JP2999835B2 - ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物

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JP2999835B2 JP4158491A JP4158491A JP2999835B2 JP 2999835 B2 JP2999835 B2 JP 2999835B2 JP 4158491 A JP4158491 A JP 4158491A JP 4158491 A JP4158491 A JP 4158491A JP 2999835 B2 JP2999835 B2 JP 2999835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、熱酸化安定
性、寸法安定性、機械強度などに優れた新規なポリイミ
ド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンの反応により得られるポリイミドは、その高耐熱
性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電
気絶縁性などを併せ持つために電気・電子機器、宇宙航
空用機器、輸送機器などの分野で使用されており、今後
共耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待
され、さらに多くの研究がなされている。
【0003】本発明にかかわる3,3',4,4'-ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物をテトラカルボン酸成
分として用いたポリイミドは、US-4,855,391やEP-283,8
53等に開示され、また4,4'-(P-フェニレンジオキシ) ジ
フタル酸二無水物をテトラカルボン酸成分として用いた
ポリイミドについても、Polymer Preprint 24(2)、312
〜313(1983) に記載されている。しかしながら、その溶
融流動性、射出成形性、熱酸化安定性等の成形材料とし
て用いる際に必要な知見は全く開示されておらず、まし
て溶融成形材料として用いる試みさえ行われていないの
が現状である。
【0004】一方、ジアミン成分として、ジアミノジフ
ェニルエーテル類を用いたポリイミドもすでに知られて
いる。例えば、4,4'- ジアミノジフェニルエーテルとピ
ロメリット酸二無水物から得られるポリイミドは、式
(3)
【化7】 で表されるような基本骨格からなるポリイミドであり、
デュポン社の開発した高耐熱性のポリイミド(デュポン
社製;商品名 Kapton,Vespel)として知られている。し
かし、このポリイミドは明瞭なガラス転移温度を持た
ず、耐熱性に優れているものの、成形材料として用いる
場合に加工が難しく、焼結成形などの手法を用いて加工
しなければならないという欠点を有しており、その成形
加工性の向上が広く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加工
性に優れ、しかも耐熱性、熱酸化安定性、寸法安定性、
機械強度などに優れた新規なポリイミド樹脂組成物を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達するために鋭意研究を行った結果、特定の熱酸化安
定性の良好なポリイミドと特定量の繊維状補強材よりな
るポリイミド樹脂組成物が、特に上記の目的を達成する
のに有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明はポリマー分子末端が式
(1)
【化8】 (式中、Xは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示
す)で表されるジカルボン酸無水物で封止され、式
(2)
【化9】 (式中、Yは−O−または
【化10】 の2価の基を示す)で表される繰り返し構造単位を有
し、対数粘度の値、すなわち、ポリイミド粉0.50gをp-
クロロフェノール/フェノール(重量比9/1)混合溶
媒 100mlに加熱溶解した後、35℃において測定した値が
0.1〜2dl/gであるポリイミド 100重量部と繊維補強材
5〜100 重量部を含むポリイミド組成物である。
【0008】上記ポリイミドは、式(4)
【化11】 で表されるジアミノジフェニルエーテル類と、式(5)
【化12】 (式中、Yは−O−または
【化13】 の2価の基を示す)で表されるテトラカルボン酸二無水
物を、ジアミン成分に対して 0.001〜1.0 モル比の式
(1)
【化14】 (式中、Xは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を示
す)で表されるジカルボン酸無水物で封止されたポリイ
ミドであり、特に高温空気下に優れた熱酸化安定性を有
する。本発明は、このポリイミドのもつ特性を損なうこ
となく、更に耐熱性、寸法安定性、機械的強度を向上さ
せたポリイミド樹脂組成物である。
【0009】本発明で使用するジアミン成分は、式
(4)
【化15】 で表されるジアミノジフェニルエーテル類であり、具体
的には4,4'- ジアミノジフェニルエーテル、3,4-ジアミ
ノジフェニルエーテルおよび/または3,3'- ジアミノジ
フェニルエーテルである。すなわち、これらのジアミノ
ジフェニルエーテル類は単独で使用してもまたは混合し
て使用してもよい。本発明のポリイミドは、前記のジア
ミノジフェニルエーテル類と、式(5)
【化16】 で表されるテトラカルボン酸二無水物とを、式(1)
【化17】 (式中、Xは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示
す)で表されるジカルボン酸無水物の存在下に反応させ
て得られるポリアミド酸を脱水環化して得られるポリイ
ミドである。
【0010】なお、本発明の組成物に用いられるポリイ
ミドは前記のジアミノジフェニルエーテル類およびテト
ラカルボン酸二無水物を原料として用いるポリイミドで
あるが、このポリイミドの良好な物性を損なわない範囲
内で他のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物を混
合して得られるポリイミドも本発明の組成物に使用する
ことができる。混合して使用できるジアミンとしては、
例えば、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミ
ン、p-フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、
p-アミノベンジルアミン、2-クロロ-1,2- フェニレンジ
アミン、4-クロロ-1,2-フェニレンジアミン、2,3-ジア
ミノトルエン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノト
ルエン、2,6-ジアミノトルエン、3,4-ジアミノトルエ
ン、2-メトキシ-1,4- フェニレンジアミン、4-メトキシ
-1,2- フェニレンジアミン、4-メトキシ-1,3- フェニレ
ンジアミン、ベンジジン、 3,3'-ジクロロベンジジン、
3,3'- ジメチルベンジジン、3,3'- ジメトキシベンジジ
ン、3,3'- ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'- ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4'- ジアミノジフェニル
スルフィド、3,3'- ジアミノジフェニルスルホキシド、
3,4'- ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'- ジアミ
ノジフェニルスルホキシド、3,3'- ジアミノジフェニル
スルホン、3,4'- ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-
ジアミノジフェニルスルホン、3,3'- ジアミノジフェニ
ルベンゾフェノン、3,4'- ジアミノジフェニルベンゾフ
ェノン、4,4'- ジアミノジフェニルベンゾフェノン、3,
3'- ジアミノジフェニルメタン、3,4'- ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4'- ジアミノジフェニルメタン、ビス 4
-(3-アミノフェノキシ) フエニル メタン、ビス 4-(4-
アミノフェノキシ)フエニル メタン、1,1-ビス 4-(3-
アミノフェノキシ) フエニル エタン、1,1-ビス 4-(4-
アミノフェノキシ) フエニル エタン、1,2-ビス 4-(3-
アミノフェノキシ) フエニル エタン、1,2-ビス 4-(4-
アミノフェノキシ) フエニル エタン、2,2-ビス 4-(3-
アミノフェノキシ) フエニル プロパン、2,2-ビス 4-
(4-アミノフェノキシ) フエニル プロパン、2,2-ビス
4-(3-アミノフェノキシ) フエニル ブタン、2,2-ビス
4-(4-アミノフェノキシ) フエニル ブタン、2,2-ビス
4-(3-アミノフェノキシ) フエニル -1,1,1,3,3,3-ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス 4-(4-アミノフェノキ
シ) フエニル -1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、
1,3-ビス(3-アミノフェノキシ) ベンゼン、1,3-ビス
(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ
フェノキシ) ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキ
シ) ベンゼン、4,4'- ビス(3-アミノフェノキシ) ビフ
ェニル、4,4'- ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス 4-(3-アミノフェノキシ) フエニルケトン、ビ
ス 4-(4-アミノフェノキシ) フエニル ケトン、ビス 4
-(4-アミノフェノキシ) フエニル スルフィド、ビス 4
-(4-アミノフェノキシ) フエニルスルフィド、ビス 4-
(3-アミノフェノキシ) フエニル スルホキシド、ビス
4-(4-アミノフェノキシ) フエニル スルホキシド、ビ
ス 4-(3-アミノフェノキシ)フエニル スルホン、ビス
4-(4-アミノフェノキシ) フエニル スルホン、ビス4-
(3-アミノフェノキシ) フエニル エーテル、ビス 4-(4
-アミノフェノキシ)フエニル エーテル、1,4-ビス 4-
(3-アミノフェノキシ) ベンゾイルベンゼン、1,3-ビス
4-(3-アミノフェノキシ) ベンゾイル ベンゼン、4,4'-
ビス 3-(4-アミノフェノキシ) ベンゾイル ジフェニ
ルエーテル、4,4'- ビス3-(3-アミノフェノキシ) ベン
ゾイル ジフェニルエーテル、4,4'- ビス 4-(4-アミノ
−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ ベンゾフェ
ノン、4,4'- ビス 4-(4-アミノ−α,α−ジメチルベン
ジル)フェノキシ ケトン、4,4'- ビス 4-(4-アミノ−
α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルス
ルホン、ビス 4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェノキ
シ}フェニル スルホン、1,4-ビス 4-(4-アミノフェノ
キシ) −α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3-ビ
ス 4-(4-アミノフェノキシ) −α,α−ジメチルベンジ
ル ベンゼン、 4- {4-(4- アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホンなどが挙げられる。
【0011】混合して使用できるテトラカルボン酸二無
水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブ
タンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',
4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',
3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',
4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'
-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4- ジ
カルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3- ジカ
ルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4- ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3- ジ
カルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2-ビス(3,4-
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス
(2,3- ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4'
-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,
7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10- ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無
水物などが挙げられる。
【0012】また、本発明の方法で用いられる式(1)
で表されるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水
フタル酸、2,3-ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,
4-ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3-ジカルボキ
シフェニルフェニルエーテル無水物、3,4-ジカルボキシ
フェニルフェニルエーテル無水物、2,3-ビフェニルジカ
ルボン酸無水物、3,4-ビフェニルジカルボン酸無水物、
2,3-ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,
4-ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3-
ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4-
ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2-
ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3-ナフタレンジカル
ボン酸無水物、1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物、1,
2-アントラセンジカルボン酸無水物、2,3-アントラセン
ジカルボン酸無水物、1,9-アントラセンジカルボン酸無
水物などが挙げられ、これらは単独または2種以上混合
して用いられる。
【0013】本発明に用いられる繊維状補強材としては
種々のものが用いられ、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭
化ケイソ繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、セラミック
繊維など、通常公知の無機、または有機繊維が挙げられ
る。特に好ましく用いられるものは、ガラス繊維、炭素
繊維、チタン酸カリウム繊維、芳香族ポリアミド繊維で
ある。
【0014】ガラス繊維としては、溶融ガラスを種々の
方法で延伸しながら急冷し、所定直径の細い繊維状とし
たもの、単繊維同志を集束剤で集束させたストランド、
ストランドを均一に引き揃えて束にしたロービングなど
がいずれも使用できる。これらガラス繊維は、本発明の
基材樹脂と親和性をもたせるために、アミノシラン、エ
ポキシシランなどのシランカップリング剤、クロミック
クロライド、その他目的に応じた表面処理剤で処理した
ものを使用することができる。ガラス繊維の長さは、得
られる成形品の物性および成形品製造時の作業性に大き
く影響する。一般には、ガラス繊維長が大となるほど、
成形品の物性は向上するが、逆に成形品製造時の作業性
が悪くなる。この為、ガラス繊維の長さが本発明におい
ては 0.1〜6mm、好ましくは 0.3〜4mmの範囲にあるも
のが、成形品の物性および作業性のバランスがとれてい
るので好ましい。
【0015】また炭素繊維としては、ポリアクリルニト
リル、石油ピッチなどを主原料とし、炭化して得られる
高弾性、高強度繊維等が挙げられる。炭素繊維は補強効
果および混合性などより、適当な直径と適当なアスペク
ト比(長さ/直径の比)を有するものを用いる。炭素繊
維の直径は、通常5〜20μm、特に8〜15μm程度のも
のが好ましい。またアスペクト比は1〜 600、特に混合
性と補強効果より、 100〜 350程度が好ましい。アスペ
クト比が小さいと補強効果がなく、またアスペクト比が
大きいと混合性が悪くなり、良好な成形品が得られな
い。また該炭素繊維の表面を種々の処理剤、例えば、エ
ポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリアセタール樹脂などで処理したもの、その他目的に
応じ公知の表面処理剤を使用したものも用いられる。
【0016】また、チタン酸カリウム繊維は高硬度繊維
(ウィスカー)の一種であり、化学組成としてK2O ・6T
iO2 、K2O ・6TiO2 ・1/2 H2O を基本とする針状結晶で
あり、代表的融点は1300〜1350℃である。平均繊維長は
5〜50μm、平均繊維径は、0.05〜1.0 μmのものが適
用されるが、平均繊維長は20〜30μm、平均繊維径は0.
1〜 0.3μmのものが好ましい。該チタン酸カリウム繊
維は通常無処理でも使用しうるが、本発明の基材樹脂と
親和性をもたせる為に、アミノシラン、エポキシシラン
などのシランカップリング剤、クロミッククロライド、
その他目的に応じた表面処理剤で処理したものも使用す
ることができる。
【0017】さらに、芳香族ポリアミド繊維としては、
比較的新しく開発された耐熱性有機繊維であり、例え
ば、代表的な例として式(6)、(7)または(8)の
様な構造式などからなるものがあげられ、これらの1種
または2種以上の混合物が用いられる。
【化18】 例)デュポン社商標:Kevlar
【化19】 例)デュポン社商標:Nomex 帝人 商標:Conex
【化20】 その他オルト、メタ、パラ位の異性構造により各種骨格
の芳香族ポリアミド繊維があるが、中でも(6)のパラ
位−パラ位結合のものは軟化点および融点が高く耐熱性
有機繊維として本発明で最も好ましい。
【0018】本発明における繊維状補強材はポリイミド
樹脂 100重量部に対して5〜 100重量部、好ましくは10
〜50重量部を使用する。5重量部未満では本発明の特徴
とする補強効果は得られない。また逆に100重量部を越
えて使用すると組成物の成形時の流動性が悪くなり満足
な成形品を得ることが困難となる。
【0019】本発明によるポリイミド樹脂組成物は通常
公知の方法により製造できるが、特に次に示す方法が好
ましい。 (1) ポリイミド粉末、繊維状補強材を、乳鉢、ヘンシェ
ルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダ
ー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備
混合した後、通常公知の溶融混合機、熱ロールなどで混
練したのち、ペレットまたは粉状にする。 (2) ポリイミド粉末をあらかじめ有機溶媒に溶解または
懸濁させ、この溶液または懸濁液に繊維状補強材を浸漬
し、然る後、溶媒を熱風オーブン中で除去したのち、ペ
レット状または粉状にする。この場合、溶媒として、例
えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメト
キシアセトアミド、N-メチル-2- ピロリドン、1,3-ジメ
チル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、
1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル) エー
テル、1,2-ビス(2- メトキシエトキシ) エタン、ビス
{2-(2- メトキシエトキシ) エチル}エーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレ
ゾール、アニソール、p-クロロフェノールなどが挙げら
れる。またこれらの有機溶媒は単独でも、または2種以
上混合して用いても差し支えない。 (3) 本発明のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を
前記有機触媒に溶解した溶液中に、繊維状補強材を浸漬
した後、 100〜 400℃に加熱処理するか、または通常用
いられるイミド化剤を用いて化学イミド化した後、溶媒
を除去してペレットまたは粉状とする。
【0020】なお、本発明の組成物に対して、本発明の
目的を損なわない範囲で、酸化防止剤および熱安定剤、
紫外線吸収剤、難燃助剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤な
どの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0021】また、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリ
フェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドな
ど)、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂など)またはクレー、マイカ、シリカ、グラファ
イト、ガラスビーズ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの
充填材もその目的に応じて適当量を配合することも可能
である。本発明のポリイミド樹脂組成物は、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法、回転成形法など公知の成
形法により成形され実用に併される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を合成例、実施例および比較例
により説明する。 合成例−1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
装置に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル 2.00 kg(10
モル) とN,N-ジメチルアセトアミド47.3 kg を装入し、
室温で窒素雰囲気下に3,3',4,4'- ジフェニルエーテル
テトラカルボン酸二無水物2.95 kg(9.5 モル) を溶液温
度の上昇に注意しながら加え、室温で約20時間かきまぜ
た。その後、無水フタル酸148 g(1.0 モル) を加え、さ
らに3時間攪拌を続けた。かくして得られたポリアミド
酸の対数粘度は0.52 dl/g であった。ここに対数粘度は
N,N-ジメチルアセトアミドを溶媒とし、濃度0.5 g/100m
l溶媒35℃で測定した値である。このポリアミド酸溶液
にN,N-ジメチルアセトアミド27.5 kg を加え、かきまぜ
ながら窒素雰囲気下に4.04 kg のトリエチルアミンおよ
び6.12 kg の無水酢酸を滴下した。さらに室温で約24時
間かきまぜた後、約250 l の水に排出し、淡黄色の粉末
を濾別した。この淡黄色粉をさらにメタノールで洗浄し
た後 180℃で5時間減圧乾燥して4.64kg(収率98%) の
ポリイミド粉を得た。斯くして得られてポリイミド粉の
対数粘度は0.51 dl/g であった。ここに対数粘度はポリ
イミド粉の0.5 g をp-クロロフェノール/フェノール
(重量比9/1)混合溶媒 100mlに加熱溶解した後、35
℃で測定した値である。このポリイミド粉のガラス転移
温度は 237℃、融点は 377℃(DSC法により測定) 、空気
中での5%重量減少温度は 565℃(DTA-TG 法により測
定) であった。また、元素分析の測定結果は次の通りで
あった。
【表1】
【0023】合成例−2 合成例−1で用いた無水フタル酸148 g(1.0 モル) の代
わりに3,4-ベンゾフェノンジカルボン酸無水物252 g(1.
0 モル) を用いて、合成例−1と同様な方法でポリイミ
ド粉を得た。
【0024】合成例−3,4 合成例−1で用いた4,4'−ジアミノジフェニルエーテル
の代わりに3,4'−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,
3'−ジアミノジフェニルエーテルを用いて合成例−1と
同様な方法でポリイミド粉を得た。
【0025】合成例−5 合成例−1で用いた3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物2.95kg(9.5モル) の代わりに4,
4'-(p-フェニレンジオキシ) ジフタル酸二無水物3.82kg
(9.5モル) を用いて、合成例−1と同様な方法でポリイ
ミド粉を得た。表−2にテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンおよびポリマー分子末端を封止するために用いる
酸無水物の仕込みモル数とポリイミド粉の対数粘度およ
び得られたポリイミド粉のガラス転移温度、元素分析
値、5%重量減少温度を示す。
【表2】
【0026】実施例1〜4 合成例−1,2,4,5で得られた各種ポリイミド粉夫
々 100重量部に対して繊維長3mm、繊維径13μmのシラ
シ処理を施したガラス繊維(日当紡績社商標:CS-3PE-4
76s)を表3に示した夫々の量添加し、ドラムブレンダー
(川田製作所製)で混合した後、口径30mmの単軸押出機
により 360〜 440℃の温度で溶融混練した後、ストラン
ドを空冷、切断してペレットを得た。得られたペレット
を射出成形機(西独アーブルグ社製アーブルグ・オール
ラウンドA−220)で射出成形(射出圧力 500 kg/cm
2 、シリンダー温度 420℃、金型温度 180℃) し、各種
測定用試験片を得て、測定を行った。測定された引張り
強度(ASTM 、D-638 に拠る) 、曲げ強度および曲げ弾性
率(ASTM D-790)、アイゾット衝撃強度(ノッチ付)(ASTM
D-256) 、熱変形温度(ASTM D-648)、成形収縮率(ASTM
D-955)を表3に示す。
【0027】比較例−1〜2 本発明の範囲外のガラス繊維量を用いた他は、実施例−
1、4と同様に操作を行って、各物性を測定した。結果
を表3に併せて示す。
【表3】
【0028】実施例−5〜8 合成例−1,2,4,5で得られた各種ポリイミド粉、
夫々 100重量部に対して、平均直径12μm、長さ3mm、
アスペクト比 250 を有する炭素繊維(東レ社商標:ト
レカ)を夫々表4に示した量を添加し、ドラムブレンダ
ー(川田製作所製)で混合した後、口径 30 mmの単軸押
出機により 360〜 440℃の温度で溶融混練した後、スト
ランドを空冷、切断してペレットを得た。得られたペレ
ットを射出成形(アーブルグ射出成形機、射出圧力 500
kg/cm2、シリンダー温度 420℃、金型温度 180℃)
し、各種測定用試験片を得て、測定を行った。測定され
た引張り強度、曲げ強度および曲げ弾性率、アイゾット
衝撃強度(ノッチ付) 、熱変形温度および成形収縮率を
表4に示す。
【0029】比較例−3〜4 本発明の範囲外のガラス繊維量を用い、他は実施例−
5、8と同様の操作を行って、各物性を測定した。結果
を表4に示す。
【表4】
【0030】実施例9〜12 合成例−1,2,3,5で得られた各種ポリイミド粉、
夫々 100重量部に対して断面直径 0.2μmで平均繊維長
20mm 、チタン酸カリウム繊維(大塚化学薬品商標:テ
ィスモ−D)を夫々表5に示した量添加し、ドラムブレ
ンダー混合機(川田製作所製)で混合した後、口径 30m
m の単軸押出機により 360〜 440℃の温度で溶融混練し
た後、ストランドを空冷、切断してペレットを得た。得
られたペレットを射出成形(アーブルグ射出成形機、射
出圧力 500 kg/cm2、シリンダー温度 420℃、金型温度
180℃) し、各種測定用試験片を得て、測定を行った。
測定された引張り強度、曲げ強度および曲げ弾性率、ア
イゾット衝撃強度(ノッチ付) 、熱変形温度および成形
収縮率を表5に示す。
【0031】比較例−5〜6 本発明の範囲外のチタン酸カリウム量を用い、他は実施
例−9、12と同様の操作を行って、各物性を測定した。
結果を表5に併せて示す。
【表5】
【0032】実施例13〜16 合成例−1,2,4,5で得られた各種ポリイミド粉夫
々 100重量部に対して平均繊維長3mm、芳香族ポリアミ
ド繊維(デュポン社商標:Kevlarを夫々表6に示した量
を添加し、ドラムブレンダー(川田製作所製)で混合し
た後、口径30mmの単軸押出機により 310〜 350℃の温度
で溶融混練した後、ストランドを空冷、切断してペレッ
トを得た。得られたペレットを射出成形(アーブルグ射
出成形機、射出圧力 500kg/cm2、シリンダー温度 400
℃、金型温度 180℃) し、各種測定用試験片を得て、測
定を行った。測定された引張り強度、曲げ強度および曲
げ弾性率、アイゾット衝撃強度(ノッチ付) 、熱変形温
度、成形収縮率を表6に示す。
【0033】比較例−7〜8 本発明の範囲外の芳香族ポリアミド繊維量を用い、他は
実施例−13、16と同様の操作を行って、各物性を測定し
た。結果を表6に併せて示す。
【表6】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリイミド樹脂組成物は熱変形
温度が極めて高く、さらに優れた耐熱性、寸法安定性、
機械強度等を有しており、耐熱性を必要とする電気、電
子部品、自動車部品さらに精密機械部品などに有用な材
料であり、産業上の利用効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−58538(JP,A) 特開 平1−313558(JP,A) 特開 平1−259063(JP,A) 特開 昭61−95067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/08 C08K 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー分子末端が式(1) 【化1】 (式中、Xは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を示
    す)で表されるジカルボン酸無水物で封止され、式
    (2) 【化2】 (式中、Yは−O−または 【化3】 の2価の基を示す)で表される繰り返し構造単位を有
    し、対数粘度の値が 0.1〜2dl/gであるポリイミド 100
    重量部と繊維状補強材5〜 100重量部からなる熱酸化安
    定性の良好なポリイミド樹脂組成物。なお、対数粘度は
    ポリイミド粉 0.50 gをp-クロロフェノール/フェノー
    ル(重量比9/1)混合溶媒 100 mlに加熱溶解した
    後、35℃において測定した値である。
  2. 【請求項2】 繊維状補強材が、ガラス繊維、炭素繊
    維、チタン酸カリウム繊維および芳香族ポリアミド繊維
    からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1
    に記載のポリイミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 繊維状補強材が、それぞれ式(6)、式
    (7)および式(8)で表される芳香族ポリアミドから
    成る群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ポリアミド
    繊維である請求項1に記載のポリイミド樹脂組成物。 【化4】 【化5】 【化6】 【0001】
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