JP2902320B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents
複写機用分離爪Info
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Description
ら分離する複写機用の分離爪に関する。
像を紙面に転写し、さらに転写されたトナー像を定着ロ
ーラで加熱加圧し、トナー像と紙面とを融着させて両者
が容易に離れないようにする定着装置が組み込まれてい
る。
を通過した複写紙をローラに巻き付くことなく確実に排
出させるためには分離爪を使用して、その先端をローラ
の外周面に密着させながら複写紙の端をすくい上げる手
段が採られる。
は、ローラの外周面に対して摩擦抵抗が小さく表面を損
傷しないこと、充分な機械的強度を有し、特に高温剛性
が有り、その先端部形状が充分な精度で成形され、かつ
変形しないこと、さらにはトナーが粘着しないこと等で
ある。
り、単なる複写機能だけでなく、高解像度画像処理、編
集機能、さらにファクシミリ機能または他のOA機器の
入出力装置などを備えた、いわゆるインテリジェント複
写機においては、従来にもまして複写速度の高速化、高
信頼化、長寿命化が要求されることになり、分離爪につ
いても、定着ローラーの加熱温度の高温化に伴う250
℃以上の耐熱性が要求されることになった。
分離爪の成形材料(構造用基材)としては、ポリエーテ
ルサルホン、ポリエーテルイミド等があるが、これらは
潤滑性および耐摩耗性が悪いので、表面に形成したフッ
素樹脂被膜が摩耗し、基材とローラと直接接触した場合
に機能が極端に低下する。
ラス転移点は約250℃未満であるが、樹脂自身に靭性
があるため補強剤の量も少なくてすみ、またチタン酸カ
リウム繊維等のように補強効果は小さいが摺動相手材を
損傷しない繊維類だけで補強できるため、相手ロールの
攻撃性は低く、酸化架橋性による脆さの発現もほとんど
なく、耐熱老化性に優れる。
材料とし、チタン酸カリウム繊維で補強した成形材料か
らなる複写機用分離爪が特開昭60−257467号公
報、特開昭61−27575号公報に記載されている。
ナーなどの付着を防止する非粘着性を向上させるため、
通常、フッ素樹脂被膜が形成されるが、この被膜はその
構造からみて以下の2種類のものがある。
溶剤に分散したエポキシ樹脂、フェノール樹脂等のバイ
ンダー樹脂に混合されているエナメルタイプのフッ素樹
脂コーティング剤からなる被膜である。これを分離爪基
材の表面に固定するには、前記バインダー樹脂の溶融温
度または硬化温度まで(通常、約180〜250℃)に
加熱するが、このようにして形成された被膜表面にはフ
ッ素樹脂とバインダー樹脂が混在するので、フッ素樹脂
本来の非粘着特性を発揮できなかった。
上に加熱して爪基材の表面に形成されるフッ素樹脂の融
着被膜である。この被膜は、表面が全てフッ素樹脂から
なるので、フッ素樹脂本来の非粘着特性を発揮できる。
そして、融着した場合に非粘着性の良好なフッ素樹脂と
しては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)等の融点が約35
0度以上のものが挙げられる。
ーテルケトン樹脂からなる複写機用分離爪は、前記した
ように耐熱老化性に優れているが、繊維補強材によって
は耐熱変形性を充分に保つことができないので、定着ロ
ーラの表面温度(約150℃〜250℃)と同じ温度条
件で紙詰まりが起こった際などであって通常より大きな
力が爪先端にかかった場合に、爪先端がクリープ変形を
起こす現象にみられるように、耐熱荷重性に問題点があ
る。
らなる複写機用分離爪は、長時間ガラス転移点以上の温
度に曝されると、弾性率などの機械的特性が急速に低下
するという耐熱疲労性の問題点もある。
写機用分離爪においては、フッ素樹脂を融点以上に加熱
して爪基材の表面に非粘着特性の良好なフッ素樹脂の融
着被膜を形成するために、爪基材に350℃以上の耐熱
性が必要とされるが、そのように耐熱性があり、かつ前
記したような耐熱荷重性、耐熱疲労性を具備した樹脂材
料がこれまで分離爪基材として試された例はない。
を解決し、複写機用分離爪を、高温で荷重を負う条件に
おいても爪先端部がクリープ変形しない程度に耐熱荷重
性に優れており、しかも長時間ガラス転移点以上の温度
に曝されても疲労しない程度に耐熱疲労性に優れた成形
体で形成することである。
非粘着特性に優れた被膜を形成した複写機用分離爪とす
ることを課題としている。
め、この発明においては、複写機用分離爪を、融点が3
50℃以上のポリエーテルケトン系樹脂の成形体から構
成したのである。
以上のポリエーテルケトン系樹脂の成形体を基材とし、
その表面にフッ素樹脂の融着被膜を形成したのである。
ー像転写式の乾式静電複写機や湿式静電複写機、レーザ
ービームプリンター、液晶プリンター、ファクシミリ用
プリンター等、PPC、LBP、LED、LCD、CR
T等のプリンター等印刷機等の画像形成装置全般を指
す。
化2の式で表わされるポリエーテルケトン系樹脂を採用
することができる。
成形体が、ポリエーテルケトン系樹脂に、さらに繊維状
補強材を10〜50重量%配合した組成物からなる構成
を採用することもできる。
成形体が、固形充填剤を3〜15重量%含有し、固形充
填剤と前記繊維状補強材との合計量が全組成の50重量
%以下の組成物からなる成形体である構成を採用するこ
ともできる。
いるポリエーテルケトン系樹脂(以下、PEKと略記す
る。)は、その融点が350℃以上であるケトン系ポリ
マーを限定なく採用することができる。ポリエーテルケ
トン樹脂は、エーテル結合(−O−)とケトン結合(−
C0−)の両者を含んで芳香族環を結合したものであ
り、前記した化2で表わされるものの他、例えば下記の
化3や化4で表わされるものが挙げられる。これらはい
ずれも結晶性の樹脂であり、これらの物性および市販品
の商品名は、以下の通りである。
点(Tg)=約170〜175℃、融点(Tm)=37
5〜381℃、BASF社製:Ultrapek−A2
000、 [化3で表わされるPEK] ガラス転移点(Tg)=
165℃、融点(Tm)=365℃、ICI社製:VI
CTREX PEK−220G、 [化4で表わされるPEK] ガラス転移点(Tg)=
160℃、融点(Tm)=360〜380℃、ヘキスト
社製:HOSTATEC、 なお、この発明に採用できる融点が350℃以上の上記
以外の市販品としては、Amoco社製:Kadel等
が挙げられる。これらのポリケトン系ポリマーは、PE
KEKK、PEKK、PEAK等と細分化して呼ぶこと
もある。
タンウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ホウ酸アルミニウム
ウィスカ、グラファイトウィスカ、硫酸カルシウムウィ
スカ、炭酸カルシウムウィスカ、塩基性硫酸マグネシウ
ムウィスカ、炭酸ケイ素ウィスカ、ウォラストナイト、
ゾノライト、酸化マグネシウムウィスカなどのウィスカ
類が細かく、爪の先端を効率よく補強することができる
ので、好ましいものとして挙げられる。これらのウィス
カ類は、一般的な炭素繊維、ガラス繊維等と比べると、
比較的微細であり、一般に粉末状、繊維状のものであ
る。また、相手ロールを攻撃しない程度を考慮すれば、
炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維などを使
用することもできる。
ウィスカ、酸化亜鉛ウィスカは、耐摩耗性を良く向上さ
せるので好ましい。なお、酸化亜鉛ウィスカは、図1
(a)、(b)に示すように、4軸放射形で各軸が先端
に向かうほど細径となるテーパ状である。このような酸
化亜鉛ウィスカの市販されているものとしては、松下ア
ムテック社製;パナテトラ等が挙げられる。
を蒸気化し、気相酸化して合成する過程で例えば約10
00℃以上の高温酸化および約4%以上の高Zn濃度で
粒径の増大に伴ってウィスカを生成する等して製造する
ことができる。
クスである樹脂の混練および成形時に、殆どのものが折
れて図1(b)に示すテーパ状の軸の状態で存在すると
考えられる。テーパ状の軸は、摺動面に露出した際に樹
脂中から抜け難く、また配向して爪先端に入りやすく、
即ち爪先端を効率良く補強すると考えられる。このよう
な理由から酸化亜鉛ウィスカは、各軸の長さが2〜50
μmで、軸の直径0.2〜3μmのものが好ましい。
量は、全組成物量の10〜50重量%である。なぜなら
繊維状補強剤が10重量%未満の少量では、充分な補強
効果が得られず、50重量%を越える多量では、PEK
との均一な混合ができず、樹脂の流動性が失われて成形
が困難になるからである。
なる成形体の表面の摩擦係数の低減効果のある公知の固
体潤滑剤等を採用することができる。このような固体潤
滑剤としては、黒鉛、フッ素樹脂粉末、二硫化モリブデ
ン、フッ化黒鉛、一酸化鉛などが挙げられる。このよう
な固体潤滑剤のうち、特に、黒鉛、フッ素樹脂は、摩擦
抵抗の低減効果と共に、ローラに対する非攻撃性を向上
させるのでより好ましいものである。
ン系ポリマーの融点以上の熱分解温度を有する固形充填
剤としては、そのような熱分解温度を有する熱硬化製樹
脂または熱可塑性樹脂が挙げられる。
定できる。詳しくは熱分析(DSC、DTA、TGAな
ど)により、熱天秤減量曲線(TG)と、示差熱分析曲
線(DTA)等で求められ、初期の試料片(例えば約1
5mg)を例えば昇温速度約10℃/分で空気中または
窒素ガス中にて加熱し、試料片に例えば約5%の重量減
が生じる温度、または例えば約5mgの重量減が生じた
温度であるか、または各温度別の重量減少%を調べ、こ
れが約50重量%に対応する温度を熱分解による50重
量%減量温度などを目安として求めることができ、微分
熱分解開始温度として評価することができる。
製樹脂としては、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メ
ラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフ
タレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、フラン系樹脂、ポリイミド系樹脂など
が挙げられ、また、ポリイミド系樹脂としては、縮合型
ポリイミド樹脂やビスマレイミド系、末端ナジック酸
系、アセチレン系等の付加型ポリイミド樹脂などが挙げ
られる。これらの中には溶融性を示すものもある。
ノール系樹脂は、機械的性質、耐熱・耐寒性、寸法安定
性、耐溶剤性、耐酸性、耐水性および価格などからみた
総合的な諸物性において、これらが比較的バランス良く
優れており、特に高温時の機械的強度の保持性に優秀で
あって、微分熱分解開始温度は約405℃である。
は、比較的成形性に優れるノボラック系が用いられ、レ
ゾール系のものは、ノボラック系のものよりも熱衝撃性
に優れている。また、レゾール系の一段法成形材料は、
二段法よりも製造に比較的時間を要し、硬化速度も遅い
という特性をもっている。
系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリイミド系樹脂の微分熱分解
開始温度は、それぞれ約390℃、約505℃、約40
0〜550℃前後であり、これらも高温時の機械的強度
に優れ、微分熱分解開始温度が約390℃以上、好まし
くは約400℃以上の樹脂であればよい。なぜなら、成
形材料は、二軸溶融押出機でのペレット造粒時における
約380〜420℃の高温時や、射出成形時の約390
〜420℃のシリンダー温度、およびその後の約250
〜340℃での熱処理時、そしてPFA系樹脂ではコー
ティングに伴う約340〜350℃での焼成などの諸種
の製造工程においても、熱分解の進行が比較的緩やかだ
からである。
好ましくは5〜8重量%添加することで分離爪の刃先の
耐衝撃性や、耐摩耗性を更に改善することができると考
えられる。
%未満の少量では、耐衝撃性、耐摩耗性、耐熱性などの
向上にあまり効果がなく、10重量%を越える多量で
は、シリンダー温度約390〜420℃のような比較的
高温で所定のポリケトン系ポリマーを溶融して射出成形
などをする場合に、シリンダー内での熱硬化の進行など
の不都合により、安定した造粒性、射出成形性および寸
法精度などが期待できないからである。
て、下記に列挙したようなフッ素系樹脂が挙げられる。
なお、〔 〕内には熱分解温度を示した。
E)、〔約508〜538℃〕 テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA)、〔約464℃以上〕 テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP)、〔約419℃以上〕 ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)
〔約347〜418℃〕 テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ET
FE)、〔約347℃以上〕 クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体
(ECTFE)、〔約330℃以上〕 ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、〔約4
00〜475℃〕 ポリビニルフルオライド(PVF)、〔約372〜
480℃〕 テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(E
PE)。
脂の単量体が例えば約1:10から10:1の重合量で
2種類以上の共重合体や、3元共重合体などのフッ素化
ポリオレフィンなどであってもよく、これらは、固体潤
滑剤としての特性も示す。このなかでもPTFE、PF
A、FEP等のパーフロロ系フッ素樹脂は、骨格である
炭素原子の周囲を全てフッ素原子または微量の酸素原子
で取り囲んだ形態であり、C−F間の強固な結合によ
り、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦係数などの諸
特性に優れており好ましいものであるといえる。
温度が比較的高いので好ましい。例えば、PTFE、P
VDFの分解点は、それぞれ約490℃、約350℃で
あり、これらの微分熱分解開始温度は、それぞれ約55
5℃、約460℃をも示し、フッ素系樹脂のなかでもP
TFE、PFA、FEPは、高温特性に優れており、好
ましい。そのため、所定のポリケトン系ポリマーからな
る分離爪を溶融などして製造する過程での前記した様な
数々の熱履歴にも比較的耐え得る。特に、PTFEの分
解点は、所定のポリケトン系ポリマーの融点よりも高い
ので好ましい。これらの熱可塑性樹脂を3〜10重量
%、好ましくは5〜8重量%添加することで、分離爪の
刃先の定着ローラ表面への攻撃性を少なくできると共
に、耐衝撃性、耐疲労性、耐摩耗性を向上することがで
きると考えられる。
の効果が期待できず、10重量%を越える多量では、こ
れらの溶融粘度などにより、前記したように造粒時や射
出成形時に溶融成形機などのシリンダーにかかる負荷が
大きく、安定した造粒性、射出成形性および寸法精度が
期待できないからである。
380℃にてそれぞれ約104 〜105 ポイズ、約4×
104 〜105 ポイズであり、特にPTFEでは約34
0〜380℃にて約1011〜1012ポイズにもなり、こ
のような高温下でも約104〜1012ポイズ程度の粘度
特性を有する熱可塑性樹脂であるものは、高粘度特性を
有するので、耐熱性が優れており好ましい。
芳香族ポリアミド樹脂(以下、アラミド樹脂という)粉
末が挙げられる。このものは3〜5重量%の添加量で組
成物の耐摩耗性をさらに向上させることができる。粉末
状のアラミドの市販品としては、旭化成社製:アラミカ
ARP−P(平均粒径20μm)が挙げられる。
の式で示される一般式を繰り返し単位とする樹脂からな
り、このような樹脂のうちメタ系の分子構造を有するア
ラミド樹脂の代表例として、米国デュポン社製:ノーメ
ックス(紙状)、帝人社製:コーネックスが挙げられ、
パラ系の分子構造を有する樹脂の代表例として米国デュ
ポン社製:ケブラー(繊維状)、帝人社製:テクノーラ
がある。
ミド樹脂は、軸方向に分子鎖が配列しているので、軸方
向に高弾性・高強度であるが、直角方向には分子間力が
弱いものである。このようにパラ系アラミド樹脂は軸方
向の強度によって、配合された樹脂組成物の耐摩耗性を
よく向上させることができ、一方、分子鎖の直角方向に
圧縮力を受けると分子鎖が座屈しまたは破壊され易いの
で、軟質の摺動相手材を損傷しないと考えられる。
る場合は、前記したフッ素樹脂として四フッ化エチレン
樹脂などの所定量を含むものを添加することによって、
前記組成物と同様に軟質の摺動相手材を損傷せず、耐摩
耗性に優れた組成物となる。
することもできる。このようなアラミド樹脂のうち、繊
維の形態は、繊維長約0.15〜3mm、アスペクト比
約1〜230程度のものとなっている。
脂のうち、粉末状のもの、または粉末化したものを採用
する。繊維状のアラミド樹脂を含有する樹脂組成物で
は、摺動面に配向した繊維がブラシのように現れ、摺動
相手材が損傷され易くなって好ましくない。
その平均粒径が約5〜50μmであるものを採用するこ
とが好ましい。なぜなら、平均粒径が約5μm未満の小
粒子では、樹脂組成物が充分な耐摩耗性を獲得できず、
約50μmを越える大粒子では摺動相手材を損傷する恐
れがあるからである。このような条件を全て満足する粉
末状のアラミドの市販品としては、旭化成社製:アラミ
カ ARP−P(平均粒径20μm)等が好ましいと考
えられる。
中の3〜15重量%である。なぜなら、3重量%未満の
少量では、摩擦抵抗の低減効果や相手ローラーの外周面
に対する非攻撃性の効果が充分でなく、15重量%を越
える多量では組成物の流動性は著しく低下し、得られた
成形品の耐熱変形性も同様に著しく低下するので好まし
くないからである。このような傾向からみて、より好ま
しい配合量は、5〜8重量%である。
強材との合計量は、全組成の50重量%以下、好ましく
は10〜50重量%である。なぜなら、前記合計量が全
組成の50重量%を越えると、混合が充分にできずに均
質な組成物が得られず、また樹脂の溶融流動性が失われ
て成形が困難になる。また、前記合計量が全組成の10
重量%未満では、組成物に充分な補強効果が得られな
い。
らを個別に溶融混合機に供給してもよく、また、予めヘ
ンシェルミキサー、タンブラーミキサー、リボンブレン
ダーなどの汎用の混合機で乾式混合した後、溶融混合機
に供給すればよい。
20℃の温度範囲に加熱し可塑化した後、金型中に充填
し固化および離型することにより目的の成形体からなる
複写機用分離爪を得ることができる。
ケトン系ポリマーの融点がおよそ350℃以上、エーテ
ル結合やケトン結合の重合度合や、測定条件などにより
約350〜360℃程度以上と高温であるためである。
さらに、分離爪に所定の熱処理を施すことにより、耐熱
変形性、寸法安定性、耐摩耗性に優れた長寿命の複写機
用分離爪とすることもできる。
は約200〜330℃で約0.5〜24時間以上、好ま
しくは約0.5〜8時間以上の範囲で行ってもよい。な
ぜならば、約340℃を越える温度では、分離爪に著し
い熱変形が生じ実用上好ましくなく、一方、約150℃
未満の温度では、ガラス転移点(Tg)よりも低いた
め、比較的、結晶化が進行されないために、成形性、耐
熱変形性の向上は得られないからである。
晶性ポリマーであっても分子構造上の工夫により、結晶
化度が適度に抑えられたポリマーであれば、寸法安定性
に優れ、熱処理等を省略してもよい。
着被膜は、上記した材料の成形体組成物の表面に粉体ま
たはディスパージョンのフッ素系樹脂を被覆し、焼成時
に融点以上に加熱してフッ素系樹脂を溶融させ、成形体
表面に連続するように形成したものである。
フッ素系樹脂は、前記記載のなかでも四フッ化エチレン
樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)などの粉体塗装用の低分子量微粉(融着タ
イプ)の形態のものが挙げられる。
脂コーティング剤としては、三井・デュポンフロロケミ
カル社製:PFA−X500CL、デュポン社製:バイ
ダックスARなどがある。融着させるタイプのコーティ
ング剤は、補強剤や潤滑剤を添加して耐摩耗性の向上を
図ってもよく、カーボンブラックなどの導電性付与剤を
添加して分離爪の帯電防止を図ることもできる。
への塗装手段としては、スプレーコーティング法、ディ
ップコーティング法、静電塗装法、パウダーコーティン
グ法などを採用できる。また、必要に応じて塗装前に所
定のプライマーを塗布してもよい。
工程では、段階的に昇温し、最高約350℃で約30分
間焼成すればよい。
0μmとすることが好ましい。なぜなら、約5μm未満
の薄膜では、耐摩耗製に劣り、約40μmを越える厚膜
では分離爪に要求される爪先端の所定のR形状を形成す
ることが難しいからである。
0℃以上のPEKの成形体からなるので、高温被加熱時
における耐荷重性、耐熱疲労性に優れたものとなる。繊
維状補強材を充填した組成物で成形したものは、剛性、
機械的強度はいっそう優れたものとなる。
で成形したものは、上記特性に加えて耐摩耗性、耐衝撃
性に優れ、長期間の使用に耐える信頼性の高い分離爪と
なる。
に、完全に連続したフッ素樹脂の融着被膜を形成したの
で、フッ素系樹脂本来の非粘着性によってトナーの粘着
を極めて効率よく防止できる。
して示すと以下の通りである。なお、これら原材料の配
合割合は、以下全て重量%で示す。
2の式で表わされるPEK) BASF社製:Ultrapek−A2000、融点3
75〜381℃、 (2)ポリエーテルケトン系樹脂(前記化3の式で表わ
されるPEK) ICI社製:PEK−220G、融点365℃、 (3)ポリエーテルケトン系樹脂(前記化4の式で表わ
されるPEK) ヘキスト社製:HOSTATEC、融点360〜380
℃、 (4)ポリエーテルケトン樹脂(下記化6の式で表わさ
れるPEK) ICI社製:PEEK150P、融点334℃、
合した後、二軸溶融押出機(池貝鉄工社製:PCM−3
0)に供給し、380〜420℃の条件で混練押出しし
て造粒した。得られたペレットを射出成形機に供給して
シリンダー温度390〜420℃、射出圧力1000k
g/cm2 、金型温度200℃の条件のもとに射出成形
し、分離爪形状の成形品(一般の複写機に用いられてい
る分離爪形状)を得た。この成形品に対して320℃、
5時間の熱処理を行ない、さらにコーティング用プライ
マー液(9)をスプレーコーティングした後乾燥し、さ
らにその上にPFAコーティング液(10)を同様にス
プレーコーティングした。それを350℃、30分間加
熱し融着被覆したものを試験片とした。
耐衝撃性、爪先端への充填量を調べ、この結果を表1
または表2中に併記した。これらの測定および評価方法
はそれぞれつぎのとおりである。
ーラ2に対して、温度196±3℃、回転数148rp
m、荷重20gf、350時間の条件で摺接させ、試験
前後の穴径の中心から爪先端までの距離L’の差(m
m)を測定した。
す)を用いて測定した。すなわち、レバー(長さL=8
5mm)の一端に分離爪1を装着すると共に、このレバ
ーの他端を回転自在に支持し、これを直立状態から水平
状態に自然回転させた際に、分離爪1の刃先の先端部が
ローラー2に、荷重(W)20gf、接触角度(θ)1
00°の条件で衝突するようにして、分離爪1に欠損が
生じるまでの衝突回数を測定した。なお、衝突回数は1
0回を上限とした。
査型電子顕微鏡(SEM)で、ウィスカの充填量を観察
し、よく充填されている☆印、充填されている○印、殆
ど充填されていない△印の3段階に評価した。
に、融点が350℃以下のPEKを使用した比較例1
は、コーティングしたPFAの焼成熱で変形した。また
繊維状補強材を充填しなかった比較例2は、耐摩耗性、
耐衝撃性の結果が実施例に比べて劣っていた。また、所
定量を越える繊維状補強材を配合した比較例3は、成形
不可能であった。
例1〜7は、成形性、耐摩耗性、耐衝撃性、爪先端への
ウィスカの充填量といった全ての試験項目に優れた結果
が得られた。
を有するポリエーテルケトン系樹脂としたことにより、
複写機用分離爪が、高温で荷重を負う条件にあっても爪
先端部がクリープ変形しない程度に耐熱荷重性に優れて
おり、しかも長時間ガラス転移点以上の温度に曝されて
も疲労しない程度に耐熱疲労性に優れたものとなる利点
がある。
トン系樹脂の成形体からなる爪基材の表面に、非粘着特
性に優れた融着被膜を、フッ素系樹脂を融点以上に加熱
することで融着被覆形成したものでは、完全に連続した
フッ素系樹脂の融着被膜でフッ素系樹脂本来の非粘着性
を発揮し、トナーの粘着を極めて効率よく防止できると
いう利点がある。
造を説明する拡大斜視図 (b)同上の酸化亜鉛ウィスカの折れた軸の形状を説明
する拡大斜視図
面図 (b)耐摩耗性試験の測定状態を説明する概略側面図
Claims (8)
- 【請求項1】 融点が350℃以上のポリエーテルケト
ン系樹脂に、酸化チタンウィスカまたは酸化亜鉛ウィス
カを10〜50重量%配合した樹脂組成物の成形体から
なる複写機用分離爪。 - 【請求項2】 請求項1記載の複写機用分離爪の表面に
フッ素樹脂の融着被膜を形成してなる複写機用分離爪。 - 【請求項3】 前記ポリエーテルケトン系樹脂が、下記
の化1の式で表わされるポリエーテルケトン系樹脂であ
る請求項1または2に記載の複写機用分離爪。 【化1】 - 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の複写機用
分離爪において、成形体が、固形充填剤を3〜15重量
%含有し、固形充填剤と酸化チタンウィスカまたは酸化
亜鉛ウィスカとの合計量が全組成の50重量%以下の組
成物からなる成形体であることを特徴とする複写機用分
離爪。 - 【請求項5】 前記固形充填剤が、前記ポリエーテルケ
トン系樹脂の融点以上の熱分解温度を有する樹脂である
請求項4に記載の複写機用分離爪。 - 【請求項6】 前記固形充填剤が熱硬化性樹脂である請
求項4または5に記載の複写機用分離爪。 - 【請求項7】 前記固形充填剤が熱可塑性樹脂である請
求項4または5に記載の複写機用分離爪。 - 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂である
請求項7に記載の複写機用分離爪。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012070401A1 (ja) | 2010-11-24 | 2012-05-31 | 旭硝子株式会社 | シート状記録材剥離用摺動部材、自動車用シールリング、並びに、産業ガス圧縮機用シールリング及び摺動部材 |
KR20130107333A (ko) | 2010-11-24 | 2013-10-01 | 아사히 가라스 가부시키가이샤 | 시트상 기록재 박리용 슬라이딩 부재, 자동차용 밀봉링, 및 산업가스 압축기용 밀봉링 및 슬라이딩 부재 |
US9388009B2 (en) | 2010-11-24 | 2016-07-12 | Asahi Glass Co., Ltd. | Sliding member for sheet-shaped recording material detachment, seal ring for automobile, and seal ring and sliding member for industrial gas compressor |
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