JP2757128B2 - 浸漬塗工方法 - Google Patents

浸漬塗工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、複写機等に使
用される帯電ローラー、現像ローラー等の製造過程で、
弾性体であるローラー本体の表面に導電性塗料による塗
工膜を形成するのに好適な、浸漬塗工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の複写機、プリン
タ、ファックス等が普及している。これらは小型化の要
請が強いことから、一成分非磁性現像方式が一般的に採
用され、該方式に必要な現像ローラーの需要が増えてい
る。また、環境汚染の問題からオゾン発生の少ない帯電
ローラーも使用されつつある。これらのローラーはいず
れも、適度の硬度と導電性と共に、出力画像に悪影響を
及ぼすようなローラー表面の欠陥がない均一性が要求さ
れる。
【0003】上記ローラーは、図3に示すように芯金1
1を有し、ゴム又はウレタン等からなるローラー本体1
0の表面に、ゴム・ウレタン等を膨潤させる溶剤を含む
導電性塗料による塗工膜12を、均一にかつ薄く形成し
ている。
【0004】従来、上述のようにローラー本体10の表
面に導電性塗料の塗工膜12を形成するには、以下に示
す方法がある(図4参照)。
【0005】(1)図4(a)に示すように、ローラー本体
10を垂直にし昇降させる。これにより塗液13中にロ
ーラー本体10を浸漬し、その後ローラー本体10を一
定の速度で引き上げ、乾燥させてローラー本体10の表
面に塗工膜12(図3参照)を形成する、いわゆる浸漬
塗工がある。本例の先行技術として特開昭57−504
8号がある。
【0006】(2)図4(b)に示すように、ローラー本体
10を水平にし、芯金11を中心に回転させながら昇降
させる。これによりローラー本体10が、芯金11を中
心に回転しながら塗液13に横向きに浸され、ローラー
本体10の表面に塗工膜12(図3参照)を形成する方
法がある。本例の先行技術として特開平5−35140
号がある。
【0007】(3)図4(c)に示すように、芯金11を中
心に回転しているローラー本体10の表面に塗液13を
噴霧し、表面に塗工膜12(図3参照)を形成する方法
がある。本例の先行技術として特開昭60−48333
号がある。
【0008】(4)図4(d)に示すように、ローラー本体
10を芯金11を中心に回転させつつ、表面に塗液13
が供給されるペイントロール(ハケ)14を接触させ、
さらにローラー本体10をその軸長方向に移動させる。
これによりローラー本体10の表面に塗工膜12(図3
参照)を形成する方法がある。本例の先行技術として特
開平2−284675号がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上で紹介したローラ
ー本体の表面に導電性塗料の塗工膜を形成する従来の方
法には、次に示すような不都合がある。
【0010】(1)前記従来の技術の(1)に示す方法
(図4(a)参照)では、a)ローラーの円周方向の膜厚精
度が高い b)塗工によるムラ等のローラー表面の凹凸が
生じ難い c)塗液の粘度の調整、異物の除去等の塗液の
管理を行い易い d)装置の構造が簡単で操作が容易であ
る等の利点があるが、ローラー本体を浸漬する時上にな
る部分の外径より、下になる部分外径の方が塗工後大き
くなる。かかる差を修正するためにローラー本体の上下
を反転させて、さらにもう一度浸漬塗工を行う必要があ
る。また、この方法では、塗布の必要のない芯金まで塗
液が塗布される不都合があるので、芯金にキャップを嵌
めて芯金部をマスクし浸漬塗工を行う必要がある。従っ
て上述のようにローラー本体を反転させて二度浸漬させ
る場合、前記キャップを嵌めたり外したりすることが必
要となり、作業が面倒で自動化等による作業の能率化を
図ることが難しくなる。
【0011】(2)前記従来の技術の(2)に示す方法
(図4(b)参照)では、塗工終了時ローラー本体が液面
から離れる部分に線状のムラが生じ、均一な塗工膜を形
成することが困難となる。
【0012】(3)前記従来の技術の(3)に示す方法
(図4(c)参照)では、粘度の高い塗液を均一に噴霧す
ることが困難であり、このため均一に塗工膜を形成する
ことが難しくなる。
【0013】(4)前記従来の技術の(4)に示す方法
(図4(d)参照)では、ローラー本体とペイントロール
との接触により螺旋状のムラが生じ、均一な塗工膜を形
成することが困難となる。また、当該装置が複雑で制御
が難しく、さらにペイントロール上の塗液の粘度の制御
が困難であること、塗液の凝集塊等の異物が付着するこ
と等の問題がある。
【0014】上述の(1)に記載する不都合は、ローラ
ー表面に塗工膜を形成する場合には限らず、広く塗液中
に被塗工物を浸漬塗工する場合に共通する。
【0015】本発明は上述の従来の不都合を解決するた
めになされたもので、ゴム又はウレタン等を膨潤させる
溶剤を含む導電性塗料を、ゴム又はウレタン等により形
成されたローラー本体の表面に塗布する際、従来の方法
に比べて簡易かつ精度よく塗工できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の浸漬塗工方法は、粘度を調整した塗液中
に、その塗液により膨潤するゴム又はウレタンにより形
成されたローラー本体を有する被塗工物を長さ方向を鉛
直にして完全に浸漬し、塗液中で所定時間停止させたの
ち、その後被塗工物を所定速度で引き上げることにより
前記ローラー本体の表面に塗工膜を形成する浸漬塗工に
おいて、前記ローラー本体の浸漬時に下になる部分の浸
漬時間が、上になる部分の浸漬時間の5倍以下となるよ
うに、前記被塗工物の降下速度、塗液中での停止時間及
び塗工物の引き上げ速度を設定するものである。
【0017】請求項2記載のように、前記ローラー本体
の形成に使用するウレタンが注型ポリウレタンからな
り、導電性を付与した熱可塑性ウレタン樹脂を、テトラ
ヒドロフラン:メチルエチルケトン=60:40〜7
0:30の重量比からなる希釈液にて希釈した塗液によ
る前記注型ポリウレタンの膨潤度を5〜15にすること
が好ましい。
【0018】
【0019】
【作用】上記の構成を有する本発明の浸漬塗工方法によ
れば、下記の作用がある。
【0020】(1)まず従来浸漬塗工において、被塗工
物のうち浸漬時上になる部分の塗工により拡大される量
より、下になる部分の塗工により拡大される量の方が大
きくなるのは、塗液が垂れ下がり塗工膜の厚さに差が生
じるためではなく、塗液に含まれる溶剤により被塗工物
が膨潤するためである。つまり、浸漬時下になる部分
は、上になる部分よりも先に塗液に入り、後から出るた
め、塗液中に浸漬される時間が長く、膨潤により被塗工
物の外形がより拡大され、結果として塗布後の外形の拡
大される量が大きくなることによる。
【0021】本発明の浸漬塗工方法によれば、被塗工物
のうち浸漬時上になる部分と下になる部分とで浸漬時間
の差が少なく、このため被塗工物のうち浸漬時上になる
部分と下になる部分とで膨潤による外形の拡大差が少な
くなる。従って、浸漬時上になる部分と下になる部分と
の塗布後外形が拡大される量の差が少なくなるため、従
来の浸漬塗工のように上下を反転し二度浸漬させる必要
はなく、一度の浸漬により均一な塗工が可能となる。
【0022】(2)ゴム又はウレタンにより形成された
ローラー本体の表面に、導電性のコーティング液を塗布
する場合、該コーティング液に含まれる溶剤によりロー
ラー本体の表面が膨潤する。また前記ローラーは、電子
写真方式のプリンタ等に使用され高い表面精度が要請さ
れる。かかる観点から請求項3記載の浸漬塗工方法が有
効に機能する。つまり、ローラー本体の両端がコーティ
ング液に浸漬される時間の差が少なく、ローラー本体両
端の膨潤による外径の増加量が近くなるため、ローラー
本体両端の塗布後の外径差が少なくなる。従って、従来
の浸漬塗工のようにローラー本体の上下を反転し二度浸
漬させる必要はなく、一度の浸漬によりコーティング液
の均一な塗工膜を簡易に形成することが可能となり、上
述のようなローラー表面の高精度の要請に簡易に答える
ことができる
【0023】(3)請求項2記載の浸漬塗工方法によれ
ば、ローラー本体の上下での膨潤による拡大差が小さく
上述の作用が有効に発揮され、一度の浸漬により均一な
塗工が可能となる
【0024】
【実施例】以下、本発明の浸漬塗工方法を具体化した一
実施例を、その装置の実施例とともに図面を参照して説
明する。
【0025】図1は、本発明の浸漬塗工方法を実施する
ための浸漬塗工装置を示す概略図である。当該装置は、
ローラー本体1の表面に樹脂等のコーティングを形成す
る従来の浸漬塗工に使用する装置と同様に、リザーブタ
ンク4と塗工槽3の間で、コーティング液(塗液)2を
循環ポンプ7により循環させながら塗工作業を行う。ま
たコーティング液2から異物を取り除いて塗工槽3へ循
環させるためフィルター8を通している。上記塗工槽3
にローラー本体1を昇降機5で軸長方向に昇降させて浸
漬塗工を行う。
【0026】なお、実際の装置には、リザーブタンク4
内のコーティング液2を図示していない粘度コントロー
ラーと接続し、また撹拌槽6でコーティング液2を均一
に撹拌し一定粘度にコントロールしている。
【0027】本発明の浸漬塗工方法においては、昇降機
5によりローラー本体1をコーティング液2に浸漬した
後、すぐにローラー本体1を引き上げず、所定の時間が
経過した後、所定の速度で引き上げることとする。これ
により浸漬時ローラー本体1のうち上になる部分と下に
なる部分とで浸漬時間が近しくなり、膨潤によるローラ
ー本体1の両端の外径差が減少することとなる。
【0028】本実施例に係る浸漬塗工方法(図1参照)
により以下に示す実験を行った。
【0029】ここで塗工の対象であるローラー本体1
は、図2に示すようにウレタンにより成形された円柱形
で、中心軸に芯金9を有している。本実験ではローラー
本体1の長さ(L)を300mm、直径(φ)を12mmと
する。また浸漬時上になる部分についての外径測定点
(A)を、ローラー本体の一の端点からの距離(La)
が10mmの部分とし、浸漬時下になる部分についての外
径測定点(B)を、ローラー本体の他の端点からの距離
(Lb)が10mmの部分とする。お、本実験で使用し
たウレタンは、一般に注型ポリウレタン(CPU、熱硬
化性ポリウレタン)と言われるものであり、ポリオール
(アジペート系、日本ポリウレタン工業(株)製のダン
ゾール1076(C))とジイソシアネート(TDI
系、日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートT−8
0)とを、必要に応じ架橋剤を添加し反応させ、注型成
形した物である。上記ダンゾール1076(C)には、
カーボンブラックが0.5%程度含有している。本実験
に使用したウレタン以外の、例えばMDI系、NDI
系、TODI系等のジイソシアネートと、P−CL系、
PTMG系、PPG系等のポリオールとを反応させたウ
レタンも使用可能である。
【0030】コーティング液2は、導電性を付与した熱
可塑性ウレタン樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)、
MEK(メチルエチルケトン)により希釈し所定の粘度
に調整した。本実験において、THFとMEKの重量比
は、60対40から70対30である。また前記ローラ
ー本体1に使用するウレタンの前記コーティング液2に
よる膨潤度は、5〜15である。ここで膨潤度qは以下
に示す式で現される。 q=1+[(W−W′)×d′]/(W′×d) 注)W ;膨潤平衡時のウレタンの重量(g) W′;減圧乾燥後のウレタンの重量(g) d ;25℃におけるDMAの密度、0.9366(g
/cm)ここでDMAとは、ジメチルアセトアミドの
略である。
【0031】d′;25℃におけるウレタンの密度(g
/cm) なお、本実験に使用した溶剤以外の、例えばジオキサ
ン、ジメチルホルムアミド、トルエン、クロロホルム、
キシレン、ジエチルエーテル等の溶剤も使用可能であ
る。
【0032】以下にこの実験の手順を説明する。 a)塗工前にローラー本体1のA、B部分(図2参照)の
外径を、測定精度0.0001mmのレーザー外径測定機により
測定した。 b)前記ローラー本体1を諸条件で浸漬塗工後、ギヤオー
ブンにより120℃下で60分間加熱乾燥し、60分間
室温で冷却した。 c)その後、A,B部分の外径を前記a)と同様に測定し
た。 d)A、B部分のそれぞれについて、塗工後の外径(前記
c)の数値)から塗工前の外径(前記a)の数値)を引き、
外径増加量を求めた。 e)前記B部分の外径増加量から前記A部分の外径増加量
を引き外径増加量差、つまりローラーの外径の上下差を
求めた。
【0033】以上の実験の結果を下記の表に示す。
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────────── 粘度(m・Pa・s) 30 50 75 100 30 30 30 100 Sd(m/min) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.8 1.8 2.5 2.5 ST(sec) 0 0 0 0 10 20 25 25 Su(m/min) 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 1.2 1.2 1.2 TA(sec) 2 2 2 2 12 21 26 26 TB(sec) 61 61 61 61 63 44 47 47 TB/TA 29 29 29 29 5.3 2.1 1.8 1.8 La(mm) 0.012 0.014 0.016 0.033 0.020 0.019 0.025 0.070 Lb(mm) 0.064 0.072 0.084 0.100 0.058 0.031 0.035 0.082 Lb-La(mm)0.052 0.058 0.060 0.067 0.038 0.012 0.010 0.012 ──────────────────────────────────── 注1)Sd;ローラーを液に浸ける速度、ST;液中でローラーを停止する時間、 Su;ローラーを引き上げる速度、TA;A部分の浸漬時間、TB;B部分 の浸漬時間、TB/TA;TBのTAに対する比、La;A部分の外径増加 量、Lb;B部分の外径増加量、Lb-La;A部分とB部分の外径増加量差 注2)ローラーの外径の誤差は規格により0.03mm 以下である。
【0034】以上の結果から以下に示す結論が得られ
る。
【0035】(1)実施例1〜4は、従来の浸漬塗工、
つまりコーティング液2中でローラー本体1を停止する
時間がない場合である。この場合B部分の浸漬時間がA
部分の浸漬時間に比べ29倍と著しく長く、その結果外
径増加量差は0.05〜0.07mmと大きくなる。従っ
て、このままではローラーとして使用できず、外形増加
量差を0.03mm以下にするため、ローラー本体1の上
下を逆にして、さらにもう一度浸漬塗工を行う必要があ
る。また、この外径増加量差はコーティング液2の粘度
が高くなるほど大きくなる。
【0036】(2)実施例5〜8は、本発明に係る実施
例である。この場合B部分の浸漬時間のA部分の浸漬時
間に対する比を小さくすることができ、その結果外径増
加量差は0.01〜0.04mmと小さくなる。実施例6
〜8の外径増加量差は0.03mm以下であり、ローラー
としての要件を満たすこととなる。しかもこの外径増加
量差の減少は、実施例5〜7と実施例8を比較して明ら
かなように、コーティング液2の粘度にあまり影響を受
けることはない。
【0037】本実施例のように膨潤度が5〜15の場
合、B部分の浸漬時間のA部分の浸漬時間に対する比
が、5以下、好ましくは2以下になるように、ローラー
本体1をコーティング液2に浸け込む速度(Sd)と引
き上げる速度(Su)を障害のない範囲で速く、かつロ
ーラー本体1をコーティング液2に完全に浸漬した後所
定の時間停止することにより、浸漬時上部となる部分
(A部分)と下部となる部分(B部分)との浸漬時間の
差を小さくし、その結果塗工後のローラー本体1の外径
差を小さくすることができる。つまり一回の浸漬塗工で
均一な塗工膜を形成することができる。
【0038】但し、本実施例の場合ローラー本体1のコ
ーティング液2中での停止時間は、60秒以下(この値
はコーティング液に含まれる溶剤により変化する)とす
る。60秒以上浸漬すると膨潤、凝集等により表面形状
が変化してしまうことからである。また、ローラーの引
き上げ速度(Su)は、粘度が50m・Pa・s以内の場合5
m/min以下、粘度が50〜100m・Pa・sの場合3m/min以
下とする。あまり速くすると液ダレが生じてしまうこと
からである。
【0039】(3)外径増加量の値は、実施例7、8か
ら分かるようにコーティング液2の粘度により制御でき
る。また、浸漬塗工の回数によっても制御できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の浸漬塗工方法によれば、次のような効果があ
る。
【0041】(1)浸漬塗工において、浸漬時上になる
部分の塗工により拡大される量より、下になる部分の塗
工により拡大される量の方が大きくなるのは、塗液が垂
れ下がり塗工膜の厚さに差が生じるためではなく、塗液
に含まれる溶剤により被塗工物が膨潤するためである点
に鑑み、本発明の浸漬塗工方法では、被塗工物のうち浸
漬時上になる部分と下になる部分とで浸漬時間の差を少
なくしている。このため膨潤による外形の拡大差が少な
く、結果として塗布後の外形の拡大差が少なくなり、従
来の浸漬塗工のように上下を反転し二度浸漬させなくて
も、一度の浸漬により均一な塗工が可能となる。
【0042】(2)ゴム又はウレタンからなるローラー
本体の表面に、コーティング液により塗工膜を形成する
場合、コーティング液に含まれる溶剤によりローラー本
体が膨潤すること、またローラーの表面は高精度の均一
性が要求されること等の理由から、本発明の浸漬塗工方
法の適応は有効である。つまり、請求項3記載の浸漬塗
工方法によれば、a)円周方向の膜厚の精度が高い、
b)塗工ムラ等によるローラー表面の凹凸が発生し難
い、c)コーティング液について粘度の調整、異物の除
去等の管理が容易に行える、d)比較的装置の構造が簡
単で、製造、取り扱い、整備などが容易である等の従来
の浸漬塗工と同様の利点を享受でき、さらに上述のよう
にローラー本体の上下での膨潤による外径の拡大差が少
なく、塗布後の外径差も少なくなるため、ローラー本体
の上下を反転し二度浸漬させる必要はなく、一度の浸漬
によりコーティング液の均一な塗工膜を形成することが
可能となる。このため、より装置の取り扱い等が簡単に
なり、自動化等による作業の能率化を図ることができ
【0043】(3)請求項2記載の浸漬塗工方法によれ
ば、ローラー本体の上下での膨潤による拡大差が小さく
上述の作用が効果的に発揮され、一度の浸漬により均一
な塗工が可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬塗工方法を実施するための浸漬塗
工装置を示す概略図である。
【図2】本実施例に係るローラー本体を示す平面図であ
る。
【図3】ローラーの一例としての一般的な帯電ローラー
を示す説明図である。
【図4】ローラー本体にコーティング液を塗工する従来
の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ローラー本体 2 コーティング液 3 塗工槽 4 リザーブタンク 5 昇降機 6 撹拌翼 7 循環ポンプ(ダイアフラムポンプ) 8 フィルター 9 芯金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 1/18 B05D 5/12 B05D 7/02 B05D 7/24 302

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度を調整した塗液中に、その塗液によ
    り膨潤するゴム又はウレタンにより形成されたローラー
    本体を有する被塗工物を長さ方向を鉛直にして完全に浸
    漬し、塗液中で所定時間停止させたのち、その後被塗工
    物を所定速度で引き上げることにより前記ローラー本体
    の表面に塗工膜を形成する浸漬塗工において、 前記ローラー本体の浸漬時に下になる部分の浸漬時間
    が、上になる部分の浸漬時間の5倍以下となるように、
    前記被塗工物の降下速度、塗液中での停止時間及び塗工
    物の引き上げ速度を設定したことを特徴とする浸漬塗工
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ローラー本体の形成に使用するウレ
    タンが注型ポリウレタンからなり、 導電性を付与した熱可塑性ウレタン樹脂を、テトラヒド
    ロフラン:メチルエチルケトン=60:40〜70:3
    0の重量比からなる希釈液にて希釈した塗液による前記
    注型ポリウレタンの 膨潤度が5〜15である請求項1記
    載の浸漬塗工方法。
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