JPH11114744A - 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具 - Google Patents

金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具

Info

Publication number
JPH11114744A
JPH11114744A JP27475797A JP27475797A JPH11114744A JP H11114744 A JPH11114744 A JP H11114744A JP 27475797 A JP27475797 A JP 27475797A JP 27475797 A JP27475797 A JP 27475797A JP H11114744 A JPH11114744 A JP H11114744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jig
polyimide resin
resin composition
range
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27475797A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikunori Yoshida
育紀 吉田
Kayako Yanagihara
香弥子 柳原
Masaji Yoshimura
正司 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP27475797A priority Critical patent/JPH11114744A/ja
Publication of JPH11114744A publication Critical patent/JPH11114744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】下記式(1)(化1)の繰り返し構造単位
を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/
gの範囲である結晶性ポリイミド樹脂A 【化1】 と下記式(2)(化2)の繰り返し構造単位を有し、対
数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの範囲で
ある結晶性ポリイミド樹脂B 【化2】 の重量部比が10/90〜99.9/0.1の範囲であ
る樹脂組成物からなる耐熱性治具。 【効果】 本発明の耐熱性治具は完全に射出成形の金型
内で結晶化するポリイミド樹脂組成物を用いるため、熱
処理して後結晶化させる必要がなく、変形の少ない耐熱
性、耐薬品性の優れた製品を得ることができ、産業上の
利用効果は非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工する素材を工作
機械に取り付け、刃物を正しく当てたり、水や薬液によ
る洗浄時や乾燥時の製品の固定等の目的に使用される治
具に関する。
【0002】
【従来の技術】洗浄時の治具及び/または乾燥時の治具
は、耐薬品性、耐熱性に優れ、高強度である金属が主と
して用いられてきた。しかし、アルミ等の金属製治具は
複雑な形状の治具の射出成形が不可能なため、コストの
高い切削加工により製造されている。
【0003】高コストの問題を解決するべく、金属の代
替材料として治具の樹脂化が検討されてきた。例えば、
液晶ポリマーであるが、耐薬品性、耐熱性に優れ、高強
度の特性を有するが、寸法変化の異方性、低ウエルド強
度及び成形品表面の層状剥離等のさまざまな欠点を有し
ており、本用途における展開は制限される。
【0004】最近になって、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等、耐熱
性の結晶性樹脂を用いた治具が開発されてきたが、これ
らの結晶性樹脂を用いた治具は耐熱性または耐薬品性の
点でいまだ不十分であり、更なる改良が望まれていた。
【0005】これらの欠点を解決すべく、本出願人は特
開昭62−236858号公報等に記載されているよう
な結晶性ポリイミド樹脂を開発した。
【0006】該ポリイミド樹脂は熱的性質、機械的性質
等に優れた性能を有しているため広範囲の分野で使用さ
れているが、射出成形によって得られる成形品は通常非
晶品である。ポリイミド樹脂特有の耐熱性や耐薬品性を
さらに発揮させる手段として結晶化が考えられるが、該
ポリイミド樹脂を結晶化させるためには一旦非晶品の状
態で取り出した後、オーブン等を用いて熱処理し、後結
晶化させる必要があった。しかし、この手法では後結晶
化に時間がかかるだけではなく、熱処理による変形、寸
法変化がおきる等の問題点が有り、まだ満足のゆくもの
ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決した、耐薬品性及び耐熱性の良好な結晶性ポリイ
ミド樹脂製の耐熱性治具を得ることを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するために各種の汎用プラスチック及びエンジ
ニアプラスチック製耐熱性治具を種々検討した結果、金
型内で結晶化する熱可塑性結晶性ポリイミド樹脂を含む
樹脂組成物を用いて、射出成形により金型内で結晶化さ
せた治具が最適であることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)
に記載した事項により特定される。 (1)下記式(1)(化3)の繰り返し構造単位を有
し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの
範囲である結晶性ポリイミド樹脂A
【0009】
【化3】 と下記式(2)(化4)の繰り返し構造単位を有し、対
数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの範囲で
ある結晶性ポリイミド樹脂B
【0010】
【化4】 の重量部比が10/90〜99.9/0.1の範囲であ
る樹脂組成物からなる耐熱性治具。 (2)請求項1記載の樹脂組成物100重量部に対し繊
維状補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹脂組成物
からなる耐熱性治具。 (3)治具が洗浄時の治具、及び/または乾燥時の治具
である請求項1乃至2の何れかに記載した耐熱性治具。 〈4)射出成形において金型内で結晶化させることを特
徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐熱性治具。
【0011】
【発明の実施形態】本発明の耐熱性治具とは、加工する
素材を工作機械に取り付け、刃物を正しく当てたり、水
や薬液による洗浄時や乾燥時の製品の固定等の目的に使
用される治具のことをいう。
【0012】本発明の樹脂組成物は金型内で結晶化が達
成される。金型内で結晶化が達成されることによりポリ
イミド樹脂本来の耐熱性が発揮され、かつ後結晶化等の
手法による寸法変化等の少ない、結晶化が達成した成形
品を得ることができる。
【0013】本発明の樹脂組成物に用いられる結晶性ポ
リイミド樹脂組成物としては、下記式(1)(化5)で
表されるポリイミド樹脂A、
【0014】
【化5】 下記式(2)(化6)で表されるポリイミド樹脂B、
【0015】
【化6】 重量部比が10/90〜99.9/0.1の範囲である
樹脂組成物が挙げられる。ポリイミド樹脂Aは下記式
(3)(化7)で表されるジアミン
【0016】
【化7】 と下記式(4)(化8)で表されるテトラカルボン酸二
無水物
【0017】
【化8】 とを脱水共縮合して得られる。
【0018】該ポリイミドの分子量は対数粘度(ηin
h)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ましく
は0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは0.
3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4〜
1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満では
分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できな
い。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成
形等の溶融成形が困難になる。なお、本発明における対
数粘度(ηinh)は、p−クロロフェノール/フェノ
ール(重量比9/1)混合溶媒100mlにポリイミド
粉0.50gを加熱溶解した後、35℃において測定し
た値である。
【0019】該ポリイミド樹脂の製造方法は、公知のイ
ミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量は、通常
ジアミン1当量に対してテトラカルボン酸二無水物を
0.90当量〜0.99当量の範囲である。好ましくは
0.93〜0.985、より好ましくは0.95〜0.
98の範囲である。0.90当量未満では分子量が十分
に高くないため、得られるポリマーの機械物性が十分で
ない場合がある。0.99を超えると分子量が高くなり
すぎて流動性が損なわれるという問題が生じる。
【0020】該ポリイミドの合成においては、分子の反
応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応
末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上す
る。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。ここ
で使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメト
キシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプ
ロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシ
エトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p
−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも
2種類以上混合して用いても良い。
【0021】反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好
ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶
媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24
時間である。
【0022】更にイミド化の方法としては、前駆体であ
るポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化
するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イ
ミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られ
る。
【0023】ポリイミド樹脂Bは前記式(2)のくり返
し構造単位を有するポリイミド樹脂であり、AURUM
(登録商標、三井東圧化学株式会社製、ガラス転移温度
250℃、融点388℃)が挙げられる。該ポリイミド
は上記の市販品を用いてもよいが、下記の方法で合成す
ることもでき、下記式(5)(化9)で表されるジアミ
【0024】
【化9】 と下記式(6)(化10)で表されるテトラカルボン酸
二無水物
【0025】
【化10】 とを脱水共縮合して得られる。
【0026】該ポリイミドの分子量は対数粘度(ηin
h)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ましく
は0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは0.
3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4〜
1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満では
分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できな
い。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成
形等の溶融成形が困難になる。該ポリイミド樹脂の製造
方法は、公知のイミド化反応を適用できる。
【0027】原料化合物の使用量は、通常ジアミン1当
量に対してテトラカルボン酸二無水物を0.90当量〜
0.99当量の範囲である。好ましくは0.93〜0.
985、より好ましくは0.95〜0.98の範囲であ
る。0.90当量未満では分子量が十分に高くないた
め、得られるポリマーの機械物性が十分でない場合があ
る。0.99を超えると分子量が高くなりすぎて流動性
が損なわれるという問題が生じる。
【0028】該ポリイミドの合成においては、分子の反
応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応
末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上す
る。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。ここ
で使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメト
キシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプ
ロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシ
エトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p
−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも
2種類以上混合して用いても良い。
【0029】反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好
ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶
媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24
時間である。
【0030】更にイミド化の方法としては、前駆体であ
るポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化
するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イ
ミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られ
る。
【0031】本発明の樹脂組成物において、ポリイミド
樹脂Aとポリイミド樹脂Bの重量部比は10/90〜9
9.9/0.1の範囲である。好ましくは10/90〜
99/1、より好ましくは10/90〜90/10、さ
らに好ましくは30/70〜80/20の範囲である。
ポリイミド樹脂Aの比率が10/90未満では結晶化が
十分に達成されず好ましくない。
【0032】該樹脂組成物を使用する場合、金型温度は
180〜280℃の範囲である。好ましくは190〜2
70℃の範囲、より好ましくは200〜265℃の範
囲、最も好ましくは210〜260℃の範囲である。2
80℃を超える金型温度では成形品の離型ができない場
合がある。180℃未満の金型温度では結晶性ポリイミ
ド樹脂の結晶化が十分に進まず、そのままではポリイミ
ド樹脂特有の高温での耐熱性が発揮できない。非晶の状
態で成形品を取り出し、後結晶化させる場合は後結晶化
に伴い変形が大きくなり、使用に耐える形状を保持でき
ない場合がある。
【0033】本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱
可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能で
ある。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケ
トンケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセ
タール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、
ポリスルホン、及びその他の熱可塑性ポリイミドなどが
あげられる。
【0034】また、熱硬化性樹脂、充填材を発明の目的
を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。
【0035】本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法に
より製造できるが特に次に示す方法が好ましい。 (1)結晶性ポリイミド樹脂粉末、炭素繊維等の繊維状
補強材、その他添加剤を乳鉢、ヘンシャルミキサー、ド
ラムブレンダー、タンブラーブレンダー、ボールミル、
リボンブレンダーなどを利用して予備混合し、ついで通
常公知の溶融押出機、溶融混合機、熱ロールなどで混練
した後、ペレットまたは粉状にする。
【0036】(2)結晶性ポリイミド樹脂粉末、その他
添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁させ、この溶液
あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補強材を浸漬し、
然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去した後、ペレット
状または粉状にする。
【0037】この場合、使用される溶媒としては例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド
等があげられる。またこれらの有機溶媒は、単独でもあ
るいは2種以上混合しても差し支えない。
【0038】本発明の樹脂組成物は、射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法などの公知
の成形法により成形され実用に供される。本発明の結晶
性ポリイミド樹脂製治具は、耐熱性、耐薬品性、機械特
性に優れ、特に寸法精度が良く、軽量であり、高温にお
いても高剛性が維持される等の特徴を有する。
【0039】本発明の治具は、洗浄用の治具及び/また
は乾燥時の治具である。洗浄溶剤としては、結晶化した
ポリイミドの耐熱性良好であるものはいずれにおいても
使用できる。例えば、塩酸、濃塩酸、硫酸、濃硫酸、硝
酸、濃硝酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム
水溶液、エンジンオイル、ギアーオイル、その他のオイ
ル、トリクレン、トルエン、パークロロエチレン、アル
コール、トリクロロエチレン、ジクロルメタン、クロロ
ホルム、ガソリン、ケロシン、一般洗浄剤等が挙げられ
る。使用される洗浄方法としては、溶剤中への浸漬、超
音波洗浄、蒸気下等多種の方法が用いられる。
【0040】また、乾燥時に用いられる乾燥機は熱風乾
燥機、真空乾燥機、遠赤外乾燥機、窒素雰囲気下乾燥
機、自然乾燥等いずれを用いても何ら問題無い。
【0041】
【実施例】以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明す
る。 ポリイミド樹脂Aの合成例 撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン20
4.4g(0.7モル)と3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物199.6g(0.67
9モル)、無水フタル酸6.22g(0.06モル)、
m−クレゾール1480gを装入し、窒素雰囲気下で撹
拌しながら200℃まで加熱昇温した。その後200℃
で4時間反応させたところ、その間に約9mlの水の留
出が確認された。反応終了後室温まで冷却し、約200
0mlのトルエンを装入後、ポリイミド粉を濾別した。
このポリイミド粉をトルエンで洗浄した後、窒素中で2
50℃/5時間乾燥してポリイミド粉Aを得た。得られ
たポリイミド粉Aのηinhは、0.9dl/gであっ
た。
【0042】実施例1〜4 合成例で得られたポリイミド樹脂A、及びポリイミド樹
脂B(AURUM PL450(三井東圧化学))、及
び炭素繊維(東邦レーヨン製:HTA−C6−TX)を
表1に示す割合で配合し混合した後、40mm径の押出
機により410℃で溶融混練しペレットを得た。
【0043】得られたペレットを型締力100トンの射
出成形機により、シリンダー温度410℃、金型温度2
10℃の条件で成形して図1に示すような結晶性ポリイ
ミド樹脂製の治具を得た。外観は良好で光沢のある治具
が得られた。成形条件等は表1にまとめた。
【0044】また、得られた治具を用いて濃硫酸および
クロロホルム中に10日間浸漬後、成形品の外観の観察
を行い、変化のない場合は○、若干変色の場合は△、完
全に変色した場合は×でその評価を行った。実験結果は
表2にまとめた。
【0045】また、得られた治具を図2に示すように設
置し、250℃/5時間の条件でイナートオーブン(ヤ
マト科学社製 DN43HI/63HI)を用いて熱処
理し、治具の変形を調べた。実験結果は表2にまとめ
た。
【0046】比較例1 使用した樹脂をAURUM PL450に変えた以外は
実施例1と同様に実験を行った。実験結果等は表1、表
2にまとめた。
【0047】比較例2 使用した樹脂をVICTREX PEEK450P(V
ICTREX社製)に変えた以外は実施例1と同様に実
験を行った。実験結果等は表1、表2にまとめた。
【0048】以上、実施例から明らかなように、本発明
の金型内結晶化するポリイミド樹脂組成物を用いた治具
は、高温での耐熱性に優れ、良好な耐薬品性を有し、実
使用時に変形等を生じないことが明らかである。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本願発明である金型内で
結晶化する結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いた耐熱性
治具は、従来の治具と比較して著しく高性能化してお
り、広範囲条件にて使用することができることを可能に
しており、発明の意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で作製した治具の図であ
る。
【図2】 治具を用いて変形を調べる実験の方法を示し
た図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)(化1)の繰り返し構造単
    位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl
    /gの範囲である結晶性ポリイミド樹脂A 【化1】 と下記式(2)(化2)の繰り返し構造単位を有し、対
    数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl/gの範囲で
    ある結晶性ポリイミド樹脂B 【化2】 の重量部比が10/90〜99.9/0.1の範囲であ
    る樹脂組成物からなる耐熱性治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物100重量部
    に対し繊維状補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹
    脂組成物からなる耐熱性治具。
  3. 【請求項3】 治具が洗浄時の治具、及び/または乾燥
    時の治具である請求項1乃至2の何れかに記載した耐熱
    性治具。
  4. 【請求項4】 射出成形において金型内で結晶化させる
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐熱
    性治具。
JP27475797A 1997-10-07 1997-10-07 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具 Pending JPH11114744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27475797A JPH11114744A (ja) 1997-10-07 1997-10-07 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27475797A JPH11114744A (ja) 1997-10-07 1997-10-07 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11114744A true JPH11114744A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17546164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27475797A Pending JPH11114744A (ja) 1997-10-07 1997-10-07 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11114744A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11114743A (ja) * 1997-10-07 1999-04-27 Mitsui Chem Inc 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
WO1999058595A1 (fr) * 1998-05-13 1999-11-18 Mitsui Chemicals, Incorporated Polyimide cristallin a stabilite thermique satisfaisante pour moulage a l'etat fondu
JP2004026944A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性ポリイミド樹脂組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11114743A (ja) * 1997-10-07 1999-04-27 Mitsui Chem Inc 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
WO1999058595A1 (fr) * 1998-05-13 1999-11-18 Mitsui Chemicals, Incorporated Polyimide cristallin a stabilite thermique satisfaisante pour moulage a l'etat fondu
US6458912B1 (en) 1998-05-13 2002-10-01 Mitsui Chemicals, Inc. Crystalline polyimide for melt molding with satisfactory thermal stability
JP2004026944A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性ポリイミド樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0313407B1 (en) Method for preparing polyimide and composite material thereof
Yang et al. Novel thermoplastic polyimide composite materials
WO1992012967A1 (en) Bisimide compounds, polyimide resin composition prepared therefrom, and carbon fiber-reinforced polyimide resin composition
JPH11114744A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
JP3729620B2 (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
JP2006188652A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH11114742A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
JP3688097B2 (ja) 結晶性樹脂組成物
JP3667040B2 (ja) 樹脂組成物
JP3669825B2 (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー
JP3176276B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JPH11140312A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー
JP2748992B2 (ja) 結晶性ポリイミドおよびその製造方法
JPH0977871A (ja) 結晶性ポリイミド
JPH11140314A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなるスラストワッシャー
JPH11133788A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなる複写機用分離爪
JPH1133861A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性治具
JPS6042457A (ja) 結晶性かつ架橋性のポリアリ−ルエ−テル含有組成物
WO2022244576A1 (ja) 溶融加工用材料及び溶融加工品
JPH10219110A (ja) 樹脂組成物並びにそれからなる管状物及びその製法
JP2000240655A (ja) ポリイミド樹脂製ピポット軸受け及びその製造方法
JP3221710B2 (ja) ビスイミド化合物、これらの化合物を用いるポリイミド樹脂組成物、および炭素繊維強化ポリイミド樹脂組成物
JPH1135184A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなる複写機用分離爪
JPH1187484A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器
JPH11133786A (ja) 金型内で結晶化するポリイミド樹脂からなる複写機用分離爪