JP6702167B2 - 車両のアンダーカバー構造 - Google Patents

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本発明は、車両のアンダーカバー構造に関する。
特許文献1には、車両の床下に、前輪より車両前方にフロントアンダーカバーと、該フロントアンダーカバーに連続して車両後方へ延びるリヤアンダーカバーとをそれぞれ配設した車両のアンダーカバー構造について開示されている。
特開2015−123791号公報
ところで、特許文献1に開示されたアンダーカバー構造では、エンジンを車両下方側から覆うリヤアンダーカバーがトランスミッションの車両下方側まで延びており、エンジンルーム内の空気が抜け難くなっている。このため、エンジンルーム内からホイールハウス内に空気が漏れ出てホイールハウス内に乱流が生じることがある。
本発明は、上記事実を考慮して、エンジンルーム内の空気を抜けやすくしてホイールハウス内に乱流が生じるのを抑制できる車両のアンダーカバー構造を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の車両のアンダーカバー構造は、車両のトランスミッションを車両下方側から覆う第1カバー部材と、前記トランスミッションよりも車両前方側に位置するエンジンを車両下方側から覆い、車両上方から見て左右一対の前輪間から車両後方に向かって車両幅方向両外側に広がる第2カバー部材と、前記第2カバー部材の前記第1カバー部材よりも車両幅方向両外側に広がった部分にそれぞれ設けられ、車両上方へ向けて突出すると共に車両前後方向に延在する一対又は複数対の整流フィンと、を有している。
請求項1に記載の車両のアンダーカバー構造では、車両走行時における走行風が第2カバー部材の上面(車両上方の面)及び第1カバー部材の上面(車両上方の面)を通って車両後方へ流れる。
ここで、上記アンダーカバー構造では、第2カバー部材の第1カバー部材よりも車両幅方向両外側に広がった部分に整流フィンをそれぞれ設けているため、上記広がった部分において走行風が整流されて流速が上がる。この走行風は、流速が上がった状態で上記広がった部分の上面(車両上方の面)を通って上記広がった部分と車体フロアとの間から車両後方へ流れ出る。これにより、第2カバー部材の車両上方に位置するエンジンを収容するエンジンルーム内の空気が車両後方へスムーズに抜けやすくなり、エンジンルーム内の空気がエンジンルームに隣接するホイールハウス内に漏れ出てホイールハウス内に乱流が生じるのが抑制される。
本発明によれば、エンジンルーム内の空気を抜けやすくしてホイールハウス内に乱流が生じるのを抑制できる車両のアンダーカバー構造を提供することができる。
本発明の一実施形態のアンダーカバー構造を備えた車両を水平方向に沿って切断した断面を車両上方から見た平面図である。 図1に示すアンダーカバー構造の矢印2−2線に沿った断面図である。 図1に示すアンダーカバー構造の矢印3−3線に沿った断面図である。
以下、本発明に係る車両のアンダーカバー構造の一実施形態について説明する。
なお、図面では、本実施形態のアンダーカバー構造Sが適用された車両10の前方(以下、適宜「車両前方」と記載する。)を矢印FRで示し、車両の幅方向外側(以下、適宜「車幅方向外側」と記載する。)を矢印OUTで示し、車両の上方(以下、適宜「車両上方」と記載する。)を矢印UPで示している。
図1に示されるように、本実施形態のアンダーカバー構造Sは、車両10の前部下側に適用されている。まず、車両10の前部の構造について説明し、その後、アンダーカバー構造Sについて説明する。
車両10の前部には、左右一対の前輪12と、エンジンEGとが配置されている。前輪12は、車両10の前部側方に設けられたホイールハウスWHに収容されている。また、エンジンEGは、一対の前輪12間に配置され、ホイールハウスWHに隣接するエンジンルームERに収容されている。なお、エンジンルームERとホイールハウスWHとの間には隔壁が設けられている。
エンジンルームERは、フロントグリル14と、図示しないエンジンフードと、車体フロア18(図2及び図3参照)の車両前側部分18Aと、後述するエンジンアンダーカバー20と、トランスミッションアンダーカバー22と、図示しないフロントアンダーカバーによって形成されている。
図1に示されるように、フロントグリル14には、車両前方に向かって開口する開口部14Aが形成されている。この開口部14Aは、車両10の走行時において走行風Aの取り入れ口として機能する。
また、エンジンルームERにはトランスミッションTRが配置されている。このトランスミッションTRは、エンジンEGの車両後側に位置し、エンジンEGに連結されている。言い換えると、エンジンEGは、トランスミッションTRの車両前方に位置している。
次に、本実施形態のアンダーカバー構造Sについて説明する。
図1に示されるように、車両10の前部下側には、アンダーカバー構造Sを構成する第1カバー部材の一例としてのトランスミッションアンダーカバー22(以下、適宜「TRアンダーカバー22」として記載する。)と、第2カバー部材の一例としてのエンジンアンダーカバー20(以下、適宜「EGアンダーカバー20」として記載する。)とが設けられている。
図1及び図2に示されるように、TRアンダーカバー22は、トランスミッションTRを車両下方側から覆っている。
EGアンダーカバー20は、エンジンEGを車両下方側から覆っている。具体的には、EGアンダーカバー20は、エンジンEGが収容されるエンジンルームERの車両後方側を車両下方側から覆っている。なお、エンジンルームERの車両前方側は、図示しないフロントアンダーカバーによって車両下方側から覆われている。このフロントアンダーカバーは、フロントグリル14の車両下方側から車両後方に延在し、EGアンダーカバー20の車両前方側の端部20Aに接続されている。一方、EGアンダーカバー20の車両後方側の端部20Bには、TRアンダーカバー22の車両前方側の端部22Aが接続されている。
また、EGアンダーカバー20は、図1に示されるように、車両上方から見て左右一対の前輪12間から車両後方に向かって車両幅方向両外側に広がる形状とされている。
また、本実施形態のアンダーカバー構造Sは、EGアンダーカバー20に設けられた整流フィン24を有している。整流フィン24は、EGアンダーカバー20のTRアンダーカバー22よりも車両幅方向両外側に広がった部分20Cにそれぞれ設けられており、車両上方へ向けて突出する(図3参照)と共に車両前後方向に延在している(図1参照)。なお、本実施形態では、EGアンダーカバー20の上記広がった部分20Cに整流フィン24が複数(2つ)設けられている。すなわち、本実施形態では、EGアンダーカバー20の両方(車両幅方向両側)の広がった部分20Cに整流フィン24が複数対設けられている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
アンダーカバー構造Sでは、車両走行時にフロントグリル14の開口部14Aから取り入れられた走行風AがEGアンダーカバー20の上面(車両上方の面)及びTRアンダーカバー22の上面(車両上方の面)を通って車両後方へ流れる。
ここで、アンダーカバー構造Sでは、EGアンダーカバー20のTRアンダーカバー22よりも車両幅方向両外側に広がった部分20Cに整流フィン24をそれぞれ設けている。このため、上記広がった部分20Cにおいて走行風Aが整流され、流速が上がる。この走行風Aは、流速が上がった状態で上記広がった部分20Cの上面(車両上方の面)を通って上記広がった部分20Cと車体フロア18との間から車両後方へ流れ出る。
これにより、EGアンダーカバー20の車両上方に位置するエンジンEGを収容するエンジンルームER内の空気が車両後方へスムーズに抜けやすくなる。言い換えると、流速が上がった状態の走行風AによってエンジンルームER内の空気が車両後方へ吸い出される。その結果、エンジンルームER内の空気がエンジンルームERに隣接するホイールハウスWH内に漏れ出るのが抑制されてホイールハウスWH内に乱流が生じるのが抑制される。なお、図1では、エンジンルームERからホイールハウスWH内に漏れ出る場合の空気の流れを矢印LAで示している。
以上のことから、アンダーカバー構造Sによれば、エンジンルームER内の空気を抜けやすくしてホイールハウスWH内に乱流が生じるのを抑制できる。
前述の実施形態のアンダーカバー構造Sでは、EGアンダーカバー20の広がった部分20Cに整流フィン24を複数(2つ)設けているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、EGアンダーカバー20の広がった部分20Cに整流フィン24を一つ設ける構成としてもよい。すなわち、EGアンダーカバー20の両方の広がった部分20Cに整流フィン24を一対設ける構成としてもよい。
また、前述の実施形態のアンダーカバー構造Sでは、車両上方から見て整流フィン24を車両前後方向に延在させる構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、車両上方から見て整流フィン24を車両前後方向に対して傾けて延在させる構成としてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
S 車両のアンダーカバー構造
10 車両
12 前輪
20 エンジンアンダーカバー(第2カバー部材)
20C 広がった部分
22 トランスミッションアンダーカバー(第1カバー部材)
24 整流フィン
EG エンジン
TR トランスミッション

Claims (1)

  1. 車両のトランスミッションを車両下方側から覆う第1カバー部材と、
    前記トランスミッションよりも車両前方側に位置するエンジンを車両下方側から覆い、車両上方から見て左右一対の前輪間から車両後方に向かって車両幅方向両外側に広がる第2カバー部材と、
    前記第2カバー部材の前記第1カバー部材よりも車両幅方向両外側に広がった部分にそれぞれ設けられ、車両上方へ向けて突出すると共に車両前後方向に延在する一対又は複数対の整流フィンと、
    を有する車両のアンダーカバー構造。
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