JPH0853551A - 高耐熱性樹脂強化用炭素繊維およびその樹脂組成物 - Google Patents

高耐熱性樹脂強化用炭素繊維およびその樹脂組成物

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JPH0853551A
JPH0853551A JP18948094A JP18948094A JPH0853551A JP H0853551 A JPH0853551 A JP H0853551A JP 18948094 A JP18948094 A JP 18948094A JP 18948094 A JP18948094 A JP 18948094A JP H0853551 A JPH0853551 A JP H0853551A
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Japan
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carbon fiber
resin
aromatic
ether ketone
resistant resin
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JP18948094A
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Inventor
Toshiyuki Kataoka
利之 片岡
Tomohito Koba
友人 木場
Toshiaki Takahashi
敏明 高橋
Atsushi Morita
淳 森田
Hiroyuki Furukawa
博之 古川
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】1)芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂で
表面を被覆した炭素繊維およびその製造方法 2)1)の炭素繊維5〜100重量部と高耐熱性樹脂1
00重量部からなる樹脂組成物。 【効果】高耐熱性樹脂に使用して、十分な繊維補強効果
の得られる炭素繊維が得られた。又、機械物性、耐熱性
に優れた、高耐熱性樹脂組成物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱性樹脂の強化用
に適した炭素繊維およびそれを用いた高耐熱性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、
ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルイミド等の高耐熱性樹脂は耐熱性、機械強度の点
で汎用エンジニアリングプラスチックより大幅に優れて
いることにより、スーパーエンジニアリングプラスチッ
クと称されており、電気、電子機器、機械、自動車等の
用途に使用されている。 しかし、最近の技術の進歩に
より、これら高耐熱性樹脂が有する特性、特に機械強度
を一段と高めたものが要求されるようになってきた。こ
のためこれら高耐熱性樹脂に繊維状補強材、特に炭素繊
維を配合することにより機械強度、耐熱性を改良する方
法が実施されている。
【0003】炭素繊維はハンドリング性を向上するた
め、通常、樹脂を被覆し収束した形で用いられる。この
収束剤としては通常エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂(特
開昭53−106752号)が用いられている。 前記
の高耐熱性樹脂およびその樹脂組成物の成形には300
℃以上の高温を必要とする。しかし、エポキシ樹脂、ポ
リアミド樹脂は熱分解温度が低いため、これらの樹脂で
収束した炭素繊維を前記の高耐熱性樹脂に使用すると、
成形中に収束剤が熱分解し、ボイドの発生、炭素繊維と
マトリックス樹脂間の界面強度の低下等がおこる。その
ため本来の繊維補強効果が得られず、十分な機械物性が
得られないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
のような問題点のない、高耐熱性樹脂に適した炭素繊維
を提供することである。さらに、前記炭素繊維を用い
た、機械物性、耐熱性に優れた高耐熱性樹脂組成物を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を達成するため鋭意検討した結果、所望の性能を有す
る新規な炭素繊維およびそれを用いた高耐熱性樹脂組成
物を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、 1)芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂で表面を被
覆した炭素繊維、 2)上記の芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂が例
えば式(I)(化2)のような繰り返し構造単位を有す
るものである上記の1)項記載の炭素繊維、
【0006】
【化2】 (Xは炭素数30以下の芳香族基を表す。) 3)芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂を有機溶媒
に溶解し、その溶液に炭素繊維を浸漬し、次に乾燥する
ことによって得られる1)項記載の炭素繊維の製造方
法、 4)1)項記載の炭素繊維5ないし100重量部と、T
m(融点)が250℃以上またはTg(ガラス転移温
度)が100℃以上の高耐熱性樹脂100重量部を主体
としてなる高耐熱性樹脂組成物、ならびにそれらを用い
た成形物である。すなわち、本発明の炭素繊維およびそ
れを用いた高耐熱性樹脂組成物は、炭素繊維の収束剤と
して芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂を用いるこ
とを特徴とし、高耐熱性樹脂に配合して十分な補強効果
を有する炭素繊維および前記炭素繊維を含有する、機械
物性、耐熱性に優れた高耐熱性樹脂組成物である。
【0007】本発明の炭素繊維は種々の高耐熱性樹脂に
配合して使用でき、十分な繊維補強効果を発現し、また
本炭素繊維を含有する高耐熱性樹脂組成物は、優れた機
械物性、耐熱性を有するため、宇宙・航空機用基材、電
気・電子部品用基材として多目的用途に活用が期待で
き、極めて有用である。本発明において、収束剤として
炭素繊維の被覆に用いられる芳香族ポリアリルエーテル
ケトン系樹脂としては、例えば、次式(化3)のような
構造の樹脂が好ましい。
【0008】
【化3】 (Xは炭素数30以下の芳香族基を表す。) これらの具体例としては、下記式(化4)の構造の芳香
族ポリアリルエーテルケトン系樹脂があり、また本発明
において特に好ましい芳香族ポリアリルエーテルケトン
系樹脂である。
【0009】
【化4】 また、これら芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂は
単独あるいは2種以上混合して使用される。なお、本発
明の炭素繊維およびそれを用いた高耐熱性樹脂組成物
は、炭素繊維の収束剤として芳香族ポリアリルエーテル
ケトン系樹脂を用いることを特徴とする炭素繊維および
それを用いた高耐熱性樹脂組成物であるが、本炭素繊維
の優れた性能を損なわない範囲で、芳香族ポリアリルエ
ーテルケトン系樹脂に他の樹脂を混合して、収束剤とし
て使用することもできる。
【0010】混合して使用できる樹脂としては、例え
ば、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエス
テル等があげられ、また、これらは単独あるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0011】本発明で使用される炭素繊維は、アクリル
系、ピッチ系、レイヨン系、リグニン系等いずれも使用
できる。本発明では繊維強度の最も高いアクリル系が最
も好ましい。また、炭素繊維は樹脂を被覆する前に、繊
維表面をオゾン、プラズマ、硝酸、電解等の通常の方法
で酸化処理をしておくことが好ましい。本発明の炭素繊
維を製造する方法は特に限定がなく、従来公知の方法が
採用できる。例えば、芳香族ポリアリルエーテルケトン
系樹脂を有機溶媒に溶解した溶液に炭素繊維を浸し、そ
の後乾燥し溶媒を除去する方法である。
【0012】使用される溶媒としては、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル
カプロラクタム、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、スルホラン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホ
スホルアミド、ニトロベンゼン、2−ニトロトルエン、
3−ニトロトルエン、4−ニトロトルエン、フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、
2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4
−キシレノール、3,5−キシレノール、o−クロロフ
ェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノー
ル、p−ブロモフェノール、o−フルオロフェノール、
p−フルオロフェノール等が挙げられる。また、これら
の溶媒は、芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂の種
類により、単独または2種以上混合して使用しても差し
支えない。
【0013】乾燥温度は、溶媒の種類により異なるが、
通常 100〜500℃、好ましくは150〜450℃
である。こうして得られる炭素繊維の、芳香族ポリアリ
ルエーテルケトン系樹脂の被覆量は繊維に対し0.05
〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、さらに
好ましくは3〜10重量%とするのが適当である。0.
05重量%未満では本発明の効果は得られず、また20
重量%をこえて被覆させても、機械物性のより大きい向
上は期待できず意味がない。
【0014】本発明の樹脂組成物において、前記の高耐
熱性樹脂100重量部に対して炭素繊維は5〜100重
量部が好適である。好ましくは10〜70重量部、さら
に好ましくは20〜60重量部である。5重量部未満で
は本発明の特徴とする炭素繊維特有の補強効果は得られ
ない。また逆に100重量部より多く使用すると、組成
物の成形時の流動性が悪くなり、成形加工性が低下し満
足な成形品を得ることが困難となる。
【0015】本発明の樹脂組成物に用いられる高耐熱性
樹脂としては、Tm(融点)が250℃以上またはTg
(ガラス転移温度)が100℃以上のものが好適で、好
ましくはTm300℃以上、Tg140℃以上のもので
例えば、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエー
テルイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリアミドイ
ミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリフェニレンスルフ
ィド、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリ
エーテルケトン、芳香族ポリエーテルまたは芳香族ポリ
エステル等があげられ、また、これらは単独あるいは2
種以上混合して使用される。具体的には芳香族ポリエー
テルスルホンとしては、式(II)(化5)の構造のもの
(Tg;225℃、Tm;なし)、
【0016】
【化5】 芳香族ポリエーテルイミドとしては、式(III)(化
6)の構造のもの(Tg;215℃、Tm;なし)、
【0017】
【化6】 芳香族ポリスルホンとしては、式(IV)(化7)の構造
のもの(Tg;190℃、Tm;なし)、
【0018】
【化7】 芳香族ポリイミドとしては、式(V)(化8)の構造の
もの(Tg;170〜260℃、Tm;なし〜390
℃)、
【0019】
【化8】 ただし式(V)中、Zは下記式(化9)からなる群より
選ばれた1種または2種以上の基である。
【0020】
【化9】 またYは直接結合、−SO2−、−CO−、−C(CH3
)2 −または−S−である。芳香族ポリフェニレンス
ルフィドとしては、式(VI)(化10)の構造のもの
(Tg;88℃、Tm;285℃)、
【0021】
【化10】 芳香族ポリエーテルエーテルケトンとしては、式(VI
I)(化11)の構造のもの(Tg;143℃、Tm;
334℃)、
【0022】
【化11】 芳香族ポリエーテルケトンとしては、式(VIII)(化1
2)の構造のもの(Tg;154℃、Tm;367
℃)、
【0023】
【化12】 芳香族ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンとして
は、式(IX)(化13)の構造のもの(Tg;173
℃、Tm;380℃)、
【0024】
【化13】 芳香族ポリエーテルとしては、式(X)(化14)の構
造のもの(Tg;145℃、Tm;340℃)、
【0025】
【化14】 などがあげられる。
【0026】また、本発明の目的を損なわない範囲で、
他の熱可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも
可能である。配合することのできる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミドなどがあげ
られる。また、熱硬化性樹脂または充填材を、発明の目
的を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬
化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リベンゾイミダゾール樹脂等があげられる。充填材とし
ては、グラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫
化モリブデン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐トラッ
キング向上材、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カル
シウム等の耐酸性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム
粉、銅粉等の熱伝導度向上材、その他ガラスビーズ、タ
ルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミ
ナ、金属酸化物、着色料、可塑剤等である。
【0027】本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法に
より製造できるが特に次に示す方法が好ましい。 (1)高耐熱性樹脂粉末、炭素繊維を乳鉢、ヘンシャル
ミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、
ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備混合
し、ついで通常公知の溶融押出機溶融混合機、熱ロール
などで混練した後、ペレットまたは粉状にする。 (2)高耐熱性樹脂粉末を予め有機溶媒に溶解または懸
濁させ、この溶液あるいは懸濁液に炭素繊維を浸漬し、
然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去した後、ペレット
状または粉状にする。
【0028】この場合、使用される溶媒としては例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド
等があげられる。またこれらの有機溶媒は、単独でもあ
るいは2種以上混合しても差し支えない。
【0029】本発明の高耐熱性樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法な
どの公知の成形法により成形され実用に供される。 こ
のようにして成形された本発明の高耐熱性樹脂組成物
は、機械物性、特に高温下での機械物性が優れており、
機械部品、自動車部品等に使用できる。また、これらの
成形物は残留応力の除去および/または結晶化を目的と
して、適当な温度で熱処理することにより、機械物性を
向上させることもできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明の
炭素繊維およびそれを用いた高耐熱性樹脂組成物の製造
例および得られた樹脂組成物の物性を、詳細に説明す
る。 実施例1 ポリエーテルエーテルケトン樹脂 PEEK450P
(三井東圧化学)をp−クロロフェノールに溶解し、1
重量%溶液を調整した。この溶液に、表面を酸化処理し
たアクリル系炭素繊維を浸漬し、その後300℃で乾燥
し脱溶媒を行った後、3mmの長さに切断した。こうし
て得られた炭素繊維の樹脂被覆量は繊維に対して5重量
%であった。
【0031】実施例2 芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂として、ポリエ
ーテルケトン樹脂 PEK220(ICI社製)を用い
た他は、実施例1と同様の方法で芳香族ポリアリルエー
テルケトン系樹脂で被覆された炭素繊維を製造した。得
られた炭素繊維の樹脂被覆量は繊維に対して4重量%で
あった。
【0032】実施例3 芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂として、ポリエ
ーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂 Ultrap
ek A1000(BASF社製)を用いた他は、実施
例1と同様の方法で芳香族ポリアリルエーテルケトン系
樹脂で被覆された炭素繊維を製造した。こうして得られ
た炭素繊維の樹脂被覆量は繊維に対して4重量%であっ
た。
【0033】実施例4 実施例1で得られた炭素繊維と、高耐熱性樹脂としてポ
リエーテルエーテルケトン樹脂 PEEK 450P
(三井東圧化学)を、表−1に示した割合で配合し混合
した後、40mm径の押出機により400℃で溶融混練
しペレットを得た。得られたペレットを通常の射出成形
機を用いて、シリンダー温度410℃、金型温度180
℃の条件で成形し、各種試験片を得た。
【0034】引張り強度(ASTM D−638によ
る)、曲げ強度および曲げ弾性率(ASTM D−79
0)、アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)(ASTM
D−256)の結果を表−1および2に示す。なお、以
下の実施例および比較例における物性の測定条件は、こ
の実施例の条件と同様である。
【0035】実施例5 実施例2で得られた炭素繊維を用いた他は、実施例4と
同様の方法でポリエーテルエーテルケトン樹脂組成物の
成形品を作成した。各種物性の測定結果を表−1に示
す。
【0036】実施例6 実施例3で得られた炭素繊維を用いた他は、実施例4と
同様の方法でポリエーテルエーテルケトン樹脂組成物の
成形品を作成した。各種物性の測定結果を表−1に示
す。
【0037】実施例7 実施例1で得られた炭素繊維と、高耐熱性樹脂としてポ
リエーテルスルホン樹脂 PES 4100P(三井東
圧化学)を、表−2に示した割合で配合し混合した後、
40mm径の押出機により360℃で溶融混練しペレッ
トを得た。得られたペレットを通常の射出成形機を用い
て、シリンダー温度370℃、金型温度160℃の条件
で成形し、各種試験片を得た。各種物性の測定結果を表
−2に示す。
【0038】実施例8 実施例1で得られた炭素繊維と、高耐熱性樹脂としてポ
リエーテルイミド樹脂Ultem 1000(GE社)
を、表−2に示した割合で配合し混合した後、40mm
径の押出機により360℃で溶融混練しペレットを得
た。得られたペレットを通常の射出成形機を用いて、シ
リンダー温度370℃、金型温度160℃の条件で成形
し、各種試験片を得た。各種物性の測定結果を表−2に
示す。
【0039】実施例9 実施例1で得られた炭素繊維と、高耐熱性樹脂としてポ
リエーテルケトン樹脂PEK 220(ICI社)を、
表−2に示した割合で配合し混合した後、40mm径の
押出機により400℃で溶融混練しペレットを得た。得
られたペレットを通常の射出成形機を用いて、シリンダ
ー温度410℃、金型温度180℃の条件で成形し、各
種試験片を得た。各種物性の測定結果を表−2に示す。
【0040】実施例10 実施例1で得られた炭素繊維と、高耐熱性樹脂としてポ
リイミド樹脂 オーラム PL450(三井東圧化学)
を、表−2に示した割合で配合し混合した後、40mm
径の押出機により420℃で溶融混練しペレットを得
た。 得られたペレットを通常の射出成形機を用いて、
シリンダー温度420℃、金型温度190℃の条件で成
形し、各種試験片を得た。各種物性の測定結果を表−2
に示す。
【0041】比較例1〜5 実施例4および7〜10において、芳香族ポリアリルエ
ーテルケトン系樹脂で被覆された炭素繊維にかえて、エ
ポキシ樹脂で収束されたアクリル系炭素繊維を使用した
他はまったく同様の方法で、高耐熱性樹脂組成物の試験
片を成形した。各種物性の測定結果を表−1および2に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の炭素繊維は、高耐熱性樹脂と配
合した際に高い繊維補強効果が得られ、高耐熱性樹脂が
本来有する優れた機械物性、耐熱性が得られる。更に、
本発明の高耐熱性樹脂組成物は、機械物性、耐熱性に優
れているため、これらの物性を必要とする電気・電子部
品、自動車部品、精密機械部品、更には医療機器部品、
宇宙航空機用基材等に用いられる極めて有用な材料であ
り、産業上の利用効果は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 淳 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 古川 博之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂で
    表面を被覆した炭素繊維。
  2. 【請求項2】芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂が
    式(I)(化1)のくり返し構造単位を有するものある
    請求項1の炭素繊維。 【化1】 (Xは炭素数30以下の芳香族基を表す。)
  3. 【請求項3】芳香族ポリアリルエーテルケトン系樹脂を
    有機溶媒に溶解し、その溶液に炭素繊維を浸漬し、次に
    乾燥することによって得られる請求項1の炭素繊維の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項1の炭素繊維5ないし100重量部
    と、Tm(融点)が250℃以上またはTg(ガラス転
    移温度)が100℃以上の高耐熱性樹脂100重量部を
    主体としてなる高耐熱性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項4の高耐熱性樹脂組成物を用いた成
    形物。
JP18948094A 1994-08-11 1994-08-11 高耐熱性樹脂強化用炭素繊維およびその樹脂組成物 Pending JPH0853551A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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