JP3221710B2 - ビスイミド化合物、これらの化合物を用いるポリイミド樹脂組成物、および炭素繊維強化ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ビスイミド化合物、これらの化合物を用いるポリイミド樹脂組成物、および炭素繊維強化ポリイミド樹脂組成物

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JP3221710B2
JP3221710B2 JP00756992A JP756992A JP3221710B2 JP 3221710 B2 JP3221710 B2 JP 3221710B2 JP 00756992 A JP00756992 A JP 00756992A JP 756992 A JP756992 A JP 756992A JP 3221710 B2 JP3221710 B2 JP 3221710B2
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英治 瀬上
治 安井
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昭憲 龍
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスイミド化合物、こ
れらの化合物を含有するポリイミド樹脂組成物、および
これらの化合物を表面に塗布した炭素繊維を含有する炭
素繊維強化ポリイミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス、宇宙航空用機
器、輸送機器などの分野において各種工業材料の高性能
化、軽量化のため、より高温特性の優れた材料が求めら
れている。これらの材料の中でポリイミドは、その高耐
熱性に加え、力学的強度、寸法安定性、難燃性、電気絶
縁性などを併せ持っており、電気・電子機器、宇宙航空
用機器、輸送機器などの分野で素材として広く使用され
ているが、高分子量ポリイミド樹脂は一般にその軟化温
度が高く、また殆どの有機溶剤に不溶の為その使用には
困難を伴っていた。
【0003】ウルテム(GE社、登録商標)に代表わさ
れる熱可塑性ポリイミド樹脂は、耐熱性および機械強度
の点で汎用エンジニアリングプラスチックより優れてい
ることから、スーパーエンジニアリングプラスチックと
称され、電気・電子機器、機械、自動車等の用途に幅広
く検討されている。最近は技術の進歩と共に、ウルテム
以上の耐熱性、機械特性を有する新規な熱可塑性ポリイ
ミド樹脂の開発が要求されている。
【0004】例えば、エーテルジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミド樹脂の
製法が米国特許4,847,349に開示されている
し、また、3,3’−ジアミノベンゾフェノンとテトラ
カルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミド
樹脂の製法も特開平2−018419等により提出され
ている。何れも従来には無い耐熱性、機械特性を有する
新規なポリイミド樹脂を提供したものである。
【0005】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドなどに代
表される通常のエンジニアリングプラスチックに比較す
ると、上記のポリイミドは耐熱性やその他の特性におい
てはるかに優れているものの、分子量が大きくなると溶
融流動性が低下し、成形加工性はそれらの樹脂にいまだ
及ばない。
【0006】これらのポリイミド樹脂の特性、特に機械
強度を一段と高めるために、一般に繊維状補強体、特に
炭素繊維が配合される。しかしながら、炭素繊維はエポ
キシ樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化プラスチッ
クに多く使用されているため、炭素繊維の集束剤として
は、通常、エポキシ樹脂が使われている。従って、エポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂がマトリックスである場合に
はエポキシ樹脂集束剤は有効であるが、ポリイミド樹脂
に対しては接着性が悪く、機械強度の良好な樹脂組成物
は得られない。
【0007】また、例えば、特開昭53−106752
号公報に開示されているように、ポリアミド樹脂を炭素
繊維の集束剤に用いる方法もあるが、一般にポリイミド
樹脂の成形には少なくとも300℃以上の高温が必要で
あるため、成形中に集束剤が熱分解してボイドの生成、
ウェルド部強度の低下等の問題が生じている。さらに、
特開昭56−120730号公報に開示されているよう
に、芳香族ポリスルホン樹脂により集束した炭素繊維を
用いる方法もあるが、機械強度の向上は小さく、要求特
性を充分に満足し得るに至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性に加え、優れた加工性を有する化合物を得るこ
とにある。本発明の他の目的は、ポリイミドが本来有す
る特性を損なうことなく、溶融時流動性の面において極
めて優れた成形用のポリイミド系樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0009】本発明の更なる目的は、優れた機械強度を
有するポリイミド系樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリイミド樹脂に
芳香族ビスイミド化合物を含有させてなるポリイミド樹
脂組成物が溶融流動性および成形加工性にすぐれ、また
これらの芳香族ビスイミド化合物を表面に塗布した炭素
繊維を含有させてなるポリイミド樹脂組成物が優れた機
械強度を有することを見出し、さらにこれらの組成物に
極めて有用な新規なビスイミド化合物を見出し、本発明
を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化32】
【0012】〔式中、Aは
【化33】 (ここで、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表わ
す)、
【0013】
【化34】
【0014】からなる群から選ばれる2価の基を表わ
し、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多
環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表わ
す〕で表わされるビスイミド化合物である。具体的に
は、つぎの各種のビスイミド化合物が含まれる。すなわ
ち、一般式(2)
【化35】 (式中、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表わ
し、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多
環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表わす)
で表わされるビスイミド化合物、
【0015】一般式(3)
【化36】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす)で表わされるビスイミド化合物、
【0016】一般式(4)
【化37】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす)で表わされるビスイミド化合物、
【0017】一般式(5)
【化38】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす)で表わされるビスイミド化合物、
【0018】一般式(6)
【化39】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす)で表わされるビスイミド化合物である。
【0019】また、本発明の他の発明は、芳香族ビスイ
ミド化合物とポリイミドを含有してなるポリイミド樹脂
組成物である。例えば、必須の成分として前記一般式
(1)で表わされるビスイミド化合物とポリイミド、
【0020】特に一般式(8)
【化40】
【0021】〔式中、A’は、
【化41】 ( ここで、Xは直結、炭素数1乃至10の2価の炭化水
素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニ
ル基、チオ基またはスルホニル基を表わし、Y1〜Y4
はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、塩素または臭素原子を表わす)または
【0022】
【化42】 の2価の基を表し、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環
式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価の基を表
わす〕で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミ
ドを含有するポリイミド樹脂組成物である。
【0023】芳香族ビスイミド化合物とポリイミドの好
ましい組み合わせとして、つぎが例示される。 (1)ポリイミドが、一般式(9)
【化43】 (式中、R’は一般式(8)の場合と同じである)で表
わされる繰り返し構造単位を有するものであり、芳香族
ビスイミド化合物が、
【0024】一般式(3)
【化44】 (式中、Rは前記と同じである)で表わされるビスイミ
ド化合物および/または一般式(2)
【0025】
【化45】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
わされるビスイミド化合物であるポリイミド樹脂組成
物、
【0026】(2)、ポリイミドが、一般式(11)
【化46】 (式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
基、チオ基またはスルホニル基を表わし、Y1〜Y4は
それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、塩素または臭素原子を表わし、R’は炭素数2以上
の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に
連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれ
た四価の基を表わす)で表わされる繰り返し構造単位を
有するポリイミドであり、芳香族ビスイミド化合物が、
前記の一般式(2)で表わされるビスイミド化合物およ
び/または一般式(2)で表わされるビスイミド化合物
であるポリイミド樹脂組成物、
【0027】(3)、ポリイミドが、一般式(9)
【化47】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリイミドであり、
【0028】芳香族ビスイミド化合物が一般式(3)
【化48】 (式中、Rは前記と同じである)であるポリイミド樹脂
組成物、
【0029】(4)ポリイミドが、一般式(11)
【化49】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド
であり、芳香族ビスイミド化合物が
【0030】一般式(2)
【化50】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
わされるもの、
【0031】一般式(5)
【化51】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
す)で表わされるもの、
【0032】一般式(4)
【化52】 (式中、Rは前記と同じである)で表わされるもの、
【0033】又は、一般式(6)
【化63】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす)で表わされるビスイミド化合物であるポリイミド
樹脂組成物である。
【0034】さらに(5)ポリイミドが、一般式(1
7)
【化54】 (式中、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わす)で
表わされる繰り返し構造単位を有するものであって、芳
香族ビスイミド化合物が上記の一般式(1)、好ましく
は、一般式(2)、(3)、(4)、(5)または
(6)で表わされるものであるポリイミド樹脂組成物で
ある。
【0035】また、更なる本発明は、一般式(1)の
芳香族ビスイミド化合物、好ましくは、前記一般式
(2)
【化55】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
わされるビスマレイミド化合物を表面に塗布した炭素繊
維と、ポリイミド、特に前記一般式(11)
【0036】
【化56】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド
または一般式(9)
【0033】
【化57】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリイミドを含有する炭素繊維強化
ポリイミド樹脂組成物である。
【0034】本発明のビスイミドは、ポリイミドに含有
させた場合に良好な耐熱性と良好な加工性を併せ付与す
るため、耐熱塗料、耐熱接着剤、カーボンファイバーや
ガラス繊維などのサイジング剤、耐熱樹脂の可塑剤など
として有用な化合物である。また、ポリイミド樹脂にビ
スイミド化合物を添加することにより、樹脂の溶融時粘
度を大幅に低下させ、成形加工性を改良することが出来
る。特に本発明のビスイミド化合物を含有するポリイミ
ド樹脂組成物は成型加工性が著しく改善される。本発明
のビスイミド化合物を塗布した炭素繊維を含有するポリ
イミド樹脂組成物は優れた機械強度を有しており、電気
・電子機器、機械、自動車、航空・宇宙機器、一般産業
用機器などあらゆる産業に於ける部品の素材として広く
活用することができるので、その工業的価値は大きい。
【0035】本発明のビスイミド化合物は、前記一般式
(1)で表わされる化合物であり、具体的化合物として
は、一般式(2)、(3)、(4)、(5)および
(6)でそれぞれ表わされるビスイミド化合物が挙げら
れる。これらの化合物は、一般式(1−a)
【0036】
【化58】 〔式中、Aは
【0037】
【化59】 (ここで、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表わ
す)、
【0038】
【化60】 からなる群から選ばれる2価の基を表わす〕で表わされ
るジアミン化合物と、一般式(18)
【0039】
【化61】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた二価の基を表
わす)で表わされるジカルボン酸無水物とを反応させて
得られる。
【0040】本発明のビスイミド化合物を得るために使
用されるジアミン化合物としては、一般式(2−a)
【化62】 〔式中、Y1〜Y4は、一般式(2)の場合と同じであ
る〕で表わされるジアミン化合物、具体的な化合物とし
ては、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−
メチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−
ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジクロロビ
フェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,5−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラクロロ
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3’−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラブロモビフェニルなどがあげられる。
【0041】また、式(3−a)
【化63】 の3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
【0042】式 (4−a)
【化64】 のビス−〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホン、
【0043】式 (5−a)
【化65】 の1,3−ビス−(4−アミノ−α,α−ジメチルベン
ジル)ベンゼン、
【0044】式(6−a)
【化66】 ビス−〔3−{4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイ
ル}フェニル〕エーテル等である。、
【0045】以上列挙したジアミン化合物は、単独ある
いは2種以上混合して用いられる。本発明のビスイミド
化合物を得るために使用する芳香族ジカルボン酸無水物
は、一般式(18)で表わされるジカルボン酸無水物で
あり、具体的な化合物として、無水フタル酸、3−メチ
ルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、2,3
−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾ
フェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフ
ェニルフェニルエーテル酸無水物、3,4−ジカルボキ
シフェニルフェニルエーテル酸無水物、3,4−ビフェ
ニルジカルボン酸無水物、2,3−ビフェニルジカルボ
ン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルス
ルホン酸無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニ
ルスルホン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルフィド酸無水物、3,4−ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルフィド酸無水物、1,2−ナフタレン
ジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,
2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アント
ラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカ
ルボン酸無水物などが挙げられ、これらは単独あるいは
2種以上混合して用いられる。
【0046】ジアミンとジカルボン酸無水物の反応方法
は特に限定されず、公知の方法が制限無く採用できる
が、有機溶媒中で行うのは特に好ましい方法である。こ
の反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル
カプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2
−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メト
キシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエト
キシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェ
ノール、アニソールなどが挙げられる。また、これらの
有機溶剤は単独でも或いは2種以上混合して用いても差
し支えない。
【0047】反応温度は、通常200℃以下、好ましく
は50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧
で充分実施できる。反応時間は溶剤の種類及び反応温度
により異なり、通常、本発明のビスイミド化合物の前駆
体であるビスアミド酸の生成が完了するに充分な時間反
応させる。通常、10分〜24時間で充分である。この
ような反応により、目的のビスイミド化合物に対応する
ビスアミド酸が得られる。
【0048】一般式(2)のビスイミド化合物に対応す
る一般式(2−b)
【化67】 で表わされるビスアミド酸、
【0049】一般式(3)のビスイミド化合物に対応す
る一般式(3−b)
【化68】 で表わされるビスアミド酸、
【0050】一般式(4)のビスイミド化合物に対応す
る一般式(4−b)
【化69】 で表わされるビスアミド酸、
【0051】一般式(5)のビスイミド化合物に対応す
る一般式(5−b)
【化70】 で表わされるビスアミド酸、
【0052】一般式(6)のビスイミド化合物に対応す
る一般式(6−b)
【化71】 で表わされるビスアミド酸等である。
【0053】更に得られたこれらのビスアミド酸を80
〜400℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸
などのイミド化剤を用いて化学的に脱水イミド化するこ
とにより一般式(1)〜(6)で示されるビスイミド化
合物を得ることができる。また、前記のジアミン化合物
と前記のジカルボン酸無水物とを有機溶剤中に懸濁また
は溶解させた後、50〜400℃に加熱しビスアミド酸
の生成と脱水イミド化とを同時に行うことにより対応す
るビスイミド化合物を得ることも可能である。
【0054】一般式(2−a)および(6−a)で表わ
されるジアミン化合物を用いて得られる一般式(2)お
よび(6)で表わされるビスイミド化合物は、すべて2
90℃以下の融点を有し、また一般式(3−a)で表わ
されるジアミン化合物を用いて得られる一般式(3)で
表わされるビスイミド化合物は、すべて290℃以下の
融点を有する等本発明で得られるビスイミド化合物は高
分子量のポリイミドに比して、低い融点を有し、溶融成
形が容易に行え、溶融成形性に優れている。また、ジク
ロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン
化炭化水素に5重量%以上溶け、これらの溶剤に溶解
し、溶液としても使用できる。
【0055】本発明のポリイミド樹脂組成物は、芳香族
ビスイミド化合物、例えば、本発明の一般式(1)で表
わされるビスイミド化合物等とポリイミドを、必須成分
として含有してなるポリイミド樹脂組成物である。すな
わち、本願発明のポリイミド樹脂組成物は、芳香族ビス
イミド化合物とポリイミドを必須成分として含有する新
規なポリイミド樹脂組成物であり、特に芳香族ビスイミ
ド化合物として本発明の一般式(1)で表わされる新規
なビスイミド化合物を用いたポリイミド樹脂組成物が好
ましい。
【0056】本発明のポリイミド樹脂組成物におけるポ
リイミドは、特に限定されず各種のポリイミドを使用で
きる。とくに、好ましく多用されるポリイミドは、一般
式(8)
【0057】
【化72】 (式中、A’およびR’は前記と同じである)で表わさ
れる繰り返し構造単位を有するポリイミドである。
【0058】具体的には、一般式(9)
【化73】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリイミド、
【0059】一般式(11)
【化74】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は、前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミ
ド、
【0060】一般式(17)
【化75】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。し
たがって、本願発明の組成物において、ポリイミド樹脂
成分とビスイミド化合物成分の組み合わせの代表的態様
として、具体的に次のものが挙げられる。
【0061】すなわち、(1)ポリイミドが、一般式
(9)
【化76】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するものであり、ビスイミド化合物が一
般式(1)
【0062】
【化77】 (式中、AおよびRは前記と同じである)、特に、一般
式(2)
【0063】
【化78】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
わされるビスイミド化合物であるもの、
【0064】(2)ポリイミドが、一般式(11)
【化79】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド
樹脂であり、ビスイミド化合物が前記一般式(1)
【0065】
【化80】 (式中、AおよびRは前記と同じである)、特に一般式
(2)
【0066】
【化81】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
わされるビスイミド化合物であるもの、
【0067】(3)ポリイミドが一般式(9)
【化82】 (式中、R’は、前記と同じである)で表わされる繰り
返し構造単位を有するものであり、ビスイミド化合物が
一般式(3)
【0068】
【化83】 (式中、Rは前記と同じである)で表わされるビスイミ
ド化合物であるもの、
【0069】(4)ポリイミドが一般式(11)または
(17)
【化84】
【0070】
【化85】 (いずれも式中、R’は、前記と同じである)で表わさ
れる繰り返し構造単位を有するものであって、
【0071】一般式(5)
【化86】 (式中、Rは前記と同じである)、
【0072】一般式(4)
【化87】 (式中、Rは前記と同じである)、
【0073】一般式(6)
【化88】 (式中、Rは前記と同じである)で表わされるビスイミ
ド化合物であるもの等が挙げられる。
【0074】本発明の組成物で使用されるポリイミド
は、ジアミン化合物と一般式(19)
【化89】 (式中、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わす)で
表わされるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得ら
れるポリアミド酸を脱水環化して合成することができ
る。具体的には特開平2−022422、2−1334
27、2−229124等によって開示されている方法
によって容易に調製することができる。
【0075】原料として用いられるジアミン化合物は、
所望のポリイミドを与える各種のジアミン化合物が使用
できる。例えば、つぎのようなジアミン化合物が用いら
れる。上記一般式(9)で表わされる繰り返し構造単位
を有するポリイミドを得るには、3,3’−ジアミノベ
ンゾフェノン、また、上記一般式(11)で表わされる
繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂を得るには、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノ
キシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニ
ル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ))−3,5−ジメチルフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフ
ェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3−メトキシフェニル〕スルフィド、〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン等のジアミン化合物
が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して用い
られる。
【0076】また、上記一般式(17)で表わされるポ
リイミドを得るには、ビス〔4−{4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホンが用いられ
る。一方、この方法で用いられる一般式(19)で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エ
チレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、1,1−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、(4,4’−p−フェニレンジオキ
シ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレン
ジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物など
であり、これらテトラカルボン酸二無水物は単独または
2種以上混合して用いられる。
【0077】これらのポリイミド樹脂の製造において
は、本発明のポリイミド樹脂の良好な性質を損なわない
範囲、例えば、前記ジアミンの量の通常50重量%以
下、好ましくは30重量%以下の範囲で他のジアミンを
代替えして用いることもできる。また、ポリイミド樹脂
の製造においては、ジカルボン酸無水物またはモノアミ
ンの存在下に反応を行うのは、熱安定性を向上させるの
には好ましい方法である。
【0078】一部代替して用いることのできる芳香族ジ
アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o
−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−
アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビ
ス(3−アミノフェニル)エーテル、(3−アミノフェ
ニル)(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−ア
ミノフェニル)エーテル、ビス(3−アミノフェニル)
スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェ
ニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフ
ィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3
−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシ
ド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス
(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニ
ル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミ
ノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェ
ノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベン
ゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
−2−〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフ
ェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−
メチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,5’−ジメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジク
ロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−3,5’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テト
ラクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)−3,3’−ジブロモビフェニル、4,4’−
ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’,5,5’−テトラブロモビフェニル、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキ
シフェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕
スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホンなどが挙げられる。
【0079】上記の式(9)のポリイミド樹脂粉の対数
粘度は、通常0.10〜1.50dl/g、好ましくは
0.30〜1.22dl/gの範囲である。0.10よ
り小さければ所望の機械特性を得ることが難しく、また
1.50より大きければ溶融粘度が高くなり成形加工性
に乏しくなる。また上記の式(11)のポリイミド樹脂
粉の対数粘度は、通常0.10〜1.50dl/g、好
ましくは0.25〜1.22dl/gの範囲である。
0.10より小さければ所望の機械特性を得ることが難
しく、また1.50より大きければ溶融粘度が高くなり
成形加工性に乏しくなる。
【0080】尚、ここに示す対数粘度はパラクロロフェ
ノール/フェノール(重量比90/10)の混合溶媒
中、濃度0.5g/100ml溶媒で加熱溶解した後、
35℃に冷却して測定した値である。本発明の組成物に
おいて、流動化促進剤として用いられる芳香族ビスイミ
ド化合物は、本願発明の一般式(1)、その下位概念で
示される一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、
一般式(5)または一般式(6)で表わされるビスイミ
ド化合物を含み、そのほか、各種の芳香族ビスイミド化
合物が使用可能である。
【0081】本発明の成形用樹脂組成物は、好ましく
は、ポリイミド100重量部に対して、芳香族ビスイミ
ド化合物0.5重量部以上100重量部以下の範囲で使
用される。芳香族ビスイミド化合物の流動化促進剤とし
ての効果は比較的少量でも認められ、ポリイミド100
重量部に対して0.5重量部でも効果があるが、1重量
部以上が特に効果がある。しかし、芳香族ビスイミド化
合物を100重量部を越えて使用すると、得られるポリ
イミド樹脂組成物の機械的強度がやや損なわれる傾向が
あるので、100重量部以下の範囲で使用するのが好ま
しい。
【0082】本発明に係るポリイミド樹脂組成物を調製
するにあたっては、通常公知の方法により製造できる
が、例えば、次に示す方法等は好ましい方法である。 1.ポリイミド樹脂粉末と芳香族ビスイミド化合物とを
乳鉢、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー、タンブ
ラーブレンダー、ボールミルリボンブレンダーなどを利
用して予備混練し粉状とする。 2.ポリイミド樹脂粉
末をあらかじめ有機溶媒に溶解あるいは懸濁させ、この
溶液または懸濁液に芳香族ビスイミド化合物を添加し、
均一に分散または溶解させた後、溶媒を除去して粉状と
する。
【0083】3.ポリイミドの前駆体であるポリアミド
酸の有機溶媒溶液に、芳香族ビスイミド化合物および/
またはその前駆体である芳香族ビスアミド酸を溶解また
は懸濁させた後、100〜400℃に加熱処理するか、
または通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化
した後、溶剤を除去して粉状とする。このようにして得
られた粉状の樹脂組成物は、そのまま各種成形用途、す
なわち射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、押出
成形などに用いられるが、溶融ブレンドしてから用いる
のはさらに好ましい方法である。
【0084】溶融ブレンドには通常のゴムまたはプラス
チック類を溶融ブレンドするのに用いられる装置、例え
ば熱ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押出
機などを利用することができる。溶融温度は配合系が溶
融可能な温度以上で、かつ配合系が熱分解し始める温度
以下に設定されるが、その温度は通常280〜420
℃、好ましくは300〜400℃である。
【0085】本発明の樹脂組成物の成形方法としては、
均一溶融ブレンド体を形成し、かつ生産性の高い成形方
法である押出成形または射出成形が好適であるが、その
他のトランスファー成形、圧縮成形、焼結成形、押出フ
ィルム成形なども適用される。 また複合材料用のプリ
プレグの製造においては、前記の均一に調整された樹脂
組成物をカーボン繊維、ガラス繊維等に溶融含浸するこ
ともできるし、あるいはポリイミド樹脂、芳香族ビスイ
ミド化合物を均一に分散または溶解させた液を各種繊維
に含浸させた後、溶媒を除去する方法も採用できる。
【0086】なお、本発明の樹脂組成物に対して固体潤
滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホ
ウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することがで
きる。また補強剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、芳香
族ポリアミド、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊
維、ガラスビーズ等を一種以上添加することもできる。
【0087】なお、本発明の樹脂組成物に対して、本発
明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、難燃性剤、難燃助剤、帯電防止剤、滑
剤、着色剤などの通常の添加剤を一種以上添加すること
ができる。本発明の更に他の発明は、芳香族ビスイミド
化合物を表面に塗布した炭素繊維とポリイミド樹脂を含
有してなるポリイミド樹脂組成物である。
【0088】本発明者らは炭素繊維強化ポリイミド樹脂
組成物につき種々検討した結果、集束剤として、前記一
般式(1)
【化90】 (式中、AおよびRは前記の通りである)で表わされる
ビスイミド化合物を表面に塗布した炭素繊維を一般式
(11)
【0089】
【化91】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は、前記と同じであ
る)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドと
ともに含有するポリイミド樹脂組成物、あるいは一般式
(2)で表わされるビスイミド化合物
【0090】
【化92】 (式中、X、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)
で表わされるビスイミド化合物を表面に塗布した炭素繊
維を一般式(11)
【0091】
【化93】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は、前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド
または一般式(9)
【0092】
【化94】 (式中、R’は、前記と同じである)で表わされる繰り
返し構造単位を有するポリイミドとともに含有するポリ
イミド樹脂組成物である。本発明において炭素繊維に塗
布するビスイミド化合物は、前記したようにジアミンと
テトラカルボン酸二無水物を反応させて得られる一般式
(1)で表わされるビスイミド化合物または一般式
(2)で表わされるビスイミド化合物である。
【0093】本発明の組成物に使用されるポリイミド樹
脂は、一般式(11)
【化95】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は、前記と同じであ
る)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド
または一般式(9)
【0094】
【化96】 (式中、R’は前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位を有するポリイミドが挙げられる。
【0095】ポリイミド樹脂は、特に、炭素繊維に塗布
したビスイミド化合物が一般式(2)で表わされる化合
物であるときは、一般式(11)で表わされる繰り返し
構造単位を有するポリイミドが好ましく使用される。ま
た、本発明の組成物に使用するポリイミドと炭素繊維表
面に塗布するビスイミド化合物は、それぞれの原料ジア
ミン成分が同一のものでも、また異なるものであっても
構わない。即ち、一般式(11)におけるXが直結で、
Y1〜Y4が、一般式(2)におけるY1〜Y4と同一
であっても、異なるものであっても構わない。 ビスイ
ミド化合物を塗布する炭素繊維としては、アクリル系、
レーヨン系、リグニン系、ピッチ系等が挙げられ、いず
れも本発明で使用可能である。本発明では繊維強度の最
も高いアクリル系が最も好ましく使用される。
【0096】炭素繊維の形態は、チョップドストラン
ド、ロービング、織物等いずれでも良い。これらの炭素
繊維は予めその表面をオゾンまたは電解酸化等で酸化処
理しておくと更に好ましい。ビスイミド化合物のこれら
炭素繊維への塗布方法としては、ビスイミド化合物をジ
クロルメタン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、ジメチルス
ルホオキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−ピロリドン、メチルエチルケトン、1,1,2−
トリクロルエタン、m−クレゾール、p−クレゾール、
o−クレゾール、p−クロルフェノール、o−クロルフ
ェノール、m−クロルフェノール、フェノールなどの溶
剤に溶解した溶液に、炭素繊維を浸漬し、その後乾燥
し、溶剤を除去してビスイミド化合物を塗布した炭素繊
維を得る。
【0097】また、ビスイミドの前駆体であるビスアミ
ド酸の溶液に炭素繊維を浸漬し、その後乾燥、イミド化
を行ってビスイミド化合物を塗布した炭素繊維を得る。
また、本発明で用いられる一般式(2)で表わされるビ
スイミド化合物は融点が約290℃以下であり、溶融加
工が可能であるので、溶融含浸法によりビスイミド化合
物を塗布した炭素繊維を得ることもできる。
【0098】炭素繊維に対するビスイミド化合物の塗布
量は塗布された炭素繊維100重量部中0.1〜10重
量部が良く、特に0.5〜9重量部、さらに1〜8重量
部が好適である。このようにして得られるビスイミド化
合物を塗布被覆した炭素繊維とポリイミド樹脂とを混合
する方法としては、種々の手法が採用できる。例えば、
塗布した炭素繊維を3〜8mm長さに切断し、これとポ
リイミド樹脂を個々別々に溶融押出機に供給して混合す
ることもできるし、あらかじめヘンシェルミキサー、ス
ーパーミキサー、リボンブレンダーなどの混合機で予備
ブレンドした後、溶融押出機に供給することもできる。
更に塗布した炭素繊維ロービングを直接溶融押出機に供
給し、ポリイミド樹脂と混合することも可能である。
【0099】本発明の組成物において、ビスイミド化合
物を塗布した炭素繊維とマトリクス樹脂としてのポリイ
ミド樹脂との配合割合は、炭素繊維5〜50重量部、好
ましくは10〜50重量部、ポリイミド樹脂95〜50
重量部、好ましくは90〜50重量部である。炭素繊維
の配合量が5重量部未満の場合には、得られる樹脂組成
物の引張強度の向上が低く好ましくない。また炭素繊維
を50重量部を超えて配合した場合には、得られた樹脂
組成物の均一な溶融混合が難しくなり、溶融流動性も著
しく低下して射出成形などの成形加工性を損なう結果と
なる。
【0100】本発明の組成物ではポリイミド樹脂および
ビスイミド化合物を塗布した炭素繊維の外に必要に応
じ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ等
の充填剤、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミ
ド繊維、セラミック質繊維等の繊維状補強材、安定剤、
着色剤を本発明の樹脂組成物の品質、性能を損なわない
範囲で混和してもよい。
【0101】上記のように、ビスイミド化合物を塗布し
た炭素繊維とポリイミド樹脂を含有してなる本発明の樹
脂組成物は、射出成形法、押出成形法、トランスファー
成形法、圧縮成形法等公知の成形法により所定の成形品
に成形することができる。このようにして成形された本
発明の樹脂組成物は機械強度、特に高温時の機械強度に
優れているため、高温において高い機械強度を必要とさ
れる機械部品、自動車部品、例えば歯車、カム、プッシ
ング、プーリー、スリーブ等に用いられ、また内燃機関
用部品として、一体型遠心圧縮機のインペラ、マニホー
ルド等の消音器用排気系部品、バルブガイド、バルブス
テム、ピストンスカート、オイルパン、フロントカバ
ー、ロッカーカバー類に使用できる。
【0102】本発明の炭素繊維強化ポリイミド樹脂組成
物は、通常取扱い易いペレット状成形材料とし、射出成
形にて製品が製造される。この際にペレットとするには
公知の一軸または二軸の押出機を用いて、ポリイミド樹
脂と炭素繊維ストランドを混練押出し後、切断すること
によって達成される。得られたペレットの射出成形は、
通常の射出成形機を用い、シリンダー温度360〜42
0℃、金型温度160〜210℃、好ましくは180〜
200℃で行うことができ、複雑な形状の内燃機関用部
品、例えば一体型遠心圧縮機用インペラも容易に得るこ
とができる。
【0103】以下、本発明を実施例および比較例により
具体的に説明する。 実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル368g(1.0モル)と、N,N−ジメチルア
セトアミド5,215gを装入し、室温で無水フタル酸
311g(2.1モル)を加え、室温で2時間かきまぜ
た。次いで、この溶液に404g(4モル)のトリエチ
ルアミンおよび306g(3モル)の無水酢酸を滴下し
た。室温で2時間かきまぜを続け、生成スラリーをメタ
ノールに排出し、濾過した。さらにメタノールに分散洗
浄し、濾過する操作を2度繰り返し、150℃で2時間
乾燥して、475gの白色パウダーを得た。このパウダ
ーの融点は286℃(DSCによる。以下同じ)であ
り、280℃付近から溶融し、溶融加工性が良好であっ
た。
【0104】また元素分析の結果は以下の通りである。 また、このパウダーの赤外吸収スペクトル図を図1に示
す。このスペクトル図では、イミドの特性吸収帯である
1780cm−1付近と1720cm−1付近、および
エーテル結合の特性吸収帯である1240cm−1付近
の吸収が顕著に認められた。
【0105】製造方法、元素分析結果および赤外吸収ス
ペクトル図より、生成パウダーは下記式(20)で表わ
される構造を有するビスイミドであることが確認され
た。
【0106】
【化97】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0107】比較例1 実施例1における4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル368gをアニリン195.6g(2.
1モル)に、無水フタル酸311gをピロメリット酸二
無水物218.1g(2.1モル)に変えた他は実施例
1と同様にして360gの淡黄色のパウダーを得た。こ
のパウダーの元素分析の結果は以下の通りである。
【0108】 またこのパウダーの赤外吸収スペクトルを図2に示す。
このスペクトル図では、イミドの特性吸収帯である17
80cm−1付近と1720cm−1付近、およびエー
テル結合の特性吸収帯である1240cm−1付近の吸
収が顕著に認められた。
【0109】製造方法、元素分析結果および赤外吸収ス
ペクトル図より、生成パウダーは下記式(21)で表わ
される構造を有するビスイミドであることが確認され
た。
【0110】
【化98】 このビスイミドはジクロルメタン、クロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素には0.01重量%以
下の溶解度であり、加工性に劣るものであった。また融
点が442℃と非常に高く、溶融加工性も劣るものであ
った。
【0111】実施例2 実施例1と同様の反応容器に、3,3’−ジアミノベン
ゾフェノン212g(1.0モル)と、N,N−ジメチ
ルアセトアミド5,215gを装入し、室温で無水フタ
ル酸311g(2.1モル)を加え、室温で2時間かき
まぜた。次いで、この溶液に404g(4モル)のトリ
エチルアミンおよび306g(3モル)の無水酢酸を滴
下した。室温で2時間かきまぜを続け、反応液をメタノ
ールに排出し、濾過した。さらにメタノールに分散洗浄
し、濾過する操作を2度繰り返し、150℃で2時間乾
燥して、453gの白色パウダーを得た。このパウダー
の融点は240℃であり、230℃付近から溶融し、溶
融加工性が良好であった。
【0112】また元素分析の結果は以下の通りである。 また、このパウダーの赤外吸収スペクトル図を図3に示
す。このスペクトル図では、イミドの特性吸収帯である
1780cm−1付近と1720cm−1付近の吸収が
顕著に認められた。製造方法、元素分析結果および赤外
吸収スペクトル図より、生成パウダーは下記式(22)
で表わされる構造を有するビスイミドであることが確認
された。
【0113】
【化99】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0114】実施例3 実施例1と同様の反応容器に、ビス−〔4−{4−(4
−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン
616.7g(1.0モル)と、m−クレゾール酸18
50gを装入し、室温で無水フタル酸325.6g
(2.2モル)を加え、140℃まで昇温し、2時間反
応を行った。次いで、反応溶液をメタノールに排出し、
析出物を濾過した。濾塊をメタノールで洗浄を3回行っ
た後、150℃で2時間乾燥を行い、873.7g(収
率96.4%)の白色パウダーを得た。パウダーの融点
は217℃であった。また元素分析の結果は以下の通り
である。
【0115】 また、このパウダーの赤外吸収スペクトル図を図4に示
す。赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯であ
る1780cm−1付近と1720cm−1付近の吸収
が顕著に認められた。製造方法、元素分析結果および赤
外吸収スペクトル図より、生成パウダーは下記式(2
3)で表わされる構造を有するビスイミドであることが
確認された。
【0116】
【化100】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0117】実施例4 実施例3における無水フタル酸325.6g(2.2モ
ル)を2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物436g
(2.2モル)に変えた他は実施例3と同様にして93
8g(収率96%)の白色パウダーを得た。パウダーの
融点は218℃であった。また元素分析の結果は以下の
通りである。 赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯である1
780cm−1付近と1720cm−1付近の吸収が顕
著に認められた。製造方法、元素分析結果および赤外吸
収スペクトル図より、生成パウダーは下記式(24)で
表わされる構造を有するビスイミドであることが確認さ
れた。
【0118】
【化101】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0119】実施例5 実施例1と同様の反応容器に、1,3−ビス−(4−ア
ミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン344.5
g(1.0モル)と、m−クレゾール酸3426gを装
入し、室温で無水フタル酸325.6g(2.2モル)
を加え、140℃まで昇温し、2時間反応を行った。次
いで、反応溶液をメタノールに装入し、析出物を濾別
し、さらにメタノールで洗浄を数回行った後、減圧下に
100℃で16時間乾燥を行い、590.6g(収率9
7.7%)の白色パウダーを得た。パウダーの融点は2
40℃であった。また、元素分析の結果は以下の通りで
ある。
【0120】 また、このパウダーの赤外吸収スペクトル図を図5に示
す。赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯であ
る1780cm−1付近および1720cm−1付近の
吸収が顕著に認められ、一方、アミド酸特性吸収帯であ
る1550cm−1付近の吸収、3200〜3400c
m−1付近のジアミンの吸収、および酸無水物特性吸収
帯である1850cm−1付近の吸収は認められなかっ
た。製造方法、元素分析結果および赤外吸収スペクトル
図より、生成パウダーは下記式(25)で表わされる構
造を有するビスイミドであることが確認された。
【0121】
【化102】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0122】実施例6 実施例5における無水フタル酸325.6g(2.2モ
ル)を2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物436g
(2.2モル)に変えた他は、実施例5と同様にして6
87g(収率97%)の白色パウダーを得た。パウダー
の融点は241℃であった。また、元素分析の結果は以
下の通りである。 赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯である1
780cm−1付近および1720cm−1付近の吸収
が顕著に認められ、一方、アミド酸特性吸収帯である1
550cm−1付近の吸収、3200〜3400cm−
1付近のジアミンの吸収、および酸無水物特性吸収帯で
ある1850cm−1付近の吸収は認められなかった。
製造方法、元素分析結果および赤外吸収スペクトル図よ
り、生成パウダーは下記式(26)で表わされる構造を
有するビスイミドであることが確認された。
【0123】
【化103】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0124】実施例7 実施例1と同様の反応容器に、ビス−〔3−{4−(4
−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル〕エーテル
592.7g(1.0モル)と、m−クレゾール酸48
32gを装入し、室温で無水フタル酸325.6g
(2.2モル)を加え、140℃まで昇温し、2時間反
応を行った。次いで、反応溶液をメタノールに装入し、
析出物を濾別し、さらにメタノールで洗浄を数回行った
後、減圧下に100℃で16時間乾燥を行い、820.
3g(収率96.2%)の黄色パウダーを得た。パウダ
ーの融点は202℃であった。また、元素分析の結果は
以下の通りである。
【0125】 また、このパウダーの赤外吸収スペクトル図を図6に示
す。赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯であ
る1780cm−1付近および1720cm−1付近の
吸収が顕著に認められ、一方、アミド酸特性吸収帯であ
る1550cm−1付近の吸収、3200〜3400c
m−1付近のジアミンの吸収、および酸無水物特性吸収
帯である1850cm−1付近の吸収は認められなかっ
た。製造方法、元素分析結果および赤外吸収スペクトル
図より、生成パウダーは下記式(27)で表わされる構
造を有するビスイミドであることが確認された。
【0126】
【化104】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0127】実施例8 実施例7における無水フタル酸325.6g(2.2モ
ル)を2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物436g
(2.2モル)に変えた他は、実施例7と同様にして9
09g(収率95%)の黄色パウダーを得た。パウダー
の融点は176℃であった。また、元素分析の結果は以
下の通りである。 赤外吸収スペクトル図では、イミド特性吸収帯である1
780cm−1付近および1720cm−1付近の吸収
が顕著に認められ、一方、アミド酸特性吸収帯である1
550cm−1付近の吸収、3200〜3400cm−
1付近のジアミンの吸収、および酸無水物特性吸収帯で
ある1850cm−1付近の吸収は認められなかった。
製造方法、元素分析結果および赤外吸収スペクトル図よ
り、生成パウダーは下記式(28)で表わされる構造を
有するビスイミドであることが確認された。
【0128】
【化105】 また、このビスイミドは、ジクロルメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素に5重量%以上溶解し、加工性も良好で
あった。
【0129】合成例 ポリイミド−1の合成 特開平2−18419に記載の実施例に従い、3,3’
−ジアミノベンゾフェノンと3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とを無水フタル酸
の存在下に反応させて対数粘度0.52dl/g(ここ
に対数粘度はパラクロロフェノール:フェノール(重量
比90:10)の混合溶媒を用い0.5g/100ml
濃度で加熱溶解後、35℃に冷却後測定した値である。
以下同じ)、ガラス転移温度250℃、融点298℃
(DSCによる。以下同じ)であるポリイミド粉を得
た。
【0130】ポリイミド−2の合成 ポリイミド−1の合成と同様に、但しジアミン、テトラ
カルボン酸二無水物、無水フタル酸の量比を変えて、対
数粘度0.85dl/g、ガラス転移温度262℃、融
点298℃のポリイミド粉を得た。
【0131】ポリイミド−3の合成 特開平1−110530に準拠し、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニルと無水ピロメリット酸
及びフタル酸より対数粘度0.53dl/gのポリイミ
ド粉末を得た。このポリイミドのガラス転移温度は25
0℃、融点は390℃(DSCによる)であった。
【0132】ポリイミド−4の合成 ポリイミド−3の合成と同様に、但しジアミン、テトラ
カルボン酸二無水物、無水フタル酸の量比を変えて、対
数粘度0.78dl/g、ガラス転移温度254℃、融
点390℃のポリイミド粉を得た。
【0133】ポリイミド−5の合成 ポリイミド−3の合成と同様に、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルフィドとピロメリット酸
二無水物及び無水フタル酸より対数粘度0.49dl/
g、ガラス転移温度235℃のポリイミドを得た。
【0134】ポリイミド−6の合成 ポリイミド−3の合成と同様に、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ケトンとビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エーテル二無水物及び無水フタル酸
より対数粘度0.51dl/g、ガラス転移温度201
℃のポリイミドを得た。
【0137】ポリイミド−7の合成 特開平1−221428に準拠し、ビス〔4−{4−
(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スル
ホンと無水ピロメリット酸及びフタル酸より対数粘度
0.57dl/gのポリイミド粉末を得た。このポリイ
ミドのガラス転移温度は285℃、融点は420℃(D
SCによる)であった。
【0138】ポリイミド−8〜12の合成 ポリイミド−7の合成と同様にして、但しテトラカルボ
ン酸二無水物の種類を変えて各種ポリイミド粉末を得
た。表1に原料、生成ポリイミドの物性をまとめて示
す。なお、表1にはポリイミド−7の結果も併せて示
す。
【0140】
【表1】
【0141】ビスイミド化合物−1の合成 実施例1の方法で4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニルと無水フタル酸とから、融点286℃を
有するビスイミドを得た。
【0142】ビスイミド化合物−2の合成 実施例2の方法で3,3’−ジアミノベンゾフェノンと
無水フタル酸とから、融点240℃を有するビスイミド
を得た。
【0143】ビスイミド化合物−3〜5の合成 ビスイミド化合物−1の合成と同様に、但しジアミン類
の種類を変えて各種ビスイミドを得た。表2に原料、生
成ビスイミドの物性をまとめて示す。なお、表2には芳
香族ビスイミド化合物−2の結果も併せて示す。
【0144】
【表2】
【0145】実施例9〜11、比較例2 ポリイミド−1とビスイミド化合物−1を表3に示す割
合でドライブレンドした。得られた樹脂組成物を高化式
フローテスター(島津製作所)で直径0.1cm、長さ
1cmのオリフィスを用い、380℃の温度に5分間保
った後100kgの荷重で押し出し、溶融粘度を測定し
た。結果を表3に示す。ビスイミド化合物の割合が増す
に従って溶融粘度の急激な低下が見られ、加工性が向上
していることがわかる。
【0146】
【表3】 (**) 溶融粘度が測定可能下限の100 ポイズ以下
【0147】実施例12〜14、比較例3 ポリイミド−3と、ビスイミド化合物−1を表4に示す
割合でドライブレンドした。得られた樹脂組成物を高化
式フローテスター(島津製作所)で直径0.1cm、長
さ1cmのオリフィスを用い、400℃の温度に5分間
保った後100kgの荷重で押し出し、溶融粘度を測定
した。結果を表4に示す。ビスイミド化合物の割合が増
すに従って溶融粘度の急激な低下が見れれ、加工性が向
上していることがわかる。
【0148】実施例15〜17、比較例4 ポリイミド−6とビスイミド化合物−1を表4に示す割
合でドライブレンドし、340℃で5分間保持した後1
00kgの荷重で押し出して、表4に示す結果を得た。
【0149】
【表4】 (**) 溶融粘度が測定可能下限の100 ポイズ以下
【0150】実施例18〜21、比較例5 ポリイミド−1と、ビスイミド化合物−2を表5に示す
割合でドライブレンドした。得られた樹脂組成物を高化
式フローテスター(島津製作所)で直径0.1cm、長
さ1cmのオリフィスを用い、380℃の温度に5分間
保った後100kgの荷重で押し出し、溶融粘度を測定
した。結果を表5に示す。ビスイミド化合物の割合が増
すに従って溶融粘度の急激な低下が見られ、加工性が向
上していることがわかる。
【0151】実施例22〜24、比較例6 ポリイミド−2とビスイミド化合物−2を表5に示す割
合でドライブレンドした。実施例18〜21と同様に、
但し400℃の温度に5分間保った後、溶融粘度を測定
し、表5に示す結果を得た。
【0152】
【表5】 (**) 溶融粘度が測定可能下限の100 ポイズ以下
【0153】実施例25〜27、比較例7 ポリイミド−3と、ビスイミド化合物−3を表6に示す
割合でドライブレンドした。得られた樹脂組成物を高化
式フローテスター(島津製作所製、CFT−500)で
直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用い、40
0℃の温度に5分間保った後、100kgの荷重で押し
出し、溶融粘度を測定した。結果を表7に示す。ビスイ
ミド化合物の割合が増すに従って溶融粘度の急激な低下
が見られ、加工性が向上していることがわかる。
【0154】実施例28〜30、比較例8 ポリイミド−5と、ビスイミド化合物−4を表6に示す
割合でドライブレンドし、360℃の温度で5分間保持
した後、100kgの荷重で押し出して、表6に示す結
果を得た。
【0155】実施例31〜33、比較例9 ポリイミド−6と、ビスイミド化合物−5を表6に示す
割合でドライブレンドし、340℃の温度で5分間保持
した後、100kgの荷重で押し出し、表6に示す結果
を得た。
【0156】
【表6】 (**) 溶融粘度が測定可能下限の100 ポイズ以下
【0157】実施例34〜37、比較例10 ポリイミド−7と、ビスイミド化合物−1を表7に示す
割合でドライブレンドした。得られた樹脂組成物を高化
式フローテスター(島津製作所製、CFT−500)で
直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用い、42
0℃の温度に5分間保った後、100kgの荷重で押し
出し、溶融粘度を測定した。結果を表7に示す。ビスイ
ミド化合物の割合が増すにしたがつて溶融粘度の急激な
低下が見られ、加工性が向上していることがわかる。
【0158】実施例37〜39、比較例11 ポリイミド−8と、ビスイミド化合物−3を表7に示す
割合でドライブレンドした。実施例34〜36、比較例
10と同様にして溶融粘度を測定し、表7に示す結果を
得た。
【0159】実施例40〜45、比較例12 ポリイミド−9と、ビスイミド化合物−1またはビスイ
ミド化合物−4を表7に示す割合でドライブレンドし、
380℃の温度で5分間保持した後、100kgの荷重
で押し出して、表7に示す結果を得た。
【0160】実施例46、47、比較例13 ポリイミド−10と、ビスイミド化合物−5を表7に示
す割合でドライブレンドし、360℃の温度で5分間保
持した後、100kgの荷重で押し出して、表7に示す
結果を得た。
【0161】
【表7】 (**) 溶融粘度が測定可能下限の100 ポイズ以下
【0162】実施例48〜50 4,4−ビス(3−アミノフエノキシ)ビフェニルと無
水フタル酸を原料として実施例1に準じて得られたビス
イミド化合物(融点298℃、以下単にビスイミドAと
いう)を20重量%、ジクロルメタン40重量%、1,
1,2−トリクロルエタン40重量%からなるビスイミ
ド溶液を調整した。このビスイミド溶液に表面を酸化処
理したアクリル系炭素繊維(東邦レーヨン社製、商品名
HTA、以下の実施例、比較例において、炭素繊維は特
記した以外はこの製品を使用した)のロービングを60
m/Hrの速度で連続的に浸漬し、乾燥し脱溶剤を行っ
た後、3mm長さに切断し、チョップドストランドとし
た。この時の炭素繊維に対するビスイミド化合物の付着
量は5重量%であった。
【0163】このようにして得られた炭素繊維チョップ
ドストランドとポリイミド−4とを表8に示す割合でド
ライブレンドした後、40mm径押出機にて押出温度4
00℃で溶融混練しながら押出す操作を行って均一配合
ペレットを得た。次に上記の均一ペレットを通常の射出
成形機を用いてシリンダー温度410℃及び金型温度2
00℃の温度条件下でダンベル試験片を作成し、温度2
3℃、引張速度5mm/分で引張強度を測定し、その結
果を表8に示した。
【0164】比較例15、16 実施例48〜50においてビスイミド化合物を塗布した
炭素繊維チョップドストランドにかえて、エポキシ樹脂
で集束されたアクリル系炭素繊維を使用したほかは実施
例48〜50と同様の操作で炭素繊維配合ポリイミド樹
脂のダンベル試験片を作成し、同様に引張強度を測定し
てその結果を表8に実施例48〜50の値と併せて示し
た。
【0165】
【表8】
【0166】実施例51〜53 実施例48〜50と同様に、但しポリイミド樹脂をポリ
イミド−4の代わりにポリイミド−6とし、押出温度を
320℃として、均一配合ペレットを得た。次に、上記
の均一配合ペレットを通常の射出成形機を用いてシリン
ダー温度330℃および金型温度160℃の条件下でダ
ンベル試験片を作成し、温度23℃、引張速度5mm/
分で引張強度を測定し、その結果を表9に示した。
【0167】比較例17 実施例51〜53と同様に、但し炭素繊維と混合するこ
となくポリイミド樹脂単独でダンベル試験片を作成し、
表9に示す値を得た。
【0168】表9
【表9】
【0169】実施例54〜56 実施例51〜53と同様に、但しポリイミド樹脂をポリ
イミド−4の代わりにポリイミド−1とし、押出温度を
360℃として、均一配合ペレットを得た。次に、上記
均一配合ペレットを通常の射出成形機を用いてシリンダ
ー温度380℃および金型温度180℃の条件下でダン
ベル試験片を作成し、温度23℃、引張速度5mm/分
で引張強度を測定し、その結果を表10に示した。
【0170】比較例18〜20 実施例54〜56においてビスイミド化合物を塗布した
炭素繊維チョップドストランドにかえて、エポキシ樹脂
で収束されたアクリル系炭素繊維を使用したほかは実施
例54〜56と同様の操作で炭素繊維配合ポリイミド樹
脂のダンベル試験片を作成し、同様に引張強度を測定し
てその結果を表10に示した。
【0171】
【表10】
【0172】
【発明の効果】本発明のポリイミド樹脂組成物は、ポリ
イミドに芳香族ビスイミド化合物を含有させてなる組成
物であり、成形加工性が改善され、また、本発明の改良
された炭素繊維とポリイミド樹脂の樹脂組成物は、射出
成形法、押出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形
法など公知の成形法により所望の成形品に成形すること
ができる。このようにして成形された本発明の樹脂組成
物は機械強度、特に高温時の機械強度に優れているた
め、高温において高い機械強度を必要とされる機械部
品、自動車部品、例えば歯車、カム、ブッシング、プー
リー、スリーブ等に用いられ、また内燃機関用部品とし
て、一体型遠心圧縮機のインペラ、マニーホルドなどの
消音器用排気系部品、バルブガイド、バルブステム、ピ
ストンスカート、オイルパン、フロントカバー、ロッカ
ーカバー類に使用できる。本発明による炭素繊維強化ポ
リイミド樹脂組成物は、通常取扱い易いペレット状成形
材料とし、射出成形にて製品が製造される。この際にペ
レットとするには公知の一軸または二軸の押出機を用い
てポリイミド樹脂と炭素繊維ストランドを混練押出後、
切断することによって達成される。得られたペレットr
の射出成形は、通常の射出成形機を用い、シリンダー温
度360〜420℃、金型温度160〜210℃、好ま
しくは180〜200℃で行うことができ、複雑な形状
の成形物も容易に得ることができる。本発明による炭素
繊維強化ポリイミド樹脂組成物は優れた機械強度を有し
ており、電気・電子機器、機械、自動車、航空・宇宙機
器、一般産業用機器などあらゆる産業における部品の素
材として広く活用することができるので、その工業的価
値は大きい。さらに、本発明のビスイミド化合物はこの
ような優れた性能を有するポリイミド樹脂組成物に極め
て有用な化合物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
【図2】は比較例1で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
【図3】は実施例2で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
【図4】は実施例3で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
【図5】は実施例5で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
【図6】は実施例7で得られたビスイミドの赤外吸収ス
ペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−61685 (32)優先日 平成3年3月26日(1991.3.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−86558 (32)優先日 平成3年4月18日(1991.4.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−156792 (32)優先日 平成3年6月27日(1991.6.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−160211 (32)優先日 平成3年7月1日(1991.7.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−218286 (32)優先日 平成3年8月29日(1991.8.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−231295 (32)優先日 平成3年9月11日(1991.9.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−231296 (32)優先日 平成3年9月11日(1991.9.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−282849 (32)優先日 平成3年10月29日(1991.10.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−287660 (32)優先日 平成3年11月1日(1991.11.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−287661 (32)優先日 平成3年11月1日(1991.11.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 瀬上 英治 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 安井 治 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 吉田 育紀 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 龍 昭憲 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 小林 忠 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−147046(JP,A) 特開 平2−152962(JP,A) 特開 平3−234765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/48 C07D 209/66 C08K 5/3417 C08L 79/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、Aは 【化2】 (ここで、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表わ
    す)、 【化3】 からなる群から選ばれる2価の基を表し、Rは単環式芳
    香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架
    橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から
    成る群より選ばれた2価の基を表わす〕で表わされるビ
    スイミド化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化4】 (式中、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表し、
    Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表わす)で
    表わされるビスイミド化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化5】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    わす)で表わされるビスイミド化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(4) 【化6】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    わす)で表わされるビスイミド化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(5) 【化7】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    わす)で表わされるビスイミド化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(6) 【化8】 (式中、Rは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    わす)で表わされるビスイミド化合物。
  7. 【請求項7】 一般式(1) 【化9】 〔式中、Aは 【化10】 (ここで、Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素原子を表わ
    す)、 【化11】 からなる群から選ばれる2価の基を表し、Rは単環式芳
    香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架
    橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から
    成る群より選ばれた2価の基を表わす〕で表わされるビ
    スイミド化合物とポリイミドとを含有してなるポリイミ
    ド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリイミドが、一般式(9) 【化12】 (式中、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基から成る群より選ばれた4価の基を表わす)で
    表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミドである
    請求項7記載のポリイミド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ポリイミドが、一般式(11) 【化13】 (式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
    基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基またはスルホニル基を表わし、Y1〜Y4は
    それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、塩素または臭素原子を表し、R’は炭素数2以上の
    脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式
    芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連
    結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた
    4価の基を表わす)で表わされる繰り返し構造単位を有
    するポリイミドである請求項7記載のポリイミド樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 ポリイミドが、一般式(17) 【化14】 (式中、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わす)で
    表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミドである
    請求項7記載のポリイミド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 ポリイミドが、請求項8記載の一般式
    (9)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミ
    ドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(3) 【化15】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項8記載のポリイミド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 ポリイミドが、請求項9記載の一般式
    (11)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイ
    ミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(2) 【化16】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記の通りである)で表
    わされるビスイミド化合物である請求項9記載のポリイ
    ミド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 ポリイミドが、請求項9記載の一般式
    (11)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイ
    ミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(4) 【化17】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項9記載のポリイミド樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 ポリイミドが、請求項9記載の一般式
    (11)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイ
    ミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(5) 【化18】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項9記載のポリイミド樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 ポリイミドが、請求項9記載の一般式
    (11)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリイ
    ミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(6) 【化19】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項9記載のポリイミド樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 ポリイミドが、請求項10記載の一般
    式(17)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリ
    イミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(2) 【化20】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記の通りである)で表
    わされるビスイミド化合物である請求項10記載のポリ
    イミド樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 ポリイミドが、請求項10記載の一般
    式(17)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリ
    イミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(4) 【化21】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項10記載のポリイミド樹脂組成
    物。
  18. 【請求項18】 ポリイミドが、請求項10記載の一般
    式(17)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリ
    イミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(5) 【化22】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項10記載のポリイミド樹脂組成
    物。
  19. 【請求項19】 ポリイミドが、請求項10記載の一般
    式(17)で表わされる繰り返し構造単位を有するポリ
    イミドであり、芳香族ビスイミド化合物が一般式(6) 【化23】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項10記載のポリイミド樹脂組成
    物。
  20. 【請求項20】 ポリイミド100重量部に対して、芳
    香族ビスイミド化合物0.5重量部以上100重量部以
    下を配合してなる請求項7乃至19記載のポリイミド樹
    脂組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の一般式(1)で表わさ
    れる芳香族ビスイミド化合物を表面に塗布した炭素繊維
    とポリイミドを含有してなる炭素繊維強化ポリイミド樹
    脂組成物。
  22. 【請求項22】 芳香族ビスイミド化合物が、一般式
    (2) 【化24】 (式中、Y1〜Y4およびRは前記と同じである)で表
    されるビスイミド化合物である請求項21記載の炭素繊
    維強化ポリイミド樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 芳香族ビスイミド化合物が、一般式
    (3) 【化25】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項21記載の炭素繊維強化ポリイミ
    ド樹脂組成物。
  24. 【請求項24】 芳香族ビスイミド化合物が、一般式
    (4) 【化26】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項21記載の炭素繊維強化ポリイミ
    ド樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 芳香族ビスイミド化合物が、一般式
    (5) 【化27】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項21記載の炭素繊維強化ポリイミ
    ド樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 芳香族ビスイミド化合物が、一般式
    (6) 【化28】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされるビスイミ
    ド化合物である請求項21記載の炭素繊維強化ポリイミ
    ド樹脂組成物。
  27. 【請求項27】 ポリイミドが、一般式(9) 【化29】 (式中、R’は前記と同じである)で表される繰り返し
    構造単位を有するポリイミドである請求項21乃至26
    記載の炭素繊維強化ポリイミド樹脂組成物。
  28. 【請求項28】 ポリイミドが、一般式(11) 【化30】 (式中、X、Y1〜Y4およびR’は前記と同じであ
    る)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドで
    ある請求項21乃至26記載の炭素繊維強化ポリイミド
    樹脂組成物。
  29. 【請求項29】 ポリイミドが、一般式(17) 【化31】 (式中、R’は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わす)で
    表わされる繰り返し構造単位を有するポリイミドである
    請求項21乃至26記載の炭素繊維強化ポリイミド樹脂
    組成物。
  30. 【請求項30】 芳香族ビスイミド化合物を表面に塗布
    した炭素繊維5〜50重量部とポリイミドを95〜50
    重量部を含有してなる請求項21乃至29記載の炭素繊
    維強化ポリイミド樹脂組成物。
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