JPH08311338A - 耐熱・潤滑性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱・潤滑性樹脂組成物

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JPH08311338A
JPH08311338A JP11982695A JP11982695A JPH08311338A JP H08311338 A JPH08311338 A JP H08311338A JP 11982695 A JP11982695 A JP 11982695A JP 11982695 A JP11982695 A JP 11982695A JP H08311338 A JPH08311338 A JP H08311338A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱・潤滑性樹脂組成物を、優れた低摩擦特
性、耐摩耗性およびアルミニウム合金等の軟質合金に対
する非攻撃性を具備するものとし、またはこれを用いた
耐熱性滑り軸受とする。 【構成】 ポリフェニレンサルファイド樹脂を主要成分
として、四フッ化エチレン樹脂8〜38容量%、比表面
積が500m2 /g以上の多孔質炭素5〜20容量%お
よび芳香族ポリアミド繊維2〜20容量%を必須成分と
して添加した耐熱・潤滑性樹脂組成物とする。又は、こ
の組成物の成形体からなる耐熱性滑り軸受とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種の摺動部材とし
て用いられる耐熱・潤滑性樹脂組成物及び耐熱性滑り軸
受に関し、特に電子写真装置の加熱定着部の摺動材に適
用できる耐熱・潤滑性樹脂組成物及び耐熱性滑り軸受に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂製の滑り軸受の用途分野
が拡大するにつれて、軸受の使用条件、特に高温雰囲気
下において、良好な摩擦摩耗特性を発揮するような耐熱
性のある合成樹脂製滑り軸受が強く要求されるようにな
ってきた。
【0003】また、軸受の摺動相手材として、アルミニ
ウム合金等が使用された場合、軸受には使用中に比較的
軟質の摺動相手材を傷つけない特性が要求される。
【0004】上記特性の要求される耐熱性の滑り軸受の
具体例としては、複写機やレーザービームプリンタ等の
加熱定着装置用の軸受があり、そのような滑り軸受の一
般的な使用状態を説明すると、以下の通りである。
【0005】すなわち、帯電画像を用いて原画像の情報
を記録物質たる転写材に伝達する機構を有する複写機ま
たはレーザービームプリンタ等は、電子写真装置として
総称されるが、装置内の加熱定着部には、図3に例示す
るように、転写材上にそのトナー像を加熱定着させる加
熱ローラ10と、転写材を加熱ローラ10に押圧して回
転駆動する加圧ローラ11が装着されている。
【0006】前者の加熱ローラ10は、アルミニウム合
金で形成されたものが多く、ヒータ12で約150〜2
30℃の温度に加熱される。後者の加圧ローラ11は、
シリコーンゴム等で被覆された鉄等の金属材からなり、
このものも加熱ローラ10からの伝熱によって約70〜
150℃にまで加熱される。
【0007】また、図4に示すものは、上記の加熱定着
装置とは別の機構を有する加熱定着装置であり、金属製
加熱ローラに代えて、耐熱性合成樹脂フィルムに離型剤
をコーティングした無端環状の定着フィルム15を用
い、この定着フィルム15を介してセラミックヒータ1
6を加圧ローラ11に圧接して熱伝導効率を高めたもの
である。この場合、加圧ローラ11は、セラミックヒー
タ16に極めて接近しているので、前記した金属製加熱
ローラ10を用いた定着装置のものよりいっそう高温に
なる。
【0008】このように高温状態で使用される各ローラ
の端部は、合成樹脂製の滑り軸受13、14(図4の装
置では図3中の番号14に相当する略同形状の軸受)で
支持されるが、その材料としては、耐熱性が良く、機械
的強度の優れた熱可塑性合成樹脂であるポリフェニレン
サルファイド(以下、PPSと略称する)樹脂を適用で
きる。この場合には、PPS樹脂に対して、たとえば黒
鉛、四フッ化エチレン樹脂、金属酸化物、芳香族ポリア
ミド樹脂等の潤滑剤を添加して、自己潤滑性を高めるよ
うにすることが多い。
【0009】しかし、上記した従来のPPS樹脂系の耐
熱・潤滑性組成物は、高温、高負荷条件の下では低摩擦
係数を維持できず、また耐摩耗性を充分に発揮できない
という問題点がある。
【0010】また、PPS樹脂に対して、これより耐熱
性のある合成樹脂粉末および四フッ化エチレン樹脂を添
加した樹脂組成物も開発されており、PPS樹脂に芳香
族ポリエステル樹脂および四フッ化エチレン樹脂を配合
した組成物が、特開昭57−167348号公報や特開
昭63−175065号公報に開示されている。これら
の組成物は、常温付近の比較的低温では良好な耐摩耗性
を示すものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PPS樹脂に
四フッ化エチレン樹脂および芳香族ポリエステル樹脂を
混合した組成物は、高温で摺動する条件で摺動相手材が
アルミニウム合金(通常、Mgを含むAl合金)の場合
に、これを傷つけると共に自らも摩耗するという問題点
がある。
【0012】このような組成物に対して炭素繊維を配合
すると、耐摩耗性は向上するが、軟質のアルミニウム合
金を摺動相手材とするとこれを損傷させ、その損傷にと
もなってさらに摩擦・摩耗特性が悪化する恐れがある。
【0013】また、合成樹脂に四フッ化エチレン樹脂と
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩などを添
加した樹脂組成物が、特開平5−78687号、特開平
5−112723号に開示されているが、これらの樹脂
組成物の耐摩耗性および摺動相手材の損傷性は、前記し
たように高温で軟質のアルミニウム合金を摺動相手材と
する場合において、未だ充分に満足できる結果を得るも
のでなかった。
【0014】また、合成樹脂の摩擦摩耗特性を改良する
ための他の方法として、含油プラスチックとする方法が
ある。含油プラスチックの代表的な組成は、特開昭50
−22042号に記載されているように、合成樹脂に、
比表面積が0.3m2 /g以上で限界吸油量0.2cc
/cc以上の有機・無機粉末、例えばカーボンブラッ
ク、グラファイト、活性炭などのカーボン、その他の保
油性の担体と潤滑油を配合し混和したものである。
【0015】しかし、このような組成物は、以下に列挙
するような含油プラスチックに特有の欠点を有してい
た。すなわち、1)摩擦係数が低い値で安定しない、
2)加熱されると潤滑油が浸み出てしまう、3)成形性
が悪い、4)摺動部材として用いると担体が摺動相手を
削る、5)成形時もしくは混練時に油が分離しやすい、
6)材料物性が低下する、7)摺動相手に油が付着して
塵埃が付着しやすい、8)潤滑油が不足すると異常摩耗
を起こすなどの欠点である。
【0016】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、耐熱・潤滑性樹脂組成物を、従来のPPS
系樹脂組成物よりもいっそう優れた低摩擦特性、耐摩耗
性およびアルミニウム合金等の軟質合金に対する非攻撃
性を具備する高性能の組成物とし、さらにこれを用いた
耐熱性滑り軸受を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ポリフェニレンサルファイド
樹脂を主要成分として、四フッ化エチレン樹脂8〜38
容量%、比表面積が500m2 /g以上の多孔質炭素5
〜20容量%および芳香族ポリアミド繊維2〜20容量
%を必須成分として添加してなる耐熱・潤滑性樹脂組成
物としたのである。
【0018】または、上記の耐熱・潤滑性樹脂組成物を
成形してなる耐熱性滑り軸受としたのである。
【0019】
【作用】この発明の耐熱・潤滑性樹脂組成物は、耐熱性
に優れたPPS樹脂を主要成分とし、摺動性に優れた四
フッ化エチレン樹脂および所定の比表面積の多孔質炭素
をそれぞれ所定量配合することによって、所要の耐熱性
を有すると共に良好な潤滑性を示す転移膜を相手材上に
形成し、軟質のアルミニウム合金であってもその表面を
傷つけることなく、良好な潤滑特性を示す。
【0020】また、配合された所定の比表面積の多孔質
炭素は、樹脂成分中に均一に分散して摺動面にも均一に
露出し、摺動相手材に接した状態で摺動面の荷重を支え
るので、樹脂の耐摩耗性が改善される。また、炭素は前
記したように所定の多孔質であるので、せん断強度が低
く、摺動する際の摩擦も小さい。
【0021】
【実施例】この発明に用いるPPS樹脂としては、下記
の一般式化1で示されるような種々の繰り返し単位から
なる合成樹脂が挙げられる。
【0022】
【化1】
【0023】これらのうち、特に典型的なものは下記の
化2で示されるものであり、米国フィリップス・ペトロ
ーリアム社から「ライトン」の商標で市販され、その製
造方法は米国特許第3,354,129号(対応特許特
公昭45−3368号)に開示されている。
【0024】
【化2】
【0025】ライトンはN−メチルピロリドン溶媒中、
160〜250℃、加圧条件下にp−ジクロルベンゼン
と二硫化ソーダとを反応させることによって製造され
る。この場合、樹脂中に交差結合が全くないものから部
分的交差結合を有するものに至るまで各種重合度のもの
を後熱処理工程にかけて自由に製造することができるの
で、目的の溶融ブレンドに適正な溶融粘度特性を有する
ものを任意に選択使用することが可能である。また、上
記したライトン以外のPPS樹脂であって架橋構造をと
らない直鎖状PPS樹脂を採用してもよい。
【0026】次に、この発明に用いる四フッ化エチレン
樹脂(以下、PTFEと略記する。)としては、四フッ
化エチレン重合体であれば、特に限定することなく採用
できる。PTFEは、これが成形用の粉末であっても、
また、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末であってもよく、
市販品としては三井・デュポンフロロケミカル社製:テ
フロン7J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG1
63、ダイキン工業社製:ポリフロンM15、ルブロン
L5、ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205などを
採用することができる。また、アルキルビニルエーテル
で変性されたPTFEを使用することもできる。
【0027】この発明において、PTFEの量を8〜3
8容量%に限定する理由は、8容量%より少ないと潤滑
特性が悪く、38容量%を越えると著しく成形性が損な
われるからであり、このような傾向からみて、より好ま
しい配合割合は、10〜35容量%である。
【0028】この発明に用いる比表面積が、500m2
/g以上の多孔質炭素は、いわゆる活性炭と称される炭
素材料であって、粉末状や繊維状のものを使用できる。
【0029】粉末状の活性炭は、木材、パルプなどの植
物系原料や、石炭、コークスなどの鉱物系原料を用い
て、周知の薬品賦活法や水蒸気賦活法によって製造され
たものであってよく、これを賦活後、粉砕することによ
り、所望の粒径に形成できる。
【0030】繊維状の多孔質炭素としては、ピッチ系ま
たはパン系の炭素繊維を1000℃で焼成し、比表面積
1m2 /gの炭化品として、これを不活性ガス雰囲気中
で酸化処理してその表面を酸化し、活性炭のように活性
化(多孔質化)したものがある。
【0031】これらの多孔質炭素の比表面積が、500
2 /g未満では、これを添加した樹脂組成物に優れた
摩擦摩耗特性が備わらない。また、繊維状の多孔質炭素
は、樹脂組成物中において、摺接した軟質金属を攻撃し
易いので好ましくない。このような傾向を考慮すると、
多孔質炭素のより好ましい比表面積は、700m2 /g
以上である。
【0032】なお、粉末状の多孔質炭素の粒径は、組成
物中に均一に分散させて均質な物性の組成物をえるため
に、0.1〜800μmの範囲のものを採用することが
好ましい。また、0.1μm未満の小径粉体を得ること
は、技術面、コスト面からも困難であり、800μmを
越える大径粉体では、組成物の摩擦摩耗特性が安定性を
失って好ましくない。このような傾向から、多孔質炭素
のより好ましい粒径は、0.5〜200μmであり、ま
た、繊維状の多孔質炭素についても、上記同じ理由によ
り、平均繊維長が800μm以下のものを採用すること
が好ましい。
【0033】この発明において多孔質炭素の量を5〜2
0容量%に限定する理由は、5容量%未満の少量では組
成物の潤滑特性が悪く、20容量%を越えると溶融粘度
が高くなって成形性が悪化したり、所期の目的と反対に
耐摩耗性が悪化して好ましくないからである。
【0034】この発明に用いる芳香族ポリアミド繊維
は、メタ系、パラ系いずれであっても良く、市販品とし
ては、デュポン・東レ・ケブラー社製:ケブラー、ノー
メックス、日本アラミド社製:トワロン、帝人社製:テ
クノーラ、コーネックスなどが挙げられる。
【0035】また、この発明に用いる芳香族ポリアミド
繊維は、繊維長0.15〜3mm、アスペクト比10〜
230のものを採用して好ましい結果を得ている。芳香
族ポリアミド繊維が前記した所定範囲未満の繊維長で
は、耐摩耗性が不充分であって好ましくなく、上記範囲
を越える繊維長では組成物中に分散不良となって好まし
くない。また、上記範囲未満のアスペクト比では、粉末
形状に近くなって耐摩耗性改善効果が不充分となり、上
記範囲を越えるアスぺクト比では組成物中の均一分散が
困難となって好ましくない。
【0036】この発明に用いる芳香族ポリアミド繊維の
配合割合を2〜20容量%に限定する理由は、この2容
量%未満では組成物の耐摩耗性を改善できず、かつ組成
物の潤滑性が悪く、20容量%を越えると組成物の耐摩
耗性が初期の目的とは逆に悪化するからである。
【0037】ここで、PPS樹脂に対して各種の添加物
を添加混合する方法は特に限定するものではなく、広く
用いられている通常の方法、たとえば主成分となる樹
脂、その他の諸原料をそれぞれ個別に、または配合後に
ヘンシェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー
等の混合機によって適宜乾式混合した後、溶融混合性の
よい射出成形機もしくは溶融押出成形機に供給するか、
又は予め熱ロール、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融
押出機などで溶融混合するなどの方法を利用すればよ
い。
【0038】さらに、この発明の組成物を成形するに
は、特に成形方法を限定するものではなく、圧縮成形、
押出成形、射出成形等の通常の方法、または組成物を溶
融混合した後、これをジェットミル、冷凍粉砕機等によ
って粉砕し、所望の粒径に分級するか、または分級しな
いままで、得られた粉末を用いた流動浸漬塗装、静電粉
体塗装などを行なうことも可能である。
【0039】また、得られた粉末を溶剤に分散させて、
スプレー塗装または浸漬塗装を行なうことも可能であ
る。
【0040】なお、この発明においてはPPS樹脂を主
要成分とする潤滑性組成物に、各種の添加剤を配合する
こともできる。例えば、組成物の潤滑性をさらに改良す
るために、耐摩耗性の改良剤を配合してもよい。耐摩耗
性改良剤の具体例としては、グラファイト、マイカ、タ
ルク、ウォラストナイト、金属酸化物の粉末、硫酸カル
シウムなどのウィスカ、二硫化モリブデン、芳香族ポリ
エステル樹脂、リン酸塩、炭酸塩、ステアリン酸塩、溶
融フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレンなどを例示する
ことができる。
【0041】上記した材料から成形されるこの発明にお
ける耐熱性滑り軸受は、その形状を限定するものでな
く、加熱・加圧ローラの形状や、周辺装置、ハウジング
に合わせた形態を採用すればよい。例えば、図1に示す
ように、軸受は、単独材料で成形するのみならず、二色
成形の手法を採用して軸受部1と固定用金属部2とから
なる複合材としてもよい。
【0042】また、図2に示すように、この発明の耐熱
性滑り軸受は、軸受部3と、PPS、ポリアミドイミド
(PAI)、ポリイミド(PI)等の耐熱性及び断熱性
に優れた合成樹脂、またはこれらに無機充填剤もしくは
有機充填剤等を添加した樹脂部4とからなるように二色
成形された軸受であってもよい。
【0043】このような軸受は、成形時のひずみを除い
て高温使用時の寸法安定性を確保するために、100〜
250℃で0.5〜24時間程度のアニール熱処理をし
ておくことが望ましい。
【0044】この発明の実施例および比較例に用いた諸
原材料を一括して示すと次の通りである。なお、括弧内
に示した番号は以下の表中の原材料の番号に一致し、表
中の成分の配合割合は、全て容量%である。
【0045】(1)PPS樹脂(東ソーサスティール社
製:PPS#160)、(2)PPS樹脂(クレハ化学
社製 KPS−W205) 、(3)四フッ化エチレン樹
脂A(三井デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7
J、成形用) (4)四フッ化エチレン樹脂B(喜多村社製:KTL6
10、潤滑用) (5)活性炭粉末(和光純薬社製:試薬、比表面積10
20m2 /g、平均粒径約20μm) (6)活性炭繊維(大阪ガスケミカル社製:ADOL
−A10、比表面積1000m2 /g、繊維径15μ
m、繊維長50〜750μm) (7)活性炭繊維(大阪ガスケミカル社製:ADOL
−A7、比表面積700m2 /g、繊維径15μm、繊
維長50〜750μm) (8)カーボンブラック(電気化学工業社製:デンカブ
ラック、比表面積65m2 /g、平均粒径40μm) (9)炭素繊維(東レ社製:トレカMLD30、比表面
積1m2 /g、繊維径7.5μm、繊維長8〜800μ
m) (10)パラ系芳香族ポリアミド繊維(日本アラミド社
製:トワロン 1010カットファイバー繊維長0.2
5mm) (11)メタ系芳香族ポリアミド繊維(帝人社製:コー
ネックスカットファイバー 2de、繊維長1mm) (12)グラファイト(ロンザ社製:KS−6) 〔実施例1〜4〕表1に示す割合(容量%)で諸原材料
をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸溶融押出機に
供給し、シリンダー温度:300℃、回転数:100r
pmの溶融混合条件で押出して造粒し、得られたペレッ
トを樹脂温度310℃、射出圧力800kgf/c
2 、金型温度140℃の射出成形条件下で外径28m
m、内径20mm、幅5mmのリング状試験片を成形し
た。この試験片を用いて以下に示す高温ラジアル摩擦摩
耗試験を行なった。
【0046】[高温ラジアル摩擦摩耗試験]アルミニウ
ム合金A5056(表面粗さ3.2S)製の回転軸を相
手材とし、この相手材の外周にリング状試験片を嵌め、
これを相手材周面に対して3.5kgf/cm2 の圧力
で押圧し、前記回転軸は表面温度を200℃に制御する
と共に、これにトルクメータを取り付けて、周速2.8
m/分で50時間連続回転させた。この後、試験片の摩
耗量としての摩耗係数×10-10 cm 3/(kgf・
m)と、回転軸のトルク(kgf・cm)を測定し、か
つ摺動相手材であるアルミニウム合金表面の損傷度を観
察した。損傷度の評価については、損傷しない(○
印)、やや損傷する(△印)または損傷する(×印)の
三段階評価で表わし、結果は表2にまとめて示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】[比較例1〜6]表1に示した割合で原材
料を配合したこと以外は、実施例と全く同様にして試験
片を作り、前記した高温ラジアル摩擦摩耗試験を行な
い、摩耗係数、回転軸のトルク、摺動相手材の損傷度を
求めて結果を表2に併記した。
【0050】表2に示す結果から明らかなように、比較
例1〜6は、摩耗量が多く、また比較例1、2では回転
トルクが大きかった。また、比較例2、3および6で
は、摺動相手材を損傷した。
【0051】また、実施例で用いた活性炭粉末や繊維と
ほぼ同形同寸法の非多孔質の炭素粉や炭素繊維をそれぞ
れ15容量%添加した比較例1、2は、いずれも同じ割
合で多孔質炭素を添加した実施例1、2に比べて摩耗量
が5〜7倍であり、耐摩耗性が著しく劣っていることが
わかる。また、比較例2では、摺動相手材の損傷が著し
く大きかった。
【0052】これに対して、全ての条件を満足する実施
例1〜4は、摩耗量、回転トルクともに低く、しかも摺
動相手材のアルミニウム合金(A5056)を損傷しな
かった。
【0053】なお、実施例4の体積抵抗値を測定したと
ころ、7×106 Ωcmであり半導電性を示した。
【0054】
【効果】この発明の耐熱・潤滑性樹脂組成物は、以上説
明したように、ポリフェニレンサルファイド樹脂を主要
成分として、四フッ化エチレン樹脂と、多孔質炭素と、
芳香族ポリアミド繊維を所定量添加した組成物としたの
で、従来のPPS系樹脂組成物よりもいっそう優れた低
摩擦特性、耐摩耗性およびアルミニウム合金等の軟質合
金に対する非攻撃性を具備し、より良好な結果が得られ
る高性能の組成物となり、又は同様の好ましい物性を備
えた耐熱性滑り軸受となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す斜視図
【図2】他の実施例を示す斜視図
【図3】加熱・定着装置における軸受の使用状態を説明
する断面図
【図4】他の加熱・定着装置における軸受の使用状態を
説明する断面図
【符号の説明】
1、3 軸受部 2 固定用金属部 4 樹脂部 10 加熱ローラ 11 加圧ローラ 12 ヒータ 13、14 合成樹脂製のラジアル軸受 15 定着フィルム 16 セラミックヒータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 33/20 7123−3J F16C 33/20 //(C08L 81/02 27:18)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド樹脂を主要
    成分として、四フッ化エチレン樹脂8〜38容量%、比
    表面積が500m2 /g以上の多孔質炭素5〜20容量
    %および芳香族ポリアミド繊維2〜20容量%を必須成
    分として添加してなる耐熱・潤滑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐熱・潤滑性樹脂組成物
    を成形してなる耐熱性滑り軸受。
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