JP2641909B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents

複写機用分離爪

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は複写機用分離爪に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、複写機は、乾式および湿式の二つの方式に大別
されるが、乾式複写機においては文字や図形等に対応し
て感光ドラムの表面に形成された静電荷潜像をトナー像
に変換した後、このトナー像を給紙カセットから供給さ
れて来る紙面に転写し、さらに転写されたトナー像を紙
面に定着させるために加熱された定着ローラによって表
面を加熱加圧し、トナー像と紙繊維とを融着させて両者
が容易に離れないようにする機構が組み込まれている。
そして定着ローラを通過した複写紙がローラに巻き付く
ことなく確実に排出されるために、分離爪を用い、その
先端をローラの外周面に密着させながら複写紙の端をす
くい上げる方法が採られる。したがって、このような分
離爪においてはローラの外周面に対して摩擦抵抗が小さ
く表面を損傷しないこと、充分な機械的強度特に高温剛
性を有し、その先端部形状に充分な精度が得られるこ
と、さらにはトナーを粘着しないことなどの特性が要求
される。
このような分離爪に不可欠な特性を満たすために、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルエートルケトン、ポリサルホン、ポ
リエーテルイミド、芳香族ポイアミド、芳香族ポリエス
テル等の耐熱性樹脂に、ガラス繊維、チタン酸カリウム
繊維、炭素繊維等の耐熱性繊維、さらにはフッ素樹脂を
加えた組成物を素材としたものが提案されている。たと
えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサル
ホォン、ポリアミドのような樹脂中に、平均繊維長5〜
30μm、平均繊維径0.2〜0.5μmの短繊維補強剤(チタ
ン酸カリウムウィスカーなど)を添加した組成物(特開
昭61−182071号)、ポリエーテルエートルケトン樹脂の
ような熱可塑性ポリエーテル芳香族ケトンに、チタン酸
カリウム繊維もしくはアスベスト繊維等の耐熱性繊維ま
たはマイカ、タルク等の無機充填剤を添加した組成物
(特開昭61−27575号)、また、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、フェノール等の硬質耐熱性樹脂に、四フッ化
エチレン樹脂と場合によってはガラスを含有した組成物
(特開昭56−132368号)、ポリエーテルケトンとチタン
酸カリウム繊維およびフッ素樹脂とからなる組成物(特
開昭60−257467号)、ポリエーテルケトンと炭素繊維お
よびフッ素樹脂とからなる組成物(特開昭61−55674
号)等からなる分離爪が開示されている。しかし、特開
昭61−182071号、同−27575号および同−257467号に記
載されているようなチタン酸カリウム繊維などの短繊維
を補強剤として使用した分離爪は、曲げ強度、衝撃強度
等の機械的強度において劣り、高温時には剛性も劣るた
め、通過する定着紙の抵抗によって、分離爪先端が欠け
たり、曲がったりして、分離機能が果たせなくなるし、
また特開昭56−132368号および同61−182071号のよう
に、ガラス粉末またはガラスビーズでは前記短繊維補強
剤の場合と同様の問題を生じ、ガラス繊維または炭素繊
維では分離爪を成形したときの表面粗さが大きく先端部
の曲率半径が大きくなって0.1mmを越える場合が多く、
良好な先端の形状が得られず、定着紙を円滑にすくい上
げられなくなるばかりか、分離方向不良の現象をも起こ
すことになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように従来の技術においては、高温における剛性
の低下を来さない耐熱性、爪先端の衝撃強度または曲げ
強度等の優れた機械的強度、爪先端部の好ましい曲率半
径が容易に得られる成形性、成形品の表面の平滑性等に
優れている分離爪は得られていないという問題点であ
り、これを解決することが課題であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明はポリフェニ
レンサルファイド樹脂25〜80重量%と、平均繊維径3μ
m以下のセラミックス繊維10〜65重量%と、さらに平均
繊維径0.1〜1.0μm、平均繊維長5〜200μmのホイス
カー10〜40重量%とからなる樹脂組成物を複写機用分離
爪とする手段を採用したものである。以下その詳細を述
べる。
まず、この発明のポリフェニレンサルファイド樹脂は
マトリックス樹脂として使用されるものであり、熱変形
温度が260℃以上と優れた耐熱性を示し、溶融粘度が他
のエンジニアリングプラスチックスと呼ばれる樹脂と比
較して低く、成形性およびフィラー類の充填性が優れて
いることから好ましい樹脂であるが、複写機用分離爪と
して使用されるには、あまりにも溶融粘度が低いために
分離爪先端の滑らかな曲率半径が得られず、時としてシ
ャープなエッジ(バリ)になったりするため、溶融粘度
が高いものが好ましく、具体的には300℃での溶融粘度
が6000ポイズ(オリフィス:直径1mm、長さ2mm、荷重10
kg)以上のものが好ましく、10000ポイズのものが特に
好ましい。そして、溶融粘度の上限は溶融成形が可能な
範囲で特に限定するものでないが、経済的な見地から、
射出成形で多数個取りを可能にするために、50000ポイ
ズ以下が好ましい。
ここで、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、たとえ
ば特公昭44−27671号公報および同45−3368号公報に開
示さりているようなハロゲン置換芳香族化合物と硫化ア
ルカリとの反応、特公昭46−27255号公報に開示されて
いるような芳香族化号物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共
存下における縮合反応、または米国特許第3274165号に
開示されているようなチオフェノール類のアルカリ触媒
もしくは銅塩等の共存下における縮合反応等によって合
成されるが、目的に応じて具体的な方法を任意に選択す
ることが出来る。なお、ポリフェニレンサルファイド樹
脂は上記のような縮合等の反応直後においては白色に近
い未架橋品であって、このままでは低分子量では低粘度
であることから、押出成形、射出成形などの用途に用い
るために、空気中において融点以下に加熱し、酸化架橋
させてまたは縮合反応の工程で分子量を高め、抽出成
形、射出成形、射出成形等に適する溶媒粘度のものに変
化させる。このような処理をして溶融成形用途に市販さ
れているライトンP−4(フィリップスペトローリアム
社製)の溶融粘度は、前述した条件のもとで、1500〜50
00ポイズであるが、10000ポイズ以上の溶融粘度のポリ
フェニレンサルファイド樹脂を得るには特に限定するも
のではないが、たとえば同様の処理を行なうことで達成
され、たとえは、P−4をさらに酸素架橋させてもよ
い。また、このような高溶融粘度ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂は、トープレン社のTX009として市販されて
いる。
このようなポリフェニレンサルファイド樹脂の配合量
を25〜80重量%とする理由は、25重量%未満の少量では
成形性が著しく劣り、80重量%を越える多量では補強剤
の量が少なくなり実用強度が得られず、実用に供するこ
とが出来なくなるからである。
つぎに、この発明におけるセラミック質繊維とは、原
料の違いにより、グラスファイバー(硝子繊維)、セラ
ミックファイバー、ロックウール、スラグウールなどに
分類されるが、分離爪先端の高温剛性への補強性の点か
ら硝子繊維が好ましい。
既に汎用成形材料としてポリフェニレンサルファイド
樹脂に平均繊維径13μmの硝子繊維を40重量%もしくは
60重量%配合したものが市販されているが、これらの成
形品の表面粗さを測定すると5〜10μm(Rmax)の粗さ
が見受けられ、一方、分離爪先端の曲率半径は0.1mm以
下好ましくは0.05mm以下の精度が必要であるので、前記
したようなガラス繊維ではこのような精度のものは得難
い。したがって、配合されるガラス繊維の径は6μm以
下であることが肝要であり、このような繊維を使用すれ
ば成形品の表面粗さは1〜3μmもしくはそれ以下とな
り、また分離爪の曲率半径は0.05mm以下となる。しか
し、この曲率半径も小さければそれでよいというもので
はなく、小さ過ぎてシャープなエッジ(バリ)になった
り、金型加工時に良好な曲率半径のものが得られても、
充填剤等によって金型についた傷跡等のために曲率が非
常に小さくなってシャープなエッジが出現しやすくなっ
たりすると、爪先端の高温剛性が小さくなって熱変形を
起こしたり、ローラの外周面を傷つけたりする危険が生
じる。このような欠点を払拭し、長期にわたって適度の
曲率半径(0.01mm〜0.05mm)をもった先端部を得るため
には、3μm以下のセラミックス質繊維、中でも特に3
μm以下の硝子繊維を後記する特定のホイスカーと配合
することで高い高温剛性を維持したままで達成できるこ
とを発見した。なお、分離爪の高温時の剛性および機械
的強度を考慮するならば、セラミックス質繊維の繊維長
は0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上であることが必要
であり、その配合量も10重量%以上が望ましい。しか
し、65重量%を越える多量では成形時の流動性が極端に
悪化するので、好ましくない。
さらに、この発明におけるホイスカーとは、具体的に
はチタン酸カリウムホイスカー、炭化ケイ素ホイスカ
ー、窒化ケイ素ホイスカー等が挙げられ、これらのうち
平均繊維径が0.1〜1.0μm、平均繊維長が5〜200μm
のものである。これらホイスカーを添加し、前記した特
定のセラミックス質繊維と組合わせることによって爪先
端曲率半径が小さ過ぎず、大き過ぎず、バラツキが小さ
くなって、分離爪として確実に複写紙の端をすくい上げ
ることが出来る。平均繊維径が0.1μm未満または平均
繊維長が5μm未満の場合には、補強性がほとんどなく
なるため、高温剛性に悪影響を及ぼし、反対に平均繊維
が1.0μmを越え、または平均繊維長が200μmを越える
ものについては、前述した分離爪先端の曲率半径の小さ
過ぎるものが多くなりバラツキも大きくなる。このよう
な各種ホイスカーの中では、相手ローラの攻撃性の低さ
からチタン酸カリウムホイスカーが好ましい。そしてホ
イスカー類の充填量は10〜40重量%であるが、これは10
重量%未満の少量では、適度の曲率半径の範囲をもった
分離爪先端を得ることが出来ず、40%を越える多量で
は、その分セラミックス質繊維の充填量が押えられるこ
とも手伝って機械的強度、特に衝撃強度が低下するため
である。
なお、ポリフェニレンサルファイド樹脂、セラミック
ス繊維、ホイスカーのそれぞれが、前記の限定された配
合割合を外れない範囲内で、接着性向上剤、チクソトロ
ピー性付与剤を配合することは好ましく、また、その他
各種充填剤を配合してもよい。ここで、接着性向上剤と
は、分離爪のトナーに対する非粘着性を向上させるため
に分離爪成形品上に被覆されるコーティング剤との密着
強度を上げるために添加されるもので、たとえば、エポ
キシ基、カルボキシル基、水酸基、フェノキシ基、メチ
ロール基、アミノ基のうちの少なくとも一つの基を有す
る熱硬化性樹脂が好適であって、具体的にはフェノール
樹脂またはエポキシ樹脂をあげることができる。また、
チクソトロピー性付与剤とし、この発明の組成物が溶融
する際に、低剪断速度において増粘効果をもたらすもの
をさし、具体的にはファインシリカ、微粉タルク、ケイ
ソウ土等が挙げられ、これらを添加することで分離爪の
先端形状が真直度および曲率半径のバラツキがさらに良
好となる。さらに、その他充填剤としては、ポリアミド
イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、芳香族ポリエス
テル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂等の耐熱性高分子材料の粉末、フォラストナイト、ア
スベスト等の短繊維、亜鉛、アルミニウム、マグネシウ
ム等の金属またはその酸化物、グラファイト、カーボ
ン、ガラスビーズ、シリカバルーン、シラスバルーン、
マイカ等の無機質粉末、さらにカーボンブラック、酸化
鉄、酸化チタン等の顔料、熱安定剤等を例示することが
できる。
以上の各原材料の混合手段は、これらを個別に溶融混
合機に供給しても、また、これらを予めヘンシェルミキ
サー、タンブラーミキサー、リボンブレンダーなどの汎
用混合機で乾式混合した後、溶融混合機に供給してもよ
く、その具体的方法は、特に限定されるものでない。
以上の組成物の成形品に、トナーに対する非粘着性ま
たは相手ローラとの摺動特性を増すために、被覆材をコ
ーティングしてもよい。ここで被覆材には、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂もしくはポリイミド樹脂等の耐熱性
のよいバインダー樹脂と、四フッ化エチレン樹脂、四フ
ッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂、もし
くはパーフルオロアルコキシ樹脂等のフッ素樹脂および
その他添加材を極性溶媒に分散させたフッ素含有重合
体、または、フッ素化ポリエーテル重合体などが挙げら
れる。これらの中では、厚み1μm程度の薄膜であるこ
とから、成形により得られた良好な分離爪の曲率半径を
維持し、しかも薄膜にもかかわらず、その被膜が剥離さ
れることなく摺動特性および非粘着性を長期間保持する
ことのできるフッ素化ポリエーテル重合体が好ましい
が、このフッ素化ポリエーテル重合体の分離爪への応用
については既に特開昭60−78699号公報に記載されてい
る。
〔作用〕
平均繊維径が3μm以下のセラミックス質繊維は分離
爪に要求される高温時の剛性および機械的強度を先端部
の曲率半径および平滑さを阻害することなく増強させる
上で効果的であり、さらに平均繊維径が0.1〜1.0μm、
平均繊維長が5〜200μmのホイスカーとの相乗効果
と、マトリックスであるポリフェニレンサルファイド樹
脂として、高溶融粘度のものを選択することによって、
従来技術による分離爪において、滑らかな曲線が得られ
なかったり、時としてシャープなエッジ(バリ)になっ
たり、たとえ金型加工時に良好な曲率半径のものが得ら
れても、長時間使用の過程で樹脂から出る腐食性ガスま
たは配合してある充填剤によって金型についた傷跡など
のために、分離爪の先端形状が悪くなったり、曲率半径
も非常に小さくなってシャープなエッジが出現しやすく
なったりして、長期にわたって適度の曲率半径の維持で
きる成形品が得られなかったという欠点を払拭する作用
を示す。
〔実施例〕
実施例および比較例に使用した原材料を一括して示す
とつぎのとおりであり、〔〕内にそれぞれの略号を示し
た。なお、これら原材料の配合割合はすべて重量%で表
した。
ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS−M〕(米
国フィリップス・ペトローリアム・インターナショナル
社製:ライトンP−4、溶融粘度2000ポイズ)、 ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS−M〕(ト
ープレン社製:TX009、溶融粘度13000ポイズ)、 ガラス繊維〔GF−3〕(旭ファイバーグラス社製:
チョップドストランド、繊維径3μm、繊維長3mm、ア
ミノシランカップリング処理品)、 ガラス繊維〔GF−6〕(同上社製:チョップドスト
ランド、繊維径6μm、繊維長3mm、アミノシランカッ
プリング処理品)、 ガラス繊維〔GF−13〕(同上社製:チョップドスト
ランド、繊維径13μm、繊維長3mm、アミノシランカッ
プリング処理品)、 セラミックファイバー〔CELF〕(イビデン社製:イ
ビウールCP〔繊維径2μm〕)、 チタン酸カリウムホイスカー〔PTW〕(大塚化学社
製:テイスモD101〔繊維径0.1〜0.3μm、繊維長20〜30
μm〕)、 チタン酸カリウム繊維〔PTF〕(久保田鉄工社製:
チタン酸カリウム繊維 タイプA、繊維径10〜30μm、
繊維長80〜350μm)、 炭化ケイ素ホイスカー〔SIC〕(東海カーボン社
製:トーカホイスカー、直径0.1〜1.0μm、長さ50〜20
0μm)、 実施例1〜8: 第1表に示すような配合割合で、予め乾式混合した
後、二軸溶融押出機(池貝鉄工社製:PCM−30)に供給
し、シリンダー温度290℃、スクリュー回転数50rpmの条
件で混練押出しして造粒した。得られたペレットをシリ
ンダー温度315℃、射出圧力80kg/cm2、金型温度130℃の
条件のもとに射出成形し、幅12.7mm、長さ126mm、厚さ
3.2mmの板材、幅4mm、長さ25mm、厚さ1mmの板材、およ
びキャノン社製複写機NP2015型に用いられる分離爪と同
一形状の試験片を得た。これら試験片のうち、分離の良
不良、爪跡の有無、ローラの損傷性等の実用的機能性調
査用に作製した分離爪試験片については、すべて末端に
イソシアネート基をもったフッ素化ポリエーテル重合体
(伊国モンテジソン社製:フォンブリンZ−DISOC200
0)を2.0重量%濃度に溶解したフレオン113溶液中に浸
漬した後、液から取出して約200℃で2時間焼付け処理
を施した。
以上の試験片に対して衝撃強度、曲げ強度、高温時の
剛性(弾性率の保持率)、先端の曲率半径、表面平滑性
および実用的機能性を評価した、これらの評価方法はそ
れぞれつぎのとおりである。
1) 衝撃強度: ASTM−D256に基づいたノッチ付アイゾット衝撃強度。
2) 曲げ強度: ASTM−D790に基づく。
3) 高温時の剛性(弾性率の保持率) 東洋精機製作所製の動的粘弾性測定装置を用いて、幅
4mm、長さ25mm、厚さ1mmの試験片を使って、周波数10Hz
で引張り応力を加え、温度変化に対する引張り弾性率の
変化を25℃および260℃で求めた。
4) 先端の曲率半径: 日本光学社製の投影器V−16Dを使用し、n=10にお
ける測定値の最小および最大の範囲で示した。
5) 表面平滑性: 表面粗さ計(日本真空社製:Dektak II型)を使用し、
分離爪のローラ接触部の表面粗さを測定した。
6) 実用的機能性: 乾式複写機(キャノン社製:NP2015型)を用い、それ
に使用されている分離爪と同一形状の試験片を取付け
て、A4判の複写用紙10万枚を連続通紙した。複写を繰返
えし、紙の分離不良(紙詰り)の起こった時点の複写枚
数、爪跡によるトナー画像汚染発生の有無、相手ローラ
の損傷性、すなわち表面粗さ計にて分離爪摺接部の運転
前後の形状確認を行ない、ローラの摩耗深さが5μm未
満のもの(◎印)、5〜15μmもの(○印)および15μ
mを越えるもの(△印)の3段階に評価した。
以上の諸試験で得られた結果を第1表にまとめて併記
した。
比較例1〜5: 第2表に示すような割合で諸原料を配合した以外は実
施例1と全く同じ操作を行なって円筒状および板状の成
形体とさらに分離爪を作製し、実施例1〜8におけると
同じ諸特性を調べた。得られた結果を第2表にまとめて
併記した。
第1表および第2表からつぎのことが明らかである。
すなわち、実施例1〜8は衝撃強度および曲げ強度が良
く、高温時の引張り弾性率(高温時の剛性)、先端曲率
半径の精度および表面平滑性はいずれも良好な値を示し
ている。これに対して径3μmのガラス繊維を使用して
もホイスカーを併用しない比較例1は、衝撃強度、曲げ
強度、引張弾性率等は実施例と同等の良い値を示しては
いるが、先端曲率半径が小さくなり過ぎていわゆるバリ
を生じ好ましくなかった。また、比較例2はセラミック
ス質繊維を含んでおらず、チタン酸カリウムホイスカー
だけでは繊維長が短か過ぎて補強効果が発揮出来ず、機
械的強度も高温における引張り弾性率も共に悪かった。
繊維径が太いガラス繊維を用いた比較例3および4は、
機械的強度も高温における引張り弾性率等は良好な値で
あるが、6μmのガラス繊維を用いた比較例3は、まだ
先端曲率半径の小さなものが時として出て、いわゆる、
バリを生じ、13μmのガラス繊維を用いた比較例4は、
先端曲率半径のバラツキも大きく、表面平滑性も悪かっ
た。また、同じチタン酸カリウムを用いても、実施例3
が、繊維径、繊維長ともに小さいホイスカーであるのに
対して、ともに大きい繊維を配合してある比較例5は、
先端曲率半径が小さくなり過ぎた。つぎに実用的機能性
については、実施例1〜8はいづれも分離不良を起こす
ことなく、10万枚の複写を完了したが、比較例1〜5は
いづれも途中で紙詰りを起こし、爪跡については比較例
1および4で発見され、相手ローラ損傷性については比
較例1、4および5が良くなかった。
〔効果〕
以上述べたように、この発明のポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂と平均繊維径3μm以下のセラミックス質繊
維と平均繊維径0.1〜1.0μm、平均繊維長5〜200μm
のホイスカーとからなる複写機用分離爪は機械的強度、
高温時の剛性に優れ、分離爪先端曲率半径が小さ過ぎた
り、大き過ぎたりすることによる紙詰りまたは分離方向
不良を起こすことなく、また表面が平滑であるため、分
離紙が引っ掛かることがなく、必要に応じてさらにフッ
素化ポリエーテル重合体等の非粘着性被膜を施すことに
よって、良好な分離爪形状そのままに優れた非粘着性を
実現することが出来る結果、長期連続使用に充分耐えう
るものである。したがって、この発明の意義はきわめて
大きいということが出来る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンサルファイド樹脂25〜80重
    量%と、平均繊維径3μm以下のセラミックス繊維10〜
    65重量%と、さらに平均繊維径0.1〜1.0μm、平均繊維
    長5〜200μmのホイスカー10〜40重量%とからなる樹
    脂組成物の成形品であることを特徴とする複写機用分離
    爪。
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