JPH1187484A - 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器 - Google Patents

金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器

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JPH1187484A
JPH1187484A JP9247182A JP24718297A JPH1187484A JP H1187484 A JPH1187484 A JP H1187484A JP 9247182 A JP9247182 A JP 9247182A JP 24718297 A JP24718297 A JP 24718297A JP H1187484 A JPH1187484 A JP H1187484A
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JP
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heat
polyimide resin
container
processing
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JP9247182A
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Inventor
Ikunori Yoshida
育紀 吉田
Kayako Yanagihara
香弥子 柳原
Masaji Yoshimura
正司 吉村
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 一般式(1)で表されるポリイミド樹
脂、を用いる耐熱性保持容器。 【効果】 本発明の耐熱性保持容器は完全に射出成形の
金型内で結晶化するポリイミド樹脂組成物を用いるた
め、熱処理して後結晶化させる必要がなく、変形の少な
い耐熱性、耐薬品性の優れた製品を得ることができ、産
業上の利用効果は非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体分野、LCD
分野、ハードディスク等の磁気記録体分野における半導
体ウエハー、LCD、ハードディスク等の処理工程で使
用される治具・キャリア・トレイ等の耐熱性保持容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性保持容器の中から、半導体の製造
において処理される半導体ウエハー用処理用容器(ウエ
ハーキャリア)を例にして説明する。シリコンウエハー
等(LCD(液晶表示用ガラス基板)、ハードディスク
等を含む)の処理において、ウエハー等処理用容器はウ
エハー等を浸す液浴に浸される。この液浴は種々の腐食
性化学物質を含み、ある場合は100〜200℃と高温
である。このため処理工程中、ウエハー等の保持に用い
られるウエハー等処理用保持容器は、使用化学物質に対
してだけでなく、高い液浴温度に対しても安全であるこ
とが必要である。従来、これらのウエハー等処理用保持
容器は、腐食性化学物質に安定な材料であるパーフルオ
ロアルコキシ置換ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以
下、PFA樹脂と略記する。)製ウエハー等処理用保持
容器が用いられてきた。しかしPFA樹脂製ウエハー等
処理用保持容器は100℃以上の温度で変形し、高い液
浴温度では使用に耐えない。特に液浴温度が150℃以
上では、容器が変形してしまい、ウエハー等処理用保持
容器としての機能を失うという問題がある。またPFA
樹脂が高比重のため、容器が高重量となり、ハンドリン
グに困難を伴う。また、生産効率アップのためにICウ
エハー等が大型化するに伴い、ウエハー等処理用保持容
器も大型化する傾向にあるが、大型のPFA樹脂製ウエ
ハー等処理用保持容器は高重量のために自重で撓んで変
形する等の問題を有しており、PFA樹脂製ウエハー等
処理用保持容器は大型化が困難である等の問題もあっ
た。また、ウエハーは薬液処理の後、超純水で洗浄さ
れ、スピンドライヤーでの乾燥工程に送られるが、この
乾燥工程において、ウエハーキャリアは高速回転される
ため遠心力により変形を生ずる。このため、ウエハーキ
ャリアの機械強度、特に剛性が低いとキャリアの変形度
合いが大きく、高速回転中のウエハーキャリアの変形に
より、キャリア内に収納されているウエハーが破損する
おそれがある。
【0003】特公平6−38413号公報には、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂(以下、PEEK樹脂と略記
する。)を用いたウエハー処理容器の例が示されてい
る。該公報に記載されているPEEK製ウエハー処理容
器は耐熱性、耐薬品性、機械特性に優れ、寸法精度がよ
く、軽量であるため非常に優れたものである。しかしな
がら近年、ウエハー等製造工程の効率化がはかられ、処
理温度も300℃付近と従来よりも高温での処理がなさ
れる場合が増えており、PEEK製のウエハー等処理用
保持容器ではその要望に十分応えているとはいえない。
【0004】PEEKより優れた耐熱性を有する樹脂と
して、ポリイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド樹脂は
耐熱性に優れた樹脂であるが、耐熱性を十分に発揮する
ためには結晶化させて用いるという手段が有効である。
耐熱性保持容器のような複雑な形状の製品に供するため
には射出成形可能な熱可塑性樹脂であることが必須で、
特開昭62−236858号公報には溶融成形可能なポ
リイミド樹脂が記載されているが、該ポリイミド樹脂は
単独では結晶化速度が遅く、射出成形の金型内で結晶化
が達成されず、成形物は通常非晶品として得られる。該
成形品を熱処理をして後結晶化させようとするとその際
結晶化に伴う変形が著しく、本発明の用途に適するもの
ではない。これらの要望を満たすような、より高温での
耐熱性を持つウエハー等処理用保持容器が望まれてい
た。以上、半導体の製造において処理される半導体ウエ
ハー用処理用容器(ウエハーキャリア)を例にして説明
したが、液晶表示用ガラス基板の製造において処理され
るガラス基板用のプラスチック性液晶表示用ガラス基板
処理用容器、ハードディスクの製造において処理される
ハードディスク処理用容器等も同様の耐熱性が要求され
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記PFA樹
脂製保持容器、あるいはPEEK製保持容器が有する諸
問題を解決した耐熱性保持容器を得ることを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するために各種の汎用プラスチック及びエンジ
ニアプラスチック製耐熱性保持容器を種々検討した結
果、金型内で結晶化する熱可塑性結晶性ポリイミド樹脂
を含む樹脂組成物を用いて、射出成形により金型内で結
晶化させた耐熱性保持容器が最適であることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下
の(1)〜(6)に記載した事項により特定される。
【0007】(1) (イ):一般式(1)(化2)の
繰り返し構造単位を有し、対数粘度(ηinh)が0.
1〜3.0dl/gの範囲である結晶性ポリイミド樹
脂。
【0008】
【化2】 からなる耐熱性保持容器。
【0009】(2) 樹脂組成物100重量部に対し繊
維状補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹脂組成物
からなる、請求項1記載の耐熱性保持容器。
【0010】(3) 保持容器が半導体の製造において
処理される半導体ウエハー用処理用容器である請求項1
又は2に記載の耐熱性保持容器。
【0011】(4) 保持容器が液晶表示用ガラス基板
の製造において処理されるガラス基板用のプラスチック
性液晶表示用ガラス基板処理用容器である請求項1又は
2に記載の耐熱性保持容器。
【0012】(5) 保持容器がハードディスクの製造
において処理されるハードディスク処理用容器である請
求項1又は2に記載の耐熱性保持容器。
【0013】(6) 射出成形において金型内で結晶化
させることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載
の耐熱性保持容器。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のウエハー等処理用保持容
器とは、半導体の製造において処理される半導体ウエハ
ー用処理用容器、液晶表示用ガラス基板の製造において
処理されるガラス基板用のプラスチック性液晶表示用ガ
ラス基板処理用容器、ハードディスクの製造において処
理されるハードディスク処理用容器等であり、薬液処理
工程、熱処理工程、洗浄工程および各工程間の搬送及び
保管のいずれの工程においても使用される。本発明は熱
可塑性結晶性ポリイミド樹脂を含んだ樹脂組成物より成
形され、金型内で結晶化したものである。本発明の樹脂
組成物は金型内で結晶化が達成される。金型内で結晶化
が達成されることによりポリイミド樹脂本来の耐熱性が
発揮され、かつ後結晶化等の手法による寸法変化等の少
ない、結晶化が達成した成形品を得ることができる。
【0015】ポリイミド樹脂は一般式(2)(化3)で
表されるジアミン
【0016】
【化3】 と一般式(3)(化4)で表されるテトラカルボン酸二
無水物
【0017】
【化4】 とを脱水共縮合して得られる。
【0018】該ポリイミドの分子量は対数粘度(ηin
h)で0.1〜3.0dl/gの範囲である。好ましく
は0.2〜2.0dl/gの範囲、より好ましくは0.
3〜1.5dl/gの範囲、最も好ましくは0.4〜
1.0dl/gの範囲である。0.1dl/g未満では
分子量が低く、成形品としての強度を十分に発揮できな
い。3.0dl/gを超えると分子量が高すぎ、射出成
形等の溶融成形が困難になる。なお、本発明における対
数粘度(ηinh)は、p−クロロフェノール/フェノ
ール(重量比9/1)混合溶媒100mlにポリイミド
粉0.50gを加熱溶解した後、35℃において測定し
た値である。
【0019】該ポリイミド樹脂の製造方法は、公知のイ
ミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量は、通常
ジアミン1当量に対してテトラカルボン酸二無水物を
0.90当量〜0.99当量の範囲である。好ましくは
0.93〜0.985、より好ましくは0.95〜0.
98の範囲である。0.90当量未満では分子量が十分
に高くないため、得られるポリマーの機械物性が十分で
ない場合がある。0.99を超えると分子量が高くなり
すぎて流動性が損なわれるという問題が生じる。
【0020】該ポリイミドの合成においては、分子の反
応末端を無水フタル酸等で封止するのが望ましい。反応
末端を封止することによって、熱安定性が格段に向上す
る。反応は、有機溶媒中で行うのが特に好ましい。ここ
で使用できる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメト
キシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプ
ロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシ
エトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチル尿素ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p
−クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。また、これらは単独でも
2種類以上混合して用いても良い。
【0021】反応温度は通常室温〜250℃の範囲、好
ましくは140℃〜200℃の範囲である。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は溶
媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常4〜24
時間である。
【0022】更にイミド化の方法としては、前駆体であ
るポリアミド酸を100〜300℃に加熱してイミド化
するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イ
ミド化することにより、所望のポリイミド樹脂が得られ
る。
【0023】該樹脂組成物を使用する場合、金型温度は
180〜280℃の範囲である。好ましくは190〜2
70℃の範囲、より好ましくは200〜265℃の範
囲、最も好ましくは210〜260℃の範囲である。2
80℃を超える金型温度では成形品の離型ができない場
合がある。180℃未満の金型温度では結晶性ポリイミ
ド樹脂の結晶化が十分に進まず、そのままではポリイミ
ド樹脂特有の高温での耐熱性が発揮できない。非晶の状
態で成形品を取り出し、後結晶化させる場合は後結晶化
に伴い変形が大きくなり、使用に耐える形状を保持でき
ない場合がある。
【0024】本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱
可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能で
ある。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
エーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケ
トンケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセ
タール、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、
ポリスルホン、及びその他の熱可塑性ポリイミドなどが
あげられる。
【0025】また、熱硬化性樹脂、充填材を発明の目的
を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。
【0026】本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法に
より製造できるが特に次に示す方法が好ましい。
【0027】(1) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、炭素
繊維等の繊維状補強材、その他添加剤を乳鉢、ヘンシャ
ルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダ
ー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備
混合し、ついで通常公知の溶融押出機、溶融混合機、熱
ロールなどで混練した後、ペレットまたは粉状にする。
【0028】(2) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、その
他添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁させ、この溶
液あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補強材を浸漬
し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去した後、ペレ
ット状または粉状にする。この場合、使用される溶媒と
しては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメト
キシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、
1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス
〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオ
キサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホ
スホルアミド等があげられる。またこれらの有機溶媒
は、単独でもあるいは2種以上混合しても差し支えな
い。
【0029】本発明の樹脂組成物は、射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法などの公知
の成形法により成形され実用に供される。本発明の結晶
性ポリイミド樹脂を含んだ組成物からなる耐熱性保持容
器の形状は特に規定はないが、例えば複数のウエハー等
を隔離、支持するための複数の溝を持つ相対する2枚の
パネルを有するものを挙げることができる。本発明の結
晶性ポリイミド樹脂製耐熱性保持容器は、耐熱性、耐薬
品性、機械特性に優れ、特に寸法精度が良く、軽量であ
り、高温においても高剛性が維持される等の特徴を有す
る。
【0030】
【実施例】以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明す
る。 ポリイミド樹脂の合成例 撹拌機、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた容器に
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル140g(0.
7モル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物195.5g(0.665モル)、無水
フタル酸10.4g(0.1モル)、m−クレゾール1
480gを装入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら200
℃まで加熱昇温した。その後200℃で4時間反応させ
たところ、その間に約9mlの水の留出が確認された。
反応終了後室温まで冷却し、約2000mlのトルエン
を装入後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉
をトルエンで洗浄した後、窒素中で250℃/5時間乾
燥してポリイミド粉を得た。得られたポリイミド粉Aの
ηinhは、0.55dl/gであった。
【0031】実施例1〜2 合成例で得られたポリイミド樹脂を配合し混合した後、
40mm径の押出機により410℃で溶融混練しペレッ
トを得た。得られたペレットを型締力400トンの射出
成形機により、シリンダー温度410℃、射出圧力10
0kg/cm2の条件で成形して図1のようなポリイミ
ド樹脂製ウエハーキャリアを得た。外観は良好で光沢の
あるウエハーキャリアが得られた。成形条件等は表1に
まとめた。図1に示す形状を持つ5インチのウエハーキ
ャリアに対し、矢印で示す1kgのF1なる力を加えた
場合の各温度変化時における、ウエハーキャリアの歪み
量を比較した結果を表2に示す。
【0032】比較例1 使用した樹脂が三井フロロケミカル社製PFA樹脂34
0Lである以外は実施例1と同様に実験を行った。実験
結果等は表−1〜2[表1・表2]にまとめた。
【0033】比較例2 使用した樹脂がVICTREX社製 VICTREX
PEEK 450Pである以外は実施例1と同様に実験
を行った。実験結果等は、表−1〜2[表1・表2]に
まとめた。この表−2[表2]に示す各温度変化時にお
ける本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリア
とPFA樹脂製ウエハーキャリア、PEEK製ウエハー
キャリアの歪み量の比較でも明らかな様に、PFA樹脂
製ウエハーキャリアではこのような高温下では機械強度
が低く、荷重がかかった際にウエハーキャリアが変形し
てしまい、本来の機能を果たさない。PEEK製ウエハ
ーキャリアは200℃付近までは変形が非常に少ない
が、200℃を超えた温度範囲ではやはり変形が大きく
なり、まだ十分に要求を満たすものとはいえない。これ
に対して本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャ
リアは200℃を超えた温度範囲で荷重がかかっても、
変形しにくく十分な機械強度を有している。以上のこと
から、本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリ
アは高温下の使用に十分対応できるものである。
【0034】
【表1】 [注]*三井フロロケミカル社製
【0035】
【表2】 [注]*三井フロロケミカル社製
【0036】
【発明の効果】以上のように、本願発明である結晶性ポ
リイミド樹脂組成物を用いたウエハー等処理用保持容器
(半導体の製造において処理される半導体ウエハー用処
理用容器(ウエハーキャリア)、液晶表示用ガラス基板
の製造において処理されるガラス基板用のプラスチック
性液晶表示用ガラス基板処理用容器、ハードディスクの
製造において処理されるハードディスク処理用容器等)
は従来のPFA樹脂製ウエハー等処理用保持容器、PE
EK製ウエハー等処理用保持容器等と比較して耐熱性、
耐薬品性が優れており、ウエハー等処理用保持容器に適
していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアと
PFA樹脂製ウエハーキャリア、PEEK製ウエハーキ
ャリア(溝なし/取っ手あり)を荷重1kg、曲げ速度
10mm/minの試験条件で各温度における歪み量の
変化を比較した図である。
【符号の説明】
F1 荷重の方向を表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 79/08 B65D 85/38 R H01L 21/306 H01L 21/306 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)の繰り返し構造単
    位を有し、対数粘度(ηinh)が0.1〜3.0dl
    /gの範囲である結晶性ポリイミド樹脂。 【化1】 なる耐熱性保持容器。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物100重量部に対し、繊維状
    補強材5〜100重量部を含む繊維強化樹脂組成物から
    なる、請求項1記載の耐熱性保持容器。
  3. 【請求項3】 保持容器が半導体の製造において処理さ
    れる半導体ウエハー用処理用容器である請求項1又は2
    に記載の耐熱性保持容器。
  4. 【請求項4】 保持容器が液晶表示用ガラス基板の製造
    において処理されるガラス基板用のプラスチック性液晶
    表示用ガラス基板処理用容器である請求項1又は2に記
    載の耐熱性保持容器。
  5. 【請求項5】 保持容器がハードディスクの製造におい
    て処理されるハードディスク処理用容器である請求項1
    又は2に記載の耐熱性保持容器。
  6. 【請求項6】 射出成形において金型内で結晶化させる
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の耐熱
    性保持容器。
JP9247182A 1997-09-11 1997-09-11 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器 Pending JPH1187484A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146040A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Mitsui Chemicals Inc 結晶化度の高い射出成形物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146040A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Mitsui Chemicals Inc 結晶化度の高い射出成形物

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