JP2563548B2 - 成形加工性良好なポリイミドの製造方法 - Google Patents

成形加工性良好なポリイミドの製造方法

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は溶融成形用ポリイミド樹脂に関する。更に詳
しくは、成形加工性に優れたポリイミド製造方法に関す
る。
[従来の技術] 従来からテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応
によって得られるポリイミドはその高耐熱性に加え、力
学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性など
を併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸
送機器などの分野で使用されており、今後共耐熱性が要
求される分野に広く用いられることが期待されている。
従来優れた特性を示すポリイミドが種々開発されてい
る。
しかしながら耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転
移温度を有しないために、成形材料として用いる場合に
焼結成形などの手法を用いて加工しなければならないと
か、また加工性は優れているが、ガラス転移温度が低
く、しかもハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、滞溶
剤性の面から満足がゆかないとか、性能に一長一短があ
った。
一方、本発明者はさきに機械的性質、熱的性質、電気
的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性を有するポリ
イミドとして下記式(IV) (式中、Xはカルボニル基またはスルホン基を表し、R
は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香
族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る
群より選ばれた4価の基を表す。) で表わされる繰り返し単位を有するポリイミドを見出し
た(特開昭62−53388)。上記のポリイミドは、多くの
良好な物性を有する新規な耐熱性樹脂である。
上記ポリイミドは高温時、流動する為、各種の溶融成
形が可能であるが、成形加工上では、より低温で流動性
が良く、さらには成形加工時、安定した流動性を示すポ
リイミドの開発が要望されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、ポリイミドが本来有する優れた特性
に加え、長時間高温に保っても成形加工性の優れたポリ
イミドを製造する方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を
行って、本発明を完成した。すなわち、本発明は、 ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、
得られたポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化す
るポリイミドの製造方法に於いて、 (イ)ジアミンが下記式(I) (式中、Xはカルボニル基またはスルホン基を表す。) で表わされるジアミンであり、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物が下記式(II) (式中、Rは後記する4価の基を表す。) で表わされるテトラカルボン酸二無水物であり、 (ハ)さらに反応が下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは後記する1価の基を表す。) で表される脂肪族および/又は脂環式モノアミン(以下
モノアミンと略称する。)の存在のもとに行われ、かつ (ニ)ジアミンの量はテトラカルボン酸二無水物1モル
当り、0.9乃至1.0モルの割合であり、かつモノアミンの
量はテトラカルボン酸二無水物1モル当り0.001乃至1.0
モルの割合である式(IV) (式中、XおよびRはそれぞれ式(II)および(III)
において定義したとおりである。) で表わされる繰り返し単位からなる成形加工性の良好な
ポリイミド製造方法である。
本発明の方法で用いられる式(I)で表されるジアミ
ンとしては、4,4′−ビス[4−(4−α,α−ジメチ
ルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノンまたはビス
[4−{4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジ
ル)フェノキシ}フェニル]スルホンが挙げられ、これ
らは単独あるいは2種混合して用いられる。
なお、本発明の方法のポリイミドの良好な物性を損な
わない範囲で、上記ジアミンの1部を他のジアミンで代
替して用いることは何ら差し支えない。
一部代替して用いることのできるジアミンとしては、
例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミ
ン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェ
ニル)エーテル、(3−アミノフェニル)(4−アミノ
フェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エー
テル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−
アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、
ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−ア
ミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)
(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミ
ノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフ
ェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホ
ン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビ
ス[4−(3−アミノフェノキシフェニル]メタン、1,
1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エ
タン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2−[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]−2−[4−(3−アミノフェノキシ)−3
−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、
2−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−2−
[4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,
2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス
(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,
4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′−ジメチル
ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,5−ジメチルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル、
4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′−ジクロ
ロビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,5′−ジクロロビフェニル、4,4′−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テトラクロロビフェニ
ル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′−ジ
ブロモビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジブロモビフェニル、4,4′−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テトラブロモビフェ
ニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]
ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
−3−メトキシフェニル]スルフィド、[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル][4−(3−アミノフェノ
キシ)−3,5−ジメトキシフェニル]スルフィド、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフ
ェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミ
ノフェニル)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾ
イル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)ベンゾイル]ベンゼンなどが挙げられる。
また、本発明の方法で用いられる式(II)で表わされ
るテトラカルボン酸二無水物としては、式IIにおけるR
からなる群から選ばれたものである。これらテトラカル
ボン酸二無水物は単独あるいは2種以上混合して用いら
れる。
また式(III)で表されるモノアミンとしては、式II
におけるZが CH3−,CH3CH2−,CH3CH2CH2−, CH3CH2CH2CH2−, CH3(CH2CH3(CH2−,CH3(CH2−, CH3(CH2−, CH3(CH2−,CH3(CH2−, から成る群から選ばれたものである。これら脂肪族アミ
ンおよび脂環式モノアミンは単独あるいは2種以上混合
して用いられる。
本発明では式(II)で表されるテトラカルボン酸二無
水物1.0モル比に式(I)で表されるジアミン0.9〜1.0
モル比を使用し、これにモノアミン0.001〜1.0モル比、
好ましくは0.01〜0.5モル比の存在下でえられるポリア
ミド酸を熱的または化学的にイミド化してえられるが、
ここで使用するモノアミンに本発明の特徴があり、モノ
アミンはポリイミドの生成時、直接あるいは間接的に反
応に寄与し、ポリイミドの構成成分の一部あるいはポリ
イミドの生成反応の触媒的作用をはたし、加工性の良い
ポリイミドをえるための主要役割をするものである。即
ち、モノアミンが0.001モル比以下では加工性の良いポ
リイミドをえることはできず、また逆に1.0モル比以上
使用すると良好な機械的特性を有するポリイミドがえら
れない。
モノアミンの0.001〜1.0モル比の存在下で良好な加工
性を有するポリイミドを製造できるが、この場合ポリイ
ミドの原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン
との使用割合はテトラカルボン酸二無水物1.0モル比に
対し、ジアミン0.9〜1.0比を使用する場合に効果があ
り、この範囲以外では本発明の高温で熱安定性のよいポ
リイミドをえることはできない。
本発明の方法では、反応は有機溶楳中で行われる。有
機溶楳としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、m−クレゾール、p−クレゾール
など公知のものが広く用いられる。
前記ジアミン、テトラカルボン酸二無水物及びモノア
ミンを使用して有機溶楳中でホリイミドを製造するが、
この場合ポリイミドの公知の製造方法はすべて利用でき
る。即ち、 (イ)ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させ
た後に、モノアミンを添加して反応を続ける方法、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物にモノアミンを添加し
反応させた後、ジアミンを加えてさらに反応を続ける方
法、 (ハ)ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、モノアミ
ンを同時に添加、反応させる方法など、いずれの添加、
反応をとっても差し支えない。
反応温度は0℃乃至250℃で行われるが、通常は60℃
以下の温度で行われる。
反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。
反応時間は、使用するジアミン、テトラカルボン酸二
無水物、モノアミン、有機溶楳の種類および反応時間に
より異なるが、通常4〜24時間で十分である。
このような反応により、下記式(V)の繰り返し単位
からなるポリアミド酸が生成される。
(式中、X及びRは前記に同じ) このポリアミド酸を溶液状態で100〜400℃に加熱脱水
するか、または通常用いられるイミド化剤、例えばトリ
エチルアミンと無水酢酸などを用いて化学イミド化する
ことにより下記式(IV)の繰り返し単位からなる対応す
るポリイミドが得られる。
(式中、X及びRは前記に同じ。) 一般的には低い温度でポリアミド酸を生成させた後
に、さらにこれを熱的または化学的にイミド化すること
が行われる。しかし60℃乃至250℃の温度で、このポリ
アミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポリイ
ミドを得ることもできる。すなわち、ジアミン、テトラ
カルボン酸二無水物、モノアミンを有機溶楳中に懸濁又
は溶解させた後加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生
成と脱水イミド化とを同時に行わせて上記式(IV)の繰
り返し単位を基本骨格として有するポリイミドを得るこ
ともできる。
本発明においては、後記の実施例2及び比較例4から
明らかになるように、ジアミン、テトラカルボン酸二無
水物及びモノアミンを有機溶楳中で反応させることによ
って、無溶楳で反応させた場合に比較して、得られたポ
リイミドは高温度い長時間維持しても溶融粘度の変化が
ない。
本発明のポリイミドを溶解成形に供する場合、本発明
の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性
ポリフェニレンオキシドなどを目的に応じて、適当量を
配合することも可能である。またさらに通常の樹脂組成
物に使用する次のような充填剤などを、発明の目的を損
なわない程度で用いてもよい。すなわちグラファイト、
カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素
樹脂などの耐摩耗性向上剤、ガラス繊維、カーボン繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボンウイスカ
ー、アスベスト、金属繊維、セラミック繊維などの補強
材、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウムなどの難燃性向上剤、クレー、マイカなどの電気的
特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラファイトなどの
耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケ
イ酸カルシウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、ア
ルミニウム粉、銅粉などの熱電導度向上剤、その他ガラ
スビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シ
ラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料などで
ある。
[実施例] 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説
明する。
実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反
応器にピロメリット酸無水物218g(1.0モル)及びN,N−
ジメチルアセトアミド5kgを装入し、ビス{4−[4−
(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキ
シ]フェニル}スルホン641g(0.96モル)を室温で窒素
雰囲気下に、溶液温度の上昇に注意しながら分割して加
え、室温で約20時間かきまぜた。
このポリアミド酸溶液に、室温で窒素雰囲気下にn−
ヘキシルアミン12.15g(0.12モル)を加え、さらに1時
間かきまぜた。次いで、この溶液に202g(2モル)のト
リエチルアミンおよび255g(2.5モル)の無水酢酸を滴
下し、室温で20時間かきまぜて、淡黄色スラリーを得
た。このスラリーをろ別し、さらにメタノールで洗浄
し、ろ別、180℃で8時間乾燥して、777gのポリイミド
粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.55dl/gであ
った。ここに対数粘度はポリイミド粉末0.5gを100mlの
溶楳(パラクロロフェノール:フェノール=90:10重量
比)に加熱溶解し、冷却したのち35℃で測定した値であ
る。またこのポリイミド粉末のガラス転移温度は275℃
(DSC法により測定、以下同じ)で、5%重量減少温度
は545℃(DTA−TG法により測定)であった。
本実施例で得られたポリイミド粉末を用い、高化式フ
ローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径
0.1cm、長さ1cm)で、溶解粘度と圧力(剪断速度)との
関係を測定した。第1図は370℃の温度に5分間保った
後、剪断速度を種々変えて測定した溶融粘度と剪断速度
との関係である。
比較例1 n−ヘキシルアミンを使用しない以外は、実施例1と
同様にして、770gの淡黄色ポリイミド粉を得た。得られ
たポリイミド粉の対数粘度は0.55dl/gであった。
このポリイミド粉を用い、実施例1と同様にフローテ
スターにて溶融粘度の測定を行い、第1図に示す結果を
得た。
実施例2 実施例1と同様の装置に4,4′−ビス[4−(4−ア
ミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾ
フェノン607g(0.96モル)、シクロヘキシルアミン7.9g
(0.08モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド4840gを装
入し、室温で窒素雰囲気下に218g(1.0モル)のピロメ
リット酸二無水物を溶液温度の上昇に注意しながら加
え、室温で約20時間かきまぜた。
次にこの溶液に、202g(2モル)のトリエチルアミン
および255g(2.5モル)の無水酢酸を滴下した。20時間
かきまぜて淡黄色スラリーを得た。このスラリーをろ過
し、メタノールで洗浄、180℃で8時間減圧乾燥して、7
57gの淡黄色ポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
ガラス転移温度は235℃、対数粘度は0.58dl/gであっ
た。
本実施例で得られたポリイミドの成形安定性をフロー
テスターのシリンダー内滞留時間を変えて、測定した。
温度は340℃、圧力は100kg/cm2で行った。第2図に結果
を示す。シリンダー内での滞留時間が長くなっても、溶
融粘度は殆ど変化せず、熱安定性の良好なことがわか
る。
比較例2 実施例2と全く同様に、但しシクロヘキシルアミンを
使用せず淡黄色ポリイミド粉末を得た。
ポリイミド粉のガラス転移温度は235℃、対数粘度は
0.58dl/gであった。実施例2と同様にフローテスターシ
リンダー内での滞留時間を変え、溶融粘度を測定したと
ころ、第2図に示したように滞留時間が長くなるにした
がつて溶融粘度が増加し、実施例2で得られたポリイミ
ドに比べて熱安定性の劣るものであった。
実施例3 実施例1と同様の装置に、ビス[4−{4−(4−ア
ミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ}フェニ
ル]スルホン648g(0.97モル)、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)エーテル二無水物310g(1.0モル)、n
−オクチルアミン11.6g(0.09モル)および5500gのm−
クレゾールを装入し、窒素雰囲気下に、かきまぜながら
加熱昇温した。150℃まで加熱し、2時間かきまぜを続
けた後、冷却し、反応物をメタノールに排出し、ろ過し
てポリイミド粉を得た。
このポリイミド粉をメタノールおよびアセトンで洗浄
した後180℃で8時間減圧乾燥して、887gのポリイミド
粉を得た。
このポリイミド粉の対数粘度は0.61dl/g、ガラス転移
温度は220℃であった。実施例1と同様にして温度340℃
でフローテスターにより、溶融粘度の測定を行った。
第3図に結果を示す。
比較例3 n−オクチルアミンを使用しない以外は、実施例3と
同様にして、対数粘度は0.61dl/g、ガラス転移温度は22
0℃のポリイミドを得た。
実施例1と同様の測定を340℃で行った。結果を第3
図に示す。
比較例4 実施例2で得られたポリアミド酸溶液を多量のエチル
エーテル中に投じてポリアミド酸を沈殿分離した。こう
して得られたポリアミド酸粉末を35℃で窒素気流中で乾
燥したのち、イナートガス雰囲気オーブン中で150℃で
3時間、次いで200℃で1時間、さらに300℃で3時間処
理してポリイミドとした。ポリイミドの対数粘度のガラ
ス転移点は、225℃、対数粘度は0.58dl/gであった。
実施例2と同様にフローテスターシリンダー内での滞
留時間を変え、溶融粘度を測定したところ、第2図に示
したように滞留時間が長くなるにしたがって溶融粘度が
増加し、実施例2で得られたポリイミドに比べて熱安定
性の劣るものであった。
[発明の効果] 本発明方法によれば、ポリイミドが本来もっている優
れた特性に加え、長時間高温に保っても成形加工性の優
れたポリイミドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および比較例1で得られたポリイミド
のせん断速度と溶融粘度との関係を示すグラフ、第2図
は実施例2及び比較例2で得られたポリイミドの熱安定
性を示すための、滞留時間と溶融粘度の関係を示すグラ
フ、第3図は実施例3および比較例3で得られたポリイ
ミドのせん断速度と溶融粘度との関係を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県鎌倉市材木座1―13―24 (56)参考文献 特開 昭62−53388(JP,A) 特開 昭62−135529(JP,A) 特開 昭59−170122(JP,A) 特公 昭38−5997(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二無水
    物とを反応させ、得られたポリアミド酸を熱的または化
    学的にイミド化するポリイミドの製造方法において、 (イ)芳香族ジアミンが下記式(I) (式中、Xはカルボニル基またはスルホン基を表す。) で表わされる芳香族ジアミンであり、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物が下記式(II) (式中、Rは から成る群より選ばれた4価の基を表わす。) で表わされるテトラカルボン酸二無水物であり、 (ハ)さらに反応が下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは CH3−,CH3CH2−,CH3CH2CH2−, CH3CH2CH2CH2−, CH3(CH2CH3(CH2−,CH3(CH2−, CH3(CH2−, CH3(CH2−,CH3(CH2−, から成る群より選ばれた1価の基を表わす。) で表わされるモノアミンの存在のもとに行われ、 (ニ)芳香族ジアミンの量はテトラカルボン酸二無水物
    1モル当り、0.9ないし1.0モルの割合であり、かつモノ
    アミンの量はテトラカルボン酸二無水物1モル当り0.00
    1ないし1.0モルの割合である式(IV) (式中、XおよびRはそれぞれ式(I)および(II)に
    おいて定義したとおりである。) で表わされる繰り返し単位からなる熱安定性の良好なポ
    リイミドの製造方法。
JP63326328A 1988-12-26 1988-12-26 成形加工性良好なポリイミドの製造方法 Expired - Fee Related JP2563548B2 (ja)

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