JP2752898B2 - V曲げ加工におけるスプリングバック角度計測装置 - Google Patents

V曲げ加工におけるスプリングバック角度計測装置

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JP2752898B2
JP2752898B2 JP5323849A JP32384993A JP2752898B2 JP 2752898 B2 JP2752898 B2 JP 2752898B2 JP 5323849 A JP5323849 A JP 5323849A JP 32384993 A JP32384993 A JP 32384993A JP 2752898 B2 JP2752898 B2 JP 2752898B2
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bending angle
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    • G05B19/02Programme-control systems electric
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    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下の金型によって挟
圧されることによりV曲げ加工されるワークの弾性戻り
量としてのスプリングバック角度を計測するV曲げ加工
におけるスプリングバック角度計測装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、上型(パンチ)と下型(ダイ)と
によって板状のワークを挟圧することによりV曲げ加工
を行う例えばプレスブレーキのような曲げ加工機におい
て、ワークの材質や板厚、金型条件等のデータに基づい
てNC装置によって上型もしくは下型の追い込み量を制
御するようにしたものが知られている。この種の曲げ加
工機においては、ワークの板厚や材料特性値のばらつき
等の要因によって前述の追い込み量を精度良く制御する
ことが困難であることから、曲げ工程中のワークの曲げ
角度をインラインで計測し、その計測結果を金型の追い
込み量にフィードバックして曲げ精度を高めるようにし
たものが提案されている。この場合、ワークの材質や板
厚、金型条件等によってワークのスプリングバック(弾
性による戻り)角度も変化するので、このスプリングバ
ック角度をインラインで検出することが必要となる。
【0003】例えば特開昭61−229421号公報に
開示されているように、スプリングバック角度の計測は
次のようにして行われる。すなわち、上下の金型を相対
的に近接させて任意の曲げ角度(θA )まで曲げ加工を
行った後、上下の金型を微速にて相対的に離脱させ、十
分に離脱してワークに加わる加圧力が零になった時点で
の曲げ角度θB を計測する。そして、この計測結果から
曲げ角度θA におけるスプリングバック角度ΔθA を式
ΔθA =θB −θA により得る。一般に、前記スプリン
グバック角度ΔθA は、図13に示されているように、
曲げ角度θが約165°より鈍角の領域、すなわち曲げ
の初期領域を除く領域においてその曲げ角度θとリニア
(相関係数r=0.96)な関係にあることが知られて
いる。したがって、ワークの曲げ角度θを変更して前述
のようなスプリングバック角度Δθの計測を繰り返すこ
とにより、曲げ角度θとスプリングバック角度Δθとの
関係が容易に求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な手法によってスプリングバック角度を計測するには、
ワークに加わる加圧力が零になる位置、言い換えれば上
型(もしくは下型)がワークから離間する位置までワー
クに対する加圧力を除荷することが必要となる。しかし
ながら、実際の曲げ加工では、図14(a)に示されて
いるように、曲げ位置がワーク52の端部に設定されて
いる場合がほとんどであるため、上金型51をワーク5
2から離間させる際にそのワーク52が下金型53から
浮き上がってしまい(図14(b)参照)、ワーク52
のずれによってそのワーク52と上金型51との接触点
が変わってしまう(図14(c)参照)。そして、この
状態から再度ワーク52を加圧すると、計測した曲げ角
度θとスプリングバック角度Δθとの関係が変わってし
まって制御結果に大きな誤差が生じることとなる。
【0005】本発明は、前述のような問題点を解消する
ためになされたもので、ワークに対する完全な除荷を行
わない段階でそのワークのスプリングバック角度を精度
良く検出することのできるV曲げ加工におけるスプリン
グバック角度計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明によるV曲げ加工におけるスプリングバッ
ク角度計測装置は、上下の金型によって挟圧されること
によりV曲げ加工されるワークの弾性戻り量としてのス
プリングバック角度を計測するスプリングバック角度計
測装置に係るものであって、第1に、(a)前記ワーク
の曲げ工程中に前記金型の昇降動位置を検出する金型位
置検出手段、(b)前記ワークの曲げ工程中にそのワー
クの曲げ角度を検出する曲げ角度検出手段、(c)前記
ワークの曲げ工程中にそのワークに加わる加圧力を検出
する加圧力検出手段、および、(d)前記金型の任意の
昇降動位置にて前記曲げ角度検出手段により検出される
前記ワークの第1の曲げ角度を記憶し、前記ワークに加
わる加圧力が零にならない範囲で低減されるよう前記金
型を昇降動させるときに前記金型位置検出手段および前
記加圧力検出手段によりそれぞれ検出される前記金型の
昇降動位置および前記加圧力に基づいて前記金型の単位
昇降動距離当たりの前記加圧力の増分値を演算するとと
もに、この増分値が一定値に保たれているときの前記金
型の昇降動位置に対応する前記曲げ角度検出手段および
前記加圧力検出手段により検出されるそれぞれ少なくと
も2点ずつの前記曲げ角度および前記加圧力に基づいて
一次近似により前記加圧力が零になるときの前記金型の
昇降動位置を演算してその演算される金型の昇降動位置
における前記ワークの第2の曲げ角度を推定し、この第
2の曲げ角度と前記第1の曲げ角度との差分から前記ワ
ークのスプリングバック角度を演算する記憶・演算手段
を備えることを特徴とするものである。ここで、前記金
型位置検出手段としては、金型を昇降動させる金型駆動
部に取り付けられる位置センサとしてもよいし、あるい
は、金型内に埋め込まれる変位センサとしてもよい。
【0007】また、第2に、(a)前記ワークの曲げ工
程中にそのワークの曲げ角度を検出する曲げ角度検出手
段、(b)前記ワークの曲げ工程中にそのワークに加わ
る加圧力を検出する加圧力検出手段、および、(c)前
記金型の任意の昇降動位置にて前記曲げ角度検出手段お
よび前記加圧力検出手段によりそれぞれ検出される前記
ワークの第1の曲げ角度および第1の加圧力を記憶する
とともに、前記ワークに加わる加圧力が低減されるよう
前記金型を昇降動させるときに前記加圧力検出手段によ
り検出される加圧力が前記第1の加圧力に対して所定の
比率となる第2の加圧力での前記曲げ角度検出手段によ
り検出される前記ワークの第2の曲げ角度を記憶し、さ
らに前記ワークに加わる加圧力が所定の小さな値になる
まで前記金型を昇降動させてその昇降動位置にて前記曲
げ角度検出手段および前記加圧力検出手段によりそれぞ
れ検出される前記ワークの第3の曲げ角度および第3の
加圧力を記憶して、前記第2,第3の曲げ角度および前
記第2,第3の加圧力に基づいて一次近似により前記加
圧力が零になるときの前記ワークの第4の曲げ角度を推
定し、この第4の曲げ角度と前記第1の曲げ角度との差
分から前記ワークのスプリングバック角度を演算する記
憶・演算手段を備えることを特徴とするものである。こ
こで、前記一次近似による第4の曲げ角度の推定は、3
点以上の曲げ角度および加圧力のデータサンプリングに
基づいて行うことができる。また、前記第2の加圧力は
前記第1の加圧力の1/2に設定するとよい。
【0008】また、本発明によるV曲げ加工におけるス
プリングバック角度計測装置は、第3に、(a)前記ワ
ークの曲げ工程中にそのワークの曲げ角度を検出する曲
げ角度検出手段、(b)前記ワークの曲げ工程中にその
ワークに加わる加圧力を検出する加圧力検出手段、およ
び、(c)前記金型の任意の昇降動位置にて前記曲げ角
度検出手段および前記加圧力検出手段によりそれぞれ検
出される前記ワークの第1の曲げ角度および第1の加圧
力を記憶し、前記ワークに加わる加圧力が零にならない
範囲で低減されるよう前記金型を昇降動させるときに前
記曲げ角度検出手段および前記加圧力検出手段によりそ
れぞれ検出される前記ワークの曲げ角度および前記加圧
力に基づいてその加圧力の単位変化量当たりの前記曲げ
角度の増分値を演算するとともに、この増分値が一定値
に保たれているときの前記曲げ角度検出手段および前記
加圧力検出手段により検出されるそれぞれ少なくとも2
点ずつの前記曲げ角度および前記加圧力に基づいて一次
近似により前記加圧力が零になるときの前記ワークの第
2の曲げ角度を推定し、この第2の曲げ角度と前記第1
の曲げ角度との差分から前記ワークのスプリングバック
角度を演算する記憶・演算手段を備えることを特徴とす
るものである。前記各発明において、曲げ角度検出手段
としては、ワークの表面に投光されるスリット光を撮像
して画像処理によりそのワークの曲げ角度を検出するも
のとすることができる。また、前記加圧力検出手段とし
ては、金型を昇降動させる金型駆動部に取り付けられる
荷重センサとするのがよい。また、本発明によるV曲げ
加工におけるスプリングバック角度計測装置は、下金型
が固定で上金型が駆動されるオーバードライブ式の曲げ
加工機に適用することができるし、上金型が固定で下金
型が駆動されるアンダードライブ式の曲げ加工機にも適
用することができる。
【0009】
【作用】本発明の前記第1の特徴を有するV曲げ加工に
おけるスプリングバック角度計測装置においては、ま
ず、金型の任意の昇降動位置(除荷開始位置)でのワー
クの第1の曲げ角度が検出されて記憶され、次いで、ワ
ークに対する加圧力が零にならない範囲で低減されるよ
うに金型が昇降動され、この昇降動時に検出される金型
の昇降動位置および加圧力に基づいてその金型の単位昇
降動距離当たりの加圧力の増分値が演算される。そし
て、この増分値が一定値に保たれているときに金型の昇
降動位置に対応して検出されるそれぞれ少なくとも2点
ずつの曲げ角度および加圧力に基づいて一次近似により
その加圧力が零になるときの金型の昇降動位置(完全除
荷位置)が演算されてその演算される昇降動位置におけ
るワークの第2の曲げ角度が推定され、この第2の曲げ
角度と前記第1の曲げ角度との差分からワークのスプリ
ングバック角度が演算される。こうして、ワークに対す
る完全な除荷を行わない段階でそのワークのスプリング
バック角度が検出される。したがって、ワークと金型と
の接触点のずれを生じることがなく、スプリングバック
角度の検出精度の向上が図られる。
【0010】また、本発明の前記第2の特徴を有するV
曲げ加工におけるスプリングバック角度計測装置におい
ては、まず、金型の任意の昇降動位置(除荷開始位置)
でのワークの第1の曲げ角度および第1の加圧力がそれ
ぞれ検出されて記憶され、次いで、ワークに対する加圧
力が低減されるように金型が昇降動され、この昇降動時
に検出される加圧力が前記第1の加圧力に対して所定の
比率となる第2の加圧力でのワークの第2の曲げ角度が
検出されて記憶される。そして、さらにワークに加わる
加圧力が所定の小さな値になるまで金型が昇降動され、
その昇降動位置でのワークの第3の曲げ角度および第3
の加圧力がそれぞれ検出されて記憶され、前記第2,第
3の曲げ角度および前記第2,第3の加圧力に基づいて
一次近似により加圧力が零になるときのワークの第4の
曲げ角度が推定され、この第4の曲げ角度と前記第1の
曲げ角度との差分からワークのスプリングバック角度が
演算される。こうして、上下の各金型の相対変位を精密
に計測することなく、スプリングバック角度を精度良く
検出することが可能となる。ここで、前記第2の加圧力
は前記第1の加圧力の1/2に設定することで、この第
2の加圧力以下の範囲で加圧力と曲げ角度とがリニアな
関係となる。
【0011】さらに、本発明の前記第3の特徴を有する
V曲げ加工におけるスプリングバック角度計測装置にお
いては、まず、金型の任意の昇降動位置(除荷開始位
置)でのワークの第1の曲げ角度および第1の加圧力が
それぞれ検出されて記憶され、次いで、ワークに対する
加圧力が零にならない範囲で低減されるように金型が昇
降動され、この昇降動時に検出されるワークの曲げ角度
および加圧力に基づいてその加圧力の単位変化量当たり
の曲げ角度の増分値が演算される。そして、この増分値
が一定値に保たれているときのそれぞれ少なくとも2点
ずつの曲げ角度および加圧力に基づいて一次近似により
その加圧力が零になるときのワークの第2の曲げ角度が
推定され、この第2の曲げ角度と前記第1の曲げ角度と
の差分からワークのスプリングバック角度が演算され
る。こうして、前記第2の特徴を有する装置と同様、上
下の各金型の相対変位を精密に計測することなく、スプ
リングバック角度を精度良く検出することが可能とな
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明によるV曲げ加工におけるスプ
リングバック角度計測装置の具体的実施例について、図
面を参照しつつ説明する。
【0013】(第1実施例)本発明の第1実施例のシス
テム構成が示されている図1において、本実施例のプレ
スブレーキにおいては、固定の水平テーブル上に取り付
けられる下金型11と、この下金型11に対して昇降駆
動されるラムの下端に取り付けられる上金型12とが備
えられ、下金型11上に載置される板状のワーク13に
対して上金型12が下降されることによりそのワーク1
3の曲げ加工が行われるようになっている。
【0014】上金型12の昇降動位置は上金型位置検出
装置14により検出され、ワーク13の曲げ角度は曲げ
角度検出装置15により検出され、また、ワーク13に
加えられる加圧力(成形力)は成形力検出装置16によ
り検出される。そして、これら各検出装置14,15,
16から出力される検出信号は記憶・演算装置17に入
力され、この記憶・演算装置17は、各入力情報に基づ
いて所定のプログラムにしたがって演算を実行し、上金
型駆動装置(ラム)18に上金型12の昇降動信号を出
力する。
【0015】次に、本実施例における上金型12の位置
制御およびスプリングバック角度の演算手順を図2を用
いて説明する。まず、上金型12を任意の昇降動位置
(除荷開始位置)まで下降させてワーク13を曲げ加工
し、その除荷開始位置におけるワーク13の曲げ角度θ
1 を曲げ角度検出装置15により検出する(図3
(a))。次いで、上金型12を微速上昇させ、その上
昇時に逐次上金型位置検出装置14および成形力検出装
置16により上金型12の昇降動位置およびワーク13
に加わる加圧力をそれぞれ検出する(図3(b))。そ
して、このようにして得られるサンプリングデータか
ら、記憶・演算装置17において、上金型12の単位上
昇距離当たりの成形力の増分を逐次演算する。なお、前
述の上金型位置検出装置14および成形力検出装置16
には汎用計測装置で応答の速いものが容易に利用できる
ので、データサンプリングを高速で行うことができる。
【0016】次に、成形力の増分値が一定値に収束した
点(2階微分値=0の点)で、曲げ角度検出装置15に
よりワーク13の曲げ角度を検出する(図3(c))。
次いで、この点からワーク13を保持できる成形力(成
形力>0で十分に小さな値)として予め設定されている
成形力に至るまで上金型12をさらに微速上昇させ、そ
の上昇時に逐次上金型位置検出装置14および成形力検
出装置16により上金型12の昇降動位置およびワーク
13に加わる加圧力をそれぞれ検出する。そして、設定
成形力に至った点で再度ワーク13の曲げ角度を曲げ角
度検出装置15により検出する(図3(d))。
【0017】次に、前述の成形力の増分値が一定値に収
束した点以降の曲げ角度および成形力の各サンプリング
データから、曲げ角度〜上金型位置の関係および成形力
〜上金型位置の関係を一次近似式(直線近似式)により
演算し、この近似式により成形力が零になる上金型位置
を算出してその上金型位置におけるワーク13の曲げ角
度θ2 を推定する。そして、こうして得られる曲げ角度
θ2 と前述の除荷開始位置での曲げ角度θ1 との差θ2
−θ1 をスプリングバック角度Δθとする(図3
(e))。
【0018】図3には、前述のスプリングバック角度の
演算手順のフローチャートが示されている。次に、この
フローチャートについて図4を参照しながら説明する。 ステップS1:このフローをスタートすると、まず、ワ
ーク13の寸法,板厚,下金型11のV型寸法等の幾何
形状から、F3 点(設定成形力)を演算により求める。 ステップS2:除荷開始位置まで金型を相対的に近接さ
せる。 ステップS3:データサンプル数を示す序数iの値を1
に設定する。 ステップS4〜S6:除荷開始位置において、荷重セン
サ(成形力検出装置16)により荷重(加圧力)F
i (=F1 )を検出し、位置センサ(上金型位置検出装
置14)によりラム位置Di (=D1 )を検出し、角度
センサ(曲げ角度検出装置15)により曲げ角度θ
i (=θ1 )を検出する。 ステップS7:制御可能な最小量だけ金型を相対的に離
脱させる。 ステップS8:iを1だけ加算する。 ステップS9〜S10:荷重センサにより荷重Fi を検
出し、位置センサによりラム位置Di を検出する。 ステップS11:荷重Fの金型単位昇降動距離当たりの
増分値Fi ’を、次式により演算する。 Fi ’=(Fi −Fi-1 )/(Di −Di-1 ) ステップS12:iが3以上(i≧3)になったかどう
かを判定し、3以上になっていない(NO)というとき
にはステップS8に戻ってiを加算してステップS12
までのフローを繰り返し、3以上になった(YES)と
いうときには次のステップS13へ進む。 ステップS13:今回の増分値Fi ’と前回の増分値F
i-1 ’との比Fi ”(=Fi ’/Fi-1 ’)を演算す
る。 ステップS14:Fi ”が1に十分近いか、すなわち例
えば不等式0.95<Fi ”<1.05が満足されてい
るか否かを判定することによって、増分値Fi’が一定
値に収束しているか否かを判定し、一定値に収束してい
る(YES)場合には次のステップS15へ進み、収束
していない(NO)場合にはステップS7へ戻ってステ
ップS7〜S14を繰り返す。 ステップS15:F2 =Fi とし、D2 =Di とする。 ステップS16:iを1だけ加算する。 ステップS17:制御可能な最小量だけ金型を相対的に
離脱させる。 ステップS18:荷重センサにより荷重Fi を検出す
る。 ステップS19:検出された荷重Fi がステップS1に
て設定されたF3 以下(Fi ≦F3 )となったかどうか
を判定し、F3 以下となった(YES)というときには
次のステップS20へ進み、F3 より大きい(NO)と
いうときにはステップS16へ戻ってステップS19ま
でのフローを繰り返す。 ステップS20〜S21:位置センサによりラム位置D
i を検出し、角度センサにより曲げ角度θi を検出す
る。 ステップS22:F3 =Fi ,D3 =Di ,θ3 =θi
とする。 ステップS23:上金型位置(D)〜成形力(F)曲線
において、点(D2 ,F2 )および点(D3 ,F3 )間
を直線近似して、荷重を零まで除荷したときの上金型位
置(下死点位置)D4 を次式にて推定する。 D4 =(F3 ・D2 −F2 ・D3 )/(F3 −F2 ) ステップS24:ステップS23で演算された上金型位
置D4 に対応する曲げ角度θ4 を次式にて推定する。 θ4 =(D4 ・θ3 −D4 ・θ1 −D1 ・θ3 +D3
θ1 )/(D3 −D1 ) ステップS25:スプリングバック角度Δθを次式によ
り演算する。 Δθ=θ4 −θ1
【0019】本実施例においては、除荷中にワークに加
えられる成形力の増分が一定値に保たれているときに検
出される2点の上金型位置〜成形力のデータに基づいて
成形力が零になる上金型位置を演算するようにしたもの
を説明したが、データサンプリング回数を増やすことで
検出精度をより高めることができる。また、同様に、曲
げ角度の検出値についてもデータサンプリング回数を増
やすことが可能である。
【0020】また、本実施例では、除荷時の加圧力と上
金型位置とからワークのスプリングバック角度を推定す
るようにしているが、金型やプレスの変形,ガタ等の影
響を排除するためには、単に上金型位置を検出するので
はなく、上下の金型の相対変位を検出するのが望まし
い。なお、この金型の相対変位を検出するには、例えば
変位センサを金型内に埋め込むなどの方法がある。
【0021】本実施例において、上金型位置検出装置1
4としては、この上金型12を昇降動させるラム駆動部
に取り付けられる位置センサとしてもよいし、あるい
は、下金型11内に埋め込まれる変位センサとしてもよ
い。
【0022】(第2実施例)この実施例は、金型位置を
検出することなくスプリングバック角度を計測すること
を可能とする計測装置を提案するものである。本実施例
のシステム構成が示されている図5において、第1実施
例と共通もしくは相当する部分には同一符号が付されて
いる。本実施例では、第1実施例における上金型位置検
出装置14が不要であり、曲げ角度検出装置15および
成形力検出装置16から出力される検出信号は記憶・演
算装置17に入力され、この記憶・演算装置17は、各
入力情報に基づいて所定のプログラムにしたがって演算
を実行し、上金型駆動装置(ラム)18に上金型12の
昇降動信号を出力する。
【0023】次に、本実施例における上金型12の位置
制御およびスプリングバック角度の演算手順を図6を用
いて説明する。まず、上金型12を除荷開始位置Aまで
下降させてワーク13を曲げ加工し、その除荷開始位置
Aにおけるワーク13の曲げ角度θ1 を曲げ角度検出装
置15により検出するとともに、この除荷開始位置Aで
の加圧力(成形力)F1 を成形力検出装置16により検
出する。次いで、上金型12を微速上昇させ、成形力が
除荷開始位置Aでの成形力F1 に比較して予め定められ
た比率(例えば0.5)となった点Bで曲げ角度θ2
検出する。そして、このときの成形力をF2 (=0.5
×F1 )とする。
【0024】次いで、この点Bからワーク13を保持で
きる成形力(成形力>0で十分に小さな値)として予め
設定されている成形力F3 (点C)に至るまで上金型1
2をさらに微速上昇させ、この点Cで曲げ角度θ3 を検
出する。なお、前記成形力F 3 は例えばワーク13の寸
法,板厚,下金型11のV型寸法等から容易に演算され
る。
【0025】次に、データ検知した2点B,Cの範囲に
おいて成形力F〜曲げ角度θの関係を直線として演算す
る。こうして成形力=0となる点Dの曲げ角度θ4 が容
易に演算される。そして、こうして得られる曲げ角度θ
4 と除荷開始位置Aでの曲げ角度θ1 との差θ4 −θ1
をスプリングバック角度Δθとする。
【0026】図7には、本実施例におけるスプリングバ
ック角度の演算手順のフローチャートが示されている。
次に、このフローチャートについて説明する。 ステップT1:このフローをスタートすると、まず、ワ
ーク13の寸法,板厚,下金型11のV型寸法等の幾何
形状から、F3 点(設定成形力)を演算により求める。 ステップT2:除荷開始位置まで金型を相対的に近接さ
せる。 ステップT3:データサンプル数を示す序数iの値を1
に設定する。 ステップT4〜T5:除荷開始位置において、荷重セン
サ(成形力検出装置16)により荷重(加圧力)F
i (=F1 )を検出し、角度センサ(曲げ角度検出装置
15)により曲げ角度θi (=θ1 )を検出する。 ステップT6:除荷開始位置の荷重F1 に対して所定の
比率(0.5×F1 )となる荷重値F2 を決定する。 ステップT7:iを1だけ加算する。 ステップT8:制御可能な最小量だけ金型を相対的に離
脱させる。 ステップT9:荷重センサにより荷重Fi を検出する。 ステップT10:検出された荷重Fi がステップT6に
て設定されたF2 以下(Fi ≦F2 )となったかどうか
を判定し、F2 以下となった(YES)というときには
次のステップT11へ進み、F2 より大きい(NO)と
いうときにはステップT7へ戻ってステップT10まで
のフローを繰り返す。 ステップT11:角度センサにより曲げ角度θi を検出
する。 ステップT12:F2 =Fi とし、θ2 =θi とする。 ステップT13:iを1だけ加算する。 ステップT14:制御可能な最小量だけ金型を相対的に
離脱させる。 ステップT15:荷重センサにより荷重Fi を検出す
る。 ステップT16:検出された荷重Fi がステップT1に
て設定されたF3 以下(Fi ≦F3 )となったかどうか
を判定し、F3 以下となった(YES)というときには
次のステップT17へ進み、F3 より大きい(NO)と
いうときにはステップT13へ戻ってステップT16ま
でのフローを繰り返す。 ステップT17:角度センサにより曲げ角度θi を検出
する。 ステップT18:F3 =Fi ,θ3 =θi とする。 ステップT19:荷重を零まで除荷した場合の曲げ角度
θ4 を次式にて推定する。 θ4 =(F3 ・θ2 −F2 ・θ3 )/(F3 −F2 ) ステップT20:スプリングバック角度Δθを次式によ
り演算する。 Δθ=θ4 −θ1
【0027】図8(a)〜(g)は、F1 とF2 との比
率を求めるために、材質(SPCCもしくはSUS30
4),板厚(t1.6もしくはt2.0),ワーク長さ
(L=200〜1200)を変えて約90°のV曲げ加
工を行い、除荷時の荷重(F)−曲げ角度(θ)の関係
を試験した結果を示すものである。これらの図におい
て、破線は荷重が除荷開始荷重の1/2となる位置を示
している。この試験結果から明らかなように、前述のF
2 点を除荷開始荷重(F1 )の1/2に選定すれば、こ
のF2 より小さな荷重範囲(破線より左側)において荷
重(F)−曲げ角度(θ)の関係は直線で近似すること
が可能となる。なお、この荷重範囲において荷重(F)
−曲げ角度(θ)の相関係数は0.99以上となること
が確認された。
【0028】また、前記F3 の値は、ワークが曲がって
いないときのモーメント(最大モーメントとなる)に基
づいて次のようにして設定される。すなわち、図9に示
されているように、曲げ後の脚長のうち長い方をL、下
金型のV溝幅をVとすると、単位曲げ長さ(紙面奥行方
向)当たりのモーメントの釣り合いから次式が成り立
つ。なお、支点より左側のワーク重量は無視するものと
する。 F・(1/2)V=(1/2)・(L−(1/2)V)
2 ・t・ρ (但し、F:荷重,t:板厚,ρ:比重) したがって、F3 の算出に当たっては、この式より得ら
れるFに対して次式により得られる値および本体制御部
で決定される制御可能な最小の荷重(加圧力)のうちの
いずれか大きい値を用いる。 F3 =κ・F・W (但し、W:曲げ長さ,κ:1より大きい係数) 具体例として、板幅W=1000mm,板厚3.2mm
の軟鋼板を、V幅25mmの下金型を用いて脚長900
mmに曲げようとするときのFの値は次のようになる。 F=0.5×(900−12.5)2 ×3.2×(7.
85×10-6)/12.5=0.791 したがって、κ=1.2とすればF3 の値は次のように
なる。 F3 =1.2×0.791×1000=950kgf≒
1tonf
【0029】図10には、本実施例の演算手法により得
られるスプリングバック角度と実際のスプリングバック
角度との比較試験の結果が示されている。この試験はF
2 =0.5×F1 ,F3 =200kgfとして、2点の
サンプリングデータから得たものである。なお、図にお
いて、横軸は除荷開始時点の曲げ角度を、縦軸は推定ス
プリングバック角度(Δθ’)と実際のスプリングバッ
ク角度(Δθ)との差Δθ’−Δθを示し、白ぬきの丸
印はSPCC(t1.6),黒塗りの丸印はSUS43
0(t1.5)をそれぞれ示している。この試験結果か
ら、本実施例の演算手法によりスプリングバック角度が
高精度に推定できることが明らかである。
【0030】本実施例においても、第1実施例と同様、
直線部を推定するためのデータサンプリング回数を3回
以上とすることで検出精度をより高めることができる。
【0031】(第3実施例)前記第2実施例では、荷重
(F)−曲げ角度(θ)の関係が直線となる領域を除荷
開始点の荷重に対して一定の比率(0.5)となる点以
下に設定するようにしているが、本実施例では、荷重
(F)−曲げ角度(θ)の関係を連続的にサンプリング
して増分値が一定となった点を直線近似の判定点とする
ようにしている。
【0032】次に、本実施例における上金型12の位置
制御およびスプリングバック角度の演算手順を図5,図
11を用いて説明する。まず、上金型12を除荷開始位
置Aまで下降させてワーク13を曲げ加工し、その除荷
開始位置Aにおけるワーク13の曲げ角度θ1 を曲げ角
度検出装置15により検出する。次いで、上金型12を
微速上昇させ、その上昇時に逐次曲げ角度検出装置15
および成形力検出装置16によりワーク13の曲げ角度
およびそのワーク13に加わる成形力をそれぞれ検出す
る。そして、このようにして得られるサンプリングデー
タから、記憶・演算装置17において、成形力の単位変
化量当たりの曲げ角度の増分を逐次演算する。
【0033】次に、曲げ角度の増分値が一定値に収束し
た点(2階微分値=0の点)で、曲げ角度検出装置15
によりワーク13の曲げ角度θ2 を検出する。次いで、
この点からワーク13を保持できる成形力(成形力>0
で十分に小さな値)として予め設定されている成形力に
至るまで上金型12をさらに微速上昇させ、その上昇時
に逐次曲げ角度検出装置15および成形力検出装置16
によりワーク13の曲げ角度およびそのワーク13に加
わる成形力をそれぞれ検出する。そして、設定成形力に
至った点で再度ワーク13の曲げ角度θ3 を曲げ角度検
出装置15により検出する。
【0034】次に、前述の成形力の増分値が一定値に収
束した点以降の曲げ角度および成形力の各サンプリング
データから、曲げ角度〜成形力の関係を一次近似式(直
線近似式)により演算し、この近似式により成形力が零
になるワーク13の曲げ角度θ4 を推定する。そして、
こうして得られる曲げ角度θ4 と前述の除荷開始位置で
の曲げ角度θ1 との差θ4 −θ1 をスプリングバック角
度Δθとする。
【0035】図12には、本実施例におけるスプリング
バック角度の演算手順のフローチャートが示されてい
る。次に、このフローチャートについて説明する。 ステップU1:このフローをスタートすると、まず、ワ
ーク13の寸法,板厚,下金型11のV型寸法等の幾何
形状から、F3 点(設定成形力)を演算により求める。 ステップU2:除荷開始位置まで金型を相対的に近接さ
せる。 ステップU3:データサンプル数を示す序数iの値を1
に設定する。 ステップU4〜U5:除荷開始位置において、荷重セン
サ(成形力検出装置16)により荷重(加圧力)F
i (=F1 )を検出し、角度センサ(曲げ角度検出装置
15)により曲げ角度θi (=θ1 )を検出する。 ステップU6:制御可能な最小量だけ金型を相対的に離
脱させる。 ステップU7:iの値が2以上(i≧2)であるか否か
を判定し、2以上でない(NO)のときにはステップU
8へ進み、2以上である(YES)のときにはステップ
U9へ進む。 ステップU8:iを1だけ加算して、ステップU4へ戻
る。 ステップU9:荷重Fの単位変化量当たりの曲げ角度θ
の増分値θi ’を、次式により演算する。 θi ’=(θi −θi-1 )/(Fi −Fi-1 ) ステップU10:iを1だけ加算する。 ステップU11:制御可能な最小量だけ金型を相対的に
離脱させる。 ステップU12〜U13:荷重センサにより荷重(加圧
力)Fi を検出し、角度センサにより曲げ角度θi を検
出する。 ステップU14:ステップU9と同様に、荷重Fの単位
変化量当たりの曲げ角度θの増分値θi ’を演算する。 ステップU15:今回の増分値θi ’と前回の増分値θ
i-1 ’との比θi ”(=θi ’/θi-1 ’)を演算す
る。 ステップU16:θi ”が1に十分近いか、すなわち例
えば不等式0.95<θi ”<1.05が満足されてい
るか否かを判定することによって、増分値θi’が一定
値に収束しているか否かを判定し、一定値に収束してい
る(YES)場合には次のステップU17へ進み、収束
していない(NO)場合にはステップU10へ戻ってス
テップU10〜U16を繰り返す。 ステップU17:F2 =Fi とし、θ2 =θi とする。 ステップU18:iを1だけ加算する。 ステップU19:制御可能な最小量だけ金型を相対的に
離脱させる。 ステップU20:荷重センサにより荷重Fi を検出す
る。 ステップU21:検出された荷重Fi がステップU1に
て設定されたF3 以下(Fi ≦F3 )となったかどうか
を判定し、F3 以下となった(YES)というときには
次のステップU20へ進み、F3 より大きい(NO)と
いうときにはステップU18へ戻ってステップU21ま
でのフローを繰り返す。 ステップU22:角度センサにより曲げ角度θi を検出
する。 ステップU23:F3 =Fi とし、θ3 =θi とする。 ステップU24:曲げ角度(θ)〜成形力(F)曲線に
おいて、点(θ2 ,F 2 )および点(θ3 ,F3 )間を
直線近似して、荷重を零まで除荷したときの曲げ角度θ
4 を次式にて推定する。 θ4 =(F3 ・θ2 −F2 ・θ3 )/(F3 −F2 ) ステップU25:ステップU24で演算された曲げ角度
θ4 とステップU5で検出された曲げ角度θ1 とからス
プリングバック角度Δθを次式により演算する。 Δθ=θ4 −θ1
【0036】前記第2実施例または第3実施例によれ
ば、金型やプレスの変形,ガタ等の影響を受け易い上下
の金型の相対変位を検出することなくスプリングバック
角度を精度良く検出することができる。
【0037】前記各実施例において、曲げ角度検出装置
15としては、接触式や非接触式の各種検出装置を用い
ることができるが、例えばワーク13の表面に投光され
るスリット光を撮像して画像処理によりそのワーク13
の曲げ角度を検出するものとするのが好適である。
【0038】また、成形力検出装置16としては、上金
型12を昇降動させるラム駆動部に取り付けられる荷重
センサとすることができる。
【0039】さらに、前記各実施例においては、上金型
を駆動するタイプ(オーバードライブ式)の曲げ加工機
に適用したものを説明したが、本発明は、上金型を固定
させて下金型を駆動させるタイプ(アンダードライブ
式)の曲げ加工機に対しても適用できるのは言うまでも
ない。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ワークに対する完全な除荷を行わない段階でそのワ
ークのスプリングバック角度を検出することができるの
で、完全除荷によるワークの浮き上がりを防止すること
ができ、検出精度の向上を図ることができる。したがっ
て、金型の追い込み量制御の精度向上に大きく寄与する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るスプリングバック角
度計測装置のシステム構成図
【図2】第1実施例のスプリングバック角度計測装置に
おける上金型位置に対する曲げ角度および成形力の関係
を示すグラフ
【図3】第1実施例のスプリングバック角度計測装置に
おけるスプリングバック角度の演算手順を示すフローチ
ャート
【図4】第1実施例のスプリングバック角度計測装置に
おけるスプリングバック角度の演算手順を説明するグラ
【図5】本発明の第2実施例に係るスプリングバック角
度計測装置のシステム構成図
【図6】第2実施例のスプリングバック角度計測装置に
おけるスプリングバック角度の演算手順を説明するグラ
【図7】第2実施例のスプリングバック角度計測装置に
おけるスプリングバック角度の演算手順を示すフローチ
ャート
【図8】第2実施例のスプリングバック角度計測装置に
おける除荷時の荷重−曲げ角度の関係を試験した結果を
示すグラフ
【図9】第2実施例のスプリングバック角度計測装置に
おけるF3 点の算出例を説明する説明図
【図10】第2実施例のスプリングバック角度計測装置
におけるスプリングバック角度の比較試験の結果を示す
グラフ
【図11】第3実施例のスプリングバック角度計測装置
におけるスプリングバック角度の演算手順を説明するグ
ラフ
【図12】第3実施例のスプリングバック角度計測装置
におけるスプリングバック角度の演算手順を示すフロー
チャート
【図13】曲げ角度とスプリングバック角度との関係を
示すグラフ
【図14】従来のスプリングバック角度計測方法の問題
点を説明する図
【符号の説明】
11 下金型 12 上金型 13 ワーク 14 上金型位置検出装置(金型位置検出手段) 15 曲げ角度検出装置(曲げ角度検出手段) 16 成形力検出装置(加圧力検出手段) 17 記憶・演算装置(記憶・演算手段) 18 上金型駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 5/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の金型によって挟圧されることによ
    りV曲げ加工されるワークの弾性戻り量としてのスプリ
    ングバック角度を計測するスプリングバック角度計測装
    置であって、(a)前記ワークの曲げ工程中に前記金型
    の昇降動位置を検出する金型位置検出手段、(b)前記
    ワークの曲げ工程中にそのワークの曲げ角度を検出する
    曲げ角度検出手段、(c)前記ワークの曲げ工程中にそ
    のワークに加わる加圧力を検出する加圧力検出手段、お
    よび、(d)前記金型の任意の昇降動位置にて前記曲げ
    角度検出手段により検出される前記ワークの第1の曲げ
    角度を記憶し、前記ワークに加わる加圧力が零にならな
    い範囲で低減されるよう前記金型を昇降動させるときに
    前記金型位置検出手段および前記加圧力検出手段により
    それぞれ検出される前記金型の昇降動位置および前記加
    圧力に基づいて前記金型の単位昇降動距離当たりの前記
    加圧力の増分値を演算するとともに、この増分値が一定
    値に保たれているときの前記金型の昇降動位置に対応す
    る前記曲げ角度検出手段および前記加圧力検出手段によ
    り検出されるそれぞれ少なくとも2点ずつの前記曲げ角
    度および前記加圧力に基づいて一次近似により前記加圧
    力が零になるときの前記金型の昇降動位置を演算してそ
    の演算される金型の昇降動位置における前記ワークの第
    2の曲げ角度を推定し、この第2の曲げ角度と前記第1
    の曲げ角度との差分から前記ワークのスプリングバック
    角度を演算する記憶・演算手段を備えることを特徴とす
    るV曲げ加工におけるスプリングバック角度計測装置。
  2. 【請求項2】 前記金型位置検出手段が、前記金型を昇
    降動させる金型駆動部に取り付けられる位置センサであ
    る請求項1に記載のV曲げ加工におけるスプリングバッ
    ク角度計測装置。
  3. 【請求項3】 前記金型位置検出手段が、前記金型内に
    埋め込まれる変位センサである請求項1に記載のV曲げ
    加工におけるスプリングバック角度計測装置。
  4. 【請求項4】 上下の金型によって挟圧されることによ
    りV曲げ加工されるワークの弾性戻り量としてのスプリ
    ングバック角度を計測するスプリングバック角度計測装
    置であって、(a)前記ワークの曲げ工程中にそのワー
    クの曲げ角度を検出する曲げ角度検出手段、(b)前記
    ワークの曲げ工程中にそのワークに加わる加圧力を検出
    する加圧力検出手段、および、(c)前記金型の任意の
    昇降動位置にて前記曲げ角度検出手段および前記加圧力
    検出手段によりそれぞれ検出される前記ワークの第1の
    曲げ角度および第1の加圧力を記憶するとともに、前記
    ワークに加わる加圧力が低減されるよう前記金型を昇降
    動させるときに前記加圧力検出手段により検出される加
    圧力が前記第1の加圧力に対して所定の比率となる第2
    の加圧力での前記曲げ角度検出手段により検出される前
    記ワークの第2の曲げ角度を記憶し、さらに前記ワーク
    に加わる加圧力が所定の小さな値になるまで前記金型を
    昇降動させてその昇降動位置にて前記曲げ角度検出手段
    および前記加圧力検出手段によりそれぞれ検出される前
    記ワークの第3の曲げ角度および第3の加圧力を記憶し
    て、前記第2,第3の曲げ角度および前記第2,第3の
    加圧力に基づいて一次近似により前記加圧力が零になる
    ときの前記ワークの第4の曲げ角度を推定し、この第4
    の曲げ角度と前記第1の曲げ角度との差分から前記ワー
    クのスプリングバック角度を演算する記憶・演算手段を
    備えることを特徴とするV曲げ加工におけるスプリング
    バック角度計測装置。
  5. 【請求項5】 前記一次近似による前記第4の曲げ角度
    の推定は、3点以上の曲げ角度および加圧力のデータサ
    ンプリングに基づいてなされる請求項4に記載のV曲げ
    加工におけるスプリングバック角度計測装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の加圧力が前記第1の加圧力の
    1/2に設定される請求項4または5に記載のV曲げ加
    工におけるスプリングバック角度計測装置。
  7. 【請求項7】 上下の金型によって挟圧されることによ
    りV曲げ加工されるワークの弾性戻り量としてのスプリ
    ングバック角度を計測するスプリングバック角度計測装
    置であって、(a)前記ワークの曲げ工程中にそのワー
    クの曲げ角度を検出する曲げ角度検出手段、(b)前記
    ワークの曲げ工程中にそのワークに加わる加圧力を検出
    する加圧力検出手段、および、(c)前記金型の任意の
    昇降動位置にて前記曲げ角度検出手段および前記加圧力
    検出手段によりそれぞれ検出される前記ワークの第1の
    曲げ角度および第1の加圧力を記憶し、前記ワークに加
    わる加圧力が零にならない範囲で低減されるよう前記金
    型を昇降動させるときに前記曲げ角度検出手段および前
    記加圧力検出手段によりそれぞれ検出される前記ワーク
    の曲げ角度および前記加圧力に基づいてその加圧力の単
    位変化量当たりの前記曲げ角度の増分値を演算するとと
    もに、この増分値が一定値に保たれているときの前記曲
    げ角度検出手段および前記加圧力検出手段により検出さ
    れるそれぞれ少なくとも2点ずつの前記曲げ角度および
    前記加圧力に基づいて一次近似により前記加圧力が零に
    なるときの前記ワークの第2の曲げ角度を推定し、この
    第2の曲げ角度と前記第1の曲げ角度との差分から前記
    ワークのスプリングバック角度を演算する記憶・演算手
    段を備えることを特徴とするV曲げ加工におけるスプリ
    ングバック角度計測装置。
  8. 【請求項8】 前記曲げ角度検出手段が、前記ワークの
    表面に投光されるスリット光を撮像して画像処理により
    そのワークの曲げ角度を検出するものである請求項1乃
    至7のうちのいずれかに記載のV曲げ加工におけるスプ
    リングバック角度計測装置。
  9. 【請求項9】 前記加圧力検出手段が、前記金型を昇降
    動させる金型駆動部に取り付けられる荷重センサである
    請求項1乃至7のうちのいずれかに記載のV曲げ加工に
    おけるスプリングバック角度計測装置。
  10. 【請求項10】 下金型が固定で上金型が駆動されるオ
    ーバードライブ式の曲げ加工機に適用される請求項1乃
    至7のうちのいずれかに記載のV曲げ加工におけるスプ
    リングバック角度計測装置。
  11. 【請求項11】 上金型が固定で下金型が駆動されるア
    ンダードライブ式の曲げ加工機に適用される請求項1乃
    至7のうちのいずれかに記載のV曲げ加工におけるスプ
    リングバック角度計測装置。
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