JP2922552B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents

複写機用分離爪

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複写機用分離爪に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の乾式複写機などの機器においては、文字または
図形等に対応して感光ドラムの表面に形成された静電荷
潜像をトナー像に変換した後、このトナー像を給紙カセ
ットから供給されて来る紙面に転写し、さらに転写され
たトナー像を紙面に定着させるために加熱された定着ロ
ーラによって表面を加熱加圧し、トナー像と紙繊維とを
融着させて両者が容易に離れないようにする機構が組み
込まれている。そして、定着ローラを通過した複写紙が
ローラに巻き付くことなく確実に排出されるために、分
離爪を用いてその先端をローラの外周面に密着させなが
ら複写機の端をすくい上げる方法が採られる。したがっ
て、このような分離爪においては、ローラの外周面に対
して摩擦抵抗が小さく表面を損傷しないこと、充分な機
械的強度特に高温剛性を有し、その先端部形状に充分な
精度が得られること、さらにはトナーを粘着しないこと
などの特性が要求されてきた。
そして、特に近年における需要動向においては、大企
業の事務所から中小企業の事務所、さらには一般家庭へ
と広がっており、小型化、低価格化が切望されている。
定着部の各部品も同様に小型化、低価格化を前述したよ
うな分離爪に不可欠な特性を失うことなく具備するよう
に期待されている。
このような分離爪に不可欠な特性のうち、トナーに対
する非粘着性の改善については数多くの提案がなされて
おり、小型化、低価格化の要求にも対応できるものとし
て、たとえば、フッ素化ポリエーテル重合体の被膜を分
離爪上に形成させる方法(特開昭61-236577号)があ
る。この方法によれば低粘度の液体の中へ浸漬するとい
う安価な方法によって、小型化のために複雑化した形状
となったものでも容易に、しかも薄膜であることから寸
法、形状をくずさないで非粘着性被膜を施すことができ
る。
しかし、高温剛性、相手ロールの損傷性、爪先端部形
状の精度などについては、分離爪材に使用される耐熱性
樹脂または充填剤の種類によって大きく左右される。分
離爪材料としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルサルホン、ポリエーテルイミド、耐熱性芳香族
ポリエステル等が挙げられる。ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリエーテルケトンおよび耐熱性芳香族ポリエ
ステルは、補強剤なしか、または補強剤を併用すること
によって優れた高温剛性を発揮するが、高価であるため
低価格化の要求に応えきれず、また、ポリエーテルサル
ホン、ポリエーテルイミド等の樹脂は、比較的安価であ
るが、ガラス転移点が220℃前後でかつ非晶性であるこ
とから、ガラス転移点以上の温度では軟化し、耐熱性が
低過ぎるため、定着ローラの加熱温度の低い、限定され
た複写機にしか使用できない。これは近年の複写機の高
速化に伴う定着温度の高温化ということからもより一層
限定された用途のみの使用となる。これらに対してポリ
フェニレンサルファイド樹脂は、安価であり、溶融粘度
も低いために小型化による薄肉または複雑化した部位に
も容易に充填出来る特性を備えているため、低価格化、
小型化に対して非常に有利である。また、ガラス転移点
は90℃前後と低いが、結晶性樹脂であるため、ガラス繊
維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維等の耐熱性繊維
類、またはこれら繊維にマイカ、タルク等の無機粉末充
填剤を添加することに基づく補強効果によって、耐熱性
は大幅に向上する。しかし、補強剤の充填量が多い場合
は、相手ロールを傷つけるという問題と、分散不良にな
りがちなため補強剤の爪先端部への充填が不均一にな
り、耐熱性低下または先端部形状が悪くなるという問題
があり、逆に補強剤の充填量が少い場合には、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂の溶融粘度が非常に小さいた
め、分離爪先端の滑らかな曲率半径が得られず、時とし
てシャープなエッジ(バリ)になるという問題がある。
また、補強剤の種類によっても、たとえばチタン酸カリ
ウム繊維などの短繊維を補強剤として使用した分離爪
は、曲げ強度、衝撃強度等の機械的強度において劣り、
高温時には剛性にも劣るという問題があり、ガラス繊維
または炭素繊維では、補強効果に問題がなくとも、分離
爪を成形した時の表面粗さが大きく、先端部の曲率半径
も大きくなり過ぎ、良好な先端形状も得られず、定着紙
を円滑にすくい上げられなくなるばかりか、分離方向が
不良になるという現象も起こすことになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、従来の技術においては、高温剛
性、爪先端の衝撃強度または曲げ強度等の優れた機械的
強度のほかに爪先端部の好ましい曲率半径が容易に得ら
れる成形性、成形品の表面の平滑性等にも優れ、さらに
低価格でかつ小型化の要求に応じられる分離爪は得られ
ていないという問題点があり、これを解決することが課
題であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明はポリフェニ
レンサルファイド樹脂100重量部、平均織維径6μm以
下の耐熱性繊維20〜200重量部および耐熱性ポリエーテ
ルイミド樹脂10〜90重量部とを必須成分とするポリフェ
ニレンサルファイド樹脂組成物を用いた複写機用分離爪
とする手段を採用したものである。
以下その詳細を述べる。
まず、この発明のポリフェニレンサルファイド樹脂は
マトリックス用樹脂として使用されるものであり、低価
格にもかかわらず熱変形温度が260℃以上と優れた耐熱
性を示し、溶融粘度が他のエンジニアリングプラスチッ
クスと呼ばれる樹脂よりも低いため、複雑なまたは薄肉
の部位も容易に成形でき、またフィラー類の充填性が優
れていることから好ましい樹脂である。しかし、複写機
用分離爪として使用されるには、あまりにも溶融粘度が
低くて分離爪先端の滑らかな曲率半径が得られず、時と
してシャープなエッジ(バリ)になったりする。したが
って、溶融粘度が高いもの、具体的には300℃での溶融
粘度が6000ポイズ(オリフィス:直径1mm、長さ2mm、荷
重10kg)以上のものが好ましく、10000ポイズのものが
特に好ましい。そして、溶融粘度の上限は溶融成形が可
能な範囲で特に限定するものではないが、経済的な見地
から、射出成形で多数個取りを可能にするために、5000
0ポイズ以下が好ましい。
ここで、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、たとえ
ば特公昭44-27671号公報および同45-3368号公報に開示
されているようなハロゲン置換芳香族化合物と硫化アル
カリとの反応、特公昭46-27255号公報に開示されている
ような芳香族化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下
における縮合反応、または米国特許第3274165号に開示
されているようなチオフェノール類のアルカリ触媒もし
くは銅塩等の共存下における縮合反応等によって合成さ
れるが、目的に応じて具体的な方法を任意に選択するこ
とが出来る。なお、ポリフェニレンサルファイド樹脂は
上記のような縮合等の反応直後においては白色に近い未
架橋品であって、このままでは低分子量で低粘度である
ことから、押出成形、射出成形などの用途に用いるため
に、空気中において融点以下に加熱し、酸化架橋させ、
または縮合反応の工程で分子量を高め、抽出成形、射出
成形、射出成形等に適する溶媒粘度のものに変化させ
る。このような処理をして溶融成形用に市販されている
ライトンP−4(米国フィリップス・ペトローリアム社
製ポリフェニレンサルファイド樹脂)の溶融粘度は、前
述した条件のもとで、1500〜5000ポイズであるが、1000
0ポイズ以上の溶融粘度のポリフェニレンサルファイド
樹脂を得るには、特に限定するものではないが、たとえ
ば同様の処理を行なえばよく、たとえば前記ライトンP
−4をさらに酸素架橋させてもよい。また、このような
高溶融粘度ポリフェニレンサルファイド樹脂は、トープ
レン社のTX009として市販されている。
つぎに、この発明における耐熱性繊維とは、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂の成形温度(通常280〜350℃)
に耐えることができる織維を意味し、具体的には、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、セラミック繊
維、ロックウール、スラグウール、チタン酸カリウムホ
イスカー、シリコンカーバイドホイスカー、サファイア
ホイスカー、鋼線、銅線、ステンレス鋼線、炭化ケイ素
繊維、芳香族ポリアミド繊維などを例示することができ
る。そして、これら繊維の形体は、分離爪成形品の表面
粗さが小さく滑らかで、しかも分離爪先端の曲率半径の
好適範囲として0.1mm以下、好ましくは0.05mm以下の精
度が必要であることから、繊維径は6μm以下であるこ
とが肝要である。このような繊維を使用すれば成形品の
表面粗さは1〜3μmもしくはそれ以下となり、また分
離爪の曲率半径も0.05mm以下となる。さらに、分離爪の
高温時の剛性および機械的強度を考慮するならば、繊維
長は0.05mm以上、特に0.1mm以上であることが好まし
い。また、相手ローラの攻撃性を考えると硬度の小さい
チタン酸カリウムホイスカー等が好ましいが、これだけ
では高温時の剛性および機械的強度が少し劣るため、前
述した繊維径6μm以下で、繊維長0.1mm以上の繊維
類、たとえば、ガラス繊維などを併用することが好まし
い。そして、これら繊維の配合量は、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂100重量部に対して20〜200重量部であ
る。なぜならば、配合量が下限値よりも少ないときは、
高温時の剛性および機械的強度が保てなくなるためであ
り、上限値を越える多量では成形時の流動性が極端に悪
化するためである。
既に述べたように、ポリフェニレンサルファイド樹脂
と耐熱性繊維、たとえば、ガラス繊維とからなる組成物
を成形した分離爪は、表面粗さが大きく、先端部の曲率
半径も大きくなり過ぎ、一方、チタン酸カリウムホイス
カーのような短繊維で補強した成形品は、高温時の剛性
および機械的強度が劣るが、繊維径が6μm以下のもの
を使用するか、または、繊維長が0.1mm以上のものを単
独で使用するかもしくは併用することによってそれぞれ
対処することが可能である。しかし、分離爪先端部の曲
率半径も小さければそれでよいというものではなく、小
さ過ぎてシャープなエッジ(バリ)になったり、金型加
工時に良好な曲率半径のものが得られても、充填剤等に
よって金型についた傷跡等のために曲率が非常に小さく
なってシャープなエッジが出現しやすくなったりする
と、爪先端の高温剛性が小さくなって熱変形を起こした
り、ローラの外周面を傷つけたりする危険が生じる。
これに対して、ポリフェニレンサルファイド樹脂と耐
熱性繊維との混合物に耐熱性ポリエーテルイミド樹脂を
添加した組成物は、このような欠点を解消し、長期にわ
たって適度の曲率半径(0.01mm〜0.05mm)をもつ分離爪
成形品を得ることができる。ここで、耐熱性ポリエーテ
ルイミド樹脂とは、その構造中にエーテル結合とイミド
結合とをともに有する熱可塑性樹脂の中で、好ましくは
以下のような一般式、すなわち、 (ここで、R1は2価の有機基、R2は少なくとも一つ
のベンゼン環を合む2価の有機基)であらわされる重合
体の中で耐熱性の高いものが使用される。ここでいう耐
熱性とは、複写機の定着ローラ表面温度(170〜250℃)
で充分に耐え得ることが肝要であり、具体的には、示差
走査熱量計(以下DSCと略記する)で測定した吸熱開始
点(以下onsetと略記する)におけるガラス転移点が250
℃以上であることをさす。そして、このような耐熱性ポ
リエーテルイミド樹脂としては、たとえば、米国ゼネラ
ル・エレクトリック社製:ウルテム(ULTEM)IIが市販
されている。なお、このような耐熱性ポリエーテルイミ
ド樹脂の添加量は、ポリフェニレンサルファイド樹脂10
0重量部に対して10〜90重量部とすることが望ましい。
なぜならば10重量部未満の少量では、長期にわたって適
度の曲率半径をもった分離爪成形品を得ることができ
ず、また逆に90重量部を越える多量では、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂との相溶性が悪化して機械的強度の
低下を起こし好ましくないからである。さらに、この発
明の目的を損なわない範囲内で、接着性向上剤、チクソ
トロピー性付与剤を配合することは好ましく、また、そ
の他各種充填剤を配合してもよい。ここで、接着性向上
剤とは、トナーに対する非粘着性を向上させるために分
離爪成形体表面に被覆させるコーティング剤と分離爪成
形体との間の密着強度を上げるために添加されるもの
で、たとえば、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、
フェノキシ基、メチロール基、アミノ基のうちの少なく
とも一つの基を有する熱硬化性樹脂が好適であって、具
体的にはフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を挙げるこ
とができる。また、チクソトロピー性付与剤とは、この
発明の組成物が溶融する際に、低剪断速度において増粘
効果をもたらすものをいい、具体的には微粉末シリカ、
微粉末タルク、珪藻土等が挙げられ、これらを添加する
ことによって分離爪の先端形状の真直度および曲率半径
のバラツキがさらに良好となる。また、これら以外の充
填剤としては、通常の樹脂組成物に添加される酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、着色剤、
難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などのほかに、耐摩耗性
向上剤(たとえば、グラファイト、カーボランダム、珪
石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂など)、耐トラッ
キング性向上剤(たとえば、シリカ、グラファイトな
ど)その他充填剤(たとえば、ガラスビーズ、ガラスバ
ルーン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、珪藻土、
クレー、カオリン、石膏、亜硫酸カリシウム、マイカ、
金属酸化物、無機質顔料など、300℃以上で安定な物
質)などを挙げることができる。
〔作用〕
分離爪の高温時における剛性および機械的強度を増強
させるために添加する耐熱性繊維の平均繊維径を6μm
以下とすることによって、先端部の曲率半径および表面
平滑性への悪影響を防ぎ、さらに耐熱性ポリエーテル樹
脂を添加することによって、従来の技術による分離爪に
おいて、滑らかな曲線が得られなかったり、時としてシ
ャープなエッジ(バリ)になったり、たとえ金型加工時
に良好な曲率半径のものが得られても、長時間使用の過
程で樹脂からでる腐食性ガスまたは配合されている充填
剤などによって金型についた傷跡などのために、分離爪
の先端形状が悪くなったり、曲率半径も非常に小さくな
ってシャープなエッジが出現しやすくなったりして、長
期にわたって適度の曲率半径の維持できる成形品が得ら
れなかったという欠点を払拭し、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂の優れた耐熱性または複雑なもしくは薄肉の
部位にも容易に成形できる優れた成形性を阻害すること
なく、低価格で提供できるものである。
〔実施例〕
実施例および比較例に使用した原材料を一括して示す
とつぎのとおりであり、〔 〕内にそれぞれの略号を
示した。なお、これら原材料の配合はすべて重量部で表
わした。
ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS−1〕 (米国フィリップス・ペトローリアム社製:ライトン
P−4、溶融粘度2000ポイズ)、 ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS−2〕 (呉羽化学工業社製:KPS#214、溶融粘度2000ポイ
ズ)、 ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS−3〕 (トープレン社製:TX009、溶融粘度10000ポイズ)、 耐熱性ポリエーテル樹脂〔PEI-II〕、 (米国ゼネラル・エレクトリック社製:ウルテムII、
ガラス転移点260℃(DSC法、onset))、 ポリエーテルイミド樹脂〔PEI−I〕 (米国ゼネラル・エレクトリック社製:ウルテム100
0、ガラス転移点217℃(DSC法、onset) ポリアミドイミド樹脂〔PAI〕 (米国アミコ社製:トーロン(Torlon)4000T、ガラ
ス転移点260℃(DSC法、onset))、 ガラス繊維〔GF−3〕 (旭ファイバーグラス社製:チョップトストランド、
繊維径3μm、繊維長3mm、アミノシランカップリング
処理品)、 ガラス繊維〔GF−6〕 (旭ファイバーグラス社製:チョップドストランド、
繊維径6μm、繊維長3mm、アミノシランカップリング
処理品)、 ガラス繊維〔GF-13〕 (旭ファイバーグラス社製:チョップドストランド、
繊維径13μm、繊維長3mm、アミノシランカップリング
処理品)、 チタン酸カリウムホイスカー〔PTW〕 (大塚化学社製:ティスモD102、繊維径0.1〜0.3μ
m、繊維長20〜30mm、エポキシシラン処理品)、 炭素繊維〔CF−8〕 (東邦レーヨン社製:ベスファイトHTA、繊維径7.2μ
m、繊維長6m)、 以上の樹脂原料の内、耐熱性ポリエーテル樹脂〔PEI-
II〕およびポリエーテルイミド樹脂〔PEI−I〕につ
いては冷凍粉砕機を用いてペレットを平均粒径50μmに
粉砕して使用した。
実施例1〜8: 第1表に示す配合割合で各原材料を予め乾式混合した
後、二軸溶融押出機(池貝鉄工社製:PCM-30)に供給
し、シリンダー温度290〜320℃、スクリュー回転数50rp
mの条件下で混練押出しして造粒した。得られたペレッ
トをシリンダー温度310〜340℃、射出圧800kg/cm2、金
型温度130℃の条件のもとに射出成形し、幅12.7mm、長
さ126mm、厚さ3.2mmの板材、幅4mm、長さ25mm、厚さ1mm
の板材および冨士ゼロックス社製複写機2700型に用いら
れている分離爪と同一形状の試験片を得た。これらの試
験片のうち、分離の良不良およびローラの損傷性の実用
的機能性調査用に作製した分離爪試験片については、す
べて端末にイソシアネート基をもったフッ素化ポリエー
テル重合体(伊国モンテジソン社製:フォンブリンZ−
DISOC2000)を2.0重量%濃度に溶解したフレオン113溶
液中に浸漬した後、液から取り出して約200℃で2時間
焼付け処理を施した。
以上の試験片に対して曲げ強度、高温時の剛性(弾性
率の保持率)、先端の曲率半径、表面平滑性および実用
的機能性を評価した。これらの評価方法はそれぞれつぎ
のとおりである。
1)曲げ強度 ASTM-D790に基づく。
2)高温時の剛性(弾性率の保持率) 東洋精機製作所製の動的粘弾性測定装置を用いて、幅
4mm、長さ25mm、厚さ1mmの試験片を使って、周波数10Hz
で引張り応力を加え、温度変化に対する引張り弾性率の
変化を25℃および250℃で求めた。
3)先端の曲率半径 日本光学社製の投影器V−16Dを使用し、n=100にお
ける測定値の最小および最大の範囲で示した。だたし5
μmより小さいものは、精度よく測定できないため1μ
mと記した。
4)表面平滑性 表面粗さ計(日本真空社製:DektakII型)を使用し、
分離爪のローラ接触部の表面粗さを測定した。
5)実用的機能 乾式複写機(冨士ゼロックス社製:2700型)を用い、
それに使用されている分離爪と同一形状の試験片を取り
付けて、B4判の複写用紙5万枚を連続通紙した。複写を
繰り返し、紙の分離不良(紙詰り)の起こった時点の複
写枚数および相手ローラの損傷の程度を、表面粗さ計を
用いて、分離爪摺接部の運転前後の形状確認を行ない、
ローラの摩耗深さが5μm未満のもの(◎印)、5〜15
μmのもの(○印)および15μmを越えるもの(△印)
の3段階に評価した。
以上の諸試験で得られた結果を第2表にまとめた。
比較例1〜7: 第3表に示す割合で各原材料を配合した以外は実施例
1と全く同じ操作を行なって試験片を作製し、実施例1
〜8におけると同じ諸特性を調べた。
得られた結果を第4表にまとめた。
第2表および第4表からつぎのことがいえる。すなわ
ち、実施例1〜8は曲げ強度がよく、高温時の引張り弾
性率(高温時の剛性)、先端曲率半径の精度および表面
平滑性はいずれも良好な値を示している。これに対して
繊維径6μmのガラス繊維を使用していても、耐熱性ポ
リエーテルイミド樹脂を併用していない比較例1および
耐熱性ポリエーテルイミド樹脂は使用しても、耐熱性繊
維の平均繊維径が6μmを越えるものを使用した比較例
6または7は、曲げ強度、引張弾性率等は実施例と同等
の良い値を示してはいるが、先端曲率半径が小さくなり
過ぎていわゆるバリを生じ好ましくない。比較例6と7
においてはさらに、太い繊維類の悪影響から曲率半径が
大き過ぎるものもあり好ましくなく、表面平滑性も悪
い。また、比較例2はガラス転移点が250℃以下で217℃
のポリエーテルイミド樹脂を使用したものであるが、高
温での引張り弾性率が極端に悪い。さらにガラス転移点
が250℃以上であっても、耐熱性ポリエーテルイミド以
外の樹脂であるポリアミドイミド樹脂を用いた比較例3
は、曲げ強度、高温時の引張り弾性率の値はそれ程悪く
ないが、バリ発生のものから不充填ぎみのものまで先端
曲率半径のバラツキが大きく、また表面の平滑性も悪
い。これはおそらく母材のポリフェニレンサルファイド
樹脂とポリアミドイミド樹脂との相溶性が非常に悪いた
めだと思われる。また、耐熱性ポリエーテルイミド樹脂
の添加量が多過ぎる比較例4も、比較例3と同様に相溶
性が低下する結果、曲げ強度が小さくなり、先端曲率半
径のバラツキが大きくなって、バリが発生するものから
不充填のものまで生じる。また、耐熱性繊維の添加量が
少な過ぎる比較例5は、補強効果が小さ過ぎるため、曲
げ強度が小さ過ぎ、高温での剛性も小さく、曲率半径に
おいても小さなものがある。
このように比較例1〜7は、曲げ強度、高温時の剛
性、先端曲率半径、表面平滑性などについてすべてを満
足しているものがないことから、実用的機能において
も、分離不良を起こすことなく5万枚の複写を完了した
ものはなく、また比較例2のように分離不良があまりに
も早く起こったために、ローラの損傷性が少ないものは
別として、その他の比較例はすべて相手ローラの損傷性
も良くなかった。
〔効果〕
以上述べたように、この発明のポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂と平均繊維径6μm以下の耐熱性繊維と耐熱
性ポリエーテルイミド樹脂とを必須成分とする材料から
なる複写機用分離爪は、機械的強度、高温時の剛性に優
れ、分離爪先端曲率半径が小さ過ぎたり、大き過ぎたり
することによる紙誌りまたは分離方向不良を起こすこと
なく、また表面が平滑であるため、分離紙が引っ掛かる
ことなく、必要に応じてさらにフッ素化ポリエーテル重
合体等の非粘着性被膜を施すことによって、良好な分離
爪形状そのままに優れた非粘着性を実現することが出来
る結果、長期連続使用に充分耐えうるものである。この
ような特性をポリフェニレンサルファイド樹脂の優れた
成形性をそのままに、低価格で実現するものであるか
ら、この発明の意義はきわめて大きいということが出来
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンサルファイド樹脂100重量
    部、平均繊維径6μm以下の耐熱性繊維20〜200重量部
    および耐熱性ポリエーテルイミド樹脂10〜90重量部を必
    須成分とするポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の
    成形品であることを特徴とする複写機用分離爪。
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