JP2606914B2 - 熱安定性の良好なポリイミドの製造方法 - Google Patents

熱安定性の良好なポリイミドの製造方法

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JP2606914B2 JP63334656A JP33465688A JP2606914B2 JP 2606914 B2 JP2606914 B2 JP 2606914B2 JP 63334656 A JP63334656 A JP 63334656A JP 33465688 A JP33465688 A JP 33465688A JP 2606914 B2 JP2606914 B2 JP 2606914B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は溶融成形用ポリイミド樹脂に関する。更に詳
しくは、熱安定性の良好な、成形加工性に優れたポリイ
ミド製造方法に関する。
[従来の技術] 従来からテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応
によって得られるポリイミドはその高耐熱性に加え、力
学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性など
を併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸
送機器などの分野で使用されており、今後共耐熱性が要
求される分野に広く用いられることが期待されている。
従来優れた特性を示すポリイミドが種々開発されてい
る。
しかしながら耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転
移温度を有しないために、成形材料として用いる場合に
焼結成形などの手法を用いて加工しなければならないと
か、また加工性は優れているが、ガラス転移温度が低
く、しかもハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、耐溶
剤性の面からは満足がゆかないとか、性能に一長一短が
あった。
一方、本発明者はさきに機械的性質、熱的性質、電気
的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性を有するポリ
イミドとして下記式(IV) (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基から成る群より選ばれた4価の基を表す。) で表わされる繰り返し単位を有するポリイミドを見出し
た(特開昭62−50372)。上記のポリイミドは、多くの
良好な物性を有する新規な耐熱性樹脂である。
しかしながら、上記ポリイミドは優れた流動性を示
し、加工性の良好なポリイミドではあるけれども、長時
間高温に保たれると、(例えば、射出成形時、シリンダ
ー内に高温で長時間滞留させるなどすると)徐々に溶融
樹脂の流動性が低下し、結果として成形加工性が低下す
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、ポリイミドが本来有する優れた特性
に加え、さらに熱安定性が良好で、長時間高温に保って
も成形加工性が低下しない優れたポリイミドを製造する
方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を
行って、本発明を完成した。すなわち、本発明は、 (イ)下記式(I) で表わされる芳香族ジアミンと、 (ロ)下記式(II) (式中、Rは後記する4価の基を表す。) で表わされるテトラカルボン酸二無水物と、 (ハ)下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは後記する1価の基を表す。) で表わされる芳香族モノアミンを、 (ニ)芳香族ジアミンの量はテトラカルボン酸二無水物
1モル当り0.9ないし1.0モル比であり、かつ芳香族モノ
アミンの量はテトラカルボン酸二無水物1モル当り0.00
1ないし1.0モル比で反応させることを特徴とする、式
(IV) (式中、Rは式(II)において定義したとおりであ
る。) で表わされる繰り返し単位からなり、そのポリマーの末
端が式(IV−a)の基である熱安定性の良好なポリイミ
ドの製造方法である。
(式中、RおよびZは前記において定義したとおりであ
る。) 本発明の方法で用いられる式(I)で表される芳香族
ジアミンとしては、ビス{4−[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェノキシ]フェニル}スルホンである。
なお、本発明の方法によって得られるポリイミドの良
好な物性を損なわない範囲で、上記芳香族ジアミンの1
部を他のジアミンで代替して用いることは何ら差し支え
ない。
一部代替して用いることのできるジアミンとしては、
例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミ
ン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェ
ニル)エーテル、(3−アミノフェニル)(4−アミノ
フェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エー
テル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−
アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、
ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−ア
ミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)
(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミ
ノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフ
ェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホ
ン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケ
トン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3
−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベ
ンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、2−[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(3−アミノ
フェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェ
ニル]プロパン、2−[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]−2−[4−(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチ
ルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3′−ジメチルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、4,4′−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テトラメ
チルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−3,3′−ジクロロビフェニル、4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、4,4′
−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テト
ラクロロビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−3,3′−ジブロモビフェニル、4,4′−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニル、4,
4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テ
トラブロモビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミ
ノフェノキシ)−3−メトキシフェニル]スルフィド、
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル]ス
ルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−3,5
−ジメトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]スルホンなどが挙げら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられ
る。
また、本発明の方法で用いられる式(II)で表される
テトラカルボン酸二無水物のRとしては、次の から成る群から選ばれたものである。これらテトラカル
ボン酸二無水物は単独あるいは2種以上混合して用いら
れる。
また、本発明の方法で用いられる式(III)で表され
る芳香族モノアミンのZとしては、次の からなる群から選ばれたものである。
本発明の方法において使用されるテトラカルボン酸二
無水物、芳香族ジアミンおよび芳香族モノアミンの使用
モル比は、テトラカルボン酸二無水物1モル当り、芳香
族ジアミンは0.9乃至1.0モル、芳香族モノアミンは0.00
1ないし1.0モルの割合である。
ポリイミドの製造に当たって、生成ポリイミドの分子
量を調節するために、テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンの量比を調節することは通常行われている。
本発明の方法に於いては、溶融流動性の良好なポリイミ
ドを得るためにはテトラカルボン酸二無水物に対する芳
香族ジアミンのモル比は0.9ないし1.0を使用する。
また共存させる芳香族モノアミンはテトラカルボン酸
二無水物に対して0.001ないし1.0モルの量が使用され
る。もし0.001モル以下であれば、本発明の目的とする
高温時の熱安定性が得られない。また1.0モル以上では
機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01ないし0.
5モルの割合である。
本発明の方法では、これ迄公知のポリイミドの製造方
法がすべて利用できるが、有機溶媒中で反応を行うのは
特に好ましい方法である。
この方法に用いる有機溶媒としては、例えばN,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタ
ム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エ
タン、ビス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−
ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、フェノール、m−クレゾール、p−
クレゾール、p−クロロフェノール、アニソールなどが
挙げられる。また、これらの有機溶媒は単独でも或いは
2種以上混合して用いても差し支えない。
本発明の方法で有機溶媒にテトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン、芳香族モノアミンを添加、反応さ
せる方法としては、 (イ)テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反
応させた後に、芳香族モノアミンを添加して反応を続け
る方法、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物に芳香族モノアミンを
加えて反応させた後、芳香族ジアミンを添加し、さらに
反応を続ける方法、 (ハ)テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン、芳
香族モノアミンを同時に添加、反応させる方法など、 いずれの添加、方法をとっても差し支えない。
反応は0℃ないし250℃の温度範囲で行われる。通常
は60℃以下の温度で行われる。
反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。
反応温度は、使用するテトラカルボン酸二無水物、芳
香族ジアミン、芳香族モノアミン、溶剤の種類および反
応温度により異なるが、通常4〜24時間で十分である。
このような反応により、下記式(V)の繰り返し単位
よりなるポリアミド酸が生成される。
(式中、Rは前記に同じ) このポリアミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、ま
たは通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチルアミ
ンと無水酢酸などを用いて化学イミド化することにより
下記式(IV)の繰り返し単位よりなる対応するポリイミ
ドが得られる。
(式中、Rは前記に同じ。) 一般的には低い温度でポリアミド酸を生成させた後、
さらにこれを熱的または化学的にイミド化することが行
われる。しかし60℃ないし250℃の温度で、このポリア
ミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポリイミ
ドを得ることもできる。すなわち、芳香族ジアミン、テ
トラカルボン酸二無水物、芳香族モノアミンを有機溶媒
中に懸濁または溶解させた後加熱下に反応を行い、ポリ
アミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に行わせて上記
式(IV)の繰り返し単位よりなるポリイミドを得ること
もできる。
また、有機溶媒を用いずに、テトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン、芳香族モノアミンの三者を混合
し、脱水剤の存在下または非存在下において処理するこ
とにより、ポリイミドを得る方法等も用いられる。
本発明のポリイミドを溶融成形に供する場合、本発明
の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性
ポリフェニレンオキシドなどを目的に応じて適当量を配
合することも可能である。またさらに通常の樹脂組成物
に使用する次のような充填剤などを、発明の目的を損な
わない程度で用いてもよい。すなわち、グラファイト、
カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素
樹脂などの耐摩耗性向上剤、ガラス繊維、カーボン繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボンウイスカ
ー、アスベスト、金属繊維、セラミック繊維などの補強
材、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウムなどの難燃性向上剤、クレー、マイカーなどの電気
的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラファイトなど
の耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタ
ケイ酸カルシウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、
アルミニウム粉、銅粉などの熱電導度向上剤、その他ガ
ラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、
シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料など
である。
[実施例] 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説
明する。
実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反
応器に、無水ピロメリット酸218g(1.0モル)とN,N−ジ
メチルアセトアミド4550gを装入し、ビス{4−[4−
(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]フェニル}スル
ホン585.8g(0.95モル)を室温で窒素雰囲気下に、溶液
温度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で約20時
間かきまぜた。この時得られたポリアミド酸の対数粘度
は0.56dl/gであった。なお対数粘度は、N,N−ジメチル
アセトアミドを溶媒とし、濃度0.5g/100ml溶媒、35℃で
測定した値である(以下同じ)。
このポリアミド酸溶液に、室温で窒素雰囲気下にアニ
リン9.3g(0.10モル)を加え、さらに1時間かきまぜ
た。次いで、この溶液に202g(2モル)のトリエチルア
ミンおよび306g(3モル)の無水酢酸を滴下した。滴下
終了後約2時間で黄色のポリイミド粉が析出し始めた。
さらに室温で20時間かきまぜて、反応物をメタノールに
排出ろ過した。さらにメタノールに分散洗浄し、ろ別、
180℃で2時間乾燥して、736gのポリイミド粉を得た。
このポリイミド粉のガラス転移温度は285℃、融点は420
℃(DSCによる。以下同じ。)であった。
本実施例で得られたポリイミド粉を用い、高化式フロ
ーテスター(島津製作所製、CFT−500)で直径0.1cm、
長さ1cmのオリフィスを用いて、溶融粘度の繰り返し測
定を行った。440℃の温度に5分間保った後、100kg/cm2
の圧力で押し出した。得られたストランドを粉砕し、さ
ら同一条件で押し出すというテストを5回連続して行っ
た。
繰り返し回数と溶融粘度の関係を第1図に示す。繰り
返し回数が増えても溶融粘度の変化は殆どなく、熱安定
性の良好なことがわかる。
比較例1 実施例1と全く同様に、但しアニリンを反応させると
いう操作を行わずに、729gのポリイミド粉を得た。
このポリイミド粉を用い、実施例1と同様にフローテ
スターにて溶融粘度の繰り返しテストを行い、第1図に
示す結果を得た。
繰り返し回数が増えると、溶融粘度が上昇し、実施例
1で得られたポリイミドに比較して、熱安定性の劣った
ものであった。
実施例2 実施例1と同様の装置に294g(1.0モル)の3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、14g(0.
15モル)のアニリンおよびジメチルアセトアミド4986g
と装入し、ビス{4−[4−(4−アミノフェノキシ)
フェノキシ]フェニル}スルホン585.8g(0.95モル)を
室温で窒素雰囲気下、溶液温度の上昇に注意しながら加
え、室温で約20時間かきまぜた。得られたポリアミド酸
の対数粘度は0.51であった。
次に、この溶液に202g(2モル)のトリエチルアミン
および306g(3モル)の無水酢酸を滴下した。20時間か
きまぜて淡黄色のスラリーを得た。このスラリーをろ過
し、メタノールで洗浄、180℃で8時間減圧乾燥して、8
10gの淡黄色ポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
ガラス転移温度は261℃であった。
本実施例で得られたポリイミドの成形安定性をフロー
テスターのシリンダー内滞留時間を変えて測定した。温
度は380℃、圧力は100kg/cm2で行った。第2図に結果を
示す。シリンダー内での滞留時間が長くなっても、溶融
粘度は殆ど変化せず、熱安定性の良好なことがわかる。
比較例2 実施例2と全く同様に、但しアニリンを使用せず淡黄
色のポリイミド粉を得た。
ポリイミド粉のガラス転移温度は261℃であった。実
施例2と同様にフローテスターシリンダー内での滞留時
間を変え、溶融粘度を測定したところ、滞留時間が長く
なるにしたがって溶融粘度が増加し、実施例2で得られ
たポリイミドに比べて熱安定性の劣るものであった。
実施例3 実施例1と同様の装置に、ビス{4−[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェノキシ]フェニル}スルホン585.
8g(0.95モル)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エーテル二無水物310g(1.0モル)、アニリン9.3g(0.1
0モル)および3570gのm−クレゾールを装入し、窒素雰
囲気下に、かきまぜながら加熱昇温し、150℃まで加熱
し、3時間かきまぜを続けた後、ろ過してポリイミド粉
を得た。さらにこのポリイミド粉はメタノールおよびア
セトンで洗浄し、精製した。このポリイミド粉のガラス
転移温度は235℃であった。
実施例1と同様、温度360℃、圧力100kg/cm2でフロー
テスターにて繰り返し押し出して夫々溶融粘度を測定し
たところ、測定回数による溶融粘度の変化は殆ど見られ
なかった。第3図に結果を示す。
比較例3 実施例1で得られたポリアミド酸溶液に実施例1と同
様にして、アニリン9.3g(0.10モル)を加え、さらに1
時間かきまぜた後、このポリアミド酸溶液を多量のエチ
ルエーテル中に投じてポリアミド酸を沈殿分離した。こ
うして得られたポリアミド酸粉末を35℃で窒素気流中で
乾燥したのち、イナートガスを充填したオーブン中で15
0℃で3時間、次いで200℃で1時間、さらに300℃で3
時間処理してポリイミドとした。このポリイミドの対数
粘度は0.55dl/gであった。このポリイミドの熱安定性を
実施例1と同様に評価した結果、実施例1と比較例1の
ほぼ中間的数値を示した。すなわち比較例1と比べれば
改良されているものの十分ではなく、実施例1と比較す
ると繰り返し溶融粘度には顕著な差異があり、繰り返し
溶融成形の使用に耐えるのものではないことを確認し
た。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、機械的性質、熱的性質、電気
的性質、耐溶剤性に優れ、しかも耐熱性である上に熱的
に長時間安定で、成形加工性に優れたポリイミドを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第3図は本発明のポリイミドの溶融繰り返
し回数と溶融粘度の関係を、第2図は本発明のポリイミ
ドのフローテスターシリンダー内滞留時間と溶融粘度の
関係を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)下記式(I) で表される芳香族ジアミンと、 (ロ)下記式(II) (式中、Rは、 から成る群より選ばれた4価の基を表わす。) で表されるテトラカルボン酸二無水物と、 (ハ)下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは、 から成る群より選ばれた1価の基を表わす。) で表される芳香族モノアミンを、 (ニ)芳香族ジアミンの量がテトラカルボン酸二無水物
    1モル当り0.9ないし1.0モル比であり、かつ芳香族モノ
    アミンの量がテトラカルボン酸二無水物1モル当り0.00
    1ないし1.0モル比で反応させることを特徴とする、式
    (IV) (式中、Rは式(II)において定義したとおりであ
    る。) で表される繰り返し単位からなり、そのポリマーの末端
    が式(IV−a)の基である熱安定性の良好なポリイミド
    の製造方法。 (式中、RおよびZは前記において定義したとおりであ
    る。)
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Cited By (3)

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