JP2755190B2 - 電気貯湯容器のカルキ除去制御装置 - Google Patents

電気貯湯容器のカルキ除去制御装置

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JP2755190B2
JP2755190B2 JP6310375A JP31037594A JP2755190B2 JP 2755190 B2 JP2755190 B2 JP 2755190B2 JP 6310375 A JP6310375 A JP 6310375A JP 31037594 A JP31037594 A JP 31037594A JP 2755190 B2 JP2755190 B2 JP 2755190B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家庭用電気ポット等の電
気貯湯容器のカルキ除去制御装置に関し、詳しくは内容
液をヒータにより加熱して、湯沸しを行う湯沸しモード
と、内容液を所定時間の間だけ沸騰状態としてカルキ除
去を行うカルキ除去モードとを持った電気貯湯容器のカ
ルキ除去制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルキ除去モードを持った電気貯湯容器
は、カルキ除去設定キーによってカルキ除去が人為的に
設定されたとき、カルキ除去モードを実行するものと、
これに加えて、電源投入時に内容液を湯沸かしする初期
沸騰モードの際に、自動的にカルキ除去モードを実行す
るものとがある。
【0003】カルキ除去設定キーによってカルキ除去モ
ードを実行するものでは、水質や好みの違いによって必
要に応じいつでもカルキ除去を行うことができる。これ
に加えて初期沸騰モードの際にカルキ除去モードを自動
的に実行するものでは、新しい内容液に対して人為操作
なしにカルキ除去が必ず行われるので、これを忘れてカ
ルキ除去なしの内容液を使用してしまうようなことを回
避することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カルキ除去キ
ーは誰でも操作でき、先に人がカルキ除去を行ったのを
知らずに操作して、カルキ除去を必要以上に行ってしま
うことがある。これは省エネルギー上好ましくないし、
カルキ除去モードが実行されているとき内容液は沸騰状
態にあって、危険回避のための待機が無駄に行われるこ
とになる。
【0005】本発明は、このような問題を解消すること
を課題とし、カルキ除去が無駄に行われるのを防止でき
る電気貯湯容器のカルキ除去制御装置を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は内容液をヒータ
により加熱して、湯沸しを行う湯沸しモードと、内容液
を所定時間の間だけ沸騰状態としてカルキ除去を行うカ
ルキ除去モードとを持った電気貯湯容器のカルキ除去制
御装置であって、上記の目的を達成するため、カルキ除
去モードを人為的に実行させるカルキ除去設定操作手段
と、カルキ除去モードが行われたときこれを記憶してお
く記憶手段と、カルキ除去設定操作手段が操作されたと
き、先のカルキ除去において沸騰が持続された所定時間
よりも短い所定時間の間だけ沸騰を持続させるカルキ除
去モードを実行するカルキ除去制限手段とを備えたこと
を第1の特徴とする。
【0007】また、カルキ除去モードを人為的に実行さ
せるカルキ除去設定操作手段と、カルキ除去モードが行
われたときこれの実行回数をカウントするカウント手段
と、カルキ除去設定操作手段が操作されたとき、カウン
ト回数に対応して先のカルキ除去において沸騰が持続さ
れた所定時間よりも短い所定時間の間だけ沸騰を持続さ
せるカルキ除去モードを実行させるカルキ除去制限手段
とを備えたことを第2の特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の第1の特徴の上記構成では、通常、カ
ルキ除去設定操作手段が操作されるとカルキ除去モード
が実行される。一方、設定が自動か手動かの別なくカル
キ除去モードが実行されるとこれを記憶手段が記憶す
る。カルキ除去設定操作手段が操作されたとき、カルキ
除去制限手段が働いて、先のカルキ除去において沸騰が
持続された所定時間よりも短い所定時間だけ沸騰を持続
させるカルキ除去モードを実行させるので、カルキ除去
が複数回繰り返し設定されることがあっても、カルキ除
去モードで沸騰が持続される時間を順次短くしていき効
果的にカルキ除去できる。
【0009】また、本発明の第2の特徴の上記構成で
は、第1の特徴の場合同様に通常、カルキ除去設定操作
手段が操作されるとカルキ除去モードが実行され、設定
が自動か手動かの別なくカルキ除去モードが実行される
とこれの実行回数をカウント手段がカウントする。カル
キ除去設定操作手段が操作されたとき、カウント手段が
カルキ除去の実行回数をカウントしているとき、カルキ
除去制限手段が働き、カウント回数に対応して先のカル
キ除去において沸騰が持続された所定時間よりも短い所
定時間の間だけ沸騰を持続させるカルキ除去モードを実
行させるので、カルキ除去が複数回繰り返し設定される
ことがあっても、カルキ除去モードで沸騰が持続される
時間を順次短くしていき効果的にカルキ除去できる。
【0010】
【実施例】図1〜図5は本発明が適用された第1の実施
例としての電気ポットを示している。
【0011】本実施例の電気ポットは手操作により内容
液を注出するタイプのもので、図1に示すように、金属
製の内容器2を金属製で筒状の外装ケース3内に収容し
て器体1を構成している。
【0012】内容器2は外装ケース3の上端に上方から
嵌め合わせた合成樹脂製の肩部材4によって上端フラン
ジ2aが受けられている。
【0013】外装ケース3の下端には、合成樹脂製の底
環7が当てがわれ、この底環7と内装ケース2の底部と
を連結金具5によって連結し、外装ケース3、内容器2
および底環7の相互を一体化している。
【0014】底環7の開口には、合成樹脂製の底蓋10
が自身に設けられている複数の爪の嵌め合わせと一箇所
のビス止めにて取り付けられている。
【0015】この底蓋10の下面外周部には、自身に設
けられた複数の爪によって回転座体9が回転可能に嵌め
付けられ、器体1を定置したとき回転座体9上で器体1
を軽く回転させられるようになっている。
【0016】内容器2の底部下面には、ヒータ8a、8
bが当てがわれている。このヒータ8a、8bは湯沸か
しヒータと保温ヒータとであり、例えば環状のマイカ板
に線状のヒータ8a、8bのそれぞれを交互に巻付けて
マイカ板間に挟み付け、ケースに収容したものである。
【0017】内容器2の底部下には遮熱板12が固設金
具11を介し当てがわれねじ13によって固定されてい
る。
【0018】ヒータ8a、8bは前記遮熱板12との間
に設けられたばね板14によって内容器2の底部下面に
押しつけて保持されている。
【0019】ヒータ8a、8bの中央に設けた貫通孔内
には、温度センサ18がヒータ8a、8bと環状の遮熱
壁17により隔絶して配され、遮熱板12との間に働か
せたセンサ保持部材16により内容器2底部の、ヒータ
8a、8b押し当て部2bよりも少し高くした中央部2
cに下面に押し当てられている。
【0020】底環7には回路収容ボックス40が下向き
に開口して一体成形して設けられており、回路収容ボッ
クス40に収容される回路基板41が、上方からの漏水
に対して防水されている。また回路収容ボックス40に
は下方から底蓋44が被せ付けられ、器体1が溜め水に
ジャブ漬けされた場合等の下方からの浸水にも対応でき
るようにしている。
【0021】この回路基板41にはマイクロコンピュー
タを利用した制御回路42が搭載されている。この制御
回路42には、肩部材4の前方に突出し下部への注液ガ
イド32を持った嘴状突出部4aの上面に設けられた操
作パネル19からの出力信号、前記温度センサ18等の
各種検出信号を受けて、湯沸しモード、保温モード、カ
ルキ除去モード等の動作制御を行うとともに、その動作
表示やタイマ設定による表示制御等を行うようになって
いる。
【0022】操作パネル19には、図2に示すようにタ
イマ設定キー101、再沸騰/カルキ除去設定キー10
2と、LED等からなるタイマ設定時間を表示するタイ
マ表示103〜105、湯沸かしモード表示106、保
温モード表示107、カルキ抜き/注出待機表示108
が設けられている。
【0023】タイマ設定キー101はこれが操作される
都度、設定時間が3時間、6時間、9時間の順にロータ
リ式に変化するようになる。再沸騰/カルキ除去設定キ
ー102が操作される都度、設定モードが内容液を沸騰
させる再沸騰モードと、沸騰状態を所定時間継続させる
カルキ除去モードの順にロータリ式に変化するようにな
る。制御回路42は各種動作制御および表示制御のた
め、図3に示すようにヒータ8a、8b、温度センサ1
8、および操作パネル19と結線されている。
【0024】器体1の上端には、肩部材4がなす器体1
の口部61を施蓋する器体蓋6が設けられている。この
器体蓋6は、後部で肩部材4にヒンジピン68によって
開閉自在に枢着されている。この器体蓋6の枢着は肩部
材4に一体形成された一部開放型の軸受69に対して行
い、器体蓋6の開き状態にてヒンジピン68を軸受69
から着脱できるようにしている。
【0025】このヒンジピン68の着脱によって器体蓋
6を器体1に対して着脱でき、自身の洗浄や、器体1に
おける内容液の給排等が容易となる。
【0026】器体蓋6の自由端には、器体蓋6が閉じら
れたときばね72の付勢によって肩部材4の一部に形成
した係止部45に係合して器体蓋6を閉じ状態にロック
するロック部材71が設けられている。
【0027】このロック部材71は、器体蓋6の内部に
設けられた内容液を加圧注出するためのベローズポンプ
111の下板112の一部でガイドされ、操作部79a
を備えたロック解除レバー79のカム部79bに後端の
受動片71aが対向しており、ロック解除レバー79の
操作部79aが起こされて軸73を中心に回動すること
により、前記ロック部材71をばね72に抗して後退さ
せ、ロックを解除する。またこれと同時にロック解除レ
バー79の操作部79aをさらに持ち上げることによ
り、ロックの解除に引き続いて器体蓋6をそのまま上方
へ開くことができる。
【0028】内容器2の外面前部に、内容器2の底部に
基部が接続されて立ち上がり、前記ベローズポンプ11
1から内容器2内に送り込まれる加圧空気によって加圧
される内容液を器体1の外部に案内し注出する注出路3
3が設けられている。
【0029】この注出路33の先端注出口22は肩部材
4の前部に嘴状に突出した嘴状突出部4a内で下向きに
開口され、嘴上突出部4aの底部壁に設けられた注液ガ
イド32内に、大気への開放隙間を持って臨み、注出す
る内容液を一旦大気へ開放した後に注液ガイド32に流
入させ、スプラッシュなく静かに注液されるようにして
ある。
【0030】注出路33の注出口22の直ぐ手前の位置
には、転倒時止水弁30を設け、これが器体1の転倒時
に、自重や内容液の押動を受けて閉じることにより、内
容液が注出路33を通じて外部に流出するのを防止す
る。
【0031】注出路33の途中部分は透明管115によ
って形成し、これに流入している内容液の液位が外装ケ
ース1の前面に設けた液量表示窓37を通じ外部から見
えるようにしてある。
【0032】前記ベローズポンプ111は、前記下板1
12が器体蓋6の裏板をなすように設けられ、器体蓋6
の上面に露出した押圧板23によって押圧操作されて、
加圧空気を吐出口113から吐出し吸気通路114を通
じて内容器2内に送り込めるようになっている。
【0033】前記下板112の下面には、内容器2の口
部2dを閉じる金属製の内蓋85が下方から被せ付けら
れ、ビス83にて止められている。内蓋85の外周とベ
ローズ下板112との間には、内容器2の口部2dに対
向するシールパッキング84が挟持されており、器体蓋
6が閉じられると内蓋85はこのシールパッキング84
で内容器2の口部2dに接し、内容器2を閉じる。
【0034】下板112と内蓋85との間には、図1、
図2に示すように、内容器2内で発生する蒸気を外部に
逃がす蒸気抜き通路87が給気通路114の一部を共用
するように補助板115を利用して形成されている。
【0035】この蒸気抜き通路87は内蓋85に内容器
2側への開口86を持ち、器体蓋6の後部側の上面に外
部への開口52を有している。
【0036】一方押圧板23の内側に位置するベローズ
ポンプ上板116の裏面中央には長さ方向のスリット1
17aを持った保持杆117が設けられ、この保持杆1
17の内周に中空の弁杆118を上下摺動可能に嵌め合
わせて前記スリット117aに上端のフック118aを
係合させ、弁杆118とベローズポンプ上板116との
間に働かせたばね119によって弁杆118を下方に付
勢するとともに、弁杆118は前記スリット117aと
フック118aとの係合によって図1に示すように保持
杆117からの最大下動位置が規制されている。
【0037】弁杆118はまた下板112の中央に設け
られた開口119に上下摺動自在に嵌め合わされて、下
板102をベローズポンプ101内から下方に貫通して
下板112と内蓋85との間に下端部が臨んでいる。
【0038】ベローズポンプ111の吐出口113は、
下板112の中央の開口119のまわりに位置し、下板
112の吐出口113が位置しているさらに外まわりの
円周位置にてが下板112と補助板115との間で環状
に挟持され、かつ内周部が弁杆118の下端部の外周に
嵌め合わされて吐出口113と、開口86との連通を遮
断し、またこの遮断を解除するように位置する弁部12
1bを有した弁膜121が設けられている。
【0039】弁杆118は下端部118bの弁部121
bが嵌め合わされている部分の直ぐ上の位置に内外に貫
通した孔118dが設けられ、前記ベローズポンプ11
1が押圧板23の押圧を受けず、ベローズポンプ上板1
16が図1に示すように最上動位置にあるとき、弁杆1
18は弁部121bのリップ部を開口119の口縁に下
方より圧着するようにしている。
【0040】これにより、ベローズポンプ111の吐出
口113から、孔118d、開口86を介して内容器2
内に通じる給気通路114が途中で閉じられ、蒸気抜き
通路87は給気通路114を介しベローズポンプ111
の側に通じることなく、器体蓋6の外部に通じ、内容器
2内で発生する蒸気を器体蓋6外に問題なく放出するこ
とができる。
【0041】したがって内容器2内の内容液が沸騰され
て多量の蒸気が発生しても、これが内容器2内に籠もっ
て自然昇圧し、内容液が押し出されてしまうような不都
合を解消することができる。
【0042】前記給気通路114および蒸気抜き通路8
7の双方は、弁杆118の下端部内の通路118cを通
じるように形成され、補助板115には前記通路118
cと対向して内蓋85との間に弁室132を形成する突
出部を有し、この弁室132の天井部が前記通路118
cと対向するように形成している弁口133を開閉する
転倒時止水弁134が、前記弁室132内に設けられて
いる。
【0043】転倒時止水弁134は、器体1が転倒した
とき自重、あるいは蒸気抜き通路87を通じて外部に流
出しようとする内容液の押動によって、前記弁口133
を閉じるように働く。弁口133の閉止は蒸気抜き通路
87の閉止となって、内容液が蒸気抜き通路87を通じ
て外部に流出するのを阻止することができる。
【0044】器体蓋6の押圧板23が設けられている部
分のまわりに、回動位置によって押圧板23の押し下げ
を阻止し、またこの阻止を解除する注出ロック部材13
5が設けられ、器体蓋6の上面に突出した操作突起13
5aにより操作されるようにしてある。
【0045】ところで、上記したように再沸騰/カルキ
除去設定キー102は誰でも操作でき、先に人がカルキ
除去を行ったのを知らずにカルキ除去モードの設定操作
をして、カルキ除去を必要以上に行ってしまうことがあ
る。これは省エネルギー上好ましくないし、カルキ除去
モードが実行されているとき内容液は沸騰持続状態にあ
って、危険回避のための待機が無駄に行われることにな
る。
【0046】これを解消するため本実施例では、制御回
路42によって図4に示すようなカルキ除去制御を行
う。
【0047】図4は制御回路42のマイクロコンピュー
タによる制御プログラムのメインルーチンの内の1つの
サブルーチンで、湯沸かしモード、自動再沸騰モード、
再沸騰/カルキ除去設定キー102による再沸騰モー
ド、カルキ除去モードを持った沸騰動作制御に関するも
のである。以下説明する。
【0048】電源が投入されると図示しないメインルー
チンにおけるイニシャライズ処理にて、初期設定が行わ
れ、自動沸騰フラグが0にセットされ、カルキ除去フラ
グがリセットされる。これに代えて特別な初期設定を行
うこともできる。この状態で図4の制御では、ステップ
♯1、ステップ♯2で再沸騰/カルキ除去設定キー10
2が操作されたかどうか、操作されれば再沸騰モードか
カルキ除去モードかをそれぞれ判別する。操作されてい
なければステップ♯31に移行して自動再沸騰温度以下
であるかどうか判別する。以下でなければそのままリタ
ーンするが、以下であると電源投入時か、内容液の補給
時であるのに対応して、ステップ♯32で自動再沸騰フ
ラグを1に、カルキ除去フラグを0にそれぞれセットし
た後、ステップ♯41にてカルキ除去フラグが0である
ことによりステップ♯61に移行し、ここで自動再沸騰
フラグが1にセットされていることによりステップ♯7
1に移行し、カルキ除去1を実行する。このカルキ除去
1は内容液を沸騰させるのに続いて、カルキ除去されて
いないか、カルキ除去されない内容液を含む内容液の初
期沸騰の場合であるのに対応して、これに見合う長い所
定の時間、例えば3分間沸騰を継続させるカルキ除去を
実行する。続いてステップ♯72にてカルキ除去モード
かどうかを判別し、カルキ除去モードであるとステップ
♯73でカルキ除去フラグを1にセットし、第1回目の
カルキ除去1が行われたことを記憶し、またはカウント
するが、カルキ除去モードでないので、ステップ♯74
にてカルキ除去フラグを1にセットして、今回のカルキ
除去モードの実行が初期沸騰に関して行われることに伴
い、これを後に行う本発明に係るカルキ制限対象としな
い処理をする一方、ステップ♯75にて自動再沸騰終了
に対応し自動再沸騰フラグを0にセットしてリターンす
る。
【0049】このような自動再沸騰動作の終了後は図示
しない保温制御サブルーチンにて内容液の保温が行われ
る。
【0050】保温状態において、内容液が入れ替えられ
たり、補給されたり、あるいは一時電源を絶たれたりし
て自動再沸騰温度以下になる都度、前記の制御が再度行
われる。
【0051】保温状態において、再沸騰/カルキ除去設
定キー102が操作されると、これがステップ♯1で判
別され、ステップ♯2で現設定状態がカルキ除去モード
かどうかが判別される。現設定がカルキ除去モードであ
ると再沸騰モード設定のための操作であるし、そうでな
ければカルキ除去モード設定のための操作である。
【0052】再沸騰モード設定のための操作であるとス
テップ♯21に移行してカルキ除去フラグを0にセット
し、ステップ♯22で沸騰モードを設定した後、ステッ
プ♯41、♯61でカルキ除去フラグ、自動再沸騰フラ
グが判別される。いずれも0であることによってステッ
プ♯62に移行し内容液を沸騰させるだけの一般湯沸か
しを行う。次いでステップ♯63でカルキ除去フラグが
0かどうかを判別し、0でなければそのまま、0である
とこれをステップ♯64でリセットしてからリターン
し、保温サブルーチンでの保温制御に移行する。
【0053】ステップ♯1、♯2でカルキ除去モード設
定のための操作であると、ステップ♯11に移行してカ
ルキ除去モードを設定した後、ステップ♯41にてカル
キ除去フラグが0、1、2のいずれであるかを判別す
る。これは、カルキ除去モードの実行状態に応じてその
処理を異ならせるためである。しかし、前記初期沸騰後
に初めての設定であると、カルキ除去フラグは1にセッ
トされているので、ステップ♯71に移行して前記前記
カルキ除去1を再度実行する。これは、初期沸騰時にカ
ルキ除去が必ず行われるにも係わらず、水質や使用者の
好みに応じて、カルキ除去モードが設定されたものであ
る可能性が高いことへの対応として、長い時間のカルキ
除去を行うものである。
【0054】ところで、今回のカルキ除去1の実行は、
再沸騰/カルキ除去設定キー102の操作によるもの
で、これがステップ♯72にて確認されることによりス
テップ♯73に移行し、ここでカルキ除去フラグを2に
セットした後リターンする。このフラグのセットは再沸
騰/カルキ除去設定キー102によるカルキ除去モード
でのカルキ除去が実行されたことを制御回路42のマイ
クロコンピュータが記憶し、また第1回目の実行である
ことのカウントを行ったことに相当する。以降は図示し
ない保温制御サブルーチンでの保温制御に移る。
【0055】再沸騰/カルキ除去設定キー102が再び
操作されてカルキ除去モードが設定されると、前記カル
キ除去モードでのカルキ除去1の実行によってカルキ除
去フラグが2にセットされており、これをステップ♯4
1にて判別することによりカルキ除去モードでの2回目
のカルキ除去であることが確認される。これによりステ
ップ♯51に移行して、水質や好みの違いによって再度
のカルキ除去が行われる場合があるので、これを考慮
し、内容液を沸騰させた後、カルキ除去1にて沸騰が持
続された所定の時間よりは短い所定の時間、例えば1分
だけ沸騰を継続させるカルキ除去2を実行し、ステップ
♯52でカルキ除去フラグを0にセットする。このカル
キ除去モードでのカルキ除去フラグ0のセットは、カル
キ除去モードの実行回数のカウントが以降の再沸騰/カ
ルキ除去設定キー102によるカルキ除去モードの設定
を有効としない取扱いを行う最終回数に達したことを意
味する。
【0056】したがって、再度の再沸騰/カルキ除去設
定キー102によるカルキ除去モードの設定があると、
ステップ♯41にてカルキ除去フラグが0であることを
判別されることによって、ステップ♯61を経ステップ
♯62にて一般湯沸かしが行われるだけで、後はステッ
プ♯63でもカルキ除去フラグが0である場合だけこれ
をリセットし初期状態に戻してリターンする。
【0057】図5に以上のようなカルキ除去制限を行っ
た沸騰制御の場合の内容液の温度変化を示している。
【0058】もっとも、初期沸騰時のカルキ除去モード
の実行をも記憶し、またはカウントして、それ以降のカ
ルキ除去モードを前記のように軽減していく制御を行う
こともできる。このカルキ除去モードを軽減していくパ
ターンは任意に設定することができる。
【0059】また、図4のフローチャートでは、初期沸
騰およびこれに関連したカルキ除去モードが実行された
後に、再沸騰/カルキ除去設定キー102によるカルキ
除去モードの設定がなされないようなものとしている。
しかし、初期沸騰およびこれに伴うカルキ除去モードの
実行がないままに、再沸騰/カルキ除去設定キー102
によるカルキ除去モードの設定が行われれば、図4にお
いてステップ♯11の後等でカルキ除去フラグのリセッ
ト状態を確認することにより、ステップ♯71以降に移
行することによって、カルキ除去モードが手動設定によ
って開始されるようにもできる。
【0060】要するに、本実施例では、再沸騰/カルキ
除去設定キー102の手操作によるカルキ除去モードの
実行回数が重なる都度異なったフラグを立てることによ
り、これを記憶し、かつカウントするのと同じ機能を発
揮し、このカウント回数の増大に対応する先のカルキ除
去で沸騰が持続された所定の時間よりも短い所定の時間
だけカルキ除去モードを実行させるようにしてあり、カ
ウント回数が所定回数、本実施例では3回に達している
ときは内容液を沸騰させる湯沸しモードを実行させるだ
けであるので、同じレベルのカルキ除去が繰り返し無駄
に行われるのを防止し、また、必要のないカルキ除去が
無駄に行われるのを防止することができる。
【0061】もっとも、必要なカルキ除去時間は、水質
や好みによって異なることがあり、前記のようなカルキ
除去を制限する制御によってこれが損なわれる場合があ
るかも知れないので、第1回目のカルキ除去時間を使用
者が自由に設定しておき、2回目以降のカルキ除去モー
ドの設定に際して順次短くしていくように制御してもよ
い。また、湯沸かしモードしか実行しない最終の対応ま
でのカルキ除去設定回数は自由に設定することができる
し、最終の対応は沸騰も行わないでカルキ除去済みであ
ることを一定時間表示した後、表示を消すように制御す
ることもできる。
【0062】なお、前記実施例は初期沸騰時に自動的に
カルキ除去モードを実行するようにしたものを示した
が、これを行わず、再沸騰/カルキ除去設定キー102
が操作されることによってだけカルキ除去モードを実行
するようにもできる。
【0063】図6のグラフは第2の実施例として別の制
御を行った場合の内容液の温度変化を示している。グラ
フから分かるように、初期沸騰時は自動的なカルキ除去
は行わず、初期沸騰後に再沸騰/カルキ除去設定キー1
02によって3回カルキ除去モードが設定されている。
1回目の設定では内容液のカルキ除去が第1の実施例の
カルキ除去1と同じ時間だけカルキ除去モードを実行
し、2回目の設定では第1の実施例のカルキ除去1と同
じ時間だけカルキ除去モードを実行し、3回目の設定で
はカルキ除去モードの実行を省略して一般湯沸かしモー
ドだけを行うようにしてある。
【0064】図7〜図10は本発明の第2の実施例とし
ての電動注出を行う電気ポットを示している。
【0065】本実施例の電気ポットは、第1の実施例の
ベローズポンプおよび給気路と、ベローズポンプの押圧
操作に連動する弁機構とに代えて、図7に示すように注
出路33の内容器2よりも低い部分に電動ポンプ151
を設け、これを駆動することにより注出路33を通じた
内容液の注出を電動で自動的に行えるようにしてある。
【0066】本実施例ではこのような電動注出を行うも
のであることによって、カルキ除去モード中は、これを
注出待機状態として表示する上に、図10のステップ♯
71、51に示すように電動ポンプの駆動を禁止し、所
定のカルキ除去モードの実行終了とともに禁止を解除す
るようにしている。したがって、表示を見誤って、ある
いはこれを無視して内容液が注出されてしまうようなこ
とが回避され、手動注出の場合よりも使用の安全を図る
ことができる。もっとも、手動注出のものでも、ベロー
ズポンプの押圧操作を電気的に駆動されるアクチュエー
タによって阻止するようにすれば同じような安全を図る
ことができる。
【0067】図8はこのような制御を行う場合の操作パ
ネル161、図9はマイクロコンピュータを利用した制
御回路42を示している。図9に示すように制御回路4
2には前記制御のために、第1の実施例の場合に加え
て、前記電動ポンプ151、この電動ポンプ151を動
作させて内容液を注出する注出キー152、注出表示1
53が接続されている。
【0068】
【発明の効果】本発明の第1の特徴によれば、カルキ除
去設定操作手段が操作されたとき、先にカルキ除去が行
われていると、先のカルキ除去において沸騰が持続され
た所定時間よりも短い所定時間の間だけ沸騰を持続させ
るカルキ除去モードを実行させるので、カルキ除去が数
回繰り返し設定されるようなことがあっても、カルキ除
去モードで沸騰が持続される時間を順次短くしていき効
果的にカルキ除去できる。
【0069】また、本発明の第2の特徴によればカルキ
除去設定操作手段が操作されたとき、カルキ除去の実行
回数に対応して、先のカルキ除去モードにおいて沸騰が
持続された所定の時間よりも短い所定時間の間だけ沸騰
を持続させるカルキ除去モードを実行させるので、カル
キ除去が数回繰り返し設定されるようなことがあって
も、カルキ除去モードで沸騰が持続される時間を順次短
くしていき効果的にカルキ除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1の実施例としての電気
ポットの断面図である。
【図2】図1の電気ポットの操作パネルの平面図であ
る。
【図3】図1の電気ポットの制御回路のブロック図であ
る。
【図4】図3の制御回路の沸騰動作制御のサブルーチン
を示すフローチャートである。
【図5】図3の制御による内容液の温度変化を示すグラ
フである。
【図6】本発明の第2の実施例を示す内容液の温度変化
を示すグラフである。
【図7】本発明の第3の実施例としての電気ポットの断
面図である。
【図8】図1の電気ポットの操作パネルの平面図であ
る。
【図9】図1の電気ポットの制御回路のブロック図であ
る。
【図10】図3の制御回路の沸騰動作制御のサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
8a、8b ヒータ 19 操作パネル 42 制御回路 102 再沸騰/カルキ除去設定キー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内容液をヒータにより加熱して、湯沸し
    を行う湯沸しモードと、内容液を所定時間の間だけ沸騰
    状態としてカルキ除去を行うカルキ除去モードとを持っ
    た電気貯湯容器のカルキ除去装置であって、 カルキ除去モードを人為的に実行させるカルキ除去設定
    操作手段と、カルキ除去モードが行われたときこれを記
    憶しておく記憶手段と、カルキ除去設定操作手段が操作
    されたとき、先のカルキ除去において沸騰が持続された
    所定時間よりも短い所定時間の間だけ沸騰を持続させる
    カルキ除去モードを実行するカルキ除去制限手段とを備
    えたことを特徴とする電気貯湯容器のカルキ除去制御装
    置。
  2. 【請求項2】 内容液をヒータにより加熱して、湯沸し
    を行う湯沸しモードと、内容液を所定時間の間だけ沸騰
    状態としてカルキ除去を行うカルキ除去モードとを持っ
    た電気貯湯容器のカルキ除去装置であって、 カルキ除去モードを人為的に実行させるカルキ除去設定
    操作手段と、カルキ除去モードが行われたときこれの実
    行回数をカウントするカウント手段と、カルキ除去設定
    操作手段が操作されたとき、カウント回数に対応して先
    のカルキ除去において沸騰が持続された所定時間よりも
    短い所定時間の間だけ沸騰を持続させるカルキ除去モー
    ドを実行させるカルキ除去制限手段とを備えたことを特
    徴とする電気貯湯容器のカルキ除去制御装置。
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