JP2745365B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2745365B2 JP26019992A JP26019992A JP2745365B2 JP 2745365 B2 JP2745365 B2 JP 2745365B2 JP 26019992 A JP26019992 A JP 26019992A JP 26019992 A JP26019992 A JP 26019992A JP 2745365 B2 JP2745365 B2 JP 2745365B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は処理ムラを改良したハロ
ゲン化銀カラー反転写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、写真フィルムを個別に上下方向
に固定して順次現像処理する方法(以下吊るし現像と称
す)においてはフィルムの写真性が先端部と終端部で異
なってくる事がある。これは先端部と終端部の僅かな現
像条件(時間、処理液付着量等)の違いによる事が多
い。さらに上記の現像はカラー反転感光材料の場合カラ
ーネガ感材に比べて(1)直接鑑賞される事、(2)下
記に示す様な反転現像処理工程を経る事から大きな欠点
になり易い。カラー反転感光材料では感光色相と同一色
相の色像を得るために、撮影済の感光材料を通常、白黒
現像−水洗−反転処理−発色現像−(水洗)−漂白−漂
白定着、定着−水洗−安定化の処理工程を通して色素画
像を形成させる。上記のカラー反転感光材料の反転処理
工程は大別すると2つの処理方法に分類できる。すなわ
ち光反転に代表される物理的処理と反転浴処理に代表さ
れる科学的処理である。光反転は以前は多く用いられて
おり一般的な処理方法であったが、光源の選択、露光時
間の設定等、煩雑かつ熟練を要する部分が大きく現在で
は反転浴を通して処理する方法がより一般的に用いられ
る様になってきている。反転浴にはハロゲン化銀に対し
て電子注入能を有する還元性化合物を用いるが、一般的
には米国特許第3,617,282号、特公昭56−3
2616号、米国特許第1,209,050号等に記載
の第1スズイオン錯塩、米国特許第2,984,567
号、英国特許第1,011,000号等に記載のホウ素
化合物等が多く用いられている。これらの反転処理を経
る現像処理の場合特に上記の様な現像ムラが発生し易
く、しばしば大きな問題になることがあった。この問題
に対して従来から様々な対策が検討されてきた。例え
ば、感光材料中に界面活性剤を用いて表面の界面張力を
低下させる方法、反転浴に界面活性剤を添加する方法で
ある。しかしながら、何れの方法も完全に非像様現像ム
ラを解決する事が出来なかった。このため完全に処理ム
ラを解消できる技術の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第一
は、反転現像処理時に非像様処理ムラの発生がなく、か
つかぶりの少ないハロゲン化銀カラー反転写真感光材料
を提供することにある。本発明の目的の第二は、反転現
像処理時に非像様処理ムラの発生がなく、かつ経時保存
安定性に優れたハロゲン化銀カラー反転写真感光材料を
提供することにある。本発明の目的の第三は、反転現像
時に非像様処理ムラの発生がなく、かつ高湿雰囲気下の
耐接着性の悪化しないハロゲン化銀カラー反転写真感光
材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、下記により上記目的を達成できることを見出し
た。すなわち、支持体上に少くとも1層の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー反転写真感光
材料において、該ハロゲン化銀乳剤層より上方の親水性
コロイド層に、反転浴主剤であるSn2+イオンに対する
キレート能をpHによりコントロール可能な化合物を高
分子量化して用いる方法である。以下にその具体的方法
を示す。
【0005】(1)支持体上に少くとも1層の感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該ハロゲン化銀乳剤層より上方の親水性コロイ
ド層中に下記一般式(I)で表わされる化合物を含有す
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0006】一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】式中Aは重合可能なエチレン性不飽和基を
少くとも2つ有し、その少くとも1つを側鎖に含むモノ
マーを重合して得られる繰り返し単位を表わす。Bは重
合可能なエチレン性不飽和基を1つ有するモノマーを重
合して得られる繰り返し単位を表わす。R1 は水素原子
又は、アルキル基を表わす。L1 は高分子主鎖と、イミ
ノジカルボン酸ユニットを連結する2価の連結基を表わ
す。M1 及びM2 はそれぞれ水素原子又はカチオンを表
わす。m1 、m2 はそれぞれ1ないし3の整数を表わ
す。x、y、zは、重合体を構成する各繰り返しユニッ
トのモル百分率を表わし、xは5ないし50、yは0な
いし70、zは5ないし95の値を表わし、x+y+z
=100である。
【0009】(2)一般式(I)で表わされる化合物を
含有する親水性コロイド層が感光性ハロゲン化銀乳剤層
より上方の親水性コロイド層であることを特徴とする
(1)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (3)画像形成プロセスにカラー反転処理工程を有する
ことを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー反
転写真感光材料。
【0010】(4)一般式(I)で表される化合物を含
有する親水性コロイド層の上層に少なくとも一層の親水
性コロイド層を有することを特徴とする(3)に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (5)カラー現像液のpHが12以上であることを特徴
とする(3)に記載のカラー感光材料を用いた画像形成
法。 (6)反転浴の塩化スズの添加量がスズ金属換算で1.
6g以上であることを特徴とする(3)に記載のカラー
感光材料を用いた画像形成法。
【0011】さらに本発明を詳細に説明すると、上記一
般式(I)中、Aの好ましいモノマーの例は、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジ
メタクリレート、メチレンビスアクリルアミド等であ
り、このうちジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
メタクリレートが特に好ましい。Aは上記モノマーの2
種以上の混合使用により得られる繰り返し単位であって
もよい。
【0012】Bの好ましい繰り返し単位を与えるモノマ
ーの例は、モノエチレン性不飽和炭化水素(例えばエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、等)、脂肪
族酸のモノエチレン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニ
ル、酢酸アリル、等)、エチレン性不飽和のモノカルボ
ン酸もしくはジカルボン酸のエステル(例えばメチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、n−ブ
チルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−クロロエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、マレイン酸
ジブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、
イタコン酸ジメチルエステル、等)、エチレン性不飽和
のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のアミド(例え
ばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エ
チルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N,N−ジヘキ
シルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリ
ジン、ジアセトンアクリルアミド、N−(N′,N′−
ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、
CH2=CH−CONH−(CH2)10 −COOHで表わされる化合物
等)、モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくは
ジカルボン酸及びそれらの塩(例えば、アクリル酸、ア
クリル酸ナトリウム、メタクリル酸、メタクリル酸カリ
ウム、イタコン酸、マレイン酸等)、モノエチレン性不
飽和化合物(例えばアクリロニトリル、メタクリロニト
リル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、α−クロロメチル
スチレン、p−クロロメチルスチレン、m−ヒドロキシ
メチルスチレン等)またはジエン類(例えばブタジエ
ン、イソプレン等)等であり、これらのうちスチレン、
モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸のエステル(メ
チルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート)、モノエチレン性不飽和のモノカ
ルボン酸のアミド(N−tert−ブチルアクリルアミド、
N,N−ジブチルアクリルアミド等)、アクリロニトリ
ル、クロロメチルスチレン等が特に好ましい。Bは上記
モノマーの2種以上の混合使用により得られる繰り返し
単位であることも好ましい。
【0013】R1 は水素原子あるいは炭素数1ないし6
個の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、イソプロ
ピル基等)が好ましく、このうち特に水素原子あるいは
メチル基が好ましい。
【0014】L1 は好ましくは、炭素数3以上の2価の
連結基、炭素数4以上の3価の連結基、炭素数5以上の
4価の連結基を表わし、特に好ましくは、2価連結基の
場合、炭素数6以上のアリーレン基(例えば、o−フェ
ニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、1,4−ナ
フチレン、2−メチル−4−フェニレン等)、下記一般
式(II)で表わされる連結基、
【0015】一般式(II)
【0016】
【化3】
【0017】(式中X1 は酸素原子又は−NR5 −を表
わす(R5 は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
置換のアシル基であり、好ましくは水素原子、置換もし
くは無置換の炭素数1ないし10のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基
等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、
ベンゾイル基等)であり、特に好ましいのはメチル基、
アセチル基である)。特に好ましくは酸素原子又は−N
H−である。L2 は好ましくは置換又は無置換の主鎖炭
素数2以上のアルキレン基(例えば−(CH2)2−、−(C
H2)4−、−(CH2)6−、−(CH2)8−、−(CH2)10
−(CH2)12 −、−CH2-CH2-NHCOO-CH2 −、
【0018】
【化4】
【0019】等)、置換又は無置換の炭素数6以上のア
リーレン基(例えば、
【0020】
【化5】
【0021】等)を表わす。特に好ましいのは−(CH
2)n −(nは4以上12以下の整数値を表わす)であ
る。X2 は酸素原子、−CO−X1−、−X1−CO−、−X1
CO−X1−、−X1−CO−O −、−O −CO−X1−、−NR5
(X1 、R5 は上記に示したものに同じ)等が好まし
く、これらのうち特に酸素原子、−CO−O −、−CO−NH
−、−NH−CO−O −、−NH−CO−NH、が好ましい。)、
及び下記一般式(III)で表わされる連結基、
【0022】一般式(III)
【0023】
【化6】
【0024】(式中R6 は水素原子、ハロゲン原子もし
くは置換又は無置換のアルキル基、アシル基を表わし、
好ましくは水素原子、塩素原子、炭素数6以下の低級ア
ルキル基、低級アシル基であり、特に水素原子、メチル
基が好ましい。L3 は結合手、−L2−、X2−、−L2−X2
−、−X1−L2−X2−、−CO−X1−L2−X2−を表わし、好
ましくは−L2−、−X2−、−L2−X2−である(L2、X1
X2は上記に示したものに同じ)。特に−CH2 −O −、−
COO −、−CONH−、−O −等が好ましい。)
【0025】M1 及びM2 は好ましくは水素原子、アル
カリ金属イオン(例えばリチウムイオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属(マグネ
シウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン
等)、アンモニウムイオンを表わし、特に好ましくは水
素原子、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニ
ウムイオンである。M1 及びM2 は2種以上のカチオン
の混合体であってもよい。
【0026】m1 及びm2 は好ましくは、1ないし2の
整数を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
いが、特に好ましいのはm1 =m2 =1である。
【0027】x、y、zの取り得る好ましい数値の範囲
はxは7ないし40、yは0ないし50、zは20ない
し93の値であり、特にxは10ないし30、yは0な
いし40、zは30ないし90の値である。
【0028】以下に本発明の一般式(I)で表わされる
重合体の好ましい例を示すが、本発明はこれら具体的化
合物例に限定されるものではない。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】本発明の一般式(I)で表わされる重合体
は、式中Aの繰り返し単位Aを与える上記の重合可能な
エチレン性不飽和基を少なくとも2つ有し、その少なく
とも1つを側鎖に含むようなモノマー、式中Bの繰り返
し単位を与える上記の重合可能なエチレン性不飽和基を
1つ有するモノマーおよび一般式(VII)で与えられるモ
ノマーとで重合することにより合成することができる。
【0036】一般式(IV)
【0037】
【化13】
【0038】(式中R1 、M1 、M2 、m1 及びm2
上記に示したものに同じ)
【0039】上記の重合反応は、一般に知られている乳
化重合、懸濁重合および分散重合のいずれかの方法で行
ってもよい。
【0040】上記の重合方法については、東京化学同人
社刊の高分子科学実験法1頁〜50頁(1981年)、
化学同人社刊の高分子化学序論第2版218頁〜243
頁(1982年)及びディスパージョン・ポリマリゼイ
ション・イン・オーガニック・メディア;ケイ・ジェイ
・バレットら(ジョン・ウイリィ・アンド・サンズ社、
1975年刊)(Dispersion Polymerization in Organ
ic Media, K.J.Barrett et.al; John Wiley & Sons、1
975)に詳細に説明されている。
【0041】これらの重合方法のうち、特に好ましいの
は乳化重合である。上記の乳化重合は水溶媒で一般にア
ニオン界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ト
リトン770(ローム&ハウス社から市販))、カチオ
ン界面活性剤(例えばオクタデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド)、ノニオン界面活性剤(例えばエマレ
ックスNP−20(日本エマルジョンから市販))、ゼ
ラチン、ポリビニルアルコール等の中から選ばれた1つ
の乳化剤と、ラジカル重合開始剤(例えば過硫酸カリウ
ム、和光純薬からV−50の名で市販されている化合物
等)の存在下で40℃ないし100℃、好ましくは50
℃ないし80℃の温度で行なわれる。
【0042】以下に本発明の好ましい化合物の具体的な
合成例を示すが、本発明はこれら合成例に限定されるも
のではない。
【0043】合成例1 化合物P−1の合成 (N−(ビニルベンジル)イミノジ酢酸
【0044】
【化14】
【0045】の合成。)冷却管を取り付けた3リットル
三ツ口フラスコに水酸化ナトリウム124g(3.1モ
ル)、イミノジ酢酸239.6g(1.8モル)、ハイ
ドロキノン0.7g、メタノール300mlを入れ水50
0mlに溶解した。これを60℃に昇温、攪拌し、クロロ
メチルスチレン302.2g(1.98モル)を2時間
かけて滴下した。途中、滴下開始後40分及び80分経
過した時点でそれぞれ水酸化ナトリウム62.0g
(1.55モル)を、反応液に添加した。滴下終了後、
60℃で30分間攪拌を続け、さらに85℃まで昇温し
て2時間反応させた。反応物を室温まで冷却し、減圧下
でメタノールを留去した後、酢酸エチル1リットルを加
え充分に振とう、洗浄した。水相を取り出し水3リット
ルを加えた後、攪拌水冷下で濃塩酸418gを2時間か
けて滴下し晶析させた。得られた結晶を濾取した後、エ
タノール500mlに溶解し室温下で攪拌しながら、アセ
トントリル3リットルで晶析させ、これを濾取し、50
℃で1晩乾燥させて、白色粉体399.5gを得た(収
率89.0%)。化合物の構造は 1H−NMR、IRス
ぺクトルを用いて解析した(以下化合物M−1と略
す)。
【0046】(化合物P−9の合成)攪拌装置と冷却管
を取り付けた1リットル三ツ口フラスコ中にN−メチル
−オレイン酸タウライドナトリウム塩1.7g(4.0
×10-3モル)、ベンジルメタクリレート8.6g
(0.05モル)と蒸留水500mlを入れ窒素気流下で
65℃に加熱して攪拌した。この溶液に過硫酸カリウム
0.1g(3.7×10-4モル)を加え1時間攪拌を続
けた後、別途調製しておいた。油溶性モノマー溶液(ジ
ビニルベンゼン14.3g(0.110モル)及びメタ
クリル酸ベンジル77.1g(0.44モルの混合液)
と、水溶性モノマー液(化合物M−1 42.9g
(0.17モル)と水酸化ナトリウム13.7g(0.
34モル)を水85gに溶解した溶液)を100分かけ
て滴下した。滴下終了後に、過硫酸カリウム0.1gを
加えた後内温を85℃まで昇温し、4時間反応を続け
た。反応液を室温に戻して得られたラテックス液を10
μmのポアサイズを有する濾紙で濾過して、化合物P−
9(ラテックス液)724.5gを得た。固形分含率は
18.2重量パーセント(固形分収率83.2%)であ
った。
【0047】合成例2 化合物P−12の合成 (N−(2−アクリロイルオキシエチル)−イミノジ酢
【0048】
【化15】
【0049】の合成)冷却管を取り付けた3リットル三
ツ口フラスコに水酸化ナトリウム124g(3.1モ
ル)、イミノジ酢酸239.6g(1.8モル)、ハイ
ドロキノン0.7g、メタノール300mlを入れ水50
0mlに溶解した。これを60℃に昇温し、攪拌しながら
2−クロロエチルアクリレート266.4g(1.98
モル)を1時間かけて滴下した。途中滴下開始後60分
経過した時点で、水酸化ナトリウム124.0g(3.
1モル)を反応液に添加した。滴下終了後、60℃で3
0分間攪拌を続けた後、85℃まで昇温し、さらに2時
間反応させた。反応物を室温まで冷却し、減圧下でメタ
ノールを留去した後、酢酸エチル1リットルを加えて未
反応原料を抽出し、残った水溶液を取り出し、水3リッ
トルを加え、攪拌しながら濃塩酸418gを30分間で
滴下した。沈降物を濾取しエタノール500mlで溶解し
た溶液に、アセトニトリル3リットルを加えて晶析さ
せ、これを再び濾取、室温、減圧下で乾燥させて白色粉
体341.7gを得た(収率82.1%)。化合物の構
造は 1H−NMR、IRスぺクトルを用いて解析した
(以下化合物M−2と略す)。
【0050】(化合物P−12の合成)攪拌装置と冷却
管を取り付けた1リットル三ツ口フラスコ中にN−メチ
ル−オレイン酸タウライドナトリウム塩1.7g、メタ
ノール100ml、蒸留水400mlを入れ窒素気流下で6
5℃に加熱、攪拌した。この溶液に過硫酸カリウム0.
1g(3.7×10-4モル)を加え、5分間攪拌の後、
ジビニルベンゼン14.3g(0.11モル)と、水溶
性モノマー液(化合物M−2 102.0g(0.44
モル)と水酸化ナトリウム6.9g(0.17モル)を
水85gに溶解した溶液)を2時間かけて滴下した。滴
下終了後に過硫酸カリウム0.1gを加えた後外温を8
0℃まで昇温し、4時間反応を続けた。反応液を室温に
戻して、水酸化ナトリウム6.9g(0.17モル)と
水85gの溶液を加え30分間攪拌して得られたラテッ
クス液を10μmのポアサイズの濾紙で濾過して化合物
P−12(ラテックス液)725.4gを得た。固形分
含有率は15.3重量%(固形分収率84.0%)であ
った。
【0051】本発明に用いられる上記一般式(I)で表
わされる化合物は上記合成方法と同等又は類似の合成方
法により容易に合成可能である。
【0052】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および
最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設け
てもよい。該中間層には、特開昭61-43748号、同59-113
438 号、同59-113440 号、同61-20037号、同61-20038号
明細書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が
含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止剤
を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複数の
ハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第 1,121,470号あるい
は英国特許第923,045 号に記載されるように高感度乳剤
層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることがで
きる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる
様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間
には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭
57-112751 号、同62- 200350号、同62-206541 号、62-2
06543 号等に記載されているように支持体より離れた側
に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置
してもよい。
【0053】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55-34932 号公報に記載されているように、支持体から
最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列
することもできる。また特開昭 56-25738 号、同 62-63
936 号明細書に記載されているように、支持体から最も
遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列する
こともできる。また特公昭49-15495号公報に記載されて
いるように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤
層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤
層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳
剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められ
た感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59-202464 号明細書に記載されているよう
に、同一感色性層中において支持体より離れた側から中
感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置さ
れてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0054】色再現性を改良するために、米国特許第4,
663,271 号、同第 4,705,744号,同第 4,707,436号、特
開昭62-160448 号、同63- 89850 号の明細書に記載の、
BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して
配置することが好ましい。上記のように、それぞれの感
光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選択するこ
とができる。本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%以
下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしく
はヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%か
ら約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくは
ヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子
は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を
有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有す
るもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいは
それらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約
0.2ミクロン以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミク
ロンに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤で
も単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化
銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(RD)No.17643 (1978 年12月), 22〜23頁,"I. 乳剤
製造(Emulsion preparation and types)”、および同
No.18716 (1979年11月), 648 頁、同No.307105(1989年
11月),863 〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理
と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie
et Phisique Photographique, PaulMontel, 1967)、ダ
フィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.
F. Duffin,Photographic Emulsion Chemistry (Focal P
ress, 1966))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗
布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman et al.,
Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Pr
ess, 1964)などに記載された方法を用いて調製すること
ができる。米国特許第 3,574,628号、同 3,655,394号お
よび英国特許第 1,413,748号などに記載された単分散乳
剤も好ましい。
【0055】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and E
ngineering)、第14巻 248〜257頁(1970年);米国特
許第 4,434,226号、同 4,414,310号、同 4,433,048号、
同 4,439,520号および英国特許第 2,112,157号などに記
載の方法により簡単に調製することができる。結晶構造
は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成
からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい、
また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲ
ン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、
酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されてい
てもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いても
よい。上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面
潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と
内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、
ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のう
ち、特開昭 63-264740号に記載のコア/シェル型内部潜
像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内部潜像
型乳剤の調製方法は、特開昭 59-133542号に記載されて
いる。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等によって
異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好まし
い。ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成お
よび分光増感を行ったものを使用する。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643、同No.18716および同No.307105 に記載されて
おり、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0056】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。米国特許第 4,082,553号に記載の粒子表面をかぶ
らせたハロゲン化銀粒子、米国特許第 4,626,498号、特
開昭 59-214852号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層お
よび/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に好
ましく使用できる。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部
を問わず、一様に( 非像様に)現像が可能となるハロゲ
ン化銀粒子のことをいう。粒子内部または表面をかぶら
せたハロゲン化銀粒子の調製法は、米国特許第 4,626,4
98号、特開昭 59-214852号に記載されている。粒子内部
がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部
核を形成するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をも
つものでも異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒
子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、
塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも
用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化
銀粒子の粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子
サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6 μmが
好ましい。また、粒子形状については特に限定はなく、
規則的な粒子でもよく、また、多分散乳剤でもよいが、
単分散( ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なく
とも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するも
の)であることが好ましい。本発明には、非感光性微粒
子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性微
粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光
時においては感光せずに、その現像処理において実質的
に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめ
カブラされていないほうが好ましい。
【0057】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/ま
たは沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を 0.5
〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀
は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01
〜0.5μmが好ましく、0.02〜 0.2μmがより好まし
い。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀
と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化銀粒
子の表面は、化学的に増感される必要はなく、また分光
増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するの
に先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン
系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合
物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておく
ことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2以下が好まし
く、4.5g/m2以下が最も好ましい。本発明に使用できる
公知の写真用添加剤も上記の3つのリサーチ・ディスク
ロージャーに記載されており、下記の表に関連する記載
箇所を示した。
【0058】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24 〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25 〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. ステイン 25 頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26 〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13. スタチツク 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 14. マツト剤 878〜879頁
【0059】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許 4,411,987号や同
第 4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応し
て、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好
ましい。本発明の感光材料に、米国特許第 4,740,454
号、同第 4,788,132号、特開昭62-18539号、特開平1-28
3551号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好
ましい。本発明の感光材料に、特開平1-106052号に記載
の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にか
ぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれら
の前駆体を放出する化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04794号、特表
平1-502912号に記載された方法で分散された染料または
EP 317,308A 号、米国特許 4,420,555号、特開平1-2593
58号に記載の染料を含有させることが好ましい。本発明
の感光材料には種々のカラーカプラーを使用することが
でき、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャ
ーNo.17643、 VII−C〜G、および同No.307105 、 VII
−C〜Gに記載された特許に記載されている。イエロー
カプラーとしては、例えば米国特許第3,933,501 号、同
第 4,022,620号、同第 4,326,024号、同第 4,401,752
号、同第 4,248,961号、特公昭 58-10739 号、英国特許
第 1,425,020号、同第 1,476,760号、米国特許第 3,97
3,968号、同第 4,314,023号、同第4,511,649 号、欧州
特許第 249,473A 号、等に記載のものが好ましい。
【0060】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第 4,310,619号、同第 4,351,897号、欧州特許第 73,63
6号、米国特許第 3,061,432号、同第 3,725,067号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo.24220(1984年6月)、
特開昭60-33552号、リサーチ・ディスクロージャーNo.2
4230(1984年6月)、特開昭60-43659号、同61-72238
号、同60-35730号、同55-118034 号、同60-185951 号、
米国特許第4,500,630 号、同第4,540,654 号、同第 4,5
56,630号、国際公開WO88/04795号等に記載のものが特に
好ましい。シアンカプラーとしては、フェノール系及び
ナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第 4,052,2
12号、同第 4,146,396号、同第 4,228,233号、同第 4,2
96,200号、同第 2,369,929号、同第 2,801,171号、同第
2,772,162号、同第2,895,826 号、同第 3,772,002号、
同第 3,758,308号、同第 4,334,011号、同第 4,327,173
号、西独特許公開第3,329,729 号、欧州特許第 121,365
A号、同第 249,453A号、米国特許第 3,446,622号、同第
4,333,999号、同第 4,775,616号、同第 4,451,559号、
同第 4,427,767号、同第 4,690,889号、同第 4,254,212
号、同第 4,296,199号、特開昭 61-42658 号等に記載の
ものが好ましい。さらに、特開昭64-553号、同64-554
号、同64-555号、同64-556に記載のピラゾロアゾール系
カプラーや、米国特許第4,818,672 号に記載のイミダゾ
ール系カプラーも使用することができる。ポリマー化さ
れた色素形成カプラーの典型例は、米国特許第 3,451,8
20号、同第 4,080,211号、同第 4,367,282号、同第 4,4
09,320号、同第 4,576,910号、英国特許 2,102,137号、
欧州特許第341,188A号等に記載されている。発色色素が
適度な拡散性を有するカプラーとしては、米国特許第
4,366,237号、英国特許第 2,125,570号、欧州特許第 9
6,570 号、西独特許(公開)第 3,234,533号に記載のも
のが好ましい。
【0061】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.1
7643の VII−G項、同No.307105 の VII−G項、米国特
許第4,163,670 号、特公昭57-39413号、米国特許第4,00
4,929 号、同第4,138,258号、英国特許第1,146,368号に
記載のものが好ましい。また、米国特許第 4,774,181号
に記載のカップリング時に放出された蛍光色素により発
色色素の不要吸収を補正するカプラーや、米国特許第
4,777,120号に記載の現像主薬と反応して色素を形成し
うる色素プレカーサー基を離脱基として有するカプラー
を用いることも好ましい。カップリングに伴って写真的
に有用な残基を放出する化合物もまた本発明で好ましく
使用できる。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、
前述のRD 17643、VII−F項及び同No.307105 、 VII−
F項に記載された特許、特開昭57-151944号、同57-1542
34 号、同60-184248 号、同63-37346号、同63-37350
号、米国特許4,248,962号、同4,782,012 号に記載され
たものが好ましい。R.D.No.11449、同 24241、特開昭61
-201247 号等に記載の漂白促進剤放出カプラーは、漂白
能を有する処理工程の時間を短縮するのに有効であり、
特に、前述の平板状ハロゲン化銀粒子を用いる感光材料
に添加する場合に、その効果が大である。現像時に画像
状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカプラーとし
ては、英国特許第 2,097,140号、同第 2,131,188号、特
開昭59-157638 号、同59-170840 号に記載のものが好ま
しい。また、特開昭 60-107029号、同 60-252340号、特
開平1- 44940号、同 1-45687号に記載の現像主薬の酸化
体との酸化還元反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、
ハロゲン化銀溶剤等を放出する化合物も好ましい。
【0062】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記
載の競争カプラー、米国特許第 4,283,472号、同第 4,3
38,393号、同第 4,310,618号等に記載の多当量カプラ
ー、特開昭60-185950 号、特開昭62-24252号等に記載の
DIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー
放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物も
しくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特
許第173,302A号、同第313,308A号に記載の離脱後復色す
る色素を放出するカプラー、米国特許第 4,555,477号等
に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63-75747号に記
載のロイコ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,
181 号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げら
れる。
【0063】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第 2,322,027号
などに記載されている。水中油滴分散法に用いられる常
圧での沸点が175 ℃以上の高沸点有機溶剤の具体例とし
ては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ-2- エチルヘキシルフタレ
ート、デシルフタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェ
ニル)フタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェニル)
イソフタレート、ビス(1,1-ジエチルプロピル)フタレ
ートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロ
ヘキシルホスフェート、トリ-2- エチルヘキシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ
-2-エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息
香酸エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ヒドロキシベ
ンゾエートなど) 、アミド類(N,N-ジエチルドデカンア
ミド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テトラデシルピ
ロリドンなど) 、アルコール類またはフェノール類(イ
ソステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミルフェノー
ルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2-エチ
ルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N-
ジブチル-2- ブトキシ-5-tert-オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また
補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃
以上約 160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-エトキシエ
チルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ
る。ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテ
ックスの具体例は、米国特許第 4,199,363号、西独特許
出願(OLS)第 2,541,274号および同第2,541,230 号など
に記載されている。
【0064】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭 63-257747号、同 62-272248号、
および特開平 1-80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾ
リン-3-オン、n-ブチル p-ヒドロキシベンゾエート、
フェノール、4-クロル -3,5-ジメチルフェノール、2-フ
ェノキシエタノール、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加すること
が好ましい。本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 647頁
右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記
載されている。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以
下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜
膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより
好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)
で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技
術分野において公知の手法に従って測定することができ
る。例えば、エー・グリーン(A.Green)らによりフォト
グラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Photogr.Sci.Eng.),19巻、2号,124 〜129 頁に記載
の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することによ
り、測定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3 分15秒処
理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
し、飽和膜厚の1/2 に到達するまでの時間と定義する。
膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬
膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変える
ことによって調整することができる。また、膨潤率は 1
50〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件
下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)
/膜厚に従って計算できる。本発明の感光材料は、乳剤
層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20
μmの親水性コロイド層(バック層と称す)を設けるこ
とが好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フ
ィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜
剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性
剤等を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤
率は150〜500%が好ましい。
【0065】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用さ
れ、その代表例としては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチ
ルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒ
ドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β-メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル
-N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキ
シブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5-
ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビ
ス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3-メチル-4- アミ
ノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシエチルアニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)
アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化
合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。発色
現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリ
ン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物
塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしく
はメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防
止剤などを含むのが一般的である。また必要に応じて、
ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜
硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒ
ドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノー
ルアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤、
エチレングリコール、ジエチレングリコールのような有
機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進
剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3-
ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミ
ノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホ
スホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種
キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリ
ロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-
ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-
N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,
N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-
ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を
代表例として挙げることができる。
【0066】次に発色現像液以外の本発明のカラー反転
感光材料の処理液及び処理工程について説明する。本発
明のカラー反転感光材料の処理工程のうち黒色現像から
発色現像までの工程は以下の通りである。 1) 黒白現像−水洗−反転−発色現像 2) 黒白現像−水洗−光反転−発色現像 3) 黒白現像−水洗−発色現像 工程1)〜3)の水洗工程はいずれも、米国特許4,8
04,616号に記載のリンス工程に替えて、処理の簡
易化、廃液の低減を図ることができる。次に発色現像以
後の工程について説明する。 4)発色現像−調整−漂白−定着−水洗−安定 5)発色現像−水洗−漂白−定着−水洗−安定 6)発色現像−調整−漂白−水洗−定着−水洗−安定 7)発色現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定 8)発色現像−漂白−定着−水洗−安定 9)発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 10)発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定 11)発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定 12)発色現像−調整−漂白定着−水洗−安定 13)発色現像−水洗−漂白定着−水洗−安定 14)発色現像−漂白定着−水洗−安定 15)発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定 4)から15)の処理工程において、安定工程の直前の
水洗工程は除去されてもよく、又逆に最終工程の安定工
程は行なわれなくてもよい。前記の工程1)〜3)のい
ずれかひとつと4)〜15)の工程のいずれかひとつと
がつながって、カラー反転工程が形成される。
【0067】次に本発明のカラー反転処理工程の処理液
について説明する。本発明に用いられる黒白現像液に
は、公知の現像主薬を用いることができる。現像主薬と
しては、ジヒドロキシベンゼン類(たとえばハイドロキ
ノン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−
3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN
−メチル−p−アミノフェノール)、1−フェニル−3
−ピラゾリン類、アスコルビン酸及び米国特許第4,0
67,872号に記載の1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン環とインドレン環とが縮合したような複素環化
合物などを、単独もしくは組合せて用いることができ
る。本発明に用いる黒白現像液には、その他必要により
保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩など)、緩衝剤
(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールアミ
ン)、アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸塩)、溶解
錠剤(例えば、ポリエチレングリコール類、これらのエ
ステル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機酸)、
増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現像促進剤、
界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤などを含有さ
せることができる。本発明に用いる黒白現像液にはハロ
ゲン化銀溶剤として作用する化合物を含ませる必要があ
るが、通常は上記の保恒剤として添加される亜硫酸塩が
その役目を果す。この亜硫酸塩及び他の使用しうるハロ
ゲン化銀溶剤としては、具体的にはKSCN、NaSC
N、K2SO3 、Na2SO3 、K225 、Na22
5 、K223 、Na223 などを挙げることができ
る。このようにして調整された現像液のpH値は所望の
濃度とコントラストを与える十分な程度に選択される
が、約8.5〜約11.5の範囲にある。かかる黒白現
像液を用いて増感処理を行うには通常、標準処理の最大
3倍程度迄の時間延長を行えばよい。このとき処理温度
を上げれば、増感処理のための延長時間を短縮すること
ができる。
【0068】これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは
9〜12であることが一般的である。またこれらの現像液
の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、
一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル以下で
あり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこ
とにより 500ml以下にすることもできる。補充量を低減
する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくするこ
とによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好まし
い。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下
に定義する開口率で表わすことができる。即ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口
率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程
のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、
定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積
を抑える手段を用いることにより補充量を低減すること
もできる。黒白現像後に用いられる反転浴には公知のカ
ブラセ剤を含むことができる。すなわち第1スズイオン
−有機リン酸錯塩(米国特許第3,617,282号明
細書)、第1スズイオン有機ホスホノカルボン酸錯塩
(特公昭56−32616号公報)、第1スズイオン−
アミノポリカルボン酸錯塩(米国特許第1,209,0
50号明細書)などの第1スズイオン錯塩、水素化ホウ
素化合物(米国特許第2,984,567号明細書)、
複素環アミンボラン化合物(英国特許第1,011,0
00号明細書)などのホウ素化合物、などである。この
カブラセ浴(反転浴)のpHは、酸性側からアルカリ性
側まで広い範囲に亘っており、pH2〜12、好ましく
は2.5〜10、特に好ましくは3〜9の範囲である。
反転浴のかわりに再露光による光反転処理を行なっても
よく、又上記カブラセ剤を発色現像液に添加することに
より、反転工程を省略することもできる。本発明のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料は、発色現像後漂白処理又
は漂白定着処理される。これらの処理は発色現像後他の
処理工程を経ることなく、直ちに行なわれてもよいし、
不用な後現像、空気カブリを防止し、脱銀工程への発色
現像液の持ち込みを低減するために、また写真感光材料
中に含まれる増感色素、染料などの感材部分及び写真感
光材料に含浸された発色現像主薬の洗い出し、無害化を
行なうために、発色現像処理後、停止、調整、水洗など
の処理工程を経た後漂白処理又は漂白定着処理されても
よい。
【0069】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用
いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩などを用
いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢
酸鉄(III)錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(I
II)錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯
塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さら
にアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常 4.0〜8であるが、処理の迅速化の
ためにさらに低いpHで処理することもできる。漂白液、
漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応じて漂白促
進剤を使用することができる。有用な漂白促進剤の具体
例は、次の明細書に記載されている:米国特許第 3,89
3,858号、西独特許第1,290,812 号、同2,059,988 号、
特開昭53-32736号、同53-57831号、同53-37418号、同53
-72623号、同53-95630号、同53-95631号、同53-104232
号、同53-124424 号、同53-141623 号、同53-28426号、
リサーチ・ディスクロージャーNo.17129号(1978年7
月)などに記載のメルカプト基またはジスルフィド基を
有する化合物;特開昭50-140129 号に記載のチアゾリジ
ン誘導体;特公昭45-8506 号、特開昭52-20832号、同53
-32735号、米国特許第3,706,561 号に記載のチオ尿素誘
導体;西独特許第1,127,715 号、特開昭58-16,235 号に
記載の沃化物塩;西独特許第966,410 号、同2,748,430
号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45-883
6 号記載のポリアミン化合物;その他特開昭49-40,943
号、同49-59,644 号、同53-94,927 号、同54-35,727
号、同55-26,506 号、同58-163,940号記載の化合物;臭
化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基また
はジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観
点で好ましく、特に米国特許第3,893,858 号、西独特許
第1,290,812 号、特開昭53-95,630 号に記載の化合物が
好ましい。更に、米国特許第4,552,834 号に記載の化合
物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加して
もよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときに
これらの漂白促進剤は特に有効である。漂白液や漂白定
着液には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する
目的で有機酸を含有させることが好ましい。特に好まし
い有機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物
で、具体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸な
どが好ましい。
【0070】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫
酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿
素などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤
としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸
付加物あるいは欧州特許第 294769A号に記載のスルフィ
ン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液には
液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸類や有
機ホスホン酸類の添加が好ましい。脱銀工程の時間の合
計は、脱銀不良が生じない範囲で短い方が好ましい。好
ましい時間は1分〜3分、更に好ましくは1分〜2分で
ある。また、処理温度は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜
45℃である。好ましい温度範囲においては、脱銀速度が
向上し、かつ処理後のステイン発生が有効に防止され
る。脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されて
いることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法として
は、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤面に処
理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-183461号の
回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に
設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら
感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによっ
てより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流
量を増加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上
手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいて
も有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着
剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考
えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を
使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加
させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させるこ
とができる。本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-1912
59号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ま
しい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、この
ような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著
しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高
い。このような効果は各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0071】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers第64巻、P. 248〜253(1955年
5月号)に記載の方法で、求めることができる。前記文
献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減
少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加によ
り、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に
付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の
処理において、このような問題が解決策として、特開昭
62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを低減させる方法を極めて有効に用いることがで
きる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共
出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」
(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴
剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもでき
る。本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは、4
〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗
時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、
一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃
で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光
材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理する
こともできる。このような安定化処理においては、特開
昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号に記載の
公知の方法はすべて用いることができる。また、前記水
洗処理に続いて、更に安定化処理する場合もあり、その
例として、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用さ
れる、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙
げることができる。色素安定化剤としては、ホルマリン
やグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、N-メチロー
ル化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒ
ド亜硫酸付加物などを挙げることができる。 この安定
浴にも各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー
液は脱銀工程等他の工程において再利用することもでき
る。自動現像機などを用いた処理において、上記の各処
理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加えて濃縮
補正することが好ましい。
【0072】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第 3,3
42,597号記載のインドアニリン系化合物、同第 3,342,5
99号、リサーチ・ディスクロージャー14,850号及び同1
5,159号記載のシッフ塩基型化合物、同13,924号記載の
アルドール化合物、米国特許第 3,719,492号記載の金属
塩錯体、特開昭53-135628 号記載のウレタン系化合物を
挙げることができる。本発明のハロゲン化銀カラー感光
材料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各
種の1-フェニル-3-ピラゾリドン類を内蔵しても良い。
典型的な化合物は特開昭56-64339号、同57-144547号、
および同58-115438号等に記載されている。本発明にお
ける各種処理液は10℃〜50℃において使用される。通常
は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温にして
処理を促進し処理時間を短縮したり、逆により低温にし
て画質の向上や処理液の安定性の改良を達成することが
できる。
【0073】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (実施例) 試料101の作製 下塗りを施した厚み127μの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感
光材料を作製し、試料101とした。数字はm2当りの添
加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した用
途に限らない。
【0074】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9g 紫外線吸収剤U−1 0.1g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1g
【0075】 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5mg 化合物Cpd−J 5mg 化合物Cpd−K 3mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1g 染料D−4 0.8mg
【0076】 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動 係数18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.4g
【0077】 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.3g 乳剤B 銀量 0.2g ゼラチン 0.8g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−9 0.05g 化合物Cpd−C 5mg 化合物Cpd−J 5mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1g 添加物P−1 0.1g
【0078】 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2g 乳剤C 銀量 0.3g ゼラチン 0.8g カプラーC−1 0.2g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1g 添加物P−1 0.1g
【0079】 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4g ゼラチン 1.1g カプラーC−1 0.3g カプラーC−2 0.1g カプラーC−3 0.7g 添加物P−1 0.1g
【0080】 第7層:中間層 ゼラチン 0.6g 添加物M−1 0.3g 混色防止剤Cpd−I 2.6mg 染料D−5 0.02g 化合物Cpd−J 5mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g
【0081】 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数1 6%、AgI含量0.3モル) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0g 添加物P−1 0.2g 混色防止剤Cpd−A 0.1g 〃 Cpd−C 0.1g
【0082】 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.1g 乳剤F 銀量 0.2g 乳剤G 銀量 0.2g ゼラチン 0.5g カプラーC−4 0.1g カプラーC−7 0.05g カプラーC−8 0.20g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−J 10mg 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1g
【0083】 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3g 乳剤H 銀量 0.1g ゼラチン 0.6g カプラーC−4 0.1g カプラーC−7 0.2g カプラーC−8 0.1g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−L 0.05g 化合物Cpd−G 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
【0084】 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.5g ゼラチン 1.0g カプラーC−4 0.3g カプラーC−7 0.1g カプラーC−8 0.1g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−K 5mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g
【0085】 第12層:中間層 ゼラチン 0.6g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.05g
【0086】 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07g ゼラチン 1.1g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 化合物Cpd−L 0.01g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05g
【0087】 第14層:中間層 ゼラチン 0.6g
【0088】 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤J 銀量 0.2g 乳剤K 銀量 0.3g ゼラチン 0.8g カプラーC−5 0.2g カプラーC−6 0.1g カプラーC−10 0.4g
【0089】 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.5g ゼラチン 0.9g カプラーC−5 0.1g カプラーC−6 0.1g カプラーC−10 0.6g
【0090】 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤M 銀量 0.2g 〃N 銀量 0.2g ゼラチン 1.2g カプラーC−5 0.1g カプラーC−6 0.1g カプラーC−10 0.6g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1g
【0091】 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7g 紫外線吸収剤U−1 0.2g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3g ホルマリンスカベンジャーCpd−H 0.4g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1g
【0092】 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.1g ゼラチン 0.4g
【0093】 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μ) 0.1g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μ) 0.1g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 3.0mg 界面活性剤W−2 0.03g
【0094】また、すべての乳剤層には上記組成物の他
に添加剤F−1〜F−3を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加し
た。更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステ
ルを添加した。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【化16】
【0099】
【化17】
【0100】
【化18】
【0101】
【化19】
【0102】
【化20】
【0103】
【化21】
【0104】
【化22】
【0105】
【化23】
【0106】
【化24】
【0107】
【化25】
【0108】
【化26】
【0109】
【化27】
【0110】
【化28】
【0111】
【化29】
【0112】試料102の作製 試料101において第20層に本発明の化合物のラテッ
クス溶液P−4をその固形分重量として0.5g/m2
加した以外は試料101と同様にして作製した。 試料103〜105の作製 試料102に添加した化合物P−4のかわりにP−9、
P−13、P−19を固形分で等重量になるよう添加し
た以外、試料102と同様にして作製した。 試料106〜109の作製 試料101において第18層に本発明の化合物のラテッ
クス溶液P−4〜P−19をその固形分重量として0.
5g/m2添加した以外は試料101と同様にして作製し
た。 試料110〜114の作製 試料101において第20層にそれぞれ下記比較化合物
PCC−1〜PCC−5を固形分重量として0.5g/
m2添加した以外は試料101と同様にして作製した。
【0113】
【化30】
【0114】得られた試料は35mmストリップス形態に
裁断後、濃度0.8を与えるように均一露光をし、クリ
ップ付きの現像枠にはさんで、吊り型現像機により下記
の現像処理Iを通した。この際、カラー現像液の攪拌は
現像枠が完全に処理液中にはいってから20″後に攪拌
を開始した。次にカラー現像液のpHを11.8から1
2.02に水酸化カリウムを添加して調整し上記と同様
にして処理を行った(処理IIとする)。さらに反転浴の
塩化スズの添加量がSn金属に換算して1.6gになる
よう添加した処理液を用いて同様な処理を行った(処理
III とする)。得られた現像処理済みの試料において濃
度ムラの程度を視覚的に判断した。試料101〜114
を50℃、相対湿度80%の条件下に3日間放置した
後、処理Iを行ない、未露光部の発色濃度を吸光度計を
用いて測定し、かぶり濃度の差から保存性を評価した。
さらに、試料101〜114にそのまま処理Iを施し、
上記同様の方法でかぶりを評価した。次にこれらの試料
の耐接着性を評価するために試料を35mm角に8枚裁断
し、25℃80%RHの条件下で2時間調湿した。その
後8枚の試料を積み重ねて上部に500gの重りを乗せ
40℃80%RHの条件下に3日間保存した。保存した
試料を取り出し接着した面積を評価して耐接着性の良否
の判断を行った。結果を表4にまとめて示した。
【0115】
【表4】
【0116】表4で明らかなように本発明の化合物を最
上層である保護層に添加すると処理ムラが減少し、かぶ
り、保存性が悪化していないことがわかる。この効果は
カラー現像液のpHをあげる、あるいは反転浴の塩化ス
ズの添加量をあげると、無添加の試料の処理ムラの悪化
が顕著であるのに対し、本発明の化合物を添加した試料
は悪化程度が少ないことがわかる。更に本発明の化合物
を最上層に添加した場合は耐接着性が悪化したが最上層
以外の保護層に添加すると耐接着性の悪化がなく、処理
ムラも良化していることが明らかである。
【0117】
【発明の効果】以上の実施例で明らかなように本発明の
化合物を添加することによりカラー反転感材を吊り型現
像機を用いた時に発生する処理ムラの発生を抑えること
ができた。さらに、本発明の化合物の添加ではかぶり、
保存性に表われる写真性能の低下は全く見られなかっ
た。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少くとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、親水性コロイド層の少くとも1層に、下記一般式
    (I)で表わされる化合物を含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。一般式(I) 【化1】 式中Aは重合可能なエチレン性不飽和基を少くとも2つ
    有し、その少くとも1つを側鎖に含むモノマーを重合し
    て得られる繰り返し単位を表わす。Bは重合可能なエチ
    レン性不飽和基を1つ有するモノマーを重合して得られ
    る繰り返し単位を表わす。R1 は水素原子又はアルキル
    基を表わす。L1 は高分子主鎖と、イミノジカルボン酸
    ユニットを連結する2価の連結基を表わす。M1 及びM
    2 はそれぞれ水素原子又はカチオンを表わす。m1 、m
    2 はそれぞれ1ないし3の整数を表わす。x、y、z
    は、重合体を構成する各繰り返しユニットのモル百分率
    を表わし、xは5ないし50、yは0ないし70、zは
    5ないし95の値を表わし、x+y+z=100であ
    る。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表わされる化合物を含有
    する親水性コロイド層が感光性ハロゲン化銀乳剤層より
    上方の親水性コロイド層であることを特徴とする特許請
    求範囲第1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 画像形成プロセスにカラー反転処理工程
    を有することを特徴とする特許請求範囲第1項に記載の
    ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表される化合物を含有す
    る親水性コロイド層の上層に少なくとも一層の親水性コ
    ロイド層を有することを特徴とする特許請求範囲第3項
    に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 カラー現像液のpHが12以上であるこ
    とを特徴とする特許請求範囲第3項に記載のカラー感光
    材料を用いた画像形成法。
  6. 【請求項6】 反転浴の塩化スズの添加量がスズ金属換
    算で1.6g以上であることを特徴とする特許請求範囲
    第3項に記載のカラー感光材料を用いた画像形成法。
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