JPH1197517A - 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器 - Google Patents

金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器

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JPH1197517A
JPH1197517A JP9200364A JP20036497A JPH1197517A JP H1197517 A JPH1197517 A JP H1197517A JP 9200364 A JP9200364 A JP 9200364A JP 20036497 A JP20036497 A JP 20036497A JP H1197517 A JPH1197517 A JP H1197517A
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group
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resin
holding container
heat
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JP9200364A
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English (en)
Inventor
Ikunori Yoshida
育紀 吉田
Atsushi Morita
淳 森田
Masaji Yoshimura
正司 吉村
Tomohito Koba
友人 木場
Katsuichi Shimamura
勝弌 島村
Nobuhiro Takizawa
信宏 滝沢
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 一般式(1)の繰り返し構造単位を有す
る結晶性ポリイミド樹脂、 (X1は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
32−、−C(CF3 2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基、又は、ハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
からなる群から選択された少なくとも1種の基であ
る。) カーボンブラック、ビスイミド化合物及びポリアリルエ
ーテルケトン樹脂よりなる耐熱性保持容器。 【効果】 本発明の耐熱性保持容器は完全に射出成形の
金型内で結晶化するポリイミド樹脂組成物を用いるた
め、熱処理して後結晶化させる必要がなく、変形の少な
い耐熱性、耐薬品性の優れた製品を得ることができ、産
業上の利用効果は非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体分野、LCD
分野、ハードディスク等の磁気記録体分野における半導
体ウエハー、LCD、ハードディスク等の処理工程で使
用される治具・キャリア・トレイ等の耐熱性保持容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハー等(LCD(液晶表示
用ガラス基板)、ハードディスク等を含む)の処理にお
いて、ウエハー等処理用容器はウエハー等を浸す液浴に
浸される。この液浴は種々の腐食性化学物質を含み、ある
場合は100〜200℃と高温である。このため処理工
程中、ウエハー等の保持に用いられるウエハー等処理用
保持容器は、使用化学物質に対してだけでなく、高い液
浴温度に対しても安全であることが必要である。従来、こ
れらのウエハー等処理用保持容器は、腐食性化学物質に
安定な材料であるパーフルオロアルコキシ置換ポリテト
ラフルオロエチレン樹脂(以下、PFA樹脂と略記す
る。)製ウエハー等処理用保持容器が用いられていた。
しかしPFA樹脂製ウエハー等処理用保持容器は100
℃以上の温度で変形し、高い液浴温度では使用に耐えな
い。特に液浴温度が150℃以上では、容器が変形して
しまい、ウエハー等処理用保持容器としての機能を失う
という問題がある。またPFA樹脂が高比重のため、容
器が高重量となり、ハンドリングに困難を伴う。また、
生産効率アップのためにICウエハー等が大型化するに
伴い、ウエハー等処理用保持容器も大型化する傾向にあ
るが、大型のPFA樹脂製ウエハー等処理用保持容器は
高重量のために自重で撓んで変形する等の問題を有して
おり、PFA樹脂製ウエハー等処理用保持容器は大型化
が困難である等の問題もあった。
【0003】特公平6−38413号公報には、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂(以下、PEEK樹脂と略記
する。)を用いたウエハー処理容器の例が示されてい
る。該公報に記載されているPEEK製ウエハー処理容
器は耐熱性、耐薬品性、機械特性に優れ、寸法精度がよ
く、軽量であるため非常に優れたものである。しかしな
がら近年、ウエハー等製造工程の効率化がはかられ、処
理温度も従来よりも高温での処理がなされる場合が増え
ており、PEEK製のウエハー等処理用保持容器ではそ
の要望に十分応えているとは言えず、より高温での耐熱
性を持つウエハー等処理用保持容器が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記PFA樹
脂製ウエハー等処理用保持容器、あるいはPEEK製ウ
エハー等処理用保持容器が有する諸問題を解決したウエ
ハー等処理用保持容器を得ることを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するために各種の汎用プラスチック及びエンジ
ニアプラスチック製ウエハー等処理用保持容器を種々検
討した結果、金型内で結晶化する熱可塑性結晶性ポリイ
ミド樹脂を含む樹脂組成物を用いて、射出成形により金
型内で結晶化させたウエハー等処理用保持容器が最適で
あることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は下記[1]〜[8]に記載した事項により
特定される。
【0006】[1] 一般式(1)(化13)の繰り返
し構造単位を有する結晶性ポリイミド樹脂、
【0007】
【化13】 (X1は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
32−、−C(CF3 2−、又は、−S−である。R
1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基、又は、ハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
(化14)からなる群から選択された少なくとも1種の
基である。)
【0008】
【化14】 及び/又は、一般式(3)(化15)の繰り返し構造単
位を有する結晶性ポリイミド樹脂
【0009】
【化15】 (R5、R6は、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ
基、又は、ハロゲン基であり、nは、0〜4の整数であ
る。Y2は、一般式(1)におけるY1の定義と同じであ
る。)100重量部に対して、成分(A)として、カー
ボンブラック、成分(B)として、一般式(4)(化1
6)
【0010】
【化16】 (R7は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を、X2
は、一般式(5)(化17)
【0011】
【化17】 から選択された少なくとも1種の2価の基を表す。X3
は、直結結合、エーテル結合、スルフィド結合、炭素原
子数1〜10の炭化水素基、カルボニル基、六フッ素化
されたイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香
族基からなる少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
されるビスイミド化合物、及び、一般式(6)(化1
8)
【0012】
【化18】 (R8は、−Cn2n+1−(n=0〜3)、又は、炭素原
子数6〜30の1価の芳香族基を、Y3は、一般式
(7)(化19)
【0013】
【化19】 からなる4価の基である。ここで、Y4は、直結結合、
エーテル結合、スルフィド結合、炭素数1〜10の炭化
水素基、カルボニル基、スルホニル基、六フッ素化され
たイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香族基
からなる群から選択された少なくとも1種の2価の基を
表す。)で表されるビスイミド化合物からなる群から選
択された少なくとも1種、成分(C)として、一般式
(8)(化20)の繰り返し構造単位を有するポリエー
テルエーテルケトン樹脂、
【0014】
【化20】 一般式(9)(化21)の繰り返し構造単位を有するポ
リエーテルケトン樹脂、
【0015】
【化21】 一般式(10)(化22)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、
【0016】
【化22】 一般式(11)(化23)の繰り返し構造単位を有する
ポリエーテルケトンケトン樹脂、
【0017】
【化23】 からなる群から選択された少なくとも1種のポリアリー
ルエーテルケトン樹脂の、成分(A)、成分(B)、成
分(C)の三成分のうち、少なくとも2成分0.2〜2
00重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物から
なる、耐熱性保持容器。
【0018】[2] カーボンブラックのC軸方向の結
晶子サイズ(Lc)が、1〜20nmである、請求項1
に記載した耐熱性保持容器。
【0019】[3] ビスイミド化合物が、一般式(1
2)(化24)
【0020】
【化24】 で表されるものである、[1]又は[2]に記載した樹
脂組成物からなる耐熱性保持容器。
【0021】[4] 樹脂組成物100重量部に対
し、さらに、繊維状補強材5〜100重量部を含有して
なる、[1]乃至[3]の何れかに記載した耐熱性保持
容器。
【0022】[5] 保持容器が、半導体の製造におい
て処理される半導体ウエハー用処理用容器である、
[1]乃至[4]の何れかに記載した耐熱性保持容器。
【0023】[6] 保持容器が、液晶表示用ガラス基
板の製造において処理されるガラス基板用のプラスチッ
ク性液晶表示用ガラス基板処理用容器である、[1]乃
至[4]の何れかに記載した耐熱性保持容器。
【0024】[7] 保持容器が、ハードディスクの製
造において処理されるハードディスク処理用容器であ
る、[1]乃至[4]の何れかに記載した耐熱性保持容
器。
【0025】[8] 金型内で結晶化する熱可塑性結晶
性ポリイミド樹脂、及び/又は、金型内で結晶化する熱
可塑性結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いることを特徴
とする耐熱性保持容器。
【0026】
【発明の実施形態】本発明のウエハー等処理用保持容器
とは、半導体の製造において処理される半導体ウエハー
用処理用容器、液晶表示用ガラス基板の製造において処
理されるガラス基板用のプラスチック性液晶表示用ガラ
ス基板処理用容器、ハードディスクの製造において処理
されるハードディスク処理用容器等であり、薬液処理工
程、熱処理工程、洗浄工程および各工程間の搬送及び保
管のいずれの工程においても使用される。本発明は熱可
塑性結晶性ポリイミド樹脂を含んだ樹脂組成物より成形
され、金型内で結晶化したものである。本発明における
熱可塑性結晶性ポリイミド樹脂の中では特に一般式(1
3)(化25)
【0027】
【化25】 で表されるポリイミド(三井東圧化学社製:商品名AU
RUM、融点388℃)が最適である。
【0028】本発明で使用する樹脂組成物は金型温度2
50℃以上で成形することによって、金型内で完全に結
晶化する。金型内で完全に結晶化することによりポリイ
ミド樹脂本来の耐熱性が発揮され、かつ後結晶化等の手
法による寸法変化等の少ない結晶化した成形品を得るこ
とができる。該樹脂組成物を使用する場合、金型温度は
230〜280℃の範囲である。好ましくは240〜2
70℃の範囲、より好ましくは245〜265℃の範
囲、最も好ましくは250〜260℃の範囲である。2
80℃を超える金型温度では成形品の離型ができない場
合がある。230℃未満の金型温度では結晶性ポリイミ
ド樹脂の結晶化が十分に進まず、そのままではポリイミ
ド樹脂特有の高温での耐熱性が発揮できない。非晶の状
態で成形品を取り出し、後結晶化させる場合は後結晶化
に伴い変形が大きくなり、使用に耐える形状を保持でき
ない場合がある。また、金型内で結晶化しうるその他の
熱可塑性結晶性ポリイミドも本発明の用途に使用するの
に何ら問題ない。
【0029】本発明で使用する樹脂組成物に用いられる
結晶性ポリイミド樹脂の融点は250℃以上500℃以
下が好ましい。さらに好ましくは250℃以上450℃
以下である。250℃以下では耐熱性の高い樹脂組成物
が得られず本発明の主旨にそぐわない。また500℃以
上では融点が高すぎ、通常の射出成形が困難である。カ
ーボンブラックの量は結晶性樹脂100重量部に対し、
0.1〜50重量部が適当である。好ましくは0.5〜
40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。
カーボンブラックの量が0.1重量部未満では、結晶性
ポリイミド樹脂、カーボンブラックの種類によってはそ
の樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化しない場合が
あり不十分である。また50重量部を超えると樹脂組成
物の機械物性の低下、流動性の低下等の問題を生ずる。
【0030】カーボンブラック平均1次粒径は1〜10
0nmが適当である。好ましくは1〜80nm、さらに
好ましくは10〜80nmである。カーボンブラックは
平均1次粒径が小さいほど樹脂の結晶化を促進する効果
が大きい。100nmを越えると樹脂の結晶化を促進す
る効果が乏しく、また1nm以下のカーボンブラックは
通常入手することは困難である。ここで平均1次粒径と
は、カーボンブラックの単粒子(凝集粒子を構成してい
る粒子)の直径の平均値である。
【0031】カーボンブラックのC軸方向の結晶子サイ
ズLcは1〜20nmの範囲が適当である。好ましくは
3〜15nm、さらに好ましくは4〜10nmである。
カーボンブラックのLcが大きいほど樹脂の結晶化を促
進する効果が大きい。Lcが1nm以下では樹脂の結晶
化を促進する効果が乏しく、また20nmを超えるカー
ボンブラックは通常入手することは困難である。C軸方
向とは立体座標上における平面に対して直角方向の軸方
向を意味する(以下、C軸方向という。)ここでは、カ
ーボンブラックを結晶核剤として効果を発揮している
が、Lcが上記を満たす黒鉛を用いても、本樹脂組成物
の効果を上回ることはできない。なぜなら黒鉛とカーボ
ンブラックとでは平均一次粒径が異なり結晶化促進効果
に著しい差があるからである。
【0032】本発明に使用されるカーボンブラックとし
ては三菱カーボンブラック(三菱化成工業)、シース
ト、トーカブラック(東海カーボン)、デンカブラック
(デンカ)、ケッチェン(アクゾ)、RABEN(コロ
ンビヤン・カーボン)、アセチレンブラック等が用いら
れる。この中でもトーカブラック、アセチレンブラック
が好ましい。最も好ましいのはトーカブラックである。
これらのカーボンブラックは単独あるいは2種類以上混
合して使用される。
【0033】本発明に使用されるビスイミド化合物は大
別して2種のタイプがある。一つは式(C)(以下、こ
のタイプのビスイミド化合物をタイプAのビスイミド化
合物ということもある。)で表されるビスイミド化合物
であり、もう一つは式(D)(以下、このタイプのビス
イミド化合物をタイプBのビスイミド化合物ということ
もある。)で表されるビスイミド化合物である。これら
の中でも、一般式(12)(化26)
【0034】
【化26】 で表されるビスイミド化合物が特に好ましい。これらの
ビスイミド化合物は以下の反応により製造することがで
きる。すなわち、タイプAのビスイミド化合物は、1モ
ルのジアミン化合物に対して理論的には2モルのジカル
ボン酸無水物を有機溶媒中で常法により反応させる方法
で、またタイプBのビスイミド化合物は1モルのテトラ
カルボン酸二無水物に対して理論的には2モルのモノア
ミン化合物を有機溶媒中で常法により反応させる方法で
製造できる。反応方法はとくに限定されず所望のビスイ
ミド化合物が得られる方法であればよい。
【0035】以下、ビスイミド化合物の製造について詳
しく述べる。本発明のビスイミド化合物を得るために使
用される必須の原料化合物は、タイプAのビスイミド化
合物の製造に使用されるジアミン化合物として具体的に
はo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル等が挙げられる。また、ジカルボン酸無水物と
して具体的には無水フタル酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げ
られる。タイプBのビスイミド化合物の製造に使用され
るテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物等が挙げられる。また、モノアミ
ン化合物としては、アニリン、p−トルイジン、4−n
−エチルアニリン、4−アミノビフェニル、4−アミノ
−p−ターフェニル等が挙げられる。
【0036】タイプAまたはタイプBのビスイミド化合
物の製造において、それぞれ上記の必須の原料化合物が
使用されるが、もちろん、ビスイミド化合物の本発明に
おける効果を阻害しない範囲でその他のジアミン化合
物、ジカルボン酸無水物、(タイプAのビスイミド化合
物の製造)、またはテトラカルボン酸二無水物、モノア
ミン化合物(タイプBのビスイミド化合物の製造)が含
まれていてもよい。ビスイミド化合物の製造方法は、公
知のイミド化反応を適用できる。原料化合物の使用量
は、タイプAのビスイミド化合物において、ジアミノ化
合物の1当量に対してジカルボン酸無水物を2倍当量以
上であればよいが、後処理の煩雑さ、コスト等を考慮し
て、2〜2.5倍当量、更に好ましくは2.05〜2.
10倍の範囲で用いるのが望ましい。また、タイプBの
ビスイミド化合物においては、テトラカルボン酸二無水
物1当量に対してモノアミンを2倍当量以上であればよ
いが、後処理の煩雑さ、コスト等を考慮して、2〜2.
5倍当量、更に好ましくは2.05〜2.10倍の範囲
で用いるのが望ましい。反応は、有機溶媒中で行うのが
特に好ましい。ここで用いられる溶媒は、好ましくは
N,N−ジメチルアセトアミドであるが、その他使用で
きる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラク
タム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシ
エチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキ
シ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサ
ン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素
ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾ
ール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフ
ェノール、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン
等が挙げられる。また、これらは単独でも2種類以上混
合して用いても良い。
【0037】反応温度は通常250℃以下、好ましくは
150℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧
で十分実施できる。反応時間は原料化合物の種類、溶媒
の種類及び反応温度によって異なり、通常4〜24時間
で十分である。更に、イミド化の方法としては、前駆体
であるビスアミド酸を100〜300℃に加熱してイミ
ド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化
学イミド化することにより、ビスアミド酸から2分子の
水が脱水した構造であるビスイミド化合物が得られる。
【0038】ビスイミド化合物の量は結晶性ポリイミド
樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部が適当で
ある。好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましく
は1〜30重量部、最も好ましくは10〜20重量部で
ある。ビスイミド化合物の量が0.1重量部未満では、
結晶性ポリイミド樹脂、ビスイミド化合物の種類によっ
てはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化しない
場合があり不十分である。また50重量部を超えると樹
脂組成物の機械物性の低下等の問題を生ずる。
【0039】本発明で使用されるポリアリールエーテル
ケトン樹脂としては、一般に市販されている通常のポリ
アリールエーテルケトン樹脂が問題なく使用できる。具
体的には式(E)〜(H)で表されるようなポリエーテ
ルエーテルケトン(融点334℃)、ポリエーテルケト
ン(融点373℃)、ポリエーテルケトンエーテルケト
ンケトン(融点371℃)、ポリエーテルケトンケトン
(融点305℃〜360℃)等が挙げられる。これらは
単独でもあるいは2種類以上混合して用いても良い。
【0040】ポリアリールエーテルケトン樹脂の量は結
晶性ポリイミド樹脂100重量部に対し、1〜100重
量部が適当である。好ましくは20〜90重量部、さら
に好ましくは30〜80重量部である。ポリアリールエ
ーテルケトン樹脂の量が1重量部未満では、結晶性ポリ
イミド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂の種類に
よってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結晶化し
ない場合があり不十分である。また100重量部を超え
ると結晶性ポリイミド樹脂組成物の機械物性の低下等の
問題を生ずる。
【0041】結晶性ポリイミド樹脂に対して(1)カー
ボンブラック (2)ビスイミド化合物 (3)ポリア
リールエーテルケトン樹脂 からなる群から選択された
2種類以上を添加する。(1)カーボンブラックとビス
イミド化合物 (2)ビスイミド化合物とポリアリール
エーテルケトン樹脂 (3)カーボンブラックとポリア
リールエーテルケトン樹脂 のいずれの組み合わせでも
効果があるが、(4)カーボンブラックとビスイミド化
合物とポリアリールエーテルケトン樹脂 の3種類を組
み合わせて添加するのが最も効果がある。
【0042】結晶性ポリイミド樹脂に100重量部に対
する(1)カーボンブラック (2)ビスイミド化合物
(3)ポリアリールエーテルケトン樹脂 の総量は
0.2〜200重量部の範囲である。好ましくは1〜1
80重量部、さらに好ましくは5〜150重量部、最も
好ましくは10〜100重量部の範囲である。0.2重
量部未満では結晶性ポリイミド樹脂、カーボンブラッ
ク、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトンの
種類によってはその樹脂組成物は射出成形物が完全に結
晶化しない場合があり不十分である。また200重量部
を超えると樹脂組成物の機械物性の低下、流動性の低下
等の問題を生じる。また、本発明では結晶性ポリイミド
樹脂のオリゴマーや2量体、ポリアリールエーテルケト
ン樹脂のオリゴマーや2量体、ポリエーテルニトリル樹
脂のオリゴマーや2量体、ポリフェニレンスルフィド樹
脂のオリゴマーや2量体を添加することも可能であり、
いずれも結晶化促進効果がある。
【0043】また、本発明の目的を損なわない範囲で、
他の熱可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも
可能である。配合することのできる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスル
ホンなどがあげられる。
【0044】また、熱硬化性樹脂、充填材を発明の目的
を損なわない程度で配合することも可能である。熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げ
られる。充填材としては、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上材、炭素繊維、ガラス
繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸
化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
難燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他ポリベンゾイミダゾール樹脂、シ
リコン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色
料、離型剤、各種安定剤、可塑剤等である。
【0045】本発明で使用する樹脂組成物は、通常公知
の方法により製造できるが特に次に示す方法が好まし
い。 (1) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、カーボンブラッ
ク、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン樹
脂粉末、炭素繊維等の繊維状補強材、その他添加剤を乳
鉢、ヘンシャルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラ
ーブレンダー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利
用して予備混合し、ついで通常公知の溶融押出機、溶融
混合機、熱ロールなどで混練した後、ペレットまたは粉
状にする。 (2) 結晶性ポリイミド樹脂粉末、カーボンブラッ
ク、ビスイミド化合物、ポリアリールエーテルケトン樹
脂粉末、その他添加剤を予め有機溶媒に溶解または懸濁
させ、この溶液あるいは懸濁液に炭素繊維等の繊維状補
強材を浸漬し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去し
た後、ペレット状または粉状にする。
【0046】この場合、使用される溶媒としては例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド
等があげられる。またこれらの有機溶媒は、単独でもあ
るいは2種以上混合しても差し支えない。
【0047】本発明で使用する樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法な
どの公知の成形法により成形され実用に供される。本発
明の結晶性ポリイミド樹脂を含んだ組成物からなるウエ
ハー等処理用保持容器の形状は特に規定はないが、例え
ば複数のウエハー等を隔離、支持するための複数の溝を
持つ相対する2枚のパネルを有するものを挙げることが
できる。本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハー等処
理用保持容器は、耐熱性、耐薬品性、機械特性に優れ、
特に寸法精度が良く、軽量であり、高温においても高剛
性が維持される等の特徴を有する。
【0048】本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハー
等処理用保持容器の具体的な特徴を従来の技術であるP
FA樹脂製ウエハーキャリア及びPEEK製ウエハーキ
ャリアの比較を例にして以下に列記する。
【0049】(1) 耐熱性 ウエハー表面にフォトレジストを塗布した後、このフォ
トレジストを硬化させるため、加熱するいわゆるベーキ
ング工程では、シリコンウエハー及びウエハーキャリア
は、180℃の高温にさらされる。従来この工程では、
金属、例えばアルミ製のウエハーキャリアは薬液による
腐食のため、薬液処理工程に移行する際に、PFA樹脂
製ウエハーキャリア等の耐薬品性ウエハーキャリアにウ
エハーを移してから処理しなくてはならなかった。ま
た、アルミ製のウエハーキャリアは高重量であるため、
その取り扱いに際して現場の作業員に過大な負担が掛か
っていた。以上の様に、アルミ製のウエハーキャリアは
ハンドリングが煩雑である等の問題点を持っていたた
め、この点をクリアーしたウエハーキャリアの開発が望
まれていた。図3に示す形状を持つ5インチのウエハー
キャリアに対し、図3に矢印で示す1kgのF1なる力
を加えた場合の各温度変化時における、本発明の結晶性
ポリイミド樹脂製ウエハーキャリア及びPFA樹脂製ウ
エハーキャリア、PEEK製ウエハーキャリアの歪み量
を比較した結果を図1に示す。この図1に示す各温度変
化時における本発明の結晶性ポリイミド樹脂製とPFA
樹脂製ウエハーキャリア、PEEK製ウエハーキャリア
の歪み量の比較でも明らかな様に、PFA樹脂製ウエハ
ーキャリアではこのような高温下では機械強度が低く、
荷重がかかった際にウエハーキャリアが変形してしま
い、本来の機能を果たさない。PEEK製ウエハーキャ
リアは200℃付近までは変形が非常に少ないが、20
0℃を超えた温度範囲ではやはり変形が大きくなり、ま
だ十分に要求を満たすものとは言えない。これに対して
本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアは2
00℃を超えた温度範囲で荷重がかかっても、変形しに
くく十分な機械強度を有している。
【0050】また、図3に示すものと同一形状の5イン
チウエハーキャリア用金型で成形した、本発明の結晶性
ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアとPFA樹脂製ウエ
ハーキャリアの重量を比較した。PFA樹脂製ウエハー
キャリアの場合675gであったが、一方本発明の結晶
性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアの場合420gと
軽量であり、ハンドリングも良好であった。(なお、本
重量比較試験で使用したPFA樹脂製ウエハーキャリア
は、形状が結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアと
ほぼ同一であり、肉薄で強度不足のため、実際の使用上
本来の機能を果たさないことを付記する。)以上のこと
から、本発明の結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリ
アは高温下の使用に十分対応できるものである。
【0051】(2) 機械強度 図2に図4に示す形状をもつ5インチウエハーキャリア
(図3に示すものと同一の形状である。)に対し、F2
なる力を加えた時の変形量の比較を示す。図2に示すと
おり、PFA樹脂製ウエハーキャリアは100℃を超え
た付近から大きく変形し、またPEEK製ウエハーキャ
リアは150℃を超えた付近から変形が著しくなる。一
方、結晶性ポリイミド製ウエハーキャリアは200℃付
近の高温でもほとんど変形がない。ウエハーは薬液処理
の後、超純水で洗浄され、スピンドライヤーでの乾燥工
程に送られるが、この乾燥工程において、ウエハーキャ
リアは高速回転されるため遠心力により変形を生ずる。
このため、ウエハーキャリアの機械強度、特に剛性が低
いとキャリアの変形度合いが大きく、高速回転中のウエ
ハーキャリアの変形により、キャリア内に収納されてい
るウエハーが破損するおそれがある。
【0052】図3に示す形状をもつ5インチウエハーキ
ャリアについて、その変形の度合いを有限要素法により
解析した。ウエハーキャリアに、5インチのシリコンウ
エハーが25枚入っている状態で、回転数1000rp
mで回転させた場合の変形量を算出した。ウエハーの並
んでいる方向の変形量は、PFA製ウエハーキャリアで
は21.7mm、PEEK製ウエハーキャリアでは2.
3mmであり、同一形状の本発明の結晶性ポリイミド製
ウエハーキャリアでは1.8mmとなる。つまり、結晶
性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアの変形量は、PF
A樹脂製ウエハーキャリアあるいはPEEK製ウエハー
キャリアと比較して変形量が非常に少ないことを示して
いる。
【0053】以上のような特徴を有する本発明の結晶性
ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアは、薬液処理工程、
熱処理工程、洗浄工程及び各工程間の搬送及び保管のい
ずれの工程においても使用される。また、このような本
発明の結晶性ポリイミド樹脂組成物製ウエハーキャリア
の特徴は、ウエハーの処理及び処理工程間の搬送を自動
化し、ロボットで取り扱う際にも一層効果を発揮する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
【0054】以上、半導体の製造において処理される半
導体ウエハー用処理用容器(ウエハーキャリア)を例に
して説明したが、液晶表示用ガラス基板の製造において
処理されるガラス基板用のプラスチック性液晶表示用ガ
ラス基板処理用容器、ハードディスクの製造において処
理されるハードディスク処理用容器等も同様の耐熱性が
要求されるものである。
【0055】
【実施例】以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明す
る。 ビスイミド化合物の合成例 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器に
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3
6.8g(0.1モル)、無水フタル酸32.56g
(0.22モル)、γ−ピコリン1.39g、m−クレ
ゾール80.08gを装入し、窒素雰囲気下で攪拌しな
がら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で3時
間反応したところ、その間に3.6mlの水の留出が確
認された。反応終了後室温まで冷却し、約20mlのメ
タノールを装入後、ビスイミド粉を濾別した。このビス
イミド粉をメタノールで洗浄した後、窒素中で50℃/
12時間、180℃/6時間乾燥して、ビスイミド粉6
0.6g(収率96.5%)を得た。
【0056】実施例1 結晶性ポリイミド樹脂(AURUM PL450(三井
東圧化学))54重量部、カーボンブラック(トーカブ
ラック(東海カーボン))5重量部、合成例で得られた
ビスイミド化合物5重量部、ポリアリールエーテルケト
ン樹脂(PEK22P(VICTREX))36重量部
を配合し混合した後、40mm径の押出機により410
℃で溶融混練しペレットを得た。得られたペレットを型
締力400トンの射出成形機により、シリンダー温度4
10℃、金型温度260℃、射出圧力100kg/cm
2の条件で成形して結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキ
ャリアを得た。外観は良好で光沢のあるウエハーキャリ
アが得られた。成形条件等は表1にまとめた。各温度に
おける歪み量を第1図に、また、荷重と歪み量の関係を
第2図にまとめた。また、カーボンブラックのLcの測
定には以下のX線測定装置を用いた。 装置:リガク株式会社製 RINT−1500SYSTEM 管球:Cu 管電圧:50kV 管電流:200mA 走査軸:2θ/θ ゴニオメータ:広角ゴニオメータ サンプリング幅:0.020度 走査速度:8.000度/分 発散スリット:1度 散乱スリット:1度 受光スリット:0.15mm θオフセット角度:0.000度 モノクロメーター使用 受光スリット:0.60mm アルミ標準試料ホルダー使用 Lcは(002)面のピーク位置、半価幅により以下の
Scherrerの式[数1]を用いて算出した。
【0057】[数1] Lc=Dhkl=(K×λ)/(β×cosθ) (ここで、K=0.9、λ:測定X線波長、β:結晶子
の大きさによる回折線の拡がり、θ:回折線のブラッグ
角) である。実験に用いたトーカブラックのLcは
5nmであった。
【0058】比較例1 使用した樹脂が三井フロロケミカル社製PFA樹脂34
0Lである以外は実施例1と同様に実験を行った。実験
結果等は表1、図1、図2にまとめた。
【0059】比較例2 使用した樹脂がVICTREX社製 VICTREX
PEEK 450Pである以外は実施例1と同様に実験
を行った。実験結果等は表1、図1、図2にまとめた。
【0060】 [表1] ──────────────────────────────────── 実施例 ウエハーキャリアの シリンダー 金型温度 製品の重量 比較例 材料樹脂名 温度(℃) (℃) (g) ──────────────────────────────────── 実施例1 ポリイミド樹脂組成物 410 260 420 比較例1 PEEK 390 150 390 450G 比較例2 PFA三井フロロ 340 60 675 ケミカル社製340L ────────────────────────────────────
【0061】
【発明の効果】以上のように、本願発明である結晶性ポ
リイミド樹脂組成物を用いたウエハー等処理用保持容器
(半導体の製造において処理される半導体ウエハー用処
理用容器(ウエハーキャリア)、液晶表示用ガラス基板
の製造において処理されるガラス基板用のプラスチック
性液晶表示用ガラス基板処理用容器、ハードディスクの
製造において処理されるハードディスク処理用容器等)
は従来のPFA樹脂製ウエハー等処理用保持容器、PE
EK製ウエハー等処理用保持容器等と比較して耐熱性、
耐薬品性が優れており、ウエハー等処理用保持容器に適
していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアと
PFA樹脂製ウエハーキャリア、PEEK製ウエハーキ
ャリア(溝なし/取っ手あり)を荷重1kg、曲げ速度
10mm/minの試験条件で各温度における歪み量の
変化を比較した図である。
【図2】 結晶性ポリイミド樹脂製ウエハーキャリアと
PFA樹脂製ウエハーキャリア、PEEK製ウエハーキ
ャリア(溝なし/取っ手あり)を23℃の条件で荷重を
変化させた場合の歪み量の変化を比較した図である。
【図3】 図1におけるウエハーキャリアへの応力(F
1)の負荷方向を示したものである。
【図4】 図2におけるウエハーキャリアへの応力(F
2)の負荷方向を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71/08 C08L 79/08 B 79/08 B65D 85/38 R // H01L 21/306 H01L 21/306 J B29K 77:00 (72)発明者 木場 友人 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 島村 勝弌 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 滝沢 信宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)の繰り返し構造単
    位を有する結晶性ポリイミド樹脂、 【化1】 (X1は、直接結合、−SO2−、−CO2−、−C(C
    32−、−C(CF3 2−、又は、−S−である。R
    1、R2、R3、R4は、それぞれ水素、アルキル基、アル
    コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
    シ基、又は、ハロゲン基である。Y1は、一般式(2)
    (化2)からなる群から選択された少なくとも1種の基
    である。) 【化2】 及び/又は、一般式(3)(化3)の繰り返し構造単位
    を有する結晶性ポリイミド樹脂 【化3】 (R5、R6は、それぞれ、水素、アルキル基、アルコキ
    シ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ
    基、又は、ハロゲン基であり、nは、0〜4の整数であ
    る。Y2は、一般式(1)におけるY1の定義と同じであ
    る。)100重量部に対して、成分(A)として、カー
    ボンブラック、成分(B)として、一般式(4)(化
    4) 【化4】 (R7は、炭素原子数6〜30の2価の芳香族基を、X2
    は、一般式(5)(化5) 【化5】 から選択された少なくとも1種の2価の基を表す。X3
    は、直結結合、エーテル結合、スルフィド結合、炭素原
    子数1〜10の炭化水素基、カルボニル基、六フッ素化
    されたイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香
    族基からなる少なくとも1種の2価の基を表す。)で表
    されるビスイミド化合物、及び、一般式(6)(化6) 【化6】 (R8は、−Cn2n+1−(n=0〜3)、又は、炭素原
    子数6〜30の1価の芳香族基を、Y3は、一般式
    (7)(化7) 【化7】 からなる4価の基である。ここで、Y4は、直結結合、
    エーテル結合、スルフィド結合、炭素数1〜10の炭化
    水素基、カルボニル基、スルホニル基、六フッ素化され
    たイソプロピリデン基、炭素原子数6〜18の芳香族基
    からなる群から選択された少なくとも1種の2価の基を
    表す。)で表されるビスイミド化合物からなる群から選
    択された少なくとも1種、成分(C)として、一般式
    (8)(化8)の繰り返し構造単位を有するポリエーテ
    ルエーテルケトン樹脂、 【化8】 一般式(9)(化9)の繰り返し構造単位を有するポリ
    エーテルケトン樹脂、 【化9】 一般式(10)(化10)の繰り返し構造単位を有する
    ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂、 【化10】 一般式(11)(化11)の繰り返し構造単位を有する
    ポリエーテルケトンケトン樹脂、 【化11】 からなる群から選択された少なくとも1種のポリアリー
    ルエーテルケトン樹脂の、成分(A)、成分(B)、成
    分(C)の三成分のうち、少なくとも2成分0.2〜2
    00重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物から
    なる、耐熱性保持容器。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックのC軸方向の結晶子サ
    イズ(Lc)が1〜20nmである請求項1記載の樹脂
    組成物からなる耐熱性保持容器。
  3. 【請求項3】 ビスイミド化合物が、一般式(12)
    (化12) 【化12】 請求項1又は2に記載した樹脂組成物からなる耐熱性保
    持容器。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物100重量部に対し、さら
    に、繊維状補強材5〜100重量部を含有してなる、請
    求項1乃至3の何れかに記載した耐熱性保持容器。
  5. 【請求項5】 保持容器が、半導体の製造において処理
    される半導体ウエハー用処理用容器である、請求項1乃
    至4の何れかに記載した耐熱性保持容器。
  6. 【請求項6】 保持容器が、液晶表示用ガラス基板の製
    造において処理されるガラス基板用のプラスチック性液
    晶表示用ガラス基板処理用容器である、請求項1乃至4
    の何れかに記載した耐熱性保持容器。
  7. 【請求項7】 保持容器が、ハードディスクの製造にお
    いて処理されるハードディスク処理用容器である、請求
    項1乃至4の何れかに記載した耐熱性保持容器。
  8. 【請求項8】 金型内で結晶化する熱可塑性結晶性ポリ
    イミド樹脂、及び/又は、金型内で結晶化する熱可塑性
    結晶性ポリイミド樹脂組成物を用いることを特徴とする
    耐熱性保持容器。
JP9200364A 1997-07-23 1997-07-25 金型内で結晶化するポリイミド樹脂を用いた耐熱性保持容器 Pending JPH1197517A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111712463A (zh) * 2018-05-01 2020-09-25 宇部兴产株式会社 碳酸锶颗粒、光学膜和图像显示装置

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