JP2755784B2 - 舶用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置 - Google Patents

舶用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置

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JP2755784B2 JP2112486A JP11248690A JP2755784B2 JP 2755784 B2 JP2755784 B2 JP 2755784B2 JP 2112486 A JP2112486 A JP 2112486A JP 11248690 A JP11248690 A JP 11248690A JP 2755784 B2 JP2755784 B2 JP 2755784B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は船用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置
に関する。
〔従来の技術〕
慣用の1軸プロペラー船では、プロペラー軸01のシー
ル潤滑装置は、第2図縦断面図に示すように、前部シー
ル装置03、後部シール装置04よりなり、後部シール装置
04はシールライナー04−1、シールケーシング04−2、
シールリング04−3、油孔04−4、04−5よりなり、05
はスタンフレーム、06は機関室後部隔壁、07、08、09は
それぞれ配管、010、011、013、015は止弁、012は給油
タンク、016は後部船尾管軸受、07は前部船尾管軸受、0
18は油孔である。
このような構造において、下記のような作用が行われ
る。
(1)後部シール装置04は4本のシールリング04−3で
構成され、各シーリングは後端より#1〜#3Sで呼ば
れ、図示省略の給油装置により後部、前部船尾管軸受01
6、107を潤滑した油a′は矢印に示すように、油孔018
及び排油管07を経て図示省略のタンクへ回収される。排
油管07の上流には止弁010が接続され、配管09及び油孔0
4−5を経てシールリング#3と#3Sとの間に給油され
ている。
(2)通常状態では、止弁010は、“開”となっている
ので、シールリング#3〜#3S間の油圧は排油管07の背
圧と同圧となり、シールリング#3Sは無負荷の状態に保
持されているが、苛酷な使用条件下にあるシールリング
#3に異常が発生し、油漏れが生じた場合は、止弁010
を“閉”にすることにより、シールリング#3〜#3S間
には排油間07の背圧がかゝらず、シールリング#3Sが作
動し、即座に油漏れを防止することができる。
(3)給油タンク012の止弁011、013及び止弁015は通常
“閉”とするが、定期的例えば週1回の割りで止弁013
を“開”にすることでシールリング#2〜#3間が負圧
になることを防止する。
(4)定期的例えば月1回の割りで止弁011、015を
“開”にすることで、シールリング#2〜#3間の海水
浸入のチェック及びドレンの排出ができる。
(5)止弁011、013を“開”にすることで、給油タンク
012の潤滑油をシールリング#2〜#3間に供給、充満
できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
1軸プロペラー船では、出力に限度があるので、高速
化のために二重反転プロペラーがスペース的かつ経済的
に有利なものとして採用されているのであるが、船用二
重反転プロペラーの内軸シール装置では、シールケーシ
ングが回転する関係上、内軸の周速が2倍となりかつシ
ールリングが“みそすり運動”をするので、シールリン
グは苛酷な使用条件下に置かれるから、損傷する惧れが
あり、万一損傷した場合、海水が浸入するが、船用二重
反転プロペラー軸は構造が複雑である関係上、損傷部が
内軸シール装置か外軸シール装置かを迅速に判定し、適
切な処置を採ることができるようにすることは、船舶航
行の安全確保上極めて重要である。
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたもので、
十分な給油を行うことにより信頼性を高めるととゝも
に、万一の海水浸入に対しては、浸水源が内軸シール装
置か外軸シール装置かの別を迅速に判別し、適切な処置
を可能とする舶用反転プロペラー軸のシール潤滑装置を
提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
そのために、本願発明の舶用二重反転プロペラー軸の
シール潤滑装置は、後端に後部プロペラーが嵌着された
内軸に内軸軸受を介して同軸的に外挿された中空の外軸
の後端に前部プロペラーを嵌着するとともに、上記外軸
の後部を外軸軸受を介してスタンフレームに軸支してな
り、上記内軸、外軸を互いに逆方向に回転する舶用二重
反転プロペラー軸において、3個のシールリングを内蔵
し上記内軸軸受に供給した油をシールする内軸後部シー
ル装置と、4個のシールリングを内蔵し上記外軸軸受に
供給した油をシールする外軸後部シール装置と、第1の
給油タンクと第2の給油タンクとを有し、上記第1の給
油タンクから上記外軸後部シール装置に循環的に油を供
給する外軸後部シール潤滑油路と、上記第2の給油タン
クから上記内軸後部シール装置に上記外軸後部シール装
置の一部を経て独立して循環的に油を供給する内軸後部
シール潤滑油と、上記外軸軸受の潤滑油の排油系統から
上記外軸後部シール装置および上記内軸後部シール装置
に独立して油を供給するシール給油路とを具えたことを
特徴とする 〔作用〕 このような構成によれば、外軸後部シール装置は、第
1の給油タンク、配管及び止弁よりなる外軸後部シール
循環油路により給油される。
また内軸後部シール装置は、独立した第2の給油タン
ク、配管及び及び止弁よりなる内軸後部シール循環油路
により外軸後部シール装置を経て独立に給油される。
これにより、外軸後部シール装置、内軸後部シール装
置への給油はそれぞれ任意に独立して容易に制御される
とゝもに、作動状況もそれぞれ任意に独立して容易かつ
的確に把握される。
さらに、外軸後部シール装置および内軸後部シール装
置には、上記の外軸後部シール循環油路および内軸後部
シール循環油路とは別のシール給油路により独立して油
が給油される。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面について説明すると、第1図
はその全体縦断面図である。
上図において、1は内軸、2は中空の外軸、3は後部
プロペラー、4は前部プロペラー、5は内軸前部シール
装置、6は外軸前部シール装置である。
7は内軸後部シール装置であり、互いに軸方向に間隔
を置いた少なくとも3個例えば図示のように4個のシー
ルリング7−2、シールライナー7−1、シールケーシ
ング7−3、油孔7−4、7−5で構成される。
8は外軸後部シール装置であり、互いに軸方向に間隔
を置いた少なくとも4個例えば5個のシールリング8−
2、シールライナー8−1、シールケーシング8−3、
油孔8−4、8−5、8−6、28、29で構成される。
9は防水板、10はスタンフレーム、11は機械室後部隔
壁、12は排油管、13、14、15、16、26は配管、17、18は
第1および第2の給油タンク、19、20、21、22、23、2
4、25は止弁、27は排油孔、28、29は油孔を示す。
このような装置において、図示省略の給油装置により
内側軸受32、33及び外軸軸受34、35に給油された潤滑油
aは、矢印に示すように、排油孔27及び排油管12を経て
図示省略のタンクへ回収される。
その際、一部の油は、排油管12の上流に接続された止
弁23を経て配管26及び油孔8−6を通して、外軸後部シ
ール装置8をシールリング#4〜#4S間へ給油される。
さらに、同シールリング間の油はシールライナー8−
1、防水板9、前部プロペラー4に設けた油孔29及びシ
ールケーシングの油孔7−5を経て内軸後部シール装置
7のシールリング#3〜#3S間に流れる。このようにし
て、シール給油路が形成されている。
第1の給油タンク17は、止弁21、22及び配管14、15、
油孔8−5を経て外軸後部シール装置8のシールリング
#3〜#4間と通じており、配管15にはドレン排出用の
止弁25が接続されている。このようにして、外軸後部シ
ール循環路が形成されている。
第2の給油タンク18は、止弁19、20と配管13、16及び
油孔8−4を経て、外軸後部シール装置8のシールリン
グ#2〜#3間と通じ、同シールリング間は、シールラ
イナー8−1、防水板9、前部プロペラー4に設けた油
孔28及び油孔7−4を経て内軸後部シール装置7のシー
ルリング#している。また、配管16にはドレン排出用の
止弁24が接続される。このようにして、外軸後部シール
循環路とは独立した内軸後部シール循環路が形成されて
いる。
このような装置によれば、下記の効果が奏せられる。
(1)外軸後部シール装置8は5個のシールリング8−
2を有し、内軸後部シール装置7は互いに軸方向に間隔
を置いた少なくとも3個例えば図示のように4個のシー
ルリング7−2を有しているので、内軸後部シール装置
7ではシールリング#2〜#3間、外軸後部シール装置
8ではシールリング#3〜#4間に単独に独立して給油
することが可能となるので実用的である。
(2)内軸後部シール循環路においては、通常、止弁1
9、20、24は“閉”であるが、止弁20を例えば週1回の
割りで“開”にすることで、内軸後部シール装置7のシ
ールリング間が負圧になることを防止することができ
る。
また、止弁19、24を例えば月1回の割りで“開”にす
ることで、内軸後部シール装置7のシールリング間の海
水浸入の確認及びドレン排出ができる。
さらに、止弁19、20を“開”にすることで、内軸後部
シール装置7のシールリング間に第2の給油タンク18の
潤滑油を供給、充満でき、これにより稼働条件が最も苛
酷な内軸後部シール装置7のシールリング#3の保守を
可能にするとゝもに、万一の海水浸入を早期に確実に発
現できるので、その処置も適正なものとなる。
(3)外軸後部シール循環路においては、通常、止弁2
2、21、25は“閉”であるが、止弁21を例えば週1回の
割りで“開”にすることで、外軸後部シール装置8のシ
ールリング間が負圧になることを防止することができ
る。
また、止弁22、25を例えば月1回の割りで“開”にす
ることで、外軸後部シール装置8のシールリング間の海
水浸入の確認及びドレン排出ができる。
さらに、止弁22、21を“開”にすることで、外軸後部
シール装置8のシールリング間に第1の給油タンク17の
潤滑油を供給、充満でき、これにより外軸後部シール装
置8のシールリング#4の保守を可能にするとゝもに、
万一の海水浸入を早期に確実に発見できるので、その処
置も適切なものとなる。
(4)シール給油路においては、排油管12に接続された
止弁23は通常“開”であり、内軸後部シール装置7では
シールリング#3Sを、外軸後部シール装置8ではシール
リング#4Sを無負荷の状態で保持している。
万一、内軸後部シール装置7ではシールリング#3
に、外軸後部シール装置8ではシールリング#4のシー
ルリツプに異常が発生した場合は、止弁23を“閉”にす
ることで、シールリング#3S、#4Sが即座に作動し、油
漏れ等を防止することができる。
これにより、船用二重反転プロペラー軸における後部
シール装置全体の信頼性が著しく向上する。
〔発明の効果〕
上述の船用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置に
よれば、外軸後部シール装置は、第1の給油タンク、配
管及び止弁よりなる外軸後部シール循環油路により給油
することができる。
また内軸後部シール装置は、独立した第2の給油タン
ク、配管及び及び止弁よりなる内軸後部シール循環油路
により外軸後部シール装置を経て独立に給油ことができ
る。
これにより、外軸後部シール装置、内軸後部シール装
置への給油はそれぞれ任意に独立して容易に制御される
とゝもに、作動状況もそれぞれ任意に独立して容易かつ
的確に把握することができる。
さらに、外部後部シール装置および内軸後部シール装
置には、上記の外軸後部シール循環油路および内軸後部
シール循環油路とは別のシール給油路により独立して油
が給油される。
このようにして、十分な給油を行うことにより信頼性
を高めるとともに、万一の海水浸水に対しては、浸水源
が内軸シール装置か外軸シール装置かの別を迅速に判別
し、適切な処置を可能とする船用二重反転プロペラー軸
のシール潤滑装置を得るから、本発明は産業上極めて有
益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第2図は従
来の1プロペラー軸船のプロペラー軸シール潤滑装置を
示す縦断面図である。 1……内軸、2……外軸、3……後部プロペラー、4…
…前部プロペラー、……内軸後部シール装置、7−1
……シールライナー、7−2……シールリング、7−3
……シールケーシング、7−4、7−5……油孔、8…
…外軸後部シール装置、8−1……シールライナー、8
−2……シールリング、8−3……シールケーシング、
8−4、8−5、8−6……油孔、9……防水板、10…
…スタンフレーム、11……機関室後部隔壁、12……排油
管、13、14、15、16……配管、17……第1の給油タン
ク、18……第2の給油タンク、19、20、21、22、23、2
4、25……止弁、26……配管、27……排油孔、28、29…
…油孔、33……内軸軸受、35……外軸軸受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 昌己 埼玉県東松山市松風台14―3 四季の丘 B―205 (72)発明者 内山 潔 埼玉県東松山市白山台5―17 (56)参考文献 特開 昭61−44099(JP,A) 実開 昭62−54098(JP,U) 実開 平1−148171(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後端に後部プロペラーが嵌着された内軸に
    内軸軸受を介して同軸的に外挿された中空の外軸の後端
    に前部プロペラーを嵌着するとともに、上記外軸の後部
    を外軸軸受を介してスタンフレームに軸支してなり、上
    記内軸、外軸を互いに逆方向に回転する舶用二重反転プ
    ロペラー軸において、互いに軸方向に間隔を置いて配設
    された少なくとも3個のシールリングを内蔵し上記内軸
    軸受に供給した油をシールする内軸後部シール装置と、
    互いに軸方向に間隔を置いて配設された少なくとも4個
    のシールリングを内蔵し上記外軸軸受に供給した油をシ
    ールする外軸後部シール装置と、第1の給油タンクと第
    2の給油タンクとを有し、上記第1の給油タンクから上
    記外軸後部シール装置に循環的に油を供給する外軸後部
    シール循環油路と、上記第2の給油タンクから上記内軸
    後部シール装置に上記外軸後部シール装置の一部を経て
    独立して循環的に油を供給する内軸後部シール潤滑油路
    と、上記外軸軸受の潤滑油の排油系統から上記外軸後部
    シール装置および上記内軸後部シール装置に独立して油
    を供給するシール給油路とを具えたことを特徴とする舶
    用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置。
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