定幅で擦り、樹脂シートが破断するまでの擦り回数
を求める方法によって評価した。この方法では、ポリエ
ーテルイミド単独では破断までの金属エッジによる往復
擦り回数は100回未満であり、本発明でポリエーテルイ
ミドとのブレンドに使用した5種類の弗素樹脂単独では
ETFEの20〜30回が最高である。 ところが、ポリエーテルイミドにETFE,エチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体(以下ECTFEと略
す)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(以下FEPと略す)、ポリクロロトリフル
オロエチレン(以下CTFEと略す)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(以下PFAと略す)をそれぞれ混合し、耐摩耗性を調べ
たところ、全て100回以上の擦りに耐え、ポリエーテル
イミドや弗素樹脂単独の場合を上回る耐摩耗性を示し
た。特に、本発明のエーテルイミドにETFEを混合した場
合極めて優れた耐摩耗性を示した。金属エッジによる摩
耗試験では樹脂のブレンドによって単独使用の場合より
も耐摩耗性が向上する例は知られておらず、本発明にお
いて耐摩耗性の向上が見られた理由も明らかではない。 また、ポリエーテルイミド単独では多官能性モノマー
を添加して電離性放射線を照射して架橋させることはで
きないが、本発明の樹脂組成物はトリアリルイソシアネ
ートやトリアリルシアネートなどの多官能性モノマーを
配合して電離性放射線を照射することによって架橋させ
ることができる。これによって、ポリエーテルイミドの
ガラス転移点や弗素樹脂の融点以上での機械的強度は大
幅に上り、高温での耐溶剤性が改善されると共に耐摩耗
性も若干の向上が見られる。 (実施例) 表1の実施例1及び比較例1〜8の示した配合でポリ
エーテルイミド(エンジニアリングプラスチック社:商
品名ウルテム1000)と弗素樹脂を混合し0.2mmの厚さの
シートに成形した。これらのシートに表1の比較例9〜
14に示したポリエーテルイミドと弗素樹脂の単独で成形
したシートを加えて、金属エッジによる擦り摩耗試験に
よって耐摩耗性を調べた。その結果、本発明のポリエー
テルイミドにETFEを80:20の重量比で混合したシートは
極めて優れた耐摩耗性を示した。 表2の比較例15〜20に示した配合シートを作製し、こ
れに20Mradの電子線を照射した後に耐摩耗性とJIS3005
に基づいて330℃における熱変形率を調べた。同様にし
て、比較例21〜25の配合でシートを作製し、熱変形率と
耐摩耗性を調べた。その結果、比較例15〜19においては
全て熱変形率が70%以下と樹脂組成物の架橋が確認さ
れ、比較例20〜25においては、熱変形率はすべて100%
であった。耐摩耗性も架橋した比較例15〜19のものが未
架橋の比較例21〜25を上回ったが、実施例1の耐摩耗性
の値よりはるかに低い値にとどまった。 (発明の効果) 上述したように本発明の樹脂組成物によれば、耐摩耗
性に非常に優れた樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の樹脂組成物の耐摩耗性を調べるため
に行なった擦り摩耗試験の概略図である。
に行なった擦り摩耗試験の概略図である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.下記の基本骨格を有するポリエーテルイミドとエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体を、重量比で8
0:20に混合したことを特徴とする樹脂組成物。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62191138A JP2757359B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 樹脂組成物 |
DE19883852977 DE3852977T2 (de) | 1987-07-29 | 1988-07-28 | Formkörper auf Basis einer Harzzusammensetzung. |
EP19880112237 EP0301543B1 (en) | 1987-07-29 | 1988-07-28 | Molded article made from a resinous composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62191138A JP2757359B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6433155A JPS6433155A (en) | 1989-02-03 |
JP2757359B2 true JP2757359B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16269519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62191138A Expired - Fee Related JP2757359B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757359B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5340210B2 (ja) * | 2010-03-24 | 2013-11-13 | 信越ポリマー株式会社 | フィルムキャパシタ用フィルム及びその製造方法 |
JP5582877B2 (ja) * | 2010-06-07 | 2014-09-03 | 信越ポリマー株式会社 | フィルムキャパシタ用フィルムの製造方法及びフィルムキャパシタ用フィルム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4724251A (en) * | 1984-12-28 | 1988-02-09 | General Electric Co. | Polyetherimide bearing compositions |
JPH0756009B2 (ja) * | 1985-07-09 | 1995-06-14 | エヌティエヌ株式会社 | ポリエ−テルイミド樹脂組成物 |
-
1987
- 1987-07-29 JP JP62191138A patent/JP2757359B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6433155A (en) | 1989-02-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |