JP2751794B2 - 自動車のアンダーフロア構造 - Google Patents

自動車のアンダーフロア構造

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JP2751794B2 JP20767593A JP20767593A JP2751794B2 JP 2751794 B2 JP2751794 B2 JP 2751794B2 JP 20767593 A JP20767593 A JP 20767593A JP 20767593 A JP20767593 A JP 20767593A JP 2751794 B2 JP2751794 B2 JP 2751794B2
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のアンダーフロ
ア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のアンダーフロア構造とし
て、床下をフラット化して空力特性を向上するようにし
たものが知られている。これを図11によって説明する
と、1は車体本体、3はセンターフロアで、その中央部
にフロアトンネル4を車体前後方向に形成してあり、こ
のフロアトンネル4からリヤフロア6に亘って、トラン
スミッション5、プロペラシャフト8、リヤデフ7など
の駆動伝達系を配設してある。そして、車体本体1の左
右フロントホィールハウス9,9およびダッシュロアパ
ネル11で隔成されたエンジンルーム10の下側開放部
を平板状のアンダーカバー113で閉塞し、該エンジン
ルーム10の下側を極力フラットに構成することことに
より床下部の空気流の流速を向上させ、空気抵抗および
揚力の低減を図るようにしている。
【0003】一方、このように、エンジンルーム10の
下側開放部をアンダーカバー113で閉塞した場合、図
外のラジェータを通過した高温の空気がエンジンルーム
10の下側から排出されにくくなって、エンジンルーム
10内に高温の空気がとどまり、エンジンルーム10内
の雰囲気温度が上昇したり、また、ルーム10内が高圧
となるためにラジェータ開口部より冷却空気を導入しづ
らくなって、ラジェータ性能が悪化してしまうため、前
記アンダーカバー113には左右のフロントホィールハ
ウス9,9間の領域の略全面に多数のルーバ113aを
開設し、これらルーバ113aからエンジンルーム10
内の熱気を排出するようにしている。この類似構造は、
例えば、実開昭60−105526号公報に示されてい
る。
【0004】図11に示す従来例では、アンダーカバー
113の略全面から多数のルーバ113aを通してエン
ジンルーム10内からの流速の遅い空気流が流出するた
め、このアンダーカバー113の下方で車両前方からの
高速の床下流れが減速して、センターフロア3、リヤフ
ロア6の床下流れは図のU11,U12,U13,U14で示す
ような流速分布となり、フロアの車幅方向中央部分の流
速が低くなってしまう。
【0005】これは、例えば、車速120km/h相当
の風洞実験によると、フロア下側の発熱部であるトラン
スミッション5部分、リヤデフ7部分では、いずれも冷
却風速が比較的低くなり、これらトランスミッション
5、リヤデフ7の十分な冷却効果が得られなくなってし
まう一方、車両側方のサイドフロアの流速の高い空気流
がそのまま後輪15に当たるため、後輪15での抗力が
大きくなってしまう。
【0006】また、前輪揚力に対して後輪揚力が大きく
なって操縦安定性に影響を及ぼしてしまう。
【0007】さらに、渋滞時等にはアンダーカバー11
3の略全面に設けたルーバ113aから排出されたエン
ジンルーム10内の熱気がアンダーカバー113の後方
に十分掃気されず、該アンダーカバー113の下部付近
にとどまるため、この高温の空気が再び図外のラジェー
タより循環する恐れがある。
【0008】そこで、上記の抗力を低減すると共にフロ
ア下側の発熱部の冷却効果を高めるため、他の従来例と
して、図12に示すようにアンダーカバー213後半部
に前記ルーバ113aに代って左右一対のダクト217
を設けると共にその車幅方向中央部にアンダーカバー2
13下側の空気流を縮流する絞り部221を設けて、車
両前部の高圧部から流出する空気流とアンダーカバー2
13下側の空気流とを制御することを本出願人は提案し
ている(特願平4−138440)。
【0009】こうすることにより、図13,14に示す
ように、ダクト217からの空気流は遅い流れU3 とな
って後輪15に向かい抗力低減効果を高め、一方、絞り
部221からの車両中心線に沿う空気流は縮流により速
い流れU2 となってフロア下側発熱部の冷却効果を高め
ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな自動車のアンダーフロア構造においても、車両前部
からの空気流は流速の速い領域Bと流速の遅い領域A
(図13)とに制御されているものの、つぎのような改
善すべき課題が見付かった。すなわち、遅い流れU3
領域Aが図13のようになっているため、センタフロア
3部で前輪19の後方に流速の速い領域Cが生じてしま
い、車両の凹凸面の影響により車両の空気抵抗が増加す
ると共に、前輪ブレーキの冷却に利用できる冷却風も車
両側方へ逃げてしまい十分な前輪ブレーキ冷却風が得ら
れない。この流速の速い領域Cは、ダクト217からの
遅い流れと前輪19とによって前方からの流れが縮流さ
れるために生じたもので、実験で明らかになったもので
ある。
【0011】つぎに、絞り部221で縮流された速い流
れU2 の領域Bでは、ダクト217からの遅い流れU3
の領域Aの流れの拡散により空気圧力が回復(上昇)し
てしまい、発熱部の一つであるリヤデフ7付近では速い
流れU2 がなくなり、リヤデフ7の十分な冷却風が得ら
れない。
【0012】さらに、絞り部で縮流された速い流れU2
は図14に示すように、絞り部221後端でトランスミ
ッション5から離れて、発熱部であるトランスミッショ
ン5の側面部へ流れる冷却風が減少してしまうという課
題があった。
【0013】本発明は、このような新たな課題に着目し
てなされたものであり、車両の床下の空気流れを制御す
ることにより、床下の空気抵抗を低減させると共に、ブ
レーキやトランスミッションなどの発熱部の冷却性向上
を可能にする自動車のアンダーフロア構造を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、車両前部に隔成されたエ
ンジンルーム等の高圧部の下側を平板状の床部材で閉塞
し、この床部材の車両中心線に対して略対称位置に、前
記高圧部に連通して該高圧部内の空気を後輪に指向して
流出させる一対の熱気排出部を形成すると共に、これら
一対の熱気排出部間に、車両前部から床部材の下側に沿
って流れる空気流を縮流して床部材後方のフロア下側の
発熱部に指向して流出させる絞り部を形成した自動車の
アンダーフロア構造であって、車両床下領域の後方部で
の空気流の圧力上昇を防止する熱気流出方向制御手段
と、前記絞り部から流出する空気流を車両上方へ向ける
ガイド手段と、前記絞り部から流出する空気流の前記発
熱部からの剥離を防止する剥離防止手段のうちの少なく
とも一つの手段を前記床部材の後半部に設けたことを特
徴とする。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車のアンダーフロア構造であって、前記熱気流出
方向制御手段は、前記一対の熱気排出部が車両前部にて
車両側方外側へ向いてなることを特徴とする。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車のアンダーフロア構造であって、前記熱気流出
方向制御手段は、前記一対の熱気排出部の側壁が車両後
部にて車両側方外側に指向してなることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項2または
請求項3に記載の自動車のアンダーフロア構造であっ
て、前記熱気排出部からの空気流を車両後部にて車両側
方外側に指向させる整流板を該熱気排出部に設けたこと
を特徴とする。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車のアンダーフロア構造であって、前記ガイド手
段は、エアガイドを前記絞り部後端で、前記発熱部の車
幅方向の幅を除く当該絞り部の幅範囲に配設してなるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の自動車のアンダーフロア構造であって、前記エアガイ
ドの車幅方向内側の少なくとも一端に、車両上方へ向か
う空気流と他の空気流とを隔離する隔離板を配設したこ
とを特徴とする。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車のアンダーフロア構造であって、前記剥離防止
手段は、前記発熱部の周辺部と該周辺部よりも空気圧力
が低い部分とを連通させてなることを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、熱気流出方向
制御手段、空気流のガイド手段、空気流の発熱部からの
剥離を防止する剥離防止手段のうちの少なくとも一つを
備えることにより、床下空気の流れを制御できるので、
床下の空気抵抗を低減すると共にブレーキやトランスミ
ッションなどの発熱部の冷却性を向上できる。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、一対の熱
気排出部が車両前部にて車両側方外側へ向いているの
で、熱気排出部から流出する遅い流れの領域が車両外側
へ拡大し、前輪後方の速い流れの領域が大きく減少する
ので、センターフロア領域で床下の空気抵抗が低減され
る。また、車両後部で車両中心部を通過する速い流れは
圧力が回復することなく車両後端まで達し、リヤデフの
冷却性が向上する。さらに、速い流れが前輪ブレーキ周
りに導入されるので、前輪ブレーキの冷却性が向上す
る。
【0023】請求項3に記載の発明によれば、一対の熱
気排出部の側壁が車両後部にて車両側方外側に指向して
いるので、熱気排出部から流出する空気流の車両外側へ
向く指向性は上記請求項2よりもさらに向上する。その
結果、センターフロア領域での床下空気抵抗の低減、リ
ヤデフと前輪ブレーキとの冷却性がさらに向上する。
【0024】請求項4に記載の発明によれば、車両側方
外側へ向いている熱気排出部、または側壁が車両後部に
て車両側方外側に指向している熱気排出部、にそれぞれ
整流板を付加することにより、請求項2,3の効果に整
流効果が加わり、流出空気流の指向性は理想的なものと
なる。こうして、センターフロア領域での床下空気抵抗
の低減、リヤデフと前輪ブレーキとの冷却性が一層向上
する。
【0025】請求項5に記載の発明によれば、絞り部の
後端にエアガイドを付加することによって、絞り部で縮
流された速い流れが、エアガイドの傾斜面に沿って車両
上方へ引き上げられて速い流れとなる。こうして、トラ
ンスミッションの側面風速が増加するので、トランスミ
ッションの冷却性が向上する。
【0026】請求項6に記載の発明によれば、エアガイ
ドの幅方向内側の端部に隔離板を付加することにより、
トランスミッション側面部で上方へ向かう空気流とトラ
ンスミッション下面の空気流とが隔離される。その結
果、エアガイドによって上方へ向けられた空気流のエア
ガイド側端部における渦の発生が防止される。こうし
て、トランスミッション下面の風速が速く、トランスミ
ッションの冷却性が向上する。
【0027】請求項7に記載の発明によれば、発熱部で
あり相対的に圧力が高いトランスミッション周りが圧力
の低い部分に連通されることにより、トランスミッショ
ン周りの圧力が低く抑えられる。その結果、絞り部を通
過した速い流れは上方へ向かう速い流れとなり、トラン
スミッションに沿うように流れ易くなるためトランスミ
ッションの冷却性が向上する。
【0028】
【実施例】本発明の第1実施例を図1、図2を用いて説
明する。図中、前記従来例の構成と同一部材には同一符
号を付してある。
【0029】まず、構成を説明する。
【0030】図1に示すように、車体本体1のセンター
フロア3の中央部にはフロアトンネル(図示省略)を車
体前後方向に形成し、このフロアトンネルからリヤフロ
ア(図示省略)に亘って、トランスミッション(発熱
部)5、プロペラシャフト(図示省略)、リヤデフ(発
熱部)7などの駆動伝達系を配設してある。そして、車
体本体1の左右フロントホィールハウス9,9およびダ
ッシュロアパネル11で隔成された車両高圧部であるエ
ンジンルーム10の下側開放部を床部材、例えば樹脂材
もしくは鋼板材からなる平板状のアンダーカバー13で
閉塞してある点、等の基本的構成は前記従来例と同様で
ある。
【0031】ここで、アンダーカバー13には、左右の
フロントホィールハウス9,9間の領域で車両中心線に
対して略対称位置に、エンジンルーム10に連通して該
エンジンルーム10内の空気を後輪15に指向して流出
させる一対のダクト(熱気排出部、熱気流出方向制御手
段)17を形成してある。そして、このダクト17は図
2に示すように、アンダーカバー13の後半部に車両後
方に向けて下方に傾斜して、かつ床面から凹設して形成
され、その排出口端17aは、図1,図2に示すよう
に、車幅方向外側へ延びるに従って車両前方に向かって
斜めにカットされて、車両前部にて車両側方外側へ向い
ている。
【0032】また、これら一対のダクト17,17間
に、車両前方からアンダーカバー13の下側に沿って流
れる空気流を縮流して、アンダーカバー13後方のセン
ターフロア3下側、リヤフロア下側の発熱部、すなわ
ち、トランスミッション5、リヤデフ7に指向して流出
させる絞り部21を形成してある。この絞り部21はダ
クト17,17の車両中心線側の相対向する側壁間に、
左右のフロントホィールハウス9,9間の寸法の略1/
3程度の幅に形成され、絞り部21の直後のフロア下側
発熱部であるトランスミッション5の略左右幅相当に設
定してある。
【0033】つぎに、作用を説明する。
【0034】上記のように、ダクト17の排出口端17
aは、斜めにカットされて車両側方外側へ向いているの
で、図1のように、遅い流れU3 の方向が前記他の従来
例(図13)よりもさらに車両外側へ向く。このため
に、車両後部で車両中心部を通過する速い流れU2 はリ
ヤデフ7を通過し、この部で空気圧力が回復することな
く車両後端まで達して、速い流れU2 の領域Bが車両後
部まで維持される。
【0035】また、遅い流れU3 はセンターフロア3の
ほとんどの領域を占めることになり、前記他の従来例で
存在した、前輪19後方のセンターフロア3での速い流
れU1 の領域Cが大きく減少する。このためセンターフ
ロア3領域で床下の空気抵抗が低減されることになる。
【0036】さらに、前記他の従来例で存在した、ダク
ト17と前輪19との間の速い流れU1 は、遅い流れU
3 の領域Aが図1のように広がったため前輪19内側の
ブレーキ周りに導入される流れU4 を生じることにな
り、前輪ブレーキの冷却性が向上する。
【0037】こうして、本第1実施例によれば、排出口
端17aは斜めカットにより車両側方外側へ向いている
ので、、遅い流れU3 の領域Aが車両外側へ拡大し、前
輪19後方の速い流れU1 の領域Cが大きく減少するの
で、センターフロア3領域で床下の空気抵抗が低減され
る。また、車両後部で車両中心部を通過する速い流れU
2 は圧力が回復することなく領域Bが車両後端まで達
し、リヤデフの冷却性が向上する。さらに、速い流れU
1 が前輪ブレーキ周りに導入されるので、前輪ブレーキ
の冷却性が向上する。
【0038】つぎに、本発明の第2実施例を図3を用い
て説明する。
【0039】本第2実施例のダクト27は上記第1実施
例のダクト17とつぎの点で相違する。すなわち、図3
(a)のようにダクト27の排出口側壁27b,27b
が所定の角度車両外側へ向いて屈曲して車両後部にて車
両側方外側に指向している。さらに、図3(b)に示す
ような、空気流を整流して車両後部における車両側方外
側への指向性をより向上させる整流板27cを、排出口
側壁27bに平行に付加することができる。
【0040】こうして、屈曲したダクト27の排出口側
壁27bにより、その作用は前記第1実施例における車
両外側へ向く空気流の指向性をさらに向上させる。その
結果、図4に示すように前記遅い流れU3 の領域Aは、
上記第1実施例の図1における同領域Aよりも、さらに
車両外側に指向して拡大する。
【0041】このように、本第2実施例によれば、ダク
ト27の排出口側壁27bを屈曲させ、空気流を車両外
側へ指向させるので、床下の空気抵抗の低減やトランス
ミッション5やリヤデフ7の冷却性が前記第1実施例よ
りもさらに向上し、これに整流板27cを付加すれば整
流の効果により流出空気流の指向性は理想的なものとな
り、床下の空気抵抗の低減や発熱部の冷却性が一層向上
する。なお、この整流板27cを上記第1実施例のダク
ト17の斜めの排出口端17aにならって付加してもよ
く、その場合も整流の効果により空気流の指向性が向上
する。
【0042】つぎに、前記絞り部21の構成が異なる第
3実施例を図5、図6を用いて説明する。
【0043】本第3実施例の構成は、図5に示すよう
に、絞り部21にて縮流された空気流を車両上方へ向け
るエアガイド(ガイド手段)21a,21aを、絞り部
21後端に付加したものである。このエアガイド21a
は、概ねトランスミッション5の車幅方向の幅範囲を除
いて、その幅の両外側に2つに別れて、絞り部21の外
側端まで延びて配設され、所定の角度車両上方へ向いて
傾斜している。
【0044】そして、エアガイド21aの作用によっ
て,図5,6に示すように、絞り部21で縮流された速
い流れU2 の左右両端部の流れが、エアガイド21aの
傾斜面に沿って車両上方へ引き上げられて速い流れU5
となる。こうして、トランスミッション5の側面風速が
増加する。実験によると、トランスミッション5の側面
風速はエアガイド21aがない前記他の従来例に対し
て、約3倍の風速が得られ、トランスミッション5の油
温は5℃以上低下した。
【0045】こうして、本第3実施例によれば、絞り部
21の後端にエアガイド21aを付加することによっ
て、トランスミッション5の側面風速が増加するので、
トランスミッション5の冷却性が向上する。
【0046】さらに、第4実施例は、図7に示すよう
に、エアガイド21aの車幅方向中央側の各端に、垂直
方向に延びる隔離板21b,21bを付加した例であ
る。
【0047】この隔離板21bの作用によって、トラン
スミッション5側面部で上方へ向かう空気流とトランス
ミッション5下面の空気流とが隔離される。その結果、
エアガイド21aによって上方へ向けられた空気流のエ
アガイド21a各内側端部における渦の発生が防止され
る。この隔離板21bを設けた理由は、前記第3実施例
での実験の結果、トランスミッション5の下面の空気流
が、風速が若干低下した図8に示す流れU6 となる現象
があったためである。。この現象発生の要因として、図
8に示すように絞り部21の後端の流れにおいて、エア
ガイド21a各内側端部に渦U7 が発生し、トランスミ
ッション5下面を流れる速い流れU2 が乱れてしまうこ
とがわかったため、隔離板21b,21bを付加したも
のである。実験の結果、隔離板21bを付加することに
より、トランスミッション5の下面の風速はエアガイド
21aがないときの風速とほぼ同等で、速い流れU
8 (図7)が得られた。
【0048】こうして、本第4実施例によれば、エアガ
イド21aに隔離板21bを付加することにより、トラ
ンスミッション5の下面の風速が速くなり、トランスミ
ッション5の冷却性が向上する。
【0049】つぎに、本発明の第5実施例を図9、図1
0を用いて説明する。
【0050】本第5実施例は、トランスミッション5周
りで空気流が剥離するのを抑えるための左右一対の連通
管(剥離防止手段)31,31を配設した事例である。
連通管31,31は、図9、図10に示すように、その
一端である車幅方向内側の開口部31a,31aがトラ
ンスミッション5の側面部付近に配設され、他端の車幅
方向外側の開口部31b,31bが車体側面部33に配
設されて、両開口部31a,31b間が連通された構成
である。
【0051】この連通管31の連通作用により、トラン
スミッション5の周りの相対的に圧力が高い部分は、圧
力の低い車体側面部33に連通され、トランスミッショ
ン5の周りの圧力が低く抑えられる。その結果、図10
のように、絞り部21を通過した速い流れは上方へ向か
う速い流れU9 となり、トランスミッション5に沿うよ
うに流れ易くなるためトランスミッション5の冷却性が
向上する。
【0052】こうして、本第5実施例によれば、連通管
31を配設することにより、トランスミッション5周り
の圧力が低く抑えられので、空気流がトランスミッショ
ン5から剥離することがなくトランスミッション5の冷
却性が向上する。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、熱気排出部、絞り部などに熱
気流出方向制御手段、ガイド手段、剥離防止手段を備え
ることにより、床下の空気流を制御できるので、床下の
空気抵抗を低減すると共にブレーキやトランスミッショ
ンなどの発熱部の冷却性を向上できる。
【0054】また、請求項2に記載の発明によれば、一
対の熱気排出部が車両前部にて車両側方外側へ向いてい
るので、熱気排出部から流出する遅い流れの領域の車両
外側への拡大と、前輪後方の速い流れの領域の減少との
結果、床下の空気抵抗が低減される。また、車両後部で
車両中心部を通過する速い流れは車両後端まで達するの
で、リヤデフの冷却性が向上する。さらに、速い流れが
前輪ブレーキ周りに導入されるので、前輪ブレーキの冷
却性が向上する。
【0055】請求項3に記載の発明によれば、一対の熱
気排出部の側壁が車両後部にて車両側方外側に指向して
いるので、熱気排出部から流出する空気流の車両外側へ
向く指向性は上記請求項2よりもさらに向上する。その
結果、床下の空気抵抗の低減やトランスミッションやリ
ヤデフの冷却性が上記請求項2の効果よりもさらに向上
する。
【0056】請求項4に記載の発明によれば、車両側方
外側へ向いている熱気排出部または側壁が車両後部にて
車両側方外側に指向している熱気排出部に整流板を付加
することにより、流出空気流の指向性が向上し、遅い流
れの領域が理想的なものとなるので、床下の空気抵抗の
低減やトランスミッションやリヤデフの冷却性がそれぞ
れ請求項2、請求項3の効果よりも一層向上する。
【0057】請求項5に記載の発明によれば、絞り部の
後端にエアガイドを付加することによって、絞り部で縮
流された速い流れがエアガイドの傾斜面に沿って車両上
方へ引き上げられて速い流れとなるので、トランスミッ
ションの冷却性が向上する。
【0058】請求項6に記載の発明によれば、エアガイ
ドの幅方向内側の端部に隔離板を付加することにより、
エアガイドによって上方へ向けられた空気流のエアガイ
ド側端部における渦の発生が防止されるので、トランス
ミッションの冷却性が向上する。
【0059】請求項7に記載の発明によれば、剥離防止
手段により発熱部であり相対的に圧力が高いトランスミ
ッション周りが圧力の低い部分に連通されることによっ
て、トランスミッション周りの圧力が低く抑えられるの
で、トランスミッションの冷却性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成と床下空気流の速度
分布を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例のダクトの斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例のダクトと整流板との斜視
図である。
【図4】本発明の第2実施例の床下空気流の速度分布を
示す図である。
【図5】本発明の第3実施例の説明図である。
【図6】本発明の第3実施例の説明図である。
【図7】本発明の第4実施例の説明図である。
【図8】本発明の第4実施例の説明図である。
【図9】本発明の第5実施例の説明図である。
【図10】本発明の第5実施例の説明図である。
【図11】従来例の構成と空気流の速度分布を示す図で
ある。
【図12】他の従来例の説明図である。
【図13】他の従来例の構成と空気流の速度分布を示す
図である。
【図14】他の従来例の説明図である。
【符号の説明】
3 センターフロア 5 トランスミッション(発熱部) 7 リヤデフ(発熱部) 9 フロントホィールハウス 13 アンダーカバー 17,27 ダクト(熱気排出部、熱気流出方向制御手
段) 17a 排出口端 19 前輪 21 絞り部 21a エアガイド(ガイド手段) 21b 隔離板 27b 排出口側壁 27c 整流板 31 連通管(剥離防止手段) A 遅い流れの領域 B,C 速い流れの領域 U1 ,U2 ,U4 ,U5 ,U8 ,U9 速い流れ U3 遅い流れ U7
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−330457(JP,A) 実開 平1−80581(JP,U) 実開 平4−95575(JP,U) 実開 平2−69583(JP,U) 実開 平1−73471(JP,U) 実開 昭60−105526(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 25/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前部に隔成されたエンジンルーム等
    の高圧部の下側を平板状の床部材で閉塞し、この床部材
    の車両中心線に対して略対称位置に、前記高圧部に連通
    して該高圧部内の空気を後輪に指向して流出させる一対
    の熱気排出部を形成すると共に、これら一対の熱気排出
    部間に、車両前方から床部材の下側に沿って流れる空気
    流を縮流して床部材後方のフロア下側の発熱部に指向し
    て流出させる絞り部を形成した自動車のアンダーフロア
    構造であって、 車両床下領域の後方部での空気流の圧力上昇を防止する
    熱気流出方向制御手段と、 前記絞り部から流出する空気流を車両上方へ向けるガイ
    ド手段と、 前記絞り部から流出する空気流の前記発熱部からの剥離
    を防止する剥離防止手段のうちの少なくとも一つの手段
    を前記床部材の後半部に設けたことを特徴とする自動車
    のアンダーフロア構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動車のアンダーフロ
    ア構造であって、 前記熱気流出方向制御手段は、前記一対の熱気排出部が
    車両前部にて車両側方外側へ向いてなることを特徴とす
    る自動車のアンダーフロア構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の自動車のアンダーフロ
    ア構造であって、 前記熱気流出方向制御手段は、前記一対の熱気排出部の
    側壁が車両後部にて車両側方外側に指向してなることを
    特徴とする自動車のアンダーフロア構造。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の自動車
    のアンダーフロア構造であって、 前記熱気排出部からの空気流を車両後部にて車両側方外
    側に指向させる整流板を該熱気排出部に設けたことを特
    徴とする自動車のアンダーフロア構造。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の自動車のアンダーフロ
    ア構造であって、 前記ガイド手段は、エアガイドを前記絞り部後端で、前
    記発熱部の車幅方向の幅を除く当該絞り部の幅範囲に配
    設してなることを特徴とする自動車のアンダーフロア構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の自動車のアンダーフロ
    ア構造であって、 前記エアガイドの車幅方向内側の少なくとも一端に、車
    両上方へ向かう空気流と他の空気流とを隔離する隔離板
    を配設したことを特徴とする自動車のアンダーフロア構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の自動車のアンダーフロ
    ア構造であって、 前記剥離防止手段は、前記発熱部の周辺部と該周辺部よ
    りも空気圧力が低い部分とを連通させてなることを特徴
    とする自動車のアンダーフロア構造。
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