JP3667040B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械特性、疲労特性、耐熱性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の高耐熱性樹脂は耐熱性、機械特性、耐薬品性などの点で汎用エンジニアリングプラスチックより大幅に優れていることにより、スーパーエンジニアリングプラスチックと称されており、電気・電子機器、機械・自動車用部品、航空・宇宙用部品等の用途に使用されている。これらのなかでもポリイミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性等の特性が最も高く、非常に優れた樹脂として位置付けられている。
【0003】
しかし、ポリイミド樹脂でも使用目的によってはこれらの特性が不十分な場合があり、それを解決する手段として結晶化がある。一般に結晶性のスーパーエンジニアリングプラスチックは汎用樹脂と比較すると、その構造の剛直性などの理由から結晶化速度が遅く、通常の射出成形等で得られた成形物は、その結晶化度が樹脂の最大結晶化度(ポリイミド樹脂の場合、通常樹脂中最大35%程度である)に到達していない場合が多い。同種のポリマーの非晶状態と結晶状態で特性を比較すると、機械特性、耐熱性、耐薬品性等において後者の方が優れていることが知られている。そのため、熱処理による後結晶化を行い、結晶化を促進してそれらの特性を向上させるという手法がしばしば用いられる。
【0004】
しかし、製品の製造の際に熱処理工程が加わることによりコストアップ、時間およびエネルギーのロス、熱処理による後結晶化により寸法変化、変形、表面の粗化等の問題点が生じる。
【0005】
この問題点を解決する手段として例えば特開平06-41424号公報では、結晶性ポリイミド樹脂にポリエーテルエーテルケトン樹脂をブレンドすることにより、ポリイミド樹脂を後結晶化させるための熱処理条件の緩和と熱処理前後の寸法変化を改良した例が示されているが、前記の問題点が完全に解決したとはいえない。
【0006】
射出成形で得られた製品が後結晶化する必要がないほど金型内で結晶化を達成していれば、これらの問題点は全く生じない。即ち、より速い結晶化速度を有し、射出成形時に金型内にて結晶化が達成される耐熱性の樹脂組成物が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、通常の射出成形で得られた成形品が熱処理による後結晶化を必要とすることなく金型内で結晶化を達成され、機械特性、耐熱性、耐薬品性等に優れた樹脂組成物およびその成形物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を達成するため鋭意検討した結果、所望の性能を有する新規な樹脂組成物を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)下記式(A)(化3)のくり返し構造単位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの範囲である結晶性ポリイミド樹脂A
【0010】
【化3】
Figure 0003667040
100重量部に対し、下記式(B)(化4)のくり返し構造単位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gである結晶性ポリイミド樹脂B
【0011】
【化4】
Figure 0003667040
20重量部以上100重量部以下を含有することを特徴とする樹脂組成物及び
(2)請求項1の樹脂組成物100重量部に対し、繊維状補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹脂組成物である。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明の樹脂組成物に用いられる結晶性ポリイミド樹脂Aは前記式(A)のくり返し構造単位を有するポリイミド樹脂であり、AURUM(登録商標、三井東圧化学社製、ガラス転移温度250℃、融点388℃)が挙げられる。
該ポリイミド樹脂は成形加工性に優れた樹脂であるが、結晶化速度が遅く、単体では射出成形の金型内で結晶化させることが困難である。
該ポリイミド樹脂は上記の市販品を用いてもよいが、下記の方法で合成することもでき、下記式(C)(化5)で表されるジアミン
【0013】
【化5】
Figure 0003667040
と下記式(D) (化6)で表されるテトラカルボン酸二無水物
【0014】
【化6】
Figure 0003667040
とを脱水共縮合して得られる。
該ポリイミド樹脂の分子量は対数粘度(ηinh)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ましくは0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは0.3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4〜1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満では分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できない。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成形等の溶融成形が困難になる。
【0015】
結晶性ポリイミド樹脂Aの製造方法は、公知のイミド化反応を適用できる。
原料化合物の使用量は、通常ジアミン1当量に対してテトラカルボン酸二無水物を0.90当量〜0.99当量の範囲である。好ましくは0.93〜0.985、より好ましくは0.95〜0.98の範囲である。0.90当量未満では分子量が十分に高くないため、得られるポリマーの機械物性が十分でない場合がある。0.99を超えると分子量が高くなりすぎて流動性が損なわれるという問題が生じる。
【0016】
該ポリイミド樹脂の合成においては、分子の反応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上する。
反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。ここで使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも2種類以上混合して用いても良い。
【0017】
反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24時間である。
更にイミド化の方法としては、前駆体であるポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られる。
なお、本発明における対数粘度(ηinh)は、p−クロロフェノール/フェノール(重量比9/1)混合溶媒100mlにポリイミド粉0.50gを加熱溶解した後、35℃において測定した値である。
【0018】
本発明の樹脂組成物に用いられる結晶性ポリイミド樹脂Bは前記式(B)のくり返し構造単位を有するポリイミド樹脂である。
該ポリイミド樹脂は結晶化速度が非常に速いが、ガラス転移温度が200℃付近と低く、単体ではポリイミド樹脂特有の優れた耐熱性を十分に発揮できない場合がある。
該ポリイミド樹脂は下記式(E)(化7)で表されるジアミン
【0019】
【化7】
Figure 0003667040
と下記式(F) (化8)で表されるテトラカルボン酸二無水物
【0020】
【化8】
Figure 0003667040
とを脱水共縮合して得られる。
【0021】
該ポリイミド樹脂の分子量は対数粘度(ηinh)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ましくは0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは0.3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4〜1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満では分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できない。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成形等の溶融成形が困難になる。
【0022】
結晶性ポリイミド樹脂Bの製造方法は、公知のイミド化反応を適用できる。
原料化合物の使用量は、通常ジアミン1当量に対してテトラカルボン酸二無水物を0.90当量〜0.99当量の範囲である。好ましくは0.93〜0.985、より好ましくは0.95〜0.98の範囲である。0.90当量未満では分子量が十分に高くないため、得られるポリマーの機械物性が十分でない場合がある。0.99を超えると分子量が高くなりすぎて流動性が損なわれるという問題が生じる。
【0023】
該ポリイミド樹脂の合成においては、分子の反応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上する。
【0024】
反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。ここで使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも2種類以上混合して用いても良い。
【0025】
反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24時間である。
更にイミド化の方法としては、前駆体であるポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られる。
【0026】
本発明において、結晶性ポリイミド樹脂A100重量部に対し、結晶性ポリイミド樹脂Bの量は20重量部以上100重量部以下の範囲である。好ましくは25〜90重量部、より好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部、最も好ましくは50〜60重量部である。
20重量部未満では結晶化促進効果が少なく、十分でない。また、100重量部を超えるとポリイミド樹脂BのTgが低いため、結晶性ポリイミド樹脂Aの特性である耐熱性を損なうことがある。
【0027】
本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能である。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、及びその他の熱可塑性ポリイミドなどがあげられる。
【0028】
また、熱硬化性樹脂、充填材を発明の目的を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、アスベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シリコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法により製造できるが特に次に示す方法が好ましい。
(1)結晶性ポリイミド樹脂A粉末、結晶性ポリイミド樹脂B粉末、及び必要に応じて他の樹脂、炭素繊維等の繊維状補強材、その他添加剤を乳鉢、ヘンシャルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備混合し、ついで通常公知の溶融押出機、溶融混合機、熱ロールなどで混練した後、ペレットまたは粉状にする。
【0030】
(2)結晶性ポリイミド樹脂A粉末、結晶性ポリイミド樹脂B粉末、及び必要に応じて他の樹脂、炭素繊維等の繊維状補強材、その他添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁させ、この溶液あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補強材を浸漬し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去した後、ペレット状または粉状にする。
【0031】
この場合、使用される溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド等があげられる。またこれらの有機溶媒は、単独でもあるいは2種以上混合しても差し支えない。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法などの公知の成形法により成形され実用に供される。
型内結晶したものは結晶化する前と比べて荷重たわみ温度が約10℃上昇する。また、繊維状補強材で補強することにより約60〜100℃上昇する利点もある。
このようにして成形された本発明の樹脂組成物は、耐熱性、機械物性が優れており、高温下で使用される成形品、複雑な形状の成形品、寸法精度の要求される成形品への使用に適している。ICキャリア、ICトレー、HDDキャリア、LCDキャリア、水晶発振器製造用トレー等の電気電子部品製造用治具、コネクター、ソケット、ボビン等の電気部品、アイロン、オーブン等の熱器具部品、事務機器用品、耐熱ブッシュ等のOA機器等に使用でき、たいへん有用である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明の樹脂組成物の製造例及び得られた樹脂組成物の物性を詳細に説明する。
【0034】
ポリイミド樹脂Bの合成例
撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン204.4g(0.7モル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物199.6g(0.679モル)、無水フタル酸6.22g(0.06モル)、m−クレゾール1480gを装入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら200℃まで加熱昇温した。その後200℃で4時間反応させたところ、その間に約9mlの水の留出が確認された。反応終了後室温まで冷却し、約2000mlのトルエンを装入後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉をトルエンで洗浄した後、窒素中で250℃/5時間乾燥してポリイミド粉Bを得た。得られたポリイミド粉Bのηinhは、0.9dl/gであった。
【0035】
実施例1〜4
ポリイミド樹脂A(商品名AURUM PL450(三井東圧化学製)、ηinh:0.52)、合成例で得られたポリイミド樹脂B、及び炭素繊維(東邦レーヨン製:HTA−C6−TX)を表1に示した割合で配合し混合した後、40mm径の押出機により410℃で溶融混練し、ペレットを得た。
得られたペレットを通常の射出成形機を用いてシリンダー温度410℃、金型温度200℃、冷却時間30秒の条件で成形し、各種試験片を得、これらを用いて結晶化度(DSC測定の結晶化ピークの強度による)を測定した。また、各種試験片を用いて引張強度(ASTM−D638による)及び荷重たわみ温度(ASTM−D648による)を測定した。実験結果は表1にまとめた。
ここでDSCによる結晶化度の測定は、セイコー電子工業株式会社製SSC5200熱分析システム装置を用い、窒素雰囲気で、10℃/分で昇温した。
【0036】
比較例1〜4
ポリイミド樹脂A(商品名AURUM PL450(三井東圧化学製)、ηinh:0.52)、合成例で得られたポリイミド樹脂B、及び炭素繊維(東邦レーヨン製:HTA−C6−TX)を表2に示した割合で実施例と同様に実験を行った。実験結果は表2にまとめた。
【0037】
表1及び表2から、本発明の樹脂組成物は、ポリイミド樹脂Aの単独、本願発明の範囲外の樹脂組成物に比較し、結晶化速度が著しく速く、金型温度200℃、冷却時間30秒の条件下での射出成形の金型内で結晶化が十分に進行していることがわかる。また、結晶化することによって荷重たわみ温度が上昇し、さらに靱性の目安となる伸びも優れていることがわかる。
【0038】
【表1】
Figure 0003667040
【0039】
【表2】
Figure 0003667040
【0040】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、熱処理することなく射出成形の金型内で結晶化しうる機械特性、耐熱性、耐薬品性等に優れた樹脂組成物である。
このため、これらの特性を必要とする構造部材、機械部品、自動車部品、さらには宇宙航空機用基材等に用いられる極めて有用な材料であり、産業上の利用効果は非常に大きい。

Claims (2)

  1. 下記式(A)(化1)のくり返し構造単位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの範囲である結晶性ポリイミド樹脂A
    Figure 0003667040
    100重量部に対し、下記式(B)(化2)のくり返し構造単位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gである結晶性ポリイミド樹脂B
    Figure 0003667040
    20重量部以上100重量部以下を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 請求項1の樹脂組成物100重量部に対し、繊維状補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹脂組成物。
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