JPH0728455Y2 - 二重反転プロペラの内軸船尾側シール装置 - Google Patents

二重反転プロペラの内軸船尾側シール装置

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JPH0728455Y2
JPH0728455Y2 JP1990072733U JP7273390U JPH0728455Y2 JP H0728455 Y2 JPH0728455 Y2 JP H0728455Y2 JP 1990072733 U JP1990072733 U JP 1990072733U JP 7273390 U JP7273390 U JP 7273390U JP H0728455 Y2 JPH0728455 Y2 JP H0728455Y2
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shaft
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邦夫 佐木
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、船舶における二重反転プロペラに関し、特に
その内軸の船尾側シール装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、プロペラ軸の船尾シール装置として知られている
ものには、第3,4図に示されたものがある。すなわち第
3,4図において、プロペラ軸1の後端にプロペラ2′が
装着され、その前後部を船首側シール装置3と船尾側シ
ール装置4とで密封されるとともにスタンフレーム5に
船尾軸受6-1,6-2で軸支されている。船尾側シール装置
4は、第3図のF部拡大図である第4図に示されている
ように、プロペラ軸1の外周に装着されたシールライナ
4-1と、その外側に間隔をあけて設けられたシールケー
シング4-2と、両者の間に配設されたシールリング41,4
2,43,44とから構成されて、密封状態を保持している。
なお、図中の符号4-4,4-5は連通穴を示しており、ま
た、シールリング41はリップシール、42,43はカーボン
製リング、44はリップシールで構成されて、シールリン
グ42とシールリング43との間には、連通穴4-4を介して
海水圧より高圧の空気が空気供給装置Aより供給され
る。そしてこの高圧の空気の一部はシールリング42,41
から漏れて海水中に捨てられる。また、シールリング43
から漏れた空気はシールリング44の作用で漏残された潤
滑油を一緒になって連通穴4-5を介してB部に至り、回
収されるように構成されている。
以上のように、従来のプロペラ軸の船尾側シール装置4
では、海水と潤滑油との間に第3のシール流体である高
圧の空気を供給することにより、潤滑油の海水への漏
れ、ならびに海水の潤滑油への侵入を防止している。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、二重反転プロペラの内軸船尾側シール装置で
は、その二重反転プロペラの内軸のシールケーシングが
外軸と一体に回転するため、上述のような従来の船尾シ
ール装置のようにスタンフレームを経由してシール流体
としての空気の供給が困難である。
本考案は、このような問題点の解決をはかろうとするも
ので、回転する内軸の船尾側シール装置へシール流体と
しての高圧空気を供給する構成を上記内軸に付加すると
ともに、潤滑油の海水への漏れ、ならびに海水の潤滑油
への侵入を防止できるようにした、二重反転プロペラの
内軸船尾側シール装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、本考案の二重反転プロペラ
の内軸船尾側シール装置は、船舶の二重反転プロペラに
おいて、前方プロペラを装着された外軸と、同外軸内に
同芯的に配設され後方プロペラを装着された内軸と、同
内軸の船尾側軸端部をシール可能な内軸船尾側シール装
置とをそなえ、上記内軸に上記内軸船尾側シール装置へ
シール流体としての高圧空気供給用連通孔と同シール装
置から上記高圧空気の一部の排出用連通孔とが形成さ
れ、上記シール装置が、上記内軸の外周面に装着された
シールライナと同シールライナの外方に設けられたシー
ルケーシングと上記シールライナとシールケーシングと
で形成される空間内に配設された複数のシールリングと
で構成されて、上記の高圧空気供給用連通孔および排出
用連通孔が上記シールリングの配設された空間内で上記
シールリングを挟んでそれぞれ開口していることを特徴
としている。
〔作用〕
上述の本考案の二重反転プロペラの内軸船尾側シール装
置では、二重反転プロペラ推進軸の内軸にシール流体と
しての高圧空気を船尾側シール装置に供給ならびに排出
するために連通孔が内軸に形成され、同連通孔を介して
船内から海水圧よりも高圧の空気を船尾側シール装置に
供給するように構成されているので、船尾側シール装置
内への海水の侵入がない。
また、供給された高圧の空気の一部が海中へ漏れるとと
もに漏残りの空気が軸受側へ漏れて、この漏残りの空気
と潤滑油とが一緒になって内軸に形成された排出用連通
孔を介して船内へ回収できるので、潤滑油の海水中への
漏れがなく、また海水の潤滑油への侵入を防止できる。
しかも、シールドレンの船内回収が可能となる。
〔実施例〕
以下、図面により本考案の一実施例としての二重反転プ
ロペラの内軸船尾側シール装置について説明すると、第
1図はその二重反転プロペラの内軸船尾側シール装置の
側面断面図、第2図は第1図のE部分の詳細図である。
第1図と第2図において、この実施例の二重反転プロペ
ラも前方プロペラ2を装着した外軸11aと、後方プロペ
ラ12を装着した内軸11とを有し、外軸11aと内軸11とは
互いに反転するように構成されており、外軸船首側シー
ル装置3、外軸船尾側シール装置4および内軸船尾側シ
ール装置14をそなえている。
外、内軸船尾側シール装置4,14は、それぞれ4個のシー
ルリング41,42,43,44でシールライナ4a,14a間とシール
ケーシング4b,14b間との密封状態を保っている。そし
て、連通穴4d,4e,14d,14eが設けられて潤滑油および高
圧の空気の通路を構成している。
内軸11には軸方向に2本の連通孔15,16が形成されてお
り、連通穴14d,14eを介して内軸船尾側シール装置14の
シールリング42,43間とシールリング43,44間とに連通孔
15,16がそれぞれ連通している。
連通孔15,16の他端は、第1図に示すように、連通孔17
a,17bを介して船内の給排装置18に通じている。符号6,6
aは外軸11aの船尾軸受、符号19は内軸11の船尾軸受を示
している。
上述の構成において、内軸船尾側シール装置14には、図
示しない船内の空気供給源よりシール流体としての海水
圧より高圧の空気がC部より給排装置18内に供給され
る。すると送り込まれた空気は連通孔17aを経て内軸11
の連通孔15を通り連通穴14dを介して内軸船尾側シール
装置14内のシールリング42とシールリング43との間に供
給される。供給された空気の一部はシールリング42、41
から漏れて海水中に捨てられる。また、残りの空気は軸
受側へ漏れ、シールリング43とシールリング44との間に
入り、シールリング44の作用で漏残された潤滑油と一緒
になって、連通穴14e、内軸11の連通孔16、連通孔17bを
経て、給排装置18に入り、配管を通じてD方向に排出さ
れ、回収される。シールリング42とシールリング43との
間は海水圧より高い圧力の空気が充満しているために、
海水がシールリング42とシールリング43との間へ侵入す
ることがない。また、シールリング43から漏れた空気
は、シールリング44の作用で漏残された潤滑油と一緒に
なり内軸11の連通孔16を介して船内に回収されるため、
潤滑油の海水中への漏れがない。さらに、シールドレン
の船内回収が可能となる。
なお、外軸船尾側シール装置4は、前述の従来の例の場
合と全く同じ構成である。すなわち、海水圧より高圧の
空気が図示しない空気供給装置によりA部より連通穴4d
を介してシールリング42とシールリング43との間に供給
される。空気の一部はシールリング42,41より漏れて海
水中に捨てられる。また、シールリング43より漏れた空
気はシールリング44の作用で漏残った潤滑油と一緒にな
って連通穴4eを介してB部に至り、回収される点も前述
の従来例の場合と同様である。
〔考案の効果〕
以上、詳述したように、本考案の二重反転プロペラの内
軸船尾側シール装置によれば、その内軸に設けられたシ
ール流体としての高圧空気の供給用の連通孔を介して海
水圧よりも高圧の空気が船尾側シール装置に供給される
とともに、この高圧の空気の一部が海中へ漏れるように
構成されているので、回転している船尾側シール装置へ
海水が侵入するおそれがない。また上記高圧の空気のう
ちの漏残りの空気と潤滑油とが一緒になって排出用の連
通孔を介して船内へ回収できるように構成されているの
で、潤滑油が海中に漏れることもなく、また船尾側シー
ル装置内の潤滑油中への海水の侵入がない。しかも、シ
ールドレンの船内回収が可能となる。
さらに、外軸の船尾側シール装置とは全く独立して内軸
船尾側シール装置にシール用空気の供給と回収とができ
るので、外軸船尾側シール装置の故障が内軸船尾側シー
ル装置の故障を引き起こしたり、あるいはその逆になっ
たりするようなこともない。
【図面の簡単な説明】
第1,2図は本考案の一実施例としての二重反転プロペラ
の内軸船尾側シール装置を示すもので第1図はその側面
断面図、第2図は第1図のE部分の詳細図であり、第3,
4図は従来のプロペラ軸の船尾シール装置を示すもので
第3図はその側面断面図、第4図は第3図のF部分の詳
細図である。 1……プロペラ軸、2……前方プロペラ、3……船首側
シール装置、4……船尾側シール装置、4a……シールラ
イナ、4b……シールケーシング、4d,4e……連通穴、41,
42,43,44……シールリング、5……スタンフレーム、6
a,6b……船尾軸受、11……内軸、11a……外軸、12……
後方プロペラ、14……内軸船尾側シール装置、14a……
シールライナ、14b……シールケーシング、14d,14e……
連通穴、15,16……連通孔、17a,17b……連通孔、18……
給排装置、19……船尾軸受。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶の二重反転プロペラにおいて、前方プ
    ロペラを装着された外軸と、同外軸内に同芯的に配設さ
    れ後方プロペラを装着された内軸と、同内軸の船尾側軸
    端部をシール可能な内軸船尾側シール装置とをそなえ、
    上記内軸に上記内軸船尾側シール装置へシール流体とし
    ての高圧空気供給用連通孔と同シール装置から上記高圧
    空気の一部の排出用連通孔とが形成され、上記シール装
    置が、上記内軸の外周面に装着されたシールライナと同
    シールライナの外方に設けられたシールケーシングと上
    記シールライナとシールケーシングとで形成される空間
    内に配設された複数のシールリングとで構成されて、上
    記の高圧空気供給用連通孔および排出用連通孔が上記シ
    ールリングの配設された空間内で上記シールリングを挟
    んでそれぞれ開口していることを特徴とする、二重反転
    プロペラの内軸船尾側シール装置。
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