JP5033664B2 - 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置 - Google Patents

二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5033664B2
JP5033664B2 JP2008021436A JP2008021436A JP5033664B2 JP 5033664 B2 JP5033664 B2 JP 5033664B2 JP 2008021436 A JP2008021436 A JP 2008021436A JP 2008021436 A JP2008021436 A JP 2008021436A JP 5033664 B2 JP5033664 B2 JP 5033664B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
counter
rotating
bearing
inner shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008021436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009179233A (ja
Inventor
英樹 主藤
才貴 西山
Original Assignee
株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド filed Critical 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド
Priority to JP2008021436A priority Critical patent/JP5033664B2/ja
Publication of JP2009179233A publication Critical patent/JP2009179233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5033664B2 publication Critical patent/JP5033664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、二重反転プロペラ式舶用推進装置における二重反転軸受を潤滑するための潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置に関する。
二重反転プロペラは、前プロペラから流出する回転エネルギーを、前プロペラとは逆方向に回転する後プロペラで回収し推進力に変えることで、高いプロペラ効率が得られるようにしたプロペラシステムである。以下、二重反転プロペラを搭載した舶用推進装置を「二重反転プロペラ式舶用推進装置」と呼ぶ。二重反転プロペラ式舶用推進装置は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
二重反転プロペラ式舶用推進装置の従来例のひとつとして、特許文献1において開示された「二重反転プロペラ装置」を図5に示す。図5の二重反転プロペラ装置100において、後方プロペラ101は主機関(図示せず)に接続された内軸102の後端部に取り付けられている。前方プロペラ103は反転ギヤ(図示せず)に接続された外軸104の後端部に取り付けられていて、前方プロペラ101と後方プロペラ103は互いに反転駆動されるようになっている。
内軸102の重量は外軸104の内面に装着された二重反転前部軸受105と前方プロペラ103のボス内部に装着された二重反転後部軸受106とにより支持されており、外軸104にかかる重量は船体113に装着された船尾管軸受部である前部外軸受107及び後部外軸受108により支持されるようになっている。各軸受105〜108に供給される潤滑油が船外や船内に流出するのを防止するために、前部および後部内軸シール装置109,110および前部および後部外軸シール装置111,112が設けられている。
特開平7−10085号公報
上述した二重反転プロペラにおいては、二重反転前部軸受105と二重反転後部軸受106を潤滑するために、これらに潤滑油を供給するための潤滑油供給系統を設ける必要がある。しかしながら、二重反転構造という特殊な構造ゆえ、従来は二重反転前部軸受105と二重反転後部軸受106に対してそれぞれ別々の潤滑油系統を設けていた。このため、潤滑油系統が複雑となる問題があった。
また、従来、二重反転軸受部を潤滑するための二重反転軸受潤滑構造に潤滑油を供給すする系統と、船尾管軸受部を潤滑するための船尾管軸受潤滑構造に潤滑油を供給する系統とは、それぞれ単独系統として設けられているため、潤滑油供給系統が複雑で機器の台数が多く、狭い船尾部での配管及び機器配置が困難である。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、二重反転前部軸受と二重反転後部軸受を一つの潤滑油系統で潤滑することができる二重反転軸受潤滑構造を提供することを第1の課題とする。また本発明は、潤滑油供給系統を簡素化することができる舶用推進装置の潤滑油供給装置を提供することを第2の課題とする。
上記第1の課題を解決するため、本発明の二重反転軸受潤滑構造は、以下の技術的手段を採用する。
(1)本発明は、後端部に前プロペラが取り付けられ回転可能に支持された中空状の外軸と、後端部に後プロペラが取り付けられ前記外軸の内部に回転可能に支持された内軸と、前記外軸と前記内軸との間に軸方向に間隔を置いて設けられ前記内軸を前記外軸に対して回転可能に支持するための二重反転前部軸受及び二重反転後部軸受とを備え、前記前プロペラと前記後プロペラとを互いに逆方向に回転させる二重反転プロペラ式舶用推進装置の二重反転軸受潤滑構造であって、前記内軸は中空状に形成されており、該内軸の中空部と、前記外軸と前記内軸の間とが同一系統の潤滑油路を形成しており、前記二重反転前部軸受及び前記二重反転後部軸受は、前記潤滑油路上に配置され共通の潤滑油によって潤滑される、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、内軸の中空部と、内軸と外軸の間とが同一系統の潤滑油路を形成しているので、内軸と外軸の間と内軸の中空部のいずれか一方側に潤滑油を供給すると他方側へも潤滑油が供給される。これにより、内軸と外軸の間と内軸の中空部の一方側に潤滑油供給口を設け、他方側に潤滑油排出口を設け、潤滑油を供給することにより、潤滑油が二重反転前部軸受及び二重反転後部軸受を潤滑して潤滑油排出口から排出される。したがって、二重反転前部軸受と二重反転後部軸受を一つの潤滑油系統で潤滑することができる。
(2)上記(1)の二重反転軸受潤滑構造において、好ましくは、前記二重反転前部軸受の前方及び前記二重反転後部軸受の後方にそれぞれ設けられ潤滑油の漏れを防止するための二重反転前部シール装置及び二重反転後部シール装置を備え、前記二重反転後部シール装置は、前記内軸との間に隙間を形成するように前記前プロペラのボスと前記後プロペラのボスの間に配置され、前記後プロペラのボスには前記隙間と連通し前後方向に貫通する通油路が形成され、前記後プロペラのボスの後端部には、前記内軸と前記通油路とを連通するように形成されたプロペラキャップが配置されている。
上記の構成によれば、二重反転後部シール装置と内軸の間の隙間、後プロペラのボスに形成された通油路、及びプロペラキャップの内側により、内軸の中空部と、外軸と内軸の間とを繋ぐ油路を形成することができる。
(3)上記(1)又は(2)の二重反転軸受潤滑構造において、好ましくは、前記二重反転プロペラ式舶用推進装置は、前記内軸と同軸上に配置され前記内軸に回転駆動力を伝達するための内軸用出力軸を有し、前記内軸用出力軸は中空状に形成され、該内軸用出力軸の中空部は前記内軸の中空部と連通し前記潤滑油路の一部を形成しており、前記内軸用出力軸の前側に設けたシール装置を介して前記潤滑油が供給又は排出される。
上記の構成によれば、動力伝達装置の内軸用出力軸の中空部が潤滑油の油路の一部を形成しているので、内軸用出力軸を利用して、潤滑油の排出又は供給を行うことができる。
(4)上記(2)又は(3)の二重反転軸受潤滑構造において、好ましくは、船尾管の先端側に配置された船首側船尾管シール装置のライナーとシールリングの各々に前記潤滑油を流すための油穴が形成されるとともに、前記二重反転前部軸受と前記二重反転前部シール装置の間と、前記船首側船尾管シール装置の前記ライナーに設けられた前記油穴とを繋ぐ中継油路を形成する中継油路形成構造を備える。
上記の構成によれば、船首側船尾管シール装置に設けられた油穴と、中継油路形成構造により、二重反転部への潤滑油の供給を行うための供給ライン又は二重反転部からの潤滑油の排出を行うための排出ラインを形成することができる。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの二重反転軸受潤滑構造において、好ましくは、前記二重反転プロペラ式舶用推進装置は、前記外軸からのスラスト荷重を受けて前記内軸に伝達する二重反転スラスト軸受を備え、該二重反転スラスト軸受は、前記潤滑油路上に配置されており前記潤滑油によって潤滑される。
上記の構成によれば、二重反転スラスト軸受が配置される場合でも、二重反転前部軸受及び二重反転後部軸受と共通の潤滑油により二重反転スラスト軸受を潤滑することができる。したがって、二重反転前部軸受、二重反転後部軸受及び二重反転スラスト軸受を一つの潤滑油系統で潤滑することができる。
(6)上記(2)乃至(4)のいずれかの二重反転軸受潤滑構造において、好ましくは、前記潤滑油は、前記二重反転後部シール装置と前記内軸の間を通って前記内軸の中空部へ流れる。
上記の構成によれば、潤滑油は二重反転後部シール装置と内軸の間を後方に向かって流れる。これにより、仮に二重反転後部シール装置から潤滑油路側へ海水が浸入しても、海水が混ざった潤滑油は直接各軸受を通過することなく、内軸の中空部を通って排出され、混入した海水は潤滑油タンク内で分離されるため、海水が混ざった潤滑油によって各軸受が潤滑されるという事態を未然に防止することができる。
上記第2の課題を解決するため、本発明の舶用推進装置の潤滑油供給装置は、以下の技術的手段を採用する。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の二重反転軸受潤滑構造と、船尾管軸受部を潤滑するための船尾管軸受潤滑構造とに潤滑油を供給するための潤滑油供給装置であって、前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造とに共通に使用される潤滑油を溜める潤滑油タンクと、該潤滑油タンクから前記二重反転軸受潤滑構造及び前記船尾管軸受潤滑構造までの供給路を形成するものであって、前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造に供給する潤滑油を前記供給路の途中部位まで共通で送給する共通管と、前記途中部位で分岐して前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造とにそれぞれ接続する分岐管とを有する給油ラインと、前記給油ライン上に設けられた潤滑油ポンプと、前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクまで戻す回収ラインと、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造とに潤滑油を供給するための潤滑油タンク、給油ライン、潤滑油ポンプを、二重反転系統と船尾管系統とで共通化したので、潤滑油供給系統を簡素化することができる。
(8)また、上記の舶用推進装置の潤滑油供給装置において、好ましくは、前記給油ラインは、前記潤滑油ポンプを出た潤滑油の一部を前記潤滑油ポンプの上流側に戻す戻りラインと、該戻りライン上に設けられた圧力調整弁とを有する。
上記の構成によれば、戻りラインと圧力調整弁によって、潤滑油の温度変化による粘度変化に起因する圧力変化をなくして、常に一定圧力で潤滑油を供給することができる。
(9)また、上記の舶用推進装置の潤滑油供給装置において、好ましくは、前記回収ラインは、前記二重反転軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクに戻す第1回収管と、該第1回収管上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第1ドレンポッドと、該第1ドレンポッドの下部に接続された第1ドレン弁と、前記船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクに戻す第2回収管と、該第2回収管上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第2ドレンポッドと、該第2ドレンポッドの下部に接続された第2ドレン弁とを有する。
上記の構成によれば、回収ラインが、二重反転軸受潤滑構造からの潤滑油を戻す第1回収管と、船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を戻す第2回収管とからなり、それぞれにドレンポッドとドレン弁が設けられているので、二重反転軸受潤滑構造又は船尾管軸受潤滑構造で水が浸入してきた場合に、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造のどちら側で水が浸入してきたかを判断することができる。
(10)また、上記の舶用推進装置の潤滑油供給装置において、好ましくは、さらに、船尾管軸受部の磨耗粒子を捕集する磨耗粒子除去フィルタを備える。
上記の構成によれば、船尾管軸受部の磨耗粒子が磨耗粒子除去フィルタで捕集されるので、船尾管軸受部の磨耗粒子による二重反転軸受部への悪影響を軽減又は防止できる。
本発明の二重反転軸受潤滑構造によれば、二重反転前部軸受と二重反転後部軸受を一つの潤滑油系統で潤滑することができる。また、本発明の舶用推進装置の潤滑油供給装置によれば、潤滑油供給系統を簡素化することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。また、以下の説明において、「船首側」と「前側」は同じ意味であり、「船尾側」と「後側」は同じ意味である。
図1は、本発明の実施形態にかかる二重反転軸受潤滑構造及び潤滑油供給装置50を備えた二重反転プロペラ式船舶用推進装置10の模式平面図である。図1において、二重反転プロペラ式舶用推進装置10(以下、単に「推進装置」と呼ぶことがある)は、前プロペラ13が取り付けられた外軸11と、後プロペラ15が取り付けられた内軸12と、外軸11と内軸12の回転駆動源である駆動装置30と、駆動装置30の回転駆動力を外軸11と内軸12に伝達する動力伝達装置20とを備える。
外軸11は、中空状の部品であり、船体2に設けられた船尾管3を貫通して設置されている。船尾管3と外軸11との間には、船尾管軸受部である前側ブッシュ5と後側ブッシュ6が設けられており、これにより、外軸11が船体2に回転可能に支持されている。船尾管3内には前側ブッシュ5と後側ブッシュ6を潤滑するための船尾管軸受潤滑構造が形成されており、この船尾管軸受潤滑構造には潤滑油供給装置50から潤滑油が供給される。
潤滑油の機関室側への漏れを防ぐために、船尾管3の船首側の端面には、船首側船尾管シール装置7が設けられている。船尾管3内の潤滑油の海水側への漏れ及び船尾管3内への海水の侵入を防ぐために、船尾管3の船尾側の端面には、船尾側船尾管シール装置8が設けられている。
外軸11の後端部に前プロペラ13が取り付けられている。前プロペラ13は中心部にボス13aを有し、このボス13aの船首側端面と外軸11の船尾側端面とが、ボルトなどの連結手段によって連結固定されている。外軸11の船首側端部には外軸用スリーブ軸継手16が連結固定されている。
外軸用スリーブ軸継手16の船首側端部には中空状の外軸中間軸17が連結固定されている。外軸中間軸17は、内軸12の付帯部品(二重反転前部シール装置37など)のメンテナンスができるように、半径方向に複数(2つ又はそれ以上)に分割可能な構成を備える。
内軸12は、中空状の部品であり、後端部に後プロペラ15が取り付けられ外軸11の内部に回転可能に支持されている。後プロペラ15は、中心部にボス15aを有しており、ボス15aにおいて内軸12の後端テーパ部に圧入により固定され、その後部に緩み止め用のプロペラナット39が設けられている。
推進装置10において、内軸12を外軸11で回転可能に支持するため、二重反転前部軸受35と、二重反転後部軸受36とが設置されている。図1の構成例において、二重反転前部軸受35は、外軸用スリーブ軸継手16と内軸12との間に配置されており、二重反転後部軸受36は、前プロペラ13ボスと内軸12との間に配置されている。なお、二重反転前部軸受35と二重反転後部軸受36の配置位置は、上述した位置に限られず、例えば、外軸11の先端部及び後端部と内軸12との間であってもよい。
推進装置10において、外軸11のスラスト荷重を受けて内軸12に伝達する二重反転スラスト軸受40が配置されている。図1の構成例において、二重反転スラスト軸受40は、前プロペラ13のボス13aの内部に設けられている。より具体的には、前プロペラ13のボス13aと外軸11の間に環状凹部14が形成されており、この環状凹部14に二重反転スラスト軸受40が設けられている。二重反転スラスト軸受40は、例えばティルティングパッド式スラスト軸受であるのがよい。
二重反転軸受部(本実施形態では、二重反転前部軸受35、二重反転後部軸受36及び二重反転スラスト軸受40)を潤滑するための二重反転軸受潤滑構造が外軸11と内軸12の間に形成されている。この二重反転軸受潤滑構造には潤滑油供給装置50から潤滑油が供給される。二重反転軸受潤滑構造から潤滑油が漏れ出るのを防止するため、外軸用スリーブ軸継手16の船首側端面に二重反転前部シール装置37が配置され、前プロペラ13のボス13aの船尾側端面と後プロペラ15の中心部ボス15a前端との間に二重反転後部シール装置38が配置されている。
潤滑油供給装置50は、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造とに共通に使用される潤滑油を溜める潤滑油タンク51と、潤滑油タンク51から二重反転軸受潤滑構造及び船尾管軸受潤滑構造までの供給路を形成する給油ライン52と、給油ライン52上に設けられた潤滑油ポンプ55と、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を潤滑油タンク51まで戻す回収ライン56とを備える。
また、潤滑油供給装置50において、潤滑油ポンプ55の入側にはポンプ吸入コシキ(フィルタ)70が設けられ、潤滑油ポンプ55の下流側に、潤滑油冷却器69と、ポンプ吸入コシキ70より目の細かいフィルタ71が設けられている。
給油ライン52は、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造に供給する潤滑油を供給路の途中部位まで共通で送給する共通管53と、途中部位で分岐して二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造とにそれぞれ接続する第1分岐管54a及び第2分岐管54bとを有する。図1の構成例において、第1分岐管54aは船首側船尾管シール装置7に接続されている。
給油ライン52は、潤滑油ポンプ55を出た潤滑油の一部を潤滑油ポンプ55の上流側に戻す戻りライン59と、戻りライン59上に設けられた圧力調整弁60とを有する。
回収ライン56は、二重反転軸受潤滑構造からの潤滑油を潤滑油タンク51に戻す第1回収管57と、船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を潤滑油タンク51に戻す第2回収管58とを有する。各戻りラインにはサイトグラス82が設けられ、各潤滑油の流れを目視にて確認できるようになっている。図4の構成例において、第1回収管57は、後述する潤滑油排出部シール装置76を介して動力伝達装置20の内軸用出力主歯車29の軸に接続されている。
第1回収管57は、二重反転前部シール装置37と二重反転後部シール装置38の所要圧力を確保するために、所要圧力に相当する高さまで出口配管を上げてから、潤滑油タンク51へ戻るようになっている。
第2回収管58は、船首側船尾管シール装置7と船尾側船尾管シール装置8の所要圧力を確保するために、所要圧力に相当する高さまで出口配管を上げてから、潤滑油タンク51へ戻るようになっている。
戻り管の最上部より重力で落ちる部分でのサイホン現象による、流れの悪影響を防止するために、第1回収管57と第2回収管58の最上部には、デッキ部87を貫通する空気抜き管86aが結合されている。
図1の構成例において回収ライン56はさらに、第1回収管57上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第1ドレンポッド63と、第1ドレンポッド63の下部に接続された第1ドレン弁64と、第2回収管58上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第2ドレンポッド66と、第2ドレンポッド66の下部に接続された第2ドレン弁67とを有する。第1ドレン弁63と第2ドレン弁67の下部にはそれぞれ廃油缶65,68が設けられている。
第1ドレンポッド63に入った潤滑油に水が浸入していた場合、比重の軽い潤滑油が上部に溜まり、比重の重い水が下部に溜まるので、潤滑油は第1ドレンポッド63の上部側面に接続された第1回収管57の出口管より潤滑油タンク51へ戻る。二重反転軸受潤滑構造において水の浸入があったか否かは、第1ドレン弁64を開くことで確認することができる。また、第1ドレンポッド63の下部にサイトグラスを設け、常時目視にて確認することができる。
第2ドレンポッド66に入った潤滑油に水が浸入していた場合、比重の軽い潤滑油が上部に溜まり、比重の重い水が下部に溜まるので、潤滑油は第2ドレンポッド66の上部側面に接続された第2回収管58の出口管より潤滑油タンク51へ戻る。船尾管軸受潤滑構造において水の浸入があったか否かは、第2ドレン弁67を開くことで確認することができる。また、第2ドレンポッド63の下部にサイトグラスを設け、常時目視にて確認することができる。
船尾管軸受部である前側ブッシュ5及び後側ブッシュ6はすべり軸受であり、例えばホワイトメタルからなるため、その磨耗粒子を含む潤滑油がそのまま二重反転軸受部(二重反転前部軸受35、二重反転後部軸受36及び二重反転スラスト軸受40)に供給されると二重反転軸受部に悪影響を与える恐れがある。そこで本実施形態の潤滑油供給装置50は、さらに、船尾管軸受部の磨耗粒子を捕集する磨耗粒子除去フィルタ62を備える。図1の構成例において磨耗粒子除去フィルタ62は、共通管53から分岐して潤滑油タンク51に戻る分岐ライン61上に設けられており、潤滑油ポンプ55から出た潤滑油の一部について磨耗粒子の除去を行うようになっている。なお、磨耗粒子除去フィルタは共通管53上のフィルタ71の下流側に設けられてもよい。
図1の構成例において採用している駆動装置30は、外軸11の回転駆動源である第1駆動装置31と、内軸12の回転駆動源である第2駆動装置32とからなる。第1駆動装置31と第2駆動装置32は、ガスタービンエンジンやディーゼルエンジンなどの主機関であっても、電動機であってもよい。電動モータの場合、例えば、機関室に一つ又は複数のガスタービン発電機やディーゼル発電機などを搭載し、これを電源とすることができる。
このように外軸11と内軸12とが、それぞれ独立の駆動源(第1駆動装置31、第2駆動装置32)によって駆動されるので、万が一どちらかの駆動源(例えば第1駆動装置31)が故障しても、他方の駆動源(例えば第2駆動装置32)によって前プロペラ13又は後プロペラ15を駆動することで、船舶の航行を継続することができる。
図1の構成例において採用している動力伝達装置20は、第1駆動装置31と第2駆動装置32の回転駆動力をそれぞれ独立に外軸11と内軸12に伝達するように構成された二重反転歯車伝達装置である。より具体的には、動力伝達装置20は、ハウジング21を有しており、ハウジング21の内部に外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bとを備える。図1の構成において、外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bはともに歯車伝達機構で構成されている。なお、図1に示した動力伝達装置20は、二段歯車式であるが、外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bを省略した一段式としてもよい。
外軸用伝達機構18Aは、第1駆動装置31の出力軸31aと同軸上に配置され第1駆動装置31からの駆動力が入力される外軸用入力歯車22と、外軸11と同軸上に配置され外軸11に回転駆動力を伝達する中空状の外軸用出力主歯車24と、外軸用入力歯車22と外軸用出力主歯車24との間に配置された外軸用中間小歯車23とを有する。
第1駆動装置31の出力軸31aと外軸用入力歯車22は、据付時の誤差及び船体2変位による軸心変化を吸収できるように、ギヤカップリング33aを介して連結されている。図1において外軸用中間小歯車23は一つであるが、複数あってもよく、省略してもよい。
内軸用伝達機構18Bは、第2駆動装置32の出力軸32aと同軸上に配置され第2駆動装置32からの駆動力が入力される内軸用入力歯車27と、外軸用出力主歯車24の中空部を貫通して挿入されており内軸12と同軸上に配置され内軸12に回転駆動力を伝達する内軸用出力軸としての内軸用出力主歯車29と、内軸用入力歯車27と内軸用出力主歯車29との間に配置された内軸用中間小歯車28とを有する。内軸用出力主歯車29は、中空状の部品であり、符号29aはその中空部である。
第2駆動装置32の出力軸と内軸用入力歯車27は、据付時の誤差及び船体2変位による軸心変化を吸収できるように、ギヤカップリング33bを介して連結されている。図1において内軸用中間小歯車28は一つであるが、複数あってもよく、省略してもよい。内軸用出力主歯車29と内軸12は、内軸用スリーブ軸継手26によって連結固定されている。
推進装置10において、内軸12からのスラスト荷重(内軸12のみのスラスト荷重と外軸11のみのスラスト荷重を合成した荷重)を受けて船体2に伝達する内軸用スラスト軸受41が配置されている。図1の構成例において、内軸用スラスト軸受41は、動力伝達装置20のハウジング21の船首側部分に設けられている。このため、内軸12からのスラスト荷重はハウジング21を介して船体2で支持されている。
なお、内軸用スラスト軸受41の配置位置は、内軸12からのスラスト荷重を船体2に伝達できれば上述した位置に限定されない。したがって、外軸用出力主歯車24よりも船首側であれば、ハウジング21内でもよいし、ハウジング21の外部であってもよい。
図1の構成例において、外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bはともに歯車伝達機構であるが、一方又は両方がその他の伝達機構(ベルト伝達機構、チェーン伝達機構など)であってもよい。
また、図1の構成例において、外軸用伝達機構18Aと内軸用伝達機構18Bは、単一のハウジング21内に収容されているが、別々のハウジング21に収容されてもよい。
外軸用出力主歯車24と外軸11は、中空状のたわみ軸継手19を介して連結されている。図1の構成例において、たわみ軸継手19はギヤカップリングであり、外軸用出力軸24がギヤカップリングの船首側と連結固定されており、外軸中間軸17がギヤカップリングの船尾側と連結固定されている。したがって、外軸用出力主歯車24の回転駆動力は、ギヤカップリング、外軸中間軸17及び外軸用スリーブ軸継手16を経由して外軸11に伝達される。
上述した構成を備えた推進装置10においては、二重反転スラスト軸受40によって外軸11のスラスト荷重を内軸12で受け、内軸用スラスト軸受41によって外軸11と内軸12を合わせたスラスト荷重を船体2で受け、外軸用出力主歯車24の回転力は、たわみ軸継手19を介して外軸11に伝達される。これにより、外軸11のスラスト荷重が船体2に対して直接的に伝達されず内軸12を介してのみ船体2に伝達され、たわみ軸継手19によって軸心の狂いが許容されることで、船体変位による外軸11の軸心への影響を無くすことができる。
たわみ軸継手19としては、フランジ形たわみ軸継手やローラチェーン軸継手などであってもよいが、許容伝達トルクが高く角度変位のみならず軸方向変位をも許容できるギヤカップリングが好適である。
上記の構成において、第1駆動装置31を回転駆動すると、その駆動力が外軸用伝達機構18A、たわみ軸継手19等を経由して外軸11に伝達され、外軸11に取り付けられた前プロペラ13が回転する。また、第2駆動装置32を回転駆動すると、その駆動力が内軸用伝達機構18B及び内軸用スリーブ軸継手26を経由して内軸12に伝達され、内軸12に取り付けられた後プロペラ15が回転する。
このとき、外軸11と内軸12を互いに逆方向に回転させることで、前プロペラ13と後プロペラ15を互いに逆方向に回転させる。前プロペラ13と後プロペラ15を互いに逆方向に回転させるための第1駆動装置31と第2駆動装置32の駆同軸の回転方向は、動力伝達装置20の構成に依るが、図1の構成例の場合、第1駆動装置31と第2駆動装置32の出力軸の回転方向を互いに逆方向とすれば、前プロペラ13と後プロペラ15が互いに逆方向に回転する。
なお、図1に示した構成例では、外軸用出力主歯車24と外軸11がたわみ軸継手19を介して連結された構成であったが、外軸用出力主歯車24と外軸11が固定軸継手で連結される構成であってもよい。
また、図1に示した構成例では、二重反転プロペラの駆動方式として、二軸の回転入力に対して二軸の回転を出力する方式の駆動機構を採用したが、一軸の回転入力に対して互いに反対方向に回転する二軸の回転を出力する方式の駆動機構を採用してもよい。
本発明の二重反転軸受潤滑構造において、内軸12の中空部12aと、内軸12と外軸11の間とは、同一系統の潤滑油路を形成している。以下、このような潤滑油路の構成について、より詳細に説明する。
図2は、図1における船首側船尾管シール装置7の周辺拡大図である。図1において、船尾側船尾管シール装置7は、外軸11に装着された中空状のライナー7aと、船尾管3の先端面に固定されたシールケーシング7cに固定され、ライナー7aに対して回転摺動可能に嵌合するリング状のリップ♯1〜♯4を有するシールリング7bとからなる。なお、♯4のダミー用シールリングを省略し、3本としてもよい。
シールリング7bの外周には、上述した潤滑油供給装置50の第1分岐管54aが接続されている。また、シールリング7bのリップ♯2と♯3の間には、第1分岐管54aからの潤滑油を内側に導入するため、内外を貫通する油穴44(本実施形態では周方向に複数)が設けられている。これにより、第1分岐管54aからの潤滑油は、シールリング7bの油穴44を通って、シールリング44の内周側に配置されたリップ♯2と♯3の間に導入される。シールリング7bのリップ♯1,♯2,♯3の耐久性を高めるため、♯1と♯2の間、及び、♯3と♯4にダミー用の潤滑油を、油穴83,84を通して供給する。
下部油穴83、84への潤滑油の供給は、潤滑油供給管の第1分岐管54aより分岐した第3分岐管54cにより流量調整弁79及び流量調整オリフィス80を通して供給される。供給されたダミー用の潤滑油は、上部油穴83,84より配管81にて、所要の高さまで上げられ、潤滑油の流れを確認するために設けたサイトグラス82を経由して、潤滑油タンク51に戻される。
戻り管の最上部より重力で落ちる部分でのサイホン現象による、流れの悪影響を防止するために、配管81最上部には、デッキ部87を貫通する空気抜き管86bが結合されている。
ライナー7aの内部には、シールリング7bのリップ♯2と♯3の間に導入された潤滑油を流すための油穴45が周方向に間隔を置いて複数設けられている。この油穴45は、ライナー7aの船首側端部に設けられたフランジ部の外周で開口している。
ライナー7aからの潤滑油を外軸用スリーブ軸継手16まで導くために、配管47が上記の複数の油穴45に対応して周方向に複数配置されている。
外軸用スリーブ軸継手17には、配管47からの潤滑油を二重反転前部軸受35と二重反転前部シール装置37との間に導くための油穴46が、複数の配管47に対応して周方向に間隔を置いて複数設けられている。
図2の構成例では、配管47と外軸用スリーブ軸継手16の油穴46により、二重反転前部軸受35と二重反転前部シール装置37の間と、ライナー7aに設けられた油穴45とを繋ぐ中継油路を形成する中継油路形成構造48が構成されているが、中継油路形成構造48は、図2の構成例に限定されない。
上記の構成により、船首側船尾管シール装置7に設けられた油穴44,45と、中継油路形成構造48により、外軸11と内軸12の間への潤滑油の供給を行うための供給ラインが形成されるので、第1分岐管54aから、船首側船尾管シール装置7、中継油路形成構造48を介して、潤滑油を二重反転前部軸受35と二重反転前部シール装置37との間に供給することができる。二重反転前部軸受35と二重反転前部シール装置37との間に導入された潤滑油は、外軸11と内軸12の間を船尾側に向かって流れ、二重反転スラスト軸受40と二重反転後部軸受36を順に潤滑する。
図3は、図1における前プロペラ13と後プロペラ15の周辺拡大図である。図3に示すように、二重反転後部シール装置38は、後プロペラ15の前端面に固定された中空状のライナー38aと、軸受ハウジング85の後端部に固定されライナー38aに対して回転摺動可能に嵌合するシールリング38bとからなり、ライナー38aと内軸12との間に隙間を形成するように前プロペラ13のボス13aと後プロペラ15のボス15aの間に配置されている。ライナー38aの内周面と内軸12の外周面との間の隙間は、潤滑油の油路の一部を形成している。
後プロペラ15のボス15aは、前後方向に貫通する通油穴78が周方向に複数設けられている。この通油穴78は、潤滑油の油路の一部を形成する。後プロペラ15のボス15aの後端部には、潤滑油の漏れを防止するためのプロペラキャップ43が取り付けられている。プロペラキャップ43は、信頼性向上のため、内側キャップ43aと外側キャップ43bとを有する二重構造となっている。後プロペラ15のボス15aの通油路78の後端と、内軸12の中空部12aの後端は、ともにプロペラキャップ43(内側キャップ43a)の内部に臨む形で開口している。なお、プロペラキャップは一重構造でもよい。
上記の構成により、二重反転後部シール装置38と内軸12の間の隙間、後プロペラ15のボス15aに形成された通油路78、及びプロペラキャップ43の内側により、内軸12の中空部12aと、外軸11と内軸12との間とを繋ぐ油路が形成される。これにより、二重反転後部軸受36側からの二重反転用潤滑は、二重反転後部シール装置38と内軸12の間の隙間、後プロペラ15のボス15aに形成された通油路78、及びプロペラキャップ43の内側を通って、内軸12の中空部12aへ流入する。
図4は、図1における動力伝達装置20の内軸用出力主歯車29の先端部の周辺拡大図である。図4において、内軸用出力主歯車29の軸29bの船首側端部近傍には、軸29bの内外を貫通する排出用油穴49が設けられており、軸29bの外周側には、排出用油穴49に対応する位置に潤滑油排出部シール装置76が設けられている。この構成により、内軸12の中空部12aからの潤滑油は、内軸用出力主歯車29の中空部29a、排出用油穴49及び潤滑油排出部シール装置56を通り、さらに回収管57を通って上述した潤滑油タンク51(図1参照)に戻される。なお、内軸用出力主歯車29の軸29bの先端の開口は止めフランジ77によって閉じられている。
上記の実施形態において、第1分岐管54aを内軸用出力主歯車29の軸29bに接続し、第1回収管57を船首側船尾管シール装置7に接続する構成に変更してもよい。すなわち、潤滑油が内軸12の中空部12aを船尾側に向かって流れ、その後内軸12の船尾側端部で流れ方向を反転し、外軸11と内軸12の間を船首側に向かって流れるようにしてもよいが、本実施形態のように、第1分岐管54aを船首側船尾管シール装置7に接続し、第1回収管57を内軸用出力主歯車29の軸29bに接続する構成とし、潤滑油が外軸11と内軸12の間を船尾側に向かって流れ、その後内軸12の船尾側端部で反転し、内軸12の中空部12aを船首側に向かって流れるようにするのが好ましい。この構成により、仮に二重反転後部シール装置38から油路側へ海水が浸入しても、海水が混ざった潤滑油は各軸受を通過することなく、内軸12の中空部12aを通って排出されるので、海水が混ざった潤滑油によって各軸受が潤滑されるという事態を未然に防止することができる。
上述した本実施形態の二重反転軸受潤滑構造によれば、以下の効果が得られる。
(1)二重反転前部軸受35と二重反転前部シール装置37との間に導入された潤滑油は、船尾側に向かって流れ、二重反転前部軸受35、二重反転スラスト軸受40及び二重反転後部軸受36を潤滑した後、内軸12の後端部で流れ方向を反転させて内軸12の中空部12aへ流入して船首側へ流れ、内軸用出力主歯車29の中空部の先端側から排出される。したがって、二重反転前部軸受35と二重反転後部軸受36を一つの潤滑油系統で潤滑することができ、二重反転プロペラの軸受部の潤滑油系統を従来と比べて簡単な構造とすることができる。
(2)本実施形態では、外軸11と内軸12の間に二重反転スラスト軸受40が配置される構成であるが、このような構成においても、二重反転前部軸受35及び二重反転後部軸受36と共通の潤滑油により二重反転スラスト軸受40を潤滑することができる。したがって、二重反転前部軸受35、二重反転後部軸受36及び二重反転スラスト軸受40を一つの潤滑油系統で潤滑することができる。
(3)潤滑油が、二重反転後部シール装置38と内軸12の間を後方に向かって流れるように流れ方向が設定されているので、仮に二重反転後部シール装置38から潤滑油路側へ海水が浸入しても、海水が混ざった潤滑油によって各軸受が潤滑されるという事態を未然に防止することができる。
また、本実施形態の舶用推進装置の潤滑油供給装置50によれば、以下の効果が得られる。
(4)二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造とに潤滑油を供給するための潤滑油タンク51、給油ライン52、潤滑油ポンプ55を、二重反転系統と船尾管系統とで共通化したので、潤滑油供給系統を簡素化することができる。
(5)戻りライン59と圧力調整弁60によって、潤滑油の温度変化による粘度変化に起因する圧力変化をなくして、常に一定圧力で潤滑油を供給することができる。
(6)回収ライン56が、二重反転軸受潤滑構造からの潤滑油を戻す第1回収管57と、船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を戻す第2回収管58とからなり、それぞれにドレンポッド63,66とドレン弁64,67が設けられているので、二重反転軸受潤滑構造又は船尾管軸受潤滑構造で水が浸入してきた場合に、二重反転軸受潤滑構造と船尾管軸受潤滑構造のどちら側で水が浸入してきたかを判断することができる。
(7)船尾管軸受部の磨耗粒子が磨耗粒子除去フィルタ62で捕集されるので、船尾管軸受部の磨耗粒子による二重反転軸受部への悪影響を軽減又は防止できる。
なお、本発明の二重反転軸受潤滑構造に潤滑油を供給するための手段としては、上述した潤滑油供給装置50の構成に限定されず、船尾管軸受潤滑構造に潤滑油を供給する系統とは個別に設けられた供給系統であってもよい。
上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施形態にかかる二重反転軸受潤滑構造及び潤滑油供給装置を備えた二重反転プロペラ式船舶用推進装置の模式平面図である。 図1における船首側船尾管シール装置の周辺拡大図である。 図1における前プロペラと後プロペラの周辺拡大図である。 図1における動力伝達装置の内軸用出力主歯車の先端部の周辺拡大図である。 特許文献1に開示された従来技術の構成図である。
符号の説明
2 船体
3 船尾管
5 前側ブッシュ
6 後側ブッシュ
7 船首側船尾管シール装置
7a シールライナー
7b シールリング
7c シールケーシング
8 船尾側船尾管シール装置
10 二重反転プロペラ式舶用推進装置
11 外軸
12 内軸
13 前プロペラ
13a ボス
14 環状凹部
15 後プロペラ
15a ボス
16 外軸用スリーブ軸継手
17 外軸中間軸
18A 外軸用伝達機構
18B 内軸用伝達機構
19 たわみ軸継手
20 動力伝達装置
21 ハウジング
22 外軸用入力歯車
23 外軸用中間小歯車
24 外軸用出力主歯車
26 内軸用スリーブ軸継手
27 内軸用入力歯車
28 内軸用中間小歯車
29 内軸用出力主歯車
29b 内軸用出力主歯車の軸
30 駆動装置
31 第1駆動装置
32 第2駆動装置
33a,33b ギヤカップリング
35 二重反転前部軸受
36 二重反転後部軸受
37 二重反転前部シール装置
38 二重反転後部シール装置
39 プロペラナット
40 二重反転スラスト軸受
41 内軸用スラスト軸受
43 プロペラキャップ
43a 内側キャップ
43b 外側キャップ
44,45,46 油穴
47 配管
48 中継油路形成構造
49 排出用油穴
50 潤滑油供給装置
51 潤滑油タンク
52 給油ライン
53 共通管
54a 第1分岐管
54b 第2分岐管
55 潤滑油ポンプ
56 回収ライン
57 第1回収管
58 第2回収管
59 戻りライン
60 圧力調整弁
62 磨耗粒子除去フィルタ
63 第1ドレンポッド
64 第1ドレン弁
66 第2ドレンポッド
67 第2ドレン弁
76 潤滑油排出部シール装置
77 止めフランジ
78 通油路
79 流量調整弁
80 流量調整用オリフィス
81 シールリング背面側供給用潤滑油戻り管
82 サイトグラス
83,84 油穴
85 軸受ハウジング

Claims (9)

  1. 後端部に前プロペラが取り付けられ回転可能に支持された中空状の外軸と、後端部に後プロペラが取り付けられ前記外軸の内部に回転可能に支持された内軸と、前記外軸と前記内軸との間に軸方向に間隔を置いて設けられ前記内軸を前記外軸に対して回転可能に支持するための二重反転前部軸受及び二重反転後部軸受とを備え、前記前プロペラと前記後プロペラとを互いに逆方向に回転させる二重反転プロペラ式舶用推進装置の二重反転軸受潤滑構造であって、
    前記内軸は中空状に形成されており、該内軸の中空部と、前記外軸と前記内軸の間とが同一系統の潤滑油路を形成しており、
    前記二重反転前部軸受及び前記二重反転後部軸受は、前記潤滑油路上に配置され共通の潤滑油によって潤滑され
    前記二重反転前部軸受の前方及び前記二重反転後部軸受の後方にそれぞれ設けられ潤滑油の漏れを防止するための二重反転前部シール装置及び二重反転後部シール装置を備え、
    前記二重反転後部シール装置は、前記内軸との間に隙間を形成するように前記前プロペラのボスと前記後プロペラのボスの間に配置され、
    前記後プロペラのボスには前記隙間と連通し前後方向に貫通する通油路が形成され、
    前記後プロペラのボスの後端部には、前記内軸と前記通油路とを連通するように形成されたプロペラキャップが配置されている、ことを特徴とする二重反転軸受潤滑構造。
  2. 前記二重反転プロペラ式舶用推進装置は、前記内軸と同軸上に配置され前記内軸に回転駆動力を伝達するための内軸用出力軸を有し、
    前記内軸用出力軸は中空状に形成され、該内軸用出力軸の中空部は前記内軸の中空部と連通し前記潤滑油路の一部を形成しており、
    前記内軸用出力軸の前側に設けたシール装置を介して前記潤滑油が供給又は排出される、請求項1記載の二重反転軸受潤滑構造。
  3. 船尾管の先端側に配置された船首側船尾管シール装置のライナーとシールリングの各々に前記潤滑油を流すための油穴が形成されるとともに、
    前記二重反転前部軸受と前記二重反転前部シール装置の間と、前記船首側船尾管シール装置の前記ライナーに設けられた前記油穴とを繋ぐ中継油路を形成する中継油路形成構造を備える、請求項又は2に記載の二重反転軸受潤滑構造。
  4. 前記二重反転プロペラ式舶用推進装置は、前記外軸からのスラスト荷重を受けて前記内軸に伝達する二重反転スラスト軸受を備え、
    該二重反転スラスト軸受は、前記潤滑油路上に配置されており前記潤滑油によって潤滑される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の二重反転軸受潤滑構造。
  5. 前記潤滑油は、前記二重反転後部シール装置と前記内軸の間を通って前記内軸の中空部へ流れる、請求項乃至のいずれか一項に記載の二重反転軸受潤滑構造。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の二重反転軸受潤滑構造と、船尾管軸受部を潤滑するための船尾管軸受潤滑構造とに潤滑油を供給するための潤滑油供給装置であって、
    前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造とに共通に使用される潤滑油を溜める潤滑油タンクと、
    該潤滑油タンクから前記二重反転軸受潤滑構造及び前記船尾管軸受潤滑構造までの供給路を形成するものであって、前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造に供給する潤滑油を前記供給路の途中部位まで共通で送給する共通管と、前記途中部位で分岐して前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造とにそれぞれ接続する分岐管とを有する給油ラインと、
    前記給油ライン上に設けられた潤滑油ポンプと、
    前記二重反転軸受潤滑構造と前記船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクまで戻す回収ラインと、を備えることを特徴とする舶用推進装置の潤滑油供給装置。
  7. 前記給油ラインは、前記潤滑油ポンプを出た潤滑油の一部を前記潤滑油ポンプの上流側に戻す戻りラインと、該戻りライン上に設けられた圧力調整弁とを有する、請求項記載の舶用推進装置の潤滑油供給装置。
  8. 前記回収ラインは、前記二重反転軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクに戻す第1回収管と、該第1回収管上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第1ドレンポッドと、該第1ドレンポッドの下部に接続された第1ドレン弁と、前記船尾管軸受潤滑構造からの潤滑油を前記潤滑油タンクに戻す第2回収管と、該第2回収管上に設けられ潤滑油を一時的に溜める第2ドレンポッドと、該第2ドレンポッドの下部に接続された第2ドレン弁とを有する、請求項又は7に記載の舶用推進装置の潤滑油供給装置。
  9. さらに、船尾管軸受部の磨耗粒子を捕集する磨耗粒子除去フィルタを備える請求項乃至のいずれか一項に記載の舶用推進装置の潤滑油供給装置。
JP2008021436A 2008-01-31 2008-01-31 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置 Active JP5033664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008021436A JP5033664B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008021436A JP5033664B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009179233A JP2009179233A (ja) 2009-08-13
JP5033664B2 true JP5033664B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=41033538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008021436A Active JP5033664B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5033664B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101337661B1 (ko) 2012-02-03 2013-12-05 삼성중공업 주식회사 유체 공급 구조체
CN106184678B (zh) * 2012-05-04 2018-06-22 三星重工业有限公司 用于船舶的推进器
KR101444339B1 (ko) 2012-05-09 2014-09-30 삼성중공업 주식회사 선박용 추진장치 및 이를 설치하는 방법
CN107499486B (zh) * 2017-07-28 2023-05-30 安徽工程大学 一种定位用智能水上移动平台及其定位方法
JP6532927B1 (ja) * 2017-11-20 2019-06-19 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 舶用二重反転プロペラ装置の軸封装置
EP4166448A1 (en) * 2021-10-18 2023-04-19 ABB Oy Arrangement and method for sealing a propeller shaft of a marine vessel
CN114802679B (zh) * 2022-03-21 2023-11-24 万力达船用动力系统(苏州)有限公司 一种船用定距桨型侧向推进装置
CN117488518A (zh) * 2022-07-26 2024-02-02 无锡小天鹅电器有限公司 衣物处理装置的内筒结构及衣物处理装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61180097A (ja) * 1985-02-01 1986-08-12 Kawasaki Heavy Ind Ltd 舶用二重反転プロペラ装置の潤滑油供給構造
JPH07112833B2 (ja) * 1988-03-22 1995-12-06 石川島播磨重工業株式会社 二重反転プロペラの潤滑油供給装置
JPH0716903Y2 (ja) * 1989-04-04 1995-04-19 イーグル工業株式会社 軸周式給油装置
JP2755784B2 (ja) * 1990-04-27 1998-05-25 三菱重工業株式会社 舶用二重反転プロペラー軸のシール潤滑装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009179233A (ja) 2009-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5033664B2 (ja) 二重反転軸受潤滑構造及び舶用推進装置の潤滑油供給装置
JP5266543B2 (ja) 二重反転プロペラ式舶用推進装置
US7137590B2 (en) Lubricating installation for rocking power transmission box
CN111356631B (zh) 船舶用双重反转螺旋桨装置的轴封装置
JP5266542B2 (ja) 二重反転プロペラ式舶用推進装置
JP2008001208A (ja) シール装置
EP3647180B1 (en) Marine propulsion system supported by a strut
JP5037374B2 (ja) 二重反転シール装置の潤滑構造
CN107521649A (zh) 船舶对转桨推进装置整机结构
CN220365937U (zh) 齿轮箱及船舶
WO2022210280A1 (ja) 舶用二重反転プロペラ装置とこれを備えた船舶
KR101617028B1 (ko) 선박용 추진장치 및 이를 갖춘 선박
CN207902726U (zh) 船舶对转桨推进装置整机结构
WO2022210282A1 (ja) 潤滑油フローセンサとこれを備えた船舶
US20230278690A1 (en) Marine propulsion system supported by a strut
EP3656655A1 (en) Leakage detection system for azimuth thruster
KR101608190B1 (ko) 선박용 추진장치 및 이를 갖춘 선박
JPH05319379A (ja) 舶用二重反転プロペラ装置の潤滑油供給構造
KR20110054155A (ko) 선미관 시일 장치의 압력 제어 장치
KR20140071197A (ko) 선박용 추진장치 및 이를 갖춘 선박
JPH0515598B2 (ja)
JPS5938196A (ja) 船舶の潤滑油遊転ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20101125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120625

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5033664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350